JP3097793U - 吊り具 - Google Patents
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Abstract
【課題】この考案は、係合孔のある鋼材や構造物への取り付け/取り外しを容易に且つ確実に行うことができる吊り具を提供することを課題とする。
【解決手段】ピン1の抜き取りが禁止されている場合、レバー部18を回動させて抜け止め用ストッパ7を付勢力に抗して移動することによりストッパ7の先端部をピン1のフランジ部10から外すと、ピン1の抜き取りが許容され、この状態でピン1を抜取る。そして、被保持物の係合孔にピン1を通してピン1の先端部を先端保持部3内に押し込むと、ピン1のフランジ部10が大径部14b内に収容されたところで、バネ17の付勢力により抜け止め用ストッパ7がストッパ取付け部4aから突出してピン1のフランジ部10に係合し、これによりピン1の抜き取りが禁止される。
【選択図】 図1
【解決手段】ピン1の抜き取りが禁止されている場合、レバー部18を回動させて抜け止め用ストッパ7を付勢力に抗して移動することによりストッパ7の先端部をピン1のフランジ部10から外すと、ピン1の抜き取りが許容され、この状態でピン1を抜取る。そして、被保持物の係合孔にピン1を通してピン1の先端部を先端保持部3内に押し込むと、ピン1のフランジ部10が大径部14b内に収容されたところで、バネ17の付勢力により抜け止め用ストッパ7がストッパ取付け部4aから突出してピン1のフランジ部10に係合し、これによりピン1の抜き取りが禁止される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、吊り具に係り、特に係合孔が形成された被保持物を吊り下げるための吊り具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平5−330782号公報には、被保持物に特殊な形状の孔を形成すると共にこの孔にボルトを挿入し、さらに吊り下げ用の吊り孔を有するアイナットをボルトの先端に螺合してこれらボルトの頭部とアイナットとの間に被保持物を挟持することにより被保持物を吊り下げることが可能な吊り具が開示されている。
【0003】
ところが、上述の吊り具では、被保持物に形成された特殊な形状の孔が必要であるため、例えば円形の孔が既に形成されている鋼材や構造物であっても、さらに吊り下げ用に特殊な形状の孔を開けなければならず、使いやすいものではなかった。
【0004】
これに対し、既存の孔を利用して被保持物を吊り下げることのできる治具として、ナット締め式の吊り具が用いられている。U字形の吊り具本体に取り付けられているピンを鋼材や構造物に形成されている既存の孔に挿通し、この状態でピンの先端をナット締めしてピンが吊り具本体から抜けないように固定している。このような吊り具を使用することにより、重量のある鋼材や構造物を確実に吊り下げることができる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のナット締め式の吊り具では、ナット締め式のために吊り具の取り付け/取り外しの操作に手間と時間がかかり、特に、作業現場においては作業者が革手袋や軍手を装着していることが多いので、吊り具のナット締めが行いづらいという問題点があった。
また、使用している間にピンの先端に形成されたネジ山が損傷することがあり、その場合にはナットの締め付けが完全に行われない虞があった。特に、ナット締めの際にピンの先端が吊り具本体の後方に位置すると、作業者がナットの締め付けを目で確認することが困難であった。
この考案はこのような問題点を解消するためになされたもので、係合孔のある鋼材や構造物への取り付け/取り外しを容易に且つ確実に行うことができる吊り具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案に係る吊り具は、被保持物に形成された係合孔に通されると共にその基端部にフランジ部を備えるピンと、ピンが差し込まれると共にピンの先端部と基端部とをそれぞれ保持する先端保持部及び基端保持部を有する本体と、基端保持部に配置されると共にピンの外周部に向かって付勢され且つピンのフランジ部に係合することによりピンの本体からの抜き取りを禁止する抜け止め用ストッパと、抜け止め用ストッパに取り付けられ且つ抜け止め用ストッパを付勢力に抗して移動することによりピンのフランジ部に対する抜け止め用ストッパの係合を解除するレバー部とを備えるものである。
