JP3095537U - 異性化反応装置 - Google Patents

異性化反応装置

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貢 小掠
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水出 忠徳
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】4,4’−DDSの工業的製造方法について鋭意・研
究を進めた結果、特に特定の構造を有する反応装置を用
いて異性化反応を行なうことにより、2,4’−DDSの副生
を顕著に抑制でき、しかも目的とする4,4’−DDSを短時
間でかつ高収率で製造できる装置を提供する。 【解決手段】ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混
合物を懸濁状態で異性化反応させて4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホンを製造するための異性化反応装置
であって、該反応装置が下記(1)〜(4) (1) 反応混合物を130〜190℃の温度に加熱すること
ができる加熱ジャケット (2) 反応媒体を回収することができる溶剤留去口 (3) せん断、対流若しくは循環作用によって分散、
混合若しくは粉砕することができる攪拌羽根もしくは攪
拌翼3を有し (4) 異性化反応生成物を粉体の状態で取り出すこと
ができる取り出し口 を有することを特徴とする異性化反応装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、単にDDSということがある )の反応混合物を異性化反応させて4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン( 以下、単に4,4′−DDSということがある)を製造するための異性化反応装置に関 する。
【0002】
【従来の技術】
近年、4,4′−DDSは、繊維、樹脂等の化学工業の分野での需要が増大し、しかも 各分野において製品の品質の改善を図るために極めて高純度の4,4′−DDSが要求 されるようになってきている。このため、製造装置の大型化と共に4,4′−DDSを 高収率且つ高純度で生産することが望まれている。
【0003】 4,4′−DDSの製造法としては、フェノールとスルホン化剤とを上記原料物質及び 生成4,4′−DDSを溶解するジクロルベンゼン等の溶剤の存在下に脱水反応させる 方法が知られている。しかしながら、該方法のように溶剤中で脱水反応させると きは、目的物である4,4′−DDSが副生物である異性体2,4′−ジヒドロキシジフ ェニルスルホン(以下単に「2,4′−DDS」ということがある)との間に溶解状態 で異性化平衡を有するために、得られる粗製品中に20〜30重量%もの2,4′−DDS が不純物として含有され、4,4′−DDSの純度及び収率が低くなる。また最近にな って、上記2,4′−DDSと共にトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(以下単に 「トリ体」ということがある)が副生していることも認められている。
【0004】 従来、4,4′−DDSを高純度且つ高収率で収得する方法として、フェノールと硫酸 とを溶剤の存在下に脱水反応させ、次いで反応溶液から溶剤を徐々に除去しつつ 副生2,4′−DDSを4,4′−DDSに異性化することにより、高純度の4,4′−DDSを製 造する方法(特公昭55−8972号公報)が知られている。この方法は、4,4′−DDS と2,4′−DDSとの溶剤に対する溶解度の差を利用し、溶剤を徐々に除去して4,4 ′−DDSのみを系外に析出させることにより溶液中での異性化平衡を移行させて 副生2,4′−DDSの4,4′−DDSへの異性化を進めて4,4′−DDSの純度及び収率の向 上を図るものである。しかしながらこの方法によると、溶剤除去に伴い反応生成 物は溶融状態から固化し、結果として流動性のない粘稠な固体となるために製造 には機械的強度に優れた特殊な攪拌装置が必要となる。従って大量生産に伴う製 造装置の大型化を困難にする。 また、上記脱水反応又は脱水反応及び異性化反応を行なうに当って芳香族スルホ ン酸を触媒として用いる方法(特開昭61−243059号、特開昭61−243060号公報) が知られている。これらの方法によれば脱水反応及び(又は)異性化反応の反応 時間を短縮できるだけでなく、脱水反応工程で副生する2,4′−DDS及び脱水反応 及び異性化反応工程で生成するトリ体の副生を抑制できる。しかし副生物の生成 の抑制をより顕著なものとし、反応時間の更なる短縮が望まれるが、この方法に よっても異性化反応における粘稠な生成物の取扱い上の困難を克服できない。
【0005】 一方、最近になって脂肪族炭化水素系懸濁剤及び共沸剤の存在下にフェノールと 硫酸とを加熱下に脱水反応させつつ生成する2,4′−DDSを4,4′−DDSに異性化せ しめる方法(特開昭64−9970号公報)も提案されている。しかし上記方法は脱水 反応の進行が遅く、殊に反応の後期ではその傾向が顕著となり、反応に長時間要 する。しかも長時間をかけても反応を完結せしめることは困難で、4,4′−DDSの 使用された硫酸に対する収率を充分に高めることは難しい。
【0006】 また反応系は、凝集及び沈殿を起こし易く、これを防止する為には強力な攪拌装 置を用いる必要がある。また脂肪族炭化水素系懸濁剤は沸点が高く、水を系外に 除去しながら脱水反応を進行させる為には共沸剤を併用させる必要があるが、共 沸剤の併用は反応媒体組成を多成分系とし、反応中及び回収の為の管理及び操作 が複雑とならざるを得ない。更に生成物は、黒褐色に着色し精製時に脱色し難く 商品価値の低い製品しか得られない。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】 本考案者らは、上記の如き技術の現状に鑑み、工業的製造方法について鋭意・研 究を進めた結果、特に特定の構造を有する反応装置を用いて異性化反応を行なう ことにより、2,4′−DDSの副生を顕著に抑制でき、しかも目的とする4,4′−DDS を短時間でかつ高収率で製造できることを見出し、本考案を完成した。 また本考案の他の目的は、該異性化反応過程でのトリ体の副生を抑制して更に高 純度の4,4′−DDSを高収率で得ることのできる異性化反応装置を提供することで ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、ジヒドロキシジフェニルスルホン(DDS)の反応混合物を懸濁状態で 異性化反応させて4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4'-DDS)を製造 するための異性化反応装置であって、該反応装置が下記(1)〜(4) (1) 反応混合物を130〜190℃の温度に加熱することができる (2) 反応媒体(溶剤)を回収(留去)することができる (3) せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若しくは粉砕するこ とができる (4) 最終的に反応生成物を粉体の状態で取り出すことができる の各機能を同時に満たす構造を備えたことを特徴とする異性化反応装置(請求項 1)である。
