JP3100407B2 - 車輪検査装置 - Google Patents

車輪検査装置

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JP3100407B2
JP3100407B2 JP03052303A JP5230391A JP3100407B2 JP 3100407 B2 JP3100407 B2 JP 3100407B2 JP 03052303 A JP03052303 A JP 03052303A JP 5230391 A JP5230391 A JP 5230391A JP 3100407 B2 JP3100407 B2 JP 3100407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の車輪
のトー角度等の傾斜角度の静的特性や車輪の振れ及び切
角等の動的特性を検査する車輪検査装置に関するもので
あって、更に詳細には車輪を非回転状態で測定する静的
測定と回転状態で測定する動的測定とを実施することが
可能な車輪検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車輪の取付状態乃至は
アライメントを検査する検査装置が使用されている。自
動車等の車両に取付けられる車輪には、種々の条件が設
定されており、特にその走行性能に関連して、車輪の静
的特性として、トー角度、キャンバー角度、キャスタ等
所謂傾斜角度が設定されている。これらの傾斜角度は、
車両が製造された後に市場に出す前に車両検査の一項目
として検査される場合もあれば、車輪の交換等の車両を
修理する場合に検査する場合もある。車両が良好な走行
性能を持つ場合には、この様な車輪の傾斜角度が正確に
設定されることが重要である。更に、車輪の動的特性、
即ち車輪が回転している状態の特性としては、車輪の左
右の振れ量及び車輪の切角度等があり、車両の走行性能
は、これらの動的特性によって著しく影響されるので、
動的特性を高精度で測定可能であることが重要である。
【0003】車輪を一対のロ−ラ上に支持し且つ車輪の
両側をロ−ラでクランプして車輪の動的特性を測定する
ことが可能な車輪検査装置は、特開昭63−28674
4号に記載されている。この車輪検査装置においては、
一対の支持ロ−ラを装着した支持ロ−ラ組立体30が平
面内において並進運動及び回転運動可能に設けてあり、
その支持ロ−ラ組立体30に回転物体スラスト吸収機構
を組み込んである。即ち、この特開昭63−28674
4号の第1図及び特に第13図及び第14図を夫々本願
の図5乃至図7として図示した如く、支持ロ−ラ組立体
30のフレ−ム32に第1係合部32aを形成してあ
り、一方外部に固定して設けた位置決め手段34a−3
4bに第1係合部32aと第2係合部33とを係合させ
ることにより、支持ロ−ラ組立体30が係合点を回動点
として回動し、回転する車輪1から受けるスラスト力を
吸収している。
【0004】上記公開公報の第1図即ち本願の図5に示
される如く、支持ロ−ラ組立体30は、フロ−ティング
テ−ブル20上に回転自在に装着されており、フロ−テ
ィングテ−ブル20は前後左右方向に延在する直動ガイ
ドによって平面内を並進運動可能に設けられているの
で、支持ロ−ラ組立体30は平面内において並進運動及
び回転運動を行うことが可能であり、従って平面内にお
いて自由な二次元運動を行うことが可能である。従っ
て、支持ロ−ラ31上に支持される車輪1の両側をロ−
ラ47でクランプした場合に、車輪1の中心位置はクラ
ンプロ−ラ47のクランプ装置の幾何学的中心位置と整
合される。この場合に、支持ロ−ラ組立体30は非拘束
状態にあれば、車輪1が支持ロ−ラ31上の中心位置又
は多少中心からずれた位置にあっても車輪1の中心とク
ランプ装置の幾何学的中心とは正確に整合させることが
可能である。
【0005】然し乍ら、上記公開公報に記載される装置
においては、支持ロ−ラ組立体30上に載置させた車輪
1をロ−ラ47でクランプした場合に、車輪1が支持ロ
−ラ31上において中心から比較的離れた位置にずれて
いると、第1係合部32aと第2係合部33との相対的
位置関係がずれ、従って、車輪1を回転する前に、第2
係合部33を前進させて第1係合部32a内に係合させ
ようとした場合に、両者の位置ずれのために係合不良と
なる場合がある。従って、この車輪検査装置において
