JP3098919B2 - 車両の四輪操舵装置 - Google Patents

車両の四輪操舵装置

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JP3098919B2 JP20855694A JP20855694A JP3098919B2 JP 3098919 B2 JP3098919 B2 JP 3098919B2 JP 20855694 A JP20855694 A JP 20855694A JP 20855694 A JP20855694 A JP 20855694A JP 3098919 B2 JP3098919 B2 JP 3098919B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピードスプレーヤ、
トラクター等の四輪式車両の前後輪操舵装置、特に、前
輪と後輪との転舵比がステアリングハンドルの操舵角に
従って自動的に変更される操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、車両の走行は、直進運動と曲線
(旋回)運動の二つから成り、この曲線(旋回)運動を
行うために車両に操舵装置が装着されている。操舵装置
は、操舵操作が容易であり、しかも確実に行えること、
更に、低速・高速あるいはその使用目的に適応すること
は勿論、運動学上の車両の持つ旋回性能を損なうことな
く安全に旋回できるものでなければならない。
【0003】従来、四輪式車両の操舵装置としては、前
輪操舵装置と四輪操舵装置とがあり、スピードスプレー
ヤ、トラクター等の作業用四輪式車両分野においても、
一般道路上等の比較的走行速度の早い使用状態と、圃場
での作業等の走行速度の遅い使用状態とに対応できるよ
うな操舵装置の装備を必要とすることから、四輪操舵装
置が使用されている場合もある。
【0004】そして、一般の四輪操舵装置としては、
(a)ステアリングハンドルと、ステアリングシャフト
と、該シャフトに連動連結されているベベルギャ伝動機
構と、機体の前後方向に位置し、その前後端に前車輪及
び後車輪の舵取機構を装着した操舵軸を配置して、ステ
アリングハンドルの回動操作で前記ステアリングシャフ
トと前記ベベルギアを介して操舵軸を回転させて前車輪
及び後車輪の舵取機構を作動させて、前後車輪の転舵
(前後輪が逆位相)を行うもの(特開平2−13258
4号公報)、(b)前車輪の転舵に関連して後車輪を転
舵させ、車速に応じて前車輪に対する後車輪の転舵比
(車速が高ければ転舵比が正、即ち、前車輪と後車輪が
同位相、車速が低ければ転舵比が負、即ち、逆位相)を
可変にするもの(特開昭59−25364号公報、特開
昭61−196872号公報)、及び、(c)ステアリ
ングハンドルの回動操作で前車輪及び後車輪が転舵する
ものにおいて、該ハンドルの小操舵角操作では前後車輪
の一方の車輪が殆ど転舵しないか、または、他方の車輪
と同位相に少ない転舵角で転舵させ、該ハンドルの大操
舵角操作で前記一方の車輪を他方の車輪と逆位相に大き
い転舵角で転舵させるもの(実開昭61−107686
号公報)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる従来
の前記四輪操舵装置(a)は、ステアリングハンドルの
操舵に応じて前後車輪が逆位相で転舵するのみであっ
て、車両の走行速度の変化、あるいは、車輪の旋回角度
等に応じて前後車輪の転舵比(正、あるいは負)が変更
されるものではないので、車両の走行速度の高低、もし
くは、車両の使用目的に適合する前後車輪の転舵を得る
ことが出来にくいという不都合があり、前記四輪操舵装
置(b)は、車両の走行速度に対して前後車輪の転舵比
を変更できるものであるが、車両の走行速度を検出し、
転舵と関連させる機構を操舵装置に備える必要があると
ともに、車両の走行速度に関係なく前後車輪の転舵比を
変更することはできないものであり、また、前記四輪操
舵装置(c)は、車両の走行速度に関係なく、ステアリ
