JP3104381B2 - 過給機のタービンハウジング - Google Patents

過給機のタービンハウジング

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JP3104381B2
JP3104381B2 JP04068533A JP6853392A JP3104381B2 JP 3104381 B2 JP3104381 B2 JP 3104381B2 JP 04068533 A JP04068533 A JP 04068533A JP 6853392 A JP6853392 A JP 6853392A JP 3104381 B2 JP3104381 B2 JP 3104381B2
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正三 清水
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石川島播磨重工業株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気タービン駆動式の
過給機のタービンハウジングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】排ガスエネルギーを利用して駆動される
過給機のうち、排気干渉を防止するために、タービンハ
ウジングのガス通路が流入方向に沿って二分割されたも
の(ツインエントリターボチャージャ)が知られてい
る。
【0003】図8に示すように、例えば四気筒のエンジ
ンにおいては、各シリンダーの爆発順序はNo.1→No.3→
No.4→No.2→No.1→…となっており、タービンハウジン
グ1の分割した一方のガス通路2にNo.2とNo.3の排気
を、他方の分割通路3にNo.1とNo.4の排気をそれぞれタ
ービンホイール4に供給することで、脈動の位相差を確
保するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで図8に示した
ように、ターボチャージャは、エンジンの吸気・排気通
路及び付帯部品(流量計、インタークーラ等)の配置の
ために、各シリンダの並びの方向と平行に設置されるよ
うになっている。そして分割通路2,3は、タービンホ
イール4に対して等分にガス供給を行うために、ターボ
チャージャの主軸(タービン軸5)の方向に並ぶように
形成されている。このため、各気筒と分割通路2,3を
結ぶ排気マニホールド6が、極めて複雑な捩れた形状と
なってしまい、排気流の圧力損失により過給効率が低下
する懸念があると共に、ターボチャージャの設置スペー
スや製造コストを低減させるに際して、大きな障害にな
っていた。
【0005】またターボチャージャは、過給圧が過大に
ならないように、エンジン高回転域において一部の排気
ガスをバイパスさせる構成(ウエストゲート)とするこ
とが望ましい。しかしながらガス通路を二分割させたタ
ービンハウジングにおいては、図8中二点鎖線にて示し
たように、バイパス路7をガス出口部側の分割ポート
(2)にしか設けることが出来ず、所望のガス流量制御
ができないという問題があった。この課題に対しては、
ガス出口部から遠いほうの分割ポート(3)に、他方の
ポート(2)を迂回し排出下流側に延出するバイパス路
を形成したもの(実公平3−18664号公報)も提案
されているが、この構成ではバイパス路間、すなわち分
割通路2,3間の流路抵抗が異なってしまい、タービン
ホイール4へのガス供給バランスが乱れるおそれがあ
る。
【0006】そこで本発明は、上記事情に鑑み、排気マ
ニホールドを簡易な形状にできる、及び適切にウエスト
ゲートを備えることのできる過給機のタービンハウジン
グを提供すべく創案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス通路が流
入方向に沿って二分割された過給機のタービンハウジン
グにおいて、ガス入口部を流入ポートがタービン軸に交
差する方向に並ぶように分割する仕切壁を設け、この仕
切壁を、分割通路がタービンホイールへゆくに従ってタ
ービン軸の方向に並ぶように順次傾倒させたものであ
る。
【0008】また上記ガス入口部において、分割された
流入ポートのそれぞれに、ガス出口部の下流側に臨むウ
エストゲートのバイパスポートが形成されたものであ
る。
【0009】
【作用】上記構成によって、仕切壁は、各気筒からの排
気流路をガス入口部においてはタービン軸に交差する方
向に分けると共に、以降は順次タービン軸の方向に分か
