JP3104242U - 伸縮性生地及び伸縮性筒状織物 - Google Patents

伸縮性生地及び伸縮性筒状織物 Download PDF

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JP3104242U JP2004001584U JP2004001584U JP3104242U JP 3104242 U JP3104242 U JP 3104242U JP 2004001584 U JP2004001584 U JP 2004001584U JP 2004001584 U JP2004001584 U JP 2004001584U JP 3104242 U JP3104242 U JP 3104242U
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丈典 井嶋
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井▲嶋▼ 丈典
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Abstract

【課題】製織後の生地に優れた伸縮特性を容易に付与することができ、保温性や通気性にも優れ、しかも、効率よく製造することのできる伸縮性筒状織物を提供すること。
【解決手段】表生地11と裏生地12とが熱処理により収縮する弾性糸13によって接結された多層織物生地14を製織する工程と、多層織物生地14を筒形状となるように縫製する工程と、縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、弾性糸13の熱収縮に応じて筒状体が収縮され、筒状体の表裏面に襞状のうねり部15が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は伸縮性生地及び伸縮性筒状織物に関し、より詳細には織物生地に伸縮性が付与
された伸縮性生地及び伸縮性筒状織物に関する。
従来から防寒用の首巻には、帯状に加工されたマフラーや襟巻きがよく利用されている
。このような帯状の首巻は、きちんと首に巻きつけなければならず、装着に手間がかかり
、またコンパクトさに欠けるため、荷物になりやすいという課題があった。
このような課題を解決すべく下記の特許文献1には、伸縮性を有する用にほぼ円筒形状
に編み上げた簡易マフラーが開示されており、また下記の特許文献2には、編目を編成す
る糸により伸縮可能に筒状に編成され、該筒は人の頭部が通過可能な程度に拡径可能に編
成されたマフラーが開示されている。このように筒状のマフラーなどの首巻類は、ある程
度の伸縮性を付与しやすいという点から編物で構成されていることが多い。
一方、織物においても弾性糸を用いて伸縮性を生地に付与することが行われており、伸
縮性を有する織物の構造が、例えば下記の特許文献3、4に開示されている。しかしなが
ら、これら特許文献に記載されている織物は、弾性糸を伸張させた状態で製織し、製織後
に弾性糸の伸張を解いて収縮させる、つまり弾性糸の弾発力を利用して、織物の上下面に
浮きパイル(タオル状)が形成されたり(特許文献3)、うねり部が形成された(特許文
献4)ものになっており、製織時の弾性糸の伸張により製織後の生地に伸縮性が付与され
ている。このように特許文献3、4記載の伸縮性の織物は、弾性糸を伸張させた状態で製
織しなければならず、伸張状態を調整する手間が必要となり、生地に大きな伸縮性を持た
せにくく、作業効率が低下しやすいという課題があった。
実開平7−40725号公報 登録実用新案第3038584号公報 実開平6−69283号公報 特開昭52−18967号公報
課題を解決するための手段及びその効果
本考案は上記課題に鑑みなされたものであって、製織された生地に優れた伸縮特性を容
易に付与することができ、保温性や通気性にも優れ、しかも、効率よく製造することがで
き、さまざまな用途に利用することのできる伸縮性生地及び伸縮性筒状織物を提供するこ
とを目的としている。
すなわち上記目的を達成するために本考案に係る伸縮性生地(1)は、所定の織物組織
からなる複数の織物生地が熱処理により収縮する弾性糸によって接結された多重織物生地
を製織する工程と、該多重織物生地をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理
が施され、前記弾性糸の熱収縮に応じて前記多重織物生地が収縮され、該多重織物生地の
表裏面に襞状のうねり部が形成されていることを特徴としている。
上記伸縮性生地(1)によれば、前記複数の織物生地が熱処理により収縮する弾性糸に
よって接結された多重織物生地を製織する工程と、該多重織物生地をテンションを掛けず
に熱処理する工程とを含む処理が施されているので、前記弾性糸が熱処理により大きく収
縮するという特性を利用し、生地に接結された前記弾性糸の熱収縮により製織後の前記多
重織物生地を大きく収縮させることができ、熱処理後の前記多重織物生地に優れた伸縮特
性を簡単に付与することができ、伸縮性を有する生地を効率良く製造することができる。
また前記多重織物生地の表裏面に前記うねり部が形成されているので、生地構造を嵩高く
することができ、生地の保温性を高め、通気性にも優れたものとすることができ、肌ざわ
りがソフトで弾力感のある優れた伸縮特性を有する生地を実現することができる。
また本考案に係る伸縮性生地(2)は、第1の非弾性糸を第1の織り方向に用い、熱処
理により収縮する弾性糸と第2の非弾性糸とを第2の織り方向に用いて、前記第2の非弾
