JP3104105B2 - 直流成分除去回路 - Google Patents

直流成分除去回路

Info

Publication number
JP3104105B2
JP3104105B2 JP04156807A JP15680792A JP3104105B2 JP 3104105 B2 JP3104105 B2 JP 3104105B2 JP 04156807 A JP04156807 A JP 04156807A JP 15680792 A JP15680792 A JP 15680792A JP 3104105 B2 JP3104105 B2 JP 3104105B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
output
signal
analog
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04156807A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH066231A (ja
Inventor
文孝 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP04156807A priority Critical patent/JP3104105B2/ja
Publication of JPH066231A publication Critical patent/JPH066231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3104105B2 publication Critical patent/JP3104105B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばΣΔ変調方式の
A−Dコンバータに対してサーボをかけるDC(直流)
サーボ等に適用して好適な直流成分除去回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、入力アナログ信号をΣΔ変調方式
のA−Dコンバータでディジタルデータに変換すること
は様々な機器で行われている。
【0003】このA−Dコンバータは、入力アナログ信
号に直流のオフセットがなかった場合においても、温度
変化等、A−DコンバータのIC内の特性で出力に直流
成分が含まれるという特性を持っている。
【0004】出力に直流成分が含まれると、例えば磁気
メディアにデータを記録する場合等においては問題とな
る。即ち、A−Dコンバータの出力に直流成分が含まれ
ていると、このデータをアナログ高周波信号に変調した
場合に、変調で得たアナログ高周波信号のアイパターン
がくずれる。そして、アイパターンのくずれた高周波信
号を記録した場合は、再生時に記録した高周波信号の読
み取り精度が悪化するからである。
【0005】例えば、コンパクトディスクにおいては、
直流オフセットは60dB以内とされ、A−Dコンバー
タによってディジタルデータに変換した信号中に直流成
分がない場合にピットがランダムとなるような変調フォ
ーマットとなっている。従って、もし、直流成分(直流
オフセット)が60dBを越えていると、ピットの並び
にかたよりが生じ、これによって読み取り精度が悪化
し、エラーが発生する。
【0006】このようなディジタルデータ中の直流成分
について図を参照して説明する。図はいわゆる2’
sCOM形式のディジタルデータの例を示す説明図であ
る。この図においては、ディジタルデータをMSB
(Most Significant Bit:最上位
のビット)、2SB及びLSB(Least Sign
ificant Bit:最下位のビット)とし、±0
を中心にプラス側及びマイナス側のデータを示してい
る。この図に示すように、中心が”000”及び”11
1”の場合は、MSBは常にプラス側において”0”と
なり、マイナス側において”1”となる。
【0007】この図に示す説明図において、もし、中
心(A−Dコンバータにおける中点でオール0とオール
1が同じ確率で出てくる)が”000”及び”111”
の場合は、この”000”及び”111”を中心にプラ
ス側もマイナス側も”0”及び”1”が均等にデータが
出力される。
【0008】即ち、A−Dコンバータの真の中点電圧
(直流オフセットが“0”になるポイント)は、MSB
においては“0”から“1”へ遷移する点にあたり、
“0”になる確率と“1”になる確率が50パーセント
ずつという状態になる。
【0009】実際にA−Dコンバータに中点電圧を印加
したときにMSBを観察すると、残留ノイズ等の微小信
号によって中点が振られ、例えば図Bに示す如きサン
プル点の場合に、MSBは図Aに示すように、”0”
と”1”とが時間軸方向に略同じ確率で出力されるもの
となる。
【0010】従って、中点電圧印加時にMSBをアナロ
グ積分すると“0.5”に相当する電圧が得られるわけ
であるが、僅かでもプラスかマイナスに中点電圧がずれ
る、即ち、直流オフセットが発生すると、MSBが
“0”か“1”に固定されるので、無限大の直流ゲイン
を有するアナログ積分値がプラスかマイナスに発散して
しまうことになる。
【0011】従って、この図7に示す例において、も
し、直流成分(直流オフセット)があり、そのときの中
心が“011”及び“010”だった場合は、“01
1”及び“010”が出てこないので、この場合におい
ては“0”が出てくる回数が減り、これによって出力が
“0”または“1”にかたよってしまい、読み取り精度
が悪くなってしまう。
【0012】そこで従来では、例えば図9に示す如く、
A−Dコンバータ3に対していわゆる直流成分除去回路
で直流成分を除去するようにしている。
【0013】即ち、図9に示すように、アナログ入力端
子に印加された入力アナログ信号をA−Dコンバータ3
でディジタルデータに変換し、変換したディジタルデー
タをMSB、2SB、3SB、・・・・LSBとして出
力し、この出力を図示しない次段の信号処理回路でデー
タに対するディジタル信号処理を行うと共に、MSB出
力をインバータ4で反転し、その反転出力を抵抗器5を
介してコンデンサ7及び演算増幅回路6で構成される積
分回路8に供給し、この積分回路8でMSB出力を積分
して得た積分出力を加算回路2に供給し、この加算回路
2において入力端子1からのアナログ入力信号及び積分
回路8からの積分出力を加算し、この加算出力を原サー
ボ信号としてA−Dコンバータ3に負帰還して直流成分
