JP3097292U - 身体装着具 - Google Patents
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Abstract
【課題】痛みの緩和・除去機能および発毛作用のある微生物製剤を、個人個人の目的によって適用させやすくするための身体装着具を提供する。
【解決手段】本考案の身体装着具は、病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母を担持した糸状材料で形成し、頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をした身体装着具。
【選択図】 図1
【解決手段】本考案の身体装着具は、病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母を担持した糸状材料で形成し、頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をした身体装着具。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、身体装着具に関し、更に詳細には頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をした身体装着具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から発毛・育毛剤に関しては、種々の研究がなされており、ホルモン剤、血流促進剤、細胞活性化剤成分等が提供されているが、その大部分は、発毛・育毛効果に優れていても、副作用があるという問題点があった。
そこで、発毛・育毛効果を達成すると共に、安全性の向上を図るため、化学合成物の代わりに、天然植物中に存在する有効成分を抽出した発毛・育毛剤が提案されている。例えば、ヨクニン、イチョウ、カシュウ、蘭科植物のエビネ属、ガンセキ蘭科またはシンビジウム属の植物等の抽出エキスを主成分とする発毛・育毛剤が提案されている(特公平1−13451号公報、特開平2−48512号公報、特開平2−48514号公報、特許第2564226号公報、特開2002−114646号公報参照)。
【0003】
しかしながら、以上のような植物抽出エキスを主成分とする発毛・育毛剤は効果はあるものの、その効果が軽微であった。
【0004】
そこで、本件考案者らは、以下のような全く新たな発毛剤を考案した。
(1) 病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母を含有する発毛剤。
(2) 前記酵母がキャンジダ リポリティカ(Candida lipolytica)である上記(1)の発毛剤。
(3) 前記通性嫌気性微生物がラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)である上記(1)の発毛剤。
(4) 前記通性嫌気性微生物がエンテロコッカス マロドラタス(Enterococcus malodoratus)である上記(1)の発毛剤。
(5) 前記通性嫌気性微生物としてラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイおよびエンテロコッカス マロドラタスを含有し、前記酵母がキャンジダ リポリティカである上記(1)の発毛剤。
【0005】
以上の発毛剤(以下、本発毛剤と称することがある)による発毛のメカニズムはまだ完全には分かっていないが、下記の通りであると推測される。
第一に、本発毛剤が患部(禿の部分)の頭皮膚に触れると、本発毛剤中の酵母(特に、キャンジダ リポリティカ)が、その頭皮表面の老廃物や皮脂を分解し、皮膚の新陳代謝を促すことにより、発毛を促進する。
第二に、本発毛剤中の微生物が患部近傍に存在する微生物にとっての栄養源(アンモニア等)を吸収して増殖し、この増殖の際に発熱し、この熱により、毛包への血流量を増大させ、これにより、発毛を促進する。
しかしながら、以上のメカニズムだけでは、本発毛剤の劇的な効き目が説明できないので、次のメカニズムも考えられる。
すなわち、第三に、上記増殖の際に、本発毛剤中の微生物が何らかの発毛成分を生成し、この生成された発毛成分により、発毛作用が発揮されるものと推測される。
【0006】
また、本発毛剤は、上記微生物等が、頭皮に存在する栄養源を吸収しつつ増殖し続けるので、長期間にわたっての効能が期待できる。
また、この発毛剤の成分は、本件考案者らの考案に係る出願である特開2001−64188号にも記載されているように痛みの緩和・除去剤としても作用するものである微生物製剤である。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記したような微生物製剤を、個人個人の目的によって適用させやすくするための身体装着具を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本考案の下記(1)〜(5)の構成の糸状材料およびニット体により達成される。
(1) 病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母を担持した糸状材料で形成し、頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をした身体装着具。
(2) 前記酵母がキャンジダ リポリティカ(Candida lipolytica)である上記(1)の身体装着具。
(3) 前記通性嫌気性微生物がラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)である上記(1)の身体装着具。
(4) 前記通性嫌気性微生物がエンテロコッカス マロドラタス(Enterococcus malodoratus)である上記(1)の身体装着具。
(5) 前記通性嫌気性微生物としてラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイおよびエンテロコッカス マロドラタスを含有し、前記酵母がキャンジダ リポリティカである(1)の身体装着具。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の具体的構成について詳細に説明する。
本考案の身体装着具は、頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をしたものである。本考案のニット体は、その形態等は、適用される部位等に応じて適宜選択されればよい。頭部用のキャップの具体例を図1に示した。身体装着具に用いる糸状材料は、どのような材料で形成されていてもよく、かつどのような形態をしていてもよいが、ニット体を形成しやすいものが好ましい。例えば、毛糸や木綿糸、合成樹脂性糸等が挙げられる。
【0010】
上記糸状材料は、病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母が担持されている。上記通性嫌気性微生物としては、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、エンテロコッカス マロドラタス(Enterococcus malodoratus)等であることが好ましい。また、上記酵母としては、キャンジダ リポリティカ(Candida lipolytica)であることが好ましい。
【0011】
ラクトバチルスは、糖を醗酵して主に乳酸を生成するグラム陽性桿菌で、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイは、乳製品、下水、サイレージ、臨床材料などからの分離例が知られている。
【0012】
用いるラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイとしては、DDD−a (寄託番号:FERM BP−6463)として独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに寄託されているものを用いることが好ましい。
【0013】
以下、このラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイであるDDD−a の菌学的性質を説明する。
試験項目 試験結果
形態 桿菌
グラム染色性 +
胞子 −
運動性 −
酸素に対する態度 通性嫌気性
カタラーゼ −
生成乳酸 L(+)
グルコースからのガスの生成 −
グルコネイトからのガスの生成 +
15℃での生育 +
45℃での生育 −
糖の醗酵性
アミグダリン +
アラビノース −
エスクリン +
フラクトース +
ガラクトース +
グルコース +
グルコネイト +
ラクトース +
マルトース +
マンニトール +
マンノース +
メレチトース +
メリビオース −
ラフィノース −
ラムノース −
リボース +
サリシン +
ソルビトール +
シュークロース +
トレハロース +
キシロース −
菌体内DNAのGC含量(mol%)*1 46
*1 HPLC法によった。
【0014】
エンテロコッカスは、腸球菌として知られており、エンテロコッカス マロドラタスは、チーズからの分離例が知られている。
用いるエンテロコッカス マロドラタスとしては、DDD−b(寄託番号:FERM BP−6464)として独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに寄託されているものを用いることが好ましい。
【0015】
以下、このエンテロコッカス マロドラタスであるDDD−bの菌学的性質を説明する。
試験項目 試験結果
形態 連鎖球菌
グラム染色性 +
胞子 −
運動性 −
酸素に対する態度 通性嫌気性
カタラーゼ −
グルコースからのガスの生成 −
生成乳酸 L(+)
15℃での生育 +
45℃での生育 −
6.5%NaCl存在下での生育 +
pH9.6での生育 +
40%胆汁存在下での生育 +
溶血性 α溶血
アルギニンジヒドロラーゼ −
馬尿酸 −
エスクリンの加水分解 +
0.1%メチレンブルーミルクの生育 −
VP反応 −
酸の生成
キシロース −
ラムノース +
シュークロース +
ラクトース +
メリビオース +
ラフィノース +
メレチトース +*1
グリセロース −
アドニトール −
ソルビトール +
マンニトール +
L−アラビノース −
黄色色素の生成 −
菌体内DNAのGC含量(mol%)*2 40
*1 非典型性状
*2 HPLC法によった。
【0016】
キャンジダ属は、不完全菌類に属する酵母で、キャンジダ リポリティカは、リパーゼを有することからバター、マーガリン等の変敗の原因菌として分離されるほか、オリーブ、土壌、ヒトを含む動物からの分離例がある。
用いるキャンジダ リポリティカとしては、DDD−c(寄託番号:FERM BP−6465)として独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに寄託されているものを用いることが好ましい。
【0017】
以下、このキャンジダ リポリティカであるDDD−cの菌学的性質を説明する。
【0018】
上記の3種の菌は、一般栄養培地であるならいかなる培地でも良好に生育するが、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイおよびエンテロコッカス マロドラタスは、特にMRS培地であることが好ましく、またキャンジダ リポリティカは、特にYM培地であることが好ましい。
【0019】
いずれの菌も、培養は、好ましくは15〜45℃程度で良好に増殖する。
上記糸状材料に微生物群を担持させるには、上記微生物群を水や液体培地に分散させて準備した微生物群分散液を糸状材料に吹きかけるか、これに浸漬した後、乾燥すればよい。
【0020】
担体の微生物群の担持量は、担持させるときの条件によっても異なるが、好ましくは、全体で5個〜200億個/cm3、更に好ましくは10個〜100億個/cm3である。
分散液中の各菌の量比は特に限定されない。すなわち、上記の各種菌を水中において共存させれば、保存ないし培養条件に応じてほぼ一定の割合で安定するからである。ただし、以下に示す量比(個数比)となるように保存ないし培養条件を適宜設定すれば、発毛機能や痛みの緩和・除去の機能が極めて良好に発揮できる。
【0021】
ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ:
20〜60%
エンテロコッカス マロドラタス:20〜60%
キャンジダ リポリティカ:10〜30%
【0022】
なお、上記の3種の新規微生物は、少なくともマウスによる経口投与試験によりその安全性が確認されたものを用いる。
【0023】
【実施例】
次に、本考案の実施例について説明する。
まず、次のような組成の培地を作成した。
培地
ペプトン 5g
肉エキス 5g
NaCl 2.5g
水 500ml(pH7.0)
【0024】
以上の組成の培地を、1000ml容器に入れ、これに上記寄託センターに寄託した菌DDD−a、DDD−bおよびDDD−cを接種し、よく撹拌した後、静置して、30℃で1日間培養した。培養液中の、菌DDD−a、DDD−b、DDD−cの量比は、40:40:20%程度であった。
【0025】
上記培養液を生理食塩水に希釈し、生菌数1×108/ml程度に調整した調整液を作成した。この調整液を、生菌数1×104/cm2程度になるように、市販の毛糸に塗布し乾燥させた。
この毛糸を用いて図1に示すようなニット帽を編んだ。このニット帽を、50歳で頭頂部に直径15cmほどの禿がある男性被験者に連続してかぶってもらったところ、20日程度で禿の部分に産毛のようなものが、生えだし、26週間程度で、その産毛が黒化しだし、50週間程度で、禿の部分が目立たなくなった。本糸状材料をもちいれば、使用する個々の個人により適宜選択したニット体を作製し、それを患部に装着できるので、極めて実用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例によるニット帽を示す図である。
【考案の属する技術分野】
本考案は、身体装着具に関し、更に詳細には頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をした身体装着具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から発毛・育毛剤に関しては、種々の研究がなされており、ホルモン剤、血流促進剤、細胞活性化剤成分等が提供されているが、その大部分は、発毛・育毛効果に優れていても、副作用があるという問題点があった。
そこで、発毛・育毛効果を達成すると共に、安全性の向上を図るため、化学合成物の代わりに、天然植物中に存在する有効成分を抽出した発毛・育毛剤が提案されている。例えば、ヨクニン、イチョウ、カシュウ、蘭科植物のエビネ属、ガンセキ蘭科またはシンビジウム属の植物等の抽出エキスを主成分とする発毛・育毛剤が提案されている(特公平1−13451号公報、特開平2−48512号公報、特開平2−48514号公報、特許第2564226号公報、特開2002−114646号公報参照)。
【0003】
しかしながら、以上のような植物抽出エキスを主成分とする発毛・育毛剤は効果はあるものの、その効果が軽微であった。
【0004】
そこで、本件考案者らは、以下のような全く新たな発毛剤を考案した。
(1) 病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母を含有する発毛剤。
(2) 前記酵母がキャンジダ リポリティカ(Candida lipolytica)である上記(1)の発毛剤。
(3) 前記通性嫌気性微生物がラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)である上記(1)の発毛剤。
(4) 前記通性嫌気性微生物がエンテロコッカス マロドラタス(Enterococcus malodoratus)である上記(1)の発毛剤。
(5) 前記通性嫌気性微生物としてラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイおよびエンテロコッカス マロドラタスを含有し、前記酵母がキャンジダ リポリティカである上記(1)の発毛剤。
【0005】
以上の発毛剤(以下、本発毛剤と称することがある)による発毛のメカニズムはまだ完全には分かっていないが、下記の通りであると推測される。
第一に、本発毛剤が患部(禿の部分)の頭皮膚に触れると、本発毛剤中の酵母(特に、キャンジダ リポリティカ)が、その頭皮表面の老廃物や皮脂を分解し、皮膚の新陳代謝を促すことにより、発毛を促進する。
第二に、本発毛剤中の微生物が患部近傍に存在する微生物にとっての栄養源(アンモニア等)を吸収して増殖し、この増殖の際に発熱し、この熱により、毛包への血流量を増大させ、これにより、発毛を促進する。