【0009】 また、本考案は、(3)せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若し くは粉砕することができる機能を満たす構造が、攪拌羽根もしくは攪拌翼を有す る装置であることを特徴とする請求項1に記載の異性化反応装置である(請求項 2)。 また特に、本考案は、攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置が、パドル翼型、ス クリュー翼型もしくはリボン翼型或いはこれらの複合型から選ばれる攪拌羽根も しくは攪拌翼を有する装置であることを特徴とする請求項2に記載の異性化反応 装置である(請求項3)。
【0010】 更に、本考案は、攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置において、該攪拌羽根も しくは攪拌翼と容器内壁面とのクリアランスが3mm〜30mmであることを特 徴とする請求項2乃至請求項3の何れかに記載の異性化反応装置である(請求項 4)。 更にまた、本考案は、該攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面とのクリアランス が5mm〜20mmmであることを特徴とする請求項4に記載の異性化反応装置 である(請求項5)。
【0011】 そして、本考案は、上記(1)〜(4)の各機能を同時に満たす構造を備えた装 置が、 a)逆円錐型混合/乾燥機 b)逆円錐型リボン混合/乾燥機 c)逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機 d)横型リボン混合/乾燥機 から選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の異性化反 応装置である(請求項6)。
【0012】 本考案者らの研究によれば、ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物を懸 濁状態で異性化反応させて4,4′−DDSを製造するにあたり、特に特定の構造を 有する異性化反応装置を用いて異性化反応を行なうことによって、2,4′−DDSの 副生を顕著に抑制でき、しかも目的とする4,4′−DDSを短時間でかつ高収率で製 造でき、更に、異性化反応過程でのトリ体の副生を抑制して更に高純度の4,4′− DDSを高収率で得ることのできることを見出した。
【0013】 ここで、本考案に係る特定の構造を有する異性化反応装置について更に詳述する 。 まず、(1)反応混合物を130〜190℃の温度に加熱する方法は、特に制限的では なく、反応容器にジャケット等を設け、熱媒又は加圧水蒸気を通じる等の通常の 手段によって容易に行なわれる。加熱温度は、特に好ましくは140℃〜180℃、更 に好ましくは145℃〜175℃である。 次に(2)反応媒体(溶剤)の回収(留去)は、反応容器上部に冷却装置などを 設け、好ましくは該反応容器内を真空(減圧)状態にして行なわれる。
【0014】 次に(3)せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若しくは粉砕す る機構は、本考案の異性化反応装置の核心部を成すものである。つまり、ジヒド ロキシジフェニルスルホンの反応混合物は、当初目的とする4,4′−DDSの結晶が 反応媒体(溶剤)中に析出し、懸濁状態となっており、反応媒体(溶剤)の留去 に伴い粉体化が進み、これが実質的に完全に留去されるに至って4,4′−DDSの結 晶が取扱い容易な結晶粉末となる。
【0015】 この要件を満たすために、せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若 しくは粉砕することができる機能を満たす装置(構造)としては、攪拌羽根もし くは攪拌翼を有する装置が好ましくは、中でも、攪拌羽根もしくは攪拌翼を有す る装置として、パドル翼型、スクリュー翼型もしくはリボン翼型或いはこれらの 複合型から選ばれる攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置であることが特に好ま しいことが見出された。
【0016】 更に、該攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置において、該攪拌羽根もしくは攪 拌翼と容器内壁面とのクリアランスが本考案の目的達成に極めて重要であり、本 考案者らは、該クリアランスが3mm〜30mm、好ましくは、5mm〜20m mm、特に好ましくは7mm〜15mmmであるときに、極めて好適に本考案の 目的が達せられる事を見出し、本考案を完成するに至ったものである。 ここに設定したクリアランス内であれば、熱伝導が良いために異性化反応時間が 短くてすみ(通常2〜3時間程度)、攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面との 間に結晶のコーティングが生じない、粉体を取り出す場合に冷却時間が短くてす む等、種々の利点をもたらす。
【0017】 ここで、該クリアランスが3mm以下では、攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁 面との接触による破損の発生の問題、及び対象とする4,4′−DDSの結晶の性質か ら負荷が係り、動力の負担増大や過熱に伴って品質の劣化などの問題が生ずる。 一方該クリアランスが30mmを越えると、熱伝導率が悪化し、異性化反応時間 の大幅な遅延、翼と容器内壁面との間にコーティングが発生するなどの問題が生 ずる。つまり、充分なせん断、対流若しくは循環作用が得られず、充分な分散、 混合若しくは粉砕ができず、異性化反応が充分に進まず、収率・品質の低下をも たらし、工業的製造方法としての初期の目的を達する事が出来ないのである。
【0018】 更に、対象とするジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物には種々の組成 、液状の反応混合物があり、それに適合したクリアランスの持った異性化反応装 置が必要となることが推測される。しかるに、上記したクリアランス内に設定し ておけば、いかなる反応混合物に適用しても、更に驚くべき事は形式の異なる混 合/乾燥機、前記図1〜図4のいかなる形式の混合/乾燥機であっても、上記し たクリアランス内に設定することで、常にコンスタントに目的とする高品質の製 品を得ることができることが見出されたのである。
【0019】 また、本考案においては、特に制限的ではないが、更に、必要により、回転数、 回転速度の調整、その他攪拌効率等を適宜調整することが望ましい。 最後に、(4)最終的に異性化反応を終えた反応生成物(4,4′−ジヒドロキ シジフェニルスルホン)を粉体の状態で取り出すので、それにふさわしい装置・ 構造であれば特に制限的ではない。
【0020】 以下に、本考案に好適に用いられる代表的な異性化反応装置について、図面によ って更に具体的に説明する。 図1は、逆円錐型混合/乾燥機の概略図である。この装置は、攪拌翼がパドル翼 型と下部リボン翼型とによって行なわれる複合タイプである。このタイプの具体 的な装置として、例えば、神鋼パンテツク株式会社製のPV MIXER(商標 名)が挙げられる。 図2は、逆円錐型リボン翼混合/乾燥機の概略図である。この装置は、攪拌翼が 螺旋リボン回転翼によって行なわれるタイプである。このタイプの具体的な装置 として、例えば、株式会社大川原製作所のリボコーン(商標名)が挙げられる。
【0021】 図3は、逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機の概略図である。この装置は、逆円 錐型の容器内をスクリューが自転と公転を同時に行い、内容物を上下水平の3方 向に運動させ、三次元的運動を起こさせる機構を備えて成るものである。このタ イプの具体的な装置として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のナウタミキ サ(NX型)(登録商標名)が挙げられる。 図4は、横型リボン混合/乾燥機の概略図である。この装置は、例えば、U型容 器内に螺旋リボン回転翼を設けたものである。
【0022】 その他、本考案に適用される異性化反応装置の具体例として、以下のような装置 が考慮される。二重円錐型混合/乾燥機、V型混合/乾燥機、水平円筒型混合/ 乾燥機、ミューラー型混合/乾燥機、単軸又は複軸ローター混合/乾燥機など。
【0023】 中でも、本考案に好ましく用いられる異性化反応装置としては、図1の逆円錐型 混合/乾燥機、図2の逆円錐型リボン翼混合/乾燥機及び図3の逆円錐型スクリ ュー型混合/乾燥機があげられ、更に好ましくは、図1の逆円錐型混合/乾燥機 及び図3の逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機が挙げられる。
【0024】 なお、当該異性化反応装置は、用いられる反応溶剤の種類のよって相性があり、 例えば反応溶剤としてはメシチレン等のアルキル置換芳香族系反応溶剤を用いる 場合は、系の粘性が低くさらさらしているので図1の逆円錐型混合/乾燥機が好 ましく用いられるが、o−ジクロルベンゼンのようなハロゲン置換芳香族系反応 溶剤の場合には、粘度が高いなどの関係から図3のような比較的強力な逆円錐型 スクリュー型混合/燥機が好ましく用いられる。
【0025】 本考案の課題(又は目的)は、前述のとおり、4,4′−ジヒドロキシジフェニ ルスルホンの製造に用いられる異性化反応装置の提供にあるが、本考案の要旨を より明確にするために、以下に対象とする4,4′−ジヒドロキシジフェニルス ルホンの製造方法について補足説明する。 すなわち、フェノールとスルホン化剤又はフェノールスルホン酸とを反応媒体( 溶剤)を用いて脱水反応させて得られたジヒドロキシジフェニルスルホンの反応 混合物を、下記(1)〜(4) (1) 反応混合物を130〜190℃の温度に加熱することができる (2) 応媒体(溶剤)を回収(留去)することができる (3) せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若しくは粉砕するこ とができる (4) 最終的に反応生成物を粉体の状態で取り出すことができる の各機能を同時に満たす構造を備えた異性化反応装置を用いて懸濁状態で異性化 反応させることを要旨とする4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンの製造 方法である。
【0026】 ここで、ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物(つまり異性化反応の対 象物)とは、ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物であり、これはフェ ノールとスルホン化剤又はフェノールスルホン酸とを反応媒体を用いて脱水反応 させて得られたジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物である。 このように本考案の異性化反応の対象物は、脱水反応終了後の反応混合物である が、脱水反応の段階から本件異性化反応装置を用いて反応させ、続いて加熱、回 収、粉砕混合など、本考案の異性化反応処理をさせてもよいことは自明である。
【0027】 次に、本考案における反応媒体としては、芳香族系及び/又は脂肪族系炭化水素 溶剤が用いられる。 ここで、芳香族系及び/又は脂肪族系炭化水素溶剤の具体例としては、フェノー ル(沸点181℃)、クロルベンゼン(沸点132℃)、o−ジクロルベンゼン (=ODCB、沸点180℃)、トリクロルベンゼン(沸点212℃)、クロル トルエン(沸点162℃)、3,4−ジクロルトルエン(沸点209℃)、ジエ チルベンゼン(沸点182℃)、メシチレン(沸点165℃)、デカリン(沸点1 85℃)、テトラリン(沸点207℃)およびテトラクロルエタン(沸点146 ℃)の一種又は二種以上の混合物が挙げられる。
【0028】 また、脂肪族炭化水素溶剤としては、好ましくは150℃以上の沸点を有する脂 肪族系溶媒でありその具体例としては、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、分 枝状脂肪族炭化水素として、イソデカン、アイソパー(エクソン化学社登録商標 名)E、同G、同H、同L、同M、等が挙げられる。 中でも、メシチレン、o−ジクロルベンゼン、フェノール、クロルトルエン、3 ,4−ジクロルトルエン、ジエチルベンゼンなどの芳香族系炭化水素溶剤が好ま しく用いられる。特にメシチレンは本考案の装置に最も好適に用いられる。
【0029】 次に、異性化反応処理の条件について、反応媒体の量は、通常0.1〜5重量倍 (対ジヒドロキシジフェニルスルホン) 好ましくは0.2〜3重量倍である。 異性化反応は、通常は懸濁(スラリー)状態を維持し乍ら行なわれる。異性化反 応は、好ましくは酸触媒の存在下に行なわれる。