性糸を連続して浮かせた織物生地を製織する工程と、該織物生地をテンションを掛けずに
熱処理する工程とを含む処理が施され、前記弾性糸の熱収縮に応じて前記織物生地が収縮
され、該織物生地の表裏面に前記第2の非弾性糸による浮部が形成されていることを特徴
としている。
上記伸縮性生地(2)によれば、前記第1の非弾性糸を第1の織り方向(すなわち、縦
糸又は横糸方向)に用い、前記弾性糸と前記第2の非弾性糸とを第2の織り方向(すなわ
ち、前記第1の織り方向に対して略垂直方向となる横糸又は縦糸)に用いて、前記第2の
非弾性糸を連続して浮かせた織物生地を製織する工程と、該織物生地をテンションを掛け
ずに熱処理する工程とを含む処理が施されているので、前記弾性糸が熱処理により大きく
収縮するという特性を利用し、生地に織り込まれた弾性糸の熱収縮により製織後の前記織
物生地を大きく収縮させることができ、熱処理後の前記織物生地に優れた伸縮特性を簡単
に付与することができ、伸縮性を有する生地を効率良く製造することができる。また前記
織物生地の表裏面に前記第2の非弾性糸による浮部が形成されているので、生地構造を嵩
高くすることができ、生地の保温性を高め、また前記浮部により通気性も優れたものとす
ることができ、肌ざわりがソフトで弾力感のある優れた伸縮特性を有する生地を実現する
ことができる。
また、前記第2の非弾性糸として、種々の太さや色からなる糸や、ループが形成された
り、部分的に太さが異なる意匠撚糸などを用いることにより、生地の風合いや伸縮特性を
改良することができる。また前記弾性糸と前記第2の非弾性糸との織り込む割合を調整す
ることにより、生地の伸縮特性を調整することが可能となる。
また本考案に係る伸縮性生地(3)は、所定の織物組織からなる第1の織物生地と、非
弾性糸を第1の織り方向に用い、熱処理により収縮する弾性糸を第2の織り方向に用いた
第2の織物生地とが所定間隔で接結された2重織物生地を製織する工程と、該2重織物生
地をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、前記弾性糸の熱収縮に
応じて前記2重織物生地が収縮され、前記第1の織物生地側に襞状のうねり部が形成され
ていることを特徴としている。
上記伸縮性生地(3)によれば、前記第1の織物生地と、前記非弾性糸を第1の織り方
向(すなわち、縦糸又は横糸方向)に用い、前記弾性糸を第2の織り方向(すなわち前記
第1の織り方向に対して略垂直方向となる横糸又は縦糸方向)に用いた第2の織物生地と
が所定間隔で接結された2重織物生地を製織する工程と、該2重織物生地をテンションを
掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施されているので、前記弾性糸が熱処理により大
きく収縮するという特性を利用し、生地に織り込まれた前記弾性糸の熱収縮により製織後
の前記2重織物生地を大きく収縮させることができ、熱処理後の前記2重織物生地に優れ
た伸縮特性を簡単に付与することができ、伸縮性を有する生地を効率良く製造することが
できる。また、前記2重織物生地の前記第1の織物生地側に前記うねり部が形成されてい
るので、生地の構造を嵩高くすることができ、生地の保温性を高め、また前記うねり部に
より通気性も優れたものとすることができ、肌ざわりがソフトで弾力感のある優れた伸縮
特性を有する生地を実現することができる。また前記弾性糸の織り込み密度を調整するこ
とにより、生地の伸縮特性を調整することが可能となる。
また本考案に係る伸縮性生地(4)は、上記伸縮性生地(1)〜(3)のいずれかにお
いて、前記弾性糸が、ポリウレタン弾性糸を含んで構成されていることを特徴としている
上記伸縮性生地(4)によれば、前記弾性糸が、ポリウレタン弾性糸を含んで構成され
ているので、例えば、ポリウレタン弾性糸、ポリウレタン弾性糸を様々な短繊維で覆った
糸、ポリウレタン弾性糸と紡績糸とを合撚した糸、ポリウレタン弾性糸にフィラメントを
巻きつけた糸などから構成されているので、前記熱処理による収縮が非常に大きく、熱収
縮後の伸長率を大きくすることができ、また、特有の弾性特性により、収縮された生地を
弱い力で大きく伸張させることができる一方、反発時には緩やかに締め付けることができ
、フィット感を一層向上させた生地を実現することができる。
また本考案に係る伸縮性筒状織物(1)は、上記伸縮性生地(1)〜(4)のいずれか
を用いて所定サイズの筒形状となるように縫製されていることを特徴としている。
上記伸縮性筒状織物(1)によれば、上記伸縮性生地(1)〜(4)のいずれかを用い
て所定サイズの筒形状となるように縫製されているので、例えば、首、腕、脚、又は胴体
部分の身体の所定部位の大きさと前記伸縮性生地の伸縮特性とを考慮して、伸ばした状態
で装着される所定サイズの筒形状となるように縫製する、例えば、前記伸縮性生地を筒状
に縫製することにより、身体各部への着脱が容易で、しかも締め付け感がなくてフィット
感に優れたものとすることができ、身体の所定部位を適切に保護したり、保温することが
できる。また上記伸縮性生地(1)〜(4)の表面特性により、肌ざわりが良好で、しか
も保温性や通気性にも優れたものとすることができる。
また、身体の所定部位を被覆可能なサイズの帯状に前記伸縮性生地を縫製し、帯状体の
両端部付近に離着用部材を設けて筒形状となるように縫製すれば、前記離着用部材により
前記帯状体の両端部をつなぎ止めた状態で保持することができ、上記同様の効果を得るこ
とができる。なお、前記離着用部材を複数箇所に設けることにより、つなぎ止める位置を
調整することが可能となり、1つの帯状体で、首、腕、足など複数の身体部位への適用が