を除去するようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、図9
に示した直流成分除去回路においては、MSBの性質、
即ち、ほんの僅かでもプラスかマイナスに中点がずれる
と“0”か“1”に固定され、これによって無限大の直
流ゲインを有するアナログ積分値がプラスかマイナスに
発散するという性質を利用して、A−Dコンバータ3の
ノーマルサンプリング出力データのMSBを取り出して
アナログ積分し、得られた電圧をA−Dコンバータ入力
に負帰還して、MSBの平均値が“0.5”相当に保持
されるようにするMSBサーボ方式が採用されている。
【0015】この方式は、中点を出すためにMSBの平
均値が“0.5”相当になるように、サーボ電圧により
常にMSBを振っているわけである。しかしながら、M
SBは符号しか表していないので、MSBの平均値が
“0.5”相当になっていれば、帰還電圧の振幅は積分
回路8には関係ないこととなる。
【0016】これについて図10を参照して説明する。
【0017】この図10においては、サーボ帰還電圧と
MSBの時間変化の関係を、縦軸を対中点電圧誤差、横
軸を時間及びサンプル点とした2つのグラフで示したも
のである。また、このグラフにおいては、実線P2で示
す本来の帰還電圧と、例えば積分回路8のばらつき等に
よる時定数の違いにより本来の振幅とならない一点鎖線
P3で示す如き帰還電圧を示している。
【0018】この図10に示すように、MSBの時間変
化を破線P1で示しているが、40サンプル中20サン
プルが“1”、残り20サンプルが“0”で、MSBの
平均値は“0.5”となっている。
【0019】このとき、実線P2で示す帰還電圧はゼロ
クロスしか通ってないので、ゼロクロス±1/2LSB
以内の振幅のノイズとみなされ、A−Dコンバータ3の
最低分解能を越えていないので、無信号時のS/Nは劣
化しない。
【0020】これに対して、一点鎖線P3で示す帰還電
圧はゼロクロス±2LSBの振幅を持っているので、明
かにA−Dコンバータ3の分解能を越えているので、無
信号時のS/Nは劣化する。
【0021】実際には、±0.5LSBであればA−D
変換されないが、±0.5LSBを越えるとA−D変換
されてしまい、これを積分回路8が積分し、積分して得
たデータを逆相加算するようにしているので、ノイズと
なり、更に、サーボ系の回路構成や周囲条件によってサ
ーボ帰還電圧の振幅増加によって、このノイズが増加し
たり、トーン(特定音域の発振音)、歪が増加するとい
った不具合を引き起こす。
【0022】従って、MSBサーボ方式ではサーボゲイ
ンを適切に設定して帰還電圧の振幅を抑えなければなら
ないが、特にオーディオ用のA−Dコンバータのように
16〜20ビットの分解能が要求されるものにおいて
は、数ボルト程度の入力信号に対してサーボ帰還電圧振
幅の設定目標である±1/2LSBに相当する電圧はマ
イクロボルトオーダーとなる。
【0023】この図10の例において、例えば16ビッ
トの量子化、フルスケール6.5Vとすると、1LSB
は1/65000であるから、100μVとなる。即
ち、ばらつきによって100μVの変動が起こることに
なる。
【0024】即ち、図9に示すような方式においては、
ゲイン設定や調整が非常に難しく、ノイズ、トーン、歪
等の発生を引き起こす不都合があった。
【0025】また、低周波のアナログ信号が入力された
場合、長い時間MSBが固定されるので、直流電圧が入
力された状態に近くなり、サーボ帰還電圧振幅が無信号
時に比べて大きくなり、ノイズの増加や振動状態を起こ
し易くなる。
【0026】これについて図11を参照して説明する。
図11はアナログ入力振幅に対するMSBの関係を、縦
軸を振幅、横軸を時間及びサンプル点として示したグラ
フである。また、この図11においては、破線P4をM
SBの時間変化とし、一点鎖線P5及び実線P6を夫々
アナログ入力としている。
【0027】この図11に示すように、MSBの動きは
入力(実線P6や一点鎖線P5で示す)のゼロクロス周
期のみに影響され、入力の振幅に全く依存しないので、
サーボ帰還電圧も入力の振幅に関係なく同じ帰還電圧が
発生、即ち、直流電圧の大小にかかわらず、直流オフセ
ットに対してリニアでなくなる。
【0028】従って、サーボ帰還電圧が入力アナログ信
号に加算されると、入力の振幅が小さければ小さい程、
サーボ帰還電圧の影響を大きく受けることとなる。
【0029】即ち、入力信号の周期が非常に大きく(例
えば1KHz)なると、MSBが“0”または“1”の
状態が続き、これによって入力に直流成分がないのにも
かかわらず、入力に直流成分があることとして帰還電圧
を出力してしまい、これによってノイズや歪を発生させ
てしまうという不都合があった。
【0030】そして、振幅の異なる入力に対してもMS
Bが一定となるので、入力の直流成分がいくつであろう
と直流成分による帰還がかからず、これによってサーボ
がノンリニアな特性となる不都合があった。
【0031】また、図9に示したA−Dコンバータ3を
近年使用されてきているオーバーサンプリングΣΔ変調
方式のA−Dコンバータとした場合に以下に説明するよ
うな大きな問題が生じる。これについて図12を参照し
て説明する。
【0032】図12Aに示す回路(オーディオ回路)
は、入力端子10からの入力アナログ信号Iaをオーバ
ーサンプリングΣΔ変調方式のA−Dコンバータ11で
A−D変換して1〜数ビットのビットストリーム信号B
sを得、このビットストリーム信号BsをFIR(フィ
ニット・インパルス・レスポンス)ディジタルデシメー
ションフィルタ12でオーディオ帯域にしていわゆるノ
ーマルサンプリング出力Nsを得、このノーマルサンプ
リング出力Nsを出力端子13を介して図示しない他の
信号処理回路に出力する。
【0033】このような回路において、例えば図12B
に示すように、入力端子10を介して供給されたアナロ
グインパルスAiをΣΔ変調A−Dコンバータ11にお
いてA−D変換すると、変換で得たビットストリームイ
ンパルスデータBiはアナログインパルスAiに対して
dl1だけ遅延したものとなる。
【0034】そしてこのビットストリームインパルスデ
ータBiをFIRデシメーションフィルタ12で処理す
ると、この処理によって得たノーマルサンプリングイン
パルスデータNiは元のアナログインパルスAiに対し
てdl2だけ遅延(例えば1msec前後)したものと
なる。
【0035】図13にディレイ有無による直流オフセッ
