JP3100913B2 - 直線変換ネジ及び直線変換ネジを用いた直線変換装置 - Google Patents

直線変換ネジ及び直線変換ネジを用いた直線変換装置

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JP3100913B2
JP3100913B2 JP08335221A JP33522196A JP3100913B2 JP 3100913 B2 JP3100913 B2 JP 3100913B2 JP 08335221 A JP08335221 A JP 08335221A JP 33522196 A JP33522196 A JP 33522196A JP 3100913 B2 JP3100913 B2 JP 3100913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ネジによる磁
気送りと機械ネジによる機械送りとを連続させる直線変
換ネジ及び、その直線変換ネジを利用した直線変換装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】加工機のクランプ、熔接器ガンの押し付
け、あるいはビニールや厚紙等の打ち抜き等のような動
作を行なうのに、従来から種々の形式を利用した押圧装
置が採用されている。例えば、油圧又は空圧を駆動源と
した油圧シリンダ等では、シリンダ内のピストンに圧力
を加えることによって、そのピストンに連設された打ち
抜きハンマ等の押圧手段に力を伝達する。また、例え
ば、電動モータの回転出力を駆動源としたものでは、ク
ランク、トグルリンク、あるいはラックピニオンや送り
ネジ等の機構を利用し、その電動モータの回転出力を各
機構によって直線方向への駆動力に変換し、その機構に
連設された押圧手段に力を伝達する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような押
圧装置では、押圧手段を加工位置まで送る「送り工程」
と押圧手段によって打ち抜き等の加工を行なう「加工工
程」とからなり、最終動作を行なう加工工程においての
み強力な力を必要とするので、上述した油圧や空圧、又
は送りネジ等のような機構を利用した構成のものでは次
のような点で問題があった。駆動源として油圧や空圧を
利用したシリンダでは、押圧手段を直線方向に往復運動
させる際にどの位置においても同様に強力な力を有する
ものが一般的である。つまり、加工対象物に作用しない
送り工程と、加工対象物に対して押圧や締め付け等を行
なう加工工程とにおいて、押圧手段に移動方向の力を伝
達するシリンダ内には常に同様の油圧または空圧が加え
られている。そのため、強力な力を必要とする加工工程
ではともかく、そのような力を要しない送り工程におい
ては大きなエネルギ損失を伴い、非常にエネルギ効率に
悪いものであった。
【0004】また、駆動源として電動モータを利用した
ものでは、常に同じ回転数で制御しているため加工速度
の遅いものであった。即ち、加工対象物に対して押圧や
締め付け等を行なう加工工程では、大きなトルクを必要
とするため電動モータの回転数をギヤで落とすかリード
角を小さくして駆動を行なうが、加工対象物に作用しな
い送り工程では、小さなトルクでよいにもかかわらず送
りスピードを変えずに送るため全体として加工に時間が
かかるものであった。
【0005】そこで、本発明は、かかる問題点を解消す
べく、直線方向への送り速度の変換が可能な、若しくは
駆動源からの回転出力を効率良く直線方向への力へ変換
することが可能な直線変換ネジを提供すること、またこ
のような直線変換ネジを利用した直線変換装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の直線変換ネジ
は、S極着磁帯及びN極着磁帯が交互に螺旋状に形成さ
れた雄磁気ネジと螺旋状に形成された溝からなる雄機械
ネジとを同軸上に一体に備えた雄ネジと、S極着磁帯及
びN極着磁帯が交互に螺旋状に形成された雌磁気ネジと
螺旋状に形成された溝からなる雌機械ネジとを同軸上に
一体に備えた雌ネジとを有することを特徴とする。ま
た、本発明の直線変換ネジは、前記雄磁気ネジと前記雄
機械ネジとの間に所定の無着磁領域を有することが望ま
しい。本発明の直線変換ネジは、前記無着磁領域の軸方
向寸法が、雄機械ネジと雌機械ネジとが螺合した時点で
雄磁気ネジと雌機械ネジとがはずれる長さ、又は機械送
りに影響する磁力を生じない重なりを有する長さである
ことが望ましい。
【0007】また、本発明の直線変換ネジは、前記雄磁
気ネジと前記雌磁気ネジとが、それぞれ軸方向に分割さ
れた2以上の着磁領域を有し、隣合う着磁領域の着磁帯
が異なるリード角、リードピッチ又はリード角及びリー
ドピッチで形成されたものであることが望ましい。ま
た、本発明の直線変換ネジは、前記雄機械ネジに隣接す
る前記雄磁気ネジの着磁領域及び前記雌機械ネジに隣合
う前記雌磁気ネジの着磁領域が、当該雄磁気ネジの及び
当該雌磁気ネジの他の着磁領域に比べリード角の小さい
減速領域であることが望ましい。また、本発明の直線変
換ネジは、前記雄機械ネジの歯底内径が、前記雄磁気ネ
ジの径より大きい。
【0008】一方、本発明の直線変換装置は、回転が制
限された軸材に対し、螺旋状のS極着磁帯及びN極着磁
帯からなる雄磁気ネジと螺旋状の溝からなる雄機械ネジ
とが形成された雄ネジと、回転出力手段からの回転出力
を受けて回転する円筒体に対し、その内周面に螺旋状の
S極着磁帯及びN極着磁帯からなる雌磁気ネジと螺旋状
の溝からなる雌機械ネジとが形成された雌ネジとを有
し、前記円筒体の回転によって、前記雄磁気ネジと前記
雌磁気ネジとの間で作用する磁気送りによる前記軸材の
直線方向への移動と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネジ
との間で作用する機械送りによる前記軸材の直線方向へ