可能となり、また、子供と大人などの身体サイズの違いにも対応することができる。また
、枕などの被カバー体の大きさと前記伸縮性生地の伸縮特性とを考慮して、伸ばした状態
で装着される所定サイズの筒形状となるように縫製することにより、前記被カバー体をし
っかりとフィットした状態でカバーすることができる。
また本考案に係る伸縮性筒状織物(2)は、所定の織物組織からなる複数の織物生地が
熱処理により収縮する弾性糸によって接結された多重織物生地を製織する工程と、該多重
織物生地を筒形状となるように縫製する工程と、該縫製された筒状体をテンションを掛け
ずに熱処理する工程とを含む処理が施され、前記弾性糸の熱収縮に応じて前記筒状体が収
縮され、該筒状体の表裏面に襞状のうねり部が形成されていることを特徴としている。
上記伸縮性筒状織物(2)によれば、前記複数の織物生地が前記弾性糸によって接結さ
れた多重織物生地を製織する工程と、該多重織物生地を筒形状となるように縫製する工程
と、該縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施されて
いるので、前記弾性糸が熱処理により大きく収縮するという特性を利用し、生地に接結さ
れた前記弾性糸の熱収縮により縫製後の前記筒状体を大きく収縮させることができ、熱処
理後の前記筒状体に優れた伸縮特性を簡単に付与することができ、伸縮性を有する筒状織
物を効率良く製造することができる。また前記筒状体の表裏面に襞状のうねり部が形成さ
れているので、生地構造を嵩高くすることができ、生地の保温性を高め、通気性にも優れ
たものとすることができ、肌ざわりがソフトで弾力感のある優れた伸縮特性を有する筒状
織物とすることができる。
また本考案に係る伸縮性筒状織物(3)は、第1の非弾性糸を第1の織り方向に用い、
熱処理により収縮する弾性糸と第2の非弾性糸とを第2の織り方向に用いて、前記第2の
非弾性糸を連続して浮かせた織物生地を製織する工程と、該織物生地を筒形状となるよう
に縫製する工程と、該縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む
処理が施され、前記弾性糸の熱収縮により前記筒状体が収縮され、該筒状体の表裏面に前
記第2の非弾性糸による浮部が形成されていることを特徴としている。
上記伸縮性筒状織物(3)によれば、前記第1の非弾性糸を第1の織り方向に用い、前
記弾性糸と第2の非弾性糸とを第2の織り方向に用いて、前記第2の非弾性糸を連続して
浮かせた織物生地を製織する工程と、該織物生地を筒形状となるように縫製する工程と、
該縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施されている
ので、前記弾性糸が熱処理により大きく収縮するという特性を利用し、生地に織り込まれ
た弾性糸の熱収縮により縫製後の前記筒状体を大きく収縮させることができ、熱処理後の
前記筒状体に優れた伸縮特性を簡単に付与することができ、伸縮性を有する筒状織物を効
率良く製造することができる。また前記筒状体の表裏面に前記第2の非弾性糸による浮部
が形成されているので、生地の構造を嵩高くすることができ、生地の保温性を高め、通気
性にも優れたものとすることができ、肌ざわりがソフトで弾力感のある優れた伸縮特性を
有する筒状織物とすることができる。
また、前記第2の非弾性糸として、種々の太さや色からなる糸や、ループが形成された
り、部分的に太さが異なる意匠撚糸などを用いることにより、生地の風合いや伸縮特性を
改良することができる。また前記弾性糸と前記第2の非弾性糸との織り込む割合を調整す
ることにより、筒状体の伸縮特性を調整することが可能となる。
また本考案に係る伸縮性筒状織物(4)は、所定の織物組織からなる第1の織物生地と
、非弾性糸を第1の織り方向に用い、熱処理により収縮する弾性糸を第2の織り方向に用
いた第2の織物生地とが所定間隔で接結された2重織物生地を製織する工程と、該2重織
物生地を筒形状となるように縫製する工程と、該縫製された筒状体をテンションを掛けず
に熱処理する工程とを含む処理が施され、前記弾性糸の熱収縮により前記筒状体が収縮さ
れ、前記第1の織物生地側に襞状のうねり部が形成されていることを特徴としている。
上記伸縮性筒状織物(4)によれば、所定の織物組織からなる第1の織物生地と、非弾
性糸を第1の織り方向に用い、前記弾性糸を第2の織り方向に用いた第2の織物生地とが
所定間隔で接結された2重織物生地を製織する工程と、該2重織物生地を筒形状となるよ
うに縫製する工程と、該縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含
む処理が施されているので、前記弾性糸が熱処理により大きく収縮するという特性を利用
し、生地に織り込まれた前記弾性糸の熱収縮により縫製後の前記筒状体を大きく収縮させ
ることができ、熱処理後の前記筒状体に優れた伸縮特性を簡単に付与することができ、伸
縮性を有する筒状織物を効率良く製造することができる。また、前記筒状体の前記第1の
織物生地側に前記うねり部が形成されているので、生地の構造を嵩高くすることができ、
生地の保温性を高め、また前記うねり部により通気性も優れたものとすることができ、肌
ざわりがソフトで弾力感のある優れた伸縮特性を有する生地を実現することができる。ま
た前記弾性糸の織り込み密度を調整することにより、前記筒状体の伸縮特性を調整するこ
とが可能となる。
また本考案に係る伸縮性筒状織物(5)は、上記伸縮性筒状織物(2)〜(4)のいず
