JPH11244678A - 消石灰水溶液の生成方法及びその装置 - Google Patents

消石灰水溶液の生成方法及びその装置

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JPH11244678A
JPH11244678A JP10047061A JP4706198A JPH11244678A JP H11244678 A JPH11244678 A JP H11244678A JP 10047061 A JP10047061 A JP 10047061A JP 4706198 A JP4706198 A JP 4706198A JP H11244678 A JPH11244678 A JP H11244678A
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Japan
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slaked lime
aqueous solution
slurry
carbon dioxide
air
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JP10047061A
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Toru Sekiya
透 関谷
Yoshihisa Sakamoto
吉久 坂本
Toshiyuki Tsuda
敏行 津田
Haruo Yokota
治雄 横田
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸カルシウムの生成問題及び未溶解物の処
理問題を解決して、清澄な消石灰水溶液を生成する方法
及びその装置を提供する。 【解決手段】 消石灰水溶液の本生成方法は、水と粉粒
状の消石灰とを混合して所定濃度の消石灰スラリーを生
成するスラリー生成工程(14)と、生成した消石灰ス
ラリーを所定流量で送液し、送液中の消石灰スラリーに
水を注水して飽和濃度以下の粗製消石灰水溶液を生成す
る水溶液生成工程(34、38)と、粗製消石灰水溶液
から未溶解物を分離する分離工程(16)とを備え、連
続的に行って清澄な消石灰水溶液を生成する。更に、分
離工程で得た未溶解物を消石灰水溶液と共に未溶解物ス
ラリーとして抜き出し、未溶解物スラリーに空気を噴出
させて、空気中の炭酸ガスにより未溶解物スラリーを中
和するとともに炭酸ガス不含空気を生成する炭酸ガス不
含空気生成工程(18)を備え、炭酸ガス不含空気の雰
囲気の下でスラリー生成工程、水溶液生成工程、及び分
離工程を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消石灰水溶液の生
成方法及びその装置に関し、消石灰を有効に消費して、
清澄な消石灰水溶液、例えば上水道用水のpH調整に最
適な清澄消石灰水溶液の生成方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】浄水場、或いは一般産業用水の水処理装
置では、消石灰を注入することにより、上水道用水、或
いは一般産業用水のpHを調整する方法が、従来からし
ばしば行われている。例えば、上水道用水への消石灰の
注入は、5.8〜8.6と定められている水質基準に合
うように上水道用水のpHを調整するためであって、一
般には、上水道水はpH7.0位に調整されている。消
石灰がpH調整用に使用されているのは、炭酸カルシウ
ム膜を形成することにより、鋳鉄管又はセメントモルタ
ルライニング管を主として使用している配管網を腐食か
ら保護するためであり、また家庭の鉛管から鉛の溶出を
防ぐためである。近年、健康増進に必要なカルシウム分
を供給するために消石灰の注入量を多くする傾向にあ
り、pHは7.5位が望ましいと言われている。
【0003】ところで、消石灰は、水に対する溶解度が
例えば25°Cで約0.17重量%と比較的小さく、し
かも水温が高くなる程小さくなる性質を有する。以上の
ような消石灰の低い水溶解性から、従来、一般的には、
回分式で消石灰水溶液を生成する方法が採用されてい
る。消石灰水溶液の回分式生成方法では、先ず、溶解槽
に相当量の消石灰を投入する。次いで、溶解槽に水を連
続的に注水しながら攪拌して消石灰を水に溶解させて飽
和消石灰水溶液を生成する。そして、飽和消石灰水溶液
を生成しながら、注水量に見合った飽和消石灰水溶液を
連続的に抜き出している。この方法では、一旦、消石灰
を溶解槽に投入して飽和消石灰水溶液の生成を開始する
と、投入した消石灰の量が少なくなって飽和消石灰水溶
液の生成効率が低下するまで、飽和消石灰水溶液を連続
的に抜き出している。溶解槽から飽和消石灰水溶液を抜
き出す操作を停止した時点で、溶解槽から未溶解物を抜
き出して溶解槽を空にし、次の溶解操作に移る。
