JP3099087B2 - 燃焼器 - Google Patents

燃焼器

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JP3099087B2
JP3099087B2 JP01051382A JP5138289A JP3099087B2 JP 3099087 B2 JP3099087 B2 JP 3099087B2 JP 01051382 A JP01051382 A JP 01051382A JP 5138289 A JP5138289 A JP 5138289A JP 3099087 B2 JP3099087 B2 JP 3099087B2
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寛 宮田
隆志 町田
俊夫 阿部
暢 久松
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Hitachi Ltd
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【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンにおける燃焼器ライナー及び
尾筒の耐熱性を向上し、燃焼器壁面温度の冷却性の向
上、及び燃焼器の冷却空気を削減するに好適な燃焼器に
関する。
【従来の技術】
従来の燃焼器においては、特開昭59−15727号公報、
及び特開昭62−5021号公報に記載のように、前者では内
周側にセラミックタイルと外周側に金属筒を設け、タイ
ルは金属筒にセラミックス等からなる固定具によりタイ
ルの最外境界縁の全体あるいは一部において固定支持さ
れる構造となっていた。一方、後者では燃焼器の最内周
をセラミック繊維製燃焼筒で形成し、燃焼筒を外周に配
置された金属製包囲壁に固定支持する構造になってい
た。 タイル方式は、セラミックタイルにこのタイルの固定
支持に伴う熱応力の発生とセラミックタイル周囲の熱的
環境が適切でないため、タイルの燃焼ガス側表面は燃焼
ガスによる昇温を受け、一方、裏面は冷却空気による冷
却を受けるというタイルへの熱負荷に対する十分な配慮
がなされておらず、タイルに発生する熱応力による強度
信頼性の低下の問題があった。すなわち、セラミックタ
イルは表・裏面において加熱・冷却され、板厚方向に熱
応力の発生があるばかりでなく、タイルの固定支持部は
固定支持具との接触によりその接触面で冷却され、特に
接触部においてタイル面内に大きな温度勾配が発生し、
これに起因した熱応力が誘起される。また、比較的低温
の固定支持具との接触は、タイルの外周辺に位置するた
め、タイル全体は中央部が高温で周辺が比較的低温にな
る結果、タイル内部にも熱変形に伴う熱応力の発生が考
えられる。 繊維製燃焼筒方式では前記セラミックタイルの代りに
セラミック織布を利用することによって、高い耐熱性と
信頼性を得ようとするものである。本方式では、繊維製
燃焼筒に直接燃焼ガスが接するため、セラミック繊維製
の織布に冷却空気を微細な空隙を通じて僅かに燃焼筒内
にしみ出すようにして燃焼筒を冷却するとともに、燃焼
ガスが燃焼筒の壁内に流入するのを防止する構造となっ
ている。しかし、この従来技術は繊維製燃焼筒に一様に
冷却空気が流入し、しみ出し冷却が常に十分に達成され
ない場合は、直接燃焼ガスに曝される最内周側の耐熱織
布が部分的にその耐熱温度以上に加熱され、直ちに酸化
劣化等により破損を招くという問題があった。 第16図に示されるタイル方式では、適当な大きさのセ
ラミックタイル4が保持具3と押しロッド9によって金
属枠2に固定された構造となっている。このときのセラ
ミックタイル4は第17図に示されるように比較的厚い平
板状で、溝部4bの部分で保持具3により固定支持されて
いるため、前述のように、セラミックタイル4で温度分
布の変化が生じ大きな熱応力の発生が避けられない。第
18図〜第21図には耐熱繊維筒よりなる構造が示される
が、繊維筒11に燃焼空気孔13が設けられており、金属筒
12にも同じ位置に空気流入孔13が穿設されている。この
繊維筒11は金属筒12にボルト等(図示せず)により固定
支持されている。繊維筒11は直接燃焼ガス流16に曝され