【0030】 酸触媒の具体例としては、フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クロル ベンゼンスルホン酸、ベンゼン−1,3−ジスルホン酸、クロルベンゼン−2,4−ジ スルホン酸、ブロムベンゼン−2,4−ジスルホン酸、フルオロベンゼン−2,4−ジ スルホン酸、トルエン−2,4−ジスルホン酸、エチルベンゼン−2,4−ジスルホン 酸、ベンゼン−1,3,5−トリスルホン酸、クロルベンゼン−2,4,6−トリスルホン 酸、ブロムベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、フルオロベンゼン−2,4,6−トリ スルホン酸、トルエン−2,4,6−トリスルホン酸、エチルベンゼン−2,4,6−トリ スルホン酸等の芳香族スルホン酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス ルホン酸等の脂肪族スルホン酸類、ナフィオン等のスルホン酸ポリマー等を挙げ ることができる。これらスルホン酸を単独で使用してもよいし、2種以上を併用 してもよい。酸の使用量としては、触媒量用いればよく特に制限されず、広い範 囲内から適宜選択することができるが、通常スルホン化剤に対して0.5〜10モル %程度、より好ましくは2〜5モル%程度使用するのがよい。
【0031】 この工程で2,4′−DDS→4,4'−DDSへの異性化反応が進行する。 また、この異性化反応は、最終的に反応媒体(溶剤)の実質的に全てが除去され るまで行なわれる。 かくして、目的とする4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、好ましい 粉体として分離される。なお、この分離の際に、水或いは適当な溶剤を加えて懸 濁状態で次工程(例えば、精製工程)に使用し、分離することもできる。
【0032】
【考案の効果】
本考案になる異性化反応装置を用いて、いわゆるジヒドロキシジフェニルスルホ ンの反応混合物の異性化反応を行なうことによって、2,4′−DDSの副生を顕著に 抑制でき、しかも目的とする4,4′−DDSを短時間でかつ高収率で製造することが できる。 また、異性化反応過程でのトリ体の副生を抑制して更に高純度の4,4′−DDSを高 収率で得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって本考案の異性化反応装置につき、更に具体的に詳述する。 実施例1 撹拌機を備えた容量3000Lのグラスライニング製反応槽にo−ジクロルベン ゼン765Lとフェノール988kg(10.5kモル)を仕込み、該内容物を 撹拌しながら98%硫酸500kg(5kモル)を滴下し、昇温した。内温14 8℃で内容物が沸騰し、o−ジクロルベンゼンとともに反応生成水が溜出し始め た。溜出液をコンデンサーで凝縮し、デカンターで二相に分離した後、下相の o−ジクロルベンゼン相を連続的に反応槽に戻した。溜出開始から15時間後に 内温は180℃に達し、水の生成は停止した。デカンターで分離された上相(水 相)の量は190Lであった。 得られた反応混合物をHPLCを用いて分析した結果、4,4'−ジヒドロキシ ジフェニルスルホン:2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:トリヒドロ キシトリフェニルジスルホンの重量比は、76:23:1であった。反応物は溶 解状態であった。
【0034】 この反応混合物を容量2000Lのナウタミキサ(NX型)(ホソカワミクロン 株式会社製登録商標名、スクリューと容器内壁面とのクリアランス10mm)に 移し、熱媒を用いて175℃に加熱しながら減圧下(0.7kPa)にて3時間 を要し、フェノールを少量含有する1,2−ジクロルベンゼン765Lを回収し た。反応混合物は蒸留回収の進行に伴い懸濁状態を経て、結晶が析出し、3時間 後にはやや粘性のある結晶粉末が撹拌されている状態であった。 この結晶粉末をHPLCにより分析した結果、4,4'−ジヒドロキシジフェニ ルスルホン:2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:トリヒドロキシトリ フェニルジスルホンの重量比は、95:2:3であった。
【0035】 実施例2 撹拌機を備えた容量3000Lのグラスライニング製反応槽にメシチレン100 0Lとフェノール1130kg(12.0kモル)を仕込み、該内容物を撹拌し ながら98%硫酸600kg(6kモル)を滴下し、昇温した。内温145℃で 内容物が沸騰し、メシチレンとともに反応生成水が溜出し始めた。溜出液をコン デンサーで凝縮し、デカンターで二相に分離した後、上相のメシチレン相を連続 的に反応槽に戻した。溜出開始から15時間後に内温は165℃に達し、水の生 成は停止した。デカンターで分離された下層(水相)の量は228Lであった。 得られた反応混合物をHPLCを用いて分析した結果、4,4'−ジヒドロキシ ジフェニルスルホン:2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:トリヒドロ キシトリフェニルジスルホンの重量比は、92:6:2であった。この反応混合 物は多量の結晶析出により懸濁状態であった。 この反応混合物を容量2800LのPV MIXER(神鋼パンテック株式会社 製商標名・パドル翼型攪拌翼と容器内壁面とのクリアランス10mm)に移し、 加圧蒸気で170℃に加熱しながら減圧下(0.7kPa)にて3時間を要し、 フェノールを少量含有するメシチレン1000Lを回収した。3時間後にはさら さらの結晶粉末が撹拌されている状態であった。この結晶粉末をHPLCにより 分析した結果、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:2,4'−ジヒドロ キシジフェニルスルホン:トリヒドロキシトリフェニルジスルホンの重量比は、 96:2:2であった。
【提出日】平成15年3月24日(2003.3.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、単にDDSということがある )の反応混合物を異性化反応させて4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン( 以下、単に4,4’−DDSということがある)を製造するための異性化反応装置に関 する。
【0002】
【従来の技術】
近年、4,4’−DDSは、繊維、樹脂等の化学工業の分野での需要が増大し、しかも 各分野において製品の品質の改善を図るために極めて高純度の4,4’−DDSが要求 されるようになってきている。このため、製造装置の大型化と共に4,4’−DDSを 高収率且つ高純度で生産することが望まれている。
【0003】 4,4’−DDSの製造法としては、フェノールとスルホン化剤とを上記原料物質及び 生成4,4’−DDSを溶解するジクロルベンゼン等の溶剤の存在下に脱水反応させる 方法が知られている。しかしながら、該方法のように溶剤中で脱水反応させると きは、目的物である4,4’−DDSが副生物である異性体2,4’−ジヒドロキシジフ ェニルスルホン(以下単に「2,4’−DDS」ということがある)との間に溶解状態 で異性化平衡を有するために、得られる粗製品中に20〜30重量%もの2,4’−DDS が不純物として含有され、4,4’−DDSの純度及び収率が低くなる。また最近にな って、上記2,4’−DDSと共にトリヒドロキシトリフェニルジスルホン(以下単に 「トリ体」ということがある)が副生していることも認められている。