【0004】最近では、回分式の消石灰水溶液の生成方
法に代わるものとして、消石灰と水とを連続的に投入し
て消石灰水溶液を連続的に生成する方法も開発されてい
る。連続式生成方法は、水と粉粒状の消石灰とを混合し
て所定濃度の消石灰スラリーを生成するスラリー生成工
程と、消石灰スラリーに水を注水して飽和濃度以下の粗
製消石灰水溶液を生成する水溶液生成工程と、粗製消石
灰水溶液から未溶解物を分離する分離工程とを備え、水
溶液生成工程と分離工程とを一連で連続的に行って清澄
な消石灰水溶液を生成する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】消石灰水溶液は、空気
中の炭酸ガスと容易に反応して炭酸カルシウムを生成し
易い性質を有する。そのため、回分式及び連続式に限ら
ず、消石灰水溶液を生成する従来の方法及び装置では、
次のような問題が生じていた。第1には、炭酸カルシウ
ムが、装置の配管に生成、付着して成長し、スケールと
して配管を閉塞したり、装置の機器に沈着して機器の性
能を劣化させたりすることである。第2には、清澄な消
石灰水溶液を製造し、貯留している間に、消石灰水溶液
が空気中の炭酸ガスと反応して、炭酸カルシウムを生成
して白濁する結果、それを使用すると、水質の濁度が高
くなるという問題があることである。第3には、空気中
の炭酸ガスと接触させないために、消石灰スラリーの生
成槽や未溶解物の分離槽等を密閉化し、炭酸ガス除去
剤、例えば消石灰を充填した炭酸ガス除去筒を大気との
連通管等に取り付けたりする試みもあるが、完全では無
く、しかも、炭酸ガス除去剤として使われた消石灰が無
駄になるという問題もあった。甚だしい場合は、生成し
た清澄な消石灰水溶液を貯留する貯槽に攪拌機を設置し
て、大気中の炭酸ガスと反応して生じた炭酸カルシウム
が槽に沈積しないように攪拌するようなこともしてい
る。これでは、動力の消費エネルギーが大きく、コスト
が嵩む。
【0006】また、消石灰水溶液を生成する従来の方法
及び装置では、上述の炭酸カルシウム生成の問題とは別
に、未溶解物処理の問題、即ち、回分式の消石灰水溶液
の生成方法では溶解槽から抜き出した未溶解物、連続式
の消石灰水溶液の生成方法では粗製消石灰水溶液から未
溶解物を分離する分離工程で分離した未溶解物の処理と
いう問題である。回分式及び連続式のいずれの方法で
も、未溶解物は、消石灰水溶液と共に未溶解物スラリー
として抜き出されていて、高pHのアルカリ性であるた
め、浄水場で、未溶解物スラリーを原水系に返送して使
用しようとすると、原水のpHを高め、後続の水処理に
不都合を来す。また、浄水場の汚泥処理系に排出して汚
泥と一緒に処理しようとしても、汚泥のpHを上昇させ
て汚泥を分解したり、汚泥処理の過程で発生する処理液
の再利用を困難にしたりして、汚泥の処理性を悪化させ
る。浄水場の外に排出するには、中和処理等の後処理を
必要とする。以上のように、未溶解物は、後処理が難し
く、その取り扱いに困っていた。
【0007】そこで、本発明の目的は、炭酸カルシウム
の生成問題及び未溶解物の処理問題を解決して、清澄な
消石灰水溶液を生成する方法及びその装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した未
溶解物のアルカリ性に着目した。即ち、未溶解物は、基
本的には炭酸カルシウム粒子で構成されているものの、
未溶解消石灰粒子も一部含まれており、しかも消石灰水
溶液と共に未溶解物スラリーとして抜き出されているの
で、Caイオンも豊富に未溶解物スラリー中に含まれて
いる。そこで、未溶解物スラリーに空気を吹き込み、C
aイオンを空気中の炭酸ガスと反応させて炭酸カルシウ
ムとして固定化することにより、未溶解物スラリーを中
和して後処理を容易にすると共に、炭酸ガス不含空気を
生成して消石灰水溶液を外気から遮断するシールガスと
して利用することを着想し、実験を重ねて、本発明を完
成するに到った。
【0009】上記目的を達成するために、本発明に係る
消石灰水溶液の生成方法(以下、第1の発明方法と言
う)は、水と粉粒状の消石灰とを混合して所定濃度の消
石灰スラリーを生成するスラリー生成工程と、消石灰ス
ラリーに水を注水して飽和濃度以下の粗製消石灰水溶液
を生成する水溶液生成工程と、粗製消石灰水溶液から未
溶解物を分離する分離工程とを備え、水溶液生成工程と
分離工程とを一連で連続的に行って清澄な消石灰水溶液
を生成する消石灰水溶液の生成方法において、分離工程
で得た未溶解物を消石灰水溶液と共に未溶解物スラリー
として抜き出し、未溶解物スラリーに空気を噴出させ
て、空気中の炭酸ガスにより未溶解物スラリーを中和す
るとともに炭酸ガス不含空気を生成する炭酸ガス不含空
気生成工程を備えることを特徴としている。好適には、
炭酸ガス不含空気生成工程で生成した炭酸ガス不含空気
の雰囲気下で、スラリー生成工程、水溶液生成工程、及
