JP3097377U - 浮出加工が可能な抜き型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】箱等の展開シートの製造能率を向上し、製造コストを低減すると共に、浮出加工による浮出状のマークの形成も同時に行えるようにする。
【解決手段】展開形状と一致すべく配置した切断刃2A、折り目部分と一致すべく配置した折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bそれぞれを取り付けた抜き型2と、この抜き型2に向けて、シート材Pを挟み込むようにして圧接可能とした可動型3と、抜き型2の切断刃2Aと略一致する高さとなるように版支持部材5を介して取り付け、シート材Pに対しマーク形状に縁取った浮出状の浮出加工部Mを箔押し形成可能とした押し型4とを備える。押し型4は、抜き型2側に取り付けた雌版3Aと、可動型3側に取り付けた雄版3Bとから構成し、雌版3Aの高さが調整可能となるよう抜き型2に穿設した調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置した版支持部材5の一面側に当該雌版3Aを固着して成る。
【選択図】 図2
【解決手段】展開形状と一致すべく配置した切断刃2A、折り目部分と一致すべく配置した折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bそれぞれを取り付けた抜き型2と、この抜き型2に向けて、シート材Pを挟み込むようにして圧接可能とした可動型3と、抜き型2の切断刃2Aと略一致する高さとなるように版支持部材5を介して取り付け、シート材Pに対しマーク形状に縁取った浮出状の浮出加工部Mを箔押し形成可能とした押し型4とを備える。押し型4は、抜き型2側に取り付けた雌版3Aと、可動型3側に取り付けた雄版3Bとから構成し、雌版3Aの高さが調整可能となるよう抜き型2に穿設した調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置した版支持部材5の一面側に当該雌版3Aを固着して成る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、例えばペーパー用紙、ボール紙等の板紙類、またはプラスチック板類等の各種シート材を例えば箱等の展開シート形状に型抜きするとき、その型抜き加工と同時に浮出加工が行えるようにした浮出加工が可能な抜き型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、シート材を箱展開シート形状に型抜きするに際し、型抜き用押し台に、箱展開シート形状に沿う形状に配された切断刃と、この型抜きされたシートを箱体として組立折り曲げるための折り曲げ用罫線を形成する折込線形成用の押圧刃とを配して成る抜き型を使用しており、この抜き型で箱展開シート形状に打ち抜き仕上げるものである。また、このように型抜きした箱展開シートの所定位置に例えば商標、品名、リサイクル表示等のマーク等を浮き出し状に形成するには、抜き型作業とは別に、雄版と雌版とから成る押し型を使用した箔押作業によるものである。
【0003】
特に最近は、省資源の観点から各種素材をリサイクルすることが奨励されており、箱形成素材である紙等の素材を有効資源化するために、素材別のリサイクルマークを付すことが義務付けられている。このリサイクルマークを印刷によって表示する場合であればともかくも、例えば無地の無地の白ボール紙材等にて形成された箱に対して表示する場合には印刷しないがために面倒であり、この場合には箱体の外表面上に盛り上がるような浮き出し状にすることで表示する必要がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においてはシート材を箱展開シート形状に型抜きする作業と、型抜きされた箱展開シート形状の所定の箇所に上記のようなリサイクルマークを箔押しする作業とはそれぞれ別々の作業工程によって行われるため、製造能率が悪くなると同時に製造コストも高くなるものであった。また、型押し作業に際し、押し型に対する箱展開シートの位置決めも困難な作業となるばかりでなく、箱体外表面にその外側方に浮き出し状となる所定のマーク形状の型押しの同時形成は困難である等の問題点を有していた。すなわち、抜き型押し時に箱体を組み立てるための折り曲げ罫線の同時形成は、その折り曲げ罫線が箱体の外表面に対し内側に押し出されるような凹み線として構成される必要があるから、それと同様に例えば所定のマーク等を凹凸状に付す場合には、箱体の外表面に対し浮き出し状とならずに凹み状となってしまい、見た目でもその視認が容易ではなく、しかも手触りの触感では判別しがたくなるものであった。