【0004】 従来、4,4’−DDSを高純度且つ高収率で収得する方法として、フェノールと硫酸 とを溶剤の存在下に脱水反応させ、次いで反応溶液から溶剤を徐々に除去しつつ 副生2,4’−DDSを4,4’−DDSに異性化することにより、高純度の4,4’−DDSを製 造する方法(特公昭55−8972号公報)が知られている。この方法は、4,4’−DDS と2,4’−DDSとの溶剤に対する溶解度の差を利用し、溶剤を徐々に除去して4,4 ’−DDSのみを系外に析出させることにより溶液中での異性化平衡を移行させて 副生2,4’−DDSの4,4’−DDSへの異性化を進めて4,4’−DDSの純度及び収率の向 上を図るものである。しかしながらこの方法によると、溶剤除去に伴い反応生成 物は溶融状態から固化し、結果として流動性のない粘稠な固体となるために製造 には機械的強度に優れた特殊な攪拌装置が必要となる。従って大量生産に伴う製 造装置の大型化を困難にする。 また、上記脱水反応又は脱水反応及び異性化反応を行なうに当って芳香族スルホ ン酸を触媒として用いる方法(特開昭61−243059号、特開昭61−243060号公報) が知られている。これらの方法によれば脱水反応及び(又は)異性化反応の反応 時間を短縮できるだけでなく、脱水反応工程で副生する2,4’−DDS及び脱水反応 及び異性化反応工程で生成するトリ体の副生を抑制できる。しかし副生物の生成 の抑制をより顕著なものとし、反応時間の更なる短縮が望まれるが、この方法に よっても異性化反応における粘稠な生成物の取扱い上の困難を克服できない。
【0005】 一方、最近になって脂肪族炭化水素系懸濁剤及び共沸剤の存在下にフェノールと 硫酸とを加熱下に脱水反応させつつ生成する2,4’−DDSを4,4’−DDSに異性化せ しめる方法(特開昭64−9970号公報)も提案されている。しかし上記方法は脱水 反応の進行が遅く、殊に反応の後期ではその傾向が顕著となり、反応に長時間要 する。しかも長時間をかけても反応を完結せしめることは困難で、4,4’−DDSの 使用された硫酸に対する収率を充分に高めることは難しい。
【0006】 また反応系は、凝集及び沈殿を起こし易く、これを防止する為には強力な攪拌装 置を用いる必要がある。また脂肪族炭化水素系懸濁剤は沸点が高く、水を系外に 除去しながら脱水反応を進行させる為には共沸剤を併用させる必要があるが、共 沸剤の併用は反応媒体組成を多成分系とし、反応中及び回収の為の管理及び操作 が複雑とならざるを得ない。更に生成物は、黒褐色に着色し精製時に脱色し難く 商品価値の低い製品しか得られない。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案者は、上記の如き技術の現状に鑑み、工業的製造方法について鋭意・研究 を進めた結果、特に特定の構造を有する反応装置を用いて異性化反応を行なうこ とにより、2,4’−DDSの副生を顕著に抑制でき、しかも目的とする4,4’−DDSを 短時間でかつ高収率で製造できることを見出し、本考案を完成した。 また本考案の他の目的は、該異性化反応過程でのトリ体の副生を抑制して更に高 純度の4,4’−DDSを高収率で得ることのできる異性化反応装置を提供することで ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、ジヒドロキシジフェニルスルホン(DDS)の反応混合物を懸濁状態で 異性化反応させて4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(4,4'-DDS)を製造 するための異性化反応装置であって、該反応装置が下記(1)〜(4) (1)反応混合物を130〜190℃の温度に加熱することができる加熱ジャケット (2)反応媒体を回収することができる溶剤留去口 (3)せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若しくは粉砕すること ができる攪拌羽根もしくは攪拌翼を有し (4)異性化反応生成物を粉体の状態で取り出すことができる取り出し口 を有することを特徴とする異性化反応装置(請求項1)である。
【0009】 また、本考案は、該攪拌羽根もしくは攪拌翼が、パドル翼型、スクリュー翼型も しくはリボン翼型或いはこれらの複合型から選ばれる攪拌羽根もしくは攪拌翼で あることを特徴とする請求項1に記載の異性化反応装置(請求項2)である。
【0010】 更に、本考案は、該攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面とのクリアランスが3 mm〜30mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れかに記載の 異性化反応装置(請求項3)である。 更にまた、本考案は、該攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面とのクリアランス が5mm〜20mmmであることを特徴とする請求項3に記載の異性化反応装置 (請求項4)である。
【0011】 また、特に本考案は、 a)逆円錐型混合/乾燥機 b)逆円錐型リボン混合/乾燥機 c)逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機 d)横型リボン混合/乾燥機 から選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の異性化反 応装置(請求項5)である。
【0012】 本考案者の研究によれば、ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物を懸濁 状態で異性化反応させて4,4’−DDSを製造するにあたり、特に特定の構造を有 する異性化反応装置を用いて異性化反応を行なうことによって、2,4’−DDSの副 生を顕著に抑制でき、しかも目的とする4,4’−DDSを短時間でかつ高収率で製造 でき、更に、異性化反応過程でのトリ体の副生を抑制して更に高純度の4,4’−DD Sを高収率で得ることのできることを見出した。
【0013】 ここで、本考案に係る特定の構造を有する異性化反応装置について更に詳述する 。 まず、(1)反応混合物を130〜190℃の温度に加熱する方法は、特に制限的では なく、反応容器にジャケット等を設け、熱媒又は加圧水蒸気を通じる等の通常の 手段によって容易に行なわれる。加熱温度は、特に好ましくは140℃〜180℃、更 に好ましくは145℃〜175℃である。 次に(2)反応媒体の回収は、反応容器上部に冷却装置などの溶剤留去口を設け 、好ましくは該反応容器内を真空(減圧)状態にして行なわれる。
【0014】 次に(3)せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若しくは粉砕す る機構は、本考案の異性化反応装置の核心部を成すものである。つまり、ジヒド ロキシジフェニルスルホンの反応混合物は、当初目的とする4,4’−DDSの結晶が 反応媒体(溶剤)中に析出し、懸濁状態となっており、反応媒体(溶剤)の留去 に伴い粉体化が進み、これが実質的に完全に留去されるに至って4,4’−DDSの結 晶が取扱い容易な結晶粉末となる。
【0015】 この要件を満たすために、せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若 しくは粉砕することができる機能を満たす装置(構造)としては、攪拌羽根もし くは攪拌翼を有する装置が好ましくは、中でも、攪拌羽根もしくは攪拌翼を有す る装置として、パドル翼型、スクリュー翼型もしくはリボン翼型或いはこれらの 複合型から選ばれる攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置であることが特に好ま しいことが見出された。
【0016】 更に、該攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置において、該攪拌羽根もしくは攪 拌翼と容器内壁面とのクリアランスが本考案の目的達成に極めて重要であり、本 考案者は、該クリアランスが3mm〜30mm、好ましくは、5mm〜20mm m、特に好ましくは7mm〜15mmmであるときに、極めて好適に本考案の目 的が達せられる事を見出し、本考案を完成するに至ったものである。 ここに設定したクリアランス内であれば、熱伝導が良いために異性化反応時間が 短くてすみ(通常2〜3時間程度)、攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面との 間に結晶のコーティングが生じない、粉体を取り出す場合に冷却時間が短くてす む等、種々の利点をもたらす。
【0017】 ここで、該クリアランスが3mm以下では、攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁 面との接触による破損の発生の問題、及び対象とする4,4’−DDSの結晶の性質か ら負荷が係り、動力の負担増大や過熱に伴って品質の劣化などの問題が生ずる。 一方該クリアランスが30mmを越えると、熱伝導率が悪化し、異性化反応時間 の大幅な遅延、翼と容器内壁面との間にコーティングが発生するなどの問題が生 ずる。つまり、充分なせん断、対流若しくは循環作用が得られず、充分な分散、 混合若しくは粉砕ができず、異性化反応が充分に進まず、収率・品質の低下をも たらし、工業的製造方法としての初期の目的を達する事が出来ないのである。
【0018】 更に、対象とするジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物には種々の組成 、液状の反応混合物があり、それに適合したクリアランスの持った異性化反応装 置が必要となることが推測される。しかるに、上記したクリアランス内に設定し ておけば、いかなる反応混合物に適用しても、更に驚くべき事は形式の異なる混 合/乾燥機、後記図1〜図4のいかなる形式の混合/乾燥機であっても、上記し たクリアランス内に設定することで、常にコンスタントに目的とする高品質の製 品を得ることができることが見出されたのである。
【0019】 また、本考案においては、特に制限的ではないが、更に、必要により、回転数、 回転速度の調整、その他攪拌効率等を適宜調整することが望ましい。 最後に、(4)最終的に異性化反応を終えた反応生成物(4,4′−ジヒドロキ シジフェニルスルホン)を粉体の状態で取り出すが、該取り出し口は、それにふ さわしい装置・構造であれば特に制限的ではない。
【0020】 以下に、本考案に好適に用いられる代表的な異性化反応装置について、図面によ って更に具体的に説明する。 図1は、逆円錐型混合/乾燥機の概略図である。この装置は、攪拌翼がパドル翼 型と下部リボン翼型とによって行なわれる複合タイプである。このタイプの具体 的な装置として、例えば、神鋼パンテツク株式会社製のPV MIXER(商標 名)が挙げられる。 図2は、逆円錐型リボン翼混合/乾燥機の概略図である。この装置は、攪拌翼が 螺旋リボン回転翼によって行なわれるタイプである。このタイプの具体的な装置 として、例えば、株式会社大川原製作所のリボコーン(商標名)が挙げられる。
【0021】 図3は、逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機の概略図である。この装置は、逆円 錐型の容器内をスクリューが自転と公転を同時に行い、内容物を上下水平の3方 向に運動させ、三次元的運動を起こさせる機構を備えて成るものである。このタ イプの具体的な装置として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のナウタミキ サ(NX型)(登録商標名)が挙げられる。 図4は、横型リボン混合/乾燥機の概略図である。この装置は、例えば、U型容 器内に螺旋リボン回転翼を設けたものである。
【0022】 その他、本考案に適用される異性化反応装置の具体例として、以下のような装置 が考慮される。二重円錐型混合/乾燥機、V型混合/乾燥機、水平円筒型混合/ 乾燥機、ミューラー型混合/乾燥機、単軸又は複軸ローター混合/乾燥機など。
【0023】 中でも、本考案に好ましく用いられる異性化反応装置としては、図1の逆円錐型 混合/乾燥機、図2の逆円錐型リボン翼混合/乾燥機及び図3の逆円錐型スクリ ュー型混合/乾燥機があげられ、更に特に好ましくは、図1の逆円錐型混合/乾 燥機及び図3の逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機が挙げられる。
【0024】 なお、当該異性化反応装置は、用いられる反応溶剤の種類によって相性があり、 例えば反応溶剤としてはメシチレン等のアルキル置換芳香族系反応溶剤を用いる 場合は、系の粘性が低くさらさらしているので図1の逆円錐型混合/乾燥機が好 ましく用いられるが、o−ジクロルベンゼンのようなハロゲン置換芳香族系反応 溶剤の場合には、粘度が高いなどの関係から図3のような比較的強力な逆円錐型 スクリュー型混合/乾燥機が好ましく用いられる。
【0025】 本考案の課題(又は目的)は、前述のとおり、4,4′−ジヒドロキシジフェニ ルスルホンの製造に用いられる異性化反応装置の提供にあるが、本考案の要旨を より明確にするために、以下に対象とする4,4′−ジヒドロキシジフェニルス ルホンの製造方法について補足説明する。 すなわち、フェノールとスルホン化剤又はフェノールスルホン酸とを反応媒体( 溶剤)を用いて脱水反応させて得られたジヒドロキシジフェニルスルホンの反応 混合物を、下記(1)〜(4) (1)反応混合物を130〜190℃の温度に加熱することができる加熱ジャケット (2)反応媒体(溶剤)を回収(留去)することができる溶剤留去口 (3)せん断、対流若しくは循環作用によって分散、混合若しくは粉砕すること ができる攪拌羽根もしくは攪拌翼を有し (4)異性化反応生成物を粉体の状態で取り出すことができる取り出し口 を有することを特徴とする異性化反応装置を用いて懸濁状態で異性化反応させる ことを要旨とする4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法である 。