れるように変化させてタービンホイールまでガスを導
く。
【0010】またバイパスポートが形成された構成にお
いては、それぞれの分割流入ポートから排気の一部をガ
ス出口部と同じ方向にバイパスさせる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。
【0012】図1及び図2は、本発明に係わる過給機の
タービンハウジングの一実施例を示したものである。こ
のタービンハウジングは、ガス通路が流入方向Aに沿っ
て二分割されたものであって、ガス入口部11におい
て、その分割された流入ポート12,13がタービン軸
14に交差する方向に並ぶように分割する仕切壁15が
設けられて構成されている。本実施例にあっては、この
分割流入ポート12,13は、タービン軸14に直角な
方向に並ぶように形成されている。そして仕切壁15
は、流入ポート12,13に続く分割通路16,17が
タービンホイール18へゆくに従ってタービン軸14の
方向に並ぶように順次傾倒されており、図1中、タービ
ンホイール18への流入口(舌部19)からタービン軸
14を中心とした旋回角度にして90度進行した位置20
において、分割通路16,17がタービン軸14と平行
に並ぶように形成されている。言い換えると、それぞれ
の分割通路16,17により導かれたガスが同じ条件で
タービンホイール18に供給されるようになっている。
【0013】また図3乃至図6に示すように、90度旋回
位置20に至る途中で、仕切壁15はガス流路軸を中心
に回転変化するように次第に傾倒されている。すなわ
ち、タービン軸14(図中鉛直線)を基準とした仕切壁
15の壁面傾斜角度で言えば、舌部19においては約45
度(図5)、舌部19とガス入口部11との略中間の位
置21では約30度(図4)、舌部19と90度旋回位置2
0との略中間の位置22で約60度(図6)の傾倒となっ
ている。
【0014】そして図3にも示したように、ガス入口部
11のそれぞれの流入ポート12,13の排気下流側G
に、ウエストゲートのためのバイパスポート23,24
が形成され、ガス出口部25からガスが排出されるのと
同じ方向に向けられている。すなわち、ウエストゲート
バルブ(図示せず)を備えたバイパス路26を最短の直
線状に設けることができるようになっており、例えばガ
ス出口部25のフランジ27に形成することも可能な位
置である。
【0015】このように構成されたタービンハウジング
は、図7に示すように、例えば四気筒のエンジンにおい
て、そのシリンダー28,29,30,31の並びに平
行に、すなわちタービン軸14(ターボチャージャの主
軸)がその並びと平行になるように設置される。そして
No.2及びNo.3のシリンダー29,30の排気ポートと、
タービンハウジングの一方の分割流入ポート12とを連
結すると共に、No.1及びNo.4のシリンダー28,31の
排気ポートと、他方の分割流入ポート13とを、排気マ
ニホールド(図示せず)によってそれぞれ連結する。
【0016】次に本実施例の作用を説明する。
【0017】エンジンの各シリンダ28…31からの排
気は、No.2及びNo.3からのガスが一方の分割流入ポート
12に、No.1及びNo.4からのガスが他方の分割流入ポー
ト13にそれぞれ振り分けられてタービンハウジング内
に流入する。これらのガスは、仕切壁15により流れ方
向が逐次変化されつつ、それぞれの通路16,17の渦
巻き形状に沿って旋回され、タービンホイール18に等
分に供給される。これで排気エネルギーによりタービン
が駆動されると共に、その排気干渉が防止される。
【0018】またエンジン高回転域においては、コンプ
レッサ(図示せず)の圧力により作動するウエストゲー
トにより、それぞれのバイパスポート23,24が開放
される。これで流入ポート12,13に入ったガスの一
部がそれぞれ排気下流側Gにバイパスされ、過給圧の制
御が行われる。
【0019】このように、ガス入口部11を流入ポート
12,13がタービン軸14と直角な方向に並ぶように
分割する仕切壁15を設け、この仕切壁15を分割通路
16,17がタービンホイール18へゆくに従ってター
ビン軸14と平行に並ぶように順次傾倒させると共に、
分割された流入ポート12,13のそれぞれに、ガス出
口部25の下流側に臨むウエストゲートのバイパスポー
ト23,24を形成したので、エンジン高回転域におい
てガスの一部が、それぞれの流入ポート12,13から
互いの流路抵抗の差が生じることなくバイパスされると
共に、バイパス路26を短くすることができる。すなわ