【0005】
そこでこの考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、箱展開シート形状に型抜きする作業と、型抜きされた箱展開シート材の所定の箇所に例えば商標、品名、リサイクル表示等の各種マークを箱体の外表面に対して浮き出し状に箔押しする作業とを一度に行えることで、製造能率を向上させ且つ製造コストを低減できるようにすると共に、浮出加工部形成用の押し型に対する箱展開シート材の位置決めも正確に行えるものとなる浮出加工が可能な抜き型装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、この考案にあっては、展開形状と一致するように配置された切断刃2A、折り目部分と一致するように配置された折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bそれぞれが取り付けられている抜き型2と、この抜き型2に向けて、型抜きされるシート材Pを挟み込ませて圧接可能とした可動型3と、抜き型2の切断刃2Aに囲まれた位置に上下移動可能な版支持部材5を介して取り付けられ、シート材Pに対しマーク形状に縁取られた浮出状の浮出加工部Mを形成可能とした押し型4とを備えて成る抜き型装置1としたものである。
押し型4は、抜き型2に取り付けられた雌版4Aと、可動型3に取り付けられた雄版4Bとから構成され、雌版4Aの高さが調整可能となるよう抜き型2に穿設開口された調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材5の一面側に当該雌版3Aが固着されているものとできる。
また、押し型4は、抜き型2あるいは可動型3のいずれか一方に取り付けられた雌版4Aと、抜き型2あるいは可動型3のいずれか他方に取り付けられた雄版4Bとから構成され、雌版4Aの高さが調整可能となるよう抜き型2あるいは可動型3のいずれか一方に穿設開口された調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材5の一面側に当該雌版3Aが固着されているものとして構成できる。
【0007】
以上のように構成されたこの考案に係る浮出加工が可能な抜き型装置1にあって、シート材Pを挟み込むように抜き型2に対し可動型3を圧接させることで切断刃2Aによってシート材Pを例えば箱等の展開シート形状となるように切断し、且つ押圧刃2Bによって折り曲げ罫線用の窪みを形成するのに伴い、押し型4は、互いに近接される雌版4Aと雄版4Bとによってシート材Pが挟持圧接され、シート材Pの所定の部分が箔押し(型押し)されてマークに対応した浮出状の浮出加工部Mを形成させる。
このとき、抜き型2の雌版4Aに対して可動型3の雄版4Bによってシート材Pを挟持圧接することで、切断刃2Aによるシート材Pからの箱体形状の抜き加工と同時に、この箱体形状に抜かれたシート材Pにおける外表面上で浮き出し状の所定のマークを形成させる。
版支持部材5は、可動型3の切断刃2Aに囲まれた位置に配置されている押し型4の雌版4Aまたは雄版4Bを当該刃先と略一致する高さとなるように調整孔部6内で移動させ、シート材Pに形成される浮出加工部Mによるマークの浮出し高さを調整設定させる。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下図面を参照してこの考案の一実施の形態を説明すると、図において示される符号1は各種シート材Pを例えば箱等の展開シート形状に型抜きするための抜き型装置であり、この抜き型装置1は図2に示すように、型抜きされるシート材Pを上下で挟み込むように、抜き型用支持ダイSに固定されることで上方に配される抜き型2と上下動するよう下方に配される可動型3とから成る。そして抜き型2は所定肉厚にしたベニヤ板の如き合板材にて形成され、可動型3はシート材Pが載置された状態で圧縮駆動機構Q等によって上方の抜き型2に向けて水平状のままで上昇移動して圧接させるための例えば鉄板製の可動型用支持ダイR等に固定支持されている。尚、場合によっては抜き型2は直立状に配置されることもあり、その場合の可動型3は起伏するように揺動することで抜き型2に対しシート材Pを挟持して圧接されるようにしてある。
