JP3104282B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3104282B2
JP3104282B2 JP03107387A JP10738791A JP3104282B2 JP 3104282 B2 JP3104282 B2 JP 3104282B2 JP 03107387 A JP03107387 A JP 03107387A JP 10738791 A JP10738791 A JP 10738791A JP 3104282 B2 JP3104282 B2 JP 3104282B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置、特にベー
スの形成に分子線エピタキシ(MBE)選択成長法を用
いた超高速バイポーラトランジスタとその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近時、バイポーラトランジスタは、スー
パーコンピュータや光通信装置など高速化が求められる
機器の中心部で使用されており、上記機器の高速化のた
めにもバイポーラトランジスタの高速化が求められてい
る。高速化を図るためには、極薄の高濃度ベース層を形
成すること、寄生容量(エミッタ・ベース間容量、ベー
ス・コレクタ間容量、コレクタ・基板間容量)及び寄生
抵抗(ベース抵抗、エミッタ抵抗、コレクタ飽和抵抗)
を小さくすることが必要になる。
【0003】そこで、従来では、バイポーラトランジス
タのベース形成にイオン注入法や拡散法に代わって分子
線エピタキシ選択成長法(以下、単にMBEと記す)を
用い、更に、高集積化のために、エピタキシャル基板上
に高濃度のベース層と多結晶シリコン層による外部ベー
ス電極とエミッタ領域を自己整合的に形成する所謂SS
SB(super self−aligned sel
ectively grown base)構造を採用
した例が提案されている(月刊SemiconductorWorld 199
1.2 p66参照)。
【0004】図8にその代表例を示す。この図におい
て、31はP型のシリコン基板、32はN型(高濃度)
のコレクタ領域、33はN型(低濃度)のエピタキシャ
ル層、35はトレンチ溝による素子分離領域、36はM
BEによるベース層、37,38及び39は夫々多結晶
シリコン層によるエミッタ層,外部ベース層及びコレク
タ層である。また、40,41及び42は夫々PtSi
層とタングステン層からなるエミッタ電極,ベース電極
及びコレクタ電極である。
【0005】その他、MBEを用いてベース層を形成す
る例としては、特開平1−173642号公報に開示さ
れた半導体装置の製造方法がある。この方法は、まず、
図9Aに示すように、例えばP型のシリコン基板51上
に、N型の埋め込み層52を形成した後、その上にN型
のエピタキシャル層53を積層する。
【0006】次に、図9Bに示すように、全面にフィー
ルド絶縁層54、P型のベース引出し用多結晶シリコン
層55及びSiO2 膜56を順次積層し、エミッタ領域
となる部分をエッチングしてN型のエピタキシャル層5
3を露出させる。
【0007】次に、図9Cに示すように、全面にシリコ
ン(Si)を被着し、次いで、RIE(反応性イオンエ
ッチング)によりSiを一部除去してポリシリコン段差
部57を形成する。その後、エミッタ領域となる部分に
SiをN型のエピタキシャル層53の上に選択エピタキ
シャル成長させ、P型のエピタキシャルベース層58を
形成する。
【0008】次に、図10Aに示すように、全面にSi
2 を被着し、次いでRIEによりSiO2 を一部除去
してSiO2 の絶縁段差部59を形成する。その後、エ
ミッタ用多結晶シリコン層60をエミッタ部に着け、次
いでエミッタ用多結晶シリコン層60からN型の不純物
を拡散させてベース層内にエミッタ拡散領域61を形成
する。
【0009】次に、図10Bに示すように、ベース用の
コンタクトホール62を開けた後、Al蒸着によりエミ
ッタ電極63、ベース電極64を形成して超高速バイポ
ーラトランジスタを得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8で
示すトランジスタは、図11の拡大図で示すように、ベ
ースのコンタクト幅dc(図12参照)が最下層の誘電
体膜71をエッチングする際のアンダーカット量duで
決まる。従って、コレクタ−ベース間容量の低減のため
に誘電体膜71の膜厚tを増大させると、上記コンタク
ト幅dcが増大するという不都合がある。
【0011】また、図12に示すように、MBE時に成
長するベース層36及び多結晶シリコン層(外部ベース
層)38で上記アンダーカット部72を埋め込む必要
上、最下層の誘電体膜71の膜厚tをほぼベース幅tb
の2倍に設定する必要がある。従って、ベース層36の
薄膜化に伴い、誘電体膜71が薄くなり、コレクタ−ベ
ース間容量の増大を招くという不都合がある
【0012】また、図9及び図10で示す製造方法の場
合、ポリシリコン段差部57を形成する際、RIEによ
りエッチング除去して形成するため、下層のシリコン基
板(N型のエピタキシャル層53)にダメージを与え、
バイポーラトランジスタの特性を著しく劣化させるとい
う不都合がある。
【0013】本発明は、このような課題に鑑み成された
もので、その目的とするところは、コレクタ−ベース間
の寄生容量の増大化を防止しつつ、ベース層の薄膜化及
びベースのコンタクト幅の縮小化を実現させることがで
きる半導体装置を製造することを目的とする
【0014】本発明は、コレクタ−ベース間の寄生容量
の増大化を防止しつつ、ベース層の薄膜化及びベースの
コンタクト幅の縮小化を実現させることができると共
に、その形成段階において、シリコン基板等へのダメー
ジを与えることのない半導体装置の製造方法を提供す
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明、第1導電型の
基体1表面の第1絶縁膜2上に形成された取出し電極3
を、基体1表面に形成された開口4の部分を介して基体
1と接続すると共に、その開口4内において、取出し電
極3の側壁の一部に第2絶縁膜(サイドウォール)5を
形成し、上記取出し電極3中、第2絶縁膜5で覆われて
いない部分の側壁と基体1とに夫々接続される第2導電
型の第1半導体層(ベース層)6を形成し、更に、この
第1半導体層6と接続される第1導電型の第2半導体層
(エミッタ層)7を形成し、この第2半導体層7を第2
絶縁膜5によって上記取出し電極3と分離させて構成
た半導体装置を製造するものである
【0016】本発明の半導体装置の製造方法は、第1導
電型の基体1上に、第1絶縁膜2、第2導電型の第1半
導体層9及び第2絶縁膜8を順次積層した後、基体1の
表面まで達する第1開口部4を形成する。その後、この
第1開口部4を含む全面に第2導電型の第2半導体層1
0及び第3絶縁膜5を順次積層した後、第3絶縁膜5を
異方性エッチングによるエッチバックを行うことによ
り、上記半導体層の側壁にのみ上記第3絶縁膜5を残す
(サイドウォール5を形成する)。その後、第3絶縁膜
5をマスクとして表面の第2半導体層10を等方性エッ
チングにより除去することにより、基体1の一部を露出
させて第2開口部11を形成する。その後、選択エピタ
キシ成長法を用いて第2開口部11に第2導電型の第1
単結晶半導体層(ベース層)6を形成した後、第1単結
晶半導体層6上に第1導電型の第3半導体層(エミッタ
層)7を形成する。この場合、上記第3半導体層7及び
第1単結晶半導体層6を分子線エピタキシ選択成長法を
用いて形成してもよい。
【0017】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
第1導電型の基体1上に第1絶縁膜21を形成した後、
第1絶縁膜21上に、この第1絶縁膜21とエッチング
特性を異にする第2絶縁膜22と、第2導電型の第1半
導体層9と、第3絶縁膜8を順次積層する。その後、第
1絶縁膜21の表面まで達する第1開口部4を形成した
後、等方性エッチングにより選択的に上記第2絶縁膜2
2のみをサイドエッチングすることにより第1アンダー
カット部23を形成する。その後、第1開口部4を含む
全面に第2導電型の第2半導体層10を堆積した後、第
1アンダーカット部23にのみ第2半導体層10を残
す。その後、第1絶縁膜21とエッチング特性を異にす
る第4絶縁膜24を堆積した後、第4絶縁膜24を異方
性エッチングによるエッチバックを行うことにより、第
1開口部4の側壁にのみ第4絶縁膜24を残す(サイド
ウォール24を形成する)。その後、第3及び第4絶縁
膜8及び24をマスクとして基体1上の第1絶縁膜21
を等方性エッチングにより除去することにより、基体1
の一部を露出させて第2開口部11を形成すると共に、
第1絶縁膜21に第2アンダーカット部25を形成す
る。その後、選択エピタキシ成長法を用いて第2開口部
