JP3103183B2 - 通信用ハーメチックコート光ファイバ - Google Patents
通信用ハーメチックコート光ファイバInfo
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- JP3103183B2 JP3103183B2 JP04044670A JP4467092A JP3103183B2 JP 3103183 B2 JP3103183 B2 JP 3103183B2 JP 04044670 A JP04044670 A JP 04044670A JP 4467092 A JP4467092 A JP 4467092A JP 3103183 B2 JP3103183 B2 JP 3103183B2
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- Japan
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- optical fiber
- carbon
- communication
- coated optical
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- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に炭素を被覆して
なる通信用ハーメチックコート光ファイバに関する。
なる通信用ハーメチックコート光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】このような通信用ハーメチックコート光
ファイバにおいては、内部に水素が侵入することを防止
してその伝送損失を向上させるために、光ファイバ素線
表面に炭素が被覆されている。
ファイバにおいては、内部に水素が侵入することを防止
してその伝送損失を向上させるために、光ファイバ素線
表面に炭素が被覆されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、この種の光フ
ァイバでは内部に伝送される光信号の伝送損失を低減さ
せるために、炭素被覆の膜厚を厚くしてその耐水素特性
が良好になるように図っていた。
ァイバでは内部に伝送される光信号の伝送損失を低減さ
せるために、炭素被覆の膜厚を厚くしてその耐水素特性
が良好になるように図っていた。
【0004】しかしながら、本件発明者は、伝送損失を
低減させるために光ファイバ素線の表面に被覆させる炭
素の膜厚を厚くしたところ、その膜厚に比例して耐水素
特性が必ずしも良好にはならないことを見い出した。
低減させるために光ファイバ素線の表面に被覆させる炭
素の膜厚を厚くしたところ、その膜厚に比例して耐水素
特性が必ずしも良好にはならないことを見い出した。
【0005】そこで、本件発明者は、耐水素特性には膜
厚以外にも何等かの他の要因も大きく関与しているので
はないかと考えて研究をしたところ、炭素被覆の表面粗
さが耐水素特性に大きく関係しているという事実を発見
することができ、その事実に基づいてさらに鋭意研究を
重ねた結果、本発明において、上述のような従来の炭素
の膜厚増大による耐水素特性の向上を図るのではなくよ
り簡易に伝送損失を実用的見地から十分な程度にまで大
きく低減できる通信用ハーメチックコート光ファイバを
提供することができるに至ったのである。
厚以外にも何等かの他の要因も大きく関与しているので
はないかと考えて研究をしたところ、炭素被覆の表面粗
さが耐水素特性に大きく関係しているという事実を発見
することができ、その事実に基づいてさらに鋭意研究を
重ねた結果、本発明において、上述のような従来の炭素
の膜厚増大による耐水素特性の向上を図るのではなくよ
り簡易に伝送損失を実用的見地から十分な程度にまで大
きく低減できる通信用ハーメチックコート光ファイバを
提供することができるに至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に炭素を
被覆してなる通信用ハーメチックコート光ファイバであ
って、前記炭素を、300Å以上400Å以下の膜厚で
あって、かつ、0.8nm以上1nm以下の中心線平均
粗さに被覆してあることを特徴とし、これによって、上
記課題を解決している。
被覆してなる通信用ハーメチックコート光ファイバであ
って、前記炭素を、300Å以上400Å以下の膜厚で
あって、かつ、0.8nm以上1nm以下の中心線平均
粗さに被覆してあることを特徴とし、これによって、上
記課題を解決している。
【0007】
【作用】上記構成によれば、中心線平均粗さ、すなわち
表面粗さが1nm以下と小さいので、水素の侵入路にな
ると考えられる炭素間の接触面積が小さくなって水素の
侵入が抑制されて良好な耐水素特性が得られる。
表面粗さが1nm以下と小さいので、水素の侵入路にな
ると考えられる炭素間の接触面積が小さくなって水素の
侵入が抑制されて良好な耐水素特性が得られる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について、詳細に説明
する。
する。
【0009】本発明の通信用ハーメチックコート光ファ
イバは、ゲルマニウム等をドープした石英ガラスのコア
と、純石英ガラスのクラッド、または、ゲルマニウム等
をドープした石英ガラスのコアと、例えばフッ素F、ボ
ロンB、三フッ化ボロンBF3等をドープした石英ガラ
スのクラッドより成り、従来と同様に、例えば、次のよ
うにして製造される。すなわち、紡糸炉において、プリ
フォーム(母材)を加熱軟化し、その一端より線引きす
ることにより光ファイバ素線とし、CVD反応炉におい
て、メタンガスなどの炭化水素系の原料ガスを供給し、
これを加熱することによって光ファイバ素線の表面に炭
素被覆を形成し、さらに、炭素の表面に紫外線硬化樹脂
を塗布し、紫外線を照射して樹脂コートを形成する。
イバは、ゲルマニウム等をドープした石英ガラスのコア
と、純石英ガラスのクラッド、または、ゲルマニウム等
をドープした石英ガラスのコアと、例えばフッ素F、ボ
ロンB、三フッ化ボロンBF3等をドープした石英ガラ
スのクラッドより成り、従来と同様に、例えば、次のよ
うにして製造される。すなわち、紡糸炉において、プリ
フォーム(母材)を加熱軟化し、その一端より線引きす
ることにより光ファイバ素線とし、CVD反応炉におい
て、メタンガスなどの炭化水素系の原料ガスを供給し、
これを加熱することによって光ファイバ素線の表面に炭
素被覆を形成し、さらに、炭素の表面に紫外線硬化樹脂
を塗布し、紫外線を照射して樹脂コートを形成する。
【0010】かかるハーメチックコート光ファイバの特
性は、堆積した炭素の膜質に大きく依存するので、本件
発明者は、炭素の表面状態と諸特性との関係について、
以下のような検討を行い、炭素被覆の膜厚が300Å以
上400Å以下であって、かつ、炭素被覆の中心線平均
粗さが0.8nm以上1nm以下であることを特徴とす
る本発明を完成した。
性は、堆積した炭素の膜質に大きく依存するので、本件
発明者は、炭素の表面状態と諸特性との関係について、
以下のような検討を行い、炭素被覆の膜厚が300Å以
上400Å以下であって、かつ、炭素被覆の中心線平均
粗さが0.8nm以上1nm以下であることを特徴とす
る本発明を完成した。
【0011】すなわち、炭素堆積時の反応温度のみを製
造パラメータとして、上述の製造方法によって、表1に
示す8本のハーメチックコート光ファイバを試作し、そ
の評価を、炭素膜厚、中心線平均粗さ、強度および耐水
素特性の4項目について行った。この8本の試作の内、
試作No3,4が、本発明の実施例であり、他が比較例
となっている。
造パラメータとして、上述の製造方法によって、表1に
示す8本のハーメチックコート光ファイバを試作し、そ
の評価を、炭素膜厚、中心線平均粗さ、強度および耐水
素特性の4項目について行った。この8本の試作の内、
試作No3,4が、本発明の実施例であり、他が比較例
となっている。
【0012】炭素膜厚は、ハーメチックコート光ファイ
バの超薄切片を作成してTEM(透過型電子顕微鏡)を
用いて測定を行った。中心線平均粗さRaは、STM
(走査型トンネル顕微鏡)を用いて測定を行った。強度
は、スパン10m、歪速度5%/minで測定を行っ
た。また、耐水素特性は、ファイバ長さ1000m、水
素分圧3atm、300時間後の1.24μmの波長の
ロス増加量を測定した。
バの超薄切片を作成してTEM(透過型電子顕微鏡)を
用いて測定を行った。中心線平均粗さRaは、STM
(走査型トンネル顕微鏡)を用いて測定を行った。強度
は、スパン10m、歪速度5%/minで測定を行っ
た。また、耐水素特性は、ファイバ長さ1000m、水
素分圧3atm、300時間後の1.24μmの波長の
ロス増加量を測定した。
【0013】
【表1】
【0014】炭素堆積時の反応温度は、製造パラメータ
として重要であり、反応温度、炭素膜厚および中心線平
均粗さRaの関係は、表1に示されるように、反応温度
が高温となるに従って、膜厚が大きくなるとともに、中
心線平均粗さも粗くなることが判る。
として重要であり、反応温度、炭素膜厚および中心線平
均粗さRaの関係は、表1に示されるように、反応温度
が高温となるに従って、膜厚が大きくなるとともに、中
心線平均粗さも粗くなることが判る。
【0015】また、中心線平均粗さと耐水素特性との関
係を図1に、炭素膜厚と耐水素特性との関係を図2に示
す。
係を図1に、炭素膜厚と耐水素特性との関係を図2に示
す。
【0016】図1に示されるように、耐水素特性は、中
心線平均粗さに大きく依存し、中心線平均粗さが、2.
0nmから1nmまでは、粗さが小さい程、耐水素特性
が良好であることが判る。これは、粗さが小さい程、水
素の侵入路になると考えられる堆積炭素間の接触面積が
小さくなって水素の侵入が抑制されるためであると考え
られる。
心線平均粗さに大きく依存し、中心線平均粗さが、2.
0nmから1nmまでは、粗さが小さい程、耐水素特性
が良好であることが判る。これは、粗さが小さい程、水
素の侵入路になると考えられる堆積炭素間の接触面積が
小さくなって水素の侵入が抑制されるためであると考え
られる。
【0017】この図1では、中心線平均粗さが1nmよ
り小さい0.8nmよりもさらに小さくなるに従って、
耐水素特性が悪くなる傾向を示しているが、これは、図
2に示されるように、炭素の膜厚が、水素の侵入を防ぐ
のに必要な膜厚である300Å未満となっているからで
あると考えられ、また、この図2から膜厚が400Åを
越えると、耐水素特性が悪くなることが分かる。
り小さい0.8nmよりもさらに小さくなるに従って、
耐水素特性が悪くなる傾向を示しているが、これは、図
2に示されるように、炭素の膜厚が、水素の侵入を防ぐ
のに必要な膜厚である300Å未満となっているからで
あると考えられ、また、この図2から膜厚が400Åを
越えると、耐水素特性が悪くなることが分かる。
【0018】したがって、本発明のように、炭素被覆の
膜厚を300Å以上400Å以下とし、かつ、中心線平
均粗さを0.8nm以上1nm以下とすることにより、
図1,図2から明らかなように、良好な耐水素特性を得
ることが可能となる。
膜厚を300Å以上400Å以下とし、かつ、中心線平
均粗さを0.8nm以上1nm以下とすることにより、
図1,図2から明らかなように、良好な耐水素特性を得
ることが可能となる。
【0019】さらに、中心線平均粗さと強度との関係を
示す図3から明らかなように、中心線平均粗さは、引っ
張り強度には殆ど影響しないことが判り、本発明の通信
用ハーメチックコート光ファイバでは、機械的強度も従
来と同様の強度を維持できることになる。
示す図3から明らかなように、中心線平均粗さは、引っ
張り強度には殆ど影響しないことが判り、本発明の通信
用ハーメチックコート光ファイバでは、機械的強度も従
来と同様の強度を維持できることになる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明の通信用ハーメチッ
クコート光ファイバは、水素の侵入を防ぐに十分な30
0Å以上400Å以下の炭素被覆の膜厚を有し、中心線
平均粗さが0.8nm以上1nm以下と小さいので、水
素の侵入路になると考えられる炭素間の接触面積が小さ
くなって水素の侵入が抑制されて良好な耐水素特性が得
られることになる。
クコート光ファイバは、水素の侵入を防ぐに十分な30
0Å以上400Å以下の炭素被覆の膜厚を有し、中心線
平均粗さが0.8nm以上1nm以下と小さいので、水
素の侵入路になると考えられる炭素間の接触面積が小さ
くなって水素の侵入が抑制されて良好な耐水素特性が得
られることになる。
【図1】表面粗さと耐水素特性との関係を示す特性図で
ある。
ある。
【図2】炭素膜厚と耐水素特性との関係を示す特性図で
ある。
ある。
【図3】強度と耐水素特性との関係を示す特性図であ
る。
る。
Ra 中心線平均粗さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 開出 保 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電 線工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 田中 紘幸 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電 線工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 平3−39708(JP,A) 特開 平3−271137(JP,A) 特開 平4−271141(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 - 6/54 C03C 25/44
Claims (1)
- 【請求項1】 表面に炭素を被覆してなる通信用ハーメ
チックコート光ファイバであって、前記炭素を、300
Å以上400Å以下の膜厚であって、かつ、0.8nm
以上1nm以下の中心線平均粗さに被覆してあることを
特徴とする通信用ハーメチックコート光ファイバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04044670A JP3103183B2 (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 通信用ハーメチックコート光ファイバ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04044670A JP3103183B2 (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 通信用ハーメチックコート光ファイバ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05241054A JPH05241054A (ja) | 1993-09-21 |
JP3103183B2 true JP3103183B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=12697884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04044670A Expired - Fee Related JP3103183B2 (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 通信用ハーメチックコート光ファイバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103183B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9884014B2 (en) | 2004-10-12 | 2018-02-06 | Adare Pharmaceuticals, Inc. | Taste-masked pharmaceutical compositions |
-
1992
- 1992-03-02 JP JP04044670A patent/JP3103183B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05241054A (ja) | 1993-09-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |