JP3104213B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JP3104213B2
JP3104213B2 JP03057660A JP5766091A JP3104213B2 JP 3104213 B2 JP3104213 B2 JP 3104213B2 JP 03057660 A JP03057660 A JP 03057660A JP 5766091 A JP5766091 A JP 5766091A JP 3104213 B2 JP3104213 B2 JP 3104213B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
polymer particles
rubber
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03057660A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04275354A (ja
Inventor
順二 神品
政明 馬渡
明 神谷
澄 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=13062056&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3104213(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP03057660A priority Critical patent/JP3104213B2/ja
Publication of JPH04275354A publication Critical patent/JPH04275354A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3104213B2 publication Critical patent/JP3104213B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋中空ポリマー粒子を
含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに詳しく
は、特定の架橋中空ポリマー粒子を含有してなる軽量か
つ衝撃強度に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム強化スチレン樹脂は、耐衝撃性、成
形化工性に優れ、かつ各種の性能バランスに優れること
から各種の成形品の成形材料として広く使用されてい
る。最近、注目されている1つに軽量化がある。
【0003】例えば、これらの成形品を多用する自動車
において、自動車の性能、燃費の向上のために自動車の
軽量化が大きな技術課題としてクローズアップされてき
ている。また、その他の用途においても、運搬のしやす
さ、性能の向上などから軽量化が注目されている。
【0004】従来の成形品軽量化の方法として、下記の
方法が挙げられる。 (1)成形品の肉厚を薄くし、ぜい肉をとる方法 (2)発泡剤含有成形材料を用いることにより成形品内
部を発泡させる方法 (3)微細な中空ガラス球含有成形材料を用いて、成形
品に中空ガラス球を含有させる方法。
【0005】方法(1)は最も手軽に実施できる方法で
あり、すでに実施されているが、既にこの方法により達
成可能な限度に達している。
【0006】方法(2)および(3)は軽量化に最も有
効な方法であるが、発泡させることおよび中空ガラス球
を混入することで、成形品の衝撃強度を著しく低下させ
るという新たな問題を生じるため、衝撃強度を必要とす
る成形品の軽量化方法として全く実施できない。すなわ
ち、従来の技術により、ゴム強化スチレン系樹脂の軽量
化を計ろうとすると、樹脂の衝撃強度を著しく低下させ
るという大きな課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
の架橋中空ポリマー粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物
を提供することににある。
【0008】本発明の他の目的は、軽量ですなわち嵩比
重が小さく且つ衝撃強度の優れた熱可塑性樹脂組成物を
提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的および利点は以下
の説明から明らかとなろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、 (A)シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エ
ステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の極性モ
ノマーを共重合したゴム強化スチレン系樹脂30〜99
重量部、および
【0011】(B)前記ゴム強化スチレン系樹脂(A)
に共重合された極性モノマーと同一のの極性モノマーが
少なくとも1種共重合された架橋中空ポリマー粒子1〜
70重量部、但し(A)成分と(B)成分の合計は10
0重量部である、を含有することを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物によって達成される。以下、本発明につい
て、詳細に述べる。
【0012】本発明の架橋中空ポリマー粒子(B)は表
面樹脂層すなわち最外層がシアン化ビニル化合物及び/
又は(メタ)アクリル酸エステルからなる極性モノマー
が共重合された重合体であることが好ましい。
【0013】本発明の架橋中空ポリマー粒子(B)(以