25に第2導電型の第1単結晶半導体層(ベース層)6
を形成した後、第1単結晶半導体層6上に第1導電型の
第3半導体層(エミッタ層)7を形成する。この場合、
上記第3半導体層7及び第1単結晶半導体層6を分子線
エピタキシ選択成長法を用いて形成してもよい。
【0018】
【作用】上述の本発明方法により製造した半導体装置
構成によれば、第2絶縁膜(サイドウォール)5下の微
細な領域にて外部ベース電極3と基体1とを接続させる
ことができ、しかも、最下層の第1の絶縁層2に対し、
エッチングによるアンダーカットを設けないため、外部
ベース電極3と基体1とのコンタクト幅dcが第1の絶
縁膜2の膜厚に左右されるということがない。従って、
最下層の第1の絶縁膜2を薄くすることなく、上記コン
タクト幅dcの縮小化を実現させることができ、バイポ
ーラトランジスタ自体の素子面積の縮小化を図ることが
できる。このことは、コレクタ−ベース間の寄生容量の
増大化を防止しつつ、ベース層6の薄膜化及びベースの
コンタクト幅dcの縮小化を実現できることにつなが
る。また、薄いベース層6の形成に引き続いてエミッタ
層7を連続形成することができるため、製造工程の簡略
化を効率よく図ることができる。
【0019】また、本発明の第1の半導体装置の製造方
法によれば、第1開口部4を含む全面に、第2半導体層
10を形成し、その後に形成したサイドウォール5によ
り自己整合的に上記第1開口部4の側壁に多結晶シリコ
ン層10を残し、この残った多結晶シリコン層10を外
部ベース電極3として使用すると共に、該多結晶シリコ
ン層10とMBEにより形成したベース層6とを接続す
るようにしたので、ベース幅tbの縮小化及びベースの
コンタクト幅dcの縮小化を同時に実現させることがで
きる。また、最下層の第1絶縁膜2は、ベース層6の厚
みに関係なく厚くすることができるため、コレクタ−ベ
ース間の寄生容量の低減化を図ることができる。また、
多結晶シリコン層10の除去方法としてエピタキシャル
層に対し、選択性のある等方性エッチングを用いたの
で、エピタキシャル層1にダメージを与えることがな
い。
【0020】また、本発明の第2の半導体装置の製造方
法によれば、第1半導体層9の下層に形成された絶縁膜
を第1絶縁膜21と第2絶縁膜22の2層構造とし、第
2絶縁膜22のアンダーカット部23に予め第2半導体
層10を埋め込み、更に、第1絶縁膜21のアンダーカ
ット部25をMBE時に埋め込むようにしたので、コレ
クタ−ベース間の寄生容量の増大を防止しつつ、ベース
幅tbの縮小化とベースのコンタクト幅dcの縮小化を
同時に図ることができる。また、第1絶縁膜21の除去
方法としてエピタキシャル層1に対し、選択性のある等
方性エッチング(ウェットエッチング)を用いたので、
エピタキシャル層1にダメージを与えることがない。
【0021】
【実施例】以下、図1〜図7を参照しながら本発明の実
施例を説明する。図1は、本実施例に係る超高速バイポ
ーラトランジスタを示す要部の構成図である。
【0022】このトランジスタは、例えばN型のエピタ
キシャル層1上に形成されたSiO 2 膜2上に多結晶シ
リコン層による外部ベース電極3が形成され、この外部
ベース電極3がエピタキシャル層1表面に形成された開
口4の周辺部分にてエピタキシャル層1と接続されると
共に、この開口4内において、外部ベース電極3の側壁
の一部にSiO2 によるサイドウォール5が形成され、
上記外部ベース電極3中、サイドウォール5で覆われて
いない部分の側壁と下層のエピタキシャル層1とに夫々
接続されるP型のベース層6が形成され、このベース層
6と開口4内において接続されるN型のエミッタ層7が
形成され、更に、このエミッタ層7が上記サイドウォー
ル5により、上記外部ベース電極3と分離されて構成さ
れている。尚、8はSiO2 膜を示す。
【0023】次に、上記本例に係るバイポーラトランジ
スタの製造方法を図2及び図3に基いて説明する。尚、
図1と対応するものについては同符号を記す。
【0024】まず、図2Aに示すように、N型のエピタ
キシャル層1上にSiO2 膜2、P型の多結晶シリコン
層9及びSiO2 膜8を順次積層する。その後、エミッ
タ領域(又はベース領域)が形成される部分に上記Si
2 膜2、多結晶シリコン層9及びSiO2 膜8を貫通
する開口4を形成する。上記エピタキシャル層1の形成
において、本例では、エピタキシャル層1表面の面方位
が<111>となるように形成する。