トに対するMSB、サーボ電圧の変化を縦軸を振幅、横
軸を時間及びサンプル点(図13E)とした波形図で示
す。
【0036】ノーマルサンプリングのディレイがないA
−Dコンバータにおいては、図13Aに実線P7で示す
直流オフセットが発生した場合、MSBは図13Bに実
線P8で示す如き波形となり、これを積分して得たサー
ボ信号は図13Cに実線P9で示す波形となり、従って
直流オフセットとサーボ信号を加算したものは図13D
に実線P10で示す波形となる。
【0037】一方、オーバーサンプリングΣΔ変調方式
のA−Dコンバータにおいては、FIRディジタルフィ
ルタによるディレイがあるので、図13Aに実線P7で
示す直流オフセットが発生した場合、MSBは図13B
に破線Pd1で示す如き遅延した波形となり、これを積
分して得たサーボ信号は図13Cに破線Pd2で示す波
形となり、従って直流オフセットとサーボ信号を加算し
たものは図13Dに破線Pd3で示す波形となる。
【0038】従って、図Dに示すように、ノーマルサン
プリングのディレイのないA−Dコンバータによる直流
オフセット及びサーボ信号の加算波形(実線P10)の
振幅と、オーバーサンプリングΣΔ変調方式のA−Dコ
ンバータによる直流オフセット及びサーボ信号の加算波
形(破線pd3)の振幅は、プラス方向及びマイナス方
向において、夫々最大でx1及びx2の差を生じること
となる。
【0039】即ち、オーバーサンプリングΣΔ変調方式
のA−Dコンバータを用いた場合、直流オフセットの正
負の変化にサーボ帰還電圧が即座に応答しないので、直
流オフセットの収束が遅れたり、逆に直流オフセットを
発生させたりしてしまい、これによって正確なサーボを
かけられず発振するという不都合があった。
【0040】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、このような多くの問題点を一掃することのできる直
流成分除去回路を提案しようとするものである。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明直流成分除去回路
は例えば図1〜図6に示す如く、オーバーサンプリング
・シグマ・デルタ変調アナログ−ディジタル変換におけ
る出力ディジタル信号の直流成分を除去する直流成分除
去回路において、シグマ−デルタ変調後のディジタル出
力を積分する積分手段R2、C1と、この積分手段R
2、C1からの出力をオーバーサンプリング・シグマ・
デルタ変調アナログ−ディジタル変換前のアナログ信号
と逆相加算して直流成分を抽出する直流成分抽出手段R
1、R2、R4、C2、21と、この直流成分抽出手段
R1、R2、R4、C2、21からの出力をアナログ信
号に加算する加算手段R5、R6とを有するものであ
る。
【0042】また本発明直流成分除去回路は例えば図1
〜図6に示す如く、オーバーサンプリング・シグマ・デ
ルタ変調アナログ−ディジタル変換における出力ディジ
タル信号の直流成分を除去する直流成分除去回路におい
て、入力されるアナログ信号に含まれる直流成分を予め
除去する直流成分除去手段C3と、シグマ−デルタ変調
後のディジタル出力を積分する積分手段R2、C1と、
この積分手段R2、C1からの出力をオーバーサンプリ
ング・シグマ・デルタ変調アナログ−ディジタル変換前
のアナログ信号と逆相加算して直流成分を抽出する直流
成分抽出手段R1、R2、R4、C2、21と、この直
流成分抽出手段R1、R2、R4、C2、21からの出
力をアナログ信号に加算する加算手段R5、R6とを有
するものである。
【0043】また本発明直流成分除去回路は例えば図1
〜図6に示す如く、オーバーサンプリング・シグマ・デ
ルタ変調アナログ−ディジタル変換における出力ディジ
タル信号の直流成分を除去する直流成分除去回路におい
て、ノイズシェーピングによるノイズを除去するノイズ
除去手段C1と、シグマ−デルタ変調後のディジタル出
力を積分する積分手段R2、C1と、この積分手段R
2、C1からの出力をオーバーサンプリング・シグマ・
デルタ変調アナログ−ディジタル変換前のアナログ信号
と逆相加算して直流成分を抽出する直流成分抽出手段R
1、R2、R4、C2、21と、この直流成分抽出手段
R1、R2、R4、C2、21からの出力をアナログ信
号に加算する加算手段R5、R6とを有するものであ
る。
【0044】
【作用】本発明の構成によると、シグマ−デルタ変調後
のディジタル出力を積分手段R2、C1で積分して得た
出力を直流成分抽出手段R1、R2、R4、C2、21
でオーバーサンプリング・シグマ・デルタ変調アナログ
−ディジタル変換前のアナログ信号と逆相加算して直流
成分を抽出し、この出力を加算手段R5、R6でアナロ
グ信号に加算する。
【0045】また本発明の構成によると、入力されるア
ナログ信号に含まれる直流成分を直流成分除去手段C3
で予め除去すると共に、シグマ−デルタ変調後のディジ
タル出力を積分手段R2、C1で積分し、この積分出力
を直流成分抽出手段R1、R2、R4、C2、21でオ
ーバーサンプリング・シグマ・デルタ変調アナログ−デ
ィジタル変換前のアナログ信号と逆相加算し、この出力
を加算手段R5、R6で予め直流成分を除去したアナロ
グ信号に加算する。
【0046】また本発明の構成によると、ノイズ除去手
段C1でノイズシェーピングによるノイズを除去すると
共に、シグマ−デルタ変調後のディジタル出力を積分手
段R2、C1で積分し、この積分出力を直流成分抽出手
段R1、R2、R4、C2、21でオーバーサンプリン
グ・シグマ・デルタ変調アナログ−ディジタル変換前の
アナログ信号と逆相加算して直流成分を抽出し、この出
力を加算手段R5、R6でアナログ信号に加算する。
【0047】
【実施例】以下に、図1〜図3を参照して本発明直流成
分除去回路の一実施例について詳細に説明する。
【0048】図1は本発明直流成分除去回路の第1実施
例を示す。
【0049】この図1において図9と対応する部分には
同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
【0050】この図1において、11はオーバーサンプ
リングΣΔ変調方式のA−Dコンバータで、このA−D
コンバータ11の入力端に抵抗器R6を介してアナログ
入力信号が供給される入力端子20を接続すると共に、
このA−Dコンバータ11の入力端を抵抗器R5を介し
て演算増幅回路21の出力端に接続する。
【0051】このA−Dコンバータ11の出力端イン
バータ4及び抵抗器R2、R3を夫々介して演算増幅回