本体は、先端保持部及び基端保持部を連結する連結部を備えると共にピンに対して連結部の反対側に吊り下げ用の吊り孔を備えることが好ましい。
また、本体の基端保持部に配置され且つピンの外周部に向かって付勢される脱落防止用ストッパを更に備えると共に、ピンの先端部には脱落防止用ストッパに嵌合するための環状溝が周に沿って形成されていることがより好ましい。
【0007】
【考案の実施の形態】
以下、この考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にこの考案の実施の形態に係る吊り具を示す。この吊り具は、鋼材や構造物などの被保持物に形成された係合孔に通されるピン1とこのピン1が差し込まれる本体2とを有している。本体2はピン1の先端部と基端部とをそれぞれ保持する先端保持部3及び基端保持部4を有し、これら先端保持部3と基端保持部4とが連結部5により連結されてほぼU字状に形成されている。また、基端保持部4には、脱落防止用ストッパ6及び抜け止め用ストッパ7がそれぞれ取り付けられている。さらに、基端保持部4にはピン1に対して連結部5の反対側に位置するように吊り部8が取り付けられており、吊り部8はそのほぼ中央に吊り孔8aを有している。
【0008】
ピン1は、その先端部に環状溝9が周に沿って形成される一方、その基端部に外周面から放射状に突出したフランジ部10を有している。環状溝9の先端側には円錐状の凸部11が形成されており、環状溝9の基端側には基端部に向かうほど拡径するようなテーパー部9aが形成されている。また、フランジ部10の基端側にはこのピン1を移動するための取っ手12が取り付けられている。
【0009】
一方、本体2の先端保持部3及び基端保持部4には、ピン1の先端部及び基端部がそれぞれ差し込まれる先端貫通孔13及び基端貫通孔14が形成されている。ここで基端貫通孔14は、先端貫通孔13とほぼ同じ大きさの径を有する小径部14aと小径部14aより大きい径を有して小径部14aに連通する大径部14bとからなり、小径部14aと大径部14bとの間に段差が形成されている。ピン1をこれら先端貫通孔13及び基端貫通孔14に差し込むと、基端貫通孔14の大径部14b内にピン1のフランジ部10が収容されると共に、フランジ部10が小径部14aと大径部14bとの間の段差に係合してピン1が本体1に完全に差し込まれる。
【0010】
また基端保持部4は基端貫通孔14の大径部14b近傍に、外側に張り出したストッパ取付け部4aを有している。ストッパ取付け部4aの内部には基端貫通孔14の軸心に垂直な方向に延長するストッパ用貫通孔15が形成されており、このストッパ用貫通孔15の内部にほぼ環状のガイド部材16が固定されている。また、ガイド部材16の内部に抜け止め用ストッパ7が摺動自在に設けられると共に、抜け止め用ストッパ7はバネ17により基端貫通孔14の軸心に向かって付勢されている。この抜け止め用ストッパ7の先端部は、大径部14bに対向する面の反対側にテーパー面7aを有している。さらに、抜け止め用ストッパ7の基端にはこのストッパ7をバネの付勢力に抗して移動するためのレバー部18が回動自在に取り付けられている。ここで、ピン1が本体2に完全に差し込まれてレバー部18が操作されない状態では、バネ17の付勢力により抜け止め用ストッパ7の先端部がストッパ取付け部4aから突出してピン1のフランジ部10に係合することにより、ピン1の本体2からの抜き取りが禁止されるようになっている。また、レバー部18は連結部5の切り欠き部分に位置しており、作業者がレバー部18を操作することができるように構成されている。
【0011】
図2に示されるように、基端保持部4の側部にはキャップ部材19が取り付けられており、キャップ部材19は基端保持部4に対向する面に凹部19aを有している。また、基端保持部4にはこのキャップ部材19の凹部19aに連通し且つ基端貫通孔14の軸心に垂直な方向に延長するストッパ用貫通孔20が形成されており、このストッパ用貫通孔20は基端貫通孔14の小径部14aの途中に開口している。また、ストッパ用貫通孔20の内部に脱落防止用ストッパ6が配置されており、このストッパ6はバネ21により基端貫通孔14の軸心に向かって付勢されている。なお、図2ではピン1の図示が省略されている。
【0012】