れかにおいて、前記弾性糸が、ポリウレタン弾性糸を含んで構成されていることを特徴と
している。
上記伸縮性筒状織物(5)によれば、前記弾性糸が、ポリウレタン弾性糸を含んで構成
されているので、例えば、ポリウレタン弾性糸、ポリウレタン弾性糸を様々な短繊維で覆
った糸、ポリウレタン弾性糸と紡績糸とを合撚した糸、ポリウレタン弾性糸にフィラメン
トを巻きつけた糸などから構成されているので、前記熱処理による収縮が非常に大きく、
熱収縮後の伸長率を大きくすることができ、また、特有の弾性特性により、収縮された生
地を弱い力で大きく伸張させることができる一方、反発時には緩やかに締め付けることが
でき、フィット感を一層向上させた筒状織物を実現することができる。
また本考案に係る伸縮性筒状織物(6)は、上記伸縮性筒状織物(1)〜(5)のいず
れかにおいて、前記伸縮性筒状織物が、身体の所定部位に装着可能な大きさに形成されて
いることを特徴としている。
上記伸縮性筒状織物(6)によれば、例えば、首、腕、脚、又は胴体部分の身体の所定
部位に装着可能な大きさに形成されているので、前記筒状体を前記身体の所定部位に伸ば
した状態で装着することができ、前記筒状体は生地の伸縮特性により、着脱が容易で、し
かも前記身体の所定部位に対して締め付け感を与えることなく、しっかりとフィットさせ
ることができ、前記身体の所定部位を適切に保護したり、保温することができる。
また本考案に係る伸縮性筒状織物(7)は、上記伸縮性筒状織物(1)〜(5)のいず
れかにおいて、前記伸縮性筒状織物が、枕などの被カバー体に装着可能な大きさに形成さ
れていることを特徴としている。
上記伸縮性筒状織物(7)によれば、前記伸縮性筒状織物が、枕などの被カバー体に装
着可能な大きさに形成されているので、前記被カバー体の大きさと前記生地の伸縮特性と
を考慮して、伸ばした状態で装着される大きさにすることにより、前記被カバー体をしっ
かりとフィットした状態でカバーすることができる。
以下、本考案に係る伸縮性生地及び伸縮性筒状織物の実施の形態を図面に基づいて説明
する。実施の形態(1)では、伸縮性筒状織物を首巻に適用した場合について説明する。
図1は、実施の形態(1)に係る伸縮性首巻を模式的に示した図であり、(a)は全体斜
視図、(b)は(a)におけるB−B線部分断面図である。
伸縮性首巻1は、縦糸11aと横糸11bとが所定の織物組織(この場合、平織)で織
られた表生地11と、縦糸12aと横糸12bとが所定の織物組織(平織)で織られた裏
生地12とが、弾性糸13によって所定間隔で接結された円筒形状の2重織物生地14か
ら構成されており、表生地11及び裏生地12の表面には、テンションを掛けない熱処理
に伴う弾性糸13の収縮により形成された連続した襞状のうねり部15が形成されている
。また、縦糸11a、12aの両端部は、縦糸11a、12aをそのまま利用した房状の
縁飾り(フリンジ)16が施されている。
表生地11を構成する縦糸11aと横糸11bは、綿などの非弾性糸(すなわち、熱によって収縮しにくく、ほとんど弾性を有していない糸)から構成され、同様に裏生地12
を構成する縦糸12a及び横糸12bも綿などの非弾性糸から構成されている。表生地1
1と裏生地12とは、柔軟性及び通気性を高めるためにガーゼのように比較的織り目が大
きく(粗くなるように)織られている。
接結糸である弾性糸13は、ポリウレタン弾性糸を含んで構成されており、例えば、ポ
リウレタン弾性糸を様々な短繊維で覆った糸、ポリウレタン弾性糸と紡績糸とを合撚して
作られた糸、又はポリウレタン弾性糸にフィラメントが巻きつけられた糸などから構成さ
れており、弾性糸13の打ち込み本数(密度)は、表生地11や裏生地12を構成する各
糸の材質や太さや密度、並びに弾性糸13の太さや材質などを考慮して目的とする伸縮特
性、すなわち弱い力で大きく伸張させることができ、首に装着したときに圧迫感なくフィ
ットさせることができる伸縮特性が得られるように調整されている。
また、弾性糸13の接結方向の間隔調整も適宜可能であり、接結間隔を狭くすればうね
り部15が小さくなる一方、接結間隔を広くすればうねり部15が大きくなり嵩高さを増
すことができるようになっている。
次に実施の形態(1)に係る伸縮性首巻1の製造方法について説明する。図2は、実施
の形態(1)に係る伸縮性首巻1の製造工程の要部を示したフローチャートである。また
、図3は、実施の形態(1)に係る伸縮性首巻1の各製造工程における生地の状態を模式
的に示した図である。
まず工程1では、表生地11と裏生地12とが熱処理により収縮する弾性糸13によっ
て接結された2重織物生地14を製織する(製織工程)。この製織工程では、表生地11
と裏生地12との織り幅は90±20cm程度と幅広く設定されており、長さは5〜20
cm程度(2つ折で使用する場合はこれ以上の長さでもよい)に設定されている。製織時
に弾性糸13に対して余分なテンションは掛けられておらず、縫製後の2重織物生地14
の表面は、略平坦な状態となっている(図3(工程1)の状態)。
次に工程2では、製織された2重織物生地14を筒状に縫製する(縫製工程)。縫製後
の筒状体17も表生地11及び裏生地12の表面は略平坦な状態となっており、また弾性
糸13は、表生地11と裏生地12との接結により伸張できないように規制されている(
図3(工程2)の状態)。
次に工程3では、縫製された筒状体17をテンションを掛けずに熱処理を施す。例えば
、100℃以下(80℃〜100℃)で約30分程度、タンブラー乾燥機でテンションを
掛けずに加熱処理を施す(テンションフリーの熱処理工程)。この熱処理工程を経ること