ングハンドルの操舵角の大小により前後車輪の転舵比を
変更できるものものであるが、前後車輪の転舵比を変更
する機構としてギヤ等の複雑な装置を必要としていた等
の問題点があった。
【0006】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、特に、車両の走行速度の
検出装置等を必要とせずに、大旋回半径時(高速時)に
二輪操舵と同様の機能をし、小旋回半径時(低速時)に
四輪操舵としての機能を発揮する操舵装置を提供するこ
とであり、かつ、そのための構成の簡単な後輪転舵比変
更機構を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべ
く、本発明に係る車両の四輪操舵装置は、ステアリング
ハンドルの操舵に応じて各々のドラッグロッドにより各
別に前車輪及び後車輪を転舵操作する前後の操舵機構を
備えるとともに、前記後輪操舵機構を操作する前記ドラ
ッグロッドの途中に、後輪転舵比変更機構を介装した車
両の四輪操舵装置であって、前記後輪転舵比変更機構
が、第一リンク、第二リンク、第三リンク、第四リンク
と回動クランクとを備え、前記第一リンク、前記第四リ
ンク及び前記回動クランクの一端が車体に軸着され、前
記第一リンクの他端と前記第二リンクの一端を枢支し、
前記第二リンクの他端と前記第三リンクの一端を枢支
し、前記第三リンクの他端と前記第四リンクの他端を枢
支し、更に、前記第二リンクの中間部に前記回動クラン
クの他端が枢支された構成とし、前記ステアリングハン
ドル側の前部ドラッグロッドが前記回動クランクに連動
連結され、前記後輪操舵機構側の後部ドラッグロッドが
前記第四リンクに連動連結されていることを特徴として
いる。
【0008】そして、前記後輪転舵比変更機構は、クラ
ンクと複数のリンクのみの組合わせ機構として構成さ
れ、前部ドラッグロッドに連動連結された回動クランク
の特定回動範囲においては後部ドラッグロッドに連動連
結された一つのリンクが移動しないが、前記回動クラン
クの前記特定回動範囲を越えた状態においては前記リン
クが大きく移動するべく構成されていることを特徴とし
ている。
【0009】
【作 用】本発明による車両の四輪操舵装置は、ステア
リングハンドルの操舵に応じて前車輪及び後車輪の各々
のドラッグロッドにより各別に前車輪及び後車輪を転舵
操作するものであるが、ステアリングハンドルの小さい
操舵角においては、前車輪は前記ステアリングハンドル
の操舵角に応じて転舵するが、後車輪は前部ドラックリ
ングが移動しても、該前部ドラッグロッドの後部に介装
した後輪転舵比変更機構の作用により、後部ドラッグロ
ッドは殆ど移動せず、後車輪は殆ど操舵されない。しか
し、ステアリングハンドルの大きい操舵角においては、
前車輪は前記と同様に前記ステアリングハンドルの操舵
角に応じて転舵する一方、後車輪も前記後輪転舵比変更
機構の操舵比変更作用によって、前車輪と逆位相で大き
く転舵される。
【0010】前記ステアリングハンドルの操舵に基づ
く、前記四輪式車両の前車輪及び後車輪の転舵によっ
て、前記車両は、比較的高速走行でステアリングハンド
ルの操舵角が小さい範囲内で運転する路上走行等におい
ては、事実上、前輪操舵のみの操舵を有する操舵装置と
して機能し、低速走行でステアリングハンドルの操舵角
が大きな状態で運転する圃場走行等においては、前後輪
が互いに逆位相となる四輪操舵装置として機能するもの
である。
【0011】
【実施例】以下に添付の図を参照して本発明の一実施例
を詳細に説明する。図1は、本発明の四輪操舵装置が適
用された実施例の一つであるスピードスプレーヤの外観
を示している。一般に、スピードスプレーヤは、車体に
設置された薬液タンク内の薬液をポンプで車体後部に配
されたノズルに圧送し、そのノズルから外部に向けて吹
き出される薬液を、車体後部に設けられた送風ファンか
ら外部に向けて吹き出される空気流により拡散し、もっ
て、果樹園等の圃場において走行しながら広域に渡って
