JPH11310669A - カレンダー成形用オレフィン系樹脂組成物とその応用 - Google Patents

カレンダー成形用オレフィン系樹脂組成物とその応用

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JPH11310669A
JPH11310669A JP11867798A JP11867798A JPH11310669A JP H11310669 A JPH11310669 A JP H11310669A JP 11867798 A JP11867798 A JP 11867798A JP 11867798 A JP11867798 A JP 11867798A JP H11310669 A JPH11310669 A JP H11310669A
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祐介 塚越
Nobumitsu Suda
信光 須田
Yasumoto Kodama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オレフィン系樹脂組成物を用いるカレンダー加
工に際し、カレンダーロールからのシートの剥離を容易
にしてシートの表面性を改善すると共に、プライマーの
シート面への密着性を向上し、印刷性と他の基材との接
着性に優れた表面塗工シートを与える、オレフィン系樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】このオレフィン系樹脂組成物は、オレフィ
ン系樹脂 100重量部、無機充填剤1〜50重量部、一価ま
たは多価アルコールの脂肪酸エステル系滑剤 0.3〜10重
量部、着色剤1〜30重量部及び酸化防止剤0.01〜 1.0重
量部からなる、 190℃、2.16kgの荷重下で測定したメル
トインデックスが 0.1〜10.0のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー成形用
オレフィン系樹脂組成物(以下、単にオレフィン系樹脂
組成物とする)とその応用、より詳しくは、カレンダー
ロールとの粘着を生じることなく高い生産性でのシート
成形を可能にしたオレフィン系樹脂組成物、これから得
られる優れた印刷適性と表面平滑性を有するカレンダー
成形カラーシート(以下、単にカラーシートとする)、
並びにこのカラーシートを加工して得られる、印刷性及
び他の基材との接着性に優れた表面塗工シートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題から各種の分野でポリエ
チレン系樹脂等のオレフィン系樹脂製のシートやフィル
ムの需要が増加しつつある。一般のオレフィン系樹脂シ
ートは、従来押出加工により成形されていたが、押出加
工シートは厚さ精度や生産性の点でカレンダー成形に劣
るため、オレフィン系樹脂をカレンダー加工により成形
する要望が増加してきている。オレフィン系樹脂をカレ
ンダー加工しようとすると、オレフィン系樹脂がカレン
ダーロールへ強く粘着し、ロールからのシートの剥離が
安定しないことから、これまでは金属石鹸やアマイド系
滑剤を添加する方法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
て得られたシートに、印刷を施したり他の基材を貼り合
せたりするために、予めプライマーを塗工しようとする
と、これらの滑剤成分が冷却ロールに結露してシート表
面に転写されるなど、シート表面への移行性が高いため
に、プライマーの密着性が阻害されて良質な塗膜が得ら
れないという欠点があった。また透明性に乏しいオレフ
ィン系樹脂は多くの場合着色を施すが、着色剤の添加量
が増えるにつれて加工性が低下するので、特に遮光性と
発色性が求められる用途向きの、着色剤を高濃度添加し
た薄物シートを、カレンダー加工により得ることが困難
であった。
【0004】したがって、本発明の目的は、オレフィン
系樹脂組成物を用いるカレンダー加工に際し、カレンダ
ーロールからのシートの剥離を容易にしてシートの表面
性を改善すると共に、プライマーのシート面への密着性
を向上し、印刷性と他の基材との接着性に優れた表面塗
工シートを与える、オレフィン系樹脂組成物を提供しよ
うとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究の結
果、オレフィン系樹脂 100重量部、無機充填剤1〜50重
量部、一価または多価アルコールの脂肪酸エステル系滑
剤 0.3〜10重量部、着色剤1〜30重量部及び酸化防止剤
0.01〜 1.0重量部からなる、 190℃、2.16kgの荷重下で
測定したメルトインデックスが 0.1〜10.0のオレフィン
系樹脂組成物が上記目的を達成できることを見出した。
【0006】このオレフィン系樹脂組成物からカレンダ
ー成形によるカラーシートが容易に得ることができる。
このカラーシートの片面または両面を臨界表面張力γc
が34〜54dyn/cmのコロナ放電処理面とし、この片面また