の移動とが連続して行なわれることを特徴とする。
【0009】また、本発明の直線変換装置は、回転出力
手段からの回転出力を受けて回転する軸材に対し、螺旋
状のS極着磁帯及びN極着磁帯からなる雄磁気ネジと螺
旋状の溝からなる雄機械ネジとが形成された雄ネジと、
回転が制限された円筒体に対し、その内周面に螺旋状の
S極着磁帯及びN極着磁帯からなる雌磁気ネジと螺旋状
の溝からなる雌機械ネジとが形成された雌ネジとを有
し、前記軸材の回転によって、前記雄磁気ネジと前記雌
磁気ネジとの間で作用する磁気送りによる前記円筒体の
直線方向への移動と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネジ
との間で作用する機械送りによる当該円筒体の直線方向
への移動とが連続して行なわれることを特徴とする。
【0010】また、本発明の直線変換装置は、前記軸材
または前記円筒体が、回転数を変えて伝達可能な歯車又
はベルトを介して回転出力手段に係設されたものである
ことが望ましい。また、本発明の直線変換装置は、前記
雄ネジの形成された軸材が、回転出力手段に対して直接
接続されたものであることが望ましい。また、本発明の
直線変換装置は、前記回転出力手段が、直線方向へ移動
する前記円筒体又は前記回転体に対して所定の負荷がか
かると供給電流が増加するものであって、その電流値を
比較して前記回転出力手段の回転を反転又は停止させる
制御信号を出力する比較手段と、その比較手段が制御信
号を出力する際の負荷に対応する電流値を設定する設定
手段とを有するものであることが望ましい。
【0011】以上のような構成を有する本発明の直線変
換ネジは、前記雄磁気ネジと前記雌磁気ネジとの間の磁
力作用による機械送と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネ
ジとの間で作用する機械送りとが連続して行なわれるの
で、雄ネジ又は雌ネジの一方の回転によって他方が直線
方向へ移動する際に、磁気送りによる高速移動と機械送
りによる推力の大きい移動とを組み合わせることで、駆
動源からの力を効率良く伝達することが可能となった
【0012】また、本発明の直線変換ネジは、前記雄磁
気ネジと前記雌磁気ネジをそれぞれ軸方向に分割された
2以上の着磁領域に分割し、隣合う着磁領域の着磁帯を
異なるリード角、リードピッチ又はリード角及びリード
ピッチで着磁するようにすれば、直線方向へ移動する雄
ネジまたは雌ネジの移動スピードや推力の大きさを調節
することができる。また、本発明の直線変換ネジは、機
械ネジに隣合う磁気ネジの着磁領域を当該磁気ネジの他
の着磁領域に比べリード角の小さい減速領域とすれば、
当該領域の磁力作用によって回転方向に生じるバネ性が
大きくなり、磁気送りから機械送りへの移行がスムーズ
になる。また、本発明の直線変換ネジは、前記雄機械ネ
ジの歯底内径が前記雄磁気ネジの径より大きいので、磁
気ネジをそのままにして機械ネジの径だけを必要に応じ
て大きくすれば機械送りによって生じる推力を大きくす
ることができる。
【0013】上記構成を有する本発明の直線変換装置
は、円筒体の回転により前記雄磁気ネジと前記雌磁気ネ
ジとの間で作用する磁気送りによる前記軸材の直線方向
への移動と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネジとの間で
作用する機械送りによる当該軸材の直線方向への移動と
を連続して行なうので、その円筒体を回転させる回転出
力手段の消費電力を削減することに寄与し、直線方向へ
の移動に関してエネルギ効率の良い操作が可能となる。
また、本発明の直線変換装置は、軸材の回転により前記
雄磁気ネジと前記雌磁気ネジとの間で作用する磁力によ
る前記円筒体の直線方向への移動と、前記雄機械ネジと
前記雌機械ネジとの間で作用する機械送りによる当該円
筒体の直線方向への移動とを連続して行うので、その軸
材を回転させる回転出力手段の消費電力を削減すること
に寄与し、直線方向への移動に関してエネルギ効率の良
い操作が可能となる。
【0014】また、本発明の直線変換装置は、前記軸材
または前記円筒体と前記回転出力手段とを回転数を変え
て伝達可能な歯車又はベルトを介して係設したので、軸
材または円筒体の直線方向の移動速度を変更することが
できる。また、本発明の直線変換装置は、前記雄ネジの
形成された軸材を回転出力手段に対して直接接続すれ
ば、装置自体をコンパクト化することができる。また、
本発明の直線変換装置は、前記回転出力手段の電流値を
比較し、設定手段によって設定した負荷に対して比較手
段が出力する制御信号によって当該回転出力手段の回転
を制御するので、前記軸材または前記円筒体にかかる最
大負荷を一定にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる直線変換ネ
ジの一実施の形態について図面を参照して説明する。図
1は、本実施の形態の直線変換ネジを示した断面図であ
る。この直線変換ネジを構成する雄ネジ1は、雄磁気ネ
ジ1aと雄機械ネジ1bとが軸方向に連設して形成され
ている。一方、雌ネジ2は、円筒体3の貫通孔3a内に
雌磁気ネジ2aと雌機械ネジ2bとが軸方向に連設して
形成されている。ここで、磁気ネジについて更に具体的
に説明する。図2は、磁気ネジを用いた磁気ネジ機構を
示した斜視図である。雄磁気ネジ11は、回転可能なロ
ッド表面にS極及びN極の帯状のマグネットが交互に螺
旋状に着磁され、一方雌磁気ネジ(不図示)は、ブロッ
ク12に形成された貫通孔12a内に、S極及びN極の
帯状のマグネットが螺旋状に巻き込むように着磁された
雌磁気ネジ14が形成されている。
【0016】このとき、雄磁気ネジ11とブロック12
内に形成された雌磁気ネジ2aとが互いに接触しないよ
う、所定の隙間を空けるようにして配設されている。ま
た、雄磁気ネジ1aが雌機械ネジ2bに接触して削られ
る等の破損を防止するため、雄磁気ネジ1aの外径dよ
り雄機械ネジ1bの歯底内径Dを大きくする必要があ
る。また、雄磁気ネジ1a及び雌磁気ネジ2aは、強磁
性材料(例えば鉄、酸化鉄、ニッケル、コバルト若しく
はこれらを主成分とする合金その他の化合物等)が使用
される。これは、磁力線の発生密度を増加させるためで
ある。
【0017】そして、このような構成からなる磁気ネジ
送り機構では、雄磁気ネジの形成されたロッドに不図示
のモータによって回転が与えられると、雄磁気ネジ1a
及び雌磁気ネジ2aとの間でマグネットの磁力作用が生
じ、スライドガイド13,13に支えられたブロック1
2が雄磁気ネジ1aの回転に伴って直線的に移動するこ
ととなる。一方、モータを逆に回転させれば、雄磁気ネ
ジ1aと雌磁気ネジ2aのマグネットには逆に磁力が作
用してブロック12が復動することとなる。従って、図
1に示した直線変換ネジは、例えば円筒体3の回転を制
限して雄ネジ1のみを回転させれば、雄機械ネジ1bと
雌機械ネジ2bとが螺合していない場合には、雄磁気ネ
ジ1aと雌磁気ネジ2aとの間の磁力作用による送り
(以下、「磁気送り」という)によって、また雄機械ネ
ジ1bと雌機械ネジ2bとが螺合した場合には、その螺
合による送り(以下、「機械送り」という)によって円
筒体3が直線方向に移動する。
【0018】ところで、上述したように雄機械ネジ1b
の歯底内径Dが雄磁気ネジ1aの外径dより大きければ
よいため、必要に応じて雄機械ネジ1b及び雌機械ネジ
2bの径を大きくすれば、それだけ機械送りによる大き
な推力を得ることができる。
【0019】次に、本発明にかかる直線変換ネジを利用
した直線変換装置の第一実施の形態について図面を参照
して説明する。図3は、直線変換装置の一例であるモー
タシリンダを示した断面図である。モータシリンダ21
は、雄ネジ22が形成されたロッド23が箱体をなすハ
ウジング24を貫いて支持される一方、そのハウジング
24内には、誘導モータによって回転する雌ネジ26が
形成された円筒形状の回転体27が配設されて構成され
ている。雄ネジ22は、図1に示すものと同様に雄磁気
ネジ22aと雄機械ネジ22bとが軸方向に連設して形
成されたものであり、その図面左端にはハンマ等の加工
手段を取り付けるための取付部28が設けられ、図面右
端にはロッド23の回転を規制する回転留ロッド29が
延設されている。
【0020】ここで、雄磁気ネジ22aは、ロッド23
表面に配設された磁石材料にS極及びN極の帯状のマグ
ネットが交互に螺旋状に着磁され、雄機械ネジ22b
は、ロッド23に螺旋状の溝が切られて形成されてい
る。一方、雌ネジ26も図1に示すものと同様に雌磁気
ネジ26aと雌機械ネジ26bとが回転体27内に連続
して形成されている。この雌ネジ26は、雌磁気ネジ2
6aが、回転体27内に配設された磁石材料にS極及び
N極の帯状のマグネットが螺旋状に巻き込むように着磁
され、雌機械ネジ26bは、回転体27内に螺旋状の溝
が切られて形成されている。
【0021】回転体27は、ハウジング24内で回転可
能なようにベアリング30a,30bによって回転可能
に支持されている。また、雄ネジ22及び雌ネジ26
は、雄機械ネジ22bと雌機械ネジ26bとは螺合する
が、雄磁気ネジ22aと雌磁気ネジ26aとは互いに接
触しないように所定の隙間を空けるようにして配設され
ている。更に、回転体27の外周側には円筒形状の回転
子31が固定され、その外側にわずかなギャップを隔て
て同軸上に固定子32がハウジング24に固定されてい
る。
【0022】そこで、このような構成からなる本実施の
形態のモータシリンダ21は、次のように作用する。固
定子32への通電によって、回転子31と固定子32間
のエアギャップに回転磁界を生じ、電気エネルギが機械
エネルギに変換されて回転子31が所定方向に回転する
こととなる。回転子31が回転すると、一体に固定され
た回転体27もベアリング30a,30bに支持されて
同様に回転することとなり、その回転体27の内周面に
形成された雌磁気ネジ26aが回転することとなる。
【0023】雌磁気ネジ26aが回転すれば、雌磁気ネ
ジ26aを構成するS極着磁体26S 及びN極着磁体2
6N と、雄磁気ネジ22aを構成するN極着磁体22N
及びS極着磁体22S との間に作用する磁力によって吸
引力が働く。そして、ロッド23が回転留ロッド29に
よって回転が規制されているため、雄磁気ネジ22aが
雌磁気ネジ26aの回転に追随して磁気送りされ、ロッ
ド23が直線方向に移動することとなる。従って、ロッ
ド23がA方向へ直線移動する場合には、雄機械ネジ2
2bと雌機械ネジ26bとが螺合するまでは磁気送りに
よって移動することとなる。
【0024】そして、ロッド23が移動して雄機械ネジ
22bが雌機械ネジ26bに螺合した場合には、ロッド
23の移動が機械送りに切り換えられる。そのため、固
定子32への通電によって回転子31及び回転体27が
回転を続けると、雄機械ネジ22bと雌機械ネジ26b
との螺合による機械送りによってロッド23が更にA方
向への直線移動を続けることとなる。このとき雄磁気ネ
ジ22aと雌磁気ネジ26aとは、脱調を繰り返し機能
することはない。一方、ロッド23がA方向とは逆へ移
動する場合には、固定子32の逆回転により雌機械ネジ
26bが逆回転し、それによって雄機械ネジ22bが送
り出される。そして、雄機械ネジ22bが雌機械ネジ2
6bから外れると、脱調していた雄磁気ネジ22aと雌
磁気ネジ26aとの逆極性の着磁体22N ,26S 及び
22S ,26N 同士が吸引し合い、その後両者の間に作
用する磁力によって更に図面右方へ直線移動することと
なる。
【0025】よって、本実施の形態のモータシリンダ2
1では、雄機械ネジ22bと雌機械ネジ26bとが螺合
していない状態では、雄磁気ネジ22aと雌磁気ネジ2
6aとの磁気送りによって直線移動する。従って、ロッ
ド23の軸方向に作用する推力は小さいが高速移動が可
能となる。特に、回転子31の回転数を一定にしたまま