は、支持ロ−ラ組立体30が装着されているフロ−ティ
ングテ−ブル20を非拘束状態とする前の初期位置に位
置している間に、第2係合部33を前進させて支持ロ−
ラ組立体30の第1係合部32aと係合させておく必要
がある。その後に、ロ−ラクランプ47により車輪1を
両側からクランプして車輪1の中心位置の位置決めを行
う。この場合に、フロ−ティングテ−ブル及び支持ロ−
ラ組立体30は、第1及び第2係合部32a,33を介
して固定的に接続されているので、完全なフロ−ティン
グ状態にあるとはいえず、従って車輪1の中心位置決め
は信頼性及び精度の点で必ずしも満足のいくものとはい
えない。
【0006】この様な問題点を対処するために、本発明
者等は、前に支持ロ−ラ組立体30と所定の固定点とを
常時連結手段によって連結状態とさせる発明を完成し、
それについて特許出願を行っている(特願平2−296
98号、平成2年2月13日出願)。この新たな提案に
よれば、上記公開公報に記載される技術と比較すれば、
操作効率が向上すると共に、測定精度は向上されるが、
連結手段を弛緩状態と緊張状態とに切換設定することが
必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の車輪検査装置に
おいては、車輪の静的測定モードから動的測定モードへ
移行する場合に、特別の操作を必要としており、その分
作業効率が低下することとなる。例えば、上述した先行
発明においては、静的測定モードから動的測定モードへ
切り替える場合に、連結手段を弛緩状態から緊張状態に
設定することが必要である。また、動的測定モードから
静的測定モードへ復帰させる場合には、連結手段を緊張
状態から弛緩状態へ復帰させる動作が必要となる。従っ
て、本発明は、この様な観点に鑑みなされたものであっ
て、静的測定モードと動的測定モードとが何ら特別の操
作を必要とすることなしに自動的に相互に変換可能な車
輪検査装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、車輪を
回転可能に支持可能であり且つ平面内を自由に移動可能
な車輪支持手段、前記車輪支持手段と相対的に移動自在
に設けられており前記車輪支持手段上に支持されている
車輪を両側からクランプするクランプ手段、前記車輪支
持手段上に支持されている車輪の所定の特性を検知する
検知手段、前記車輪支持手段に一体的に設けられており
車輪が回転する場合に前記車輪支持手段とその上に支持
される車輪との間の相対的な横方向移動を制限する横方
向移動制限手段、を有することを特徴とする車輪検査装
置が提供される。
【0009】
【作用】本発明によれば、車輪支持手段と一体的に横方
向移動制限手段を設けてあるので、車輪支持手段上に支
持する車輪を非回転状態で測定を行う静的測定モード
と、該車輪を回転状態で測定を行う動的測定モードとを
切り替える場合に特別の操作を必要とすることはなく、
静的測定モードから動的測定モードへ変換する場合に
は、単に車輪を回転させるだけで良い。即ち、本発明に
おいては、車輪支持手段上に支持される車輪を回転させ
ると、車輪支持手段と車輪との間にスラスト力が発生
し、車輪支持手段とその上に支持される車輪との間に相
対的な横方向運動が発生するが、その場合に、本発明装
置においては、車輪支持手段と一体的に横方向移動制限
手段が設けられているので、車輪がこの横方向移動制限
手段と接触することにより、相対的な横方向運動は制限
される。
【0010】
【実施例】図1a乃至図1cは、本発明の1実施例にも
とづいて構成された車輪検査装置の一部を示した概略図
である。尚、本実施例の車輪検査装置は、特開昭63−
286744号に記載される車輪検査装置を基本的構成
とし、それに対して、本発明の横方向移動制限手段を設
けることにより構成することが可能である。従って、本
実施例の車輪検査装置の基本的構成は、上記公開公報
記載されているものにより構成されるものとし、具体的
には、上記公開公報に記載される支持ロ−ラ組立体30
を変更することにより、本実施例の車輪検査装置を構成
することが可能である。
【0011】図1aは、本発明の1実施例に基づいて構
成された支持ロ−ラ組立体30を示しており、この支持
ロ−ラ組立体30は、上記公開公報に記載される車輪検
査装置に適用することが可能である。従って、支持ロ−
ラ組立体30のフレ−ム32は、平面内において自由に
移動可能に設けられている。即ち、支持ロ−ラ組立体3
0のフレ−ム32は、平面内において並進運動すること
も回転運動することも可能である。また、支持ロ−ラ組
立体30は、所定の初期位置にロックさせることが可能
であり、ロック状態とした時には常に所定の初期位置に
位置され所定の配向状態をとり、一方アンロック状態と
した場合には、支持ロ−ラ組立体30は任意の水平運動
を行うことが可能である。
【0012】支持ローラ組立体30は、大略矩形形状を
したプレート状のフレーム32とその両側に直立状に立
設された一対の側壁32bとを有している。一対の側壁
32b間には、一対の支持ローラ31が回転自在に軸支
されている。これらの支持ローラ31は、自由回転可能
な状態に設けることが可能であるが、好適実施形態にお
いては、少なくとも1個の支持ローラ31内にモータを
内蔵させて、その支持ローラ31が選択的にモータ駆動
により積極的に回転される構成とする。この場合には、
支持ローラ31をその内部に内蔵されるモータを駆動す
ることにより、その上に支持する車輪1を所定の方向に
回転させることが可能である。また、モータを内蔵する
場合でも、支持ローラ31を自由回転可能な状態に設定
することも可能である。尚、本実施例においては、2個
の支持ローラ31を設けてあるが、本発明においては、
任意の個数の支持ローラ31を設けることが可能なもの
である。
【0013】上述した支持ロ−ラ組立体30の構成は、
上記公開公報に記載される車輪検査装置における支持ロ
−ラ組立体と基本的に同一の構成を有しているが、本発
明により、制限ロ−ラ33が各側壁32bに取付けられ
ている。図示例においては、側壁32bの左側端部に近
接して制限ロ−ラ33が設けられている。図1bにより
良く示される如く、制限ロ−ラ33は、その回転軸を前
後方向に傾斜して設けられており、車輪1の側面と転動
接触する場合に、その回転軸の延長線が車輪1の回転中
心とほぼ交差するように配向されている。この様な配向
状態とすることにより、制限ロ−ラが車輪1の側面と転
動接触する場合に、制限ロ−ラ33は車輪1によって無
理な力を発生させることなしに回転され、車輪1と支持
ロ−ラ組立体30との間の相対的横方向運動を制限する
ことが可能である。図1cに示される如く、制限ロ−ラ
33は、矢印で示した車輪1の回転方向に対して車輪1
の前半分(即ち、車輪1の回転方向に対して車輪1が前
進する方向を前方と定義する)で且つその下半分の側面
に転動接触可能な位置に配置されるべきである。本発明
者の実験によれば、図1bに示した如く車輪1を反時計
方向に回転させた状態においては、制限ロ−ラ33が車
輪1の後ろ半分で且つその下半分の側面に転動接触させ
た場合には、車輪1が支持ロ−ラ31上で不安定な状態
となり所望の測定を行うことが不可能であることが判明
した。従って、支持ロ−ラ31上に支持される車輪1の
回転方向に対して前方半分で且つその下半分の車輪1の
側面に制限ロ−ラ33が転動接触可能であるように制限
ロ−ラ33を配置させるべきである。
【0014】図1cに示した如く、支持ロ−ラ31上に
支持される車輪1の両側には片側2個ずつ合計4個のク
ランプロ−ラ47が設けられており、これらのクランプ
ロ−ラ47はクランプロ−ラ組立体40に回転自在に軸
支されている。図1bに示した如く、各クランプロ−ラ
47は、車輪1の側面に転動接触された場合に、その回
転軸の延長線が車輪1中心線とほぼ交差するように配向
されている。尚、上記公開公報に記載される如く、左右
のクランプロ−ラ47は互いに近接離隔移動可能に設け
られており、アンクランプ状態においては、左右のクラ
ンプロ−ラ47は車輪1の対応する側面から離隔して位
置されるが、クランプ状態とされると、左右のクランプ
ロ−ラ47は対応する車輪1の側面に押圧され転動接触
状態とされる。左側又は右側のクランプロ−ラ47は夫
々2個づつ配設されており、これら2個のクランプロ−
ラ47は、車輪1の前半分及び後ろ半分に夫々転動接触
可能であるように配設されている。従って、クランプ状
態とした場合には、左右のクランプロ−ラ47が車輪1
の両側に押圧状態とされ、クランプ組立体40の中心位
置と車輪1の中心位置とが整合状態となる。尚、クラン
プ組立体40は支持ロ−ラ組立体30と車輪検査装置に
おいて一体的に形成されているが、クランプ組立体40
は、支持ロ−ラ組立体30とは相対的に自由に移動自在
に設けられている。従って、支持ロ−ラ31上に支持さ