【0009】
また図1に示すように、抜き型2には例えば箱の展開形状と一致するように配置された切断刃2A、箱の折り目部分と一致するように配置された折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bとがそれぞれ取り付けられ、しかも切断刃2A、または場合によっては押圧刃2Bに囲まれた位置には、シート材Pに対し例えば商標、品名、リサイクル表示等のマーク形状に縁取られた浮出状の浮出加工部Mを箔押し形成するための押し型4が版支持部材5を介して刃先と略一致する高さで取り付けられている。
【0010】
押し型4の具体的な構成としては図2、図3に示すように、抜き型2側に取り付けられた例えば鉛板製の凹状の雌版4Aと、可動型3側に取り付けられた例えば鉛板製の凸状の雄版4Bとから構成され、例えば雌版4Aの方は自体の高さが自由に調整できるよう抜き型2に穿設開口された調整孔部6に対し肉厚の調整等によって嵌合配置された例えばアクリルブロック材等の版支持部材5の下面側に例えば接着剤または両面粘着テープ等で固着させてある。すなわち、例えば一定厚さであることで自体の重なり枚数の選定(図3参照)あるいは予め夫々が異なるように所定肉厚に形成された複数のスペーサー7のいずれかを選定することによって、このスペーサー7を版支持部材5と共に調整孔部6内に嵌合配置することで抜き型2の表面からの雌版4Aの突出高さを自在に調整できるようにしてある。
【0011】
尚、雌版4Aの替わりに雄版4Bの方を上下移動可能な版支持部材5の一面側に固着させても良く、また凹状の雌版4Aを可動型3側に取り付け、凸状の雄版4Bを抜き型2側に取り付けても良いことは勿論であり、型抜きさせるシート材Pを挟持するときの表裏の配置選定と共に適宜に設定できるものである。
【0012】
こうして型抜き装置1の使用に際し、上面が箱体の外側面になるようにしてシート材Pが載せられた可動型3を、圧縮駆動機構Qによって下方側から抜き型2に圧接してシート材Pを箱展開シート形状に型抜きし且つ折り曲げ罫線を形成すると同時に、押し型4によってシート材Pの所定の部分が型押しされてマークに対応した浮出状の浮出加工部Mをシート材Pの外側面に外方に突出するようにして形成することができるようにしてある。
【0013】
次に以上の実施の形態による型抜き装置1の使用方法について説明する。先ず、図3に示すように、抜き型2の調整孔部6内におけるスペーサー7の肉厚を適宜に設定することで、版支持部材5に固着の雌版4Aを抜き型2表面に対して上下に出没移動させて所望の高さに雌版4Aが位置するように設定するのであり、こうしてシート材Pに形成される浮出加工部Mであるマークの浮出し高さを調整しておく。すなわち、雌版4Aを調整孔部6内で上方へ押し込むことによって形成された抜き型2上側面と版支持部材5上側面との間の薄板状の隙間を単数もしくは複数のスぺーサー7によって補充して面一状態にしてからこの面を抜き型用支持ダイS下面に当接させるようにする。そして、可動型3にシート材Pを載せ、抜き型2に対し可動型3を圧縮駆動機構Qによって下方側から圧接させることでシート材Pを箱展開シート形状となるように切断刃2Aによって切断し、且つ押圧刃2Bによって折り曲げ罫線用の窪みを形成する。
【0014】
これに伴い互いに近接される押し型4の凹状の雌版4Aと凸状の雄版4Bとによってシート材Pを挟持圧接し、シート材Pの所定の部分を箔押ししてマークに対応した浮出状の浮出加工部Mを、例えば箱体の展開形状となるシート材Pの外表面に突出状に形成する。しかる後、圧縮駆動機構Qの下降駆動により可動型3を抜き型2から取り外すようにして、箱展開シート形状に型抜きされたシート材Pを取り出せば良い(図4参照)。こうすることでシート材Pを箱展開シート形状に型抜きし且つ折り曲げ罫線用の窪みを形成すると同時に、押し型4によってシート材Pの所定の部分が型押しされて浮出加工部Mによる浮出状のマークが形成されるのである。
【0015】
【考案の効果】