【0025】次に、図2Bに示すように、開口4を含む
全面に厚み約200ÅのP型の薄膜多結晶シリコン層1
0を例えばCVD法により形成する。その後、全面にS
iO 2 膜5を例えばCVD法により形成した後、RIE
によるエッチバックを行って、SiO2 膜5を多結晶シ
リコン層10の側壁に一部残す。即ち、SiO2 膜によ
るサイドウォール5を形成する。このとき、サイドウォ
ール5で構成される開口11の径dは約0.2μm程度
である。
【0026】次に、図2Cに示すように、上記開口11
内にレジスト膜12を埋め込んだ後、表面の多結晶シリ
コン層10をアンモニア過水、KOH水溶液等によるウ
ェットエッチングにて除去する。このとき、サイドウォ
ール5とSiO2 膜8間に上記多結晶シリコン層10の
エッチング除去に伴う溝13が形成される。
【0027】次に、図3Aに示すように、上記レジスト
膜12を剥離した後、全面にSiO2 膜14を形成す
る。その後、例えばRIEによるエッチバックを行っ
て、上記溝13内にSiO2 膜14を残す。これによっ
て、サイドウォール5とSiO2膜8とが上記埋め込ま
れたSiO2 膜14により一体化する。その後、露出す
る多結晶シリコン層10をアンモニア過水、KOH水溶
液等によるウェットエッチングにて除去する。
【0028】ここで、残った多結晶シリコン層10とS
iO2 膜2上の多結晶シリコン層9とで外部ベース電極
3が構成される。この場合、エピタキシャル層1表面の
面方位が<111>であるため、KOH水溶液により多
結晶シリコン層10を除去した場合は、エピタキシャル
層1にダメージを与えず、しかも、サイドウォール5下
の多結晶シリコン層10がサイドエッチングされるた
め、外部ベース電極3とエピタキシャル層1とのコンタ
クト幅dcが非常に微細なものとなる。
【0029】次に、図3Bに示すように、分子線エピタ
キシ選択成長法(以下、単にMBEと記す)を用いて開
口11内に厚み約500ÅのSiGeによるP型のベー
ス層6を形成する。この場合、ベース層6の厚みtb
は、多結晶シリコン層10の厚みtpよりも大であるこ
とが望ましい。その後、このベース層6上に同じくMB
Eを用いて厚み約500ÅのSiCによるN型のエミッ
タ層7を形成する。
【0030】このとき、ベース層6あるいはエミッタ層
7の濃度勾配を制御してベースのバンドギャップを狭め
るかあるいはエミッタのバンドギャップを広げるように
してベースとエミッタの接合方式をヘテロ接合にするよ
うにしてもよい。この場合、高い電流増幅率と優れた高
周波特性を得ることができる。その後、MBEの温度を
下げて上記エミッタ層上にN型の多結晶シリコン層15
を形成する。そして、1050℃のRTA(短時間アニ
ール)を施すことにより結晶性を回復させて本例に係る
超高速バイポーラトランジスタを得る。
【0031】上述のように、本例によれば、サイドウォ
ール5下の微細な領域にて外部ベース電極3とエピタキ
シャル層1とを接続させることができる。また、最下層
のSiO2 膜2に対し、エッチングによるアンダーカッ
トを設けないため、外部ベース電極3とエピタキシャル
層1とのコンタクト幅dcがSiO2 膜2の膜厚に左右
されるということがない。従って、最下層のSiO2
2を薄くすることなく、上記コンタクト幅dcの縮小化
を実現させることができ、バイポーラトランジスタ自体
の素子面積の縮小化を図ることができる。このことは、
コレクタ−ベース間の寄生容量の増大化を防止しつつ、
ベース層6の薄膜化及びベースのコンタクト幅dcの縮
小化を実現できることにつながる。
【0032】また、薄いベース層6の形成に引き続いて
エミッタ層7を連続形成することができるため、製造工
程の簡略化を効率よく図ることができる。また、ベース
層6として500ÅのSiGe、エミッタ層7として5
00ÅのSiC等を採用することが可能で、Sub10
psecのスイッチング・スピードを得ることが可能と
なる。
【0033】次に、エピタキシャル層1へのダメージを
なくすようにした超高速バイポーラトランジスタの製造
方法の二つの例を図4〜図7に基いて説明する。
【0034】図4及び図5は、その第1実施例を示す工
程図である。以下、順次その工程を説明する。
【0035】まず、図4Aに示すように、N型のエピタ
キシャル層1上にSiO2 膜2、P型の多結晶シリコン
層9及びSiO2 膜8を順次積層する。その後、エミッ
タ領域(又はベース領域)が形成される部分に上記Si