次に、この実施の形態に係る吊り具の作用について説明する。吊り具を被保持物に取り付ける際には次のような手順で作業を行う。ここで、図1に示されるように、ピン1が本体2に完全に差し込まれて抜け止め用ストッパ7がピン1のフランジ部10に係合した状態にあるとき、すなわち、ピン1の本体2からの抜き取りが禁止された状態にあるときには、抜け止め用ストッパ7のレバー部18を実線矢印で示されるように斜め上方に回動させると、抜け止め用ストッパ7がバネ17の付勢力に抗して移動してその先端部がストッパ取り付け部4a内に収納され、これにより抜け止め用ストッパ7のフランジ部10に対する係合が解除されてピン1の本体2からの抜き取りが許容された状態になる。この状態でピン1を抜き取る。
【0013】
このときフランジ部10が抜け止め用ストッパ7より外側に位置するまでピン1を抜いたところで抜け止め用ストッパ7のレバー部18から手を離せば、このストッパ7の先端部が再びストッパ取付け部4a内から突出してもピン1の外周面に押圧されるだけでピン1に引っ掛かることがなく、ピン1をそのまま引き抜いてピン1の先端部を先端保持部3から外すことができる。
その後、図3に示されるようにピン1の先端部の環状溝9が基端保持部4の小径部14aの途中まで来ると、バネ21の付勢力によりこの環状溝9に基端保持部4の脱落防止用ストッパ6が嵌合して、ピン1がその先端部で基端保持部4に保持された状態になる。
【0014】
この状態で、被保持物22に形成された係合孔23を本体2の先端保持部3の先端貫通孔13と基端保持部4の貫通孔14との間に配置し、ピン1の取っ手12を握ってピン1を基端保持部4から先端保持部3に向かって押し込む。ここでピン1の環状溝9の基端側には基端に向かうほど拡径するテーパー部9aが形成されているため、ピン1を先端保持部3に向けて押し込むとピン1の環状溝9から脱落防止用ストッパ6が容易に外れ、ピン1の先端部は被保持物22の係合孔23を通って先端保持部3の先端貫通孔13内に差し込まれる。またこのとき、抜け止め用ストッパ7の先端部は大径部14bに対向する面の反対側にテーパー面7aを有しているため、抜け止め用ストッパ7はピン1のフランジ部10によりそのテーパー面7aに沿ってストッパ取付け部4aの内部へと押されて収納されるため、ストッパ7の先端部にピン1のフランジ部10が引っ掛かることなくスムーズにピン1を差し込むことができる。
【0015】
そして、ピン1のフランジ部10が基端貫通孔14の大径部14b内に収容されると、バネ16の付勢力によりストッパ取付け部4aから抜け止め用ストッパ7が突出してその先端部がピン1のフランジ部10に係合し、ピン1の抜き取りが禁止される。このようにしてピン1が本体2に装着され、吊り具に保持された被保持物が本体2の吊り部8に形成された吊り孔8aを介して吊り下げられる。
【0016】
以上のように、抜け止め用ストッパ7の先端部をピン1のフランジ部10に係合させる或いはレバー部18を操作してその係合を解除するだけで、ピン1の本体2からの抜き取りを禁止または許容の状態にすることができ、ピン1の本体2への取り付け/取り外しを容易に行うことができる。従って、作業現場で作業者が革手袋や軍手を装着していても、係合孔のある被保持物に容易に吊り具を取り付け/取り外しを行うことができる。
【0017】
また、上述のように本考案の吊り具は、ピン1のフランジ部10に基端保持部4の抜け止め用ストッパ7が係合してピン1の抜き取りが禁止されると共に、抜け止め用ストッパ7の係合を解除するためのレバー部18が連結部5内に位置しているため、ピン1の取っ手12や本体2の外側部に外力が作用しても、誤ってピン1の先端部が本体2の先端保持部3から外れて被保持物が落下してしまうことがなく、安全性の高い吊り具が実現される。
また、例えば、係合孔があるビームなどを吊り下げる場合、ビームの両側に吊り具を取付けると共に各吊り具の吊り孔にワイヤーを取付けてこのワイヤーを1つにまとめて上方に引っ張るが、本考案の吊り具では、吊り下げ用の吊り孔8aがピン1に対して連結部5の反対側に位置するため、ピン1及び本体2に過大な荷重をかけることなく、被保持物を吊り下げることができる。
【0018】
さらに、ピン1を引き抜く際には、ピン1の先端部に形成された環状溝9にピン1の回転角度にかかわらず本体2の基端保持部4の脱落防止用ストッパ6が嵌合してピン1の先端部が基端保持部4に保持された状態になるので、ピン1が本体2から脱落してしまうことがなく、より安全性の高い吊り具を実現することができる。