以上説明したようにこの考案に係る構成によれば、例えば箱展開シート形状に型抜きする作業と、型抜きされた箱展開シートの所定の箇所に例えば商標、品名、リサイクル表示等の浮出状のマークを箔押しする作業とを一度に行うことができ、これによって製造能率を向上させ且つ製造コストを低減できると共に、抜き型に対する箱展開シートの位置決めも正確に行えるものとなる。したがって例えば、リサイクルマークの表示が義務づけされているリサイクル可能な白ボール紙材による箱等の印刷しないワークに対してもリサイクルマーク用の浮出部の形成が箱展開シートの型抜き作業と同時に行える。
【0016】
すなわちこれはこの考案が、展開形状と一致するように配置された切断刃2A、折り目部分と一致するように配置された折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bそれぞれが取り付けられている抜き型2と、この抜き型2に向けて、型抜きされるシート材Pを挟み込ませて圧接可能とした可動型3と、抜き型2の切断刃2Aに囲まれた位置に上下移動可能な版支持部材5を介して取り付けられ、シート材Pに対しマーク形状に縁取られた浮出状の浮出加工部Mを形成可能とした押し型4とを備えて成るからであり、これにより、製造能率を向上させ且つ製造コストを低減できると共に、押し型4に対する箱展開シートの位置決めも正確に行えるものとなって浮出加工部Mによるマークの位置決めも確実なものとできる。
【0017】
また、押し型4は、抜き型2に取り付けられた雌版4Aと、可動型3に取り付けられた雄版4Bとから構成されているので、可動型3上に載置されたシート材Pが切断刃2A、押圧刃2Bを有する抜き型2に対して移動して押し付けられることで、シート材Pの外側面側に押し型4による所定の浮出加工部Mが形成されるとき、その浮出加工部Mはシート材Pによる箱体の外表面に浮き出し状に形成され、しかもその浮出加工部Mは抜き加工と同時に形成されることで作業を飛躍的に向上させるのである。
【0018】
また、押し型4は、抜き型2に取り付けられた雌版4Aと、可動型3に取り付けられた雄版4Bとから構成され、雌版4Aの高さが調整可能となるよう抜き型2に穿設開口された調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材5の一面側に当該雌版3Aが固着されているので、シート材Pに形成される浮出加工部Mによるマークの浮出し高さを自由に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施の形態を示す抜き型の斜視図である。
【図2】同じく抜き型に対して可動型を圧接してシート材を型抜きする作業を示すもので、(a)は圧接前の断面図、(b)は圧接後の断面図、(c)は型抜き作業後に抜き型から可動型を分離した状態の断面図である。
【図3】同じく抜き型に対する押し型の高さ調整の状態を示すもので、(a)は浮出加工部高さを高くする場合等に対応して押し型を上方位置にセットした状態の断面図、(b)は浮出加工部高さを低くする場合等に対応して押し型を下方位置にセットした状態の断面図である。
【図4】同じくシート材の型抜きによって形成された箱展開シートの斜視図である。
【符号の説明】
P…シート材 Q…圧縮駆動機構
R…可動型用支持ダイ S…抜き型用支持ダイ
M…浮出加工部
1…型抜き装置 2…受け台
2A…切断刃 2B…押圧刃
3…型抜き用押し台 4…押し型
4A…雌版 4B…雄版
5…版支持部材 6…調整孔部
7…スぺーサー
【考案の属する技術分野】
この考案は、例えばペーパー用紙、ボール紙等の板紙類、またはプラスチック板類等の各種シート材を例えば箱等の展開シート形状に型抜きするとき、その型抜き加工と同時に浮出加工が行えるようにした浮出加工が可能な抜き型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、シート材を箱展開シート形状に型抜きするに際し、型抜き用押し台に、箱展開シート形状に沿う形状に配された切断刃と、この型抜きされたシートを箱体として組立折り曲げるための折り曲げ用罫線を形成する折込線形成用の押圧刃とを配して成る抜き型を使用しており、この抜き型で箱展開シート形状に打ち抜き仕上げるものである。また、このように型抜きした箱展開シートの所定位置に例えば商標、品名、リサイクル表示等のマーク等を浮き出し状に形成するには、抜き型作業とは別に、雄版と雌版とから成る押し型を使用した箔押作業によるものである。