により、弾性糸13が熱収縮し、筒状体17が縫製後の状態(図3(工程2)の状態)か
ら0.6〜0.4倍程度の大きさ(幅)にまで十分に収縮されて、表生地11及び裏生地
12の表面に連続した襞状のうねり部15が形成される。熱処理後の伸縮性首巻1は、縫
製後の筒状体17の幅まで大きく伸張させることができるようになっている。
上記実施の形態(1)に係る伸縮性首巻1によれば、所定の織物組織からなる表生地1
1と裏生地12とが、弾性糸13によって接結された2重織物生地14を製織する工程(
工程1)と、2重織物生地14を筒形状となるように縫製する工程(工程2)と、縫製さ
れた筒状体17をテンションを掛けずに熱処理する工程(工程3)とを含む処理が施され
ているので、弾性糸13が熱処理により大きく収縮するという特性を利用し、生地を接結
する弾性糸13の熱収縮により縫製後の筒状体17を大きく収縮させることができ、熱処
理して得られた伸縮性首巻1に優れた伸縮特性を簡単に付与することができ、伸縮性を有
する筒状織物を効率良く製造することができる。また伸縮性首巻き1の表裏面に襞状のう
ねり部15が形成されているので、生地構造を嵩高くすることができ、生地間の空気層に
より保温性を高め、通気性にも優れたものとすることができ、肌ざわりがソフトで弾力感
のある優れた伸縮特性を有する筒状織物とすることができる。
また、弾性糸13が、ポリウレタン弾性糸を含んで構成されているので、熱処理による
収縮が非常に大きく、熱収縮後の伸長率を大きくすることができ、また、特有の弾性特性
により、収縮された生地を弱い力で大きく伸張させることができる一方、反発時には緩や
かに締め付けることができ、フィット性を一層向上させた筒状織物を実現することができ
る。
なお、上記実施の形態(1)では、表生地11と裏生地12とが弾性糸13によって接
結された2重織物生地14を適用した場合について説明したが、別の実施の形態では、生
地どうしを接結、すなわち表生地11と裏生地12とを接結させて、その間に弾性糸13
を織り込む断面構造とすることができる。また、表生地11と裏生地12とを異なる織物
組織や織り密度としたり、裏生地12には肌に優しい繊維、表生地11には美観を起こさ
せるような繊維というように特性の異なる繊維を用いることもできる。
また、上記実施の形態(1)では、表生地11と裏生地12とが弾性糸13によって接
結された2重織物生地14から構成されている場合について説明したが、別の実施の形態
では、図4に示すように断面が3重の織物生地から構成することもでき、生地の嵩高さを
増して、保温性を高めることもできる。もちろん3重以上の構成とすることもできる。
また、表生地11や裏生地12を構成する各糸の材質や太さや密度、並びに弾性糸13
の太さや材質などを変えることにより、伸縮性首巻1を屋内用、屋外用、寒さの異なる地
域や季節等の環境の違いに適応した生地構成とすることができる。
図5は、実施の形態(2)に係る伸縮性首巻を模式的に示した図であり、(a)は全体
斜視図、(b)は(a)におけるB−B線部分断面図である。図6は、実施の形態(2)
に係る伸縮性首巻の製織工程後の平面図(組織図)を示している。
伸縮性首巻1Aは、綿などの非弾性糸からなる縦糸21と、熱処理により収縮する弾性
糸22a及び綿などの非弾性糸22bを含む横糸22とを用いて、非弾性糸22bを連続
して浮かせた織物組織で織られた織物生地23が円筒形状に縫製されており、弾性糸22
aの熱収縮に応じて織物生地23が収縮状態となっており、外側表面と内側表面とには、
テンションを掛けない熱処理、すなわち、織物生地23の収縮により形成された非弾性糸
22bによる浮部24が形成されている。また、縦糸21の両端部は、縦糸21をそのま
ま利用した房状の縁飾り(フリンジ)25が施されている。
横糸22に含まれる弾性糸22aは、ポリウレタン弾性糸を含んで構成されており、例
えば、ポリウレタン弾性糸を様々な短繊維で覆った糸、ポリウレタン弾性糸と紡績糸とを
合撚して作られた糸、又はポリウレタン弾性糸にフィラメントが巻きつけられた糸などか
ら構成されており、また非弾性糸22bは、綿の単糸を2本より合わせた双糸から構成さ
れており、浮部24が嵩高く形成されるようになっている。
また図6に示すように製織後の織物生地23は、弾性糸22a(a’、d’)が、縦糸
21(a〜s)と交互に織られており、非弾性糸22b(b’、e’)は、縦糸21(g
〜o)の部分(浮部24)が外側(上側)に浮き上っており、非弾性糸22b(c’)は
、縦糸21(a〜f)、(l〜r)の部分(浮部24)が内側(下側)に浮き上がってい
る。
この場合、弾性糸22aと非弾性糸22bとの打ち込み比率は、弾性糸22a:非弾性
糸22b=1:2の場合を説明しているが、弾性糸22aと非弾性糸22bとの打ち込み
比率は、縦糸21、弾性糸22a、及び非弾性糸22bを構成する各糸の材質や太さや密
度などを考慮して目的とする伸縮特性、すなわち弱い力で大きく伸張させることができ、
首に装着したときに圧迫感なくフィットさせることができる伸縮特性が得られるように調
整することができる。
また、非弾性糸22bの浮部24の間隔も調整可能であり、浮部24の間隔を狭くすれ
ば浮部24が小さくなる一方、浮部24の間隔を広くすれば浮部24が大きくなり嵩高さ
を増すことができるようになっている。
次に実施の形態(2)に係る伸縮性首巻1Aの製造方法について説明する。図7は、実
施の形態(2)に係る伸縮性首巻1Aの製造工程の要部を示したフローチャートである。
また、図8は、実施の形態(2)に係る伸縮性首巻1Aの各製造工程における生地の状態
を模式的に示した図である。
