JP3434428B2 - 通信用光ファイバおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
る誘導ブリルュアン散乱抑制型の通信用光ファイバおよ
びその製造方法に関するものである。
(SBS)は、非線形現象の1つであり、入射光とファ
イバ中の音響フォノンとの間の非弾性散乱によって生じ
る。誘導ブリルュアン散乱により光信号は後方に散乱さ
れ、その程度はしきい値を越えると急激に増加する。そ
して、この誘導ブリルュアン散乱の増加に起因し、しき
い値を越えて入射光パワーを増加させても透過光パワー
は殆ど変化しなくなるため、誘導ブリルュアン散乱は光
通信にとって大きな障害となる。近年ではエルビウムド
ープ光ファイバ増幅器の発展により光の高出力が可能に
なってきたため、この高出力の光を入力して、その強い
入射光パワーをあまり減少させることなく透過させるこ
とができる光ファイバの開発が求められており、このよ
うな光の入力限界パワーの大きい光ファイバを形成する
ために、誘導ブリルュアン散乱を抑制することは非常に
重要となってきている。
5に示すように、コア8の外周側にクラッド9が形成さ
れて構成されているが、このような構成の光ファイバに
おいて、前記誘導ブリルュアン散乱は、屈折率等のファ
イバ特性が均一であるほど起こり易いことが知られてお
り、したがって、誘導ブリルュアン散乱を抑圧するため
には、光ファイバの長手方向に、例えばガラス組成変化
や密度変化といった何らかの構造変化を与えて光ファイ
バの特性を長手方向に不均一化すればよいことになる。
示されているように、GeO2 (酸化ゲルマニウム)ド
ープ石英を主成分とするコア8と、純粋石英を主成分と
するクラッド9を有する光ファイバにおいて、これらの
コア8とクラッド9にはF(フッ素)がドープされてお
り、このFドーパント濃度がコア8およびクラッド9の
長手方向に連続して変化することによりコア8の屈折率
とクラッド9の屈折率がそれぞれコアおよびクラッドの
長手方向に連続して変化した誘導ブリルュアン散乱抑圧
型の光ファイバ(分散シフト光ファイバ)が提案されて
いる。なお、この光ファイバは、光ファイバを横断面で
切断したときに、クラッドの屈折率に対するコアの相対
屈折率(比屈折率差)がコアおよびクラッドの全長にわ
たって等しく形成されている。
イバを形成する光ファイバ母材を、例えば2000℃程度に
加熱しながら線引(紡糸)することにより形成されるも
のであるが、この線引時に線引温度を変化させることに
よって張力を変化させてコア8に不均一な歪みを掛けそ
の残留歪を光ファイバの長手方向に不均一化させた光フ
ァイバも提案されている。
粘性に比べて高い光ファイバにおいては、光ファイバを
線引する工程の冷却過程においてコア8がクラッド9よ
りも弾性的に振る舞うようになるため、線引中の張力は
主としてコア8に加わり、コア8がこの張力によって引
き伸ばされた状態で後から断面積の大きなクラッド9が
固化することにより、線引後に張力を解放しても引張歪
がコア8に残留することを利用したものである。この提
案の光ファイバは、コア8の軟化温度がクラッド9の軟
化温度よりも低い光ファイバであり、コア8は石英によ
り、クラッド9はフッ素ドープ石英により形成される。
提案、すなわち、Fドーパント濃度を光ファイバの長手
方向で変化させる提案においては、例えば光ファイバの
長さ25km程度で、比屈折率差が約0.20%変化させるよう
に、フッ素ドープ量を光ファイバの長手方向に変化させ
る必要がある。そのためには、光ファイバの製造に際
し、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法等を用
いてスートを作製し、このスートから光ファイバ母材を
作製する方法を用いる場合に、光ファイバ母材の長さ数
十mmで上記と同量のフッ素ドープ量を変化させなければ
ならないために、光ファイバの製造自体が非常に困難で
あるといった問題があった。
ドープ量を光ファイバの長手方向に大きく変化させるた