【0003】
特に最近は、省資源の観点から各種素材をリサイクルすることが奨励されており、箱形成素材である紙等の素材を有効資源化するために、素材別のリサイクルマークを付すことが義務付けられている。このリサイクルマークを印刷によって表示する場合であればともかくも、例えば無地の無地の白ボール紙材等にて形成された箱に対して表示する場合には印刷しないがために面倒であり、この場合には箱体の外表面上に盛り上がるような浮き出し状にすることで表示する必要がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においてはシート材を箱展開シート形状に型抜きする作業と、型抜きされた箱展開シート形状の所定の箇所に上記のようなリサイクルマークを箔押しする作業とはそれぞれ別々の作業工程によって行われるため、製造能率が悪くなると同時に製造コストも高くなるものであった。また、型押し作業に際し、押し型に対する箱展開シートの位置決めも困難な作業となるばかりでなく、箱体外表面にその外側方に浮き出し状となる所定のマーク形状の型押しの同時形成は困難である等の問題点を有していた。すなわち、抜き型押し時に箱体を組み立てるための折り曲げ罫線の同時形成は、その折り曲げ罫線が箱体の外表面に対し内側に押し出されるような凹み線として構成される必要があるから、それと同様に例えば所定のマーク等を凹凸状に付す場合には、箱体の外表面に対し浮き出し状とならずに凹み状となってしまい、見た目でもその視認が容易ではなく、しかも手触りの触感では判別しがたくなるものであった。
【0005】
そこでこの考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、箱展開シート形状に型抜きする作業と、型抜きされた箱展開シート材の所定の箇所に例えば商標、品名、リサイクル表示等の各種マークを箱体の外表面に対して浮き出し状に箔押しする作業とを一度に行えることで、製造能率を向上させ且つ製造コストを低減できるようにすると共に、浮出加工部形成用の押し型に対する箱展開シート材の位置決めも正確に行えるものとなる浮出加工が可能な抜き型装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、この考案にあっては、展開形状と一致するように配置された切断刃2A、折り目部分と一致するように配置された折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bそれぞれが取り付けられている抜き型2と、この抜き型2に向けて、型抜きされるシート材Pを挟み込ませて圧接可能とした可動型3と、抜き型2の切断刃2Aに囲まれた位置に上下移動可能な版支持部材5を介して取り付けられ、シート材Pに対しマーク形状に縁取られた浮出状の浮出加工部Mを形成可能とした押し型4とを備えて成る抜き型装置1としたものである。
押し型4は、抜き型2に取り付けられた雌版4Aと、可動型3に取り付けられた雄版4Bとから構成され、雌版4Aの高さが調整可能となるよう抜き型2に穿設開口された調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材5の一面側に当該雌版3Aが固着されているものとできる。
また、押し型4は、抜き型2あるいは可動型3のいずれか一方に取り付けられた雌版4Aと、抜き型2あるいは可動型3のいずれか他方に取り付けられた雄版4Bとから構成され、雌版4Aの高さが調整可能となるよう抜き型2あるいは可動型3のいずれか一方に穿設開口された調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材5の一面側に当該雌版3Aが固着されているものとして構成できる。
【0007】
以上のように構成されたこの考案に係る浮出加工が可能な抜き型装置1にあって、シート材Pを挟み込むように抜き型2に対し可動型3を圧接させることで切断刃2Aによってシート材Pを例えば箱等の展開シート形状となるように切断し、且つ押圧刃2Bによって折り曲げ罫線用の窪みを形成するのに伴い、押し型4は、互いに近接される雌版4Aと雄版4Bとによってシート材Pが挟持圧接され、シート材Pの所定の部分が箔押し(型押し)されてマークに対応した浮出状の浮出加工部Mを形成させる。
このとき、抜き型2の雌版4Aに対して可動型3の雄版4Bによってシート材Pを挟持圧接することで、切断刃2Aによるシート材Pからの箱体形状の抜き加工と同時に、この箱体形状に抜かれたシート材Pにおける外表面上で浮き出し状の所定のマークを形成させる。
版支持部材5は、可動型3の切断刃2Aに囲まれた位置に配置されている押し型4の雌版4Aまたは雄版4Bを当該刃先と略一致する高さとなるように調整孔部6内で移動させ、シート材Pに形成される浮出加工部Mによるマークの浮出し高さを調整設定させる。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下図面を参照してこの考案の一実施の形態を説明すると、図において示される符号1は各種シート材Pを例えば箱等の展開シート形状に型抜きするための抜き型装置であり、この抜き型装置1は図2に示すように、型抜きされるシート材Pを上下で挟み込むように、抜き型用支持ダイSに固定されることで上方に配される抜き型2と上下動するよう下方に配される可動型3とから成る。そして抜き型2は所定肉厚にしたベニヤ板の如き合板材にて形成され、可動型3はシート材Pが載置された状態で圧縮駆動機構Q等によって上方の抜き型2に向けて水平状のままで上昇移動して圧接させるための例えば鉄板製の可動型用支持ダイR等に固定支持されている。尚、場合によっては抜き型2は直立状に配置されることもあり、その場合の可動型3は起伏するように揺動することで抜き型2に対しシート材Pを挟持して圧接されるようにしてある。
【0009】
また図1に示すように、抜き型2には例えば箱の展開形状と一致するように配置された切断刃2A、箱の折り目部分と一致するように配置された折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bとがそれぞれ取り付けられ、しかも切断刃2A、または場合によっては押圧刃2Bに囲まれた位置には、シート材Pに対し例えば商標、品名、リサイクル表示等のマーク形状に縁取られた浮出状の浮出加工部Mを箔押し形成するための押し型4が版支持部材5を介して刃先と略一致する高さで取り付けられている。
【0010】
押し型4の具体的な構成としては図2、図3に示すように、抜き型2側に取り付けられた例えば鉛板製の凹状の雌版4Aと、可動型3側に取り付けられた例えば鉛板製の凸状の雄版4Bとから構成され、例えば雌版4Aの方は自体の高さが自由に調整できるよう抜き型2に穿設開口された調整孔部6に対し肉厚の調整等によって嵌合配置された例えばアクリルブロック材等の版支持部材5の下面側に例えば接着剤または両面粘着テープ等で固着させてある。すなわち、例えば一定厚さであることで自体の重なり枚数の選定(図3参照)あるいは予め夫々が異なるように所定肉厚に形成された複数のスペーサー7のいずれかを選定することによって、このスペーサー7を版支持部材5と共に調整孔部6内に嵌合配置することで抜き型2の表面からの雌版4Aの突出高さを自在に調整できるようにしてある。
【0011】
尚、雌版4Aの替わりに雄版4Bの方を上下移動可能な版支持部材5の一面側に固着させても良く、また凹状の雌版4Aを可動型3側に取り付け、凸状の雄版4Bを抜き型2側に取り付けても良いことは勿論であり、型抜きさせるシート材Pを挟持するときの表裏の配置選定と共に適宜に設定できるものである。
【0012】
こうして型抜き装置1の使用に際し、上面が箱体の外側面になるようにしてシート材Pが載せられた可動型3を、圧縮駆動機構Qによって下方側から抜き型2に圧接してシート材Pを箱展開シート形状に型抜きし且つ折り曲げ罫線を形成すると同時に、押し型4によってシート材Pの所定の部分が型押しされてマークに対応した浮出状の浮出加工部Mをシート材Pの外側面に外方に突出するようにして形成することができるようにしてある。
【0013】
