JP3105171B2 - アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂組成物Info
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- JP3105171B2 JP3105171B2 JP08258990A JP25899096A JP3105171B2 JP 3105171 B2 JP3105171 B2 JP 3105171B2 JP 08258990 A JP08258990 A JP 08258990A JP 25899096 A JP25899096 A JP 25899096A JP 3105171 B2 JP3105171 B2 JP 3105171B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光透過性を抑制し
たシ−ト成形用アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系樹脂(以下、ABS系樹脂と略記する)組成物に関
し、特に、カレンダ−加工により光透過性を抑制したシ
−トを製造するのに好適なABS系樹脂組成物及びそれ
をカレンダ−加工して得られる実用的カラ−シ−トに関
する。
たシ−ト成形用アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系樹脂(以下、ABS系樹脂と略記する)組成物に関
し、特に、カレンダ−加工により光透過性を抑制したシ
−トを製造するのに好適なABS系樹脂組成物及びそれ
をカレンダ−加工して得られる実用的カラ−シ−トに関
する。
【0002】
【従来の技術】ABS系樹脂は、優れた機械的特性及び
電気的性質を有し、耐薬品性,インク密着性及び接着性
に優れているので、ICなどの精密電子部品用導電トレ
−や導電キャリアテ−プ、各種プラスチックや金属のラ
ミネ−ト及び機能付加のためのコ−ティングによって家
具,家電,建築材料あるいは自動車部品等の各種分野で
広く利用されている。しかし、ABS系樹脂は、本質的
に金属ロ−ルからの剥離性が悪く、特に顔料を含むとき
は、金属ロ−ルからの剥離性が一層悪くなり、そのロ−
ルからの剥離張力の不足に関連して、引き取られるシ−
トにエア−マ−クが発生し易く、また、色むらやシ−ト
の厚みの不均一化がもたらされるので、ABS系樹脂の
各種カラ−シ−トを生産性の優れたカレンダ−法により
効率よく製造することは実質的に困難であった。そのた
め、従来から、ABS系樹脂のカラ−シ−トは、もっぱ
ら生産性の悪い押出し成形法又は射出成形法で製造され
ている。
電気的性質を有し、耐薬品性,インク密着性及び接着性
に優れているので、ICなどの精密電子部品用導電トレ
−や導電キャリアテ−プ、各種プラスチックや金属のラ
ミネ−ト及び機能付加のためのコ−ティングによって家
具,家電,建築材料あるいは自動車部品等の各種分野で
広く利用されている。しかし、ABS系樹脂は、本質的
に金属ロ−ルからの剥離性が悪く、特に顔料を含むとき
は、金属ロ−ルからの剥離性が一層悪くなり、そのロ−
ルからの剥離張力の不足に関連して、引き取られるシ−
トにエア−マ−クが発生し易く、また、色むらやシ−ト
の厚みの不均一化がもたらされるので、ABS系樹脂の
各種カラ−シ−トを生産性の優れたカレンダ−法により
効率よく製造することは実質的に困難であった。そのた
め、従来から、ABS系樹脂のカラ−シ−トは、もっぱ
ら生産性の悪い押出し成形法又は射出成形法で製造され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなABS系
樹脂シ−ト製造の実情に鑑み、本発明者らは、本来優れ
た物性ないし性能を有するABS系樹脂カラ−シ−トを
カレンダ−加工で製造する方法を開発すべく、特に、金
属ロ−ルであるカレンダ−ロ−ル表面からの剥離性の改
善に着目して多くの試作実験を重ねた。従って、本発明
の課題は、カレンダ−加工により平滑性の優れたABS