しかしながら、以上のメカニズムだけでは、本発毛剤の劇的な効き目が説明できないので、次のメカニズムも考えられる。
すなわち、第三に、上記増殖の際に、本発毛剤中の微生物が何らかの発毛成分を生成し、この生成された発毛成分により、発毛作用が発揮されるものと推測される。
【0006】
また、本発毛剤は、上記微生物等が、頭皮に存在する栄養源を吸収しつつ増殖し続けるので、長期間にわたっての効能が期待できる。
また、この発毛剤の成分は、本件考案者らの考案に係る出願である特開2001−64188号にも記載されているように痛みの緩和・除去剤としても作用するものである微生物製剤である。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記したような微生物製剤を、個人個人の目的によって適用させやすくするための身体装着具を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本考案の下記(1)〜(5)の構成の糸状材料およびニット体により達成される。
(1) 病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母を担持した糸状材料で形成し、頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をした身体装着具。
(2) 前記酵母がキャンジダ リポリティカ(Candida lipolytica)である上記(1)の身体装着具。
(3) 前記通性嫌気性微生物がラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)である上記(1)の身体装着具。
(4) 前記通性嫌気性微生物がエンテロコッカス マロドラタス(Enterococcus malodoratus)である上記(1)の身体装着具。
(5) 前記通性嫌気性微生物としてラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイおよびエンテロコッカス マロドラタスを含有し、前記酵母がキャンジダ リポリティカである(1)の身体装着具。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の具体的構成について詳細に説明する。
本考案の身体装着具は、頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をしたものである。本考案のニット体は、その形態等は、適用される部位等に応じて適宜選択されればよい。頭部用のキャップの具体例を図1に示した。身体装着具に用いる糸状材料は、どのような材料で形成されていてもよく、かつどのような形態をしていてもよいが、ニット体を形成しやすいものが好ましい。例えば、毛糸や木綿糸、合成樹脂性糸等が挙げられる。
【0010】
上記糸状材料は、病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母が担持されている。上記通性嫌気性微生物としては、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、エンテロコッカス マロドラタス(Enterococcus malodoratus)等であることが好ましい。また、上記酵母としては、キャンジダ リポリティカ(Candida lipolytica)であることが好ましい。
【0011】
ラクトバチルスは、糖を醗酵して主に乳酸を生成するグラム陽性桿菌で、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイは、乳製品、下水、サイレージ、臨床材料などからの分離例が知られている。
【0012】
用いるラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイとしては、DDD−a (寄託番号:FERM BP−6463)として独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに寄託されているものを用いることが好ましい。
【0013】
以下、このラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイであるDDD−a の菌学的性質を説明する。
試験項目 試験結果
形態 桿菌
グラム染色性 +
胞子 −
運動性 −
酸素に対する態度 通性嫌気性
カタラーゼ −
生成乳酸 L(+)
グルコースからのガスの生成 −
グルコネイトからのガスの生成 +
15℃での生育 +
45℃での生育 −
糖の醗酵性
アミグダリン +
アラビノース −
エスクリン +
フラクトース +
ガラクトース +
グルコース +
グルコネイト +
ラクトース +
マルトース +
マンニトール +
マンノース +
メレチトース +
メリビオース −
ラフィノース −
ラムノース −
リボース +
サリシン +
ソルビトール +
シュークロース +
トレハロース +
キシロース −
菌体内DNAのGC含量(mol%)*1 46
*1 HPLC法によった。
【0014】
エンテロコッカスは、腸球菌として知られており、エンテロコッカス マロドラタスは、チーズからの分離例が知られている。
用いるエンテロコッカス マロドラタスとしては、DDD−b(寄託番号:FERM BP−6464)として独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに寄託されているものを用いることが好ましい。
【0015】