次に以上の実施の形態による型抜き装置1の使用方法について説明する。先ず、図3に示すように、抜き型2の調整孔部6内におけるスペーサー7の肉厚を適宜に設定することで、版支持部材5に固着の雌版4Aを抜き型2表面に対して上下に出没移動させて所望の高さに雌版4Aが位置するように設定するのであり、こうしてシート材Pに形成される浮出加工部Mであるマークの浮出し高さを調整しておく。すなわち、雌版4Aを調整孔部6内で上方へ押し込むことによって形成された抜き型2上側面と版支持部材5上側面との間の薄板状の隙間を単数もしくは複数のスぺーサー7によって補充して面一状態にしてからこの面を抜き型用支持ダイS下面に当接させるようにする。そして、可動型3にシート材Pを載せ、抜き型2に対し可動型3を圧縮駆動機構Qによって下方側から圧接させることでシート材Pを箱展開シート形状となるように切断刃2Aによって切断し、且つ押圧刃2Bによって折り曲げ罫線用の窪みを形成する。
【0014】
これに伴い互いに近接される押し型4の凹状の雌版4Aと凸状の雄版4Bとによってシート材Pを挟持圧接し、シート材Pの所定の部分を箔押ししてマークに対応した浮出状の浮出加工部Mを、例えば箱体の展開形状となるシート材Pの外表面に突出状に形成する。しかる後、圧縮駆動機構Qの下降駆動により可動型3を抜き型2から取り外すようにして、箱展開シート形状に型抜きされたシート材Pを取り出せば良い(図4参照)。こうすることでシート材Pを箱展開シート形状に型抜きし且つ折り曲げ罫線用の窪みを形成すると同時に、押し型4によってシート材Pの所定の部分が型押しされて浮出加工部Mによる浮出状のマークが形成されるのである。
【0015】
【考案の効果】
以上説明したようにこの考案に係る構成によれば、例えば箱展開シート形状に型抜きする作業と、型抜きされた箱展開シートの所定の箇所に例えば商標、品名、リサイクル表示等の浮出状のマークを箔押しする作業とを一度に行うことができ、これによって製造能率を向上させ且つ製造コストを低減できると共に、抜き型に対する箱展開シートの位置決めも正確に行えるものとなる。したがって例えば、リサイクルマークの表示が義務づけされているリサイクル可能な白ボール紙材による箱等の印刷しないワークに対してもリサイクルマーク用の浮出部の形成が箱展開シートの型抜き作業と同時に行える。
【0016】
すなわちこれはこの考案が、展開形状と一致するように配置された切断刃2A、折り目部分と一致するように配置された折り曲げ罫線形成用の押圧刃2Bそれぞれが取り付けられている抜き型2と、この抜き型2に向けて、型抜きされるシート材Pを挟み込ませて圧接可能とした可動型3と、抜き型2の切断刃2Aに囲まれた位置に上下移動可能な版支持部材5を介して取り付けられ、シート材Pに対しマーク形状に縁取られた浮出状の浮出加工部Mを形成可能とした押し型4とを備えて成るからであり、これにより、製造能率を向上させ且つ製造コストを低減できると共に、押し型4に対する箱展開シートの位置決めも正確に行えるものとなって浮出加工部Mによるマークの位置決めも確実なものとできる。
【0017】
また、押し型4は、抜き型2に取り付けられた雌版4Aと、可動型3に取り付けられた雄版4Bとから構成されているので、可動型3上に載置されたシート材Pが切断刃2A、押圧刃2Bを有する抜き型2に対して移動して押し付けられることで、シート材Pの外側面側に押し型4による所定の浮出加工部Mが形成されるとき、その浮出加工部Mはシート材Pによる箱体の外表面に浮き出し状に形成され、しかもその浮出加工部Mは抜き加工と同時に形成されることで作業を飛躍的に向上させるのである。
【0018】
また、押し型4は、抜き型2に取り付けられた雌版4Aと、可動型3に取り付けられた雄版4Bとから構成され、雌版4Aの高さが調整可能となるよう抜き型2に穿設開口された調整孔部6に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材5の一面側に当該雌版3Aが固着されているので、シート材Pに形成される浮出加工部Mによるマークの浮出し高さを自由に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施の形態を示す抜き型の斜視図である。
【図2】同じく抜き型に対して可動型を圧接してシート材を型抜きする作業を示すもので、(a)は圧接前の断面図、(b)は圧接後の断面図、(c)は型抜き作業後に抜き型から可動型を分離した状態の断面図である。
【図3】同じく抜き型に対する押し型の高さ調整の状態を示すもので、(a)は浮出加工部高さを高くする場合等に対応して押し型を上方位置にセットした状態の断面図、(b)は浮出加工部高さを低くする場合等に対応して押し型を下方位置にセットした状態の断面図である。