系樹脂のカラ−シ−トをロ−ルからスム−ズに引き出す
製造方法を開発することにある。また、本発明の他の課
題は、ABS系樹脂の優れた特性を損なうことなく、色
むらのない全光線透過率の抑制されたカラ−シ−トを工
業的に有利に製造し得るABS系樹脂組成物を提供する
ことにある。本発明のその他の課題ないし特徴は、以下
の記載から一層明らかとなるであろう。
樹脂シ−ト製造の実情に鑑み、本発明者らは、本来優れ
た物性ないし性能を有するABS系樹脂カラ−シ−トを
カレンダ−加工で製造する方法を開発すべく、特に、金
属ロ−ルであるカレンダ−ロ−ル表面からの剥離性の改
善に着目して多くの試作実験を重ねた。従って、本発明
の課題は、カレンダ−加工により平滑性の優れたABS
系樹脂のカラ−シ−トをロ−ルからスム−ズに引き出す
製造方法を開発することにある。また、本発明の他の課
題は、ABS系樹脂の優れた特性を損なうことなく、色
むらのない全光線透過率の抑制されたカラ−シ−トを工
業的に有利に製造し得るABS系樹脂組成物を提供する
ことにある。本発明のその他の課題ないし特徴は、以下
の記載から一層明らかとなるであろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、特
に、前記特許請求の範囲の請求項1に記載の構成要件を
要旨とするものである。しかして、本発明は、全光線透
過率を抑制するために添加されるが、カレンダ−ロ−ル
剥離性を悪くするカ−ボンブラックやその他の着色用無
機質顔料を含むABS樹脂組成物の加熱されたカレンダ
−ロ−ルからの剥離性を向上させる改善手段として、A
BS系樹脂にアクリル酸系樹脂の特定範囲量、又は燐酸
エステル系金属塩類及び有機燐酸エステル類から選択さ
れる少なくとも一種の燐酸エステル化合物類の特定範囲
量、あるいはそれら両成分を組合せて配合することが特
徴的である。
に、前記特許請求の範囲の請求項1に記載の構成要件を
要旨とするものである。しかして、本発明は、全光線透
過率を抑制するために添加されるが、カレンダ−ロ−ル
剥離性を悪くするカ−ボンブラックやその他の着色用無
機質顔料を含むABS樹脂組成物の加熱されたカレンダ
−ロ−ルからの剥離性を向上させる改善手段として、A
BS系樹脂にアクリル酸系樹脂の特定範囲量、又は燐酸
エステル系金属塩類及び有機燐酸エステル類から選択さ
れる少なくとも一種の燐酸エステル化合物類の特定範囲
量、あるいはそれら両成分を組合せて配合することが特
徴的である。
【0005】全光線透過率を抑制する着色用顔料として
は、カ−ボンブラックやその他の無機質着色用顔料が、
所望着色ト−ンに応じて選択使用されるが、黒色シ−ト
製造用としては、通常、カ−ボンブラックが単独使用さ
れる。その場合には、得られるシ−トの適用対象あるい
は所望遮光性に応じて、ABS系樹脂100重量部当た
り0.5〜20重量部の範囲内の量が選択配合される。
また、非黒色シ−ト形成用着色顔料が配合される場合に
は、所望の着色ト−ンと遮光度によりABS系樹脂10
0重量部当たり、2〜30重量部の範囲内の添加量が使
用される。その場合、全光線透過率抑制度に応じて、
0.5重量部以下程度の少量のカ−ボンブラックを併用
することができる。
は、カ−ボンブラックやその他の無機質着色用顔料が、
所望着色ト−ンに応じて選択使用されるが、黒色シ−ト
製造用としては、通常、カ−ボンブラックが単独使用さ
れる。その場合には、得られるシ−トの適用対象あるい
は所望遮光性に応じて、ABS系樹脂100重量部当た
り0.5〜20重量部の範囲内の量が選択配合される。
また、非黒色シ−ト形成用着色顔料が配合される場合に
は、所望の着色ト−ンと遮光度によりABS系樹脂10
0重量部当たり、2〜30重量部の範囲内の添加量が使
用される。その場合、全光線透過率抑制度に応じて、
0.5重量部以下程度の少量のカ−ボンブラックを併用
することができる。
【0006】本発明の組成物に係るABS系樹脂は、単
量体成分として、アクリロニトリル,ブタジエン及びス
チレンを含有する三元共重合体であって、基本的には、
ブタジエン単独又はスチレン、アクリロニトリルと共に
共重合したゴム(スチレン・ブタジエンゴム)とスチレ
ン・アクリロニトリル共重合体との混合物によって構成
される。その一般的な製造は、ポリマ−ブレンド法(単
なる混合法とラテックス混合法)とグラフト法(乳化重
合法,塊状重合法及び塊状懸濁重合法)が代表的であ
る。本発明のABS樹脂は、本質的にアクリロニトリル
とブタジエンとスチレン単量体成分で構成されるが、透
明性の向上あるいは耐熱性を向上させるためにメタクリ
ル酸メチルエステルやα−メチルスチレンなど、目的に
応じて他の単量体成分の適量を含有させることもでき
る。
量体成分として、アクリロニトリル,ブタジエン及びス
チレンを含有する三元共重合体であって、基本的には、
ブタジエン単独又はスチレン、アクリロニトリルと共に
共重合したゴム(スチレン・ブタジエンゴム)とスチレ
ン・アクリロニトリル共重合体との混合物によって構成
される。その一般的な製造は、ポリマ−ブレンド法(単
なる混合法とラテックス混合法)とグラフト法(乳化重
合法,塊状重合法及び塊状懸濁重合法)が代表的であ
る。本発明のABS樹脂は、本質的にアクリロニトリル
とブタジエンとスチレン単量体成分で構成されるが、透
明性の向上あるいは耐熱性を向上させるためにメタクリ
ル酸メチルエステルやα−メチルスチレンなど、目的に
応じて他の単量体成分の適量を含有させることもでき
る。
【0007】本発明の組成物に用いられるABS系樹脂
は、主要構成単量体成分としてアクリロニトリル,ブタ
ジエン及びスチレンが、それぞれ10〜30:5〜4
0:45〜70の重量範囲割合で含有されるものが好ま
しく用いられ、また、それら三元共重合体樹脂のゲル・
パ−ミエ−ション・クロマトグラフィ−法により算出さ
れる平均分子量は、数平均値(Mn)が 4.0×104 〜
9.0×104 の範囲、重量平均値(Mw)が 9.0×104 〜
3.0×105 の範囲で、分子量分布(Mw/Mn)が1.7
〜 5.0の範囲のものが好ましく用いられる。そのような
ABS系樹脂として例えば、住化エイビ−エス・ラテッ
クス社製の商品名K−2540を代表的に挙げることができ
る。
は、主要構成単量体成分としてアクリロニトリル,ブタ
ジエン及びスチレンが、それぞれ10〜30:5〜4
0:45〜70の重量範囲割合で含有されるものが好ま
しく用いられ、また、それら三元共重合体樹脂のゲル・
パ−ミエ−ション・クロマトグラフィ−法により算出さ
れる平均分子量は、数平均値(Mn)が 4.0×104 〜
9.0×104 の範囲、重量平均値(Mw)が 9.0×104 〜
3.0×105 の範囲で、分子量分布(Mw/Mn)が1.7
〜 5.0の範囲のものが好ましく用いられる。そのような
ABS系樹脂として例えば、住化エイビ−エス・ラテッ
クス社製の商品名K−2540を代表的に挙げることができ
る。
【0008】また、本発明の組成物に含有させるアクリ
ル酸系樹脂は、「塩化ビニル樹脂製食品容器包装等に関
する自主規制基準」に記載されているアクリル酸及びメ
タクリル酸系ポリマ−が用いられる。これには、例え
ば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、アクリル酸・メタクリル酸コポリマ−、アクリル酸
エステル及びメタクリル酸エステルのコポリマ−、アク
リル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルと下記
モノマ−の1種又はそれ以上とのコポリマ−が挙げられ
る。このモノマ−としては、アクリル酸,メタクリル酸
グリシジル,アクリロニトリル,塩化ビニル,ブタジエ
ン,酢酸ビニル,塩化ビニリデン,イタコン酸,イタコ
ン酸ジブリルエステル,スチレン,メタクリル酸、α−
メチルスチレン及びシクロヘキシルマレイミドなどが例
示される。容易に入手できる代表的な樹脂類として、例
えば、三菱レイヨン社から製造,販売されているアクリ