雄磁気ネジ22a及び雌磁気ネジ26aを構成する着磁
体のリードピッチの設定を変えることにより移動速度を
調節することができるので、そのリードピッチを大きく
することで高速移動が可能となる。また、推力が小さい
ので回転子31及び固定子32からなる誘導モータにか
かる負荷が少なくエネルギ損失も少ないため、省エネに
大きく寄与するものである。
【0026】更に、雄磁気ネジ22a及び雌磁気ネジ2
6aによって高速移動が可能となるとともに、ロッド2
3の移動が雄機械ネジ22b及び雌機械ネジ26bの機
械送りに移行すると、ロッド23の移動速度は遅くなる
ものの大きな推力を得ることができる。従って、このモ
ータシリンダ21を打ち抜き機等に使用した場合、加工
対象物を打ち抜く加工工程の段階で雄機械ネジ22b及
び雌機械ネジ26bの機械送りを利用し、その加工工程
に至るまでの送り工程の段階には、雄磁気ネジ22a及
び雌磁気ネジ26aの磁気送りを利用することとすれ
ば、加工時間の大幅な短縮とともに省エネによる加工を
行うことが可能である。
【0027】次に、本発明にかかる直線変換装置の第二
実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の
形態の直線変換装置は、上記第一実施の形態のものとほ
ぼ同様な構成をなすモータシリンダであり、特に雄ネジ
及び雌ネジからなる直線変換ネジについて特徴を有する
ため、その構成のみについて説明する。図4は、第二実
施の形態のモータシリンダを構成する雄ネジ及び雌ネジ
からなる直線変換ネジを示した断面図である。本実施の
形態での直線変換ネジ41は、雄ネジ及び雌ネジがそれ
ぞれ雄機械ネジ42または雌機械ネジ43と、それらに
一体に形成された雄磁気ネジまたは雌磁気ネジとを備え
たものであり、異なる形態の着磁帯が着磁された複数の
着磁領域を有する点に特徴を有する。
【0028】そこで、回転体44に形成された雌ネジに
は、雌機械ネジ43に続いて減速領域45と高速領域4
6とに区別された雌磁気ネジが連設されている。この減
速領域45には、N極着磁帯45N とS極着磁帯45S
とが第1傾斜角度θ1 で平行螺旋状に着磁され、高速領
域46には、N極着磁帯46N 及びS極着磁帯46S が
第2傾斜角度θ2 (>θ1 )で平行螺旋状に着磁されて
いる。また、減速領域45に着磁されたN極着磁帯45
N 及びS極着磁帯45S のリードピッチpは、高速領域
46に着磁されたN極着磁帯46N 及びS極着磁帯46
SのリードピッチPより小さい寸法で形成されている。
【0029】一方、ロッド50に形成された雄ネジに
は、雄機械ネジ42に対し無着磁領域47を介して減速
領域48と高速領域49とに区別された雄磁気ネジが連
設されている。この減速領域48と高速領域49は、雌
磁気ネジに対になるように構成され、減速領域48に
は、N極着磁帯48N とS極着磁帯48S とが第1傾斜
角度θ1 で平行螺旋状に着磁され、高速領域49には、
N極着磁帯49N 及びS極着磁帯49S が第2傾斜角度
θ2 で平行螺旋状に着磁されている。また、減速領域4
8に着磁されたN極着磁帯48N 及びS極着磁帯48S
は、リードピッチpで、高速領域49に着磁されたN極
着磁帯49N 及びS極着磁帯49S は、リードピッチP
でそれぞれ形成されている。なお、雄磁気ネジ及び雌磁
気ネジの減速領域45,48は、ともに軸方向寸法がほ
ぼ一致するように形成され、無着磁領域47は、雌機械
ネジ43の軸方向寸法にほぼ一致するように形成されて
いる。
【0030】次に、以上のような構成をなす直線変換ネ
ジ41を有するモータシリンダにおいて、不図示の誘導
モータによって回転体44が回転した際の直線変換ネジ
41の作用について説明する。先ず、ロッド50がB方
向へ移動する場合、回転体44を貫いた雄磁気ネジの大
部分を構成する高速領域49の着磁帯が作用する。即
ち、回転体44の回転により雌磁気ネジが回転すると、
同一形態で着磁された高速領域46,49の着磁帯の間
で作用する磁力によってロッド50が吸引され磁気送り
されることとなる。このとき、異なる形態で着磁された
雌磁気ネジを構成する減速領域45の着磁帯は、脱調状
態を繰り返すことになる。従って、ロッド50は、リー
ドピッチの大きい高速領域46,49の着磁帯によって
高速移動することとなる。
【0031】そして、ロッド50のB方向への移動によ
り、雄磁気ネジを構成する減速領域48が雌磁気ネジを
構成する減速領域45に進入すると、同一形態で着磁さ
れた両着磁帯が重なり合い異なる極性同士で吸引し合う
こととなる。そのため、高速領域46,49間は脱調状
態となり、ロッド50の移動が減速領域45,48の着
磁帯の間で作用する磁力の影響を受けることとなる。従
って、ロッド50は、リードピッチの小さい減速領域4
5,48の磁気送りに従うため、それまでの移動速度が
減速され低速移動へ移行することとなる。そして、ロッ
ド50が更に移動して雄機械ネジ42が雌機械ネジ43
に螺合すると、ロッド50の移動が機械送りに切り換え
られる。なお、ロッド50がB方向とは逆へ移動する場
合には、以上の動作が逆の順序で作用する。
【0032】よって、本実施の形態の直線変換ネジ41
を用いたモータシリンダによれば、上述した第一実施の
形態のものと同様な効果を奏するとともに、雄磁気ネジ
及び雌磁気ネジに減速領域45,48を設けたため、磁
気送りによる高速移動から機械送りによる低速移動への
移行がスムーズに行えるようになった。即ち、減速領域
45,48のリード角を小さくしたことにより、両着磁
帯の間に作用する磁力によって回転方向へのバネ性が大
きくなるため、雄機械ネジ42及び雌機械ネジ43が螺
合する際の衝撃を緩和し、スムーズな移動が可能となっ
た。
【0033】次に、本発明にかかる直線変換装置の第三
実施の形態について図面を参照して説明する。図5は、
直線変換装置の一例である電動増力シリンダを示した断
面図である。電動増力シリンダ51は、組立本体54に
支持されたロッド53に雄ネジ52が形成され、その組
立本体54に固設された駆動モータ55からの回転出力
を受けて回転する円筒形状の回転体57に雌ネジ56が
形成されている。直線変換ネジを構成する雄ネジ52及
び雌ネジ56は上記第一実施の形態のものと同様な構成
をなし、それぞれ雄磁気ネジ52aと雄機械ネジ52b
とがロッド53に連続して形成され、雌磁気ネジ56a
と雌機械ネジ56bとが回転体57内に連続して形成さ
れている。そして、ロッド53には、雄磁気ネジ52a
が形成された図面下方端に押圧ロッド58が延設される
一方、雄機械ネジ52bが形成された図面上方端には回
転留ロッド59が延設されている。この押圧ロッド58
及び回転留ロッド59は、組立本体54に設けられたブ
ッシュ60a,60bによって摺動可能に支持されてい
る。
【0034】一方、組立本体54に固設された駆動モー
タ55の出力軸には、モータ側歯車61と一体の回転軸
62が同軸上に連結されている。この回転軸62は、組
立本体54に設けられたベアリング63a,63bによ
って回転可能に支持されている。また、回転体57の外
周側にも回転受歯車64が固定され、モータ側歯車61
と回転受歯車64とが噛合して配設されている。このと
き、回転体57は、組立本体54に設けられたベアリン
グ65a,65bによって回転可能に支持されている。
【0035】そこで、このような構成からなる本実施の
形態の電動増幅シリンダ51では、次のように作用す
る。駆動モータ55への通電によって回転出力が回転軸
62へ伝達されモータ側歯車61が回転し、その回転が
回転受歯車64を介して伝達され回転体57が回転す
る。そのため、上記第一実施の形態と同様に雌ネジ56
の回転が、雄ネジ52との間で作用する磁気送り又は機
械送りに変換され、駆動モータ55の回転により押圧ロ
ッド58が図面上を上下に直線移動し、不図示の加工対
象物の打ち抜き加工等が行なわれる。
【0036】よって、本実施の形態の電動増力シリンダ
51では、上記第一実施の形態のモータシリンダ21と
同様、雄機械ネジ52bと雌機械ネジ56bとが螺合し
ていない状態では、雄磁気ネジ52aと雌磁気ネジ56
aとの磁気送りによってロッド53の高速移動が可能と
なる。特に、本実施の形態では、駆動モータ55の出力
をモータ側歯車61及び回転受歯車64によって雌ネジ
56を回転させるようにしたため、歯車比の変更により
回転体57の回転数を調整しロッド53の直線方向の移
動速度を変更することができる。また、この場合推力が
小さいので駆動モータ55にかかる負荷が少なくエネル
ギ損失も少ないため、省エネに大きく寄与するものであ
る。
【0037】更に、雄磁気ネジ52a及び雌磁気ネジ5
6aによって高速移動が可能となるとともに、ロッド5
3の移動が雄機械ネジ52b及び雌機械ネジ56bの機
械送りに移行すると、ロッド53の移動速度は遅くなる
ものの大きな推力を得ることができる。従って、この電
動増力シリンダ51を打ち抜き機等に使用した場合、加
工対象物を打ち抜く加工工程の段階で雄機械ネジ52b
及び雌機械ネジ56bの機械送りを利用し、その加工工
程に至るまでの送り工程の段階では、雄磁気ネジ52a
及び雌磁気ネジ56aの磁気送りを利用することとすれ
ば、加工時間の大幅な短縮とともに省エネ加工が可能と
なる。
【0038】次に、本発明にかかる直線変換装置の第四
実施の形態について図面を参照して説明する。図6は、
直線変換装置である電動増力シリンダを示した断面図で
ある。電動増力シリンダ71は、組立本体74に固設さ
れた駆動モータ75からの回転出力を受けて回転するロ
ッド73に雄ネジ72が形成され、そのロッド73に沿
って移動可能に支持された円筒形状の円筒体77に雌ネ
ジ76が形成されて構成されている。直線変換ネジを構
成する雄ネジ72及び雌ネジ76は上記第一実施の形態
のものと同様な構成をなし、それぞれ雄磁気ネジ72a
と雄機械ネジ72bとがロッド73に連続して形成さ
れ、雌磁気ネジ76aと雌機械ネジ76bとが円筒体7
7内に連続して形成されている。
【0039】そして、本実施の形態では、雌ネジ76の
形成された円筒体77に複数の支軸78,78…が固設
され、その端部に押圧板79が固着されている。支軸7
8,78…は、組立本体74に設けられたブッシュ8
0,80…によって摺動可能に支持されている。従っ
て、雌ネジ76が回転することはない。一方、組立本体
74に固設された駆動モータ75の出力軸には、ロッド
73が同軸上に連結され、組立本体74に設けられたベ
アリング83a,83bによって回転可能に支持されて
いる。
【0040】そこで、このような構成からなる本実施の
形態の電動増幅シリンダ71では、次のように作用す
る。先ず、図6の状態から駆動モータ75が通電される
と、駆動モータ75の回転出力がロッド73へ伝達され
直接雄ネジ72が回転する。そのため、雄磁気ネジ72
aと雌磁気ネジ76aとの間に作用する磁力によって吸
引力が働き、雌磁気ネジ76aが回転する雄磁気ネジ7
2aに吸引され、円筒体77が磁気送りによって図面下
方へ直線移動することとなる。
【0041】そして、円筒体77が図面下方へ移動して
雌機械ネジ76bが雄機械ネジ72bに螺合した場合に
は、円筒体77の移動が機械送りに切り換えられる。こ
のとき雄磁気ネジ72aと雌磁気ネジ76aとは、脱調
を繰り返し機能することはない。なお円筒体77が、図
面上方へ移動する場合には、以上の動作が逆の順序で作
用する。
【0042】よって、本実施の形態の電動増力シリンダ
71では、上記第三実施の形態の電動増力シリンダ51
と同様、雄磁気ネジ72aと雌磁気ネジ76aとの磁気
送りによって円筒体77の高速移動が可能となる。ま
た、この場合推力が小さいので駆動モータ75にかかる
負荷が少なくエネルギ損失も少ないため、省エネに大き
く寄与するものである。また、円筒体77の移動が雄機
械ネジ57b及び雌機械ネジ76bの機械送りに移行す