効率的に薬液の散布作業等を行うものである。
【0012】かかるスピードスプレーヤとしては、前記
の如く果樹園等の特定の狭い空間を走行させる必要があ
ることから、車幅、車長が短いのが良いことは勿論であ
るが、小回りが効くとともに車両の旋回半径を可能な限
り小さくすることが望まれる一方、一般道路上等での走
行も必要なことから、一般の乗用車等と同様な操舵走行
性も望まれている。
【0013】図1において、スピードスプレーヤ1は、
車体3の下部に四つの前後車輪12、12’が設けられ
るとともに、前記車体3のフロント側中央に運転席2が
配置され、中央部に断面半円形状の薬液タンク4が設置
され、この薬液タンク4の直後に、該薬液タンク4の外
表面と略面一の断面半円形状の外表面を持つエンジンカ
バー5で画成されたエンジンルーム15が形成され、こ
のエンジンルーム15内に走行用と送風ファン駆動用と
を兼ねるリヤ配置の単一のディーゼル式等のエンジン
(図示省略)が収容されている。前記エンジンルーム1
5の後部には風胴9や吐風口7等で包囲された軸流送風
ファン(図示省略)が配され、前記吐出口7には外部を
臨むように所要数の薬液噴霧用ノズル6が配設されてい
る。前記運転席2近傍には前記ノズル6に薬液を圧送す
るホンプ11が配され、前記ノズル6から外部に向けて
噴霧される薬液が、前記吐風口7から外部に向けて吹き
出される前記送風ファンからの空気流により拡散され、
それにより、果樹園等においてステアリングハンドル1
0を操舵して車両(スピードスプレーヤ1)を走行しな
がら薬液の散布作業を行うことができるようにされてい
る。
【0014】図2は、図1のスピードスプレーヤ1の車
体3上に配置されている前記運転席2、薬液タンク4、
エンジンルーム15、風胴9や吐風口7等で包囲された
送風ファン、及び、ポンプ11等を取り除き、四輪操舵
装置部分の概観を示す平面図である。前記ステアリング
ハンドル10のステアリング軸11は、ラックピニオン
式のギヤボックス13内に組み込まれていて、該ギヤボ
ックス13のラック軸14の一端にはピットマンアーム
16が固定連結されており、該ピットマンアーム16の
アーム揺動端の左右両側には、前輪用のタエロッドエン
ド17と後輪用のタエロッドエンド18とが、それぞれ
枢支連結されている。前記前輪用のタイロッドエンド1
7には前輪用ドラッグロッド19の一端が連結され、前
記後輪用のタイロッドエンド18には後輪用の前部ドラ
ッグロッド31の一端が連結されている。
【0015】前記前輪用ドラッグロッド19は、前輪操
舵装置20に連動連結されるものであり、前記後輪用の
前部ドラッグロッド31は、後輪転舵比変更機構40及
び後輪用の後部ドラッグロッド32とを介して後輪操舵
装置30に連動連結されている。前記前輪操舵装置20
は、前記左右の前車輪12、12のナックル部(図示せ
ず)に固定配置されたナックルアーム21、22と、該
ナックルアーム21、22に回動自在に枢支された左右
のタエロッドエンド23、24と、該タイロッドエンド
23、24を両端に固定した長さ調節自在なタイロッド
25を主要構成としており、前記車体3の進行方向左側
の前記前車輪12のナックルアーム22には、前記前輪
用のドラッグロッド19の一端に固定されたタイロッド
エンド26が枢支連結されている。前記前輪用のドラッ
グロッド19の前後方向の移動により、左側の前記前車
輪12のナックルアーム22が回動され、前記左側の前
車輪12を転舵させるとともに、前記ナックルアーム2
2の回動が前記タイロッド25に伝えられ、右側の前記
前車輪12の前記ナックルアーム21を回動して前記右
側の前車輪12も同時に転舵させる。
【0016】前記後輪操舵装置30は、前記前輪操舵装
置20と同様の構成を有しており、前記左右の後車輪1
2’、12’のナックル部(図示せず)に固定配置され
たナックルアーム33、34と、該ナックルアーム3
3、34に枢支連結された左右のタエロッドエンド3
5、36、と、該タイロッドエンド35、36を両端に
固定した長さ調節自在なタイロッド37を主要構成とし