ル酸系樹脂(商品名:L−1000,重量平均分子量Mw=
2.0×105 〜 4.0×105 )が挙げられる。
ル酸系樹脂は、「塩化ビニル樹脂製食品容器包装等に関
する自主規制基準」に記載されているアクリル酸及びメ
タクリル酸系ポリマ−が用いられる。これには、例え
ば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、アクリル酸・メタクリル酸コポリマ−、アクリル酸
エステル及びメタクリル酸エステルのコポリマ−、アク
リル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルと下記
モノマ−の1種又はそれ以上とのコポリマ−が挙げられ
る。このモノマ−としては、アクリル酸,メタクリル酸
グリシジル,アクリロニトリル,塩化ビニル,ブタジエ
ン,酢酸ビニル,塩化ビニリデン,イタコン酸,イタコ
ン酸ジブリルエステル,スチレン,メタクリル酸、α−
メチルスチレン及びシクロヘキシルマレイミドなどが例
示される。容易に入手できる代表的な樹脂類として、例
えば、三菱レイヨン社から製造,販売されているアクリ
ル酸系樹脂(商品名:L−1000,重量平均分子量Mw=
2.0×105 〜 4.0×105 )が挙げられる。
【0009】本発明の組成物においては、上記(メタ)
アクリル酸系樹脂は、前記のABS系樹脂に対し、該A
BS系樹脂100重量部当たり0.1〜5重量部の範囲
割合量が添加配合される。着色顔料としてカ−ボンブラ
ック単独が使用される場合には(メタ)アクリル酸系樹
脂の使用量が、0.1重量部未満では、加熱されたカレ
ンダ−ロ−ルにおける剥離性の改善、すなわち添加効果
が得られず、また、カレンダ−加工における引取工程に
おいて極度に延伸されるシ−トに厚みむらを生ずるの
で、不適切である。また、添加使用量が5重量部を超え
ると、シ−トの表面平滑性が低下するので好ましくな
い。着色顔料として、カ−ボンブラック以外の着色用無
機質顔料を用いる場合には(メタ)アクリル酸系樹脂
は、その着色顔料の添加量に関連して、ABS樹脂10
0重量部当たり、0.5〜5重量部の範囲が好ましく用
いられる。添加量が0.5重量部未満では、カレンダ−
ロ−ルからの剥離性が不充分であり、シ−トの厚み分布
も悪くなるので添加効果が得られない。
アクリル酸系樹脂は、前記のABS系樹脂に対し、該A
BS系樹脂100重量部当たり0.1〜5重量部の範囲
割合量が添加配合される。着色顔料としてカ−ボンブラ
ック単独が使用される場合には(メタ)アクリル酸系樹
脂の使用量が、0.1重量部未満では、加熱されたカレ
ンダ−ロ−ルにおける剥離性の改善、すなわち添加効果
が得られず、また、カレンダ−加工における引取工程に
おいて極度に延伸されるシ−トに厚みむらを生ずるの
で、不適切である。また、添加使用量が5重量部を超え
ると、シ−トの表面平滑性が低下するので好ましくな
い。着色顔料として、カ−ボンブラック以外の着色用無
機質顔料を用いる場合には(メタ)アクリル酸系樹脂
は、その着色顔料の添加量に関連して、ABS樹脂10
0重量部当たり、0.5〜5重量部の範囲が好ましく用
いられる。添加量が0.5重量部未満では、カレンダ−
ロ−ルからの剥離性が不充分であり、シ−トの厚み分布
も悪くなるので添加効果が得られない。
【0010】更に、本発明の組成物には、(メタ)アク
リル酸系樹脂と組合せて燐酸エステル系金属塩類と有機
燐酸エステル類から選択される燐酸エステル化合物類が
使用される。燐酸エステル系金属塩類は、酸性燐酸エス
テルの金属塩類であって、例えば、酸性燐酸のモノアル
キルエステルの金属塩類やジアルキルエステルの金属塩
類等が包含される。それらの塩を形成する金属類として
は、例えば、カルシウム,マグネシウム,バリウム,亜
鉛等が挙げられる。代表的具体例は、堺化学工業社が製
造,販売している商品名:LBT−1830(ジンクステア
リルアシドホスファイト)である。また、有機燐酸エス
テルとしては、例えば、ノニルフェニルポリオキシエチ
レン類が包含され、実用的に望ましい有機燐酸エステル