ると、円筒体77の移動速度は格段に遅くなるものの大
きな推力を得ることができ、押圧板79によって加工対
象物に対して高い圧力を加えることができる。
【0043】従って、この電動増力シリンダ71を打ち
抜き機等に使用した場合、加工対象物を打ち抜く加工工
程の段階で雄機械ネジ72b及び雌機械ネジ76bの機
械送りを利用し、その加工工程に至るまでの送り工程の
段階では、雄磁気ネジ72a及び雌磁気ネジ76aの磁
力作用による送りを利用することとすれば、加工時間の
大幅な短縮とともに省エネ加工が可能となった。更に、
本実施の形態に電動増力シリンダ71はロッド73に直
接駆動モータ75の出力軸を連結したため、電動増力シ
リンダ71全体のコンパクト化を図ることができた。
【0044】次に、上述した第一、第三及び第四実施の
形態で示したモータに関する第五実施の形態について図
面を参照して説明する。図7は、モータの制御装置を示
したブロック図である。モータ91には、負荷がかかる
と電流が増えるものが使用される直流モータを使用す
る。このモータ91には直流電圧Vccがかけられ、抵
抗92,93を介してグランド及びオペアンプ94のマ
イナス側入力端子に接続されている。オペアンプ94
は、プラス側入力端子がグランドに接続されるととも
に、出力端子が帰還抵抗95を介してマイナス側入力端
子に接続されて増幅回路が構成されている。一方、オペ
アンプ94の出力端子は更にコンパレータ96のマイナ
ス側入力端子に接続されている。また、直流電圧Vcc
には抵抗97及び可変抵抗98、抵抗99を介してグラ
ンドに接続され、コンパレータ96のプラス側入力端子
を可変抵抗98に接続して比較回路が構成されている。
【0045】従って、このような構成からなる制御装置
により、モータ91に電流が流されると上述した各実施
の形態の直線変換装置のような動作が実行されるが、機
械送りによって対象物をプレス加工等のように型に対し
て加工品を押し続ける場合、押し付けた状態でモータ9
1に最も大きな負荷がかかることとなる。一方、コンパ
レータ96のプラス側入力端子に入力される電流値と、
増幅されたモータ91の出力値とを比較し、モータ91
への電流値が増加したことが検出された場合にはコンパ
レータ96から制御信号が出力され、モータ91が反転
または停止する。従って、本実施の形態では、可変抵抗
98の値を加工品を型に押し付けたときの負荷がかかっ
た場合の電流値に合わせて設定することにより、その負
荷に対応する機械ネジの締め付け力を調節することが可
能となり、一定の圧力で加工することが可能となった。
【0046】ところで、前述した各直線変換ネジは、雄
機械ネジが雌機械ネジに螺合することによって送りが機
械ネジに支配された場合、雄磁気ネジと雌磁気ネジとの
脱調が繰り返えされるものであった。そうした場合、機
械ネジの螺進に対して磁気ネジの脱調力、即ち磁力によ
る吸引力及び反発力が抵抗となって作用するため、雄機
械ネジと雌機械ネジとによる直線方向の送りに影響を及
ぼすことになりかねない。そこで、このような点を考慮
した直線変換ネジの一実施の形態を図8に示した。な
お、直線変換装置の第二実施の形態で無着磁領域47を
示したが、これは減速領域45,48の脱調による大き
い抵抗を回避するためのものであるが、本実施例では更
にその効果を追求したものであるといえる。
【0047】そこで、本実施の形態の直線変換ネジ10
1は、雄ネジ101が、雄磁気ネジ101aと雄機械ネ
ジ101bとが一体に形成されたものである一方、雌ネ
ジ102が、円筒体103の貫通孔103a内に雌磁気
ネジ102aと雌機械ネジ102bとが軸方向に連設し
て形成されている。そして、本実施の形態のものの特徴
は、雄磁気ネジ101aと雄機械ネジ101bとの間に
無着磁領域101cが形成されている点にある。特に、
その無着磁領域101cの寸法L1が、機械送りに影響
する磁力を生じない重なりを有する長さ、即ち寸法L2
より若干小さい点に特徴を有する。
【0048】そこで、このような直線変換ネジでは、雌
ネジ102の回転に対し雄ネジ101がC方向に移動す
る場合、図の位置から次第に磁気ネジ101a,102
aの重なり部分が縮小してくが、この段階では磁力の作
用によって磁気送りが行われている。そして、無着磁領
域101cがほぼ雌ネジ102の全ストロークにわたっ
て位置する段階では、磁力作用による磁気送りの影響は
ほとんどなくなり、雄磁気ネジ101のA方向への移動
は慣性力によって継続される。その後、A方向に移動す
る雄機械ネジ101bが雌機械ネジ102bに螺合する
ことで機械送りによる雄ネジ101の移動に引き継がれ
る。従って、磁気ネジ101a,102aの脱調による
抵抗が機械ネジ101b,102bの直線運動力に影響
を与えず、スムーズな機械送りが可能となった。
【0049】以上、本発明の直線変換ネジ及びその直線
変換ネジを利用した直線変換装置について説明してきた
が、本発明は上記各実施の形態のものに限定されるわけ
ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可
能である。例えば、第二実施の形態のモータシリンダで
は、直線変換ネジを図4で示したように減速領域を設け
るようにしたが、更に移動速度を変えるべく異なる形態
の着磁帯、即ち着磁帯のリードピッチまたはリード角を
変更して着磁した着磁領域を設けるようにした直線変換
ネジとしてもよい。また、第二実施の形態では雄磁気ネ
ジ及び雌磁気ネジの隣り合う着磁領域を連続して設けた
が、その間に無着磁領域を設けるようにしてもよい。ま
た、例えば、上記第三実施の形態ではモータの回転を歯
車を使用して伝達するようにしたが、ベルトを使用する
等してもよい。
【0050】また、上記実施の形態では、直線変換装置
の一例としてモータシリンダ及び電動増力シリンダを示
して説明したが、それ以外の応用も十分に可能である。
例えば、直線変換ネジであるモータシリンダとトグルリ
ンク機構を組み合わせたクランプユニットが挙げられ
る。具体的には、図9に示すように、支持板111に回
転可能に支持されたモータシリンダ112の雄ネジ11
2a端部にトグルリンク113を介して押え金具114
を係設したものである。これによれば、図に示すように
押え金具114が水平に折れ、不図示の加工対象物を矢
印Dの方向に押圧する作業時には、モータシリンダ11
2内で機械ネジが螺合し回転力が雄ネジ112aの直線
方向への力に変換され、それがトグルリンク113を介
して伝達される。一方、非作業時にはモータシリンダ1
12の回転が反転し、雄ネジ112aが矢印Eの方向へ
移動すると押え金具114はトグルリンク113を介し
て反時計方向に回転し、垂直に立ち上がる。
【0051】
【発明の効果】本発明の直線変換ネジは、S極着磁帯及
びN極着磁帯が交互に螺旋状に形成された雄磁気ネジと
螺旋状に形成された溝からなる雄機械ネジとを同軸上に
一体に備えた雄ネジと、S極着磁帯及びN極着磁帯が交
互に螺旋状に形成された雌磁気ネジと螺旋状に形成され
た溝からなる雌機械ネジとを同軸上に一体に備えた雌ネ
ジとを有するので、直線方向への送り速度の変換が可能
となり、若しくは駆動源からの回転出力を効率良く直線
方向への力へ変換することが可能となった。また、本発
明の直線変換ネジは、雄磁気ネジと雄機械ネジとの間に
所定の無着磁領域、例えば軸方向寸法が、雄機械ネジと
雌機械ネジとが螺合した時点で雄磁気ネジと雌機械ネジ
とがはずれる長さ、又は機械送りに影響する磁力を生じ
ない重なりを有する長さ有する無着磁領域を有するの
で、機械ネジが螺合した時点で磁気ネジによる磁力から
解放されスムーズな機械送りが可能となった。
【0052】また、本発明の直線変換ネジは、雄磁気ネ
ジと雌磁気ネジとが、それぞれ軸方向に分割された2以
上の着磁領域を有し、隣合う着磁領域の着磁帯が異なる
リード角、リードピッチ又はリード角及びリードピッチ
で着磁するよう構成したので、直線方向へ移動する雄ネ
ジまたは雌ネジの移動スピードや推力の大きさを調節す
ることが可能となった。また、本発明の直線変換ネジ
は、雄機械ネジに隣接する雄磁気ネジの着磁領域及び雌
機械ネジに隣接する雌磁気ネジの着磁領域が、当該雄磁
気ネジの及び当該雌磁気ネジの他の着磁領域に比べリー
ド角の小さい減速領域とした構成としたので、当該減速
領域の磁力作用によって回転方向に生じるバネ性が大き
くなり、磁気ネジによる高速移動から機械ネジへの移行
がスムーズになった。
【0053】また、本発明の直線変換ネジは、前記雄機
械ネジの歯底内径が前記雄磁気ネジの径より大きいの
で、磁気ネジをそのままにして機械ネジの径だけを必要
に応じて大きくすれば機械送りによって生じる推力を大
きくすることができるようになった。
【0054】一方、本発明の直線変換装置は、回転が制
限された軸材に対し、螺旋状のS極着磁帯及びN極着磁
帯からなる雄磁気ネジと螺旋状の溝からなる雄機械ネジ
とが形成された雄ネジと、回転出力手段からの回転出力
を受けて回転する円筒体に対し、その内周面に螺旋状の
S極着磁帯及びN極着磁帯からなる雌磁気ネジと螺旋状
の溝からなる雌機械ネジとが形成された雌ネジとを有
し、前記円筒体の回転によって、前記雄磁気ネジと前記
雌磁気ネジとの間で作用する磁気送りによる前記軸材の
直線方向への移動と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネジ
との間で作用する機械送りによる前記軸材の直線方向へ
の移動とが連続して行なわれる構成としたので、直線方
向への送り速度の変換が可能なもの、若しくは直線方向
への移動に関してエネルギ効率の良いものとなった。
【0055】また、本発明の直線変換装置は、回転出力
手段からの回転出力を受けて回転する軸材に対し、螺旋
状のS極着磁帯及びN極着磁帯からなる雄磁気ネジと螺
旋状の溝からなる雄機械ネジとが形成された雄ネジと、
回転が制限された円筒体に対し、その内周面に螺旋状の
S極着磁帯及びN極着磁帯からなる雌磁気ネジと螺旋状
の溝からなる雌機械ネジとが形成された雌ネジとを有
し、前記軸材の回転によって、前記雄磁気ネジと前記雌
磁気ネジとの間で作用する磁気送りによる前記円筒体の
直線方向への移動と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネジ
との間で作用する機械送りによる当該円筒体の直線方向
への移動とが連続して行なわれる構成としたので、直線
方向への送り速度の変換が可能なもの、若しくは直線方
向への移動に関してエネルギ効率の良いものとなった。
【0056】また、本発明の直線変換装置は、前記軸材
または前記円筒体が、回転数を変えて伝達可能な歯車又
はベルトを介して回転出力手段に係設した構成としたの
で、軸材または円筒体の直線方向の移動速度を変更する
ことが可能となった。また、本発明の直線変換装置は、
雄ネジの形成された軸材が、回転出力手段に対して直接
接続した構成としたので、装置自体をコンパクト化する
ことが可能となった。また、本発明の直線変換装置は、
前記回転出力手段が、直線方向への移動する前記円筒体
又は前記回転体に対して所定の負荷がかかると供給電流
が増加するものであって、その電流値を比較して前記回
転出力手段の回転を反転又は停止させる制御信号を出力
する比較手段と、その比較手段が制御信号を出力する際
の負荷に対応する電流値を設定する設定手段とを有する
ので、軸材または円筒体にかかる圧力を一定値に設定す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる直線変換ネジの実施の形態を示
した断面図である。
【図2】磁気ネジを用いた磁気ネジ送り機構を示した斜
視図である。
【図3】本発明にかかる直線変換装置の第一実施の形態
であるモータシリンダを示した断面図である。
【図4】第二実施の形態の直線変換装置における直線変
換ネジを示した断面図である。
【図5】本発明にかかる直線変換装置の第三実施の形態