【0019】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、被保持物に形成された係合孔に通されると共にその基端部にフランジ部を備えるピンと、ピンが差し込まれると共にピンの先端部と基端部とをそれぞれ保持する先端保持部及び基端保持部を有する本体と、基端保持部に配置されると共にピンの外周部に向かって付勢され且つピンのフランジ部に係合することによりピンの本体からの抜き取りを禁止する抜け止め用ストッパと、抜け止め用ストッパに取り付けられ且つ抜け止め用ストッパを付勢力に抗して移動することによりピンのフランジ部に対する抜け止め用ストッパの係合を解除するレバー部とを備えたので、吊り具を係合孔のある被保持物に容易に且つ確実に取り付け/取り外しをすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施の形態に係る吊り具を示す側面図である。
【図2】実施の形態に係る吊り具の正面図である。
【図3】実施の形態におけるピンを本体から引き抜いた様子を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ピン、2 本体、3 先端保持部、4 基端保持部、4a ストッパ取付け部、5 連結部、6 脱落防止用ストッパ、7 抜け止め用ストッパ、7a テーパー面、8 吊り部、8a 吊り孔、9 環状溝、9a テーパー部、10フランジ部、11 凸部、12 取っ手、13 先端貫通孔、14 基端貫通孔、15,20 ストッパ用貫通孔、16 ガイド部材、17,21 バネ、18 レバー部、19 キャップ部材、19a 凹部、22 被保持物、23 係合孔。
【考案の属する技術分野】
この考案は、吊り具に係り、特に係合孔が形成された被保持物を吊り下げるための吊り具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平5−330782号公報には、被保持物に特殊な形状の孔を形成すると共にこの孔にボルトを挿入し、さらに吊り下げ用の吊り孔を有するアイナットをボルトの先端に螺合してこれらボルトの頭部とアイナットとの間に被保持物を挟持することにより被保持物を吊り下げることが可能な吊り具が開示されている。
【0003】
ところが、上述の吊り具では、被保持物に形成された特殊な形状の孔が必要であるため、例えば円形の孔が既に形成されている鋼材や構造物であっても、さらに吊り下げ用に特殊な形状の孔を開けなければならず、使いやすいものではなかった。
【0004】
これに対し、既存の孔を利用して被保持物を吊り下げることのできる治具として、ナット締め式の吊り具が用いられている。U字形の吊り具本体に取り付けられているピンを鋼材や構造物に形成されている既存の孔に挿通し、この状態でピンの先端をナット締めしてピンが吊り具本体から抜けないように固定している。このような吊り具を使用することにより、重量のある鋼材や構造物を確実に吊り下げることができる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のナット締め式の吊り具では、ナット締め式のために吊り具の取り付け/取り外しの操作に手間と時間がかかり、特に、作業現場においては作業者が革手袋や軍手を装着していることが多いので、吊り具のナット締めが行いづらいという問題点があった。
また、使用している間にピンの先端に形成されたネジ山が損傷することがあり、その場合にはナットの締め付けが完全に行われない虞があった。特に、ナット締めの際にピンの先端が吊り具本体の後方に位置すると、作業者がナットの締め付けを目で確認することが困難であった。
この考案はこのような問題点を解消するためになされたもので、係合孔のある鋼材や構造物への取り付け/取り外しを容易に且つ確実に行うことができる吊り具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案に係る吊り具は、被保持物に形成された係合孔に通されると共にその基端部にフランジ部を備えるピンと、ピンが差し込まれると共にピンの先端部と基端部とをそれぞれ保持する先端保持部及び基端保持部を有する本体と、基端保持部に配置されると共にピンの外周部に向かって付勢され且つピンのフランジ部に係合することによりピンの本体からの抜き取りを禁止する抜け止め用ストッパと、抜け止め用ストッパに取り付けられ且つ抜け止め用ストッパを付勢力に抗して移動することによりピンのフランジ部に対する抜け止め用ストッパの係合を解除するレバー部とを備えるものである。
本体は、先端保持部及び基端保持部を連結する連結部を備えると共にピンに対して連結部の反対側に吊り下げ用の吊り孔を備えることが好ましい。
また、本体の基端保持部に配置され且つピンの外周部に向かって付勢される脱落防止用ストッパを更に備えると共に、ピンの先端部には脱落防止用ストッパに嵌合するための環状溝が周に沿って形成されていることがより好ましい。