類としては、例えば、昭島化学工業社製の商品名:N
O.1737(トリデシルポリオキシエチレン)が代表的に
挙げられる。
リル酸系樹脂と組合せて燐酸エステル系金属塩類と有機
燐酸エステル類から選択される燐酸エステル化合物類が
使用される。燐酸エステル系金属塩類は、酸性燐酸エス
テルの金属塩類であって、例えば、酸性燐酸のモノアル
キルエステルの金属塩類やジアルキルエステルの金属塩
類等が包含される。それらの塩を形成する金属類として
は、例えば、カルシウム,マグネシウム,バリウム,亜
鉛等が挙げられる。代表的具体例は、堺化学工業社が製
造,販売している商品名:LBT−1830(ジンクステア
リルアシドホスファイト)である。また、有機燐酸エス
テルとしては、例えば、ノニルフェニルポリオキシエチ
レン類が包含され、実用的に望ましい有機燐酸エステル
類としては、例えば、昭島化学工業社製の商品名:N
O.1737(トリデシルポリオキシエチレン)が代表的に
挙げられる。
【0011】これらの燐酸エステル類は、前記化合物群
から選択される少なくとも一種が、ABS樹脂100重
量部当たり0.1〜5重量部の範囲で使用され、(メ
タ)アクリル酸系樹脂と組合せて使用される場合にも、
その合計料が上記範囲を逸脱することは好ましくない。
着色顔料としてカ−ボンブラック単独を使用する黒色シ
−トの場合には、0.1重量部未満では、カレンダ−ロ
−ル剥離性が改善されず、また、添加量が5重量部を超
えるとシ−トの表面平滑性が低下する。着色顔料とし
て、カ−ボンブラック以外の着色用無機質顔料を使用す
る場合には、0.5重量部未満では、カレンダ−のロ−
ル剥離性が不充分となり、シ−トの厚み分布も悪くなる
ので添加効果が得られず、また、添加量が5重量部を超
えると表面平滑性が低下するので、カ−ボンブラック以
外の着色用無機質顔料が用いられる場合には、ABS樹
脂100重量部当たり、0.5〜5重量部の範囲量用い
られる。0.5重量部未満では、カレンダ−のロ−ル剥
離性が不充分であり、得られるシ−トの厚み分布も悪く
なる。
から選択される少なくとも一種が、ABS樹脂100重
量部当たり0.1〜5重量部の範囲で使用され、(メ
タ)アクリル酸系樹脂と組合せて使用される場合にも、
その合計料が上記範囲を逸脱することは好ましくない。
着色顔料としてカ−ボンブラック単独を使用する黒色シ
−トの場合には、0.1重量部未満では、カレンダ−ロ
−ル剥離性が改善されず、また、添加量が5重量部を超
えるとシ−トの表面平滑性が低下する。着色顔料とし
て、カ−ボンブラック以外の着色用無機質顔料を使用す
る場合には、0.5重量部未満では、カレンダ−のロ−
ル剥離性が不充分となり、シ−トの厚み分布も悪くなる
ので添加効果が得られず、また、添加量が5重量部を超
えると表面平滑性が低下するので、カ−ボンブラック以
外の着色用無機質顔料が用いられる場合には、ABS樹
脂100重量部当たり、0.5〜5重量部の範囲量用い
られる。0.5重量部未満では、カレンダ−のロ−ル剥
離性が不充分であり、得られるシ−トの厚み分布も悪く
なる。
【0012】アクリル酸系樹脂と燐酸エステル化合物類
は、ABS系樹脂に対して、それぞれ組合せて使用して
もよいし、いずれか一方のみを添加使用することもでき
る。また、燐酸エステル化合物類は、一種類のみを単独
使用してもよいし、二種以上を組合せて使用することも
できるが、それらの合計量が上記範囲量を逸脱すること
は回避すべきである。
は、ABS系樹脂に対して、それぞれ組合せて使用して
もよいし、いずれか一方のみを添加使用することもでき
る。また、燐酸エステル化合物類は、一種類のみを単独
使用してもよいし、二種以上を組合せて使用することも
できるが、それらの合計量が上記範囲量を逸脱すること
は回避すべきである。
【0013】本発明のABS系樹脂組成物に用いられる
顔料は、黒色顔料としてのカ−ボンブラック及びその他
のカラ−顔料であって、それらのカラ−顔料は、通常、
プラスチック素材の着色用顔料として知られた顔料類が
