JP3406034B2 - カーボンコート光ファイバ - Google Patents
カーボンコート光ファイバInfo
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- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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- G02B6/44—Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
- G02B6/4401—Optical cables
- G02B6/4429—Means specially adapted for strengthening or protecting the cables
- G02B6/44382—Means specially adapted for strengthening or protecting the cables the means comprising hydrogen absorbing materials
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C25/00—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
- C03C25/10—Coating
- C03C25/104—Coating to obtain optical fibres
- C03C25/106—Single coatings
- C03C25/1061—Inorganic coatings
- C03C25/1062—Carbon
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- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海底光ファイバケーブル
等に好適に用いられるカーボンコート光ファイバに関す
る。
等に好適に用いられるカーボンコート光ファイバに関す
る。
【0002】
【従来の技術】石英系光ファイバは、水素と接触すると
光ファイバ内に拡散した水素分子の分子振動に起因する
吸収損失が増大し、さらにドーパントとして含有されて
いるP2O5、GeO2、B2O3などが水素と反応しOH
基としてファイバガラス中に取り込まれるため、OH基
の吸収による伝送損失も増大してしまう問題があった。
また、石英系光ファイバに、外部環境中の塵、埃あるい
は異物等が衝突して表面に傷が生じると、僅かな応力が
もとで亀裂が発生して破断してしまうという問題もあっ
た。
光ファイバ内に拡散した水素分子の分子振動に起因する
吸収損失が増大し、さらにドーパントとして含有されて
いるP2O5、GeO2、B2O3などが水素と反応しOH
基としてファイバガラス中に取り込まれるため、OH基
の吸収による伝送損失も増大してしまう問題があった。
また、石英系光ファイバに、外部環境中の塵、埃あるい
は異物等が衝突して表面に傷が生じると、僅かな応力が
もとで亀裂が発生して破断してしまうという問題もあっ
た。
【0003】これらの問題を解決するため、最近化学気
相成長法(以下、CVD法と略記する)によって、CV
D反応炉内で光ファイバ裸線の外周上にカーボン膜を形
成し、カーボンコート光ファイバを作り、これによっ
て、光ファイバの耐水素特性および耐疲労特性を向上さ
せ得ることが発表されている。
相成長法(以下、CVD法と略記する)によって、CV
D反応炉内で光ファイバ裸線の外周上にカーボン膜を形
成し、カーボンコート光ファイバを作り、これによっ
て、光ファイバの耐水素特性および耐疲労特性を向上さ
せ得ることが発表されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カーボンコ
ート光ファイバを海底ケーブル等の様により厳しい環境
で用いる場合には、強度や伝送損失等の特性について長
期間信頼性の点から、より一層優れた耐水素特性および
耐疲労特性を有するカーボンコート光ファイバが強く望
まれている。しかしながら、カーボン膜とこれらの特性
との間の関係については未だ十分な解明がなされていな
いため、これらの特性に優れたカーボンコート光ファイ
バを得ることが困難であるという問題があった。
ート光ファイバを海底ケーブル等の様により厳しい環境
で用いる場合には、強度や伝送損失等の特性について長
期間信頼性の点から、より一層優れた耐水素特性および
耐疲労特性を有するカーボンコート光ファイバが強く望
まれている。しかしながら、カーボン膜とこれらの特性
との間の関係については未だ十分な解明がなされていな
いため、これらの特性に優れたカーボンコート光ファイ
バを得ることが困難であるという問題があった。
【0005】本発明はこのような事情からなされたもの
で、耐水素特性および耐疲労特性が優れたカーボンコー
ト光ファイバを提供することにある。
で、耐水素特性および耐疲労特性が優れたカーボンコー
ト光ファイバを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のカーボンコート
光ファイバは、その表面粗さが自乗平均あらさで1.2
〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカーボン膜
を有するものであり、さらに水素ロス増が0.1dB/
km以下で、n値が150〜300のものであり、海底
ケーブルに好適なものである。本発明者らは、耐水素性
と耐疲労特性に優れたカーボンコート光ファイバを得る
ためにカーボン膜とこれら特性との間の関係について検
討していく過程で、カーボンコート光ファイバの耐水素
性および耐疲労特性と、カーボン膜の表面粗さとの間に
は相関があり、特に表面粗さが自乗平均粗さで1.2〜
4nmであるカーボン膜を有するカーボンコート光ファ
イバは、例えば海底ケーブルのように厳しい特性を要求
される用途に対しても十分な耐水素性および耐疲労特性
を有していることを知見し、さらにその厚さを300〜
500Åとすることで、特に耐疲労特性が高められるこ
とを知り、本発明を完成した。本発明での水素ロス増お
よびn値の定義(測定方法)は、後述する。
光ファイバは、その表面粗さが自乗平均あらさで1.2
〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカーボン膜
を有するものであり、さらに水素ロス増が0.1dB/
km以下で、n値が150〜300のものであり、海底
ケーブルに好適なものである。本発明者らは、耐水素性
と耐疲労特性に優れたカーボンコート光ファイバを得る
ためにカーボン膜とこれら特性との間の関係について検
討していく過程で、カーボンコート光ファイバの耐水素
性および耐疲労特性と、カーボン膜の表面粗さとの間に
は相関があり、特に表面粗さが自乗平均粗さで1.2〜
4nmであるカーボン膜を有するカーボンコート光ファ
イバは、例えば海底ケーブルのように厳しい特性を要求
される用途に対しても十分な耐水素性および耐疲労特性
を有していることを知見し、さらにその厚さを300〜
500Åとすることで、特に耐疲労特性が高められるこ
とを知り、本発明を完成した。本発明での水素ロス増お
よびn値の定義(測定方法)は、後述する。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
カーボンコート光ファイバの表面粗さの範囲は以下の実
験によって求めた。まず、ゲルマニウムがドープされた
石英からなるコアと、純粋石英からなるクラッドとから
構成されている通常の1.55μmの分散シフト光ファ
イバを多数本用意した。ついで、これら光ファイバをそ
れぞれCVD反応炉に挿通し、光ファイバの外周上に同
厚のカーボン膜を形成してカーボンコート光ファイバを
作製した。ついで、作製したカーボンコート光ファイバ
のそれぞれのカーボン膜表面粗さをトンネル顕微鏡を用
いて測定し、この測定値から自乗平均粗さを算出した。
また、作製したカーボンコート光ファイバのそれぞれつ
いて耐水素特性および耐疲労特性を調べた。
カーボンコート光ファイバの表面粗さの範囲は以下の実
験によって求めた。まず、ゲルマニウムがドープされた
石英からなるコアと、純粋石英からなるクラッドとから
構成されている通常の1.55μmの分散シフト光ファ
イバを多数本用意した。ついで、これら光ファイバをそ
れぞれCVD反応炉に挿通し、光ファイバの外周上に同
厚のカーボン膜を形成してカーボンコート光ファイバを
作製した。ついで、作製したカーボンコート光ファイバ
のそれぞれのカーボン膜表面粗さをトンネル顕微鏡を用
いて測定し、この測定値から自乗平均粗さを算出した。
また、作製したカーボンコート光ファイバのそれぞれつ
いて耐水素特性および耐疲労特性を調べた。
【0008】耐水素特性は水素ロス試験法によって評価
した。この水素ロス試験法は、カーボンコート光ファイ
バを1000m束取りし、これを水素ロス測定用圧力容
器に入れ、両端末のファイバを口出し、上記圧力容器を
80℃に加熱し4時間保持した。次いで、1.24μm
の波長光源のOTDRを用いてカーボンコート光ファイ
バの初期ロスを測定した。初期ロス測定後、上記圧力容
器内に水素ガスを導入し、水素分圧1atmに保持し
た。そして、24時間後に再度OTDRを用いてカーボ
ンコート光ファイバに1.24μmの波長の光を伝送し
た時のロスを測定しロス増分を確認した。
した。この水素ロス試験法は、カーボンコート光ファイ
バを1000m束取りし、これを水素ロス測定用圧力容
器に入れ、両端末のファイバを口出し、上記圧力容器を
80℃に加熱し4時間保持した。次いで、1.24μm
の波長光源のOTDRを用いてカーボンコート光ファイ
バの初期ロスを測定した。初期ロス測定後、上記圧力容
器内に水素ガスを導入し、水素分圧1atmに保持し
た。そして、24時間後に再度OTDRを用いてカーボ
ンコート光ファイバに1.24μmの波長の光を伝送し
た時のロスを測定しロス増分を確認した。
【0009】耐疲労特性は耐疲労試験によって評価し
た。この耐疲労試験は、同種のカーボンコート光ファイ
バを10本ずつ用意し、スパン長300mm、歪み速度
300mm/分、50mm/分、10mm/分、5mm
/分における破断強度ワイブル分布より累積破断確率5
0%(F50)の破断強度を求めた。そして、F50破
断強度σと歪み速度から求めた応力加速度σ’の対数と
の関係をグラフ化し、このグラフの傾き(n+1)-1よ
りn値を算出した。なおσとσ’の関係は下記数式
(I)
た。この耐疲労試験は、同種のカーボンコート光ファイ
バを10本ずつ用意し、スパン長300mm、歪み速度
300mm/分、50mm/分、10mm/分、5mm
/分における破断強度ワイブル分布より累積破断確率5
0%(F50)の破断強度を求めた。そして、F50破
断強度σと歪み速度から求めた応力加速度σ’の対数と
の関係をグラフ化し、このグラフの傾き(n+1)-1よ
りn値を算出した。なおσとσ’の関係は下記数式
(I)
【0010】
logσ=(n+1)-1logσ’+(n+1)-1logkd ・・・(I)
【0011】で示される。
【0012】ついで、カーボン膜表面の自乗平均粗さと
水素ロス増との関係をグラフ化した。その結果を図1に
示す。図1中、曲線はカーボン膜表面の自乗平均粗さと
水素ロス増との関係を示したものである。
水素ロス増との関係をグラフ化した。その結果を図1に
示す。図1中、曲線はカーボン膜表面の自乗平均粗さと
水素ロス増との関係を示したものである。
【0013】海底ケーブルに用いられるカーボンコート
光ファイバでは、水素ロス増が0.1dB/km以下
で、かつn値が150以上であれば実用上十分であると
されている。この条件を満たすカーボンコート光ファイ
バは後述の表1の結果から表面粗さが自乗平均粗さで
1.2〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカー
ボン膜を有しているものであればよいことが分かった。
一方、表面粗さが自乗平均粗さで4nmを超えるカーボ
ン膜を有するカーボンコート光ファイバは、n値が良好
であるが、耐水素性が劣ることが分かった。これはカー
ボン膜の表面粗さが4nmを超えると、水の侵入は防止
できるが、水分子よりもさらに小さい水素分子の透過を
防止できないからであると考えられる。したがって、海
底ケーブル等の長期間信頼性が要求される用途に用いら
れるカーボンコート光ファイバとしては、表面粗さが自
乗平均粗さで1.2〜4nmで、厚さが300〜500
Åであるカーボン膜を有するものであれば、十分な耐水
素性および耐疲労特性を有することが分かる。よって、
本発明ではカーボン膜の表面粗さを自乗平均粗さで1.
2〜4nmとし。その厚さを300〜500Åと規定し
た。
光ファイバでは、水素ロス増が0.1dB/km以下
で、かつn値が150以上であれば実用上十分であると
されている。この条件を満たすカーボンコート光ファイ
バは後述の表1の結果から表面粗さが自乗平均粗さで
1.2〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカー
ボン膜を有しているものであればよいことが分かった。
一方、表面粗さが自乗平均粗さで4nmを超えるカーボ
ン膜を有するカーボンコート光ファイバは、n値が良好
であるが、耐水素性が劣ることが分かった。これはカー
ボン膜の表面粗さが4nmを超えると、水の侵入は防止
できるが、水分子よりもさらに小さい水素分子の透過を
防止できないからであると考えられる。したがって、海
底ケーブル等の長期間信頼性が要求される用途に用いら
れるカーボンコート光ファイバとしては、表面粗さが自
乗平均粗さで1.2〜4nmで、厚さが300〜500
Åであるカーボン膜を有するものであれば、十分な耐水
素性および耐疲労特性を有することが分かる。よって、
本発明ではカーボン膜の表面粗さを自乗平均粗さで1.
2〜4nmとし。その厚さを300〜500Åと規定し
た。
【0014】そして、これによりカーボンコート光ファ
イバの耐水素特性および耐疲労特性については、カーボ
ン膜の表面粗さによって評価できるため、上述したよう
な水素ロス試験法や耐疲労試験のような手間がかかる試
験を行わなくてもよくなる。
イバの耐水素特性および耐疲労特性については、カーボ
ン膜の表面粗さによって評価できるため、上述したよう
な水素ロス試験法や耐疲労試験のような手間がかかる試
験を行わなくてもよくなる。
【0015】よって、表面粗さが自乗平均粗さで1.2
〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカーボン膜
を有するカーボンコート光ファイバを海底ケーブル等の
長期間信頼性が要求される用途に用いれば、強度や伝送
損失等の信頼できる海底ケーブル等を提供できる。
〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカーボン膜
を有するカーボンコート光ファイバを海底ケーブル等の
長期間信頼性が要求される用途に用いれば、強度や伝送
損失等の信頼できる海底ケーブル等を提供できる。
【0016】
【実施例】図2は、本発明のカーボンコート光ファイバ
の一実施例を示した断面図である。図2中符号1は、光
ファイバである。この光ファイバ1は、コア2と、クラ
ッド3とから構成されている。そして、光ファイバ1の
クラッド3の外周上には最外層のカーボン膜4が形成さ
れている。
の一実施例を示した断面図である。図2中符号1は、光
ファイバである。この光ファイバ1は、コア2と、クラ
ッド3とから構成されている。そして、光ファイバ1の
クラッド3の外周上には最外層のカーボン膜4が形成さ
れている。
【0017】コア2は、屈折率を上げるためのドーパン
トが添加された石英からなるものである。屈折率を上げ
るためのドーパントとしては、ゲルマニウム、エルビウ
ム、チタニア、アルミナ、五酸化リン等が挙げられる。
クラッド3は、純粋石英からなるもので、上記コア2の
外周上に形成されている。
トが添加された石英からなるものである。屈折率を上げ
るためのドーパントとしては、ゲルマニウム、エルビウ
ム、チタニア、アルミナ、五酸化リン等が挙げられる。
クラッド3は、純粋石英からなるもので、上記コア2の
外周上に形成されている。
【0018】上記コア2、クラッド3は、VAD法、M
CVD法、OVD法などの公知技術によって製造した光
ファイバ母材を紡糸炉に設置し、この光ファイバ母材を
溶融紡糸することによって形成することができる。
CVD法、OVD法などの公知技術によって製造した光
ファイバ母材を紡糸炉に設置し、この光ファイバ母材を
溶融紡糸することによって形成することができる。
【0019】上記カーボン膜4は、表面粗さが自乗平均
粗さで1.2〜4nmのものである。このカーボン膜4
の厚さとしては、光ファイバの耐水素特性の向上の検知
から十分な厚さを有することが必要とされ、後述する表
1から300〜500Åとされる。
粗さで1.2〜4nmのものである。このカーボン膜4
の厚さとしては、光ファイバの耐水素特性の向上の検知
から十分な厚さを有することが必要とされ、後述する表
1から300〜500Åとされる。
【0020】このような表面粗さが自乗平均粗さで1.
2〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカーボン
膜を有するカーボンコート光ファイバを得るには、例え
ば、溶融紡糸して得られた光ファイバ1を炭化水素とハ
ロゲン化合物が供給されているCVD反応炉内に挿通
し、光ファイバ1の外周上にカーボン膜を形成してカー
ボンコート光ファイバを得、そして、このカーボンコー
ト光ファイバのカーボン膜の表面粗さをトンネル顕微鏡
を用いて測定し、自乗平均粗さが1.2〜4nmのもの
を選び、かつその厚さが300〜500Åであるものを
選択すればよい。
2〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカーボン
膜を有するカーボンコート光ファイバを得るには、例え
ば、溶融紡糸して得られた光ファイバ1を炭化水素とハ
ロゲン化合物が供給されているCVD反応炉内に挿通
し、光ファイバ1の外周上にカーボン膜を形成してカー
ボンコート光ファイバを得、そして、このカーボンコー
ト光ファイバのカーボン膜の表面粗さをトンネル顕微鏡
を用いて測定し、自乗平均粗さが1.2〜4nmのもの
を選び、かつその厚さが300〜500Åであるものを
選択すればよい。
【0021】さらに、上記条件を満たしたカーボン膜を
有するカーボンコート光ファイバをより歩留まりよく得
られるようにするには、光ファイバ1の外周上にカーボ
ン膜を形成する際に、CVD反応炉に供給するハロゲン
化合物の濃度を適切な範囲にコントロールするのが好ま
しい。それはハロゲン化合物の濃度が高すぎると、カー
ボン膜の表面が粗くなってしまい自乗平均粗さが4nm
以下のカーボン膜が得られにくく、逆にハロゲン化合物
の濃度が低すぎると、光ファイバ1の外周上にカーボン
膜が積もりにくく、強度が高いカーボンコート光ファイ
バが得られにくいからである。
有するカーボンコート光ファイバをより歩留まりよく得
られるようにするには、光ファイバ1の外周上にカーボ
ン膜を形成する際に、CVD反応炉に供給するハロゲン
化合物の濃度を適切な範囲にコントロールするのが好ま
しい。それはハロゲン化合物の濃度が高すぎると、カー
ボン膜の表面が粗くなってしまい自乗平均粗さが4nm
以下のカーボン膜が得られにくく、逆にハロゲン化合物
の濃度が低すぎると、光ファイバ1の外周上にカーボン
膜が積もりにくく、強度が高いカーボンコート光ファイ
バが得られにくいからである。
【0022】このようなカーボンコート光ファイバで
は、表面粗さが自乗平均粗さで1.2〜4nmで、厚さ
が300〜500Åであるカーボン膜4を有することに
より、耐水素性および耐疲労特性が優れており、海底ケ
ーブル等の長期間信頼性が要求される用途に用いられて
場合、強度や伝送損失等の信頼できる海底ケーブル等を
提供できる。
は、表面粗さが自乗平均粗さで1.2〜4nmで、厚さ
が300〜500Åであるカーボン膜4を有することに
より、耐水素性および耐疲労特性が優れており、海底ケ
ーブル等の長期間信頼性が要求される用途に用いられて
場合、強度や伝送損失等の信頼できる海底ケーブル等を
提供できる。
【0023】また、実施例においては光ファイバ1とし
てゲルマニウム等のドーパントがドープされた石英から
なるコア2と、純粋石英からなるクラッド3とから構成
されているものを用いた場合について説明したが、用い
る光ファイバとしては特に限定されず、例えばフッ素が
ドープされた石英からなるクラッドの外周上に純粋石英
層が形成されている光ファイバを用いる場合にも同様に
なし得る。
てゲルマニウム等のドーパントがドープされた石英から
なるコア2と、純粋石英からなるクラッド3とから構成
されているものを用いた場合について説明したが、用い
る光ファイバとしては特に限定されず、例えばフッ素が
ドープされた石英からなるクラッドの外周上に純粋石英
層が形成されている光ファイバを用いる場合にも同様に
なし得る。
【0024】(実施例1〜4)
光ファイバ母材を紡糸炉内に設置後、加熱し、線速30
0m/分で紡糸し、図2と同様の光ファイバ1を得た。
この光ファイバ1は、ゲルマニウムか屈折率差0.7%
となるように添加された石英からなるコア2と、純粋石
英からなるクラッド3とから構成されているものであっ
た。次いで、このような光ファイ1を多数本用意し、そ
れぞれ炭化水素とハロゲン化合物が供給されているCV
D反応炉内に挿通し、光ファイバ1の外周上にカーボン
膜を形成してカーボンコート光ファイバを作製した。そ
して、自乗平均粗さが1.2〜4nmで、厚さ300〜
500Åであるカーボン膜を有するカーボンコート光フ
ァイバを選別した。
0m/分で紡糸し、図2と同様の光ファイバ1を得た。
この光ファイバ1は、ゲルマニウムか屈折率差0.7%
となるように添加された石英からなるコア2と、純粋石
英からなるクラッド3とから構成されているものであっ
た。次いで、このような光ファイ1を多数本用意し、そ
れぞれ炭化水素とハロゲン化合物が供給されているCV
D反応炉内に挿通し、光ファイバ1の外周上にカーボン
膜を形成してカーボンコート光ファイバを作製した。そ
して、自乗平均粗さが1.2〜4nmで、厚さ300〜
500Åであるカーボン膜を有するカーボンコート光フ
ァイバを選別した。
【0025】(比較例1〜3)CVD反応の原料である
塩素化合物の供給量を炭化水素化合物の1.3倍以上ま
で増加した以外は上記実施例1〜4と同様の方法でカー
ボンコート光ファイバを紡糸した。また、カーボン膜の
厚さは紡糸の線速を100〜500m/分に変動させる
ことにより制御した。作製したカーボンコート光ファイ
バのカーボン膜の表面粗さをトンネル顕微鏡を用いて測
定し、自乗平均粗さで4nmを超えるカーボン膜を有す
るカーボンコート光ファイバを選別した。
塩素化合物の供給量を炭化水素化合物の1.3倍以上ま
で増加した以外は上記実施例1〜4と同様の方法でカー
ボンコート光ファイバを紡糸した。また、カーボン膜の
厚さは紡糸の線速を100〜500m/分に変動させる
ことにより制御した。作製したカーボンコート光ファイ
バのカーボン膜の表面粗さをトンネル顕微鏡を用いて測
定し、自乗平均粗さで4nmを超えるカーボン膜を有す
るカーボンコート光ファイバを選別した。
【0026】上記実施例1〜4および比較例1〜3で得
られたカーボンコート光ファイバについて、カーボン膜
表面の自乗平均粗さと、カーボン膜の厚さと、n値、水
素ロス増を調べた。n値は上述の耐疲労試験から同様に
して算出し、水素ロス増は上述の水素ロス試験法と同様
にして測定した。これらの結果を下記表1に示す。
られたカーボンコート光ファイバについて、カーボン膜
表面の自乗平均粗さと、カーボン膜の厚さと、n値、水
素ロス増を調べた。n値は上述の耐疲労試験から同様に
して算出し、水素ロス増は上述の水素ロス試験法と同様
にして測定した。これらの結果を下記表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】上記表1に示した結果から明らかなように
表面粗さが自乗平均粗さで4nmを超えるカーボン膜を
有する比較例1〜3のカーボンコート光ファイバは、カ
ーボン膜の膜厚が厚いにもかかわらず、n値が小さく、
水素ロス増が大きいことがわかる。これに比べて、表面
粗さが自乗平均粗さで1.2〜4nmで、厚さが300
〜500Åのカーボン膜を有する実施例1〜4のカーボ
ンコート光ファイバは、n値が大きく、かつ水素ロス増
も小さくて、耐水素性および耐疲労特性が優れているこ
とが分かる。
表面粗さが自乗平均粗さで4nmを超えるカーボン膜を
有する比較例1〜3のカーボンコート光ファイバは、カ
ーボン膜の膜厚が厚いにもかかわらず、n値が小さく、
水素ロス増が大きいことがわかる。これに比べて、表面
粗さが自乗平均粗さで1.2〜4nmで、厚さが300
〜500Åのカーボン膜を有する実施例1〜4のカーボ
ンコート光ファイバは、n値が大きく、かつ水素ロス増
も小さくて、耐水素性および耐疲労特性が優れているこ
とが分かる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカーボン
コート光ファイバにあっては、表面粗さが自乗平均粗さ
で1.2〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカ
ーボン膜を有するものであるので、耐水素性および耐疲
労特性に優れたものとなる。このため、このカーボンコ
ート光ファイバを長期間信頼性を必要とする海底ケーブ
ル等に好適に使用することができる。
コート光ファイバにあっては、表面粗さが自乗平均粗さ
で1.2〜4nmで、厚さが300〜500Åであるカ
ーボン膜を有するものであるので、耐水素性および耐疲
労特性に優れたものとなる。このため、このカーボンコ
ート光ファイバを長期間信頼性を必要とする海底ケーブ
ル等に好適に使用することができる。
【図1】 カーボン膜表面の自乗平均粗さと水素ロス増
との関係を示したグラフである。
との関係を示したグラフである。
【図2】 本発明のカーボンコート光ファイバの一実施
例を示した断面図である。
例を示した断面図である。
1・・・光ファイバ、4・・・カーボン膜
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(72)発明者 下道 毅
千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フ
ジクラ 佐倉工場内
(72)発明者 荒木 真治
千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フ
ジクラ 佐倉工場内
(72)発明者 吉澤 信幸
東京都千代田区内幸町1丁目1番6号
日本電信電話株式会社内
(56)参考文献 特開 平5−241054(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C03C 25/00 - 25/70
G02B 6/44
Claims (3)
- 【請求項1】表面の粗さが自乗平均粗さで1.2〜4n
mで、厚さが300〜500Åであるカーボン膜を有す
るカーボンコート光ファイバ。 - 【請求項2】水素ロス増が0.1dB/km以下で、n
値が150〜300である請求項1記載のカーボンコー
ト光ファイバ。 - 【請求項3】海底ケーブル用である請求項1または2記
載のカーボンコート光ファイバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28962793A JP3406034B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | カーボンコート光ファイバ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28962793A JP3406034B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | カーボンコート光ファイバ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07144938A JPH07144938A (ja) | 1995-06-06 |
JP3406034B2 true JP3406034B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=17745691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28962793A Expired - Fee Related JP3406034B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | カーボンコート光ファイバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3406034B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011510354A (ja) * | 2008-01-22 | 2011-03-31 | コーニング インコーポレイテッド | アルミニウムドープト光ファイバ |
CN102741719A (zh) * | 2010-01-26 | 2012-10-17 | 康宁股份有限公司 | 光纤 |
-
1993
- 1993-11-18 JP JP28962793A patent/JP3406034B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07144938A (ja) | 1995-06-06 |
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