は両面にさらにプライマー塗工を施すことで、厚さ 0.1
〜10μmのプライマー塗工膜を有する印刷及び接着用表
面塗工シートが得られる。
【0007】本発明のオレフィン系樹脂組成物におい
て、オレフィン系樹脂は、そのメルトインデックスが低
いほどカレンダーロールからの剥離性が改善される。し
かし、メルトインデックスが低すぎると、シートの表面
平滑性が悪くなる。無機充填剤は印刷シートのブロッキ
ング性や寸法安定性を改善する。一価または多価アルコ
ールの脂肪酸エステルは滑剤の添加による印刷性の低下
と、遮光性、発色性等に必要な着色剤の添加によるカレ
ンダーロールからの剥離性の低下を防止する。オレフィ
ン系樹脂シートにコロナ放電処理をした後、塗工するプ
ライマーは、他基材と接着剤を用いて接着加工するとき
のアンカー材としても作用する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における、オレフィン系樹脂には、エチレン、プ
ロピレン、ブテン、ペンテン等のオレフィン系単量体の
単独重合体、及びこれらのオレフィン系単量体と他の不
飽和単量体との共重合体を、それぞれ主成分とする樹脂
が用いられる。この単独重合体及び共重合体には、例え
ば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、結晶性
エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重
合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体、結晶性ポリプロピ
レン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレ
ン、プロピレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−メ
チルアクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリ
レート共重合体、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテン
−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等が挙げられ、こ
れらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用され
る。
【0009】上記ポリエチレン樹脂には、低密度ポリエ
チレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のほか、
線状低密度ポリエチレン(LLDPE )、極低密度ポリエチ
レン(VLDPE )などがあり、これらは気体状エチレンC
22 を重合させて得られるもので、重合触媒及び重合
条件を変えることにより、例えば、密度、メルトインデ
ックス、結晶性、分岐度及び架橋度、分子量及び分子量
分布等の性質を広範囲に制御することが出来る。更にグ
ラフト重合、塩素化、そして添加剤配合等によって各種
の改質体が得られる。
【0010】一般に、分子量 6,000以上の高分子量重合
体で約 0.900ないし約 0.940g/ccの範囲の密度を有する
ポリエチレンは、低密度ポリエチレンと呼ばれ、約 0.9
41ないし約 0.965g/cc、あるいはそれ以上の密度を有す
るものは高密度ポリエチレンと呼ばれる。低密度ポリエ
チレンは、普通、高温高圧で重合され、一方高密度ポリ
エチレンは比較的低温及び低圧で重合される。線状低密
度ポリエチレンは、エチレンを、C4 ないしC10のα−
オレフィン、例えばブテン−1、オクテンその他から選
ばれた1種又はそれ以上の共重合性モノマーと共重合さ
せて得られる、少量の分岐鎖あるいは架橋構造を有する
長鎖状共重合体であって、存在する分岐鎖は非線状ポリ
エチレンと比較して短鎖である。線状低密度ポリエチレ
ンは約 0.916ないし約 0.940g/ccの範囲の密度を有し、
低圧気相法及び液相法で、遷移金属触媒を用いて製造さ
れる。極低密度ポリエチレンは密度が一般に 0.890ない
し0.915g/ccである線状エチレン−α−オレフィン共重
合体であり、触媒を使用して低圧法によって製造され
る。
【0011】本発明のオレフィン系樹脂では、上記ポリ
エチレン系樹脂を1種もしくは2種以上用いて、メルト
インデックス(JIS K 7210による)を 0.1から10.0、好
ましくは 0.4から 5.0の範囲とするのが好ましい。メル
トインデックスが 0.1未満ではバンク回転が安定せずフ
ローマークによってシート平滑性が劣り、10.0を超える
とロールからの剥離が悪く粘着して、バンクでの気泡抜
けも悪くシート表面にエアーマークが発生し易くなる。
フローマークやエアーマーク等で表面平滑性が劣ると、
後のプライマー塗工や印刷時に塗布むらの原因となる。
【0012】無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケイ酸アルミニ