包含され、例えば、アゾレ−キ顔料,不溶性アゾ顔料,
縮合アゾ系顔料,メタルコンプレックスアゾ顔料,フタ
ロシアニン系顔料,キナクリドン系顔料,ジオキサジン
系顔料,ヘリノン系顔料,アンスラキノン系顔料,イソ
インドリノン系顔料,キノフタロン系顔料,ペリレン系
顔料等の有機着色顔料;赤色酸化鉄,黄色酸化鉄,チタ
ンイエロ−,酸化クロム,コバルトブル−,チタン白,
カドミイエロ−,カドミレッド,群青,クレ−,タル
ク,紺青,黄鉛,クロムバ−ミリオン,ジンククロロメ
−ト,アルミナ白,沈降性硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム,アルミ粉,真鍮粉,マイカ等の無機顔料が例示され
る。
顔料は、黒色顔料としてのカ−ボンブラック及びその他
のカラ−顔料であって、それらのカラ−顔料は、通常、
プラスチック素材の着色用顔料として知られた顔料類が
包含され、例えば、アゾレ−キ顔料,不溶性アゾ顔料,
縮合アゾ系顔料,メタルコンプレックスアゾ顔料,フタ
ロシアニン系顔料,キナクリドン系顔料,ジオキサジン
系顔料,ヘリノン系顔料,アンスラキノン系顔料,イソ
インドリノン系顔料,キノフタロン系顔料,ペリレン系
顔料等の有機着色顔料;赤色酸化鉄,黄色酸化鉄,チタ
ンイエロ−,酸化クロム,コバルトブル−,チタン白,
カドミイエロ−,カドミレッド,群青,クレ−,タル
ク,紺青,黄鉛,クロムバ−ミリオン,ジンククロロメ
−ト,アルミナ白,沈降性硫酸バリウム,炭酸カルシウ
ム,アルミ粉,真鍮粉,マイカ等の無機顔料が例示され
る。
【0014】また、本発明の組成物には、着色を目的と
しない通常知られた無機顔料、例えば、酸化亜鉛,酸化
チタン,酸化チタン−硫酸カルシウム混合物等の白色顔
料;炭酸カルシウム,硫酸バリウム,硫酸カルシウム,
珪酸アルミニウム,クレ−,カオリン,ベントナイト,
マイカ,珪酸カルシウム,珪酸マグネシウム(タル
ク),シリカ,珪藻土,酸化カルシウム,酸化マグネシ
ウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム等の充
填材;あるいはアルミニウム,鉄,真鍮等の金属粉末:
等を添加使用することもできる。
しない通常知られた無機顔料、例えば、酸化亜鉛,酸化
チタン,酸化チタン−硫酸カルシウム混合物等の白色顔
料;炭酸カルシウム,硫酸バリウム,硫酸カルシウム,
珪酸アルミニウム,クレ−,カオリン,ベントナイト,
マイカ,珪酸カルシウム,珪酸マグネシウム(タル
ク),シリカ,珪藻土,酸化カルシウム,酸化マグネシ
ウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム等の充
填材;あるいはアルミニウム,鉄,真鍮等の金属粉末:
等を添加使用することもできる。
【0015】本発明の組成物においては、添加配合され
る顔料類として、カ−ボンブラック単独を用いて黒色A
BS系樹脂シ−トを得る場合には、ABS系樹脂100
重量部当たり、カ−ボンブラック0.5〜20重量部が
使用され、また、着色顔料を用いて非黒色着色シ−トを
得る場合には、カ−ボンブラック以外の無機顔料とし
て、ABS系樹脂100重量部当たり2〜30重量部添
加するように使いわけることが望ましい。このカ−ボン
ブラック以外の着色顔料を使用する場合には、それら使
用顔料の種類と配合量によっては、光線透過率を下げる
ためにカ−ボンブラックを0.5重量部以下程度の少量
を加えることができる。
る顔料類として、カ−ボンブラック単独を用いて黒色A
BS系樹脂シ−トを得る場合には、ABS系樹脂100
重量部当たり、カ−ボンブラック0.5〜20重量部が
使用され、また、着色顔料を用いて非黒色着色シ−トを
得る場合には、カ−ボンブラック以外の無機顔料とし
て、ABS系樹脂100重量部当たり2〜30重量部添
加するように使いわけることが望ましい。このカ−ボン
ブラック以外の着色顔料を使用する場合には、それら使
用顔料の種類と配合量によっては、光線透過率を下げる