び分離工程の少なくとも一つを実施する。
【0010】第1の発明方法は、消石灰水溶液の連続式
生成方法に本発明思想を適用したものである。本発明方
法及び次の第2の発明方法で、炭酸ガス不含空気とは、
消石灰水溶液の白濁を防止するのに十分な程度に炭酸ガ
ス濃度を低減した空気を意味し、必ずしも、完全に炭酸
ガスを含まない空気を意味するわけではない。
【0011】本発明に係る消石灰水溶液の別の生成方法
(以下、第2の発明方法と言う)は、消石灰を水に溶解
して飽和消石灰水溶液を生成する回分式の消石灰水溶液
生成工程を有する回分式の消石灰水溶液の生成方法にお
いて、消石灰水溶液生成工程で生じた未溶解物を消石灰
水溶液と共に未溶解物スラリーとして抜き出し、未溶解
物スラリーに空気を噴出させて、空気中の炭酸ガスによ
り未溶解物スラリーを中和するとともに炭酸ガス不含空
気を生成する炭酸ガス不含空気生成工程を備えることを
特徴としている。好適には、炭酸ガス不含空気生成工程
で生成した炭酸ガス不含空気の雰囲気下で、消石灰水溶
液生成工程を実施する。第2の発明方法は、消石灰水溶
液の回分式生成方法に本発明思想を適用したものであ
る。
【0012】第1の発明方法を実施するのに好適な生成
装置は、消石灰の定量供給装置を有する消石灰供給手段
と水を給水する給水手段とを備えて消石灰スラリーを生
成する密閉型スラリー生成槽と、スラリー生成槽からス
ラリーポンプにより抜き出された消石灰スラリーに水を
注水して飽和濃度以下の粗製消石灰水溶液を生成する手
段と、粗製消石灰水溶液から未溶解物を分離して、清澄
な消石灰水溶液を得る密閉型分離槽とを備えて、消石灰
水溶液を連続的に生成する消石灰水溶液の生成装置にお
いて、分離槽から未溶解物を消石灰水溶液と共に未溶解
物スラリーとして抜き出し、未溶解物スラリーに空気を
噴出させて、空気中の炭酸ガスにより未溶解物スラリー
を中和するとともに炭酸ガス不含空気を生成する炭酸ガ
ス不含空気生成手段と、炭酸ガス不含空気生成手段で生
成した炭酸ガス不含空気をスラリー生成槽及び分離槽の
少なくともいずれか一つの槽の上部空間に送入して、ス
ラリー生成槽内及び分離槽内の消石灰水溶液を炭酸ガス
不含空気によりガスシールするガスシール手段とを有す
ることを特徴としている。
【0013】第2の発明方法を実施するのに好適な生成
装置は、飽和消石灰水溶液を生成する密閉型消石灰水溶
液生成槽を備え、飽和消石灰水溶液を回分式で生成する
消石灰水溶液の生成装置において、消石灰水溶液生成槽
から未溶解物を消石灰水溶液と共に未溶解物スラリーと
して抜き出し、未溶解物スラリーに空気を噴出させて、
空気中の炭酸ガスにより未溶解物スラリーを中和すると
ともに炭酸ガス不含空気を生成する炭酸ガス不含空気生
成手段と、炭酸ガス不含空気生成手段で生成した炭酸ガ
ス不含空気を消石灰水溶液生成槽の上部空間に送入し
て、消石灰水溶液生成槽内の消石灰水溶液を炭酸ガス不
含空気によりガスシールするガスシール手段とを有する
ことを特徴としている。
【0014】本発明は、未溶解物スラリーに空気を接触
させることにより空気中の炭酸ガスを除去し、炭酸ガス
の除去された空気をシールガスとして密閉化された装置
内に送り、装置内を炭酸ガスのない空気で満たすことに
より、消石灰と炭酸ガスとの反応で生じる炭酸カルシウ
ムの生成を防止している。未溶解物スラリーは、連続式
生成法では少なくとも消石灰水溶液を、回分式生成方法
では消石灰水溶液に加えて未溶解の消石灰を含んでいる
ので、炭酸ガスを含む大気空気と未溶解物スラリーとを
接触させることにより、次式のように、消石灰を炭酸ガ
スと反応させて炭酸カルシウムとして固定し、更には、
炭酸カルシウムを重炭酸カルシウムとして未溶解物スラ
リーに取り込む。 Ca(OH)2 +CO3 →CaCO3 +H2 O CaCO3 +CO2 +H2 O→Ca(HCO3 2 これにより、高pHの原因物質である水酸化カルシウム
(消石灰)を除去して未溶解物スラリーを中和し、後処
理の容易な残渣にすることができる。なお、空気との接
触による未溶解物スラリーの中和は、必ずしも未溶解物
スラリーのpHが中性になるまで行う必要はなく、例え
ば未溶解物スラリー中の大部分の消石灰が中和された時
点で空気との接触反応を中止し、残部の消石灰について
は別に塩酸等の酸を添加して中和してもよく、これによ
り、中和に要する酸の量を従来より減少させることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。実施形態例1 本実施形態例は、第1発明方法の実施形態の一例であっ
て、図1は本実施形態例方法を実施する消石灰水溶液の
生成装置の構成を示すフローシートである。本実施形態
例の方法を実施する消石灰水溶液の生成装置10(以
下、簡単に装置10と言う)は、粉粒状の消石灰を貯蔵
するためのサイロホッパ12と、消石灰のスラリーを生
成するスラリー生成槽14と、粗製消石灰水溶液から未
溶解物を沈降分離して清澄な消石灰水溶液を生成する沈
降分離槽16と、清澄な消石灰水溶液を貯留する消石灰
水溶液貯槽17と、沈降分離槽16で分離された未溶解
物を収容する未溶解物槽18と、未溶解物槽18で生成
された、炭酸ガスを含まない空気(以下、簡単に炭酸ガ
ス不含空気と言う)を各槽に流入させ、各槽内の消石灰
水溶液を空気連通システムでガスシールするガスシール
・システム20とを備えている。
【0016】サイロホッパ12は、粉粒状の消石灰を貯
蔵するために設けられた既知のサイロホッパで、消石灰
の抜き出しに便利なように逆円錐状の底部を有し、その
下端は開閉弁21を備えた消石灰の抜き出し管22を介
して定量供給装置23に接続されている。定量供給装置
23は、スラリー生成槽14に所定の流量で消石灰を供
給する装置で、軸流ポンプに類似の装置、例えば兵神装
備(株)製の微粉体用モーノポンプPNS型等を使用で
きる。
【0017】スラリー生成槽14は、消石灰スラリーを
生成するための槽であって、空気中の炭酸ガスを吸収し
て炭酸カルシウムを生成しないように密閉構造の槽で形
成されている。スラリー生成槽14には、サイロホッパ
12から定量供給装置23を経て一定流量で供給された
消石灰を流入させる流入管24と、消石灰スラリー生成
用の水を一定流量で供給するための開閉弁付き給水管2
6と、消石灰と水とを攪拌して消石灰スラリーを生成す
るための攪拌機28とが設けてある。
【0018】スラリー生成槽14の底部には、消石灰ス
ラリーを所定流量で抜き出すためのスラリーポンプ34
が接続されている。スラリーポンプ34は、定量型でか
つ回転数制御により送液流量を調節できる方式のポンプ
であって、定量型の軸流式ポンプ、例えば兵神装備
(株)製のモーノポンプNE型を使用できる。スラリー
ポンプ34の吐出側は、移送管36を介して沈降分離槽
16の入口に接続されている。移送管36の途中には、
消石灰スラリーを希釈する水を注入するための開閉弁付
き注水管38が接続され、消石灰の濃度が飽和水溶液以
下になるように、水が消石灰スラリーに注入される。
【0019】沈降分離槽16は、密閉構造の槽であっ
て、槽内に設けられた多数枚の傾斜板からなる傾斜沈降
装置40と、多数の開口を有する整流板42により傾斜
沈降装置40に隣接して槽内に区画された消石灰水溶液
槽44と、傾斜沈降装置40の下部の逆円錐状の槽底部
46とから構成されている。流入した飽和濃度以下の粗
製消石灰水溶液中に懸濁している炭酸カルシウム等の未
溶解物は、傾斜沈降装置40により沈降分離されて、槽
底部46に沈殿する。尚、43は沈降分離槽16の消石
灰水溶液流入側に設けられた、多数の開口を有する整流
板である。槽底部46は、排泥用に開閉弁48を有する
排出管50を介して未溶解物槽18に接続され、未溶解
物槽18に未溶解物を送出する。未溶解物は、主とし
て、炭酸カルシウム粒子からなる残渣であるが、未溶解
物を流出する際に、未溶解物と共に消石灰水溶液も流出
するので、未溶解物は、未溶解物と消石灰水溶液とから
なる未溶解物スラリーとして未溶解物槽18に流入す
る。一方、消石灰水溶液槽44は、清澄な上澄み液とな
った消石灰水溶液を送液するために送出管52を介して
消石灰水溶液貯槽17に接続されている。
【0020】消石灰水溶液貯槽17は、製造された消石
灰水溶液を貯留する密閉型貯槽であって、貯槽された消
石灰水溶液は、消石灰水溶液貯槽17の底部に接続され
た消石灰水溶液ポンプ54により注入点に送出される。
【0021】未溶解物槽18は、密閉構造の槽であっ
て、ノズルを多数有し、空気ブロア56に接続された空
気ノズル管58を底部に備え、空気ブロア56により送
入された空気を槽内に噴出させるようになっている。ま
た、未溶解物槽18は、上部でガスシール・システム2
0の空気ライン60に接続され、底部には、未溶解物ス
ラリーポンプ61が設けられ、未溶解物槽18に収容さ
れたスラリーを排出する。沈降分離槽16で沈降分離さ
れた未溶解物スラリーは、開閉弁48の開操作により未
溶解物槽18に流入する。未溶解物スラリーは、消石灰
を溶解したpH12〜13のアルカリ性のスラリーであ
る。未溶解物槽18は、このアルカリ性未溶解物スラリ
ーを収容し、空気ノズル管58から噴出させた空気と未
溶解物スラリーとを接触させ、空気中の炭酸ガスと未溶
解物スラリー中の消石灰とを反応させて、前述の式で示
すように、未溶解物スラリー中の消石灰を中和すると共
に空気を炭酸ガスを含まない炭酸ガス不含空気に転化す
ることができる。
【0022】ガスシール・システム20は、消石灰水溶
液貯槽17、沈降分離槽16、及びスラリー生成槽14
のそれぞれの上部空間に、未溶解物槽18で生成した炭
酸ガス不含空気を流通させ、各槽の消石灰水溶液を炭酸
ガス不含空気でガスシールして炭酸ガス含有空気から遮
断するガスシール・システムである。ガスシール・シス
テム20は、空気ライン60により未溶解物槽18から
消石灰水溶液貯槽17の上部空間に炭酸ガス不含空気を
流入させて、消石灰水溶液貯槽17内の消石灰水溶液を
ガスシールし、炭酸ガス含有空気から遮断する。次い
で、ガスシール・システム20は、空気ライン62によ
り消石灰水溶液貯槽17から沈降分離槽16の上部空間
に炭酸ガス不含空気を流入させ、沈降分離槽16内の消
石灰水溶液をガスシールし、炭酸ガス含有空気から遮断
し、更に、空気ライン64により沈降分離槽16からス
ラリー生成槽14の上部空間に炭酸ガス不含空気を流入
させ、スラリー生成槽14内の消石灰水溶液をガスシー
ルし、炭酸ガス含有空気から遮断する。スラリー生成槽
14は、上部に空気流出管66を有し、過剰の炭酸ガス
不含空気を大気中に放出する。炭酸ガス不含空気の流量
は、各槽をガスシールできる程度の流量であって、消費
する性質のものではないから、僅かの量で済む。
【0023】以下に、装置10を使用して、本発明に係
る消石灰水溶液の生成方法の実施を説明する。開閉弁2
1を開にし、抜き出し管22、定量供給装置23及び流
入管24を経て、サイロホッパ12から所定流量で粉粒
状の消石灰をスラリー生成槽14へ投入する。一方、給
水管26から水を所定流量でスラリー生成槽14に給水
し、消石灰が沈降しないように攪拌機28で攪拌して消
石灰スラリーを生成する。消石灰スラリーの濃度は、ス
ラリーポンプ34による消石灰スラリーの送液に支障の
無い範囲の消石灰濃度、例えば常温で1〜20重量%の
範囲である。スラリー生成槽14は、密閉構造で形成さ
れており、しかも水位が変動する際には、ガスシール・
システム20から空気ライン64を介して炭酸ガス不含
空気が流入するので、消石灰スラリーは炭酸ガスと接触
しない。よって、スラリー生成槽14では、消石灰と炭
酸ガスとが反応して炭酸カルシウムを生成するようなこ
とはない。
【0024】一定濃度に調製された消石灰スラリーは、
スラリーポンプ34により一定流量でスラリー生成槽1
4から抜き出され、移送管36を通って沈降分離槽16
に向け送液される。消石灰スラリーは、移送管36の途
中で注水管38から注水された希釈水により飽和濃度以
下の水溶液に希釈される。例えば、水温30°C以下で
は、消石灰濃度が0.15%以下になるように希釈水を
注水して、消石灰スラリーを希釈し、飽和濃度以下の粗
製消石灰水溶液を生成する。飽和濃度以下であるから、
消石灰は完全に水に溶解し、その結果、粗製消石灰水溶
液は、難水溶性の未溶解物(主として、炭酸カルシウ
ム)を懸濁させる一方、消石灰の未溶解分の無い消石灰
水溶液となる。
【0025】未溶解物を懸濁させた粗製消石灰水溶液
は、沈降分離槽16に導入され、整流板43の開口を通
って傾斜沈降装置40が設置されている側に流れ、粗製
消石灰水溶液中の未溶解物、例えば炭酸カルシウムは、
結晶成長しつつ沈降分離する。沈降分離された未溶解物
は、逆円錐状の槽底部46から開閉弁48を有する排出
管50を介して、未溶解物と消石灰水溶液との混合から
なる未溶解物スラリーとして定期的に未溶解物槽18に
排出される。未溶解物を沈降分離させた消石灰水溶液
は、清澄な上澄み液として整流板42の開口を通って消
石灰水溶液槽44に入り、そこから送出管52を経て消
石灰水溶液貯槽17に送液される。一方、未溶解物槽1
8に排出された未溶解物スラリーは、空気ノズル管58
から噴出させた空気と接触させ、空気中の炭酸ガスと未
溶解物スラリー中の消石灰とを反応させて消石灰を中和
すると共に空気を炭酸ガスを含まない炭酸ガス不含空気
に転化する。生成された炭酸ガス不含空気は後述の空気
ライン60を介して消石灰水溶液貯槽17の上部空間に
送られる。
【0026】沈降分離槽16は、密閉構造として形成さ
れ、空気ライン62を介してガスシール・システム20
に接続されているので、スラリー生成槽14と同様に、
沈降分離槽16内では、消石灰と炭酸ガスとが反応して
炭酸カルシウムを生成するようなことはない。また、沈
降分離槽16で生成された清澄な消石灰水溶液は、送出
管52により消石灰水溶液貯槽17に送出される。消石
灰水溶液貯槽17も、沈降分離槽16と同様に、ガスシ
ール・システム20から空気ライン60により供給され
た炭酸ガス不含空気によりガスシールされているので、
従来のように、消石灰水溶液の貯槽期間中に炭酸カルシ
ウムが生成して、白濁するようなことは生じない。
【0027】本実施形態例では、図1に示すように、消
石灰水溶液貯槽17を設け、消石灰水溶液ポンプ54に
より所定の注入点に送液している。しかし、これに限ら
ず、送出管52を直接注入点まで延長することも場合に
よっては可能であり、その場合には、消石灰水溶液貯槽
17、消石灰水溶液ポンプ54、及び空気ライン62の
設置を省き、空気ライン60を直接沈降分離槽16の上
部空間に接続する。
【0028】本実施形態例では、消石灰を定量供給装置
23により所定の流量でスラリー生成槽14に投入し、
投入した消石灰を消石灰スラリーとして定量的に抜き出
し、次いで飽和濃度以下の消石灰水溶液にすることによ
り、投入された消石灰の全量が完全に水溶液として溶解
しているので、未溶解分として廃棄される固形状の消石
灰はほとんど無い。よって、本実施形態例の消石灰消費
効率は、他の方法に比べて遙に高い。更に、本実施形態
例では、スラリー生成槽14、沈降分離槽16及び消石
灰水溶液貯槽17が密閉構造で、しかも炭酸ガス不含空
気によりシールされているので、消石灰と炭酸ガスとが
反応して炭酸カルシウムを生成するようなことがない。
よって、消石灰が炭酸カルシウムに転化して無駄になる
ことが無く、消石灰の消費効率が高い。
【0029】また、本実施形態例では、粗製消石灰水溶
液中の懸濁物及び固形物は沈降分離槽16の沈降分離作
用により消石灰水溶液中から除去され、しかも沈降分離
槽16から清澄な上澄み液として消石灰水溶液を抜き出
すことができる。よって、上水道用水に消石灰を添加す
る場合でも、凝集沈殿工程又は濾過工程の前でなく、最
終浄化工程を経た上水道用水に、直接、消石灰水溶液を
添加することができる。これにより、凝集沈殿工程又は
濾過工程において被処理水の低い酸性度又は高いアルカ
リ度により生じていた問題が解消する。
【0030】また、本実施形態例では、消石灰スラリー
と水とを混合して粗製消石灰水溶液を生成する工程を移
送管36で実施するライン混合方式で行っているが、移
送管36が短く消石灰スラリーと水との混合作用が不十
分な場合には、注水管38の下流に攪拌機を備えた混合
槽を設け、そこで、消石灰スラリーと水とを十分に混合
して消石灰水溶液を生成するようにすることもできる。
【0031】実施形態例2 本実施形態例は、回分式で飽和消石灰水溶液を生成する
際に、第2発明方法の消石灰水溶液の生成方法を適用し
た例である。図2は本実施形態例方法を適用した飽和消
石灰水溶液の回分式生成装置である。本実施形態例方法
を実施する飽和消石灰水溶液の生成装置80は、飽和消
石灰水溶液の回分式の生成装置であって、図2に示すよ
うに、粉粒状の消石灰を貯蔵するためのサイロホッパ8
2と、粉粒状の消石灰を収容し、次いで水を注水して飽
和消石灰水溶液を生成する消石灰水溶液生成槽84と、
飽和消石灰水溶液を貯槽する消石灰水溶液貯槽86と、
消石灰水溶液生成槽84から未溶解物スラリーを受け入
れ、炭酸ガス不含空気を生成する未溶解物槽88と、未
溶解物槽88で生成された炭酸ガス不含空気を各槽に流
入させて、各槽をガスシールするガスシール・システム
90とを備えている。
【0032】サイロホッパ82は、粉粒状の消石灰を貯
蔵するために設けられた既知のサイロホッパで、消石灰
の抜き出しに便利なように逆円錐状の底部を有し、その
下端は粉体供給装置92に接続されている。粉体供給装
置92は、ロータリーバルブ等の既知の構成の粉体供給
装置である。粉体供給装置92により供給された消石灰
は、消石灰輸送管94を介して空気輸送により消石灰水
溶液生成槽84に送入される。消石灰輸送管94の基端
には、空気輸送用の空気を流入させる空気ブロア96が
設けてある。
【0033】消石灰水溶液生成槽84は、攪拌機98を
具備する密閉型の槽であって、上部には空気輸送に使っ
た空気を流出させる空気流出管100と、空気流出管1
00に設けられ、流出する空気中の消石灰粒子等の固形
物を捕捉するバッグフィルタ102とを有する。底部に
は水を注水する注水管104が接続されている。消石灰
水溶液貯槽86は、密閉型の槽であって、消石灰水溶液
管106を介して消石灰水溶液生成槽84の上部に連通
し、消石灰水溶液生成槽84からオーバーフローにより
飽和消石灰水溶液を受け入れる。底部には、消石灰水溶
液ポンプ108が設けられ、消石灰水溶液を注入点に送
出する。
【0034】飽和消石灰水溶液を生成するには、先ず、
消石灰水溶液生成槽84に相当量の粉粒状の消石灰を受
け入れ、次いで注水管104から水を注水しつつ攪拌機
98により槽内の水と消石灰とを攪拌混合し、消石灰の
溶解を促進する。これにより、消石灰は水に溶解して飽
和消石灰水溶液となる。飽和消石灰水溶液は、消石灰水
溶液管106を介してオーバーフローにより消石灰水溶
液貯槽86に流出する。固形の消石灰は、水に溶解する
につれて減少し、徐々に炭酸カルシウム等の未溶解物の
含量が増大して、溶解し難くなり、飽和の消石灰水溶液
を製造できなくなる。そこで、消石灰水溶液生成槽84
に残った未溶解物を飽和消石灰水溶液と一緒にスラリー
として未溶解物槽88に導出する。
【0035】未溶解物槽88は、攪拌機110を具備す
る密閉型の槽であって、開閉弁112付きのスラリー管
114を介して消石灰水溶液生成槽84の底部に接続さ
れている。また、未溶解物槽88は、ノズルを多数有
し、空気ブロア118に接続された空気ノズル管116
を底部に備え、空気ブロア118により送入された空気