下単に粒子(B)ということもある)は単一重合体のみ
から成ってもよいし、異なる2種以上の重合体が層をな
していてもよい。
【0014】粒子(B)は種々の方法により製造され
る。好ましい方法としては、例えば (イ)架橋ポリマー粒子をシードとして、相溶性の異な
るモノマーを重合、架橋し、更にその上にシアン化ビニ
ル化合物及び/又(メタ)アクリル酸エステルを含有す
るモノマーを重合した重合体層を形成する方法。
【0015】(ロ)架橋ポリマー粒子をシードとして、
シアン化ビニル化合物及び/又は(メタ)アクリル酸エ
ステルを含有するモノマーを重合、架橋する二段階架橋
方法が挙げられる。上記の方法の内好ましいのは(イ)
の方法である。 上記(イ)の方法をその具体的態様についてその一例を
挙げさらに説明する。
【0016】架橋モノマー(a)1〜50重量%、不飽
和カルボン酸1〜40重量%および/またはその他の親
水性モノマー5〜99重量%からなる親水性モノマー
(b)1〜99重量%、および前記架橋性モノマーある
いは親水性モノマーと共重合が可能なその他の重合性モ
ノマー(c)0〜85重量%よりなる重合性モノマー成
分100重量部を、重合性モノマー成分のポリマーとは
異なる組成の異種ポリマー1〜100重量部の存在下に
おいて水中に分散し、次いで前記重合性モノマー成分を
重合させることで先ず架橋中空ポリマー粒子を得る。次
にこの架橋中空ポリマー粒子100重量部の存在下にシ
アン化ビニル化合物及び/又はアクリル酸エステルから
なる極性モノマーと芳香族ビニル化合物1〜500重量
部を重合することにより、最外層がシアン化ビニル化合
物及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる極性
モノマーが共重合したスチレン系樹脂からなる架橋中空
ポリマー粒子を製造することができる。
【0017】前記、架橋モノマー(モノマー(a))と
しては、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコール
ジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、アリルメタクリレートなどのジビニル系モノマーあ
るいはトリビニル系モノマーを例示することができる。
特にジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレー
トが好ましい。
【0018】前記不飽和カルボン酸などの親水性モノマ
ー(モノマー(b))としては、例えばビニルピリジ
ン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、アク
リロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フ
マル酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、酢酸ビニル、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの
ビニル系モノマーを例示することができる。このうちメ
タクリル酸、イタコン酸、アクリル酸が好ましい。
【0019】前記その他の重合性モノマー(モノマー
(c))としては、ラジカル重合性を有するものであれ
ば特に制限されず、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳
香族ビニル単量体、プロピオン酸ビニルなどのビニルエ
ステル類、エチルメタクリレート、ブチルアクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリル
アクリレート、ラウリルメタクリレートなどのエチレン
性不飽和カルボン酸アルキルエステル、フェニルマレイ
ミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド化合
物、ブタジエン、トソプレンなどの共役ジオレフィンな
どを例示することができる。これらのうち特にスチレン
が好ましい。
【0020】異種ポリマーは、少なくとも上記重合性モ
ノマー(a)〜(c)が重合されて得られるポリマーと
は異なる種類あるいは組成のポリマーであることおよび
重合性モノマーに溶解しやすいものであることが肝要で
ある。
【0021】このような異種ポリマーとしては、具体的
にはポリスチレン、カルボキシ変性ポリスチレン、カル
ボキシ変性スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン
−ブタジエンコポリマー、スチレンアクリルエステルコ
ポリマー、スチレンメタクリルエステルコポリマー、ア
クリルエステルコポリマー、メタクリルエステルコポリ
マー、カルボキシ変性スチレンアクリルエステルコポリ
マー、カルボキシ変性スチレンメタクリルエステルコポ
リマー、カルボキシ変性アクリルエステルコポリマー、
カルボキシ変性メタクリルエステルコポリマーなどが例
示される。これらのうち、特にポリスチレンまたはスチ
レン成分を50重量%以上含むスチレンコポリマーが好
ましい。
【0022】本発明で用いられるシアン化ビニル化合物
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙
げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例え
ばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート等が挙げられる。芳香族ビニル化合物とし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、ブロム化スチレン等が挙げられる。好まし
い単量体は、アクリロニトリル、メチルメタクリレー
ト、スチレンである。
【0023】本発明で、粒子(B)を形成する最外層重
合体の好ましい組成割合は芳香族ビニル化合物が1〜9
5重量%、シアン化ビニル化合物及び/又は(メタ)ア
クリル酸エステルからなる極性モノマーが5〜99重量
%であり、かつシアン化ビニル化合物は50重量%以
下、(メタ)アクリル酸エステルは99重量%以下であ
る。この組成割合にある重合体が最外層であると本発明
の目的とする組成物として一段と優れた熱可塑性樹脂組
成物が得られる。
【0024】本発明における架橋中空ポリマー粒子
(B)とは、架橋中空ポリマー粒子(B)が配合される
ゴム強化スチレン系樹脂(A)の溶融温度で粒子の形態
を保つ程度に三次元的に架橋したものをいう。
【0025】本発明における架橋中空ポリマー粒子
(B)の平均外径は、好ましくは5μ以下、さらに好ま
しくは1μ以下、特に好ましくは0.1〜1μである。
この範囲の粒子を用いると、衝撃強度が一段と優れた本
発明の組成物を与えるので好ましい。
【0026】本発明における架橋中空ポリマー粒子の内
径は、軽量化と衝撃強度のバランスを考慮すると内径が
外径の0.2〜0.9倍の範囲にあるのが好ましい。
【0027】本発明におけるゴム強化スチレン系樹脂
(A)としては、例えば、ゴム状重合体に、芳香族ビニ
ル化合物並びにシアン化ビニル化合物及び/又は、(メ
タ)アクリル酸エステルからなる単量体成分の少なくと
も1種をグラフト重合したグラフト共重合体、あるい
は、該グラフト共重合体と上記単量体成分の共重合体か
らなるものが好ましい。
【0028】かかるゴム強化スチレン系樹脂(A)の好
ましい組成は、ゴム状重合体が5〜50重量%でありそ
して単量体成分が50〜95重量%からなるものであっ
て、単量体成分中の芳香族ビニル化合物が1〜95重量
%であり、シアン化ビニル化合物及び/又は(メタ)ア
クリル酸エステルからなる極性モノマーの少なくとも1
種が5〜99重量%であり、かつシアン化ビニル化合物
は、50重量%以下、(メタ)アクリル酸エステルは、
99重量%以下である。この範囲であると本発明の目的
とする組成物として、一段と優れた熱可塑性樹脂組成物
が得られる。
【0029】ゴム状重合体としては、例えばポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体等からなるジエン系ゴム、該ジエン系ゴムの
水素添加物、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム等のオレフィン
系ゴム、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム等が挙げられ
る。
【0030】シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル
酸エステル及び芳香族ビニル化合物としては共に示した
通りのものが好ましいものである。
【0031】本発明のゴム強化スチレン系樹脂(A)と
架橋中空ポリマー粒子(B)との組成割合は、ゴム強化
スチレン系樹脂(A)が30〜99重量部であり、好ま
しくは50〜95重量部であり、さらに好ましくは60
〜95重量部に対して、架橋中空ポリマー粒子(B)は
1〜70重量部であり、好ましくは5〜50重量部であ
り、さらに好ましくは5〜40重量部である。但し、
(A)成分と(B)成分の合計を100重量部とする。ゴ
ム強化スチレン系樹脂(A)が30重量部未満(架橋中
空ポリマー粒子(B)が70重量部を超える)の場合に
は、得られる組成物の耐衝撃性、成形加工性などが低下
するので好ましくない。またゴム強化スチレン系樹脂
(A)が99重量部を超える(架橋中空ポリマー粒子
(B)が重量部未満)場合には、目的とする軽量化が
できない。
【0032】本発明においては、上記の如く、架橋中空
ポリマー粒子(B)を用いることが重要であり、架橋中
空ポリマー粒子(B)を用いることで、本発明の目的が
達成できる。
【0033】本発明の組成物においては、さらに上記架
橋中空ポリマー粒子(B)を形成する、好ましくは最外
層を形成する重合体に共重合される極性モノマーの少な
くとも1種と、上記ゴム強化スチレン系樹脂(A)に共
重合した極性モノマーの少なくとも1種とが同じ化合物
であることが重要である。
【0034】このように、極性モノマーの少なくとも1
成分が同じであることにより、優れた耐衝撃性を持つ組
成物が得られる。
【0035】かかる極性モノマーの組み合わせの幾つか
の具体例を示せば下記表1に示したとおりである。
【0036】
【表1】
【0037】本発明の組成物は、ゴム強化スチレン系樹
脂(A)と粒子(B)とを、例えば樹脂(A)の粉体あ
るいはペレットと粒子(B)とを直接混合する方法、あ
るいは乳化重合法で得た樹脂(A)のラテックスと粒子
(B)のラテックスをブレンドし、そのあと共凝固、ポ
リマー成分の回収、乾燥などの各工程により製造するこ
とができる。このラテックスブレンドによる方法は、ゴ
ム強化スチレン系樹脂(A)として、乳化重合法により
得られる重合体を用いる場合に有利に採用される。
【0038】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、既知の熱
可塑性樹脂、例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル系樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレーンスル
フィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンポリア
ミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルスルホン
樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂;既知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−ter
t-ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシ
クロヘキシル)4,6−ジメチルフェノール、2,2’−
メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3
−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネー
ト、トリス(ジ−ノニルフェニル)−ホスファイト、ワ
ックス;既知の紫外線吸収剤、例えばp−tert−ブチル
フェニルサリシレート、2,2−ジヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノヘン、2−(2’−ヒドロキシ−
4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾチアゾール;既
知の滑剤、例えばシリコーンオイルパラフィンワック
ス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレン
ビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケトン
ワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、
ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド;既知の難燃
剤、例えば酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、硼酸
亜鉛、トリクレジルホスフェート、塩素化パラフィン、
テトラブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブ
ロモビスフェノールA;既知の帯電防止剤、例えばステ
アロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチルア
ンモニウムニトレート;既知の着色剤、例えば酸化チタ
ン、カーボンブラック、その他の無機あるいは有機顔
料;既知の充填剤、例えば炭酸カルシウム、クレー、シ
リカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維などを必要
に応じて含有することができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。なお、実施例中、部および%は特に
断らない限り、重量部および重量%を示す。
【0040】また、実施例で使用した架橋中空ポリマー
粒子およびゴム強化スチレン系樹脂の製造を先ず記載す
る。
【0041】(1)架橋中空ポリマー粒子〈架橋中空ポ
リマー粒子A−1〉スチレン70部、ブタジエン27
部、イタコン酸3部、およびt−ドデシルメルカプタン
12部に、水200部にラウリル硫酸ナトリウム0.5
部および過硫酸カリウム1.0部を溶かした水溶液を攪
拌しながら添加しさらに70℃で8時間重合してポリマ
ー粒子を得た。このポリマー粒子は、平均粒子径0.2
4μm、トルエン不溶解分6%、GPCによる数平均分
子量5,000、重量平均分子量と数平均分子量との比
Mw/Mn=2.6であった。
【0042】次に、このポリマー粒子を種ポリマー粒子
として固形分で10部、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル0.1部、ラウリル硫酸ナトリウム0.4部
および過硫酸カリウム0.5部を水900部に分散し
た。これにメチルメタクリレート20部、ジビニルベン
ゼン60部、α−メチルスチレン20部およびトルエン
20部の混合物を加えて70℃で5時間重合したとこ
ろ、重合収率98%でトルエンを粒子内部に含むカプセ
ル粒子の分散液が得られた。
【0043】この分散液に対してスチームストリップ処
理を行った後、ポリマー粒子を透過型電子顕微鏡で観察
したしたところ、このポリマー粒子は中央部が透けてお
り、完全な球形の架橋中空ポリマー粒子であることがわ
かった。
【0044】この粒子の外径は0.34μm、内径は0.
22μm、Tgは150℃以上、比重は0.76であっ
た。
【0045】更に上記の架橋中空ポリマー粒子100部
をシードポリマとして、これにスチレン75部およびア
クリロニトリル25部を重合して、最外層がスチレン−
アクリロニトリル共重合体からなる架橋中空ポリマー粒
子A−1を得た。この粒子の外径は0.41μm、内径
は0.21μm、比重は0.92であった。
【0046】〈架橋中空ポリマー粒子A−2〉上記粒子
A−1のアクリロニトリル25部に変えて、メチルメタ
クリレート30部とスチレン90部を用い、その他はA
−1と同様の方法で、最外層がスチレン−メチルメタク
リレート共重合体からなる架橋中空ポリマー粒子A−2
を得た。この粒子の外径は、0.42μm、内径は0.2
1μm、比重は0.93であった。
【0047】〈架橋中空ポリマー粒子A−3〉上記粒子
A−1のスチレン75部、アクリロニトリル25部に変
えてスチレン190部を用い他はA−1と同様の方法
で、最外層がポリスチレンからなる架橋中空ポリマー粒
子A−3を得た。
【0048】この粒子の外径は0.46μm、内径は0.