ており、前記車体3の進行方向左側の車輪12’の前記
ナックルアーム34には前記後輪用の後部ドラッグロッ
ド32の一端に固定されたタイロッドエンド38が枢支
連結されている。前記後輪用の後部ドラッグロッド32
の前後方向の移動により、左側の前記後車輪12’のナ
ックルアーム34が回動され、前記左側の後車輪12を
転舵させるとともに、前記ナックルアーム34の回動が
前記タイロッド37に伝えられ、右側の前記後車輪1
2’の前記ナックルアーム33を回動して前記右側の後
車輪12’も同時に転舵させる。
【0017】前記後輪転舵比変更機構40は、図3に拡
大図示されており、第一リンク41、第二リンク42、
第三リンク43、第四リンク44と回動クランク45と
を備えている。前記第一リンク41の一端枢支点A、前
記第四リンク44の一端枢支点G及び前記回動クランク
45の一端枢支点Dがそれぞれ前記車体3のフレームに
垂直に固定された軸体49、50、51により水平面内
で回動自在に軸着され、前記第一リンク41の他端と前
記第二リンク42の一端を枢支点Bで互いに枢支し、前
記第二リンク42の他端と前記第三リンク43の一端を
枢支点Eで互いに枢支し、前記第三リンク43の他端と
前記第四リンク44の他端を枢支点Fで互いに枢支し、
更に、前記第二リンク42の中間部に前記回動クランク
45の他端が枢支点Cで枢支された構成とされている。
【0018】前記回動クランク45の枢支点Dの前記軸
体50には、前部回動リンク46の一端がキー等により
前記回動クランク45と一体に固定され、前記枢支点D
を中心に前記回動クランク45と一体となって回動す
る。前記前部回動リンク46の他端には、前記後輪用前
部ドラッグロッド31に固定されているタエロッドエン
ド48が枢支連結されている。
【0019】前記第四リンク44の枢支点Gの軸体51
には、後部回動リンク47の一端がキー等により前記第
四リンク44と一体に固定され、前記枢支点Gを中心と
して前記第四リンク44と一体となって回動する。前記
後部回動リンク47の他端には、前記後輪用後部ドラッ
グロッド32に固定されているタイロッドエンド39が
枢支連結されている。
【0020】前記後輪転舵比変更機構40を構成する部
材とその枢支連結関係は前記説明の通りであって、複数
のリンクと回動クランクとの組合わせリンク機構により
構成されるものである。前記前部ドラッグロッド31の
前記車体3の前後方向への移動によって、前記前部回動
リンク46が固定された枢支点Dを軸心に回動し、この
前部回動リンク46と一体の前記回動クランク45も回
動して、該回動クランク45の前記第一リンク41の中
間部へ連結された枢支点Cの位置が移動する。
【0021】この枢支点Cの移動により、前記回動クラ
ンク45に枢支されている前記第二リンク42が移動
し、この第二リンク42の移動に基づいて、前記第一リ
ンク41及び前記第三リンク43を移動させ、更に前記
第一リンク41及び前記第三リンク43の移動によっ
て、前記各々のリンクの前記枢支点B、C、E、Fの位
置も移動する。更にまた、前記枢支点Fの位置の移動に
より、前記第四リンク44が前記枢支点Gを軸心として
回動することにより、該第四リンク44と一体の前記後
部回動リンク47が前記枢支点Gを軸心として回動し
て、前記後輪の後部ドラッグロッド32を前記車体3の
前後方向に移動させる。
【0022】前記のように前記後輪転舵比変更機構40
の複数のリンクと回動クランクの回動及び移動により、
前記後輪の前部ドラッグロッド31の前記車体3の前後
方向の動きが前記後輪の後部ドラッグロッド32に伝え
られ、該後部ドラッグロッド32を前記車体3の前後方
向に動かし、前記後車輪12’、12’を転舵させるも
のであるが、前記前部ドラッグロッド31と前記後部ド
ラッグロッド32との移動の方向は逆方向になる。即
ち、前記前部ドラッグロッド31が前記車体3の進行方
向(図の右側)に動くときは、前記後部ドラッグロッド
32は前記車体3の後退方向(図の左側)に移動し、前