を槽内に噴出させるようになっている。また、未溶解物
槽88の上部は、ガスシール・システム90の空気ライ
ン120に接続され、底部には未溶解物スラリーポンプ
121が設けられ、未溶解物槽88に収容されたスラリ
ーを排出する。
【0036】以上の構成により、未溶解物槽88は、実
施形態例1の未溶解物槽18と同じ機能を有し、消石灰
水溶液生成槽84から受け入れた未溶解物スラリを収容
し、空気ノズル管116から噴出させた空気と未溶解物
スラリーとを接触させ、空気中の炭酸ガスと未溶解物ス
ラリー中の消石灰とを反応させて、消石灰を中和すると
共に空気を炭酸ガスを含まない炭酸ガス不含空気に転化
することができる。ガスシール・システム90は、消石
灰水溶液生成槽84及び消石灰水溶液貯槽86のそれぞ
れの上部空間に未溶解物槽88で生成した炭酸ガス不含
空気を流通させ、各槽内の消石灰水溶液を炭酸ガス不含
空気でガスシールするシステムである。ガスシール・シ
ステム90は、空気ライン120により未溶解物槽88
から消石灰水溶液貯槽86の上部空間に炭酸ガス不含空
気を流入させて、消石灰水溶液貯槽86内の飽和消石灰
水溶液をガスシールし、炭酸ガス含有空気から遮断す
る。次いで、ガスシール・システム90は、空気ライン
122により消石灰水溶液貯槽86から消石灰水溶液生
成槽84の上部空間に炭酸ガス不含空気を流入させ、消
石灰水溶液生成槽84内の消石灰水溶液をガスシール
し、炭酸ガス含有空気から遮断する。消石灰水溶液生成
槽84は、上部に空気流出管124を有し、過剰の炭酸
ガス不含空気を大気中に放出する。なお、空気流出管1
24を省略し、過剰の炭酸ガス不含空気を前記空気流出
管100から放出するようにしてもよい。
【0037】本実施形態例では、消石灰水溶液生成槽8
4及び消石灰水溶液貯槽86内の消石灰水溶液が、ガス
シール・システム90により炭酸ガス不含空気でガスシ
ールされ、炭酸ガスから遮断されている。従って、従来
のように、消石灰水溶液が空気中の炭酸ガスと反応して
炭酸カルシウムを生成して、白濁するようなことがな
く、清澄な飽和消石灰水溶液を生成、送出することがで
きる。また、消石灰が炭酸ガスとの無駄な反応に消費さ
れないので、消石灰の消費効率が高い。
【0038】尚、実施形態例1で、ガスシール・システ
ム20の空気ライン60、62及び64の接続順序は、
一つの例であって、例えばスラリー生成槽14、沈降分
離槽16、次いで消石灰水溶液貯槽17の順序でも、沈
降分離槽16、スラリー生成槽14、次いで消石灰水溶
液貯槽17の順序でも良い。実施形態例2のガスシール
・システム90についても同様である。
【0039】
【発明の効果】本発明方法によれば、本来、廃棄処分に
すべき未溶解物スラリーを利用して炭酸ガス不含空気を
生成すると共に未溶解物スラリーを中和して、未溶解物
を後処理の容易な残渣にしている。したがって、炭酸ガ
ス不含空気を生成するために、粒状の消石灰を充填した
炭酸ガス除去筒を設けたり、あるいは炭酸ガス不含空気
生成のために別途にアルカリ水溶液を用意する場合に比
べて、極めて経済的である。また、炭酸ガス不含空気を
生成装置のシールガスとして使用することにより、装置
内の消石灰水溶液が空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カ
ルシウムに転化し、白濁するような現象の発生をほぼ完
全に抑制し、清澄な消石灰水溶液を生成、送出すること
ができると共に、炭酸カルシウムが装置内に沈積してス
ケールとなったりすることもなく、長期に渡り安定した
運転を行うことができる。また、消石灰が炭酸ガスとの
無駄な反応に消費されないので、消石灰の消費効率が高
い。また、本発明は、本発明方法を実施するのに好適な
消石灰水溶液の生成装置を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消石灰水溶液の生成装置の実施形
態例1の構成を示すフローシートである。
【図2】本発明に係る消石灰水溶液の生成装置の実施形
態例2の構成を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 実施形態例1の生成方法を実施する消石灰水溶液
の生成装置 12 サイロホッパ 14 スラリー生成槽 16 沈降分離槽 17 消石灰水溶液貯槽 18 未溶解物槽 20 ガスシール・システム 21 開閉弁 22 消石灰の抜き出し管 23 定量供給装置 24 流入管 26 開閉弁付き給水管 28 攪拌機 34 スラリーポンプ 36 移送管 38 開閉弁付き注水管 40 傾斜沈降装置 42、43 整流板 44 消石灰水溶液槽 46 槽底部 48 開閉弁 50 排出管 52 送出管 54 消石灰水溶液ポンプ 56 空気ブロア 58 空気ノズル管 60、62、64 空気ライン 61 未溶解物スラリーポンプ 66 空気流出管 80 実施形態例2の生成方法を実施する飽和消石灰水