路21の反転入力端子(−)に接続し、このA−Dコン
バータ11の力端をディジタルフィルタ22(例えば
FIRディジタルデシメーションフィルタ等)の入力端
に接続る。
【0052】このディジタルフィルタ22の出力端を図
示しない外部回路が接続される出力端子23に接続す
る。
【0053】また、上述した入力端子20を抵抗器R1
及びコンデンサC1を介して接地すると共に、抵抗器R
1及びR2の一端を接続する。この接続点を図において
は加算点smとする。また、演算増幅回路21の反転入
力端子(−)及び出力端間をコンデンサC2及び抵抗器
R4の並列回路(ローパスフィルタ兼ゲイン調整を行う
回路)で接続する。
【0054】この図1に示すA−Dコンバータ11とデ
ィジタルフィルタ22でオーバーサンプリングΣΔ変調
方式A−Dコンバータを構成する。
【0055】さて、図1において、インバータ4からは
ΣΔ変調A−Dコンバータ11によって得られたビット
ストリーム信号が出力されるが、このビットストリーム
信号を抵抗器R2及びコンデンサC1で構成するアナロ
グ復調器で復調している。
【0056】図4に示すように、このアナログ復調器
は、ビットストリーム信号が1ビットの場合は、入力端
子24を介して入力されるビットストリーム信号を抵抗
器R2で重み付けし、コンデンサC1でサンプルするこ
とによってビットストリーム信号を復調するものであ
る。
【0057】また、ビットストリーム信号が数ビットの
場合は、図5に示すように、入力端子24a、24b、
24c、24dに夫々R、2R、4R、8Rに重み付け
された抵抗器R2a、R2b、R2c、R2dの一端を
夫々接続し、これら抵抗器R2a、R2b、R2c、R
2dの他端を夫々コンデンサC1を介して接地した構成
とする。ここで抵抗器R2aの抵抗値をrとすると、抵
抗器R2bの抵抗値は2r、抵抗器R2cの抵抗値は4
r、抵抗器R2dの抵抗値は8rとなる。
【0058】この場合、入力端子24aにはMSB、入
力端子24bには2SB、入力端子24cには3SB、
入力端子24dにはLSBに対応するビットストリーム
信号が供給され、これらビットストリーム信号がこれら
抵抗器R2a〜R2d並びにコンデンサC1によって復
調され、その復調出力を出力端子30から出力される。
【0059】次に、図1に示した回路(例えば直流サー
ボ回路)の動作を説明する。尚、以下の説明において信
号の記号及びこれら信号の記号の演算は電流表示とす
る。
【0060】先ず、入力端子20からの入力アナログ信
号Iac+Idciは抵抗器R6を介してΣΔ変調A−
Dコンバータ11に供給されてA−D変換される。ここ
でIacは本来の入力アナログ信号、Idciはこの本
来のアナログ信号に含まれる直流オフセットである。従
って、以降入力アナログ信号は本来の信号に直流オフセ
ットが加算されたものとしてIac+Idciとして記
述する。これと共に、入力端子20からの入力アナログ
信号Iac+Idciは抵抗器R1を介して加算点sm
に供給される。
【0061】一方、Σ△変調A−Dコンバータ11から
ットストリーム信号はディジタルフィルタ22を通
じて出力端子23に供給され、この出力端子23を介し
て図示しない他の信号処理回路(オーディオ機器におい
てはオーディオ信号処理回路となる)に供給される。そ
して更にビットストリーム信号はインバータ4で位相反
転され、抵抗器R2を介して加算点smに供給される。
【0062】ここでこの相反転ビットストリーム信号
は、入力端子20に供給された入力アナログ信号Iac
+Idciと、Σ△変調A−Dコンバータ11でA−D
変換した結果得られる直流オフセットIdcxとΣ△変
調A−Dコンバータ11のノイズシェーピング処理で発
生した高周波ノイズの内、抵抗器R1、R2及びコンデ
ンサC1で構成されるローパスフィルタで除去しきれな
かった高周波ノイズIns(但しIns=Ins2+i
ns)とを加算して反転したもの、即ち、−(Iac+
Idci+Idcx+Ins)となる。
【0063】従って、加算点smにおいては、Iac+
Idci−(Iac+Idci+Idcx+Ins)の
演算が行われることとなり、この結果−(Idcx+I
ns)となる。しかしながら、この結果−(Idcx+
Ins)の内、ノイズシェーピングによる高周波ノイズ
Insの内、ノイズinsだけがコンデンサC1によっ
てカットされるので、抵抗器R3を介して演算増幅回路
21の反転入力端子(−)に供給される信号は、−(I
dcx+Ins2)となる。
【0064】そしてこの信号−(Idcx+Ins2)
の高周波ノイズIns2は、抵抗器R4及びコンデンサ
C2で構成されるローパスフィルタによってカットさ
れ、従ってこの演算増幅回路21からはサーボ原信号V
s(但し、Vs=R4/R3×Idcx)、即ち、ΣΔ
変調A−Dコンバータ11によって発生する直流オフセ
ット分が出力され、この直流オフセット分、即ち、サー
ボ原信号が抵抗器R5及びR6によって入力端子20か
らの入力アナログ信号Iac+Idciに加算され、こ
の加算出力がΣΔ変調A−Dコンバータ11に供給され
ることとなる。
【0065】この図1に示す回路によって取り出された
直流オフセット成分に含まれるノイズシェーピングによ
る高周波ノイズは、オーバーサンプリングのサンプリン
グ周波数の1/2の周波数(オーディオ用A−Dコンバ
ータにおいて32〜128倍のオーバーサンプリングで
あれば700KHz〜3MHz)を中心に分布すること
になるので、カットオフ周波数が十分低ければ(数Hz
以下)、1次〜2次のローパスフィルタで十分高周波ノ
イズを除去することができる。
【0066】図6にサーボ信号のローパスフィルタ特性
とノイズシェーピングの帯域外ノイズ特性を縦軸を振幅
(dB)、横軸を周波数(Hz)としたグラフで示す。
【0067】この図6に示すように、実線n1で示す帯
域のノイズを除去すれば良いので、破線n2で示す特性
の、例えばカットオフ周波数1Hzの1次ローパスフィ
ルタ及び破線n3で示す特性の、例えばカットオフ周波
数1Hzの2次ローパスフィルタを用いるだけで簡単に
実現することができる。
【0068】このように、この第1実施例においては、
シグマデルタ変調A−Dコンバータ11でA−D変換し
た後のビットストリーム信号と入力端子20からの入力
アナログ信号を抵抗器R2及びR1によって加算点sm
で加算すると共に、この加算出力中の高周波ノイズin
sをコンデンサC1で除去し、この高周波ノイズins
を除去して得た出力−(Idcx+Ins2)の高周波
ノイズIns2を抵抗器R4及びコンデンサC2で構成
するローパスフィルタで除去し、この高周波ノイズIn
s2を除去した出力、即ち、A−D変換による直流オフ
セット分Idcxを得、この直流オフセット分Idcx
に対して抵抗器R4で帰還電圧(サーボ原信号)Vsを
得、この帰還電圧Vsと入力端子20を介して供給され
る入力アナログ信号とを抵抗器R5及びR6で加算し、
再びΣ△変調A−Dコンバータ11に入力するようにし
たので、A−Dコンバータの特性のばらつきを要因とす
るノイズ、トーン(特定周波数帯における発振)、歪の
発生を防止でき、入力の周期が大きくなってデジタルフ
ィルタ出力のMSBが長い期間”1”または”0”とな
った場合でも、直流成分がない場合には帰還電圧を発生
しないようにでき、これによってノイズや歪の発生を防
止でき、またサーボ動作を直流成分に対してリニアな特
性とでき、更に、入力アナログ信号に対して32〜12
8倍のオーバーサンプリングのサンプリング周期で数サ
ンプルしか遅れのないΣ△A−Dコンバータ11を用い
ているので直流オフセットの正負の変化に対するサーボ
帰還電圧の応答を良好にでき、これによって直流オフセ
ットの収束速度を高速にでき、正確なサーボ動作を行う
ことができる。
【0069】また、更に、このような構成とすることに
よって交流成分を除去するので、残ったΣΔ変調による
高周波ノイズを除去する簡単なフィルタだけでノイズの
ない良好なサーボ帰還信号を得ることができ、また、入
力アナログ信号とビットストリーム信号との間のディレ
イが極めて少なく、高い周波数帯域まで交流成分の打ち
消し効果があり、上述と同様良好なサーボ帰還信号を得
られ、直流オフセットの収束を早めることができ、ま
た、発生した直流オフセットに比例したサーボ帰還信号
を得ることができるので、ゲイン設定が容易となり、ま
た、A−Dコンバータ単体の直流オフセットのみをキャ
ンセルすることも可能となる。
【0070】従って、図1に示した第1実施例の回路を
例えばコンパクトディスクの記録機器に適用した場合
は、ピットの配列をランダムにでき、これによってコン
パクトディスクの再生時のエラーレートを小さくするこ
とができる。
【0071】また、この第1実施例に示す回路は、入力
信号の直流成分(入力の時点で存在する直流成分及び処
理過程で発生する直流成分)を除去する回路であるの
で、その応用範囲は音声、映像、音声や映像以外の様々
な情報を記録したり再生したりするような機器等あらゆ
る機器や回路等に適用できるものである。
【0072】次に、図2を参照して本発明直流成分除去
回路の第2実施例について説明する。
【0073】この図2においては、図1で示した直流成
分除去回路の抵抗器R1の前、即ち、入力端子20及び
抵抗器R2間にコンデンサC3を配したものである。従
って、図1で示したインバータ4、ディジタルフィルタ
22及びΣΔ変調A−Dコンバータ11等の図示及びそ
の説明を省略し、またこれ以外の回路構成及び接続も図
1と同様なので図1と対応する部分には同一符号を付
し、その詳細説明を省略する。
【0074】次に、この図2に示す回路の動作を説明す
る。尚、以下の説明において信号の記号及びこれら信号
の記号の演算は電流表示とする。
【0075】先ず、入力端子20を介して供給される入
力アナログ信号Iac+Idci(入力時点で既に加算
されている直流分)の内直流分IdciをコンデンサC
3で除去して本来の入力アナログ信号Iacを得、これ
を抵抗器R1を介して加算点smに供給する。
【0076】一方、図1において説明したように、ΣΔ
変調A−Dコンバータ11でA−D変換し、インバータ
4で位相反転されて得られた信号−(Iac+Idci
+Idcx+Ins)は入力端子24及び抵抗器R2を
介して加算点smに供給される。
【0077】この図2の場合、コンデンサC3で入力時
点で既に加算されている直流分Idciは除去されてい
るので、加算点smでの加算の結果得られる出力は、−
(Iac+Idci+Idcx+Ins)+Iac、即
ち、−(Idcx+Idci+Ins2)となる。ここ
で、上述と同様に、ノイズシェーピング処理による高周
波ノイズInsはins+Ins2となり、この高周波
ノイズinsはコンデンサC1で除去される。
【0078】この出力−(Idcx+Idci+Ins
2)の内、高周波ノイズIns2はコンデンサC2及び
抵抗器R4で構成されるローパスフィルタによって除去
されるので、演算増幅回路21から入力端子25を介し
て図示しないA−Dコンバータに帰還される帰還電圧V
sは、R4/R3×(Idcx+Idci)となる。
【0079】この場合は、入力アナログ信号に既に加算
されている直流成分IdciをコンデンサC3で除去し
ているので、加算点smにおいて、この直流成分Idc
iが除去されず、これによって帰還電圧VsをΔΣ変調
A−DコンバータでA−D変換して生じる直流成分Id
cxのみならず、入力時点で存在する直流成分Idci
をも含めることができ、これによって、精度の高いサー
ボ動作を行うことができる。
【0080】この図2に示す回路によって取り出された
取り出された直流オフセット成分に含まれるノイズシェ
ーピングによる高周波ノイズは、オーバーサンプリング
のサンプリング周波数の1/2の周波数(オーディオ用
A−Dコンバータにおいて32〜128倍のオーバーサ
ンプリングであれば700KHz〜3MHz)を中心に
分布することになるので、カットオフ周波数が十分低け
れば(数Hz以下)、1次〜2次のローパスフィルタで
十分高周波ノイズを除去することができる。
【0081】図6にサーボ信号のローパスフィルタ特性
とノイズシェーピングの帯域外ノイズ特性を縦軸を振幅
(dB)、横軸を周波数(Hz)としたグラフで示す。
【0082】この図6に示すように、実線n1で示す帯
域のノイズを除去すれば良いので、破線n2で示す特性
の、例えばカットオフ周波数1Hzの1次ローパスフィ
ルタ及び破線n3で示す特性の、例えばカットオフ周波
数1Hzの2次ローパスフィルタを用いるだけで簡単に
実現することができる。
【0083】このように、この第2の実施例において
は、シグマデルタ変調A−Dコンバータ11でA−D変
換した後のビットストリーム信号と入力端子20からの
入力アナログ信号から入力時点で存在する直流分を除去
した信号を抵抗器R2及びR1によって加算点smで加
算すると共に、この加算出力中の高周波ノイズinsを
コンデンサC1で除去し、この高周波ノイズinsを除
去して得た出力−(Idcx+Idci+Ins2)の
高周波ノイズIns2を抵抗器R4及びコンデンサC2