ためにカ−ボンブラックを0.5重量部以下程度の少量
を加えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、具体例により、本発明を更
に詳細に説明する。なお、具体例中の%及び部数は、特
に、記載がない限り重量による。
に詳細に説明する。なお、具体例中の%及び部数は、特
に、記載がない限り重量による。
【実施例】実施例 1〜14及び比較例1〜8 使用した樹脂その他の物質類: ABS系樹脂…住友エイビ−エス・ラテックス社製のK
−2540 アクリル系樹脂…三菱レイヨン社製のL−1000 燐酸エステル系金属塩…堺化学工業社製のLBT−18
30 有機燐酸エステル…昭島化学工業社製のNO.1737
−2540 アクリル系樹脂…三菱レイヨン社製のL−1000 燐酸エステル系金属塩…堺化学工業社製のLBT−18
30 有機燐酸エステル…昭島化学工業社製のNO.1737
【0017】上記材料を用いて、下掲表1と表2に示す
各種組成物量をヘンシェルミキサ−で均一に混合調製
し、得られた組成物を逆L字型4本ロ−ルのカレンダ−
加工機をを用いて、ロ−ル温度210℃で、厚さ0.1
mm、幅 1,000mmのシ−トに加工した。この時のロ−ル剥
離性、得られたシ−トの平滑性、シ−トの表面性、色調
むらの有無及び全光線透過率について、下掲評価項目に
記載の方法により観察及び測定して評価した。それらの
評価をABS系樹脂組成物の内容と共に、表1及び表2
に併記した。
各種組成物量をヘンシェルミキサ−で均一に混合調製
し、得られた組成物を逆L字型4本ロ−ルのカレンダ−
加工機をを用いて、ロ−ル温度210℃で、厚さ0.1
mm、幅 1,000mmのシ−トに加工した。この時のロ−ル剥
離性、得られたシ−トの平滑性、シ−トの表面性、色調
むらの有無及び全光線透過率について、下掲評価項目に
記載の方法により観察及び測定して評価した。それらの
評価をABS系樹脂組成物の内容と共に、表1及び表2
に併記した。
【0018】 評価項目: カレンダ−ロ−ル剥離性: 良好・・・○,剥離性悪く安定製造が困難・・・× シ−ト平滑性: シ−ト幅方向の厚みの最大値と最小値の差が 7%以下・・・○,7%以上・・・× シ−ト表面性: シ−トにフロ−マ−クや脱気がなく表面性良好・・・○ シ−トにフロ−マ−クや脱気があり表面性劣る・・・× 色むらの有無: シ−トのすべての部分においても同一色調・・・無し シ−トに部分的色調の違いがある・・・有り 全光線透過率: JIS−K7105による シ−トの全光線透過率30%以下・・・○ シ−トの全光線透過率30%超過・・・×
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明のカレンダ−加工用ABS系樹脂
組成物は、カレンダ−法によるシ−ト成形に際し、ロ−
ル離れが良く、また、ABS系樹脂の本来有する優れた
特性が損なわれず、しかもシ−トの表面性及び平滑性に
優れ、色むらがなく遮光性の黒色その他の着色シ−トが
高い生産性で得られる。また、得られたシ−トは、イン
ク密着性及び接着性にも優れ、ICなどの精密電子部品
用導電トレ−やキャリアテ−プとして、あるいは各種プ
ラスチックや金属のラミネ−ト及び機能付加のためのコ
−ティングにより、家具,家電,建築材料や自動車部品
等の広範囲の用途に適用することができる。
組成物は、カレンダ−法によるシ−ト成形に際し、ロ−
ル離れが良く、また、ABS系樹脂の本来有する優れた
特性が損なわれず、しかもシ−トの表面性及び平滑性に
優れ、色むらがなく遮光性の黒色その他の着色シ−トが
高い生産性で得られる。また、得られたシ−トは、イン
ク密着性及び接着性にも優れ、ICなどの精密電子部品
用導電トレ−やキャリアテ−プとして、あるいは各種プ
ラスチックや金属のラミネ−ト及び機能付加のためのコ
−ティングにより、家具,家電,建築材料や自動車部品