【0026】 ここで、ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物(つまり異性化反応の対 象物)とは、ジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物であり、これはフェ ノールとスルホン化剤又はフェノールスルホン酸とを反応媒体を用いて脱水反応 させて得られたジヒドロキシジフェニルスルホンの反応混合物である。 このように本考案の異性化反応の対象物は、脱水反応終了後の反応混合物である が、脱水反応の段階から本件異性化反応装置を用いて反応させ、続いて加熱、回 収、粉砕混合など、本考案の異性化反応処理をさせてもよいことは自明である。
【0027】 次に、本考案における反応媒体としては、芳香族系及び/又は脂肪族系炭化水素 溶剤が用いられる。 ここで、芳香族系及び/又は脂肪族系炭化水素溶剤の具体例としては、フェノー ル(沸点181℃)、クロルベンゼン(沸点132℃)、o−ジクロルベンゼン (=ODCB、沸点180℃)、トリクロルベンゼン(沸点212℃)、クロル トルエン(沸点162℃)、3,4−ジクロルトルエン(沸点209℃)、ジエ チルベンゼン(沸点182℃)、メシチレン(沸点165℃)、デカリン(沸点1 85℃)、テトラリン(沸点207℃)およびテトラクロルエタン(沸点146 ℃)の一種又は二種以上の混合物が挙げられる。
【0028】 また、脂肪族炭化水素溶剤としては、好ましくは150℃以上の沸点を有する脂 肪族系溶媒でありその具体例としては、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、分 枝状脂肪族炭化水素として、イソデカン、アイソパー(エクソン化学社登録商標 名)E、同G、同H、同L、同M、等が挙げられる。 中でも、メシチレン、o−ジクロルベンゼン、フェノール、クロルトルエン、3 ,4−ジクロルトルエン、ジエチルベンゼンなどの芳香族系炭化水素溶剤が好ま しく用いられる。特にメシチレンは本考案の装置に最も好適に用いられる。
【0029】 次に、異性化反応処理の条件について、反応媒体の量は、通常0.1〜5重量倍 (対ジヒドロキシジフェニルスルホン)好ましくは0.2〜3重量倍である。 異性化反応は、通常は懸濁(スラリー)状態を維持し乍ら行なわれる。異性化反 応は、好ましくは酸触媒の存在下に行なわれる。
【0030】 酸触媒の具体例としては、フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クロル ベンゼンスルホン酸、ベンゼン−1,3−ジスルホン酸、クロルベンゼン−2,4−ジ スルホン酸、ブロムベンゼン−2,4−ジスルホン酸、フルオロベンゼン−2,4−ジ スルホン酸、トルエン−2,4−ジスルホン酸、エチルベンゼン−2,4−ジスルホン 酸、ベンゼン−1,3,5−トリスルホン酸、クロルベンゼン−2,4,6−トリスルホン 酸、ブロムベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、フルオロベンゼン−2,4,6−トリ スルホン酸、トルエン−2,4,6−トリスルホン酸、エチルベンゼン−2,4,6−トリ スルホン酸等の芳香族スルホン酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス ルホン酸等の脂肪族スルホン酸類、ナフィオン等のスルホン酸ポリマー等を挙げ ることができる。これらスルホン酸を単独で使用してもよいし、2種以上を併用 してもよい。酸の使用量としては、触媒量用いればよく特に制限されず、広い範 囲内から適宜選択することができるが、通常スルホン化剤に対して0.5〜10モル %程度、より好ましくは2〜5モル%程度使用するのがよい。
【0031】 この工程で2,4’−DDSから4,4'−DDSへの異性化反応が進行する。 また、この異性化反応は、最終的に反応媒体(溶剤)の実質的に全てが除去され るまで行なわれる。 かくして、目的とする4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、好ましい 粉体として分離される。なお、この分離の際に、水或いは適当な溶剤を加えて懸 濁状態で次工程(例えば、精製工程)に使用し、分離することもできる。
【0032】
【考案の効果】
本考案になる異性化反応装置を用いて、いわゆるジヒドロキシジフェニルスルホ ンの反応混合物の異性化反応を行なうことによって、2,4’−DDSの副生を顕著に 抑制でき、しかも目的とする4,4’−DDSを短時間でかつ高収率で製造することが できる。 また、異性化反応過程でのトリ体の副生を抑制して更に高純度の4,4’−DDSを高 収率で得ることができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって本考案の異性化反応装置につき、更に具体的に詳述する。 実施例1 撹拌機を備えた容量3000Lのグラスライニング製反応槽に1,2−ジクロル ベンゼン765Lとフェノール988kg(10.5kモル)を仕込み、該内容 物を撹拌しながら98%硫酸500kg(5kモル)を滴下し、昇温した。内温 148℃で内容物が沸騰し、1,2−ジクロルベンゼンとともに反応生成水が留 出し始めた。留出液をコンデンサーで凝縮し、デカンターで二相に分離した後、 下相の1,2−ジクロルベンゼン相を連続的に反応槽に戻した。留出開始から1 5時間後に内温は180℃に達し、水の生成は停止した。デカンターで分離され た上相(水相)の量は190Lであった。 得られた反応混合物をHPLCを用いて分析した結果、4,4'−ジヒドロキシ ジフェニルスルホン:2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:トリヒドロ キシトリフェニルジスルホンの重量比は、76:23:1であった。反応物は溶 解状態であった。
【0034】 この反応混合物を容量2000Lのナウタミキサ(NX型)(ホソカワミクロン 株式会社製登録商標名、スクリューと容器内壁面とのクリアランス10mm)に 移し、熱媒を用いて175℃に加熱しながら減圧下(0.7kPa)にて3時間 を要し、フェノールを少量含有する1,2−ジクロルベンゼン765Lを回収し た。反応混合物は蒸留回収の進行に伴い懸濁状態を経て、結晶が析出し、3時間 後にはやや粘性のある結晶粉末が撹拌されている状態であった。 この結晶粉末をHPLCにより分析した結果、4,4'−ジヒドロキシジフェニ ルスルホン:2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:トリヒドロキシトリ フェニルジスルホンの重量比は、95:2:3であった。