めに、少なくとも光ファイバの一端側には多量のフッ素
をドープする必要が生じ、その部分ではレイリー散乱ロ
スが増加して伝送ロスが大きくなってしまうといった問
題もあった。さらに、フッ素のドープを、スートのガラ
ス化工程で行う場合に、フッ素ドープ量を多くするため
にフッ素分圧を上げると、コア8にドープされているG
eO2 の揮散が激しくなる。そのため、このフッ素分圧
を光ファイバ母材の長手方向に変化させてスートのガラ
ス化を行うと、GeO2 の揮散によって、形成される光
ファイバのクラッドの屈折率に対するコアの比屈折率差
が長手方向で不均一になり、場所によっては光がコアか
らクラッド側に染み出して伝送ロスの増加を招くといっ
た問題も生じた。
母材の線引での引張応力をコア8に残留歪として残留さ
せるものにおいては、前記の如く、線引温度を変化させ
るために、低温の線引によって光ファイバの強度が低下
するといった問題があり、しかも、コア8の軟化温度が
クラッド9の軟化温度よりも低いものである必要がある
ために、例えば石英コア・フッ素ドープクラッドファイ
バにしか適用することができず、従来一般的に用いられ
ている1300nm零分散光ファイバや1550nm用分散シフト光
ファイバのように、GeO2 ドープ石英を主成分とする
コア8と、純粋石英を主成分とするクラッド9を有する
光ファイバに適用することはできないといった問題があ
った。
たものであり、その目的は、誘導ブリルュアン散乱を抑
圧することが可能で伝送ロスが小さく、製造が容易で高
強度の通信用光ファイバとその製造方法を提供すること
にある。
に、本発明は次のような構成により課題を解決するため
の手段としている。すなわち、本発明の通信用光ファイ
バは、コアの外周側にクラッドを形成して成る光ファイ
バのモードフィールド径よりも外周側のクラッドに石英
ガラスの線膨張係数を変化させるドーパントが添加され
ており、該ドーパントの濃度を光ファイバの長手方向に
周期的に変化させたことを特徴として構成されている。
ボロン、チタン、アルミニウムを少なくとも1つは含む
物質としたこと、前記ドーパントは、光ファイバのモー
ドフィールド径の1.5 倍以上外周側のクラッドに添加さ
れていることも本発明の通信用光ファイバの特徴的な構
成とされている。
方法は、コアを形成するコア母材の外周側に、クラッド
を形成するドーパント無添加のクラッド母材を形成して
クラッド付コア母材と成し、該クラッド付コア母材を光
軸を中心として回転させながら該クラッド付コア母材の
外周側に外付け法によってドーパント添加スートを堆積
させて該ドーパント添加スートの堆積量をクラッド付コ
ア母材の長手方向に周期的に変化させた後、該ドーパン
ト添加クラッドスートの外周側にドーパント無添加スー
トを形成して光ファイバ母材を形成し、該光ファイバ母
材を用いて前記構成の本発明の通信用光ファイバを製造
することを特徴として構成されている。
いて、クラッドに石英ガラスの線膨張係数を変化させる
ドーパントが添加されており、このドーパントの濃度は
光ファイバの長手方向に周期的に変化しているために、
この線膨張係数の変化に応じ、光ファイバのコアおよび
その周辺に生じる残留歪が光ファイバの長手方向で周期
的に変化し、この構造変化によって誘導ブリルュアン散
乱の抑制が図られる。
るドーパントは、石英ガラスの屈折率も変化させるため
に、このドーパントが仮に光ファイバのモードフィール
ド径の内側に設けられると、モードフィールド径内に屈
折率分布の変化する部分が設けられることになり、光フ
ァイバがシングルモード光ファイバとしての機能を果た
せなくなり、伝送ロスが大きくなってしまうといったこ
とが生じるが、本発明においては、ドーパントが光ファ
イバのモードフィールド径よりも外周側のクラッドに添
加されているために、このような問題が生じることはな
く、伝送損失(ロス)が小さい光ファイバとなる。
製造に際し、光ファイバ母材の長手方向にフッ素分圧を
変化させる必要はないために、光ファイバ母材の作製は
容易となり、フッ素ドープによる伝送ロスを招くことも