ち、ウエストゲートを備えた実用的でコンパクトなツイ
ンエントリターボチャージャが実現される。
【0020】そして特に四気筒のエンジンに搭載した場
合に、各シリンダー28…31から適宜まとめられる排
気流路を単調な経路とすることができ、排気マニホール
ドを簡易な小さい形状にすることができる。すなわち過
給効率の向上に寄与できると共に、設置スペースの削
減、マニホールド製造コストの削減が達成される。
【0021】なおガス入口部11における流入ポート1
2,13の並びは、必ずしもタービン軸14に直角とし
なくても、バイパス路26の延長が略等しくなる配列の
交差角度のうちから選択してもよい。また仕切壁15の
傾倒角度は、分割通路16,17の並びが最終的にター
ビン軸14と完全に平行になる必要はなく、例えば傾斜
角度が約45度の状態(図5)で終わるものとしても構わ
ない。
【0022】また上記実施例では、四本のシリンダーを
備えたエンジンに適用した場合において示したが、本発
明は六気筒のエンジンにも従来と同様に適用できるもの
である。そしてガス通路が流入方向に沿って二分割され
たタービンハウジングとしては、本実施例のツインエン
トリターボチャージャのほか、コントロールバルブで分
割した二系統の流路を制御するように構成されたツイン
スクロールターボチャージャにも適用できるものであ
る。
【0023】なお本発明者らは、上記実施例に則ってタ
ービンハウジングを製造して、排気タービンの駆動テス
トを行ったが、仕切壁が傾倒していることによるガス流
入抵抗の増加はほとんどなく、従来と変わらないガス流
入及びタービン駆動が確保されることを確認している。
【0024】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0025】(1) 請求項1記載の構成によれば、エンジ
ンの各気筒からの排気流路を単純な経路とすることがで
き、排気マニホールドを簡易で小さい形状にできる。
【0026】(2) 請求項2記載の構成によれば、さら
に、それぞれの流入ポートから流出抵抗の差なくガスを
バイパスさせることができ、ウエストゲートを備えた二
分割ガス通路の過給機が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる過給機のタービンハウジングの
一実施例を示した図であり、(a)は正面断面図、
(b)はA方向矢視図である。
【図2】図1(a)中のF−F線矢視断面図である。
【図3】図1(a)中のB−B線矢視断面図である。
【図4】図1(a)中のC−C線矢視断面図である。
【図5】図1(a)中のD−D線矢視断面図である。
【図6】図1(a)中のE−E線矢視断面図である。
【図7】図1のターボチャージャをエンジンに備えた状
態を示した配置図である。
【図8】従来のタービンハウジングを示した側断面図で
ある。
【符号の説明】
11 ガス入口部 12,13 流入ポート 14 タービン軸 15 仕切壁 16,17 分割通路 18 タービンホイール 23,24 バイパスポート A 流入方向

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス通路が流入方向に沿って二分割され
    た過給機のタービンハウジングにおいて、ガス入口部を
    流入ポートがタービン軸に交差する方向に並ぶように分
    割する仕切壁を設け、該仕切壁を、分割通路がタービン
    ホイールへゆくに従って上記タービン軸の方向に並ぶよ
    うに順次傾倒させたことを特徴とする過給機のタービン
    ハウジング。
  2. 【請求項2】 上記ガス入口部において、分割された流
    入ポートのそれぞれに、ガス出口部の下流側に臨むウエ
    ストゲートのバイパスポートが形成された請求項1記載
    の過給機のタービンハウジング。
JP04068533A 1992-03-26 1992-03-26 過給機のタービンハウジング Expired - Lifetime JP3104381B2 (ja)

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JP5922402B2 (ja) * 2011-12-28 2016-05-24 三菱重工業株式会社 ツインスクロールターボチャージャ
JP5964056B2 (ja) * 2012-01-11 2016-08-03 三菱重工業株式会社 タービンハウジングのスクロール構造

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