である電動増力シリンダを示した断面図である。
【図6】本発明にかかる直線変換装置の第四実施の形態
である電動増力シリンダを示した断面図である。
【図7】モータの制御装置を示したブロック図である。
【図8】直線変換ネジの実施の形態を示した断面図であ
る。
【図9】モータシリンダとトグルリンク機構を組み合わ
せたクランプユニットを示した図である。
【符号の説明】
1 雄ネジ 1a 雄磁気ネジ 1b 雄機械ネジ 2 雌ネジ 2a 雌磁気ネジ 2b 雌機械ネジ 3 円筒体 21 モータシリンダ 22 雄ネジ 26 雌ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B30B 1/18 B30B 1/18 Z (56)参考文献 特開 平4−321858(JP,A) 実開 昭52−99479(JP,U) 実開 昭61−101147(JP,U) 実開 平5−22918(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 25/20 - 25/24

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 S極着磁帯及びN極着磁帯が交互に螺旋
    状に形成された雄磁気ネジと螺旋状に形成された溝から
    なる雄機械ネジとを同軸上に一体に備えた雄ネジと、 S極着磁帯及びN極着磁帯が交互に螺旋状に形成された
    雌磁気ネジと螺旋状に形成された溝からなる雌機械ネジ
    とを同軸上に一体に備えた雌ネジとを有することを特徴
    とする直線変換ネジ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の直線変換ネジにおい
    て、 前記雄磁気ネジと前記雄機械ネジとの間に所定の無着磁
    領域を有することを特徴とする直線変換ネジ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の直線変換
    ネジにおいて、前記雄磁気ネジと前記雌磁気ネジとが、それぞれ軸方向
    に分割された2以上の着磁領域を有し、隣合う着磁領域
    の着磁帯が異なるリード角、リードピッチ又はリード角
    及びリードピッチで形成されたもの であることを特徴と
    する直線変換ネジ。
  4. 【請求項4】 求項3に記載の直線変換ネジにおい
    て、前記雄機械ネジに隣接する前記雄磁気ネジの着磁領域及
    び前記雌機械ネジに隣合う前記雌磁気ネジの着磁領域
    が、当該雄磁気ネジ及び当該雌磁気ネジの他の着磁領域
    に比べリード角の小さい減速領域 であることを特徴とす
    る直線変換ネジ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1つ
    記載の直線変換ネジにおいて、 前記雄機械ネジの歯底内径が、前記雄磁気ネジの径より
    大きいことを特徴とする直線変換ネジ。
  6. 【請求項6】 回転が制限された軸材に対し、螺旋状の
    S極着磁帯及びN極着磁帯からなる雄磁気ネジと螺旋状
    の溝からなる雄機械ネジとが形成された雄ネジと、 回転出力手段からの回転出力を受けて回転する円筒体に
    対し、その内周面に螺旋状のS極着磁帯及びN極着磁帯
    からなる雌磁気ネジと螺旋状の溝からなる雌機械ネジと
    が形成された雌ネジとを有し、 前記円筒体の回転によって、前記雄磁気ネジと前記雌磁
    気ネジとの間で作用する磁気送りによる前記軸材の直線
    方向への移動と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネジとの
    間で作用する機械送りによる前記軸材の直線方向への移
    動とが連続して行なわれる ことを特徴とする直線変換装
    置。
  7. 【請求項7】 回転出力手段からの回転出力を受けて回
    転する軸材に対し、螺旋状のS極着磁帯及びN極着磁帯
    からなる雄磁気ネジと螺旋状の溝からなる雄機械ネジと
    が形成された雄ネジと、 回転が制限された円筒体に対し、その内周面に螺旋状の
    S極着磁帯及びN極着磁帯からなる雌磁気ネジと螺旋状
    の溝からなる雌機械ネジとが形成された雌ネジとを有
    し、 前記軸材の回転によって、前記雄磁気ネジと前記雌磁気
    ネジとの間で作用する磁気送りによる前記円筒体の直線
    方向への移動と、前記雄機械ネジと前記雌機械ネジとの
    間で作用する機械送りによる当該円筒体の直線方向への
    移動とが連続して行なわれる ことを特徴とする直線変換
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の直線変
    換装置において、 前記軸材または前記円筒体が、回転数を変えて伝達可能
    な歯車又はベルトを介して回転出力手段に係設された
    とを特徴とする直線変換装置。
  9. 【請求項9】 請求項に記載の直線変換装置におい
    て、前記雄ネジの形成された軸材が、回転出力手段に対して
    直接接続 されたことを特徴とする直線変換装置。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至請求項9のいずれか1つ
    に記載の直線変換装置において、前記回転出力手段が、直線方向へ移動する前記円筒体又
    は前記回転体に対して所定の負荷がかかると供給電流が
    増加するものであって、 その電流値を比較して前記回転出力手段の回転を反転又
    は停止させる制御信号を出力する比較手段と、 その比較手段が制御信号を出力する際の負荷に対応する
    電流値を設定する設定手段とを有する ことを特徴とする
    直線変換装置。
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