【図4】同じくシート材の型抜きによって形成された箱展開シートの斜視図である。
【符号の説明】
P…シート材 Q…圧縮駆動機構
R…可動型用支持ダイ S…抜き型用支持ダイ
M…浮出加工部
1…型抜き装置 2…受け台
2A…切断刃 2B…押圧刃
3…型抜き用押し台 4…押し型
4A…雌版 4B…雄版
5…版支持部材 6…調整孔部
7…スぺーサー
Claims (3)
- 展開形状と一致するように配置された切断刃、折り目部分と一致するように配置された折り曲げ罫線形成用の押圧刃それぞれが取り付けられている抜き型と、この抜き型に向けて、型抜きされるシート材を挟み込ませて圧接可能とした可動型と、抜き型の切断刃に囲まれた位置に上下移動可能な版支持部材を介して取り付けられ、シート材に対しマーク形状に縁取られた浮出状の浮出加工部を形成可能とした押し型とを備えて成ることを特徴とする浮出加工が可能な抜き型装置。
- 押し型は、抜き型に取り付けられた雌版と、可動型に取り付けられた雄版とから構成され、雌版の高さが調整可能となるよう抜き型に穿設開口された調整孔部に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材の一面側に当該雌版が固着されている請求項1記載の浮出加工が可能な抜き型装置。
- 押し型は、抜き型あるいは可動型のいずれか一方に取り付けられた雌版と、抜き型あるいは可動型のいずれか他方に取り付けられた雄版とから構成され、雌版の高さが調整可能となるよう抜き型あるいは可動型のいずれか一方に穿設開口された調整孔部に対し上下移動可能に嵌合配置された版支持部材の一面側に当該雌版が固着されている請求項1記載の浮出加工が可能な抜き型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002269U JP3097377U (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 浮出加工が可能な抜き型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002269U JP3097377U (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 浮出加工が可能な抜き型装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3097377U true JP3097377U (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=43251191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003002269U Expired - Lifetime JP3097377U (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 浮出加工が可能な抜き型装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3097377U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06276714A (ja) * | 1993-03-17 | 1994-09-30 | Daifuku Co Ltd | フラットモータ用電機子の製造方法およびフラットモータ用電磁石 |
JP2005349578A (ja) * | 2004-06-08 | 2005-12-22 | Shikosha:Kk | 板紙及び段ボール用打ち抜き機 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003002269U patent/JP3097377U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH06276714A (ja) * | 1993-03-17 | 1994-09-30 | Daifuku Co Ltd | フラットモータ用電機子の製造方法およびフラットモータ用電磁石 |
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