【0035】 実施例2 撹拌機を備えた容量3000Lのグラスライニング製反応槽にメシチレン100 0Lとフェノール1130kg(12.0kモル)を仕込み、該内容物を撹拌し ながら98%硫酸600kg(6kモル)を滴下し、昇温した。内温145℃で 内容物が沸騰し、メシチレンとともに反応生成水が留出し始めた。留出液をコン デンサーで凝縮し、デカンターで二相に分離した後、上相のメシチレン相を連続 的に反応槽に戻した。留出開始から15時間後に内温は165℃に達し、水の生 成は停止した。デカンターで分離された下層(水相)の量は228Lであった。 得られた反応混合物をHPLCを用いて分析した結果、4,4'−ジヒドロキシ ジフェニルスルホン:2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:トリヒドロ キシトリフェニルジスルホンの重量比は、92:6:2であった。この反応混合 物は多量の結晶析出により懸濁状態であった。 この反応混合物を容量2800LのPV MIXER(神鋼パンテック株式会社 製商標名・パドル翼型攪拌翼と容器内壁面とのクリアランス10mm)に移し、 加圧蒸気で170℃に加熱しながら減圧下(0.7kPa)にて3時間を要し、 フェノールを少量含有するメシチレン1000Lを回収した。3時間後にはさら さらの結晶粉末が撹拌されている状態であった。この結晶粉末をHPLCにより 分析した結果、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン:2,4'−ジヒドロ キシジフェニルスルホン:トリヒドロキシトリフェニルジスルホンの重量比は、 96:2:2であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、逆円錐型混合/乾燥機の概略図である。
【図2】は、逆円錐型リボン翼混合/乾燥機の概略図で
ある。
【図3】は、逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機の概略
図である。
【図4】は、横型リボン混合/乾燥機の概略図である。 図中の記号は、以下の通りである。 1・・・・・容器本体 2・・・・・外套 3・・・・・パドル翼 4・・・・・下部リボン翼 5・・・・・リボン翼 6・・・・・スクリュー翼 7・・・・・螺旋リボン回転翼
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月24日(2003.3.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 異性化反応装置
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項】該攪拌羽根もしくは攪拌翼が、パドル翼
型、スクリュー翼型もしくはリボン翼型或いはこれらの
複合型から選ばれる攪拌羽根もしくは攪拌翼であること
を特徴とする請求項に記載の異性化反応装置。
【請求項】該攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面と
のクリアランスが3mm〜30mmであることを特徴と
する請求項乃至請求項の何れかに記載の異性化反応
装置。
【請求項】該攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面と
のクリアランスが5mm〜20mmmであることを特徴
とする請求項に記載の異性化反応装置。
【請求項】a)逆円錐型混合/乾燥機 b)逆円錐型リボン混合/乾燥機 c)逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機 d)横型リボン混合/乾燥機 から選ばれることを特徴とする請求項乃至請求項
何れかに記載の異性化反応装置。
【図面の簡単な説明】 図1は、逆円錐型混合/乾燥機の概略図である。 図2は、逆円錐型リボン翼混合/乾燥機の概略図であ
る。 図3は、逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機の概略図で
ある。 図4は、横型リボン混合/乾燥機の概略図である。 図中の記号は、以下の通りである。 1・・・・・容器本体 2・・・・・外套 3・・・・・パドル翼 4・・・・・下部リボン翼 5・・・・・リボン翼 6・・・・・スクリュー翼 7・・・・・螺旋リボン回転翼

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】DDSの反応混合物を懸濁状態で異性化反応
    させて4,4′−DDSを製造するための異性化反応装置で
    あって、該反応装置が下記(1)〜(4) (1) 反応混合物を130〜190℃の温度に加熱すること
    ができる (2) 反応媒体(溶剤)を回収(留去)することがで
    きる (3) せん断、対流若しくは循環作用によって分散、
    混合若しくは粉砕することができる (4) 最終的に反応生成物を粉体の状態で取り出すこ
    とができるの各機能を同時に満たす構造を備えたことを
    特徴とする異性化反応装置。
  2. 【請求項2】(3)せん断、対流若しくは循環作用によ
    って分散、混合若しくは粉砕することができる機能を満
    たす構造が、攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の異性化反応装置。
  3. 【請求項3】攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置が、
    パドル翼型、スクリュー翼型もしくはリボン翼型或いは
    これらの複合型から選ばれる攪拌羽根もしくは攪拌翼を
    有する装置であることを特徴とする請求項2に記載の異
    性化反応装置。
  4. 【請求項4】攪拌羽根もしくは攪拌翼を有する装置にお
    いて、該攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面とのクリ
    アランスが3mm〜30mmであることを特徴とする請
    求項2乃至請求項3の何れかに記載の異性化反応装置。
  5. 【請求項5】該攪拌羽根もしくは攪拌翼と容器内壁面と
    のクリアランスが5mm〜20mmmであることを特徴
    とする請求項4に記載の異性化反応装置。
  6. 【請求項6】(1)〜(4)の各機能を同時に満たす構
    造を備えた装置が、 a)逆円錐型混合/乾燥機 b)逆円錐型リボン混合/乾燥機 c)逆円錐型スクリュー型混合/乾燥機 d)横型リボン混合/乾燥機 から選ばれることを特徴とする請求項1乃至請求項5の
    何れかに記載の異性化反応装置。
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