まず工程11では、非弾性糸からなる縦糸21と、熱処理により収縮する弾性糸22a
と非弾性糸22bを含んで構成される横糸22とを用いて、非弾性糸22bを連続して浮
かせた組織の織物生地23を製織する(製織工程)。この製織工程では、縦糸21と横糸
22(弾性糸22a及び非弾性糸22b)との織り幅が、90±20cm程度と幅広く設
定されており、長さは5〜20cm程度(2つ折で使用する場合はこれ以上長くてもよい
)に設定されている。製織時に弾性糸22aに対して余分なテンションは掛けられておら
ず、製織後の織物生地23の表面は、略平坦な状態となっている(図8(工程11)の状
態)。
次に工程12では、製織された織物生地23を筒状に縫製する(縫製工程)。縫製後の
筒状体26の表面は略平坦な状態であり、縦糸21と非弾性糸22bとにより弾性糸22
aが伸張できないように規制されている(図8(工程12)の状態)。
次に工程13では、縫製された筒状体26をテンションを掛けずに熱処理を施す。例え
ば、100℃以下(80℃〜100℃)で約30分程度、タンブラー乾燥機でテンション
を掛けずに加熱処理を施す(テンションフリーの熱処理工程)。この熱処理工程を経るこ
とにより、弾性糸22aが熱収縮し、筒状体26が、縫製後の状態(図8(工程12)の
状態)から0.6〜0.4倍程度の大きさにまで十分に収縮されて、外側表面と内側表面
とに浮部24が多数形成されるようになっている(図8(工程13)の状態)。また、熱
処理後の伸縮性首巻1Aは、縫製後の筒状体26の幅まで大きく伸張させることができる
ようになっている。
上記実施の形態(2)に係る伸縮性首巻1Aによれば、非弾性糸を縦糸21に用い、弾
性糸22aと非弾性糸22bとを横糸22に用いて、非弾性糸22bを連続して浮かせた
織物生地23を製織する工程(工程11)と、織物生地23を筒形状となるように縫製す
る工程(工程12)と、縫製された筒状体26をテンションを掛けずに熱処理する工程(
工程13)とを含む処理が施されているので、弾性糸22aが熱処理により大きく収縮す
るという特性を利用し、生地に織り込まれた弾性糸22aの熱収縮により縫製後の筒状体
26を大きく収縮させることができ、熱処理して得られた伸縮性首巻1Aに優れた伸縮特
性を簡単に付与することができ、伸縮性を有する筒状織物を効率良く製造することができ
る。また伸縮性首巻1Aの表裏面に非弾性糸22bによる浮部24が形成されているので
、生地の構造を嵩高くすることができ、生地の保温性を高め、通気性にも優れたものとす
ることができ、肌ざわりがソフトで弾力感のある優れた伸縮特性を有する筒状織物とする
ことができる。
なお、上記実施の形態(2)では、横糸22に含まれる非弾性糸22bとして、綿製の
双糸を適用した場合について説明したが、非弾性糸22bには、種々の太さや色からなる
糸や、ループが形成されていたり、部分的に太さが異なる意匠撚糸などを用いることがで
き、その風合いや伸縮特性を改良することができる。
また上記実施の形態(1)、(2)では、伸縮性筒状織物を首巻に適用した場合につい
て説明したが、別の実施の形態では、伸縮性筒状織物を、腕(上腕、ひじ、手首)、肩、
脚部(太腿、ひざ、ふくらはぎ、足首)又は腹部や腰部などの身体の所定部位への装着に
適した大きさ(伸ばした状態でフィットさせることのできる筒の内径や長さ)に形成して
利用することもでき、身体の所定部位に装着することにより、身体の所定部位に対して締
め付け感を与えることなく、しっかりとフィットさせることができ、身体の所定部位を適
切に保護したり、保温することができる。
また、上記実施の形態(1)、(2)に係る伸縮性首巻は、円筒形状に縫製された場合
について説明したが、別の実施の形態では、図9に示すように製織後の生地から首を被覆
可能な長さの帯状体31を縫製し、帯状体31の縁には三つ巻き等のほつれ防止処理を施
し、帯状体31の両端部付近に面ファスナーやボタンなどの離着用部材32を設けて筒形
状となるように縫製してもよく、この場合、離着用部材32により帯状体31の両端部を
つなぎ止めた状態で保持することができ、上記同様の効果を得ることができる。また、離
着用部材32を横幅方向に複数箇所設けることにより、つなぎ止める位置を調整すること
が可能となり、1つの帯状体31で、首、腕、足など複数の身体部位への適用が可能とな
り、また、子供と大人などの身体サイズの違いにも対応することができる。
次に実施の形態(3)に係る伸縮性筒状織物について説明する。実施の形態(3)では
、伸縮性筒状織物を枕カバーに適用した場合について説明する。図10は、実施の形態(
3)に係る伸縮性枕カバーを模式的に示した図であり、(a)は全体斜視図、(b)は(
a)におけるB−B線部分断面図である。
伸縮性枕カバー1Bは、綿などの非弾性の縦糸31aと横糸31bとが所定の織物組織
(この場合、斜文織)で織られた表生地31と、綿などの非弾性縦糸32aと弾性横糸3
2bとで所定の織物組織(この場合平織)に織られた裏生地32とが、所定間隔で斜め方
向に接結された円筒形状の2重織物生地33から構成されており、外側表面には、連続し
た襞状のうねり部34が形成されている。また、縦糸31a及び非弾性縦糸32aの両端
部は、縦糸31a及び非弾性縦糸32aをそのまま利用した房状の縁飾り(フリンジ)3
5が施されている。
裏生地32は、弾性横糸32bの熱収縮による生地の収縮効果を高めるために、ガーゼ
のように比較的粗く(密度が小さく)織られている。一方、表生地31は、裏生地32よ
りも密度が大きく(密に)織られている。弾性横糸32bは、ポリウレタン弾性糸を様々
な短繊維で覆った糸、ポリウレタン弾性糸と紡績糸とを合撚して作られた糸、又はポリウ
レタン弾性糸にフィラメントが巻きつけられた糸などのポリウレタン弾性糸を含んで構成
されており、弾性横糸32bの織り込み本数(密度)は、表生地31や非弾性縦糸32a
の各糸の材質や太さや密度、並びに弾性横糸32bの太さや種類などを考慮して目的とす
る伸縮特性、すなわち大きく伸張させることができ、枕に装着したときにずれたりしない
ように適度な収縮力でフィットさせることができる伸縮特性が得られるように調整されて
いる。
また、表生地31と裏生地32との接結間隔や接結模様の調整も適宜可能であり、間隔
を狭くすればうねり部34が小さくなる一方、間隔を広くすればうねり部34が大きくな
り生地の嵩高さを増すことができるようになっている。
次に実施の形態(3)に係る伸縮性枕カバー1Bの製造方法について説明する。図11
は、実施の形態(3)に係る伸縮性枕カバー1Bの製造工程の要部を示したフローチャー
トである。また、図12は、実施の形態(3)に係る伸縮性枕カバーの各製造工程におけ
る生地の状態を模式的に示した図である。
まず工程21では、表生地31と裏生地32とが所定間隔で接結された2重織物生地3
3を製織する(製織工程)。この製織工程では、表生地31と裏生地32との織り幅は、
例えば90〜150cm程度に幅広く設定されており、長さは30〜100cm程度に設
定されている。製織時に弾性横糸32bに対して余分なテンションは掛けられておらず、
縫製後の2重織物生地33の表面は、略平坦な状態となっている(図12(工程21)の
状態)。
次に工程22では、製織された2重織物生地33を筒状に縫製する(縫製工程)。縫製
後の筒状体36の幅が25〜50cm程度となるように縫製されており、筒状体36にお
いても、表生地31と裏生地32との表面は略平坦な状態となっており、表生地31との
接結により弾性横糸32bが伸張できないように規制されている(図12(工程22)の
状態)。
次に工程23では、縫製された筒状体36をテンションを掛けずに熱処理を施す。例え
ば、100℃以下(80℃〜100℃)で約30分程度、タンブラー乾燥機でテンション
を掛けずに加熱処理を施す(テンションフリーの熱処理工程)。この熱処理工程を経るこ
とにより、弾性横糸32bが熱収縮し、筒状体36が、縫製後の状態(図12(工程22
)の状態)から0.6〜0.4倍程度の大きさ(幅)にまで十分に収縮されて、外側表面
に連続した襞状のうねり部34が形成されるようになっている(図12(工程23)の状
態)。熱処理して得られた伸縮性枕カバー1Bは、縫製後の筒状体36の幅まで大きく伸
張させることができるようになっている。
上記実施の形態(3)に係る伸縮性枕カバー1Bによれば、非弾性の縦糸31a及び横
糸31bからなる表生地31と、非弾性縦糸32a及び弾性横糸32bからなる裏生地3
2とが所定間隔で接結された2重織物生地33を製織する工程(工程21)と、2重織物
生地33を筒形状となるように縫製する工程(工程22)と、縫製された筒状体36をテ
ンションを掛けずに熱処理する工程(工程23)とを含む処理が施されているので、弾性
横糸32bが熱処理により大きく収縮するという特性を利用し、生地に織り込まれた弾性
横糸32bの熱収縮により縫製後の筒状体36を大きく収縮させることができ、熱処理し
て得られた伸縮性枕カバー1Bに優れた伸縮特性を簡単に付与することができ、伸縮性を
有する筒状織物を効率良く製造することができる。また、伸縮性枕カバー1Bの表生地3
1側にうねり部34が形成されているので、生地の構造を嵩高くすることができ、通気性
に優れたものとすることができ、肌ざわりがソフトで弾力感のある優れた伸縮特性を有す
る生地を実現することができる。また弾性横糸32bの織り込み密度を調整することによ
り、筒状体の伸縮特性を調整することが可能となる。
また、伸縮性枕カバー1Bが、枕に装着可能な大きさ、すなわち、生地を伸ばした状態
で使用される大きさに形成されているので、枕をしっかりとフィットした状態でカバーす
ることができる。また大きな伸縮性を有しているので、様々なサイズや形状の枕にも対応
することができ、使用している枕に合わない枕カバーを誤って購入してしまうこともなく
なり、また、異なるサイズの枕を購入した場合でも、別途新しい枕カバーを購入せずに対
応するができる。
なお、上記実施の形態(3)では、伸縮性枕カバー1Bが筒状に縫製されている場合に
ついて説明したが、別の実施の形態では、筒状の片側を縫製して封筒状にしてもよく、こ
の場合は、枕が隠れるように長さを調整する。
また、上記実施の形態(1)〜(3)では、生地を製織後、筒状に縫製して熱処理する
ことで伸縮性筒状織物が作成される場合について説明したが、別の実施の形態では、生地
を製織後、熱処理して、収縮された伸縮性生地を作成し、その後該伸縮性生地を首巻や枕
カバーなどに適したサイズに縫製することにより上記実施の形態(1)〜(3)と略同様
な各種の伸縮性筒状織物を作成することができる。
また、上記実施の形態(1)〜(3)では、弾性糸13、22a、弾性横糸32bとし
て、それぞれポリウレタン弾性糸を含んで構成されているものを適用した場合について説
明したが、熱処理により収縮する他の弾性糸を適用することもできる。なお、ポリウレタ
ン弾性糸のようなストレッチ性能を備えた糸が好ましい。