【0007】
【考案の実施の形態】
以下、この考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にこの考案の実施の形態に係る吊り具を示す。この吊り具は、鋼材や構造物などの被保持物に形成された係合孔に通されるピン1とこのピン1が差し込まれる本体2とを有している。本体2はピン1の先端部と基端部とをそれぞれ保持する先端保持部3及び基端保持部4を有し、これら先端保持部3と基端保持部4とが連結部5により連結されてほぼU字状に形成されている。また、基端保持部4には、脱落防止用ストッパ6及び抜け止め用ストッパ7がそれぞれ取り付けられている。さらに、基端保持部4にはピン1に対して連結部5の反対側に位置するように吊り部8が取り付けられており、吊り部8はそのほぼ中央に吊り孔8aを有している。
【0008】
ピン1は、その先端部に環状溝9が周に沿って形成される一方、その基端部に外周面から放射状に突出したフランジ部10を有している。環状溝9の先端側には円錐状の凸部11が形成されており、環状溝9の基端側には基端部に向かうほど拡径するようなテーパー部9aが形成されている。また、フランジ部10の基端側にはこのピン1を移動するための取っ手12が取り付けられている。
【0009】
一方、本体2の先端保持部3及び基端保持部4には、ピン1の先端部及び基端部がそれぞれ差し込まれる先端貫通孔13及び基端貫通孔14が形成されている。ここで基端貫通孔14は、先端貫通孔13とほぼ同じ大きさの径を有する小径部14aと小径部14aより大きい径を有して小径部14aに連通する大径部14bとからなり、小径部14aと大径部14bとの間に段差が形成されている。ピン1をこれら先端貫通孔13及び基端貫通孔14に差し込むと、基端貫通孔14の大径部14b内にピン1のフランジ部10が収容されると共に、フランジ部10が小径部14aと大径部14bとの間の段差に係合してピン1が本体1に完全に差し込まれる。
【0010】
また基端保持部4は基端貫通孔14の大径部14b近傍に、外側に張り出したストッパ取付け部4aを有している。ストッパ取付け部4aの内部には基端貫通孔14の軸心に垂直な方向に延長するストッパ用貫通孔15が形成されており、このストッパ用貫通孔15の内部にほぼ環状のガイド部材16が固定されている。また、ガイド部材16の内部に抜け止め用ストッパ7が摺動自在に設けられると共に、抜け止め用ストッパ7はバネ17により基端貫通孔14の軸心に向かって付勢されている。この抜け止め用ストッパ7の先端部は、大径部14bに対向する面の反対側にテーパー面7aを有している。さらに、抜け止め用ストッパ7の基端にはこのストッパ7をバネの付勢力に抗して移動するためのレバー部18が回動自在に取り付けられている。ここで、ピン1が本体2に完全に差し込まれてレバー部18が操作されない状態では、バネ17の付勢力により抜け止め用ストッパ7の先端部がストッパ取付け部4aから突出してピン1のフランジ部10に係合することにより、ピン1の本体2からの抜き取りが禁止されるようになっている。また、レバー部18は連結部5の切り欠き部分に位置しており、作業者がレバー部18を操作することができるように構成されている。
【0011】
図2に示されるように、基端保持部4の側部にはキャップ部材19が取り付けられており、キャップ部材19は基端保持部4に対向する面に凹部19aを有している。また、基端保持部4にはこのキャップ部材19の凹部19aに連通し且つ基端貫通孔14の軸心に垂直な方向に延長するストッパ用貫通孔20が形成されており、このストッパ用貫通孔20は基端貫通孔14の小径部14aの途中に開口している。また、ストッパ用貫通孔20の内部に脱落防止用ストッパ6が配置されており、このストッパ6はバネ21により基端貫通孔14の軸心に向かって付勢されている。なお、図2ではピン1の図示が省略されている。
【0012】
次に、この実施の形態に係る吊り具の作用について説明する。吊り具を被保持物に取り付ける際には次のような手順で作業を行う。ここで、図1に示されるように、ピン1が本体2に完全に差し込まれて抜け止め用ストッパ7がピン1のフランジ部10に係合した状態にあるとき、すなわち、ピン1の本体2からの抜き取りが禁止された状態にあるときには、抜け止め用ストッパ7のレバー部18を実線矢印で示されるように斜め上方に回動させると、抜け止め用ストッパ7がバネ17の付勢力に抗して移動してその先端部がストッパ取り付け部4a内に収納され、これにより抜け止め用ストッパ7のフランジ部10に対する係合が解除されてピン1の本体2からの抜き取りが許容された状態になる。この状態でピン1を抜き取る。
【0013】
このときフランジ部10が抜け止め用ストッパ7より外側に位置するまでピン1を抜いたところで抜け止め用ストッパ7のレバー部18から手を離せば、このストッパ7の先端部が再びストッパ取付け部4a内から突出してもピン1の外周面に押圧されるだけでピン1に引っ掛かることがなく、ピン1をそのまま引き抜いてピン1の先端部を先端保持部3から外すことができる。
その後、図3に示されるようにピン1の先端部の環状溝9が基端保持部4の小径部14aの途中まで来ると、バネ21の付勢力によりこの環状溝9に基端保持部4の脱落防止用ストッパ6が嵌合して、ピン1がその先端部で基端保持部4に保持された状態になる。
【0014】
この状態で、被保持物22に形成された係合孔23を本体2の先端保持部3の先端貫通孔13と基端保持部4の貫通孔14との間に配置し、ピン1の取っ手12を握ってピン1を基端保持部4から先端保持部3に向かって押し込む。ここでピン1の環状溝9の基端側には基端に向かうほど拡径するテーパー部9aが形成されているため、ピン1を先端保持部3に向けて押し込むとピン1の環状溝9から脱落防止用ストッパ6が容易に外れ、ピン1の先端部は被保持物22の係合孔23を通って先端保持部3の先端貫通孔13内に差し込まれる。またこのとき、抜け止め用ストッパ7の先端部は大径部14bに対向する面の反対側にテーパー面7aを有しているため、抜け止め用ストッパ7はピン1のフランジ部10によりそのテーパー面7aに沿ってストッパ取付け部4aの内部へと押されて収納されるため、ストッパ7の先端部にピン1のフランジ部10が引っ掛かることなくスムーズにピン1を差し込むことができる。
【0015】
そして、ピン1のフランジ部10が基端貫通孔14の大径部14b内に収容されると、バネ16の付勢力によりストッパ取付け部4aから抜け止め用ストッパ7が突出してその先端部がピン1のフランジ部10に係合し、ピン1の抜き取りが禁止される。このようにしてピン1が本体2に装着され、吊り具に保持された被保持物が本体2の吊り部8に形成された吊り孔8aを介して吊り下げられる。
【0016】
以上のように、抜け止め用ストッパ7の先端部をピン1のフランジ部10に係合させる或いはレバー部18を操作してその係合を解除するだけで、ピン1の本体2からの抜き取りを禁止または許容の状態にすることができ、ピン1の本体2への取り付け/取り外しを容易に行うことができる。従って、作業現場で作業者が革手袋や軍手を装着していても、係合孔のある被保持物に容易に吊り具を取り付け/取り外しを行うことができる。
【0017】
また、上述のように本考案の吊り具は、ピン1のフランジ部10に基端保持部4の抜け止め用ストッパ7が係合してピン1の抜き取りが禁止されると共に、抜け止め用ストッパ7の係合を解除するためのレバー部18が連結部5内に位置しているため、ピン1の取っ手12や本体2の外側部に外力が作用しても、誤ってピン1の先端部が本体2の先端保持部3から外れて被保持物が落下してしまうことがなく、安全性の高い吊り具が実現される。
また、例えば、係合孔があるビームなどを吊り下げる場合、ビームの両側に吊り具を取付けると共に各吊り具の吊り孔にワイヤーを取付けてこのワイヤーを1つにまとめて上方に引っ張るが、本考案の吊り具では、吊り下げ用の吊り孔8aがピン1に対して連結部5の反対側に位置するため、ピン1及び本体2に過大な荷重をかけることなく、被保持物を吊り下げることができる。
【0018】
さらに、ピン1を引き抜く際には、ピン1の先端部に形成された環状溝9にピン1の回転角度にかかわらず本体2の基端保持部4の脱落防止用ストッパ6が嵌合してピン1の先端部が基端保持部4に保持された状態になるので、ピン1が本体2から脱落してしまうことがなく、より安全性の高い吊り具を実現することができる。
【0019】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、被保持物に形成された係合孔に通されると共にその基端部にフランジ部を備えるピンと、ピンが差し込まれると共にピンの先端部と基端部とをそれぞれ保持する先端保持部及び基端保持部を有する本体と、基端保持部に配置されると共にピンの外周部に向かって付勢され且つピンのフランジ部に係合することによりピンの本体からの抜き取りを禁止する抜け止め用ストッパと、抜け止め用ストッパに取り付けられ且つ抜け止め用ストッパを付勢力に抗して移動することによりピンのフランジ部に対する抜け止め用ストッパの係合を解除するレバー部とを備えたので、吊り具を係合孔のある被保持物に容易に且つ確実に取り付け/取り外しをすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施の形態に係る吊り具を示す側面図である。