等の広範囲の用途に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 55/02 33:08) (56)参考文献 特開 平9−208798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 55/02 C08K 3/04 C08K 3/32 C08K 5/521
Claims (3)
- 【請求項1】 アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系樹脂に、該樹脂100重量部当たり、0.1〜5重
量部の(メタ)アクリル酸系樹脂及び/又は燐酸エステ
ル系金属塩類と有機燐酸エステル類から選択される少な
くとも一種の燐酸エステル化合物類及びアクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン系樹脂100重量部当たり、
0.5〜20重量部のカ−ボンブラックを含有させるこ
とを特徴とするカレンダ−加工用アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン系樹脂。 - 【請求項2】 アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン系樹脂に、該樹脂100重量部当たり、0.1〜5重
量部の(メタ)アクリル酸系樹脂及び/又は燐酸エステ
ル系金属塩類と有機燐酸エステル類から選択される少な
くとも一種の燐酸エステル化合物類及びアクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン系樹脂100重量部当たり、
2〜30重量部のカ−ボン以外の無機顔料及びカ−ボン
ブラック0〜0.5重量部より構成される着色用顔料を
含有させることを特徴とするカレンダ−加工用アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の樹脂組成物をカ
レンダ−加工により30%以下の全光線透過率を有する
0.1mm以上の厚さに形成して成るカラ−シ−ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08258990A JP3105171B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08258990A JP3105171B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10101896A JPH10101896A (ja) | 1998-04-21 |
JP3105171B2 true JP3105171B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=17327829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08258990A Expired - Lifetime JP3105171B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3105171B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003313393A (ja) * | 2002-04-19 | 2003-11-06 | Toray Ind Inc | 装飾用樹脂および成形品 |
CN100344704C (zh) * | 2002-08-07 | 2007-10-24 | 大科能树脂有限公司 | 低蓄热性热塑性树脂组合物和成型品 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP08258990A patent/JP3105171B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10101896A (ja) | 1998-04-21 |
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