記前部ドラッグロッド31が前記車体3の後退方向に動
くときは前記後部ドラッグロッド32は前記車体3の進
行方向に移動する。
【0023】また、本実施例の前記後輪転舵比変更機構
40は、前記の複数のリンクと回動クランクを前記のよ
うな組合わせ機構、即ち、図示のような配置構成にする
ことによって、前記前部ドラッグロッド31の移動量に
対する前記後部ドラッグロッド32の移動量の比が前記
前部ドラッグロッド31の移動位置によって異なるよう
に作動する。換言するならば、左右の前記後車輪1
2’、12’に転舵がなく、前記車体3が直進状態にあ
る位置(左右転舵の中立位置)から、例えば、前記前部
ドラッグロッド31を前記車体3の前後方向に動かす転
舵初期の位置では、前記前部ドラッグロッド31の移動
量に対する前記後部ドラッグロッド32の移動量が殆ど
ないか極めて小さくなり、前記後車輪12’、12’は
実質的に転舵されず、前二輪操舵状態となる。また、前
記車体3が小さい旋回半径で走行を行う時の大きな転舵
位置においては、前記前部ドラッグロッド31の移動量
に対する前記後部ドラッグロッド32の移動量を転舵初
期に比べて大きくせしめるとともに、前後逆相四輪操舵
状態となるように、前記前部ドラッグロッド31の移動
量に対する前記後部ドラッグロッド32の移動量の比が
自動的に変化するように作動するものである。即ち、前
記ステアリングハンドル10の操舵角に関連して前記後
車輪12’、12’の転舵比が自動的に変更するように
作動する。
【0024】前記後輪転舵比変更機構40のリンク機構
の前記作動の原理を図4に示した。まず、枢支点A、D
を固定し、枢支点B、Cが移動できる第一リンク41、
第二リンク42及び回動クランク45から成る四節機構
を考え、前記回動クランク45を前記枢支点Dを軸心と
して回動し、中心角をθとして前記枢支点Cが描く円孤
C−C2 −C1 に対して第二リンク42の端部である枢
支点Eの描く孤E−E2 −E1 を求め、該孤E−E2
1 の円孤中心である枢支点Fの位置を求める。そし
て、任意の位置に固定の枢支点Gを定めて第三リンク4
3及び第四リンク44を枢着して、図4のようなリンク
機構を構成する。該リンク機構においては、前記回動ク
ランク45の一回転に対して前記第四リンク44は揺動
するものであるが、前記回動クランク45が角θ内を回
動する間は前記枢支点Fは殆ど動かないので、前記第四
リンク44は実質的に揺動せず静止の状態にあり、前記
回動クランク45が角θの範囲を越えて回動すると、前
記第四リンク44が揺動することが理解できる。
【0025】本実施例は、前記説明のそれ自体は周知の
リンク機構の原理を前記後輪転舵比変更機構に利用した
ものである。即ち、図4の前記リンク機構において、前
記前部ドラッグロッド31が前記車体3の進行方向もし
くは後退方向に動き始める転舵初期(ステアリングハン
ドルの操舵角の小さい状態)においては、前記回動クラ
ンク45が角θ内を回動する位置で作動するべく構成
し、前記車体3が小さい旋回半径で走行を行う大きな転
舵時期(ステアリングハンドルの操舵角の大きい状態)
においては前記回動クランク45が角θの範囲外を回動
する位置で作動するべく構成したものである。このよう
な位置構成によって、前記前部ドラッグロッド31の動
きは、前記後輪転舵比変更機構40を介することによ
り、その動きの位置の違いによって転舵比が変更されて
前記後部ドラッグロッド32に伝えられ、ステアリング
ハンドル10の操舵角の小さい状態と、ステアリングハ
ンドル10の操舵角の大きい状態とで、後車輪12’、
12’の転舵比を異にして使用できる。
【0026】前記後輪転舵比変更機構40の前記各リン
ク42、43、44、前記回動クランク45及び前記各
枢支点B、C、E、Fのそれぞれの前記前部ドラッグロ
ッド31の動きに基づく各操作位置での実際の動きが図
5にに示されている。次に、本実施例の作動について説
明する。スピードスプレーヤ1の運転席2に座った運転
者が、エンジンを駆動して車体3の走行を始めて、直進
状態からステアリングハンドル10を回動すると、ステ
アリング軸11を介してギャボックス13のラック軸1
4が回動する。該ラック軸14の回動によりピットマン
アーム16が前後方向に揺動すると共に、該ピットマン
アーム16のアーム揺動端の左右両側にタエロッドエン
ド17、18を介して枢支連結されている前輪用ドラッ
グロッド19と後輪用の前部トラッグロッド31とがそ
れぞれ車体3の前進方向に移動する。
【0027】前記前輪用のドラッグロッド19の車体3
の前後方向への移動により、左側の前記前車輪12のナ
ックルアーム22が回動され、前記左側の前車輪12を
転舵させるとともに、前記ナックルアーム22の回動が
前記タイロッド25に伝えられ、右側の前記前車輪12
の前記ナックルアーム21を回動して前記右側の前車輪
12も同時に転舵させる。そして、ステアリングハンド
ルの操舵角に応じた前記前車輪12の転舵角が得られ
る。
【0028】一方、前記後輪用の前部ドラッグロッド3
1は、前記後輪転舵比変更機構40及び後輪用の後部ド
ラッグロッド32とを介して前記後輪操舵装置30に連
動連結されているので、前記前部ドラッグロッド31が
前記車体3の前後方向に移動しても、前記ステアリング
ハンドル10の操舵角が小さい間は、前記後輪転舵比変
更機構40の作用によって、実質的には前記後部ドラッ
グロッド32は移動せず、前記後輪操舵装置30が作動
しないので、前記後車輪12’、12’は転舵しない。
したがって、前記ステアリングハンドル10の所定角度
範囲内の操舵角が小さい間での車体3の操向は、前輪操
舵のみて行われていることになる。
【0029】前記ステアリングハンドル10の操舵角が
だんだんに大きくなると、前記後輪転舵比変更機構40
の作用によって、前記後部回動リンク47の移動比率が
だんだん大きくなり、前記後部ドラッグロッド32の移
動量が多くなり、該後部ドラッグロッド32が前記前部
ドラッグロッド31の移動方向と反対方向に移動し、左
側の前記後車輪12’のナックルアーム34が回動さ
れ、前記左側の後車輪12’を転舵させるとともに、前
記ナックルアーム34の回動が前記タイロッド37に伝
えられ、右側の前記後車輪12’の前記ナックルアーム
33を回動して前記右側の後車輪12’も同時に転舵さ
せる。しかしながら、この後車輪12’、12’の転舵
の方向は前記前車輪12、12の転舵方向とは逆位相に
なる。
【0030】前記ステアリングハンドル10の操舵角を
所定角度範囲より大きくして、前記後車輪12’、1
2’の転舵の方向と前記前車輪12、12の転舵方向と
を逆位相にすると、車体3のより旋回半径の小さい操向
が可能となる。図6(説明を簡略にするため、カーブを
単純化して示した)には、本実施例における前記前車輪
12、12と前記後車輪12’、12’との前記ステア
リングハンドル10の操舵操作(角度変更)に伴う転舵
角度の変化が、左右の転舵方向について示されている。
【0031】図6からも明かなように、前記ステアリン
グハンドル10の操舵角度の小さい間は、前記前車輪1
2、12が転舵しても、前記後車輪12’、12’は殆
ど転舵しないが、前記ステアリングハンドル10の操舵
角度が大きくなると、前記後車輪12’、12’もだん
だん転舵が大きくなり、転舵の方向は前記前車輪12、
12の転舵の方向とは逆位相となる。以上、スピードス
プレーヤの実施例について説明したが、本発明は前記実
施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載
された本発明の範囲を逸脱することなく、設計において
種々他の構成に変更できることは勿論のことである。
【0032】例えば、本発明は、農業用トラクタ等の圃
場で作業する四輪操舵の車両、及び、一般の四輪式車両
にも適用できるものである。また、後輪転舵比変更機構
も実施例に限定されるものではなく、異なる構成のもの
でも、本発明に適用できるものである。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る車両の四輪操舵装置は、ステアリングハンドル
の操舵角に応じて前車輪と後車輪の転舵比が自動的に変
更され、ステアリングハンドル10の操舵角度の小さい
間は実質的に前二輪操舵装置として機能し、操舵角度の
大きい状態では四輪操舵装置として機能するので、一般
道路上等の比較的高速の走行と、圃場等の低速での急旋
回走行との両方の操向操作が良好に行える。
【0034】すなわち、路上走行等、あまり急旋回の必
要がない状態で走行するときは、実質的に前二輪操舵装
置として機能するので、四輪操舵装置としての直線走行
時の操向不安定性を解消できる。また、前輪と後輪の転
舵比がメカニカルリンクにより自動的に変更されるもの
であるから、二輪操舵と四輪操舵との切り替え手段が不
要である。
【0035】更に、操舵装置として、油圧装置、歯車装
置等の特別な装置を必要とせず、リンク機構のみで転舵
比を変更できるので、製作が容易で、安価に製作でき、
後輪用のドラッグロッドの途中に、単に、後輪転舵比変
更機構を介在するのみで前後輪の転舵比を変更できるの
で、既存の操舵装置に、直ちに、容易に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る四輪操舵装置が適用される一実施
例のスピードスプレーヤの外観を示す斜視図。
【図2】実施例四輪操舵装置の平面図。
【図3】図2の四輪操舵装置の後輪転舵比変更機構の拡
大図。
【図4】図3の後輪転舵比変更機構のリンク機構の作動
原理図。
【図5】図3の後輪転舵比変更機構のリンク機構の作動
状態図。
【図6】ハンドル操舵角度に対する前輪及び後輪の転舵
の比較図。
【符号の説明】
1…スピードスプレーヤ 10…ステアリングハンドル 12…前車輪 12’…後車輪 19…前輪用のドラッグロッド 31…後輪用の前部ドラッグロッド 32…後輪用の後部ドラッグロッド 40…後輪転舵比変更機構 41…第一リンク 42…第二リンク 43…第三リンク 44…第四リンク 45…回動クランク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−262257(JP,A) 特開 平1−95972(JP,A) 実開 昭61−107686(JP,U) 実開 昭59−160465(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングハンドル(10)の操舵に
    応じて各々のドラッグロッド(19,31,32)によ
    り各別に前車輪(12)及び後車輪(12’)を転舵操
    作する前後の操舵機構(20,30)を備えるととも
    に、前記後輪操舵機構(30)を操作する前記ドラッグ
    ロッド(31,32)の途中に、後輪転舵比変更機構
    (40)を介装した車両の四輪操舵装置であって、 前記後輪転舵比変更機構(40)は、第一リンク(4
    1)、第二リンク(42)、第三リンク(43)、第四
    リンク(44)と回動クランク(45)とを備え、前記
    第一リンク(41)、前記第四リンク(44)及び前記
    回動クランク(45)の一端が車体(3)に軸着され、
    前記第一リンク(41)の他端と前記第二リンク(4
    2)の一端を枢支し、前記第二リンク(42)の他端と
    前記第三リンク(43)の一端を枢支し、前記第三リン
    ク(43)の他端と前記第四リンク(44)の他端を枢
    支し、更に、前記第二リンク(42)の中間部に前記回
    動クランク(45)の他端が枢支された構成とし、前記
    ステアリングハンドル(10)側の前部ドラッグロッド
    (31)が前記回動クランク(45)に連動連結され、
    前記後輪操舵機構(30)側の後部ドラッグロッド(3
    2)が前記第四リンク(44)に連動連結されているこ
    とを特徴とする車両の四輪操舵装置。
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