【図2】実施の形態に係る吊り具の正面図である。
【図3】実施の形態におけるピンを本体から引き抜いた様子を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ピン、2 本体、3 先端保持部、4 基端保持部、4a ストッパ取付け部、5 連結部、6 脱落防止用ストッパ、7 抜け止め用ストッパ、7a テーパー面、8 吊り部、8a 吊り孔、9 環状溝、9a テーパー部、10フランジ部、11 凸部、12 取っ手、13 先端貫通孔、14 基端貫通孔、15,20 ストッパ用貫通孔、16 ガイド部材、17,21 バネ、18 レバー部、19 キャップ部材、19a 凹部、22 被保持物、23 係合孔。
Claims (3)
- 被保持物に形成された係合孔に通されると共にその基端部にフランジ部を備えるピンと、
前記ピンが差し込まれると共に前記ピンの先端部と基端部とをそれぞれ保持する先端保持部及び基端保持部を有する本体と、
前記基端保持部に配置されると共に前記ピンの外周部に向かって付勢され且つ前記ピンのフランジ部に係合することにより前記ピンの前記本体からの抜き取りを禁止する抜け止め用ストッパと、
前記抜け止め用ストッパに取り付けられ且つ前記抜け止め用ストッパを付勢力に抗して移動することにより前記ピンのフランジ部に対する前記抜け止め用ストッパの係合を解除するレバー部と
を備えることを特徴とする吊り具。 - 前記本体は、先端保持部及び基端保持部を連結する連結部を備えると共に前記ピンに対して前記連結部の反対側に吊り下げ用の吊り孔を備えることを特徴とする請求項1に記載の吊り具。
- 前記本体の基端保持部に配置され且つ前記ピンの外周部に向かって付勢される脱落防止用ストッパを更に備えると共に、前記ピンの先端部には前記脱落防止用ストッパに嵌合するための環状溝が周に沿って形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002719U JP3097793U (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 吊り具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003002719U JP3097793U (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 吊り具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3097793U true JP3097793U (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=43251579
Family Applications (1)
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JP2003002719U Expired - Lifetime JP3097793U (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 吊り具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3097793U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006240808A (ja) * | 2005-03-02 | 2006-09-14 | Nippon Clamp Kk | 吊り具 |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003002719U patent/JP3097793U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006240808A (ja) * | 2005-03-02 | 2006-09-14 | Nippon Clamp Kk | 吊り具 |
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