2 膜2、多結晶シリコン層9及びSiO2 膜8を貫通
する開口4を形成する。上記エピタキシャル層1の形成
において、本例では、エピタキシャル層1表面の面方位
が<111>となるように形成する。
【0036】次に、図4Bに示すように、上記開口4を
含む全面に厚み約200ÅのP型の薄膜多結晶シリコン
層10を例えばCVD法により形成する。その後、全面
にSiO2 膜5を例えばCVD法により形成した後、R
IEによるエッチバックを行って、SiO2 膜5を多結
晶シリコン層10の側壁に一部残す。即ち、SiO2
によるサイドウォール5を形成する。このとき、サイド
ウォール5で構成される開口11の径dは約0.2μm
程度である。
【0037】次に、図4Cに示すように、サイドウォー
ル5をマスクに表面の多結晶シリコン層10をアンモニ
ア過水、KOH水溶液等によるウェットエッチングにて
除去する。このとき、サイドウォール5とSiO2 膜8
間に上記多結晶シリコン層10のエッチング除去に伴う
溝13が形成されると共に、サイドウォール5下の多結
晶シリコン層10がサイドエッチングされる。ここで、
残った多結晶シリコン層10とSiO2 膜2上の多結晶
シリコン層9とで外部ベース電極3が構成され、上記多
結晶シリコン層10のサイドエッチングに伴い、外部ベ
ース電極3とエピタキシャル層1とのコンタクト幅dc
が非常に微細なものとなる。
【0038】この多結晶シリコン層10のエッチング除
去は、下層のエピタキシャル層1に対し、選択性のある
等方性エッチング(ウェットエッチング)を用いている
ため、エピタキシャル層1にダメージを与えることがな
い。また、エピタキシャル層1表面の面方位が<111
>であるため、上記エッチングを行っても、その結晶性
は良好である。
【0039】次に、図5Aに示すように、MBEを用い
て開口11内に多結晶シリコン層10よりも膜厚の薄い
Si単結晶によるP型のベース層6を形成する。このと
き、開口11内に臨んで露出する多結晶シリコン層10
が上記MBEによって横方向に成長すると共に、溝13
から露出する多結晶シリコン層10が溝13の上方に向
かって成長する。
【0040】次に、図5Bに示すように、全面にSiO
2 膜16を例えばCVD法により形成した後、RIEに
よるエッチバックを行って、上記溝13内にSiO2
16を埋め込むと共に、開口11内にSiO2 膜16に
よるサイドウォール17を形成する。その後、開口11
内にエミッタ層7を構成するN型の多結晶シリコン層を
例えばCVD法により形成した後、1050℃のRTA
(短時間アニール)を施すことにより結晶性を回復させ
て第1実施例に係る超高速バイポーラトランジスタを得
る。
【0041】この第1実施例に係る製造方法によれば、
開口4を含む全面に、多結晶シリコン層10を形成し、
その後に形成したサイドウォール5により自己整合的に
上記開口4の側壁に多結晶シリコン層10を残し、この
残った多結晶シリコン層10を外部ベース電極3として
使用すると共に、該多結晶シリコン層10とMBEによ
り形成したベース層6とを接続するようにしたので、ベ
ース幅の縮小化及びベースのコンタクト幅dcの縮小化
を同時に実現させることができる。また、最下層のSi
2 膜2は、ベース層6の厚みに関係なく厚くすること
ができるため、コレクタ−ベース間の寄生容量の低減化
を図ることができる。また、多結晶シリコン層10の除
去方法としてエピタキシャル層に対し、選択性のある等
方性エッチング(ウェットエッチング)を用いたので、
エピタキシャル層1にダメージを与えることがない。
【0042】次に、図6及び図7は、上記超高速バイポ
ーラトランジスタの第2実施例を示す工程図である。以
下、順次その工程を説明する。
【0043】まず、図6Aに示すように、N型のエピタ
キシャル層1上に厚み約1000ÅのSiO2 膜21を
形成した後、該SiO2 膜上に、該SiO2 膜とエッチ
ング特性を異にする例えばSiN膜22を形成し、更に
該SiN膜22上に、P型の多結晶シリコン層9及びS
iO2 膜8を順次積層する。その後、エミッタ領域(又
はベース領域)が形成される部分に上記SiO2 膜8、
多結晶シリコン層9及びSiN膜22を貫通する開口4
を形成する。この開口4の形成においては、Siに対
し、10以上の選択比のあるRIE条件にて開口を形成
する。上記エピタキシャル層1の形成において、本例で
は、エピタキシャル層1表面の面方位が<111>とな
るように形成する。
【0044】次に、図6Bに示すように、hotりん酸
によるウェットエッチングにてSiN膜22をサイドエ
ッチングする。その後、全面に多結晶シリコン層10を
例えばCVD法により形成する。このとき、SiN膜2
2のサイドエッチングにより形成されたアンダーカット
部23内にも上記多結晶シリコン層10が充填される。
【0045】次に、図6Cに示すように、多結晶シリコ
ン層10に対し、RIEによるエッチバックを行って、
上記アンダーカット部23内にのみ多結晶シリコン層1
0を残す。その後、全面にSiO2 膜21とエッチング
特性を異にする例えばSiN膜24を形成した後、RI
Eによるエッチバックを行って開口4の側壁にSiN膜
24を残す。即ち、SiN膜によるサイドウォール24
を形成する。
【0046】次に、図7Aに示すように、露出するSi
2 膜21をウェットエッチングにて除去する。このウ
ェットエッチングは等方性であるため、SiO2 膜21
は、多結晶シリコン層10下まで横方向にサイドエッチ
ングされる。
【0047】次に、図7Bに示すように、MBEを用い
て開口4内にSiO2 膜21よりも膜厚の薄いSi単結
晶によるP型のベース層6を形成する。このとき、Si
2膜21のアンダーカット部25において、下層にS
iO2 膜21がない部分の多結晶シリコン層10が下方
に成長し、上方に向かって成長するベース層6と接続さ
れる。このときのベース幅tbは約500Å程度であ
る。また、多結晶シリコン層10とSiO2 膜21上の
多結晶シリコン層9にて外部ベース電極3が構成され
る。
【0048】次に、図7Cに示すように、全面にSiO
2 膜26を例えば減圧CVD法により形成した後、RI
Eによるエッチバックを行って、サイドウォール24に
よる開口内11にSiO2 膜によるサイドウォール26
を形成する。その後、開口11内にエミッタ層7を構成
するN型の多結晶シリコン層を例えばCVD法により形
成した後、1050℃のRTA(短時間アニール)を施
すことにより結晶性を回復させて第2実施例に係る超高
速バイポーラトランジスタを得る。
【0049】この第2実施例に係る製造方法によれば、
多結晶シリコン層9の下層に形成された絶縁膜をSiO
2 膜21とSiN膜22の2層構造とし、SiN膜22
のアンダーカット部23に予め多結晶シリコン層10を
埋め込み、更に、SiO2 膜21のアンダーカット部2
5をMBE時に埋め込むようにしたので、コレクタ−ベ
ース間の寄生容量の増大を防止しつつ、ベース幅の縮小
化とベースのコンタクト幅の縮小化を同時に図ることが
できる。また、SiO2 膜21の除去方法としてエピタ
キシャル層1に対し、選択性のある等方性エッチング
(ウェットエッチング)を用いたので、エピタキシャル
層1にダメージを与えることがない。
【0050】上記第1及び第2実施例では、エミッタ層
7としてN型の多結晶シリコン層を用いるようにした
が、図1で示すように、エミッタ層7をMBEを用いて
形成するようにしてもよい。この場合、ベース層6ある
いはエミッタ層7の濃度勾配を制御してベースのバンド
ギャップを狭めるかあるいはエミッタのバンドギャップ
を広げるようにしてベースとエミッタの接合方式をヘテ
ロ接合にすれば、上記効果のほか、高い電流増幅率と優
れた高周波特性を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る半導体装置の製造方法によ
れば、コレクタ−ベース間の寄生容量の増大化を防止し
つつ、ベース層の薄膜化及びベースのコンタクト幅の縮
小化を実現させることができると共に、その形成段階に
おいて、シリコン基板等へのダメージを与えることがな
いため、超高速バイポーラトランジスタの特性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により製造する超高速バイポーラト
ランジスタの要部を示す構成図。
【図2】本実施例に係る超高速バイポーラトランジスタ
の製造方法を示す工程図(その1)。
【図3】本実施例に係る超高速バイポーラトランジスタ
の製造方法を示す工程図(その2)。
【図4】第1実施例に係る超高速バイポーラトランジス
タの製造方法を示す工程図(その1)。
【図5】第1実施例に係る超高速バイポーラトランジス
タの製造方法を示す工程図(その2)。
【図6】第2実施例に係る超高速バイポーラトランジス
タの製造方法を示す工程図(その1)。
【図7】第2実施例に係る超高速バイポーラトランジス
タの製造方法を示す工程図(その1)。
【図8】従来例に係る超高速バイポーラトランジスタの
要部を示す構成図。
【図9】従来例に係る超高速バイポーラトランジスタの
製造方法を示す工程図(その1)。
【図10】従来例に係る超高速バイポーラトランジスタ
の製造方法を示す工程図(その2)。
【図11】従来例に係る超高速バイポーラトランジスタ
の作用を示す説明図。
【図12】従来例に係る超高速バイポーラトランジスタ
の作用を示す説明図。
【符号の説明】 1 N型のエピタキシャル層、2,8,21 SiO2
膜、3 外部ヘース電極、4,11 開口、5,24
サイドウォール、6 ベース層、7 エミッタ層、9,
10 多結晶シリコン層、22 SiN膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−276667(JP,A) 特開 平2−113536(JP,A) 特開 昭63−133571(JP,A) 特開 平2−239654(JP,A) 特開 平1−218064(JP,A) 特開 平3−131037(JP,A) 特開 平5−47773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/331 H01L 29/73

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の基体上に第1絶縁膜、第2
    導電型の第1半導体層及び第2絶縁膜を順次積層した
    後、上記基体の表面まで達する第1開口部を形成する工
    程と、 該第1開口部を含む全面に第2導電型の第2半導体層及
    び第3絶縁膜を順次積層した後、上記第3絶縁膜を異方
    性エッチングによるエッチバックを行うことにより、上
    記半導体層の側壁にのみ上記第3絶縁膜を残し、その
    後、上記第3絶縁膜をマスクとして上記基体上の上記第
    2半導体層を等方性エッチングにより除去することによ
    り、上記基体の一部を露出させて第2開口部を形成する
    工程と、選択エピタキシ 成長法を用いて上記第2開口部に第2導
    電型の第1単結晶半導体層を形成する工程と、 該第1単結晶半導体層上に第1導電型の第3半導体層を
    形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 上記第3半導体層及び上記第1単結晶半
    導体層が分子線エピタキシ成長法を用いて形成されるこ
    とを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 第1導電型の基体上に第1絶縁膜を形成
    した後、該第1絶縁膜上に、該第1絶縁膜とエッチング
    特性を異にする第2絶縁膜と、第2導電型の第1半導体
    層と、第3絶縁膜を順次積層する工程と、 上記第1絶縁膜の表面まで達する第1開口部を形成した
    後、等方性エッチングにより選択的に上記第2絶縁膜の
    みをサイドエッチングすることにより第1アンダーカッ
    ト部を形成する工程と、 上記第1開口部を含む全面に第2導電型の第2半導体層
    を堆積した後、上記第1アンダーカット部にのみ第2半
    導体層を残す工程と、 上記第1絶縁膜とエッチング特性を異にする第4絶縁膜
    を堆積した後、該第4絶縁膜を異方性エッチングによる
    エッチバックを行うことにより、上記第1開口部の側壁
    にのみ上記第4絶縁膜を残す工程と、 上記第3絶縁膜及び第4絶縁膜をマスクとして上記基体
    上の第1絶縁膜を等方性エッチングにより除去すること
    により、上記基体の一部を露出させて第2開口部を形成
    すると共に、上記第1絶縁膜に第2アンダーカット部を
    形成する工程と、選択エピタキシ成長法 を用いて上記第2開口部に第2導
    電型の第1単結晶半導体層を形成する工程と、 該第1単結晶半導体層上に第1導電型の第3半導体層を
    形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 上記第3半導体層及び上記第1単結晶半
    導体層が、分子線エピタキシ選択成長法を用いて形成さ
    れることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製
    造方法。
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