溶液の生成装置 82 サイロホッパ 84 消石灰水溶液生成槽 86 消石灰水溶液貯槽 88 未溶解物槽 90 ガスシール・システム 92 粉体供給装置 94 消石灰輸送管 96 空気ブロア 98 攪拌機 100 空気流出管 102 バッグフィルタ 104 注水管 106 消石灰水溶液管 108 消石灰水溶液ポンプ 110 攪拌機 112 開閉弁 114 スラリー管 116 空気ノズル管 118 空気ブロア 120 空気ライン 121 未溶解物スラリーポンプ 122 空気ライン 124 空気流出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 治雄 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と粉粒状の消石灰とを混合して所定濃
    度の消石灰スラリーを生成するスラリー生成工程と、生
    成した消石灰スラリーに水を注水して飽和濃度以下の粗
    製消石灰水溶液を生成する水溶液生成工程と、粗製消石
    灰水溶液から未溶解物を分離する分離工程とを備え、水
    溶液生成工程と分離工程とを一連で連続的に行って清澄
    な消石灰水溶液を生成する消石灰水溶液の生成方法にお
    いて、 分離工程で得た未溶解物を消石灰水溶液と共に未溶解物
    スラリーとして抜き出し、未溶解物スラリーに空気を噴
    出させて、空気中の炭酸ガスにより未溶解物スラリーを
    中和するとともに炭酸ガス不含空気を生成する炭酸ガス
    不含空気生成工程を備えることを特徴とする消石灰水溶
    液の生成方法。
  2. 【請求項2】 炭酸ガス不含空気生成工程で生成した炭
    酸ガス不含空気の雰囲気下で、スラリー生成工程、水溶
    液生成工程、及び分離工程の少なくとも一つを実施する
    ことを特徴とする請求項1に記載の消石灰水溶液の生成
    方法。
  3. 【請求項3】 消石灰を水に溶解して飽和消石灰水溶液
    を生成する回分式の消石灰水溶液生成工程を有する回分
    式の消石灰水溶液の生成方法において、 消石灰水溶液生成工程で生じた未溶解物を消石灰水溶液
    と共に未溶解物スラリーとして抜き出し、未溶解物スラ
    リーに空気を噴出させて、空気中の炭酸ガスにより未溶
    解物スラリーを中和するとともに炭酸ガス不含空気を生
    成する炭酸ガス不含空気生成工程を備えることを特徴と
    する消石灰水溶液の生成方法。
  4. 【請求項4】 炭酸ガス不含空気生成工程で生成した炭
    酸ガス不含空気の雰囲気下で、消石灰水溶液生成工程を
    実施することを特徴とする請求項3に記載の消石灰水溶
    液の生成方法。
  5. 【請求項5】 消石灰の定量供給装置を有する消石灰供
    給手段と水を給水する給水手段とを備えて消石灰スラリ
    ーを生成する密閉型スラリー生成槽と、スラリー生成槽
    からスラリーポンプにより抜き出された消石灰スラリー
    に水を注水して飽和濃度以下の粗製消石灰水溶液を生成
    する手段と、粗製消石灰水溶液から未溶解物を分離し
    て、清澄な消石灰水溶液を得る密閉型分離槽とを備え
    て、消石灰水溶液を連続的に生成する消石灰水溶液の生
    成装置において、 分離槽から未溶解物を消石灰水溶液と共に未溶解物スラ
    リーとして抜き出し、未溶解物スラリーに空気を噴出さ
    せて、空気中の炭酸ガスにより未溶解物スラリーを中和
    するとともに炭酸ガス不含空気を生成する炭酸ガス不含
    空気生成手段と、 炭酸ガス不含空気生成手段で生成した炭酸ガス不含空気
    をスラリー生成槽及び分離槽の少なくともいずれか一つ
    の槽の上部空間に送入して、スラリー生成槽内及び分離
    槽内の消石灰水溶液を炭酸ガス不含空気によりガスシー
    ルするガスシール手段とを有することを特徴とする消石
    灰水溶液の生成装置。
  6. 【請求項6】 飽和消石灰水溶液を生成する密閉型消石
    灰水溶液生成槽を備え、飽和消石灰水溶液を回分式で生
    成する消石灰水溶液の生成装置において、 消石灰水溶液生成槽から未溶解物を消石灰水溶液と共に
    未溶解物スラリーとして抜き出し、未溶解物スラリーに
    空気を噴出させて、空気中の炭酸ガスにより未溶解物ス
    ラリーを中和するとともに炭酸ガス不含空気を生成する
    炭酸ガス不含空気生成手段と、 炭酸ガス不含空気生成手段で生成した炭酸ガス不含空気
    を消石灰水溶液生成槽の上部空間に送入して、消石灰水
    溶液生成槽内の消石灰水溶液を炭酸ガス不含空気により
    ガスシールするガスシール手段とを有することを特徴と
    する消石灰水溶液の生成装置。
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