ない。しかも、コアの屈折率分布が光ファイバの長手方
向で均一となるし、コア中のGeO2 等のドーパント揮
散による伝送ロスの増加が生じることはない。さらに、
本発明においては、光ファイバ母材の線引温度を変化さ
せることもないために、光ファイバの強度も光ファイバ
の長手方向で均一、かつ、高強度となり、以上のことか
ら上記課題が解決される。
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1には、本発明に係る通信用光フ
ァイバの実施形態例の要部構成が模式的に示されてい
る。なお、同図の(a)には光ファイバの斜視図が、同
図の(b),(c)にはそれぞれ、(a)のA−A′断
面図、B−B′断面図が示されている。これらの図に示
されるように、本実施形態例の通信用光ファイバも、コ
ア8の外周側にクラッド9を形成して成る光ファイバで
あるが、本実施形態例では、クラッド9を特有な構成に
より形成している。
ドーパント無添加部3aを形成し、このドーパント無添
加部3aの外周側に、石英ガラスの線膨張係数を変化さ
せるドーパントとしてのボロンを有する三臭化硼素が添
加された硼素ドープ層4を形成し、さらにその外周側に
ドーパント無添加部3bを形成している。硼素ドープ層
4は、図1の(b),(c)に示すように、その横断面
形状がドーナツ状であり、同図の(a)に示すように、
断面積が光ファイバの長手方向に周期的に変化してい
る。また、硼素ドープ層4の内径Rは光ファイバのモー
ドフィールド径よりも大きく形成されている。
な構成にすることにより、光ファイバのモードフィール
ド径よりも外周側のクラッド9に石英ガラスの線膨張係
数を変化させるドーパントを添加し、このドーパント濃
度を光ファイバの長手方向に周期的に変化させた特徴的
な構成と成している。
は、いずれも、コア8とクラッド9のドーパント無添加
部3a,3bとの比屈折率差が0.35%と成しており、コ
ア8とドーパント無添加部3aとの屈折率分布が図3の
(a)に示す単純なステップ型構造と成している。
態例の各光ファイバの構造パラメータである、硼素ドー
プ量(硼素ドーパント濃度)の最小値および最大値と、
硼素ドーパント濃度変化の周期と、硼素ドープ層4の内
径/モードフィールド径の値が示されている。この表1
から明らかなように、本第1実施形態例〜第6実施形態
例は、いずれも、その硼素ドーパント濃度の周期が6000
mで等しく、硼素ドープ量の最小値は0と成している。
また、硼素ドープ量の最大値および、硼素ドープ層4の
内径/モードフィールド径は各光ファイバによって異な
っている。
施形態例の通信用光ファイバにおいて、横軸に光ファイ
バの長さを取り、縦軸にその長さに対応した硼素ドープ
量をプロットしたグラフが示されている。なお、同図の
特性線aには本第1〜第4実施形態例の値が、特性線b
には本第5、第6実施形態例の値がそれぞれ示されてお
り、いずれの場合も、硼素ドープ量が光ファイバの長手
方向に対して周期的に変化している。
面積に対する硼素ドープ層4の断面積の比が、光ファイ
バの長さに対応させてプロットされており、同図に示す
ように、光ファイバ全断面積に対する硼素ドープ層4の
断面積比も光ファイバの長手方向に周期的に変化してい
る。なお、本第1〜第6実施形態例のいずれの実施形態
例も、この硼素ドープ層4の断面積比の平均が10分の1
となるように形成されている。
り、本実施形態例の通信用光ファイバは以下のようにし
て製造される。まず、図4の(a)に示すように、VA
D法用いて、コア8を形成するコア母材13の外周側に、
クラッド9を形成するドーパント無添加クラッド母材14
を形成し、クラッド付コア母材6と成す。なお、ドーパ
ント無添加クラッド母材14を形成する際に、光ファイバ
化されたクラッド付コア母材6の直径が通信用光ファイ
バのモードフィールド径よりも大きくなるように予めク
ラッド付コア母材6の設計寸法を求めておき、その寸法
となるようにドーパント無添加クラッド母材14を形成す
るとよい。
母材13の直径が3mmφになるように延伸した後旋盤等に
セットし、光軸を中心として回転させながら、クラッド
付コア母材6の外周側に、外付け法によってドーパント
添加スート15を堆積させていく。なお、本実施形態例で
は、このドーパント添加スート15の堆積形成の前に、ク
ラッド付コア母材6を50rpm で回転させながら、酸水素
火炎バーナ等のバーナ17を用い、ドーパント無添加クラ
ッド母材14の原料となる四塩化珪素を前記光軸と直交す
る方向からクラッド付コア母材6に吹き付け、ドーパン
トが添加されていないスートの層を堆積させた。
化硼素を9:1(モル比)としてクラッド付コア母材6
に吹き付け、ドーパント添加スート15をクラッド付コア
母材6の外周側に堆積形成した。このドーパント添加ス
ート15の堆積形成時も、クラッド付コア母材6は50rpm
で回転させており、この回転を行いながら、同図に示す
ように、バーナ17をクラッド付コア母材6の長手方向に
移動させ、50mm移動する毎に30秒間移動を止めてドーパ
ント添加スート15の堆積量をクラッド付コア母材6の長
手方向に周期的に変化させた。
転を行いながら、ドーパント添加スート15の外周側に、
四塩化珪素だけを原料としてドーパント無添加スート16
を形成し、焼結することにより、透明な光ファイバ母材
を形成した。この光ファイバ母材を従来の一般的な光フ
ァイバと同様に、線引することにより、長さ約30kmの通
信用光ファイバを製造した。
クラッド付コア母材6の長手方向に移動させながらドー
パント添加スート15を堆積させていくが、バーナ17の酸
水素火炎内でも硼素濃度に分布ができるために、製造さ
れた光ファイバにおける硼素ドープ量の分布は、図2の
(a)に示したような分布状態となり、光ファイバの長
さ6km(表1における周期である6000m)毎に硼素ドー
プ量が0の部分が形成される。
製造方法により製造され、前記特徴的な構成、すなわ
ち、光ファイバのモードフィールド径よりも外周側のク
ラッド9に、石英ガラスの線膨張係数を変化させるドー
パントとしての硼素が添加され、この硼素ドーパント濃
度が光ファイバの長手方向に周期的に変化させて形成さ
れているために、前記光ファイバ母材を線引して光ファ
イバを製造する際に、コア8の外周部の収縮によりコア
8に圧縮力が付与され、しかも、その圧縮力の大きさが
光ファイバの長手方向に異なるものとなる。そのため、
硼素ドーパント濃度(硼素ドープ量)の大きさに対応し
て、図2の(c)に示すような、光ファイバの長手方向
に周期的に大きさが変化する残留応力がコア8に付与さ
れ、この光ファイバの長手方向における構造変化によ
り、光ファイバの特性が長手方向に不均一化され、誘導
ブリルュアン散乱の抑制を図ることができる。
母材の線引工程で張力を変化させてコア8に引張応力を
残留させる従来の提案方法と異なり、コア8の軟化温度
がクラッド9の軟化温度よりも低い必要はないために、
光通信用として一般に用いられているゲルマニウム添加
コアとシリカクラッドを有する光ファイバを作製するこ
とができるし、硼素ドープ層4は光ファイバのモードフ
ィールド径よりも外側に添加されているために、光ファ
イバの損失に悪影響を与えることもない。そのため、光
損失の小さい光ファイバとすることができる。本出願人
が本第1〜第6実施形態例の光ファイバについて、波長
1550nmの光損失(伝送ロス)と誘導ブリルュアン散乱
(SBS)発生しきい値とを調べたところ、表2に示す
結果が得られた。
プ層4を有していない、すなわち、硼素を全くドープし
ていない光ファイバについて前記光損失およびSBS発
生しきい値を測定した結果も共に示されている。
実施形態例の光ファイバは、いずれも、SBS発生しき
い値が比較例の光ファイバに比べて非常に高く、SBS
の発生を効果的に抑圧できることが確認された。また、
波長1550nmの光損失も小さく、特に第2〜第6実施形態
例の光ファイバにおいては硼素をドープしていない比較
例の光ファイバとほぼ同様の小さい光損失であることが
確認された。
50nmの光損失が他の実施形態例の光ファイバに比べて大
きくなっているが、これは、硼素ドープ層4の内径Rが
光ファイバのモードフィールド径に近いほど、光の染み
出しが硼素ドープ層4側まで及ぶ可能性が高くなり、そ
れによって光損失の増加が生じ易いことを示しており、
このことから、硼素ドープ層4は、光ファイバのモード
フィールド径の1.5 倍以上外周側のクラッド9に添加さ
れていることが望ましい。また、硼素ドープ層4の内径
Rがコア8から離れ過ぎると、SBS発生抑圧効果が若
干低くなる(第4実施形態例)が、この場合には、例え
ば第6実施形態例のように、硼素ドープ量を多くするこ
とにより、SBS発生しきい値を大きくすることができ
る。
く、光ファイバ母材の線引工程において張力を変化させ
る従来の提案方法と異なり、光ファイバ母材の線引温度
を変化させることはないために、線引温度を低温にする
ことにより光ファイバ強度が極端に低下することもな
く、光ファイバの長手方向で均一な高強度の光ファイバ
とすることができる。
バの長手方向にフッ素ドープ量を変化させた従来の提案
の方法と異なり、光ファイバの製造工程において、光フ
ァイバ母材のフッ素ドープ量を光ファイバの長手方向に
大きく変化させる必要がないために、光ファイバ母材の
作製も容易に行うことができるし、フッ素ドープ量を変
化させるためにフッ素分圧を大きく変化させることによ
り、コアのドーパントの揮散を招くといったこともな
く、コアの屈折率分布構造を光ファイバの長手方向で均
一なものとすることができる。
ラスの線膨張係数を変化させると共に、石英の屈折率を
変化させるが、本実施形態例では、ドーパントは光ファ
イバのモードフィールド径よりも外側に添加されている
ために、光ファイバを伝送する光に対して大きく影響を
与えることはなく、光ファイバがシングルモードの規格
化条件から外れてシングルモード光ファイバとしての機
能が失われるといったことはない。そのため、例えば通
信用光ファイバを用いた伝送システムに障害を与えると
いったことも防ぐことができる。
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、
上記実施形態例では、コア8とクラッド9のドーパント
無添加部3aとの屈折率分布構造が、図3の(a)に示
すような単純なステップ型の光ファイバとしたが、コア
8を、センタコア8aとセンタコア8aの外周側のサイ
ドコア8bを有する構成とし、図3の(b)に示すよう
に、センタコア8aの屈折率よりもサイドコア8bの屈
折率を小さくした階段型プロファイル構造の光ファイバ
としてもよい。
に対する比屈折率差Δ+=1.0 %、サイドコア8bのク
ラッド9に対する比屈折率差ΔS +=0.2 %、センタコ
ア径/サイドコア径=0.4 とし、その他の構造パラメー
タを上記第6実施形態例と同様に形成した通信用光ファ
イバについて、波長1550nmでの光損失を測定したとこ
ろ、0.21dB/kmとなり、SBS発生しきい値は13dB
mと良好な値となることが確認された。
添加するドーパントとして、硼素を適用したが、ドーパ
ントは必ずしも硼素とするとは限らず、石英ガラスの線
膨張係数を変化させるものであればよく、例えば、ゲル
マニウム、ボロン、チタン、アルミニウムを少なくとも
1つは含む物質とすることにより、上記実施形態例と同
様の効果を奏することができる。
パラメータ、すなわち、表1に示したような、硼素等の
ドーパント添加層の内径/モードフィールド径、光ファ
イバの長さ、ドーパント濃度の変化周期、ドーパントの
ドープ量等は、必ずしも上記実施形態例と同様にすると
は限らず、適宜設定されるものである。
方法は必ずしも上記実施形態例と同様の製造方法にする
とは限らず、適宜設定されるものである。ただし、上記
実施形態例と同様に、クラッド付コア母材6の外周側に
外付け法によってドーパント添加スート15を堆積させて
光ファイバ母材を形成する方法を用いると、容易に、か
つ、確実に、ドーパント濃度を光ファイバの長手方向に
周期的に変化させた通信用光ファイバを製造することが
できる。
材を形成する際に、上記実施形態例では、図4の(a)
に示したように、バーナ17をクラッド付コア部材6の長
手方向に移動させてドーパント添加スート15の堆積形成
を行ったが、その逆に、クラッド付コア母材6をバーナ
17に対して移動させてもよい。
加スート15の堆積量をクラッド付コア母材6の長手方向
に周期的に変化させることにより、ドーパントとしての
硼素のドープ量を光ファイバの長手方向に周期的に変化
させるようにしたが、例えば、バーナ17からクラッド付
コア母材6に吹き付けるガス中のドーパント投入量を変
化させることによりドーパント濃度を光ファイバの長手
方向に周期的に変化させてもよいし、スート堆積面の温
度を変えることで、ドーパントの付着効率を変化させて
ドーパント濃度を光ファイバの長手方向に周期的に変化
させてもよい。ただし、上記実施形態例のように、ドー
パント添加スート15の堆積量をクラッド付コア母材6の
長手方向に周期的に変化させる方法を用いると、より一
層容易にドーパント濃度を光ファイバの長手方向に周期
的に変化させた光ファイバを製造することができる。
バのモードフィールド径よりも外周側のクラッドに、石
英ガラスの線膨張係数を変化させるドーパントを添加
し、このドーパント濃度を光ファイバの長手方向に周期
的に変化させることにより、コアに対する残留応力を光
ファイバの長手方向に周期的に変化させたものであるか
ら、この構造変化により光ファイバの特性を長手方向に
不均一化して誘導ブリルュアン散乱の発生を効果的に抑
制することができる。
の如く、ドーパント濃度の変化によってコアに対する残
留応力を光ファイバの長手方向に周期的に変化させたも
のであるから、例えば光ファイバを形成する光ファイバ
母材の線引工程において張力を変化させてコアに対する
残留応力を変化させる方法と異なり、コアの軟化温度を
クラッドの軟化温度よりも低くする必要はないために、
光ファイバを形成する原料が限られるといったことはな
いし、線引温度を変化させる必要もないために、低温の
線引により光ファイバ強度が低下してしまうといった問
題も回避することが可能となる。そのため、例えば、従
来一般的に用いられているゲルマニウム添加コアとシリ
カクラッドを用いて光ファイバを形成することができる
し、光ファイバの強度も長手方向に均一で高強度の光フ
ァイバとすることができる。
えば、光ファイバの長手方向にフッ素ドープ量を大きく
変化させて誘導ブリルュアン散乱を抑制する方法と異な
り、光ファイバ母材におけるフッ素ドープ量の長手方向
での変化量を非常に大きくする必要はないために、光フ
ァイバ母材の製造が容易であり、かつ、フッ素ドープに
よる伝送ロスを招くこともない。しかも、このフッ素ド
ープ量を変化させる際にフッ素分圧を高くするがため
に、コアの屈折率分布に影響を与えることもなく、コア
の屈折率分布を光ファイバの長手方向において均一な光
ファイバとすることができるし、フッ素ドープによって
コアのドーパント(GeO2 等)の揮散を招くこともな
く、伝送ロスの増加を防ぎ、伝送ロスの小さい光ファイ
バとすることができる。
ボロン、チタン、アルミニウムを少なくとも1つは含む
物質とした本発明の光ファイバによれば、これらのドー
パントを用いることにより、コアに対する残留応力の付
与を非常に効率良く行うことが可能となり、誘導ブリル
ュアン散乱の発生を非常に効果的に行うことができる。
モードフィールド径の1.5 倍以上外周側のクラッドに添
加されている本発明の光ファイバによれば、光ファイバ
を伝送する光がクラッドのドーパント添加領域に染み出
す可能性を非常に小さくすることが可能となり、光ファ
イバの伝送光の伝送ロスがドーパント添加によって殆ど
影響を受けることはなく、伝送ロスの非常に小さい光フ
ァイバとすることができる。
方法によれば、ドーパントの濃度を光ファイバの長手方
向に周期的に変化させることを非常に容易に、かつ、確
実に行うことが可能となり、本発明の通信用光ファイバ
の製造を高い信頼性を持って達成することができる。
示す構成図である。
る特性を示すグラフである。
造の例を示す説明図である。
例を示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 コアの外周側にクラッドを形成して成る
光ファイバのモードフィールド径よりも外周側のクラッ
ドに石英ガラスの線膨張係数を変化させるドーパントが
添加されており、該ドーパントの濃度を光ファイバの長
手方向に周期的に変化させたことを特徴とする通信用光
ファイバ。 - 【請求項2】 ドーパントは、ゲルマニウム、ボロン、
チタン、アルミニウムを少なくとも1つは含む物質とし
たことを特徴とする請求項1記載の通信用光ファイバ。 - 【請求項3】 ドーパントは、光ファイバのモードフィ
ールド径の1.5 倍以上外周側のクラッドに添加されてい
ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の通信用
光ファイバ。 - 【請求項4】 コアを形成するコア母材の外周側に、ク
ラッドを形成するドーパント無添加のクラッド母材を形
成してクラッド付コア母材と成し、該クラッド付コア母
材を光軸を中心として回転させながら該クラッド付コア
母材の外周側に外付け法によってドーパント添加スート
を堆積させて該ドーパント添加スートの堆積量をクラッ
ド付コア母材の長手方向に周期的に変化させた後、該ド
ーパント添加クラッドスートの外周側にドーパント無添
加スートを形成して光ファイバ母材を形成し、該光ファ
イバ母材を用いて請求項1又は請求項2又は請求項3記
載の通信用光ファイバを製造することを特徴とする通信
用光ファイバの製造方法。
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---|---|---|---|
JP31554896A JP3434428B2 (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 通信用光ファイバおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31554896A JP3434428B2 (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 通信用光ファイバおよびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10142433A JPH10142433A (ja) | 1998-05-29 |
JP3434428B2 true JP3434428B2 (ja) | 2003-08-11 |
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ID=18066676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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-
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- 1996-11-12 JP JP31554896A patent/JP3434428B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
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白木和之(外2名),SBS抑制ファイバの特性,1994年電子情報通信学会秋季大会−ソサイエティ先行大会−講演論文集 エレクトロニクス1,日本,(社)電子情報通信学会,1994年 9月 5日,pp.137(C−137) |
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JPH10142433A (ja) | 1998-05-29 |
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