で構成するローパスフィルタで除去し、この高周波ノイ
ズIns2を除去した出力、即ち、A−D変換による直
流オフセット分及び入力時点で存在する直流オフセット
分Idcx+Idciを得、この直流オフセット分Id
cx+Idciに対して抵抗器R4で帰還電圧(サーボ
原信号)Vsを得、この帰還電圧Vsと入力端子20を
介して供給される入力アナログ信号とを抵抗器R5及び
R6で加算し、再びΣ△変調A−Dコンバータ11に入
力するようにしたので、A−Dコンバータの特性のばら
つきを要因とするノイズ、トーン(特定周波数帯におけ
る発振)、歪の発生を防止でき、入力の周期が大きくな
ってデジタルフィルタ出力のMSBが長い期間”1”ま
たは”0”となった場合でも、直流成分がない場合には
帰還電圧を発生しないようにでき、これによってノイズ
や歪の発生を防止でき、またサーボ動作を直流成分に対
してリニアな特性とでき、更に、入力アナログ信号に対
して32〜128倍のオーバーサンプリングのサンプリ
ング周期で数サンプルしか遅れのないΣ△A−Dコンバ
ータ11を用いているので直流オフセットの正負の変化
に対するサーボ帰還電圧の応答を良好にでき、これによ
って直流オフセットの収束速度を高速にでき、正確、且
つ、精度の高いサーボ動作を行うことができる。
【0084】また、更に、このような構成とすることに
よって交流成分を除去するので、残ったΣΔ変調による
高周波ノイズを除去する簡単なフィルタだけでノイズの
ない良好なサーボ帰還信号を得ることができ、また、入
力アナログ信号とビットストリーム信号との間のディレ
イが極めて少なく、高い周波数帯域まで交流成分の打ち
消し効果があり、上述と同様良好なサーボ帰還信号を得
られ、直流オフセットの収束を早めることができ、ま
た、発生した直流オフセットに比例したサーボ帰還信号
を得ることができるので、ゲイン設定が容易となり、ま
た、A−Dコンバータ単体の直流オフセットのみをキャ
ンセルすることも可能となる。
【0085】次に、図3を参照して本発明直流成分除去
回路の第3実施例について説明する。
【0086】この図3に示す直流成分除去回路は、基本
的構成は図1や図2に示した直流成分除去回路と同じも
のではあるが、この回路においては、オフセット調整を
おこなってから高周波ノイズを除去しつつ、同時に直流
サーボの負帰還に必要な振幅への増幅をも行ってA−D
コンバータの入力アナログ信号に加算して直流サーボを
かけるようにしている。
【0087】この図3において、図1で示したインバー
タ4、ディジタルフィルタ22及びΣΔ変調A−Dコン
バータ11等の図示及びその説明を省略し、図1と対応
する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略す
る。
【0088】この図3においては、正の電源が供給され
る電源端子27及び負の電源が供給される電源端子29
間にボリウム28を配し、その出力端を図1及び図2に
おいて説明した抵抗器R1及びR3の接続点に接続し、
更に、演算増幅回路21の出力端を抵抗器R7を介して
増幅回路26の反転入力端子(−)に接続し、この増幅
回路26の反転入力端子(−)及び出力端間をコンデン
サC4及び抵抗器R8の並列回路で接続し、この演算増
幅回路26の非反転入力端子(+)を接地し、この増幅
回路26の出力端を出力端子25に接続する。尚、この
出力端子25は、図示せずも、図1で示した抵抗器R5
を介してΣΔ変調A−Dコンバータ11の入力端に接続
されるものとする。
【0089】次に、この図3に示す直流成分除去回路の
動作を説明する。尚、以下の説明において信号の記号及
びこれら信号の記号の演算は電流表示とする。
【0090】先ず、オフセット調整による電圧Idc
o、コンデンサC3によって入力アナログ信号の直流成
分が除去された信号をIaciとすると、図示しないA
−Dコンバータ11からインバータ4及び入力端子24
を介して供給されるビットストリーム信号は−(Iac
i+Idci+Idcx+Ins)となる。ここでId
ciは入力時点での直流オフセット、Idcxは図示し
ないA−Dコンバータ11でA−D変換したときに生じ
る直流オフセット、Insはノイズシェーピング処理で
発生した高周波ノイズである。
【0091】そしてIns=Ins2−insとする
と、加算点smでの信号Ioは−(Idci+Idcx
−Idco+Ins2)となり、また、加算点smの信
号Io+コンデンサC2で除去されるノイズ分Ic1+
抵抗器R4を流れる信号Ir1=0となる。
【0092】ここでノイズ分Ic1をIns2とする
と、抵抗器R4を流れる信号Ir1=(Idci+Id
cx−Idco)となり、ゆえに、演算増幅回路21の
出力V1はV1=R4/R3×(Idci+Idcx−
Idco)となる。
【0093】ここで、直流成分のみに注目すると、帰還
電圧VsはVs=−(R8/R7)×V1となる。
【0094】そしてa=(R8/R7)、V1=b×V
dc(直流分)とおくと、帰還電圧VsはVs=−(a
×b×Vdc)となる。
【0095】即ち、このVsを図1で示した抵抗器R5
及びR6で入力端子20からの入力アナログ信号に加算
して直流オフセットを打ち消す。
【0096】このように、この第3実施例においては、
オフセット調整を行ってから高周波ノイズを除去しつつ
同時に直流サーボの負帰還に必要な振幅への増幅を行っ
て入力アナログ信号に加算して直流サーボをかけるよう
にしたので、A−Dコンバータの特性のばらつきを要因
とするノイズ、トーン(特定周波数帯における発振)、
歪の発生を防止でき、入力の周期が大きくなってデジタ
ルフィルタ出力のMSBが長い期間”1”または”0”
となった場合でも、直流成分がない場合には帰還電圧を
発生しないようにでき、これによってノイズや歪の発生
を防止でき、またサーボ動作を直流成分に対してリニア
な特性とでき、更に、入力アナログ信号に対して32〜
128倍のオーバーサンプリングのサンプリング周期で
数サンプルしか遅れのないΣ△A−Dコンバータ11を
用いているので直流オフセットの正負の変化に対するサ
ーボ帰還電圧の応答を良好にでき、これによって直流オ
フセットの収束速度を高速にでき、正確、且つ、精度の
高いサーボ動作を行うことができる。
【0097】また、更に、このような構成とすることに
よって交流成分を除去するので、残ったΣΔ変調による
高周波ノイズを除去する簡単なフィルタだけでノイズの
ない良好なサーボ帰還信号を得ることができ、また、入
力アナログ信号とビットストリーム信号との間のディレ