るため、金属筒12に設けられている多数の冷却空気孔14
群から導入された冷却空気17を図示するように、繊維筒
11の厚さ方向に流通させ、繊維筒11の冷却と筒内の燃焼
ガス流の筒外への流出を防止している。この繊維筒11は
耐熱性セラミックファイバよりなる織物を多数枚巻いて
(あるいは重ねて)形成されているが、この冷却空気17
が不十分になると、繊維筒11を形成する織物の最内周側
のセラミックファイバが高温に曝されることにより酸化
あるいは劣化し、破損するなどの問題を生じていた。
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃焼器及びその冷却方法にあっては、タイル方
式はタイルの板厚方向のみならず、中央部と周辺部との
間に温度差があって熱応力が発生しており、繊維製燃焼
筒方式は燃焼筒が一様に冷却されず、局部的に加熱、酸
化されて劣化し、破損を招く問題点があった。 本発明の目的は、耐熱材料で形成した耐熱タイルに発
生する熱応力を低減し、かつ耐熱繊維で形成した耐熱織
布の部分的な酸化や劣化を防止できる耐熱性能と強度信
頼性を向上した燃焼器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、金属筒の内面
にセラミック織布を介して複数のセラミックタイルを配
設し、前記金属筒に複数の冷却空気孔を形成し、かつ複
数のセラミックタイルを配設してなるセラミックタイル
面に複数の燃焼空気流入孔を形成し、前記金属筒の外周
に空気を供給するようにしてなる燃焼器において、前記
セラミックタイルのそれぞれは、ほぼ中央部が1本の耐
熱ボルトで前記金属筒に固定され、かつ隣接するもの同
士が互いに隙間を介して面一に配設されてなることを特
徴とする。 このように燃焼器の金属筒の内面にセラミック織布を
介してセラミックタイルを固定していることから、セラ
ミック織布は直接燃焼ガスに曝されない。また、金属筒
の外周に供給された空気は、金属筒に形成された複数の
孔からセラミック織布の繊維の隙間を通り、セラミック
タイルの周囲及びセラミックタイル面に形成された燃焼
空気流入孔から燃焼器内に流入するから、セラミックタ
イルに冷却空気が均等に流れることになり、セラミック
タイルの局部的な過冷却が防止され、温度勾配が低減す
るとともに、耐熱性が向上する。また、セラミック織布
が耐熱温度以上に加熱されることを防止する。特に、比
較的脆いセラミックタイルはセラミック織布をクッショ
ンとして金属筒に固定されるため、固定の際の機械的な
力が緩和されるとともに、セラミックタイルの熱変形が
吸収され、燃焼器全体の燃焼振動もダンピングされる。
さらに、セラミックタイルのほぼ中央部を1本の耐熱ボ
ルトで金属筒に固定し、かつセラミックタイルを隣接す
るもの同士が互いに隙間を介して面一に配設しているこ
とから、セラミックタイルの熱膨張等の変形に対する拘
束力が作用しないので、耐熱性が一層向上する。 ここで、前記セラミックタイルのそれぞれに、外面と
内面を連通する多数の通孔を形成することが好ましい。
これによれば、多数の通孔を通って冷却空気が均等に流
れるから、セラミックタイルの局部的な過冷却や温度勾
配の低減を一層図ることができる。また、セラミック織
布の外面に、複数の小孔を穿設した金属内筒を周設する
とともに、この金属内筒の外面と前記金属筒の内面との
間に空隙を設けることが好ましい。
【実施の形態】
本発明の一実施例を第1図〜第9図を参照しながら説
明する。第1図〜第9図に示されるように、金属筒21に
内面に耐熱織布(セラミック織布)22を介して複数の耐
熱タイル(セラミックタイル)23を固定し、金属筒21に
複数の冷却空気孔30を穿設し、かつ金属筒21及びそれぞ
れの耐熱タイル23のタイル面に複数の燃焼空気流入孔25
を形成した燃焼器であって、それぞれの耐熱タイル23
に、耐熱織布22を経由してそれぞれの内面に冷却空気を
放出させる複数の通孔26を形成した構成である。 第1図〜第9図に示される実施例では、金属筒21の内
周部に耐熱織布22が金属筒21に沿って配置され、耐熱織
布22は耐熱タイル23及び耐熱ボルト製の結合具24によっ
て金属筒21に押圧固定される。第2図に本発明になる燃
焼器の一部の概念図が示される。本実施例では耐熱タイ
ル23は六角形タイルとしている。また、燃焼器には燃焼
空気流入孔25が必要であり、その燃焼空気流入孔25は耐
熱タイル23の一部を切欠くことにより形成できる。耐熱
タイルの具体的な一実施例が第4図及び第5図に示され
る。六角形状の耐熱タイル23に多数の通孔26を設けるか
又はハニカム状に形成してある。もちろん、この通孔26
の配列は種々選択が可能であり、他の実施例が第7図及
び第8図に示される。耐熱タイル23は円筒形状の一部を
形成し、かつ全体は長方形をなしている。第4図〜第8
図の耐熱タイル23のほぼ中央に設けられた固定孔27は耐
熱タイル23を金属筒21に固定具24を介して固定するため
のものである。この状況が第9図に具体的に示される。
耐熱織布22は耐熱タイル23を介して結合具24により金属
筒21に押圧固定される。金属筒21に設けられた冷却空気
孔30は冷却空気の取入れ用のものである。 第10図に燃焼空気流入孔25部における耐熱タイルの形
状例が示される。耐熱タイル23の一辺を少くともその円
周を4分割した長さに形成し、四隅に4枚並べて中央の
部分に内孔、すなわち燃焼空気流入孔25を形成する。第
12図に燃焼器壁における耐熱タイル、金属内筒、及び耐
熱織布の配置の他の実施例が示される。第9図に示され
る実施例と異なり、金属筒21と耐熱織布22の間につまり
耐熱織布22の外面に、複数の小孔31を穿設した金属筒内
筒28を周設するとともに、金属内筒28の外面と金属筒21
の内面との間に冷却空気を導く空隙29を設けたものであ
る。金属筒21に開けられた冷却空気孔30より導入された
冷却空気は、まず空隙29内に均等に分散されて金属筒21
の内面全体に広がり、しかる後金属内筒28に設けられた
多数の小孔31を通して耐熱織布22に至り、その後耐熱タ
イルに設けられた通孔26及び隣り合う耐熱タイル23間の
隙間より燃焼ガス流32中へ放出される。第13図に他の実
施例が示される。第12図の実施例と異なり、耐熱タイル
23に冷却空気孔が設けられておらず、冷却空気はもっぱ
ら隣り合う耐熱タイル23の隙間33より燃焼ガス流32中へ
放出される構造である。もう一つの他の実施例が第14図
に示されるが、本実施例では金属筒21の冷却空気孔30か
ら流入した冷却空気は空隙29に導かれた後、金属内筒28
の小孔31を通って耐熱織布22の織目間を流通して耐熱タ
イル23に設けた空間34に至る。空間34に満たされた冷却
空気はその後隙間33より燃焼ガス流32中へ放出される構
造となっている。耐熱タイル23の概観が第15図に示され
る。 上述の実施例は、タイル方式と繊維製燃焼筒方式との
長所、すなわちタイル方式では燃焼ガスに直接曝される
部分に耐熱性に優れたセラミックタイル(耐熱タイル)
が配置されており、一方繊維製燃焼筒方式では熱変形に
対する破壊強度に優れたセラミック繊維(耐熱繊維)が
主要な役割を果たしているという特徴をそれぞれ活か
し、さらにセラミックタイルに発生する熱応力の低減
と、セラミック繊維の酸化による劣化を防止するため
に、燃焼ガスに直接曝される燃焼器の最内周の部材とし
て耐熱無機材料(例えばセラミック燃焼体又はセラミッ
クファイバ複合材料)、その外周囲に耐熱繊維よりなる
耐熱織布を配置し耐熱無機材料を柔に固定支持する構造
とし、全体を最外周に設けた金属筒により支持する構造
としたものである。 さらに、耐熱繊維の耐熱性を保証するため耐熱織布の
織目に冷却空気を流通させたものである。 また、燃焼ガスに直接曝される耐熱無機材料からなる
部材にその熱応力の低減のために多数の孔を設け、その
部材の温度が一様になるように、かつ耐熱繊維の耐熱織
布内を流通する冷却空気が滞留することなく燃焼ガス流
中に放出させるようにしたものである。 また、強度信頼性に関しては、耐熱タイルに発生する
応力が基本的に熱応力であるため、多孔板(あるいはハ
ニカム)では発生熱ひずみが孔の効果により解放され熱
応力の低減が可能で、同じ耐熱材料の耐熱タイルであっ
ても実質的に信頼性が高くなる。さらに多孔板(あるい
はハニカム)では、万一耐熱タイルの1部にき裂が発生
した場合、き裂が進展して孔に到達するとき裂が停止す
るばかりでなく、熱ひずみエネルギーも解放されるとい
う効果がある。
【発明の効果】
本発明によれば、金属筒の内面にセラミック織布を介
して固定した各セラミックタイルに孔を形成し又は周囲
に隙間を設け、金属筒の冷却空気孔及びセラミック織布
を通して冷却空気を導く、又は空隙、金属内筒の小孔及
びセラミック織布を通して冷却空気を均等に分散するよ
うにしたため、金属筒及び各セラミックタイルの局部的
な過冷却が防止され、温度勾配が低減するとともに耐熱
性能が向上し冷却空気を大幅に削減できる。その結果、
燃焼用空気の利用率が増大して石炭ガス化燃料使用の場
合に有利となる。 特に、セラミックタイルのほぼ中央部を1本の耐熱ボ
ルトで金属筒に固定し、かつセラミックタイルを隣接す
るもの同士が互いに隙間を介して面一に配設しているこ
とから、セラミックタイルの熱膨張等の変形に対する拘
束力が作用しないので、耐熱性が一層向上する。耐熱性
の向上は高負荷燃焼を可能とし、低NOx化を自在に行え
る二次的な効果も得られる。また、セラミックタイルに
多数の通孔を形成したものによれば、熱応力が緩和され
るとともに、き裂が発生してもき裂を停止させる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、第2図〜第4
図は第1図の耐熱タイルの一実施例を示す図、第5図は
第4図のV・V断面図、第6図は第4図の一部拡大図、
第7図及び第8図は耐熱タイルの他の実施例を示す図、
第9図は第1図の要部を示す一部断面図、第10図及び第
11図は耐熱タイルの他の実施例を示す図、第12図〜第14
図は本発明の他の実施例を示す一部断面図、第15図は耐
熱タイルの他の実施例を示す斜視図、第16図は従来の技
術を示す平面断面図、第17図は従来の技術のセラミック
タイルを示す斜視図、第18図は従来の技術を示す縦断面
図、第19図及び第20図は第18図の平面断面図、第21図は
従来の技術の斜視図である。
【符号の説明】
21……金属筒、22……耐熱織布、23……耐熱タイル、25
……燃焼空気流入孔、26……通孔、28……金属内筒、29
……空隙、30……冷却空気孔、31……小孔、33……隙
間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 隆志 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 阿部 俊夫 東京都狛江市和泉本町1―36―3―901 (72)発明者 久松 暢 神奈川県藤沢市湘南台4―6―10 シヤ ングリラ湘南303 (56)参考文献 特開 昭59−15728(JP,A) 特開 昭61−228225(JP,A) 実開 昭60−155756(JP,U) 特公 昭62−42213(JP,B2) 特公 昭52−37126(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属筒の内面にセラミック織布を介して複
    数のセラミックタイルを配設し、前記金属筒に複数の冷
    却空気孔を形成し、かつ複数のセラミックタイルを配設
    してなるセラミックタイル面に複数の燃焼空気流入孔を
    形成し、前記金属筒の外周に空気を供給するようにして
    なる燃焼器において、前記セラミックタイルのそれぞれ
    は、外面と内面を連通する複数の通孔を有し、ほぼ中央
    部が1本の耐熱ボルトで前記金属筒に固定され、かつ隣
    接するもの同士が互いに隙間を介して面一に配設されて
    なることを特徴とする燃焼器。
  2. 【請求項2】金属筒の内面にセラミック織布を介して複
    数のセラミックタイルを配設し、前記金属筒に複数の冷
    却空気孔を形成し、かつ複数のセラミックタイルを配設
    してなるセラミックタイル面に複数の燃焼空気流入孔を
    形成し、前記金属筒の外周に空気を供給するようにして
    なる燃焼器において、前記セラミックタイルのそれぞれ
    は、ほぼ中央部が1本の耐熱ボルトで前記金属筒に固定
    され、かつ隣接するもの同士が互いに隙間を介して面一
    に配設されてなることを特徴とする燃焼器。
JP01051382A 1989-03-03 1989-03-03 燃焼器 Expired - Lifetime JP3099087B2 (ja)

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