れた車輪1に対してクランプ組立体40をクランプ状態
とすることにより、クランプ組立体40の中心と車輪1
の中心とが整合されるので、その状態におけるクランプ
組立体40の配向状態は、車輪1ト−角度に対応して
いる。例えば、クランプ組立体40の配向状態を検知す
る検知手段として、例えばロ−タリ−エンコ−ダ等をク
ランプ組立体40に設けることにより自動的に車輪1の
ト−角度等の傾斜角度を測定することが可能である。即
ち、この様な態様で、車輪1を非回転状態に維持した状
態で、車輪1のト−角度等の所望の傾斜角度の静的測定
モ−ドを実施することが可能である。
【0015】図1cは、クランプ組立体40がクランプ
状態にある場合を示しており、この状態で、例えば支持
ローラ31の1つにモータが内蔵されている場合には、
その支持ローラ31を回転駆動させることにより車輪1
を回転させると、車輪1と支持ローラ31との間には、
通常、スラスト力が発生するので、そのスラスト力の発
生の仕方により車輪1は支持ローラ31上を次第に左側
又は右側へ移動することとなる。先行技術においては、
この場合に、支持ローラ組立体30の所定の回動点周り
に回動自在な状態とさせ、スラスト力がバランスした点
で支持ローラ組立体30が維持されるようにしてスラス
ト力を吸収するものであった。本発明においては、この
様な場合に、車輪1がスラスト力により支持ローラ31
上を横方向に移動する場合に、車輪1は究極的に制限ロ
ーラ33と転動接触されて、車輪1と支持ローラ組立体
30との間の相対的な横方向移動が制限されることとな
る。従って、車輪1が対応する制限ローラ33と転動接
触されると、車輪1はそれ以上支持ローラ31上を横方
向に移動することはない。
【0016】次に、図2a乃至2e及び図3を参照し
て、制限ローラ33を設けた本車輪検査装置の動作につ
いて詳細に説明する。図2aは、支持ローラ組立体30
をロック状態に維持した状態を示している。この状態に
おいては、支持ローラ組立体30は初期位置に位置され
ており且つ初期配向状態に不動的に配置されている。こ
の状態において、検査すべき車輪1を一対の支持ローラ
31上に乗り上げる。図示される如く、通常、乗り上げ
られた車輪1の回転軸は支持ローラ31の回転軸とは平
行状態ではない。この状態は、図3におけるタイミング
線図における最も左端の時点における状態である。次い
で、支持ローラ組立体30のロック状態を解除してアン
ロック状態とさせ自由に移動可能な状態とさせる。この
時点は、図3における「テーブルフリー」として示した
部分の左端の時点である。すると、支持ローラ組立体3
0はそのフレーム32が平面内において並進運動及び回
転運動が可能であるように設けられており、且つ一対の
支持ローラ31が設けられているので、車輪1は一対の
支持ローラ31の間に落ち込む傾向となる。従って、支
持ローラ組立体30は、矢印で示した如くに回転運動を
行って、支持ローラ31の回転軸は車輪1の回転軸とほ
ぼ平行な状態となる。次いで、左右のクランプローラ4
7を相互に近接移動させて車輪1の両側に押圧状態とさ
せクランプ状態を確立する。これは、図3のタイミング
線図における「タイヤクランプ」の左端の時点に対応し
ている。この様にクランプ状態が確立されると、クラン
プ組立体40の中心と車輪1の中心とが整合し、且つそ
の配向方位状態が一致するので、クランプ組立体40に
装着したロータリーエンコーダ等の角度検知器によって
車輪1の傾斜度(本実施例においては、トー角度)を測
定することが可能である。これは、所謂静的測定モード
に対応し、図3のタイミング線図における1番目の「測
定・表示」に対応している。この場合に、測定表示され
たトー角度が所望の値と異なる場合には、車輪1のアラ
イメントを調節してトー角度の調整(粗調整)を実施す
ることが可能である。この場合の調整は、車輪1を非回
転状態で実施するものである。尚、この場合に、車輪1
のトー角度は、左右の車輪の間のトレッド距離の中心を
結んで定義される車両中心線を基準にして、その基準線
に対する傾斜角度として測定すると良い。
【0017】以上の如くに静的測定モードが完了し、次
に動的測定モードに移行する。この場合に、本発明によ
れば、何ら特別の操作を必要とすることなしに、単に車
輪1を回転状態とさせれば良い。即ち、図2cに示した
如く、モータを内蔵した支持ローラ31を駆動回転させ
ることにより、その上に支持している車輪1を回転させ
る。この時点は、図3のタイミング線図における「回
転」の左端の時点に対応している。この様に車輪1を回
転させると、支持ローラ31と車輪1との間にスラスト
が発生し、自由に移動自在である支持ローラ組立体30
は車輪1から受けるスラスト力により横方向に移動す
る。その結果、図2dに示した如く、支持ローラ組立体
30の制限ローラ33が車輪1の側面と転動接触状態と
される。この様に制限ローラ33と車輪1とが転動接触
すると、スラスト力が吸収されて車輪1のそれ以上の横
方向の移動は阻止される。この状態が、図3におけるス
ラスト力の「吸収動作」に対応している。この状態にお
いては、車輪1を回転状態で動的測定を行うことがで
き、車輪1の横揺れ等を測定し、所定のプログラムに従
って演算処理を行って、動的測定の結果を表示する。動
的測定結果が所望の値と異なる場合には、車輪1のアラ
イメント調整を実施する(微調整)。次いで、車輪1の
クランプ状態を解除してアンクランプ状態とさせ、次い
で、支持ローラ組立体30をロック状態とさせて初期位
置に復帰させる。この様に、本実施例によれば、一対の
制限ローラ33を左右に配設してあり、車輪1がいずれ
かの制限ローラ33と転動接触することによりスラスト
力を吸収する構成としたので、静的測定モードと動的測
定モードとの切換は単に車輪1を回転状態とさせるか非
回転状態とさせるかによって自動的に行われる。
【0018】次に、図4a乃至図4dを参照して、本発
明の別の実施例について説明する。この実施例は、基本
的には、前述した実施例と同様の構成を有するものであ
るが、一対の制限ローラ33間の間隔を所望の値に設定
することが可能なことを特徴としている。図4a乃至図
4dに示した如く、本実施例においては、各制限ローラ
33が横方向に移動可能であり且つ任意の位置に固定可
能に設けられている。図示例においては、支持ローラ組
立体30の側壁32bの前端にLMガイド36が設けら
れており、このLMガイド36に沿って移動可能に一対
のブラケット35が設けられている。各ブラケット35
には制限ローラ33が回転自在に支承されている。ブラ
ケット35には下方に突出する内側突起35aと外側突
起35bとが形成されている。一方、支持ローラ組立体
30には一対のシリダン装置34が固着されており、各
シリンダ装置34は前進後退自在のロッド34aを有し
ている。ロッド34aの先端部は、ブラケット35の内
側突起35a内に形成された穴を挿通して延在してお
り、その先端においては、ボルト39によってワッシャ
ー38を保持している。また、コイルスプリング37が
ロッド34aの先端部に外挿されており、且つ内側突起
35aとワッシャー38との間に配置されている。ま
た、外側突起35bはワッシャー38と係合可能な長さ
を有している。
【0019】以上の如き構成を有するので、シリンダ装
置34を動作させてロッド34aの位置を制御すること
によりブラケット35はLMガイド36に沿っての位置
が制御され、従って制限ローラ33を横方向の所望の位
置にセットすることが可能である。この様な構成によれ
ば、車輪1の幅の大きさや、測定条件等により制限ロー
ラ33を可及的に車輪1の側面に近づけて位置させるこ
とが可能であり、それだけ静的測定モードから動的測定
モードへの切換を迅速に行うことが可能である。更に、
本装置の適用が車輪1の幅の大きさによって影響を受け
ることを回避することが可能である。更に、本実施例に
おいては、コイルスプリング37を設けてあり、従って
車輪1が制限ローラ33に接触するときの衝撃を緩和す
ることが可能であり、装置の寿命を長期化することに貢
献すると共に、測定上誤差が混入することをできるだけ
回避することを可能とする。
【0020】以上、本発明の具体的実施の態様に付いて
詳細に説明したが、本発明はこれら具体例にのみ限定さ
れるべきものでは無く、本発明の技術的範囲を逸脱する
こと無しに種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上述した実施例においては、制限ローラを左右
に1個ずつ配設したが、制限ローラは左右に任意の個数
配設することが可能であり、また所定の車輪側面区域に
位置する限り、その配設位置は図示例のものに限定され
るものではない。また、横方向移動制限手段としては、
上述した実施例においては、ローラを使用した場合につ
いて説明したが、ローラ以外のものであっても、車輪の
側面と転動接触し車輪の横方向移動を制限可能であれ
ば、例えばボール等のその他の構成を使用可能であるこ
とは勿論である。更に、車輪が制限ローラと接触する際
の衝撃を吸収する構成としては、コイルスプリングの
他、そのたの弾発部材を使用することも可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、特別の操作を必要とす
ることなく、単に検査すべき車輪を回転状態とさせるか
又は非回転状態とさせるかによって静的測定モードと動
的測定モードとの間の切換を行うことが可能である。従
って、検査作業は簡単化されると共に迅速化される。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 車輪検査装置の支持ロ−ラ組立体の第1実
施例の概略平面図。
【図1b】 図1aの組立体に車輪が支持された状態の
概略側面図。
【図1c】 図1bの構成に対する概略正面図。
【図2a】 ロック状態にある支持ロ−ラ組立体の概略
平面図。
【図2b】 アンロック状態とした支持ロ−ラ組立体の
概略平面図。
【図2c】 車輪の回転を開始した状態の概略平面図。
【図2d】 スラスト力吸収状態を示した概略平面図。
【図2e】 ト−調整完了状態を示した概略平面図。
【図3】 本車輪検査装置の動作の1例を示したタイ
ミング線図。
【図4a】 車輪検査装置の支持ロ−ラ組立体の第2実
施例の概略平面図。
【図4b】 図4aの組立体に車輪が支持された状態の
概略側面図。
【図4c】 図4bの構成に対する概略正面図。
【図4d】 第2実施例の要部を詳細に示した拡大図。
【図5】 特開昭63−286744号の第1図に対応
する該略図。
【図6】 特開昭63−286744号の第13図に対
応する該略図。
【図7】 特開昭63−286744号の第14図に対
応する該略図。
【符号の説明】
30 支持ロ−ラ組立体 31 支持ロ−ラ 32 フレ−ム 33 制限ロ−ラ 40 クランプ組立体 47 クランプロ−ラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 17/00 - 17/10 G01B 21/22 - 21/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を回転可能に支持可能であり且つ平
    面内を自由に移動可能な車輪支持手段、前記車輪支持手
    段と相対的に移動自在に設けられており前記車輪支持手
    段上に支持されている車輪を両側からクランプするクラ
    ンプ手段、前記車輪支持手段上に支持されている車輪の
    所定の特性を検知する検知手段、前記車輪支持手段に一
    体的に設けられており車輪が回転する場合に前記車輪支
    持手段とその上に支持される車輪との間の相対的な横方
    向移動を制限する横方向移動制限手段、を有することを
    特徴とする車輪検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記車輪支持手段が
    少なくとも1個の支持ローラを有しており、その上に車
    輪を回転可能に支持することを特徴とする車輪検査装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記横方向移
    動制限手段が横方向に互いに離隔された一対の制限ロー
    ラを有しており、車輪が回転された場合に車輪を前記車
    輪支持手段と相対的に横方向に移動すると車輪が前記一
    対の制限ローラの一方と転動接触してそれ以上の相対的
    な横方向移動が制限されることを特徴とする車輪検査装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記一対の制限ロー
    ラの間の間隔を所望の値に調節可能であることを特徴と
    する車輪検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれか1項にお
    いて、前記クランプ手段が複数個のクランプローラを有
    しており、前記複数個のクランプローラで車輪を両側か
    ら回転可能にクランプすることを特徴とする車輪検査装
    置。
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