イが極めて少なく、高い周波数帯域まで交流成分の打ち
消し効果があり、上述と同様良好なサーボ帰還信号を得
られ、直流オフセットの収束を早めることができ、ま
た、発生した直流オフセットに比例したサーボ帰還信号
を得ることができるので、ゲイン設定が容易となり、ま
た、A−Dコンバータ単体の直流オフセットのみをキャ
ンセルすることも可能となる。
【0098】尚、上述の実施例は本発明の一例であり、
本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取
り得ることは勿論である。
【0099】
【発明の効果】上述せる本発明によれば、シグマ−デル
タ変調後のディジタル出力を積分手段で積分して得た出
力を直流成分抽出手段でオーバーサンプリング・シグマ
・デルタ変調アナログ−ディジタル変換前のアナログ信
号と逆相加算して直流成分を抽出し、この出力を加算手
段でアナログ信号に加算するようにしたので、A−Dコ
ンバータの特性のばらつきを要因とするノイズ、トーン
(特定周波数帯における発振)、歪の発生を防止でき、
入力の周期が大きくなってデジタルフィルタ出力のMS
Bが長い期間”1”または”0”となった場合でも、直
流成分がない場合には帰還電圧を発生しないようにで
き、これによってノイズや歪の発生を防止でき、またサ
ーボ動作を直流成分に対してリニアな特性とでき、更
に、入力アナログ信号に対して32〜128倍のオーバ
ーサンプリングのサンプリング周期で数サンプルしか遅
れのないΣ△A−Dコンバータ11を用いているので直
流オフセットの正負の変化に対するサーボ帰還電圧の応
答を良好にでき、これによって直流オフセットの収束速
度を高速にでき、正確なサーボ動作を行うことができ
る。
【0100】また上述せる本発明によれば、入力される
アナログ信号に含まれる直流成分を直流成分除去手段で
予め除去すると共に、シグマ−デルタ変調後のディジタ
ル出力を積分手段で積分し、この積分出力を直流成分抽
出手段でオーバーサンプリング・シグマ・デルタ変調ア
ナログ−ディジタル変換前のアナログ信号と逆相加算
し、この出力を加算手段で予め直流成分を除去したアナ
ログ信号に加算するようにしたので、A−Dコンバータ
の特性のばらつきを要因とするノイズ、トーン(特定周
波数帯における発振)、歪の発生を防止でき、入力の周
期が大きくなってMSBが長い期間“1”または“0”
となった場合でも、直流成分がない場合には帰還電圧を
発生しないようにでき、これによってノイズや歪の発生
を防止でき、またサーボ動作を直流成分に対してリニア
な特性とでき、更に、入力アナログ信号に対して32〜
128倍のオーバーサンプリングのサンプリング周期で
数サンプルしか遅れのないΣΔA−Dコンバータ11を
用いているので直流オフセットの正負の変化に対するサ
ーボ帰還電圧の応答を良好にでき、これによって直流オ
フセットの収束速度を高速にでき、正確、且つ、精度の
高いサーボ動作を行うことができる。
【0101】また上述せる本発明によれば、ノイズ除去
手段でノイズシェーピングによるノイズを除去すると共
に、シグマ−デルタ変調後のディジタル出力を積分手段
で積分し、この積分出力を直流成分抽出手段でオーバー
サンプリング・シグマ・デルタ変調アナログ−ディジタ
ル変換前のアナログ信号と逆相加算して直流成分を抽出
し、この出力を加算手段でアナログ信号に加算するよう
にしたので、A−Dコンバータの特性のばらつきを要因
とするノイズ、トーン(特定周波数帯における発振)、
歪の発生を防止でき、入力の周期が大きくなってデジタ
ルフィルタ出力のMSBが長い期間”1”または”0”
となった場合でも、直流成分がない場合には帰還電圧を
発生しないようにでき、これによってノイズや歪の発生
を防止でき、またサーボ動作を直流成分に対してリニア
な特性とでき、更に、入力アナログ信号に対して32〜
128倍のオーバーサンプリングのサンプリング周期で
数サンプルしか遅れのないΣ△A−Dコンバータ11を
用いているので直流オフセットの正負の変化に対するサ
ーボ帰還電圧の応答を良好にでき、これによって直流オ
フセットの収束速度を高速にでき、正確、且つ、精度の
高いサーボ動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明直流成分除去回路の第1実施例を示す回
路図である。
【図2】本発明直流成分除去回路の第2実施例を示す回
路図である。
【図3】本発明直流成分除去回路の第3実施例を示す回
路図である。
【図4】本発明直流成分除去回路の説明に供する1ビッ
トアナログ復調回路を示す構成図である。
【図5】本発明直流成分除去回路の説明に供する4ビッ
トアナログ復調回路を示す構成図である。
【図6】本発明直流成分除去回路の説明に供するサーボ
信号のローパスフィルタ特性とノイズシェーピングの帯
域外ノイズ特性例を示すグラフである。
【図7】従来の直流成分除去回路の例の説明に供する
2’SCOM形式のディジタルデータを示す説明図であ
る。
【図8】従来の直流成分除去回路の例の説明に供する中
点電圧入力時のMSBの時間変化の例を示すタイミング
チャートである。
【図9】従来の直流成分除去回路の例を示す構成図であ
る。
【図10】従来の直流成分除去回路の例の説明に供する
サーボ帰還電圧とMSBの時間変化の関係を示すグラフ
である。
【図11】従来の直流成分除去回路の例の説明に供する
アナログ入力振幅に対するMSBの関係を示すグラフで
ある。
【図12】従来の直流成分除去回路の例の説明に供する
オーバーサンプリングΣΔ変調方式A−Dコンバータの
説明図である。
【図13】従来の直流成分除去回路の例の説明に供する
ディレイ有無によるDCオフセットに対するMSB、サ
ーボ電圧の変化を示す波形図である。
【符号の説明】
R1、R2、R4、R5、R6 抵抗器 C1、C2、C3 コンデンサ 21 演算増幅回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーバーサンプリング・シグマ・デルタ
    変調アナログ−ディジタル変換における出力ディジタル
    信号の直流成分を除去する直流成分除去回路において、 シグマ−デルタ変調後のディジタル出力を積分する積分
    手段と、 この積分手段からの出力をオーバーサンプリング・シグ
    マ・デルタ変調アナログ−ディジタル変換前のアナログ
    信号と逆相加算して直流成分を抽出する直流成分抽出手
    段と、 この直流成分抽出手段からの出力を上記アナログ信号に
    加算する加算手段とを有することを特徴とする直流成分