本考案の実施の形態(1)に係る伸縮性首巻を模式的に示した図であり、(a)は全体斜視図、(b)は(a)におけるB−B線部分断面図である。 実施の形態(1)に係る伸縮性首巻の製造工程の要部を示したフローチャートである。 実施の形態(1)に係る伸縮性首巻の各製造工程における生地の状態変化を模式的に示した図である。 別の実施の形態に係る伸縮性首巻の組織断面図である。 実施の形態(2)に係る伸縮性首巻を模式的に示した図であり、(a)は全体斜視図、(b)は(a)におけるB−B線部分断面図である。 実施の形態(2)に係る伸縮性首巻の平面図(織物組織図)である。 実施の形態(2)に係る伸縮性首巻の製造工程の要部を示したフローチャートである。 実施の形態(2)に係る伸縮性首巻の各製造工程における生地の状態変化を模式的に示した図である。 別の実施の形態に係る伸縮性首巻を模式的に示した斜視図である。 実施の形態(3)に係る伸縮性枕カバーを模式的に示した図であり、(a)は全体斜視図、(b)は(a)におけるB−B線部分断面図である。 実施の形態(3)に係る伸縮性枕カバーの製造工程の要部を示したフローチャートである。 実施の形態(3)に係る伸縮性枕カバーの各製造工程における生地の状態変化を模式的に示した図である。
符号の説明
1、1A 伸縮性首巻
11 表生地
12 裏生地
13 弾性糸
14 2重織物生地
15 うねり部
17 筒状体

Claims (11)

  1. 所定の織物組織からなる複数の織物生地が熱処理により収縮する弾性糸によって所定間
    隔で接結された多重織物生地を製織する工程と、
    該多重織物生地をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、
    前記弾性糸の熱収縮に応じて前記多重織物生地が収縮され、該多重織物生地の表裏面に
    襞状のうねり部が形成されていることを特徴とする伸縮性生地。
  2. 第1の非弾性糸を第1の織り方向に用い、熱処理により収縮する弾性糸と第2の非弾性
    糸とを第2の織り方向に用いて、前記第2の非弾性糸を連続して浮かせた織物生地を製織
    する工程と、
    該織物生地をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、
    前記弾性糸の熱収縮に応じて前記織物生地が収縮され、該織物生地の表裏面に前記第2
    の非弾性糸による浮部が形成されていることを特徴とする伸縮性生地。
  3. 所定の織物組織からなる第1の織物生地と、非弾性糸を第1の織り方向に用い、熱処理
    により収縮する弾性糸を第2の織り方向に用いた第2の織物生地とが所定間隔で接結され
    た2重織物生地を製織する工程と、
    該2重織物生地をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、
    前記弾性糸の熱収縮に応じて前記2重織物生地が収縮され、前記第1の織物生地側に襞
    状のうねり部が形成されていることを特徴とする伸縮性生地。
  4. 前記弾性糸が、ポリウレタン弾性糸を含んで構成されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかの項に記載の伸縮性生地。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の伸縮性生地を用いて所定サイズの筒形状となるよ
    うに縫製されていることを特徴とする伸縮性筒状織物。
  6. 所定の織物組織からなる複数の織物生地が熱処理により収縮する弾性糸によって接結さ
    れた多重織物生地を製織する工程と、
    該多重織物生地を筒形状となるように縫製する工程と、
    該縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、
    前記弾性糸の熱収縮に応じて前記筒状体が収縮され、該筒状体の表裏面に襞状のうねり
    部が形成されていることを特徴とする伸縮性筒状織物。
  7. 第1の非弾性糸を第1の織り方向に用い、熱処理により収縮する弾性糸と第2の非弾性
    糸とを第2の織り方向に用いて、前記第2の非弾性糸を連続して浮かせた織物生地を製織
    する工程と、
    該織物生地を筒形状となるように縫製する工程と、
    該縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、
    前記弾性糸の熱収縮により前記筒状体が収縮され、該筒状体の表裏面に前記第2の非弾
    性糸による浮部が形成されていることを特徴とする伸縮性筒状織物。
  8. 所定の織物組織からなる第1の織物生地と、非弾性糸を第1の織り方向に用い、熱処理
    により収縮する弾性糸を第2の織り方向に用いた第2の織物生地とが所定間隔で接結され
    た2重織物生地を製織する工程と、
    該2重織物生地を筒形状となるように縫製する工程と、
    該縫製された筒状体をテンションを掛けずに熱処理する工程とを含む処理が施され、
    前記弾性糸の熱収縮により前記筒状体が収縮され、前記第1の織物生地側に襞状のうね
    り部が形成されていることを特徴とする伸縮性筒状織物。
  9. 前記弾性糸が、ポリウレタン弾性糸を含んで構成されていることを特徴とする請求項6
    〜8のいずれかの項に記載の伸縮性筒状織物。
  10. 前記伸縮性筒状織物が、身体の所定部位に装着可能な大きさに形成されていることを特
    徴とする請求項5〜9のいずれかの項に記載の伸縮性筒状織物。
  11. 前記伸縮性筒状織物が、枕などの被カバー体に装着可能な大きさに形成されていること
    を特徴とする請求項5〜9のいずれかの項に記載の伸縮性筒状織物。
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