ウム、クレー、カオリン、ベントナイト、ケイ酸カリウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、
ケイソウ土、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を組み
合わせて使用される。これらの内ではタルクと炭酸カル
シウムが好ましい。この無機充填剤はオレフィン系樹脂
100重量部に対し、1から50重量部、好ましくは3から
20重量部の範囲で添加される。この添加量が1重量部未
満では巻き取ったシートがブロッキングしてしまい、50
重量部を超えるとピンホールやシート平滑性が悪くなり
外観性に劣るようになる。
【0013】一価または多価アルコールの脂肪酸エステ
ル系滑剤としては、ステアリン酸−n−ブチル、水添ロ
ジン酸メチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸
ジオクチル、アジピン酸ジステアリル、グリセリンラク
トステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ペンタ
エリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリ
トールのステアリン酸エステル、ペンタエリスリトール
のアジピン酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ
ステアレート、ジペンタエリスリトールのアジピン酸と
ステアリン酸との混合エステル、ソルビタン脂肪酸(C
8 〜C22)エステル、エタンジオールモンタン酸エステ
ル、1,3−ブタンジオールモンタン酸エステル、ジエ
チレングリコールステアリン酸エステル、ポリエチレン
グリコール脂肪酸(C8 〜C18)エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸(C8 〜C22)エステル等が挙げら
れ、これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用
される。
【0014】一価または多価アルコールの脂肪酸エステ
ル系滑剤はオレフィン系樹脂 100重量部に対し、 0.3か
ら10.0重量部、好ましくは 0.5から 3.0重量部の範囲で
添加される。この添加量が 0.3重量部未満ではロールか
らの剥離が悪く粘着してしまい、10.0重量部を超えると
プライマーの密着性を阻害する。この滑剤は、ブリード
やプレートアウトによるプライマー密着性を阻害した
り、カレンダーロールから剥離されたシートを引き取る
際に、冷却ロールで滑剤成分が結露してシートに再転写
されたりすることがなく、ロングラン性に優れる利点が
ある。
【0015】着色剤としては、一般にプラスチック素材
の着色用顔料として知られた顔料類が包含され、例え
ば、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、酸化
鉄、生シェナー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、焼アン
バー、シェナー、赤色酸化鉄、群青、酸化コバルト、酸
化アルミニウム、酸化クロム等の無機着色顔料;及びア
ゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ系顔料、メタ
ルコンプレックスアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ヘリノン系顔
料、アンスラキノン系顔料、イソインドリノン系顔料、
キノフタロン系顔料、ペリレン系顔料等の有機着色顔
料;が挙げられ、オレフィン系樹脂 100重量部に対し1
から30重量部、好ましくは5〜20重量部添加される。着
色剤が1重量部未満では分散性が不均一で色むらになり
印刷後の意匠性が悪く、また隠蔽性が不十分で他基材と
貼り合わせたときに下地の影響を受けてしまい意匠性を
損うようになる。30重量部を超えるとカレンダーロール
からの剥離が悪く粘着してしまう。また着色剤の分散性
を向上させるためにビヒクルとしてポリエチレンワック
ス等を用いてもよい。
【0016】酸化防止剤としては、一般にプラスチック
素材の酸化防止剤として知られているものが包含され、
例えばトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ
ステアリルペンタエリスリトールホスファイト、ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイ
ト、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン
−ジ−ホスホナイト等のリン系酸化防止剤;及び2,6
−ジ−o−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタ
デシル−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチ
レン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(3,5−ジ
−t−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、4,
4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオネート〕、3,9−ビス{2−〔3−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカン等のフェノール系酸化防止剤が挙げられ、これら
は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用される。
【0017】これらの酸化防止剤は、オレフィン系樹脂
100重量部に対し0.01から 1.0重量部、好ましくは 0.1
から 0.5重量部添加される。これが0.01重量部未満では
加工時あるいは経時的な酸化劣化による物性低下が起こ
り、 1.0重量部を超えると黄みがあり着色性が悪く、プ
ライマー密着性も劣る。
【0018】本発明のオレフィン系樹脂組成物は、さら
に必要に応じて帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添加した
後、バンバリーミキサーや押出機等の通常用いられる混
練機で均一に混練し、混練物を直接カレンダーへ供給す
るか、ペレタイザーでペレットとした後、カレンダーへ
供給することで、0.05mmから2mmの厚さのフィルムない
しシートにカレンダー加工する。シートのブロッキング
を更に低減させるためにエンボスロールによるマット加
工がより好ましい。
【0019】得られたフィルムないしシートは、印刷性
及び他の基材との接着性を付与するため、その片面また
は両面にコロナ放電処理を施した後、その片面または両
面にプライマーを塗布し、印刷及び接着用表面塗工シー
トとするが、このコロナ放電処理は、針状あるいはナイ
フエッジとの対極間とで放電を行わせ、その間にシート
を入れて処理する。コロナ放電処理による臨界表面張力
γc は34〜54dyn/cmとするのが好ましく、34dyn/cmを下
回るとプライマーの密着力が低く、54dyn/cmを超えると
シート間のブロッキングが発生し印刷性が低下する。臨
界表面張力はJIS K 6768に記載の方法でホルムアミドと
エチレングリコールモノエチルエーテルの混合液を用い
て測定する。
【0020】プライマーは樹脂系塗工剤であり、印刷時
のインキ密着性を改善するアンカー剤、または合板等の
他の基材を貼り合せる接着剤との密着を改善するアンカ
ー剤としても機能する。プライマーとしては、例えばポ
リウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹
脂、(メタ)アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂及びエポキシ系樹脂等
の一般にプラスチックに使用されるものが挙げられ、単
独もしくは2種以上を組み合わせて使用される。これら
の内では特にポリウレタン系樹脂が好ましい。またプラ
イマーには、シートのブロッキング性を改善するための
表面改質剤として、シリカ等の無機系粉末やポリエチレ
ン等の有機系粉末を添加してもよい。さらにシートとの
密着性を増すために、イソシアネート系樹脂等を、プレ
ポリマーと硬化剤の2液型とすることもできる。
【0021】これらのプライマーを有機溶剤に均一に溶
解または混合し、これを通常知られた塗布手段、例え
ば、グラビアコート、グラビアリバースコート、シルク
コート、バーコート、スプレー法や浸漬法等で、その乾
燥層の厚さが 0.1〜10μm、好ましくは 0.5〜3μmの
範囲になるよう塗布量をコントロールして塗布、乾燥さ
れる。乾燥層の厚さが 0.1μm未満ではインキ密着が十
分でなく、他の基材との密着力も得られず、10μmを超
えると溶剤によるシート物性の低下やコストアップとな
る。
【0022】本発明のオレフィン系樹脂組成物はシート
の両面をコロナ放電処理した後、プライマー塗工すれ
ば、表面側を印刷し裏面側を合板へ接着加工する、木口
材等の建材用やダッグシート用等に供するのに有効であ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例(実験 N
o.1〜3)及び比較例(実験No.4〜17)を挙げて説明
する。表1及び表2に示すポリエチレン樹脂(いずれも
旭化成工業社製、表中、線状低密度ポリエチレンをLLDP
E 、高密度ポリエチレンをHDPE、メルトインデックスを
MIとする)に、無機充填剤・タルクMS(日本タルク社
製、商品名)、脂肪酸エステル系滑剤・No.7329 (昭島
化学工業社製、商品名、ペンタエリスリトールのアジピ
ン酸とステアリン酸との混合エステル系滑剤)、着色剤
・酸化チタン(石原産業社製)、酸化防止剤・AO-60
(旭電化工業社製、商品名)同・PEP-24G (同前)を各
表に示す割合で配合し、二軸押出機を用いて均一に混練