21μm、比重は0.93であった。
【0049】(2)ゴム強化スチレン系樹脂 T1:ポリブタジエンゴム含有量が20%、スチレン単
量体単位としての含有量が60%、アクリロニトリル単
量体単位としての含有量が20%であり、かつグラフト
率が35%のABS樹脂、
【0050】T2:スチレン−ブタジエンブロック共重
合体の水添加物の含有量が27%、スチレンの含有量が
11%、アクリロニトリルの含有量が4%、メチルメタ
クリレートの含有量が58%であり、かつグラフト率が
40%のゴム強化スチレン系樹脂、
【0051】T3:エチレンープロピレンゴムの含有量
が22%、スチレンの含有量が55%、アクリロニトリ
ルの含有量が23%であり、かつグラフト率が50%の
AES樹脂、
【0052】実施例1〜4 下記表2に示したゴム強化スチレン系樹脂のペレットと
表2に示した架橋中空ポリマー粒子粉末を、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合した。そのあと、押出機に供給
し、溶融混合し、シートを押出成形した。
【0053】このシートからアイゾット衝撃強度測定用
テストピースを切り出し、ASTMD−256に準じて
アイゾット衝撃強度を測定した。結果を表2に示した。
【0054】比較例1〜5 表2に示したゴム強化スチレン系樹脂と表2に示した架
橋中空ポリマー粒子を用い、他は実施例1と同様の方法
でテストピースを作製した。
【0055】
【表2】
【0056】比較例1〜5で示す様に、ゴム強化スチレ
ン系樹脂の極性モノマー成分と架橋中空ポリマー粒子の
最外層の極性モノマー成分が異なる場合は、実施例1〜
4に比べて衝撃強度が低いことが表2からわかる。
【0057】従って本発明の組成物による軽量化は、軽
量化と衝撃強度のバランスが高水準で達成できるもので
ある。
【0058】
【発明の効果】架橋中空ポリマー粒子をゴム強化スチレ
ン系樹脂に配合することで、軽量化を可能とする。
【0059】さらに架橋中空ポリマー粒子の最外層に該
ゴム強化スチレン系樹脂に含まれる共通の極性モノマー
を導入することで、衝撃強度の優れた熱可塑性樹脂組成
物を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠井 澄 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/00 - 51/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シアン化ビニル化合物及び(メ
    タ)アクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なく
    とも1種の極性モノマーを共重合したゴム強化スチレン
    系樹脂30〜99重量部、および (B)前記ゴム強化スチレン系樹脂(A)に共重合され
    る極性モノマーと同一の極性モノマーが少なくとも1種
    共重合された架橋中空ポリマー粒子1〜70重量部、但
    し(A)成分と(B)成分の合計は100重量部であ
    る、 を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
JP03057660A 1991-03-01 1991-03-01 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3104213B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03057660A JP3104213B2 (ja) 1991-03-01 1991-03-01 熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03057660A JP3104213B2 (ja) 1991-03-01 1991-03-01 熱可塑性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04275354A JPH04275354A (ja) 1992-09-30
JP3104213B2 true JP3104213B2 (ja) 2000-10-30

Family

ID=13062056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03057660A Expired - Fee Related JP3104213B2 (ja) 1991-03-01 1991-03-01 熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3104213B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3923539B2 (ja) 1997-04-24 2007-06-06 株式会社カネカ 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物
TW576852B (en) 1999-10-25 2004-02-21 Kaneka Corp Impact modifier for vinyl chloride resin

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04275354A (ja) 1992-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2794032B2 (ja) スチレン系樹脂用のコアーシェル型耐衝撃性改良剤
US7683131B2 (en) Molding material containing a matting agent
US4605699A (en) Thermoplastic molding compositions containing polycarbonate and an acrylate graft copolymer
US5162423A (en) Thermoplastic molding materials having good low-temperature impact strength
JP2021521311A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
CA1318424C (en) Heat resistant copolymer composition
US4631307A (en) Heat-resistant high impact styrene resin, process for production thereof, and resin composition comprising said styrene resin
JP3104213B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
BR112016020681B1 (pt) composição de resina termoplástica e artigo moldado em resina
JP3537954B2 (ja) ゴム強化スチレン系樹脂の製法
JP2000290462A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3933277B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH02272050A (ja) 透明性の熱可塑性樹脂組成物
JPS6173755A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
US5625001A (en) Toughened polar thermoplastics
JP2890766B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
KR100779481B1 (ko) 광택도가 낮고 내충격성이 우수한 열가소성 수지 조성물
JP2796595B2 (ja) 多層構造重合体および樹脂組成物
JP3340631B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
CN111918921A (zh) 热塑性树脂组合物
JP3392179B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2000313783A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、その摺動性改質剤ないし改良方法および改質剤の製造方法
JPH09263680A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH10218951A (ja) 架橋樹脂粒子の製法およびそれからえられた架橋樹脂粒子、ならびにそれを含有してなる熱可塑性樹脂組成物
JP2005060655A (ja) 摺動性改質剤およびその製造方法、熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000731

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees