JP3101660B2 - 非金属薄膜層を設けた樹脂フィルムの製造法 - Google Patents
非金属薄膜層を設けた樹脂フィルムの製造法Info
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Description
工程的に有利にかつ確実にセラミックス薄膜層等の非金
属薄膜層を形成する方法に関するものである。
るための包装材料、フィルムコンデンサやタッチパネル
等の電気材料、屋外広告等の装飾材料をはじめとする種
々の用途に広く使用されているが、セラミックス薄膜層
等の非金属薄膜層を設けた樹脂フィルムも各種の分野に
使用されるようになってきている。たとえば食品包装材
料の分野には、耐熱性や酸素遮断性を有するフィルムと
してSiOx薄膜層を設けたフィルムが開発されてお
り、ディスプレイ、透明電極、光選択透過膜、その他の
用途には、ITO(In2 O3 −SnO2 )、In2 O
3 、SnO2 、ZnSなどの非金属薄膜層を設けた樹脂
フィルムが開発されている。
金属薄膜層を設ける方法として、従来より気相法が広く
採用されている。気相法には、(a)熱蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティング、分子線エピタキシー等
のPVD(Physical Vapor Deposition)、(b)CVD
(Chemical Vapor Deposition)、(c)プラズマCV
D、レーザーCVD等の物理化学的方法などがある。こ
の場合、比較的厚手の耐熱性樹脂フィルムにバッチ式で
または連続的に非金属薄膜層を形成している。
に塗布する工程を経由することにより、セラミックス等
の非金属の薄膜を形成する方法も知られている。この塗
布法には、金属アルコキシドの加水分解反応を利用する
ゾル−ゲル法、熱処理過程における熱分解反応を利用す
る熱分解法、微粒子を塗布したのち焼成する塗布焼成法
などがある。これらの中では熱分解法および塗布焼成法
が重要である。
2−236158号において、ポリパラバン酸系樹脂を
溶剤に溶解した溶液を二軸延伸ポリエステルフィルムか
らなる基材フィルムの片面に流延すると共に、流延層の
残存溶剤量が10重量%以下になるまで予備乾燥し、つ
いで基材フィルムの収縮を生ずる温度ないし230℃以
下の温度条件下に含溶剤ポリパラバン酸系樹脂フィルム
の残存溶剤量が 0.5重量%以下になるまで加熱処理を行
い、前記基材フィルムを収縮させながらその上の厚さ1
〜10μm のポリパラバン酸系樹脂フィルムを形成さ
せ、その後、必要に応じ基材フィルム上のポリパラバン
酸系樹脂フィルムの上から二次加工を施してから、ポリ
パラバン酸系樹脂フィルムを基材フィルムから剥離する
方法を出願している。ここで二次加工とは、たとえば、
気相法による薄膜形成加工(蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、CVD法等による金属ま
たは非金属薄膜の形成)、液相法による薄膜形成工程
(電解または無電解メッキによる金属薄膜の形成)、コ
ーティングまたは印刷による薄膜形成工程などである。
る上述の特願平2−236158号の方法は、薄手のポ
リパラバン酸系樹脂フィルムを得る工業的な方法として
従来の方法に比しすぐれている。
層を有する薄手のポリパラバン酸系樹脂フィルムを得る
ことはできるものの、非金属薄膜層を均一に形成できな
かったり(たとえば気相法の場合)、樹脂フィルムに対
する非金属薄膜層の密着性が不足したり(たとえば気相
法の場合)、非金属薄膜層形成時の高温に耐えられない
ことがあり(たとえば熱分解法や塗布焼成法の場合)、
特にフィルム厚が数μm あるいはそれ以下の極薄である
場合はその傾向が強い。そのほか、基材フィルムからの
剥離操作時にフィルムが帯電するという不利もある。
58号の方法は、非金属薄膜層付きポリパラバン酸系樹
脂フィルムを得る方法としてはなお改良の余地がある。
フィルムを得る試みの中で、ポリパラバン酸系樹脂フィ
ルム等の合成樹脂フィルムの製膜時の残存溶剤は該フィ
ルム上への非金属薄膜層の形成にマイナスに作用する
が、逆に非金属薄膜層上から樹脂フィルム層を形成させ
るときは、溶剤の存在は密着性向上に寄与すること、ま
たキャリア材上に非金属薄膜層を形成させることによ
り、キャリア材からの非金属薄膜層付き樹脂フィルムの
剥離に際し帯電障害を生じないことを見い出した。
のであって、たとえ薄手の樹脂フィルムに対しても工程
上有利にかつ確実にセラミックス薄膜層等の非金属薄膜
層を形成することのできる方法を提供することを目的と
するものである。
設けた樹脂フィルムの製造法は、非金属薄膜層(2) を形
成した耐熱性キャリア材(1) の非金属薄膜層(2) 面に、
樹脂の溶剤溶液を流延して樹脂フィルム層(3) を形成す
ることにより、前記耐熱性キャリア材(1) 上の 非金属薄
膜層(2) 面に樹脂フィルム層(3) を成層し、しかるの
ち、その樹脂フィルム層(3) を前記耐熱性キャリア材
(1) から剥離して、前記非金属薄膜層(2) を樹脂フィル
ム層(3) 側へ転写移行させることを特徴とするものであ
る。
る非金属薄膜層(2) の処理加工の容易さや、さらにその
非金属薄膜層(2) 上に形成する樹脂フィルム層(3) の特
性を考慮して定められるが、樹脂フィルム層(3) の形成
にあたって使用する溶剤に対する耐性を必要とすると同
時に、加熱乾燥時、硬化を進めるための熱処理時、さら
には熱分解や焼成時などの処理時における高温に耐える
だけの耐熱性を有することが要求される。
リエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等の合成
樹脂フィルムであって、延伸処理を施した機械的強度の
大きい樹脂フィルム、殊に二軸延伸ポリエステルフィル
ムが好適に用いられる。またこれらのフィルムでは対処
できない高度の耐熱性が要求されるときは、ガラス、セ
ラミックス等の無機質材料、またはこれらの無機質材料
を表面に形成した合成樹脂シート、あるいはステンレス
スチール等の金属シートなどを用いることができる。
する非金属薄膜層(2) との剥離性を良好なものとするた
めに、シリコーン系剥離剤等の剥離剤を予め塗布してお
くこともできる。
n2 O3 膜、SnO2 膜、FTO(SnO2 にフッ素を
ドープしたもの)膜、SiOX 膜、PSG膜、BSG
膜、AsSG膜、Al2 O3 膜、ZnO膜、CdO膜、
Cd2 SnO4 膜、Cr2 O3膜、Fe2 O3 膜、Ta2
O5 膜、TiO2 膜、PZT膜、PLZT膜、PbT
iO3 膜、B4 C膜、Si3 N4 膜、SiNX 膜、Al
N膜、TiN膜、ZrN膜、TaN膜、SiC膜、Ti
C膜、TiCN膜、Ta2 N膜、BN膜、ZrC膜、Z
nS膜などが例示され、これらの中でもセラミックス薄
膜に属するものが実用範囲が広い。
にも述べたように、PVD、CVD等の気相法、ゾル−
ゲル法、熱分解法、焼成塗布法等の塗布法などがいずれ
も採用されるが、気相法と塗布法中の熱分解法および焼
成塗布法の如く、過酷な条件を伴なう方法が重要であ
る。
は、ポリイミド系樹脂、フェノキシエーテル系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリパラバン酸系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリス
ルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂など、あるいはポ
リイミド変性エポキシ系樹脂、シリコーン変性ポリイミ
ド系樹脂、エポキシ変性ポリパラバン酸系樹脂などの変
性樹脂などの中から、溶剤可溶性の樹脂が用いられる。
溶剤可溶性の樹脂によれば、溶融押出型の樹脂に比しフ
ィッシュアイや厚さむらの少ない薄手のフィルム層を形
成することができる。特に好ましい樹脂は、ポリイミド
系樹脂、フェノキシエーテル系樹脂、ポリパラバン酸系
樹脂、あるいはこれらの変性樹脂である。
ら厚手のものまで任意に設定できるが、10μm 以下と
いうような薄手のフィルム層、さらには数μm あるいは
それ以下という極薄のフィルム層とすることもできる。
るにあたっては、予め非金属薄膜層(2) を形成した耐熱
性キャリア材(1) の非金属薄膜層(2) 面に樹脂フィルム
層(3) を成層する。樹脂フィルム層(3) の成層は流延法
を採用することにより達成される。すなわち、耐熱性キ
ャリア材(1) の非金属薄膜層(2) 面に樹脂の溶剤溶液を
流延した後、乾燥、さらには必要に応じ加熱処理を行う
ことにより、樹脂フィルム層(3) を形成させる。流延に
先立ち、非金属薄膜層(2) 面にポリエステル系、その他
のアンカーコーティング層を形成して、密着性向上を図
ることもできる。
下記の一般式
キル基またはBr、R7は炭素数2〜4のアルキレン基、
mは0〜3の整数、nは20〜300の整数をそれぞれ
意味する。)で示されるフェノキシエーテル系重合体
と、イソシアネート基、カルボキシル基、カルボキシル
基における反応性誘導基(ハライド、活性アミド、活性
エステル、酸無水物等)などの架橋剤とからなる組成物
を溶剤で稀釈し、耐熱性キャリア材(1) の非金属薄膜層
(2) 面に流延してから、加熱乾燥し、ついで高温でキュ
アする方法が採用される。
を例にとると、溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチルピロリド
ン、N−エチルピロリドン、N−メチルカプロラクタム
などの非プロトン系極性溶剤を用い、溶液中のポリパラ
バン酸系樹脂の濃度は5〜25重量%程度とする。ポリ
パラバン酸系樹脂を溶剤に溶解した溶液を非金属薄膜層
(2) を設けた耐熱性キャリア材(1) の非金属薄膜層(2)
面に流延した後は、流延層の残存溶剤量が10重量%以
下、好ましくは5重量%以下になるまで乾燥を行う。乾
燥温度は60〜150℃程度が適当であり、通常は温度
傾斜をつけ、乾燥ゾーンの入口側は低い温度に設定し、
出口側になるほど高い温度に設定する。乾燥工程終了後
は、およそ200℃以上の温度条件下に耐熱性キャリア
材(1) 上に形成されたポリパラバン酸系樹脂フィルムの
残存溶剤量が 0.5重量%以下、好ましくは 0.3重量%以
下となるまで加熱処理を行う。この加熱処理工程は、前
工程である乾燥工程とは別個に設置してもよく、また乾
燥炉の前段を乾燥工程に対応させ、後段を加熱処理工程
に対応させるというようにしてもよい。
層(3) は、耐熱性キャリア材(1) 上の非金属薄膜層(2)
に極めて強固に密着しており、一方、耐熱性キャリア材
(1)/非金属薄膜層(2) 間の密着力は相対的に小さい。
の耐熱性キャリア材(1) から剥離しながら、前記非金属
薄膜層(2) を樹脂フィルム層(3) 側に転写移行させる。
この転写移行は円滑に達成できる。
の樹脂フィルム層(3) の上にさらに適宜の処理または加
工を施すこともできる。
けた樹脂フィルムは、たとえば、包装用フィルム(殊に
レトルト殺菌包装用フィルムや電子レンジ調理可能な包
装用フィルム)、耐気体透過性膜、フィルムコンデン
サ、タッチパネル材料、透明導電性フィルム、透明電
極、面発熱体、熱反射膜、光選択透過膜、無反射膜、絶
縁膜、保護膜、電磁波遮蔽膜、エレクトロルミネッセン
ス材料、エレクトロクロミズム材料、耐摩耗性膜、フラ
ットケーブル巻回用テープまたはフィルム、ICケーシ
ング材、フロッピーディスクケーシング材、TABフィ
ルム、FPCのベースフィルムまたはカバーフィルム、
磁気記録媒体、装飾材料、センサなどとして有用であ
る。
製造工程を模式的に示せば、図1のようになる。
材(1) を準備し、その耐熱性キャリア材(1) 上に(ロ)
のように非金属薄膜層(2) を形成させる。非金属薄膜層
(2)の形成法としては、先にも述べたように気相法、熱
分解法、塗布焼成法などが採用される。耐熱性キャリア
材(1) は任意の材質のものを選択しうるので、その上に
非金属薄膜層(2) を形成させるときの条件が如何に過酷
でも対処できる。
ように、流延法により任意の厚さに樹脂フィルム層(3)
を成層する。成層方法として流延法を採用しているの
で、樹脂フィルム層(3) の厚さを数μm あるいはそれ以
下というような極薄とすることもでき、また流延製膜時
の溶剤の存在が非金属薄膜層(2) /樹脂フィルム層(3)
間の密着性を顕著に向上させる。
ルム層(3) を剥離すると、非金属薄膜層(2) は樹脂フィ
ルム層(3) 側に転写移行し、(ニ)のように非金属薄膜
層(2) /樹脂フィルム層(3) の層構成を有する非金属薄
膜層付き樹脂フィルムが得られる。非金属薄膜層(2) /
樹脂フィルム層(3) 間の密着性が大きいので、剥離操作
は容易かつ円滑に行いうる上、剥離は耐熱性キャリア材
(1) と非金属薄膜層(2) との界面から行われるので、剥
離操作に際し静電気によるトラブルを生ずることがな
い。
(2) を形成することによって非金属薄膜層を有する樹脂
フィルムを製造する工程を模式的に示せば、図2のよう
になる。
材(1) を準備し、その耐熱性キャリア材(1) 上に(b)
のように樹脂フィルム層(3) を成層する。
(3) 面に非金属薄膜層(2) を形成させるか、一旦(b')
のように樹脂フィルム層(3) を剥離してから、(c')の
ようにその樹脂フィルム層(3) 面に非金属薄膜層(2) を
形成させる。
金属薄膜層(2) を形成させた後は、必要に応じ(d)の
ように耐熱性キャリア材(1) から非金属薄膜層(2) /樹
脂フィルム層(3) を剥離する。
層(2) の形成を樹脂フィルム層(3)に対して行うので、
非金属薄膜層(2) の形成に際し密着性の不足や堆積むら
を生じやすく、また樹脂フィルム層(3) の形態安定性が
損なわれやすいため、非金属薄膜層(2) 形成時の許容条
件巾が狭く、過酷な条件には対処しえなくなる。加え
て、(b')や(d)における剥離操作時にフィルムが帯
電しやすいという不利もある。
る。
ンジウムブトキシド、スズブトキシド、イソプロパノー
ルおよびエチルセロソルブよりなる溶液を塗布速度30
cm/minで塗布し、200℃、10分の条件で空気雰囲気
下に加熱乾燥した後、500℃、60分の条件で空気雰
囲気下に焼成を行った。これにより、ガラス板上にIn
/Snの原子比90/10のITO膜からなる厚さ53
0オングストロームの非金属薄膜層(2) が形成された。
株式会社製)40重量部、シクロヘキサノン70重量
部、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ンとのアダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン株式
会社製のコロネートL)20重量部よりなる臭素化フェ
ノキシエーテル樹脂系の硬化性樹脂溶液をアプリケータ
ーを使用してギャップ10μm にて上記の耐熱性キャリ
ア材(1) の非金属薄膜層(2) 面に流延し、80〜120
℃で3分間乾燥後、さらに150〜160℃で5分間加
熱処理し、臭素化フェノキシエーテル樹脂系の架橋硬化
物からなる厚さ3μm の樹脂フィルム層(3) を形成させ
た。
層(3) を剥離した。剥離操作は円滑に行うことができ
た。
ルム層(3) 側に転写移行し、非金属薄膜層(2) /樹脂フ
ィルム層(3) の層構成を有する非金属薄膜層付き樹脂フ
ィルムが得られた。
トの片面に、スズの2−エチルヘキサン酸塩とフッ素ド
ーピング剤としてのSnF2 とをSn/F原子比10/
1の割合で配合した濃度20重量%のブタノール溶液を
塗布し、窒素雰囲気下に温度500℃で20分間熱分解
して、Sn O2 −F膜からなる厚さ1000オングスト
ロームの非金属薄膜層(2) を形成させた。
ルムアミドに加熱溶解して15重量%濃度の溶液を調製
した後、上記の耐熱性キャリア材(1) の非金属薄膜層
(2) 面に流延し、温度ゾーンを80℃、100℃、14
0℃に設定した乾燥炉を通過させて残存溶剤量が5重量
%になるまで乾燥を行い、樹脂フィルム層(3) を形成さ
せた。
き、炉内滞留時間25分にて加熱処理した。加熱処理後
の樹脂フィルム層(3) の厚さは14μm であった。
(1) から樹脂フィルム層(3) を剥離していったところ、
非金属薄膜層(2) は樹脂フィルム層(3) 側に転写移行
し、非金属薄膜層(2) /樹脂フィルム層(3) の層構成を
有する非金属薄膜層付き樹脂フィルムが得られた。
間の剥離強度は60g/inch、樹脂フィルム層(3) /非金
属薄膜層(2) 間の剥離強度は300g/inchであった。
に、プロピオン酸第一スズとドーピング剤としてのSb
化合物とを酸化物中のSb2 O3 が8重量%となるよう
に配合した濃度22重量%のブタノール溶液を塗布し、
乾燥後、150℃、15分の条件で空気雰囲気下に仮焼
成し、ついで500℃、40分の条件で空気雰囲気下に
本焼成し、SnO2 −Sb2 O3 膜からなる厚さ900
オングストロームの非金属薄膜層(2) を形成させた。
社製)40重量部、メチルエチルケトン40重量部、セ
ロソルブアセテート20重量部、トリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンとのアダクト体の75%
溶液(日本ポリウレタン株式会社製のコロネートL)4
0重量部よりなるフェノキシエーテル樹脂系の硬化性樹
脂溶液をアプリケーターを使用してギャップ15μm に
て上記の耐熱性キャリア材(1) の非金属薄膜層(2) 面に
流延し、60〜80℃で3分間乾燥後、さらに130〜
140℃で10分間加熱処理し、厚さ3μm のフェノキ
シエーテル樹脂系の架橋硬化物からなる樹脂フィルム層
(3) を形成させた。
層(3) を剥離した。剥離操作は円滑に行うことができ
た。
ルム層(3) 側に転写移行し、非金属薄膜層(2) /樹脂フ
ィルム層(3) の層構成を有する非金属薄膜層を有する樹
脂フィルムが得られた。
二軸延伸ポリエステルフィルムの片面にスパッタリング
法によりITOを析出させて、厚さ450オングストロ
ームの非金属薄膜層(2) を形成させた。
製)をN,N−ジメチルホルムアミドに加熱溶解して1
8重量%濃度の溶液を調製した後、上記の耐熱性キャリ
ア材(1) の非金属薄膜層(2) 面に流延し、温度ゾーンを
80℃、100℃、140℃に設定した乾燥炉を通過さ
せ、残存溶剤量が5重量%になるまで乾燥を行い、樹脂
フィルム層(3) を形成させた。
せて温度210℃の熱処理炉に導き、炉内滞留時間3分
にて連続的に加熱処理した。残存溶剤量は 0.1重量%に
まで低減した。加熱処理後の樹脂フィルム層(3) の厚さ
は2μm であった。
脂フィルム層(3) を剥離しながら紙管に巻き取っていっ
たところ、非金属薄膜層(2) は樹脂フィルム層(3) 側に
転写移行し、非金属薄膜層(2) /樹脂フィルム層(3) の
層構成を有する非金属薄膜層付き樹脂フィルムが得られ
た。
むらは±5%以内であり、また、非金属薄膜層(2) /耐
熱性キャリア材(1) 間の剥離強度は50g/inch、樹脂フ
ィルム層(3) /非金属薄膜層(2) 間の剥離強度は580
g/inchであった。
は、たとえば透明電極、透明熱反射フィルムとして有用
である。
二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、超微粒子IT
Oをトルエン/メチルエチルケトンの1/1混合溶剤に
分散させた濃度45重量%の溶液を塗布し、乾燥後、1
00℃で5分間熱処理し、ITO膜からなる厚さ800
オングストロームの非金属薄膜層(2) を形成させた。
樹脂よりなる樹脂フィルム層(3) を形成させた。
脂フィルム層(3) を剥離しながら紙管に巻き取っていっ
たところ、非金属薄膜層(2) は樹脂フィルム層(3) 側に
転写移行し、非金属薄膜層(2) /樹脂フィルム層(3) の
層構成を有する非金属薄膜層付き樹脂フィルムが得られ
た。
材(1) 上に非金属薄膜層(2) を形成しておき、その非金
属薄膜層(2) 面に樹脂の溶剤溶液を流延して樹脂フィル
ム層(3) を形成することにより、前記耐熱性キャリア材
(1) 上の非金属薄膜層(2) 面に樹脂フィルム層(3) を成
層するようにしているため、次に列挙するようなすぐれ
た効果が奏される。
法等の手段により非金属薄膜層(2)を形成させた場合に
比し、非金属薄膜層(2) /樹脂フィルム層(3) 間の層間
密着性が格段に向上する。一例をあげると、従来にあっ
ては高くとも100〜150g/inchどまりの層間密着性
しか得られなかったのに対し、たとえば300g/inch程
度の層間密着性が得られる。従って、次工程における耐
熱性キャリア材(1) から非金属薄膜層(2) /樹脂フィル
ム層(3) の積層フィルムの剥離操作も、容易かつ円滑に
行うことができる。
脂フィルム層(3) を形成させるものであるため、樹脂フ
ィルム層(3) の厚さを任意に設定でき、10μm 以下と
いうような薄手のフィルム、さらには数μm あるいはそ
れ以下というような極薄のフィルムとすることも容易で
ある。樹脂フィルム層(3) がたとえばポリパラバン酸系
樹脂薄膜であるときは、膜厚が薄いほど指数関数的に耐
屈折性が向上するので、この点でも有利となる。
リア材(1) に対して行うので、PVD、CVD等の気相
法操作や、熱分解法、塗布焼成法、ゾル−ゲル法等の塗
布法操作に際し形態安定性が保たれる。しかも、耐熱性
キャリア材(1) を選択することにより、樹脂フィルム層
(3) 上に非金属薄膜層(2) を形成させる方法では考えら
れなかったような過酷な条件にも対処しうるようにな
る。
層(2) が隣接しているので、耐熱性キャリア材(1) から
の樹脂フィルム層(3) /非金属薄膜層(2) の剥離に際
し、帯電による剥離操作トラブルを生じない。
製造工程を模式的に示した説明図である。
することによって非金属薄膜層を有する樹脂フィルムを
製造する工程を模式的に示した説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】非金属薄膜層(2) を形成した耐熱性キャリ
ア材(1) の非金属薄膜層(2) 面に、樹脂の溶剤溶液を流
延して樹脂フィルム層(3) を形成することにより、前記
耐熱性キャリア材(1) 上の非金属薄膜層(2) 面に樹脂フ
ィルム層(3) を成層し、しかるのち、その樹脂フィルム
層(3) を前記耐熱性キャリア材(1) から剥離して、前記
非金属薄膜層(2) を樹脂フィルム層(3) 側へ転写移行さ
せることを特徴とする非金属薄膜層を設けた樹脂フィル
ムの製造法。 - 【請求項2】非金属薄膜層(2) がセラミックス薄膜層で
ある請求項1記載の製造法。
Priority Applications (1)
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JP03146717A JP3101660B2 (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 非金属薄膜層を設けた樹脂フィルムの製造法 |
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JP03146717A JP3101660B2 (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 非金属薄膜層を設けた樹脂フィルムの製造法 |
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1991
- 1991-05-21 JP JP03146717A patent/JP3101660B2/ja not_active Expired - Fee Related
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