した後、これらの各組成物を逆L型4本ロールのカレン
ダー成形機によりロール温度 190℃で厚さ 0.1mm、幅
1,000mmのシートに成形し、得られたシートの両面をコ
ロナ放電処理して臨界表面張力γc を測定し、結果を各
表に併記した。このコロナ放電処理面に、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル、トルエン、イソプロピルアルコー
ル(3:1:1:2)の混合溶剤で希釈したプライマー
[ウレタン系樹脂:シリカ=10:5(重量比)]を、乾
燥層の厚さが各表に示す値となるようにグラビアコート
により塗工した後、表面にグラビア印刷を施し、裏面に
変性エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン系接着
剤・BA-10 (中央理化工業製、商品名)を塗布して合板
に接着した。以上の製造過程での下記の評価を下記の基
準で行い、その結果を各表に併記した。
【0024】[ロール剥離性] ・カレンダーロールからのシート剥離が安定している…
…………○ ・カレンダーロールに粘着して剥離が安定しない………
…………×
【0025】[シート表面性] ・フローマークや肌アレ状の面アレがなく平滑である…
…………○ ・フローマークや肌アレ状の面アレがあり平滑性が悪い
…………×
【0026】[エアーマーク] ・カレンダーロール間のバンク部の気泡抜けが良く平滑
である…○ ・カレンダーロール間のバンク部の気泡抜けが悪く、表
面にクレーター状の凹みがある……………………………
………………………………………×
【0027】[ピンホール] ・ピンホールがない…………………○ ・ピンホールがある…………………×
【0028】[熱安定性] ・加工後の物性低下及び色調変化が小さい……○ ・加工後の物性低下及び色調変化が大きい……×
【0029】[着色性] ・シートに色むらがなく印刷後の意匠性が良い。適度な
隠蔽性があり合板と張り合せたとき下地の影響を受けな
い…○ ・シートに色むらが有り印刷後の意匠性が悪い。または
合板と接着したとき下地の影響で意匠性が悪い…………
……×
【0030】[プライマー密着性:シートにプライマー
を塗工した後、セロファンテープ接着試験を行う] ・プライマー層がセロファンテープ側についてこない…
…○ ・プライマー層がセロファンテープ側についてくる……
…×
【0031】[グラビア印刷での印刷性] [ブロッキング性] ・シート間でのブロッキングがなく原反からの繰り差し
がスムーズである…○ ・シート間でのブロッキングしてしまい原反からの繰り
出しが安定しない…× [意匠性] ・印刷後のインキにじみもなく、発色性も良く、インキ
抜けや濃淡むらがなく意匠性がよい………………………
……○ ・印刷後のインキにじみ、インキ抜け、濃淡むら等で印
刷デザインを発現できないなどの印刷トラブルを発生す
る…×
【0032】[他基材接着性] ・合板と接着した後、界面で剥がす際に基材破壊する…
……………○ ・合板と接着した後、界面で剥がす際に基材破壊せずに
剥がれる…×
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明のオレフィン系樹脂組成物は、カ
レンダー加工に際し、カレンダーロールからのシートの
剥離を容易にしてシートの表面性を改善するほか、熱に
よる酸化劣化がなく、物性の低下、色調の変化、シート
の色むらがなく、生産性を高めると共に、プライマーの
シート面への密着性を向上し、シート間のブロッキング
がなく、インキのにじみがなく発色性のよい、優れた印
刷性を持ち、他の基材との接着性に優れた、表面塗工シ
ートを与える等の優れた効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂 100重量部、無機充填剤
    1〜50重量部、一価または多価アルコールの脂肪酸エス
    テル系滑剤 0.3〜10重量部、着色剤1〜30重量部及び酸
    化防止剤0.01〜 1.0重量部からなる、 190℃、2.16kgの
    荷重下で測定したメルトインデックスが 0.1〜10.0であ
    ることを特徴とするカレンダー成形用オレフィン系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のオレフィン系樹脂組成物か
    ら得られたカレンダー成形カラーシート。
  3. 【請求項3】カレンダー成形カラーシートの片面または
    両面が、臨界表面張力γc 34〜54dyn/cmである請求項2
    記載のカレンダー成形カラーシート。
  4. 【請求項4】請求項3記載のカレンダー成形カラーシー
    トの片面または両面に、厚さ 0.1〜10μmのプライマー
    塗工膜を有する表面塗工シート。
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Cited By (6)

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