以下、このエンテロコッカス マロドラタスであるDDD−bの菌学的性質を説明する。
試験項目 試験結果
形態 連鎖球菌
グラム染色性 +
胞子 −
運動性 −
酸素に対する態度 通性嫌気性
カタラーゼ −
グルコースからのガスの生成 −
生成乳酸 L(+)
15℃での生育 +
45℃での生育 −
6.5%NaCl存在下での生育 +
pH9.6での生育 +
40%胆汁存在下での生育 +
溶血性 α溶血
アルギニンジヒドロラーゼ −
馬尿酸 −
エスクリンの加水分解 +
0.1%メチレンブルーミルクの生育 −
VP反応 −
酸の生成
キシロース −
ラムノース +
シュークロース +
ラクトース +
メリビオース +
ラフィノース +
メレチトース +*1
グリセロース −
アドニトール −
ソルビトール +
マンニトール +
L−アラビノース −
黄色色素の生成 −
菌体内DNAのGC含量(mol%)*2 40
*1 非典型性状
*2 HPLC法によった。
【0016】
キャンジダ属は、不完全菌類に属する酵母で、キャンジダ リポリティカは、リパーゼを有することからバター、マーガリン等の変敗の原因菌として分離されるほか、オリーブ、土壌、ヒトを含む動物からの分離例がある。
用いるキャンジダ リポリティカとしては、DDD−c(寄託番号:FERM BP−6465)として独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに寄託されているものを用いることが好ましい。
【0017】
以下、このキャンジダ リポリティカであるDDD−cの菌学的性質を説明する。
【0018】
上記の3種の菌は、一般栄養培地であるならいかなる培地でも良好に生育するが、ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイおよびエンテロコッカス マロドラタスは、特にMRS培地であることが好ましく、またキャンジダ リポリティカは、特にYM培地であることが好ましい。
【0019】
いずれの菌も、培養は、好ましくは15〜45℃程度で良好に増殖する。
上記糸状材料に微生物群を担持させるには、上記微生物群を水や液体培地に分散させて準備した微生物群分散液を糸状材料に吹きかけるか、これに浸漬した後、乾燥すればよい。
【0020】
担体の微生物群の担持量は、担持させるときの条件によっても異なるが、好ましくは、全体で5個〜200億個/cm3、更に好ましくは10個〜100億個/cm3である。
分散液中の各菌の量比は特に限定されない。すなわち、上記の各種菌を水中において共存させれば、保存ないし培養条件に応じてほぼ一定の割合で安定するからである。ただし、以下に示す量比(個数比)となるように保存ないし培養条件を適宜設定すれば、発毛機能や痛みの緩和・除去の機能が極めて良好に発揮できる。
【0021】
ラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ:
20〜60%
エンテロコッカス マロドラタス:20〜60%
キャンジダ リポリティカ:10〜30%
【0022】
なお、上記の3種の新規微生物は、少なくともマウスによる経口投与試験によりその安全性が確認されたものを用いる。
【0023】
【実施例】
次に、本考案の実施例について説明する。
まず、次のような組成の培地を作成した。
培地
ペプトン 5g
肉エキス 5g
NaCl 2.5g
水 500ml(pH7.0)
【0024】
以上の組成の培地を、1000ml容器に入れ、これに上記寄託センターに寄託した菌DDD−a、DDD−bおよびDDD−cを接種し、よく撹拌した後、静置して、30℃で1日間培養した。培養液中の、菌DDD−a、DDD−b、DDD−cの量比は、40:40:20%程度であった。
【0025】
上記培養液を生理食塩水に希釈し、生菌数1×108/ml程度に調整した調整液を作成した。この調整液を、生菌数1×104/cm2程度になるように、市販の毛糸に塗布し乾燥させた。
この毛糸を用いて図1に示すようなニット帽を編んだ。このニット帽を、50歳で頭頂部に直径15cmほどの禿がある男性被験者に連続してかぶってもらったところ、20日程度で禿の部分に産毛のようなものが、生えだし、26週間程度で、その産毛が黒化しだし、50週間程度で、禿の部分が目立たなくなった。本糸状材料をもちいれば、使用する個々の個人により適宜選択したニット体を作製し、それを患部に装着できるので、極めて実用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例によるニット帽を示す図である。
Claims (5)
- 病原性を有さない少なくとも一種の通性嫌気性微生物および酵母を担持した糸状材料で形成し、頭部用キャップ、靴下、肘当て、腹部用サポーター、腕用サポーター、足部サポーター、脚部用サポーターまたは腹巻きの形態をした身体装着具。
- 前記酵母がキャンジダ リポリティカ(Candida lipolytica)である請求項1の身体装着具。
- 前記通性嫌気性微生物がラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)である請求項1の身体装着具。
- 前記通性嫌気性微生物がエンテロコッカス マロドラタス(Enterococcus malodoratus)である請求項1の身体装着具。
- 前記通性嫌気性微生物としてラクトバチルス パラカゼイ サブスピーシーズ パラカゼイおよびエンテロコッカス マロドラタスを含有し、前記酵母がキャンジダ リポリティカである請求項1の身体装着具。
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