JP3100278B2 - 密着性良好な一方向性珪素鋼板の絶縁皮膜形成方法 - Google Patents

密着性良好な一方向性珪素鋼板の絶縁皮膜形成方法

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JP3100278B2 JP06000810A JP81094A JP3100278B2 JP 3100278 B2 JP3100278 B2 JP 3100278B2 JP 06000810 A JP06000810 A JP 06000810A JP 81094 A JP81094 A JP 81094A JP 3100278 B2 JP3100278 B2 JP 3100278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は仕上げに焼鈍済みの一方
向性珪素鋼板に、特に鋼板に与える張力が大なる絶縁皮
膜を形成するに際し、絶縁皮膜の密着性を向上させる方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板の一般的な製造方法は
以下の通りである。Siを4%以下含有する珪素鋼スラ
ブを熱延し、1回もしくは中間焼鈍をはさむ2回の冷延
により最終板厚に仕上げ、湿潤雰囲気中の焼鈍により脱
炭とSiO2 を主体とするサブスケールを形成させる。
続いてMgOを主体とする焼鈍分離剤を水に懸濁してス
ラリー状にして塗布、乾燥の後コイルに巻き取り、高温
仕上げ焼鈍を行う。この高温仕上げ焼鈍により、鋼板中
においてはゴス方位の二次再結晶粒が発達し、一方鋼板
表面においては焼鈍分離剤中のMgOとサブスケール中
のSiO2 が反応して、フォルステライトを主体とする
グラス皮膜が形成される。仕上げ焼鈍後、水洗により余
剰のMgOを除去した後、絶縁性及び鉄損の改善を目的
として絶縁皮膜が施される。
【0003】しかしながら、水洗のみでは仕上げ焼鈍工
程で固着したMgOを完全に除去することは困難であ
り、また、固着したMgOを残したまま絶縁コーティン
グを行うとコーティングにむらが生ずる。従って、絶縁
コーティングを塗布する前にさらに軽酸洗を行い、次い
で水洗、乾燥を行うのが通例である。この絶縁皮膜に
は、従来、特開昭48−39338号公報によるコロイ
ダルシリカと燐酸アルミニウムを主体とするコーティン
グ液、もしくは特開昭50−79442号公報によるコ
ロイダルシリカと燐酸マグネシウムを主体とするコーテ
ィング液が用いられてきた。
【0004】最近、皮膜形成による鋼板への付与張力を
増大させ、鋼板の鉄損値のさらなる低減を図ろうとする
試みがなされている。特願平4−222849号(特開
平6−65754号公報)、同4−222850号(特
開平6−65755号公報)においては、アルミナゾル
とほう酸を主体とするコーティング液の採用により、皮
膜による鋼板への付与張力が、従来の燐酸塩とコロイダ
ルシリカを主体とするものに比較して、格段に向上し、
鉄損低減に非常に有効であることが示されている。ここ
でアルミナゾルとは、結晶質あるいは無定型のアルミナ
水和物、もしくは結晶質、あるいは無定型の水酸化アル
ミニウムの微粉末を溶媒中に分散させたものを指し、ベ
ーマイトゾルとも言われる。このコーティング液を焼き
付けると鋼板に対する付与張力の大きいAl2 3 −B
2 3 系の絶縁皮膜を形成することができる。しかしな
がら、前記コーティング液を実際の製造ラインに適用し
たところ、皮膜密着性が劣ることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に鋼板に
与える張力の大なる絶縁皮膜を形成するに際し、絶縁皮
膜の密着性を向上させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、アルミナゾ
ルとほう酸を主体とするコーティング液による皮膜を施
した場合の、実際の製造ラインにおける上記問題点につ
いて検討を重ねた。その結果、コーティング前の軽酸洗
が原因であることがわかった。即ち、軽酸洗を省略した
場合、あるいは水洗のみに止めた場合には良好な皮膜密
着性が得られることがわかった。
【0007】しかしながら、一般的にはコーティング前
の軽酸洗を省略することは適当ではない。実際の製造工
程における上記軽酸洗は、仕上げ焼鈍時に用いたMgO
を主体とする焼鈍分離剤を完全に除去するために行われ
ている。即ち、仕上げ焼鈍が高温長時間にわたり行われ
るため、フォルステライト形成反応に与からなかった余
剰のMgOが局部的に鋼板に固着することが多く、水洗
のみでは完全に除去することは困難である。これを残し
たままコーティングラインに持ち込むならば、コーティ
ングにむらが生ずる。従って酸洗工程を省略することは
できない。そこで、皮膜密着性が確保でき、かつコーテ
ィングむらの発生しない軽酸洗条件を検討したところ、
軽酸洗前後における酸洗減量を0.2g/m2 以上2g
/m2 以下の範囲にすれば良いことが判明した。
【0008】即ち本発明の要旨は次の通りである。フォ
ルステライトを主体とする仕上げ焼鈍皮膜の上に、アル
ミナゾルとほう酸を主体とする絶縁コーティングを形成
するにあたり、仕上げ焼鈍後、絶縁コーティング前に行
う軽酸洗を酸洗減量で0.2g/m2 以上2g/m2
下にすることを特徴とする密着性良好な一方向性珪素
鋼板の絶縁皮膜形成方法。即ち、0.2g/m2 未満
は仕上げ焼鈍時に固着した余剰MgOが残存して絶縁コ
ーティングにむらが生じ、2g/m2 では絶縁皮膜の
密着性が低下する。
【0009】
【作用】2g/m2 以上の軽酸洗によって皮膜密着性が
劣化する原因は明らかではないが、現在のところ以下の
ように推定している。仕上げ焼鈍済みの鋼板を酸洗する
と、仕上げ焼鈍時に鋼板表面に生成したフォルステライ
トを主体とする皮膜がエッチングされ、同皮膜層の機械
的強度が多少低下することが予想される。通常の絶縁皮
膜を同皮膜の上に形成した場合には、焼き付け後の張力
が比較的小さいため界面に発生する応力もさほどではな
く、密着性は問題にならない。
【0010】しかしながら、Al2 3 −B2 3 系の
ような、鋼板に与える張力が大きい皮膜を形成すると、
機械的強度の劣化したフォルステライト皮膜が、皮膜と
地鉄との界面に発生する応力に耐えきれなくなって剥離
するものと思われる。Al23 −B2 3 系絶縁皮膜
形成後の皮膜の剥離が、フォルステライト皮膜と地鉄と
の界面で起こっていることは以上の推定を支持している
ものと思われる。
【0011】
【実施例】フォルステライト皮膜を有する仕上げ焼鈍済
みの一方向性珪素鋼板を水洗した後、各種の条件下で軽
酸洗を行った。その後、アルミナゾルとほう酸を主体と
するコーティング液を塗布し、850℃で30秒の焼き
付けを行い、直径20mmの丸棒に巻き付けて皮膜密着性
の評価を行った。表1に示すように、軽酸洗時の酸洗減
量が0.2〜2g/m2 の範囲ならば、皮膜密着性も良
好でかつ余剰MgOによる絶縁コーティング液の塗りむ
らが生じないことがわかる。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】本発明を、特にコーティング液がアルミ
ナゾルとほう酸を主体とするコーティング液を用いる絶
縁皮膜形成工程に採用することにより、皮膜密着性が良
好でかつ鋼板への付与張力の大きな、即ち鉄損の低い一
方向性珪素鋼板を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23G 1/08 C23G 1/08 (72)発明者 高橋 史明 川崎市中原区井田1618番地 新日本製鐵 株式会社 先端技術研究所内 (72)発明者 金井 隆雄 川崎市中原区井田1618番地 新日本製鐵 株式会社 先端技術研究所内 (72)発明者 杉山 公彦 北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本 製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭62−297475(JP,A) 特開 昭53−28043(JP,A) 特開 昭61−139678(JP,A) 特開 昭51−101899(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 C21D 9/46 501 C23C 22/78 C23D 3/00 C23D 5/02 C23G 1/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォルステライトを主体とする仕上げ焼
    鈍皮膜の上に、アルミナゾルとほう酸を主体とする絶縁
    コーティングを形成するにあたり、仕上げ焼鈍後、絶縁
    コーティング前に行う軽酸洗を酸洗減量で0.2g/m
    2 以上2g/m2 以下にすることを特徴とする密着性
    良好な一方向性珪素鋼板の絶縁皮膜形成方法。
JP06000810A 1994-01-10 1994-01-10 密着性良好な一方向性珪素鋼板の絶縁皮膜形成方法 Expired - Fee Related JP3100278B2 (ja)

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