    除去回路。
  2. 【請求項2】 上記積分手段は抵抗器及びコンデンサか
    らなる1次ローパスフィルタであることを特徴とする請
    求項1記載の直流成分除去回路。
  3. 【請求項3】 オーバーサンプリング・シグマ・デルタ
    変調アナログ−ディジタル変換における出力ディジタル
    信号の直流成分を除去する直流成分除去回路において、 入力されるアナログ信号に含まれる直流成分を予め除去
    する直流成分除去手段と、 シグマ−デルタ変調後のディジタル出力を積分する積分
    手段と、 この積分手段からの出力をオーバーサンプリング・シグ
    マ・デルタ変調アナログ−ディジタル変換前のアナログ
    信号と逆相加算して直流成分を抽出する直流成分抽出手
    段と、 この直流成分抽出手段からの出力を上記アナログ信号に
    加算する加算手段とを有することを特徴とする直流成分
    除去回路。
  4. 【請求項4】 オーバーサンプリング・シグマ・デルタ
    変調アナログ−ディジタル変換における出力ディジタル
    信号の直流成分を除去する直流成分除去回路において、 ノイズシェーピングによるノイズを除去するノイズ除去
    手段と、 シグマ−デルタ変調後のディジタル出力を積分する積分
    手段と、 この積分手段からの出力をオーバーサンプリング・シグ
    マ・デルタ変調アナログ−ディジタル変換前のアナログ
    信号と逆相加算して直流成分を抽出する直流成分抽出手
    段と、 この直流成分抽出手段からの出力を上記アナログ信号に
    加算する加算手段とを有することを特徴とする直流成分
    除去回路。
  5. 【請求項5】 上記ノイズ除去手段はコンデンサである
    ことを特徴とする請求項4記載の直流成分除去回路。
JP04156807A 1992-06-16 1992-06-16 直流成分除去回路 Expired - Fee Related JP3104105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04156807A JP3104105B2 (ja) 1992-06-16 1992-06-16 直流成分除去回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04156807A JP3104105B2 (ja) 1992-06-16 1992-06-16 直流成分除去回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH066231A JPH066231A (ja) 1994-01-14
JP3104105B2 true JP3104105B2 (ja) 2000-10-30

Family

ID=15635758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04156807A Expired - Fee Related JP3104105B2 (ja) 1992-06-16 1992-06-16 直流成分除去回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3104105B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012227589A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Clarion Co Ltd デジタルスピーカーシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH066231A (ja) 1994-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4454109B2 (ja) パルス密度変調信号(pdm)のデジタル−アナログ変換処理におけるsn比改善の方法および装置
EP0383689B1 (en) Digital-to-analog converter
JP3327114B2 (ja) 信号処理装置、信号記録装置及び信号再生装置
EP0982865B1 (en) Digital/Analog converter
JPH0342911A (ja) D/aコンバータの入力データ処理装置
US5574453A (en) Digital audio recording apparatus
JP3465455B2 (ja) 信号伝送装置
JP3104105B2 (ja) 直流成分除去回路
JP2935374B2 (ja) 記録キャリアからの情報パターンを読取る装置
JP3327116B2 (ja) 信号処理装置、信号記録装置及び信号再生装置
US20020018012A1 (en) Method and apparatus for analog-to-digital converting signal modulated in frequency domain
JPH09153814A (ja) ディジタル信号処理装置及び記録装置
JP3388173B2 (ja) フィードバック回路
JP3857028B2 (ja) デジタル・アナログ変換回路及びそれを用いた再生装置
JP3307197B2 (ja) A/dコンバータ
EP0398638A2 (en) Digital-to-analog converter device
JPS60165831A (ja) Pcm方式再生装置
JP3441040B2 (ja) 1ビット信号のエラー検知方法および補完方法ならびに装置
JPH0481279B2 (ja)
JP3142728B2 (ja) 1ビットアナログ/デジタル変換器用信号入力回路
JP2601440B2 (ja) デジタルオーディオ録音再生装置
KR940003920Y1 (ko) 디지탈 음향 장치의 글리치(Glitch) 잡음 방지 장치
JPH09153812A (ja) 信号処理装置
JPH10334602A (ja) 光ディスク記録情報再生装置
JPH07123214B2 (ja) D/a変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080901

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090901

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees