JP2015533851A - 5−(ハロメチル)フルフラールの生成方法 - Google Patents

5−(ハロメチル)フルフラールの生成方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、バイオマスの酸触媒変換によって、5−(クロロメチル)フルフラールを含む5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法を提供する。上記方法は、5−(ハロメチル)フルフラールに対して温度依存溶解度を有する有機溶媒を利用する。それによって、反応混合物からの上記5−(ハロメチル)フルフラールの温度依存相分離を行うことができる。生成される上記5−(ハロメチル)フルフラールは、固体であってもよく、その固体の5−(ハロメチル)フルフラールは、非晶質でも結晶でもよい。

Description

発明の詳細な説明
本出願は、2012年10月26日に出願された米国仮出願61/719,322と2013年3月14日に出願された米国仮出願61/785,836との利益を主張する。これら米国仮出願の全内容は、以下に記載されている。
〔技術分野〕
本発明は、概してフルフラール化合物の生成に関し、より詳細には5−(クロロメチル)フルフラール等の5−(ハロメチル)フルフラールの生成に関する。
〔背景技術〕
長年、輸送燃料や工業化学薬品の供給原料としての化石燃料への依存を減らす様々な努力が行われており、再生可能な供給原料の経済的実現可能性を達成することが特に重視されてきた。長期的な燃料価格の上昇が続き、環境問題が増加し、地政学的な安定性の課題が引き続き存在し、化石燃料の最終的な枯渇に関して新たな関心が寄せられているため、再生可能な資源をより有効に利用するための、また「環境に優しい」技術を開発するための更なる努力が続けられている。
バイオマスとしてのセルロースは、生物燃料製造のための供給原料として一般的に使用されている。例えば、セルロースを用いてエタノールを生成することができる。また、セルロースを用いて5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)等の5−(ハロメチル)フルフラールを経てフラン系生物燃料を製造することもできる。CMFは、将来見込みのあるディーゼル燃料添加剤として考えられている化合物である5−(エトキシメチル)フルフラールに変換することができる。さらに、CMFは、将来見込みのある生物燃料候補として考えられている化合物である5−メチルフルフラールにも変換することができる。
セルロースからCMFを生成することが最初に開示されたのは、1900年代初期である。現在、CMFを生成する様々な合成手段が知られている。粗製のCMFは一般的に、蒸留して精製CMF液を得ることができる油性残留物である。固体のCMFは、精製CMF液を0℃にすることで得ることができる。Szmant & Chundury, J.Chem.Tech.Biotechnol. 1981, 31, 205-212;Liu et al., J.Phys.Chem.A, 2011, 115, 13628-13641;米国特許7,829,732等参照。CMFと5−(ブロモメチル)フルフラール(BMF)等の他の5−(ハロメチル)フルフラールとを単離する方法も記載されている。例えば、溶媒をゆっくりと蒸発することで再結晶化を行い、それによってCMFとBMFとを単離する。Fenton and Gostling, J.Chem.Soc., Trans., 1901, 79, 807-816;Fenton and Gostling, J.Chem.Soc., Trans., 1899, 75, 423-433;Hibbert and Hill, J.Am.Chem.Soc., 1922, 44, 176-182等参照。しかしながら、工業規模での蒸留による5−(ハロメチル)フルフラールの単離には、大量のエネルギー消費が必要となる。
従来技術において必要とされるのは、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸留、反応溶媒及び/又は溶媒の再結晶化を必要とすることなく、5−(ハロメチル)フルフラールを単離して生成する方法を改良することである。また、従来技術においてさらに必要とされるのは、液体の5−(ハロメチル)フルフラールよりも扱い易く、輸送し易く、保存し易い固体の5−(ハロメチル)フルフラールを工業規模で生成することができる方法である。
〔発明の概要〕
本発明は、5−(ハロメチル)フルフラールを供給原料(バイオマス、セルロース、ヘミセルロース、六炭糖等)から生成する方法であって、上記5−(ハロメチル)フルフラールを温度依存型相分離によって単離することを含む方法を提供することによって、上述の従来技術で必要とされるものを満たす。本発明の生成方法によって生成・単離された5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)又は5−(ブロモメチル)フルフラール(BMF)等を含む。
一態様において提供されるのは、5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法であって、a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、5−(ハロメチル)フルフラールを生成するのに適した反応温度で、5−(ハロメチル)フルフラールに変換する工程とを含み、上記反応混合物は有機相と水相とを有し、上記有機相は上記有機溶媒の少なくとも一部と上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む、工程と、d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とを上記分離温度で含む、工程と、e)多相有機混合物を生成するために、上記工程d)で分離した上記有機相を単離温度まで冷却する工程であって、上記単離温度は上記分離温度よりも低く、上記多相有機混合物は少なくとも一つの生成物相と、溶媒相とを上記単離温度で有し、上記少なくとも一つの生成物相の各々は上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部を含み、上記溶媒相は上記有溶媒の少なくとも一部を含む、工程とを含む。
特定の実施形態において、上記方法は、5−(ハロメチル)フルフラールを得るために、上記少なくとも一つの生成物相を上記溶媒相から単離する工程を含む。上記5−(ハロメチル)フルフラールは、固体として単離される。例えば、固体である上記5−(ハロメチル)フルフラールは、非晶質であってもまたは結晶であってもよい。
特定の実施形態において、上記反応温度は30℃〜300℃であり、上記分離温度は30℃〜300℃である。一実施形態においては、上記分離温度は上記反応温度以下である。別の実施形態においては、上記単離温度は200℃未満であり、また、上記単離温度は−120℃〜200℃である。
特定の実施形態において、上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有する。一実施形態においては、上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンである。また、一実施形態においては、上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、あるいはヘキシルベンゼンであり、さらにまた、別の実施形態においては、上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含む。また、一実施形態においては、上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物である。
他の実施形態において、上記単離温度での上記少なくとも一つの生成物相は、一つの生成物相であり、上記一つの生成物相は固体であり、上記溶媒相は液体である。別の実施形態においては、上記溶媒相は上記単離温度で固体であり、上記方法は、上記5−(ハロメチル)フルフラールを固体である上記有機溶媒から単離する工程をさらに含む。
上記5−(ハロメチル)フルフラールは、一実施形態においては、5−(クロロメチル)フルフラールであり、別の実施形態においては、5−(ブロモメチル)フルフラールである。
別の態様において提供されるのは、固体の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)を生成する方法であって、a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、CMFを生成するのに適した反応温度で、CMFに変換する工程であって、上記反応混合物は有機相と水相とを有し、上記有機相は上記有機溶媒と上記CMFの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む、工程と、d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記CMFと上記有機溶媒とを上記分離温度で含む、工程と、e)上記工程d)で分離した上記有機相を単離温度まで冷却して固体のCMFを生成する工程であって、上記単離温度は上記分離温度よりも低く、分離した上記有機相に含まれる上記有機溶媒と上記CMFとは上記単離温度で少なくとも二つの相を形成する、工程とを含む。実施形態において、上記方法は、上記固体のCMFを、冷却された上記有機相から単離する工程をさらに含む。
特定の実施形態において、上記反応温度は30℃〜300℃であり、特定の実施形態において、上記分離温度は30℃〜300℃である。一実施形態においては、上記分離温度は上記反応温度以下である。別の実施形態では、上記単離温度は200℃未満である。
特定の実施形態において、上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有する。別の実施形態において、上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンである。一実施形態においては、上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、あるいはへキシルベンゼンであり、別の実施形態においては、上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含む。一実施形態においては、上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物である。
特定の実施形態において、上記固体のCMFは、非晶質または結晶である。
さらに別の態様において提供されるのは、5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法であって、a)5−(ハロメチル)フルフラールと有機溶媒とを供給する工程と、b)混合物を形成する温度で、上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とを混合する工程であって、上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とは上記混合物内で一つの相を形成する、工程と、c)上記5−(ハロメチル)フルフラールを単離する単離温度に上記混合物を冷却する工程であって、上記単離温度は上記工程b)での上記温度よりも低い、工程とを含む方法である。
特定の実施形態において、上記有機溶媒は、上記5−(ハロメチル)フルフラールから上記単離温度で固体として分離し、上記方法は、上記5−(ハロメチル)フルフラールを固体である上記有機溶媒から単離する工程をさらに含む。
他の実施形態において、上記方法は、上記5−(ハロメチル)フルフラールを、冷却された上記混合物から単離する工程をさらに含む。一実施形態においては、上記5−(ハロメチル)フルフラールは、固体または液体として単離される。別の実施形態においては、上記5−(ハロメチル)フルフラールは、非晶質固体または結晶性固体として単離される。
特定の実施形態において、上記工程b)での上記温度は、30℃〜300℃であり、別の実施形態においては、上記工程b)での上記温度は、200℃未満である。
特定の実施形態において、上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有し、別の実施形態においては、上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンである。一実施形態において、上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、あるいはへキシルベンゼンであり、別の実施形態においては、上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含む。さらに別の実施形態では、上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物である。
特定の実施形態において、上記5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールである。
さらに別の態様において提供されるのは、5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法であって、a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、5−(ハロメチル)フルフラールを生成するのに適した反応温度で、5−(ハロメチル)フルフラールに変換する工程であって、上記反応混合物は有機相と水相とを有し、上記有機相は上記有機溶媒の少なくとも一部と上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む工程と、d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とを上記分離温度で含む、工程と、e)上記工程d)で分離した上記有機相を凍結温度まで冷却する工程であって、分離した上記有機相は上記凍結温度で固体である、工程と、f)上記工程e)で固体である上記有機相を単離温度にして融解する工程であって、固体である上記有機相は上記単離温度で多相有機混合物を形成し、上記多相有機混合物は少なくとも一つの生成物相と、溶媒相とを含み、上記少なくとも一つの生成物相の各々は固体である上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部を含み、上記溶媒相は上記有溶媒の少なくとも一部を含む、工程とを含む方法である。
特定の実施形態において、上記方法は、5−(ハロメチル)フルフラールを得るために、上記少なくとも一つの生成物相を上記溶媒相から単離する工程をさらに含み、ある実施形態においては、上記5−(ハロメチル)フルフラールは固体として単離される。例えば、上記固体は、非晶質であってもまたは結晶であってもよい。
特定の実施形態において、上記凍結温度は0℃未満であり、別の実施形態においては、上記凍結温度は−120℃〜5℃である。別の実施形態において、上記単離温度は0℃〜200℃であり、さらに別の実施形態では、上記単離温度は上記凍結温度よりも高い。
特定の実施形態において、上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有し、ある実施形態においては、上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンであり、一実施形態では、上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、あるいはへキシルベンゼンである。別の実施形態において、上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含み、さらに別の実施形態においては、上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物である。
特定の実施形態において、上記5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールである。
本明細書においては、上述の方法のいずれかによって生成される5−(ハロメチル)フルフラールも提供される。上記5−(ハロメチル)フルフラールは固体であってもよい。例えば、固体である上記5−(ハロメチル)フルフラールは非晶質または結晶である。上記5−(ハロメチル)フルフラールは、一実施形態においては、5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)であり、別の実施形態においては、5−(ブロモメチル)フルフラール(BMF)である。
〔図面の簡単な説明〕
本願は、図面と共に以下の記載を参照して理解し得る。
図1は、セルロースとヘミセルロースとから5−(ハロメチル)フルフラールを生成する反応系を示す説明図であり、図中、Xはハロゲンである。
図2は、塩酸(HCl)の存在下でバイオマスから5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)を生成する工程を示す説明図である。
以下の記載は、一例としての方法、パラメータ等を説明するが、本発明の範囲を限定するものではなく、実施形態の一例として解釈されるべきである。
以下に記載するのは、5−(ハロメチル)フルフラールを生成し、温度依存型相分離によって上記5−(ハロメチル)フルフラールを単離する方法である。温度依存型相分離を行うことで、蒸留あるいは精製を行うことなく上記5−(ハロメチル)フルフラールを単離することができる。また、別の実施形態においては、特定の溶媒を用いることによって、想定外にも固体の5−(ハロメチル)フルフラールを生成することができる。例えば、本明細書に記載の方法により、結晶CMFを生成することができる。そのような固体の5−(ハロメチル)フルフラールは、温度依存型相分離によって反応混合物からも単離することができる。
一般的に、5−(ハロメチル)フルフラールは、酸性条件下でセルロースとヘミセルロース中の六炭糖とから生成することができる。図1の工程100は、酸存在下でセルロースバイオマスを5−(ハロメチル)フルフラール108に変換する反応の一例を示す。この反応例において、酸106は式HX(式中、Xはハロゲン)で示されるハロゲン系鉱酸である。例えば、一実施形態において、酸106が塩酸である場合、Xはクロロであり、5−(ハロメチル)フルフラールは5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)である。別の実施形態においては、酸106が臭化水素酸である場合、Xはブロモであり、5−(ハロメチル)フルフラールは5−(ブロモメチル)フルフラール(BMF)である。セルロースバイオマスは、いかなる適切な反応機構によっても5−(ハロメチル)フルフラール108に変換することができるものと解釈されるべきである。いかなる理論にも縛られたくないのであれば、ある可能な反応機構において、セルロースバイオマスをヘキソース(ブドウ糖及び/又は果糖)に変換し、そして酸環境下にて脱水して5−(ハロメチル)フルフラール108を生成してもよい。
図2のブロック図は、直鎖アルキルベンゼン(LAB)を溶媒として用いた二相系でのバイオマスのCMFへの変換を例示的に示している。なお、以下に詳細に記載する他の溶媒や溶媒混合物を用いてもよい。例えば、他の例示的実施形態では、上記溶媒はアルキルハロベンゼン、またはアルキルベンゼン溶媒と少なくとも1種のアルキル溶媒との混合物である。
また、図2を参照すると、セルロース及び/又はヘミセルロースを含むバイオマス202を反応器200に添加し、溶媒204と塩酸水溶液206とに触れさせる。反応器200の内容物は、反応混合物中の上記セルロース及び/又はヘミセルロースの少なくとも一部をCMFに変換するのに適した反応温度で加熱かつ攪拌される。反応器200内の上記反応混合物は、通常水相と有機相とを有する。上記水相は上記酸を含み、上記有機相は上記有機溶媒を含む。また、上記CMFの少なくとも一部は、上記反応温度にて上記有機相の上記有機溶媒に溶解する。
反応完了後、ステップ220にて、上記反応混合物を分離温度で有機相212と水相214とに分離する。上記分離温度では、上記CMFは上記有機溶媒に実質的に溶解したままであり、上記有機相は単相である。
ステップ222にて、単離した上記有機相212を、二相、つまり上記CMFを含む生成物相216と、上記有機溶媒を含む溶媒相218とを生じる単離温度に冷却する。上記単離温度では、上記CMFは上記有機溶媒に溶け難くなり、本例示的な実施形態においては上記有機相が二相になる。
条件次第では、他の例示的な実施形態にて、上記単離温度に冷却された、単離した有機相212は、二つ以上の相を生じてもよい。その場合、上記生成物相は、固体生成物相及び/又は液体生成物相であり、及び/又は、上記溶媒相は固体溶媒相及び/又は液体溶媒相であってもよい。以上のように、図2は単離温度にて二つの相を生じる有機相を示しているが、他の例示的な実施形態として、上記有機相は上記単離温度で固体生成物相と、液体生成物相と、溶媒生成物相との三つの相を生じてもよい。
図2に記載の例示的な実施形態によれば、上記生成物相216は公知の適切な技術によって上記溶媒相218から単離することができる。例えば、上記生成物相216が固体である場合、固体の上記CMFを公知の固液分離法(濾過等を含む)で単離することができる。一方、上記生成物相216が液体である場合、遠心分離等(例えば、密度依存遠心分離)を含む、公知の液−液分離法で、上記生成物相216を上記溶媒相218から単離することができる。
本明細書においては、溶媒を用いて、5−(ハロメチル)フルフラールの温度依存溶解度に基づいて、固体の5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法も提供する。例えば、特定の実施形態において、液体のCMF(油等を含む)を固体のCMFに変換してもよい。他の実施形態においては、液体または固体のCMFを結晶化してもよい。5−(ハロメチル)フルフラールに対して温度依存溶解度を有する溶媒の好適な例としては、アルキルベンゼン(直鎖アルキルベンゼン等)が挙げられる。
本明細書に記載の方法は、詳細には後述する各種成分や条件を用いる。
<供給原料>
5−(ハロメチル)フルフラールの生成に適した供給原料としては、六炭(C6)糖を含有する物質が挙げられる。上記六炭糖は、単量体、二量体、あるいは重合体である。なお、「六炭(C6)糖」とは、単量体の単位において、六つの炭素を有する糖類を意味する。さらに、上記六炭糖は、5−(ハロメチル)フルフラールへの変換に必要なアルコール基を有する。
一実施形態においては、上記六炭糖はセルロースであってもよく、またはヘミセルロース内に含まれていてもよい。当業者は、セルロースバイオマスまたはリグノセルロースバイオマス等のバイオマス中にセルロースやセミセルロースを見出すことができることを認識している。バイオマスは、炭水化物等の酸素が比較的多い有機化合物で構成されている植物性物質であってもよく、多種多様な他の有機化合物を含んでいてもよい。さらに、無機塩類や無機粘土等の、5−(ハロメチル)フルフラールに変換されない他の物質をさらに含んでいてもよい。
セルロースやヘミセルロースの結晶構造をバラバラにし、リグニン構造(存在すれば)を壊すことによって、バイオマス中の糖類をより利用し易くなるように上記バイオマスを前処理してもよい。公知の前処理の一般的な例としては、機械処理(破砕(shredding)、粉砕(pulverizin)、すり潰し(grinding)等)、高濃度塩、希釈酸、SO、アルカリ、過酸化水素水、湿式酸化法、蒸気爆発、アンモニア繊維爆砕(AFEX)、超臨界二酸化炭素爆発、熱水、有機溶媒処理等が挙げられる。
バイオマスは多様な物質に由来してもよい。例えば、農業原料(トウモロコシの茎や葉、もみ殻、落花生殻、穀物かす等)、処理水(製紙スラッジ等)、再利用セルロース物質(ボール紙、使用済み段ボール箱(OCC)、古新聞(ONP)、混合紙等)由来であってもよい。他の好適なバイオマスの例としては、麦かん、製紙工場の廃水、新聞紙、都市ごみ、木片、森林間伐材、切り枝、ミスカンサス、スイッチグラス、モロコシ、バガス、肥料、排水をリサイクルした有機物、植物性の廃棄物、食品/飼料処理後の残留物が挙げられる。
他の実施形態においては、上記六炭糖はブドウ糖、果糖(トウモロコシの高果糖シロップ等)、セロビオース、蔗糖、乳糖や麦芽糖であってもよい。これら六炭糖の立体異性体も本発明の生成方法で用いることができる。
さらに他の実施形態においては、上記供給原料は糖類組成物であってもよい。例えば、糖類組成物の例としては、単糖類や、果糖、ブドウ糖、蔗糖、乳糖、麦芽糖等の糖類混合物が挙げられる。
<酸>
酸としては、脱水と環化とを起こして5−(ハロメチル)フルフラールを生成するハロゲン系鉱酸またはハロゲン系有機酸が好適に用いられてもよい。
特定の実施形態においては、上記酸は、塩素酸または塩化物イオンを有する酸であってもよい。一実施形態においては、上記酸は塩酸である。塩素酸、塩化物イオンを有する酸または塩酸を用いる場合、上記5−(ハロメチル)フルフラールは5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)である。
特定の実施形態においては、上記酸は、臭素酸または臭素イオンを有する酸であってもよい。一実施形態においては、上記酸は臭化水素酸である。臭素酸、臭素イオンを有する酸、または臭化水素酸を用いる場合、上記5−(ハロメチル)フルフラールは5−(ブロモメチル)フルフラール(BMF)である。
特定の実施形態において、上記酸は酸性水溶液である。上記酸の濃度は様々である。例えば、上記酸が塩酸である場合、上記塩酸の濃度は、供給原料によって異なる。例えば、供給原料として果糖が用いられる場合、上記塩酸の濃度は少なくとも6Nである。一方、セルロースとブドウ糖とを供給原料として用いる場合、上記塩酸の濃度は少なくとも11Nである。
<無機塩>
実施形態において、無機塩を上記反応に任意に添加してもよい。どの無機塩を添加するかは、使用する酸や有機溶媒等の反応条件によって異なる。無機塩の好適な例としては、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩等が挙げられる。さらに、特定の実施形態では、上記無機塩は、塩化リチウム(LiCl)と、塩化マグネシウム(MgCl)と、塩化カルシウム(CaCl)と、塩化亜鉛(ZnCl)と、塩化ナトリウム(NaCl)と、塩化カリウム(KCl)とから選択されてもよい。
上記無機塩の濃度は様々であり、特定の実施形態では、水相に対して約0.1%〜50%(w/w)であってもよい。
<溶媒>
本発明の生成方法においては、特定の溶媒と特定種の溶媒とを用いて、5−(ハロメチル)フルフラールを上記反応混合物から単離するための温度依存型相分離を行ってもよい。特定の実施形態において、特定の溶媒を用いることによって、固体の5−(ハロメチル)フルフラールを生成することもできる。
好適に用いられる溶媒または溶媒混合物は、以下に記載の特性の少なくとも一つを有してもよい。特定の実施形態において、上記溶媒は、(a)上記反応温度で、上記溶媒および上記5−(ハロメチル)フルフラールは一つの相を形成し、(b)温度が上記反応温度から下がるにつれて、上記溶媒および上記5−(ハロメチル)フルフラールは二つの相を形成する、有機溶媒である。この特性により、上述の、まずは上記反応混合物から、そして分離された有機相から5−(ハロメチル)フルフラールを単離する温度依存型相分離が可能となる。
他の実施形態において、上記溶媒は、上記反応温度で5−(ハロメチル)フルフラールと混和可能であるが、水、特に強酸性または電解性水に対して混和不可能または溶解性の低い有機溶媒であってもよい。他の実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラールは、水の上の上記有機溶媒中に好適に分配する。さらに他の実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラールは、上記反応温度よりも低いが流動点よりも高い温度で、溶解性を有するかまたは上記有機溶媒に不溶であってもよい。液体の流動点とは、該液体が半固体になり流動性を喪失する最低温度を意味する。さらに他の実施形態において、上記溶媒は、周囲温度よりも低い流動点を有してもよい。さらに他の実施形態において、上記溶媒は、上記反応温度よりも高いあるいは実質的に高い沸点を有していてもよい。さらに他の実施形態において、上記溶媒の蒸気圧は周囲温度で低くてもよい。例えば、上記溶媒の蒸気圧は0.01atm未満であってもよい。上記溶媒の分解温度は、沸点であってもよい。
本発明の生成方法で用いられる上記溶媒は、規定の温度と圧力とでの上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和に基づいて選択されてもよい。「5−(ハロメチル)フルフラールの飽和」とは、規定の温度と圧力とで任意の量の溶媒に溶解する最大量の5−(ハロメチル)フルフラールを意味し、溶媒重量当たりの5−(ハロメチル)フルフラールの質量、または溶媒重量当たりの5−(ハロメチル)フルフラールのモルで表すことができる。
特定の実施形態において、(i)温度が0℃以下のとき、上記溶媒に対する上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は75mg/mL以下であり、(ii)温度が30℃以上のとき、上記溶媒に対する上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は25mg/mL以上である。一実施形態において、これら飽和濃度は5−(クロロメチル)フルフラールに基づいている。例えば、(i)温度が0℃以下のとき、上記溶媒に対する5−(クロロメチル)フルフラールの飽和濃度は75mg/mL以下であり、(ii)温度が30℃以上のとき、上記溶媒に対する5−(クロロメチル)フルフラールの飽和濃度は25mg/mL以上である。
上記飽和濃度は圧力によって変化するが、本明細書にて提供される飽和濃度は標準圧力(1atm等)における濃度である。
特定の実施形態において、上記溶媒は、以下の特性(i)〜(vi)のうち少なくとも一つの特性を有している。
(i)温度が約−5℃のとき、5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は75mg/mL以下である。
(ii)温度が約0℃のとき、5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は75mg/mL以下である。
(iii)温度が約40℃のとき、5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は25mg/mL以上である。
(iv)温度が約50℃のとき、5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は25mg/mL以上である。
(v)温度が約90℃のとき、5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は25mg/mL以上である。
(vi)温度が約110℃のとき、5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は25mg/mL以上である。
一実施形態では、上記溶媒は少なくとも特性(i)または(ii)と、特性(iii)〜(vi)のうちの少なくとも一つの特性とを有している。例えば、温度が約−5℃のとき、上記溶媒に対する5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は1mg/mL以下であり、温度が約90℃のとき、上記溶媒に対する5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は30mg/mL以上である。別の実施形態では、温度が約−5℃のとき、上記溶媒に対する5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は0.5mg/mL以下であり、温度が約0℃のとき、上記溶媒に対する5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は5mg/mL以下であり、温度が約50℃のとき、上記溶媒に対する5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は50mg/mL以上である。
ある実施形態では、温度が約0℃以下のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、60mg/mL以下、55mg/mL以下、50mg/mL以下、40mg/mL以下、30mg/mL以下、25mg/mL以下、20mg/mL以下、15mg/mL以下、10mg/mL以下、5mg/mL以下、1mg/mL以下、0.5mg/mL以下、0.4mg/mL以下、0.3mg/mL以下、0.2mg/mL以下、0.15mg/mL以下、0.1mg/mL以下、0.05mg/mL以下、または0.01mg/mL以下である。別の実施形態では、温度が約0℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、0.001mg/mL〜60mg/mL、0.001mg/mL〜50mg/mL、0.001mg/mL〜50mg/mL、1mg/mL〜60mg/mL、1mg/mL〜50mg/mL、1mg/mL〜40mg/mL、1mg/mL〜30mg/mL、0.1mg/mL〜40mg/mL、0.1mg/mL〜30mg/mL、0.1mg/mL〜20mg/mL、0.01mg/mL〜15mg/mLである。
ある実施形態では、温度が約40℃以上のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL以上、35mg/mL以上、40mg/mL以上、45mg/mL以上、50mg/mL以上、55mg/mL以上、60mg/mL以上、65mg/mL以上、70mg/mL以上、75mg/mL以上、80mg/mL以上、85mg/mL以上、90mg/mL以上、95mg/mL以上、100mg/mL以上、125mg/mL以上、150mg/mL以上、200mg/mL以上、250mg/mL以上、300mg/mL以上、400mg/mL以上、または500mg/mL以上である。別の実施形態では、温度が約40℃以上のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL〜600mg/mL、30mg/mL〜500mg/mL、30mg/mL〜400mg/mL、30mg/mL〜300mg/mL、50mg/mL〜200mg/mL、または75mg/mL〜150mg/mLである。
ある実施形態では、温度が約−5℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL以下、25mg/mL以下、20mg/mL以下、15mg/mL以下、10mg/mL以下、5mg/mL以下、1mg/mL以下、0.5mg/mL以下、0.4mg/mL以下、0.3mg/mL以下、0.2mg/mL以下、0.15mg/mL以下、0.1mg/mL以下、0.05mg/mL以下、または0.01mg/mL以下である。別の実施形態では、温度が約−5℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、0.001mg/mL〜30mg/mL、0.001mg/mL〜10mg/mL、0.001mg/mL〜1mg/mL、0.001mg/mL〜0.5mg/mLである。
ある実施形態では、温度が約0℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、60mg/mL以下、30mg/mL以下、25mg/mL以下、20mg/mL以下、15mg/mL以下、10mg/mL以下、5mg/mL以下、1mg/mL以下、0.5mg/mL以下、0.4mg/mL以下、0.3mg/mL以下、0.2mg/mL以下、0.15mg/mL以下、0.1mg/mL以下、0.05mg/mL以下、または0.01mg/mL以下である。別の実施形態では、温度が約0℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、0.001mg/mL〜60mg/mL、0.001mg/mL〜50mg/mL、0.001mg/mL〜50mg/mL、1mg/mL〜60mg/mL、1mg/mL〜50mg/mL、1mg/mL〜40mg/mL、1mg/mL〜30mg/mL、0.1mg/mL〜40mg/mL、0.1mg/mL〜30mg/mL、0.1mg/mL〜20mg/mL、0.01mg/mL〜15mg/mLである。
ある実施形態では、温度が約40℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL以上、35mg/mL以上、40mg/mL以上、45mg/mL以上、50mg/mL以上、55mg/mL以上、60mg/mL以上、65mg/mL以上、70mg/mL以上、75mg/mL以上、80mg/mL以上、85mg/mL以上、90mg/mL以上、95mg/mL以上、100mg/mL以上、125mg/mL以上、150mg/mL以上、200mg/mL以上、250mg/mL以上、300mg/mL以上、400mg/mL以上、または500mg/mL以上である。別の実施形態では、温度が約40℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL〜300mg/mL、30mg/mL〜250mg/mL、40mg/mL〜250mg/mL、または40mg/mL〜100mg/mLである。
ある実施形態では、温度が約50℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL以上、35mg/mL以上、40mg/mL以上、45mg/mL以上、50mg/mL以上、55mg/mL以上、60mg/mL以上、65mg/mL以上、70mg/mL以上、75mg/mL以上、80mg/mL以上、85mg/mL以上、90mg/mL以上、95mg/mL以上、100mg/mL以上、125mg/mL以上、150mg/mL以上、200mg/mL以上、250mg/mL以上、300mg/mL以上、400mg/mL以上、または500mg/mL以上である。別の実施形態では、温度が約50℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL〜300mg/mL、30mg/mL〜250mg/mL、40mg/mL〜250mg/mL、または40mg/mL〜100mg/mLである。
ある実施形態では、温度が約90℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL以上、35mg/mL以上、40mg/mL以上、45mg/mL以上、50mg/mL以上、55mg/mL以上、60mg/mL以上、65mg/mL以上、70mg/mL以上、75mg/mL以上、80mg/mL以上、85mg/mL以上、90mg/mL以上、95mg/mL以上、100mg/mL以上、125mg/mL以上、150mg/mL以上、200mg/mL以上、250mg/mL以上、300mg/mL以上、400mg/mL以上、または500mg/mL以上である。別の実施形態では、温度が約90℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL〜600mg/mL、30mg/mL〜500mg/mL、30mg/mL〜400mg/mL、30mg/mL〜300mg/mL、50mg/mL〜200mg/mL、または75mg/mL〜150mg/mLである。
ある実施形態では、温度が約110℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL以上、35mg/mL以上、40mg/mL以上、45mg/mL以上、50mg/mL以上、55mg/mL以上、60mg/mL以上、65mg/mL以上、70mg/mL以上、75mg/mL以上、80mg/mL以上、85mg/mL以上、90mg/mL以上、95mg/mL以上、100mg/mL以上、125mg/mL以上、150mg/mL以上、200mg/mL以上、250mg/mL以上、300mg/mL以上、400mg/mL以上、または500mg/mL以上である。別の実施形態では、温度が約110℃のとき、上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、30mg/mL〜600mg/mL、30mg/mL〜500mg/mL、30mg/mL〜400mg/mL、30mg/mL〜300mg/mL、50mg/mL〜200mg/mL、または75mg/mL〜150mg/mLである。
ある実施形態では、0℃以下の温度での上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、40℃以上の温度での上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度よりも低い。別の実施形態では、0℃以下の温度での上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、40℃以上の温度での上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度よりも、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも150倍、少なくとも200倍、少なくとも300倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍低い。さらに別の実施形態では、0℃以下の温度での上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度は、40℃以上の温度での上記5−(ハロメチル)フルフラールの飽和濃度よりも、5倍〜2000倍、10倍〜1000倍、50倍〜500倍、50倍〜250倍低い。
なお、ここで「約」〜(数値またはパラメータ)という記載は、その数値またはパラメータそれ自体も含む。例えば、「約x」とは、「x」それ自体も含む。一方で、「約」を他の測定と関連して用いる、または「約」を用いて値、単位、定数、または数値範囲を修飾する場合、その「約」は±5%を示す。
また、「ある値(またはパラメータ)〜別の値(またはパラメータ)」は、それら値(またはパラメータ)自体を含む。例えば、「x〜y」は、「x」自体と「y」自体とを含む。
また、上記溶媒は以下に記載の少なくとも一つにおいて安定する。つまり、上記溶媒は、水に安定する、反応温度で安定する、強酸の存在下にて反応温度で安定する、強電界液の存在下にて反応温度で安定する。
実施形態において、上記溶媒は非求核性である。
別の実施形態においては、上記溶媒はコロイド状になり難い。
a)アルキルフェニル溶媒
本発明において用いられる「アルキルフェニル溶媒」は、少なくとも一つのフェニルまたはフェニル含有環系に結合した少なくとも一つのアルキル鎖を有する有機溶媒の類を意味し、アルキルベンゼンまたはフェニルアルカンと称されることもある。当業者であれば、フェニルアルカンはアルキルベンゼンと称されることもあるということがわかる。例えば、(1−フェニル)ペンタンとペンチルベンゼンとは、同じ溶媒を表す。
特定の実施形態においては、上記有機溶媒はアルキルベンゼンである。上記アルキルベンゼンの例としては、(モノアルキル)ベンゼン、(ジアルキル)ベンゼン、(ポリアルキル)ベンゼンが挙げられる。ある実施形態においては、上記アルキルベンゼンは、一つのベンゼン環に結合した一つのアルキル鎖を有する。上記アルキル鎖は上記ベンゼン環に1か所または2か所において結合してもよい。上記アルキル鎖が上記ベンゼン環の1か所において結合するアルキルベンゼンの例としては、ペンチルベンゼン、へキシルベンゼン、ドデシルベンゼンが挙げられる。一方、上記アルキル鎖が上記ベンゼン環の2か所において結合する場合、上記アルキル鎖は上記ベンゼン環に対して縮合シクロアルキル環を形成してもよい。上記アルキル鎖が上記ベンゼン環に2か所において結合するアルキルベンゼンの例としては、テトラリンが挙げられる。上記縮合シクロアルキル環は、少なくとも一つのアルキル環でさらに置換されてもよい。
別の実施形態において、上記アルキルベンゼンは、一つのベンゼン環に結合した二つ以上(例えば、二つ〜六つ)のアルキル鎖を有する。
さらに別の実施形態において、上記アルキルベンゼンは、アルキル基に置換された縮合ベンゼン環系である。上記アルキル基に置換された縮合ベンゼン環系は、少なくとも一つの複素環と縮合したベンゼンを含んでいてもよい。一実施形態においては、上記アルキル基に置換された縮合ベンゼン環系は、ナフタレン等の、二つ以上の縮合ベンゼン環であってもよい。上記アルキル基に置換された縮合ベンゼン環系は、任意に少なくとも一つのアルキル鎖に置換されてもよい。
一実施形態においては、上記有機溶媒はフェニルアルカンである。上記フェニルアルカンの例としては、(モノフェニル)アルカン、(ジフェニル)アルカン、(ポリフェニル)アルカンが挙げられる。ある実施形態においては、上記フェニルアルカンは、一つのアルキル鎖に結合した一つのフェニル鎖を有する。上記フェニル鎖は上記アルキル鎖に沿って炭素に結合されていてもよい。例えば、一つのアルキル鎖を有するフェニルアルキルの例としては、(1−フェニル)ペンタン、(2−フェニル)ペンタン、(1−フェニル)ヘキサン、(2−フェニル)ヘキサン、(3−フェニル)ヘキサン、(1−フェニル)ドデカン、(2−フェニル)ドデカンが挙げられる。
別の実施形態において、上記フェニルアルカンは、一つのアルキル鎖に結合した二つ以上のフェニル環を有する。
一実施形態において、上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、WibarylB、WibarylAB、WibarylF、WibarylR、CEPSA社製Petrepar550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合したものである。
直鎖溶媒と分鎖溶媒との対比
「アルキル」とは、モノラジカル飽和炭化水素鎖を意味する。アルキル鎖の長さは様々である。特定の実施形態において、1〜20個の炭素原子(C1−20アルキル)であり、一実施形態において、アルキル鎖は4〜15個の炭素原子(C4−15アルキル)、または10〜13個の炭素原子(C10−13アルキル)である。
上記アルキル鎖は直鎖であっても分鎖であってもよい。直鎖アルキルの例としては、例えば、n−プロピル、n−ブチル、n−へキシル、n−へプチル、n−オクチル、n−ノナニル、n−デシル、n−アンデシル、n−ドデシルが挙げられる。分鎖アルキルの例としては、例えば、イソプロピル、s−ブチル(sec-butyl)、イソブチル、t−ブチル(tert-butyl)、ネオペンチルが挙げられる。特定の実施形態において、上記有機溶媒が二つ以上のアルキル鎖を含む場合、それらアルキル鎖は一部が直鎖であって残りが分鎖であってもよい。他の実施形態において、上記有機溶媒が二つ以上のアルキル鎖を含む場合、それらアルキル鎖は全て直鎖または分鎖であってもよい。
例えば、上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼン(「LAB」)である。直鎖アルキルベンゼンは式C2n+1で示される溶媒の類である。例えば、一実施形態において、上記直鎖アルキルベンゼンはドデジルベンゼンである。ドデシルベンゼンは市販されており、「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」とが入手可能である。ハードタイプのドデシルベンゼンは分鎖異性体の混合物である。ソフトタイプのドデシルベンゼンは直鎖異性体の混合物である。一実施形態において、上記有機溶媒はハードタイプのドデシルベンゼンである。
ハロゲン置換溶媒
特定の実施形態において、上記有機溶媒は、フェニル環が少なくとも一つのハロゲン原子で置換された、上述のアルキルフェニル溶媒のいずれであってもよい。また、上記有機溶媒はアルキル(ハロベンゼン)であってもよい。特定の実施形態において、上記アルキル(ハロベンゼン)の例としては、アルキル(クロロベンゼン)が挙げられる。一実施形態において、上記フェニル環を置換したハロゲンの例としては、クロロ、ブロモ、それらの組み合わせが挙げられる。
b)他の溶媒
別の実施形態において、上記有機溶媒は、ナフタレンと、ナフテン系油と、アルキルナフタレンと、ジフェニルと、ポリ塩化ビフェニルと、多環式芳香族炭化水素と、ハロゲン化炭化水素とから選択されてもよい。なお、上記有機溶媒は、上記反応温度では液体であり、上記反応温度よりも低い温度では固体である。
反応に用いられる上記有機溶媒の量は、使用供給原料の種類および量、上記反応温度、圧力、使用溶媒の種類等を含む複数の要因によって異なる。
c)溶媒混合物
さらに別の実施形態において、溶媒混合物を用いてもよい。例えば、アルキルベンゼンまたはフェニルアルカンを、ヘキサンまたはペンタン等の少なくとも1種のアルキル溶媒と組み合わせて用いてもよい。
反応条件
本発明において、「反応温度」と「反応圧力」とは、反応が起こり供給原料の六炭糖の少なくとも一部が5−(ハロメチル)フルフラールに変換される、温度と圧力とをそれぞれ意味する。
上記反応温度は、一実施形態においては、30℃以上、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、100℃以上、150℃以上、175℃以上、200℃以上、250℃以上であり、別の実施形態においては、上記反応温度は、30℃〜300℃、40℃〜300℃、50℃〜250℃、60℃〜70℃、80℃〜100℃、または90℃〜100℃である。
上記反応圧力は、一実施形態においては、0.1atm〜10atmであり、別の実施形態においては、大気圧である。
5−(ハロメチル)フルフラールの単離
上述のように、反応完了後、生成された5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部は、二相反応混合物の有機相に溶解する。
上記5−(ハロメチル)フルフラールおよび有機溶媒は、上記反応温度にて一つの有機相を形成する。上記有機相は水相から分離されて生成物含有相を単離し、そして上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部および上記有機溶媒が複数の相を形成する温度に冷却される。その後、上記5−(ハロメチル)フルフラールは、上記有機溶媒から単離することができる。
a)二相反応混合物の分離
有機相は、分液漏斗または遠心分離等の公知の適切な方法にて、反応混合物の水相から分離することができる。
本発明において、「分離温度」とは、有機相が反応混合物の水相から分離した相を形成する温度を意味する。さらに、上記分離温度で、上記有機相内にて、5−(ハロメチル)フルフラールは有機溶媒に十分に融解してもよい。言い換えれば、上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とは一つの相を形成してもよい。その相はエマルジョンであってもよい。
上記分離温度は、上述の反応温度と同じであっても異なっていてもよく、上述の反応温度よりも低くても高くてもよい。ある実施形態において、上記分離温度は、30℃以上、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、100℃以上、150℃以上、175℃以上、200℃以上、250℃以上である。別の実施形態において、反応温度は、30℃〜300℃、40℃〜300℃、50℃〜250℃、60℃〜70℃、80℃〜100℃、または90℃〜100℃であってもよい。
b)多相有機混合物の分離
本発明において、「単離温度」とは、5−(ハロメチル)フルフラールが、分離した有機相内にて、有機溶媒から分離した少なくとも一つの分離相を形成する温度を意味する。上記単離温度で、上記分離した有機相内にて、上記5−(ハロメチル)フルフラールおよび上記有機溶媒は、複数の相、つまり少なくとも一つの生成物相と少なくとも一つの溶媒相とを形成する。固体生成物相と液体生成物相、及び/又は固体溶媒相と液体溶媒相が存在する場合、少なくとも一つの生成物相及び/又は少なくとも一つの溶媒相がそれぞれ生じる。
上記単離温度にて上記生成物相が液体であり、上記有機溶媒相が固体であるように、上記有機溶媒を選択してもよい。あるいは、上記単離温度にて上記生成物相が固体であり、上記有機溶媒相が液体であるように、上記有機溶媒を選択してもよい。上記生成物相は、固液分離法等の公知の好適な方法によって上記溶媒相から分離してもよい。
一般的に、単離温度は、反応温度および分離温度よりも低く、例えば、30℃未満、25℃未満、20℃未満、15℃未満、10℃未満、5℃未満、または0℃未満であり、−120℃〜−70℃、−80℃〜−10℃、−10℃〜30℃、0℃〜30℃、10℃〜30℃、または20℃〜30℃である。
特定の実施形態において、固体の5−(ハロメチル)フルフラールを単離する場合、その固体の5−(ハロメチル)フルフラールを公知の好適な方法によって乾燥してもよい。本発明の、上記固体の5−(ハロメチル)フルフラールを有機相から単離する方法は、固体の5−(ハロメチル)フルフラールを生成する公知の方法に対して、コスト的に非常に優位である。固−液分離法と液−液分離法とのどちらによっても、工業規模ではエネルギーを大量消費して費用がかさむ蒸留を行わずに、5−(ハロメチル)フルフラールを単離することができる。
c)凍結/融解分離
特定の実施形態において、本発明の生成方法は、分離した有機相を凍結温度に冷却して固体にすることによって、その分離した有機相から単離した5−(ハロメチル)フルフラールを生成してもよい。上記固体の有機相は、固体の5−(ハロメチル)フルフラールと固体の有機溶媒とを含んでいてもよい。本発明において、「凍結温度」とは、分離した有機相が固体である温度を意味する。
上記固体の有機相が多相(例えば、二相)混合物を形成する単離温度にして、上記固体の有機相を融解することができる。上記多相混合物は、少なくとも一つの生成物相と少なくとも一つの溶媒相とを有する。特定の実施形態において、凍結/融解分離を行う場合、上記単離温度で上記生成物相が液体であり、上記有機溶媒相が固体であるように、上記有機溶媒を選択してもよい。他の実施形態において、凍結/融解分離を行う場合、上記単離温度で上記生成物相が固体であり、上記有機溶媒相が液体であるように、上記有機溶媒を選択してもよい。上記生成物相は、固液分離法等の公知の好適な方法によって上記有機溶媒相から分離してもよい。
反応器と容器
供給原料からの5−(ハロメチル)フルフラールの生成は、ここに記載の化学反応を行う好適な反応器で行われてもよい。上記反応器は、開放系であっても閉鎖系であってもよい。好適な反応器の例としては、流加(fed-batch)攪拌反応器、バッチ式攪拌反応器、連続流攪拌反応器、連続プラグフロー柱状反応器(continuous plug-flow column reactor)、摩擦(attrition)反応器、流動層反応器、等が挙げられる。また、上記反応器は、スクリューミキサー等の連続ミキサーを備えていてもよい。
さらに、上記反応器は、反応混合物の成分を添加したり、除去したりするものであってもよい。例えば、上記反応器は、溶媒や酸を添加するための、あるいは有機相または水相を反応混合物から除去するための少なくとも一つ以上の出入口を有していてもよい。特定の実施形態において、上記反応器は、別の容器に連通する少なくとも一つの出口を有していてもよい。この場合、有機相を上記反応器からその別の容器に移すことができる。
上記反応器や容器は、一般的に、反応工程中に及ぼされる物理的・化学的な力に耐え得る材質でできている。特定の実施形態において、そのような材質は、高濃度強酸の液体に耐え得る。例えば、上記反応器と容器は、ガラス、金属またはパイレックス(登録商標)でできている。
5−(ハロメチル)フルフラール
本発明の生成方法で生成される5−(ハロメチル)フルフラールは、他の化学反応で使用されてもよいし、またはさらに加工して、生物燃料、ディーゼル添加剤またはプラスチックのためのフラン誘導体にしてもよい。例えば、CMFは、ジメチルフランとエトキシメチルフルフラールとに変換されてもよい。
特定の実施形態において、生成されるのが固体の5−(ハロメチル)フルフラールである場合、液体の5−(ハロメチル)フルフラール(油等を含む)よりも扱い易い。上記固体の5−(ハロメチル)フルフラールは、より容易かつ利便性良く保存・輸送することができる等の利点がある。上記固体の5−(ハロメチル)フルフラールは、非晶質であっても結晶であってもよい。
特定の実施形態において、生成された5−(ハロメチル)フルフラールは、CMFであり、ある実施形態においては、固体のCMFであってもよい。上記固体のCMFは結晶であっても非晶性であってもよい。
別の実施形態において、生成された5−(ハロメチル)フルフラールは、BMFであり、ある実施形態においては、固体のBMFであってもよい。上記固体のBMFは結晶であっても非晶性であってもよい。
〔実施形態〕
以下の各実施形態は、本発明のいくつかの態様を代表するものである。
1. 5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法であって、
a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、
b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、
c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、5−(ハロメチル)フルフラールを生成するのに適した反応温度で、5−(ハロメチル)フルフラールに変換する工程であって、上記反応混合物は有機相と水相とを有し、上記有機相は上記有機溶媒の少なくとも一部と上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む、工程と、
d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とを上記分離温度で含む、工程と、
e)多相有機混合物を生成するために、上記工程d)で分離した上記有機相を単離温度まで冷却する工程であって、上記単離温度は上記分離温度よりも低く、上記多相有機混合物は少なくとも一つの生成物相と、溶媒相とを上記単離温度で有し、上記少なくとも一つの生成物相の各々は上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部を含み、上記溶媒相は上記有溶媒の少なくとも一部を含む、工程とを含むことを特徴とする、5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法。
2. 5−(ハロメチル)フルフラールを得るために、上記少なくとも一つの生成物相を上記溶媒相から単離する工程を含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
3. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、固体として単離されることを特徴とする実施形態2に記載の方法。
4. 上記固体は、非晶質または結晶であることを特徴とする実施形態3に記載の方法。
5. 上記反応温度は30℃〜300℃であることを特徴とする実施形態1〜4のいずれか一つに記載の方法。
6. 上記分離温度は30℃〜300℃であることを特徴とする実施形態1〜5のいずれか一つに記載の方法。
7. 上記分離温度は上記反応温度以下であることを特徴とする実施形態1〜6のいずれか一つに記載の方法。
8. 上記単離温度は200℃未満であることを特徴とする実施形態1〜7のいずれか一つに記載の方法。
9. 上記単離温度は−120℃〜200℃であることを特徴とする実施形態8に記載の方法。
10. 上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有することを特徴とする実施形態1〜9のいずれか一つに記載の方法。
11. 上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンであることを特徴とする実施形態1〜9のいずれか一つに記載の方法。
12. 上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、へキシルベンゼン、あるいはそれらの組み合わせまたは混合物であることを特徴とする実施形態11に記載の方法。
13. 上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含むことを特徴とする実施形態11に記載の方法。
14. 上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物であることを特徴とする実施形態1〜9のいずれか一つに記載の方法。
15. 上記単離温度での上記少なくとも一つの生成物相は、一つの生成物相であり、上記一つの生成物相は固体であり、上記溶媒相は液体であることを特徴とする実施形態1〜14のいずれか一つに記載の方法。
16. 上記溶媒相は上記単離温度で固体であり、上記方法は、上記5−(ハロメチル)フルフラールを固体である上記有機溶媒から単離する工程をさらに含むことを特徴とする実施形態1〜14のいずれか一つに記載の方法。
17. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールであることを特徴とする実施形態1〜16のいずれか一つに記載の方法。
18. 固体の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)を生成する方法であって、
a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、
b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、
c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、CMFを生成するのに適した反応温度で、CMFに変換する工程であって、
上記反応混合物は有機相と水相とを有し、上記有機相は上記有機溶媒と上記CMFの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む、工程と、
d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記CMFと上記有機溶媒とを上記分離温度で含む、工程と、
e)上記工程d)で分離した上記有機相を単離温度まで冷却して固体のCMFを生成する工程であって、上記単離温度は上記分離温度よりも低く、分離した上記有機相に含まれる上記有機溶媒と上記CMFとは上記単離温度で少なくとも二つの相を形成する、工程とを含むことを特徴とする、固体の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)を生成する方法。
19. 上記固体のCMFを、冷却された上記有機相から単離する工程をさらに含むことを特徴とする実施形態18に記載の方法。
20. 上記反応温度は30℃〜300℃であることを特徴とする実施形態19に記載の方法。
21. 上記分離温度は30℃〜300℃であることを特徴とする実施形態18〜20のいずれか一つに記載の方法。
22. 上記分離温度は上記反応温度以下であることを特徴とする実施形態18〜21のいずれか一つに記載の方法。
23. 上記単離温度は200℃未満であることを特徴とする実施形態18〜22のいずれか一つに記載の方法。
24. 上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有することを特徴とする実施形態18〜23のいずれか一つに記載の方法。
25. 上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンであることを特徴とする実施形態18〜23のいずれか一つに記載の方法。
26. 上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、へキシルベンゼン、あるいはそれらの組み合わせまたは混合物であることを特徴とする実施形態25に記載の方法。
27. 上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含むことを特徴とする実施形態25に記載の方法。
28. 上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物であることを特徴とする実施形態18〜23のいずれか一つに記載の方法。
29. 上記固体のCMFは、非晶質または結晶であることを特徴とする実施形態18〜23のいずれか一つに記載の方法。
30. 5−(ハロメチル)フルフラールを単離する方法であって、
a)5−(ハロメチル)フルフラールと有機溶媒とを供給する工程と、
b)混合物を形成する温度で、上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とを混合する工程と、
c)上記5−(ハロメチル)フルフラールを単離する単離温度に上記混合物を冷却する工程とを含み、上記単離温度は上記工程b)での上記温度よりも低いことを特徴とする、5−(ハロメチル)フルフラールを単離する方法。
31. 上記有機溶媒は、上記5−(ハロメチル)フルフラールから上記単離温度で固体として分離し、上記方法は、上記5−(ハロメチル)フルフラールを固体である上記有機溶媒から単離する工程をさらに含むことを特徴とする実施形態30に記載の方法。
32. 上記5−(ハロメチル)フルフラールを、冷却された上記混合物から単離する工程をさらに含むことを特徴とする実施形態30または31に記載の方法。
33. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、固体または液体として単離されることを特徴とする実施形態30〜32のいずれか一つに記載の方法。
34. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、非晶質固体または結晶性固体として単離されることを特徴とする実施形態30〜32のいずれか一つに記載の方法。
35. 上記工程b)での上記温度は、30℃〜300℃であることを特徴とする実施形態30〜34のいずれか一つに記載の方法。
36. 上記工程b)での上記温度は、200℃未満であることを特徴とする実施形態30〜34のいずれか一つに記載の方法。
37. 上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有することを特徴とする実施形態30〜36のいずれか一つに記載の方法。
38. 上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンであることを特徴とする実施形態30〜36のいずれか一つに記載の方法。
39. 上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、へキシルベンゼン、あるいはそれらの組み合わせまたは混合物であることを特徴とする実施形態38に記載の方法。
40. 上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含むことを特徴とする実施形態38に記載の方法。
41. 上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物であることを特徴とする実施形態30〜34のいずれか一つに記載の方法。
42. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールであることを特徴とする実施形態30〜41のいずれか一つに記載の方法。
43. 5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法であって、
a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、
b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、
c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、5−(ハロメチル)フルフラールを生成するのに適した反応温度で、5−(ハロメチル)フルフラールに変換する工程であって、
上記反応混合物は有機相と水相とを有し、上記有機相は上記有機溶媒の少なくとも一部と上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む、工程と、
d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とを上記分離温度で含む、工程と、
e)上記工程d)で分離した上記有機相を凍結温度まで冷却する工程であって、分離した上記有機相は上記凍結温度で固体である、工程と、
f)上記工程e)で固体である上記有機相を単離温度にして融解する工程であって、固体である上記有機相は上記単離温度で多相有機混合物を形成し、上記多相有機混合物は少なくとも一つの生成物相と、溶媒相とを含み、上記少なくとも一つの生成物相の各々は固体である上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部を含み、上記溶媒相は上記有溶媒の少なくとも一部を含む、工程とを含むことを特徴とする、5−(ハロメチル)フルフラールを生成する方法。
44. 5−(ハロメチル)フルフラールを得るために、上記少なくとも一つの生成物相を上記溶媒相から単離する工程をさらに含むことを特徴とする実施形態43に記載の方法。
45. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは固体として単離されることを特徴とする実施形態44に記載の方法。
46. 上記固体は、非晶質または結晶であることを特徴とする実施形態45に記載の方法。
47. 上記凍結温度は0℃未満であることを特徴とする実施形態43〜46のいずれか一つに記載の方法。
48. 上記凍結温度は−120℃〜5℃であることを特徴とする実施形態43〜46のいずれか一つに記載の方法。
49. 上記単離温度は0℃〜200℃であることを特徴とする実施形態43〜48のいずれか一つに記載の方法。
50. 上記単離温度は上記凍結温度よりも高いことを特徴とする実施形態43〜49のいずれか一つに記載の方法。
51. 上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有することを特徴とする実施形態43〜50のいずれか一つに記載の方法。
52. 上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンであることを特徴とする実施形態43〜50のいずれか一つに記載の方法。
53. 上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、へキシルベンゼン、あるいはそれらの組み合わせまたは混合物であることを特徴とする実施形態52に記載の方法。
54. 上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含むことを特徴とする実施形態43〜53に記載の方法。
55. 上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物であることを特徴とする実施形態43〜50のいずれか一つに記載の方法。
56. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールであることを特徴とする実施形態43〜55のいずれか一つに記載の方法。
57. 実施形態1〜56のいずれか一つに記載の方法によって生成される5−(ハロメチル)フルフラール。
58. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは固体であることを特徴とする実施形態57に記載の5−(ハロメチル)フルフラール。
59. 固体である上記5−(ハロメチル)フルフラールは非晶質または結晶であることを特徴とする実施形態58に記載の5−(ハロメチル)フルフラール。
60. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)または5−(ブロモメチル)フルフラール(BMF)であることを特徴とする実施形態57〜59のいずれか一つに記載の5−(ハロメチル)フルフラール。
〔実施例〕
以下の実施例は、例示に過ぎず、いかなるようにも本発明の態様を限定するものではない。
実施例1
ドデシルベンゼン(ソフトタイプ)に対するCMFの溶解度の実験
1mLのドデシルベンゼン(ソフトタイプ)に対して、固体の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)がそれぞれ0.6055g、0.7098g、0.8066g、0.9091gとなるように、CMFとドデシルベンゼン(ソフトタイプ)とをマイクロウェーブバイアル(microwave vials)にて混ぜ合わせた。上記マイクロウェーブバイアルの各々を上記CMFと上記ドデシルベンゼン(ソフトタイプ)とで満たし、封をした。そして、各マイクロウェーブバイアル内の磁気攪拌棒で少し攪拌しながら、それらマイクロウェーブバイアルを90℃の加熱ブロックに添加した。各マイクロウェーブバイアルから部分標本(aliquot)を取り出し、経時的なデグラデーション(degradation)をHPLCで調べた。
上記CMFを上記ドデシルベンゼン(ソフトタイプ)に添加すると、上記CMFは室温(約22℃)では上記ドデシルベンゼン(ソフトタイプ)にあまり溶解しなかった。しかし、温度を上げるにつれて、上記CMFは、上記ドデシルベンゼン(ソフトタイプ)中の固液二相の混合物から、単相に移行することが観察された。
実施例2
各種溶媒に対するCMFの温度依存溶解度の実験
各マイクロウェーブバイアル内で、固体の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)を下記表1に記載の溶媒に添加した。溶媒とCMFとの使用量を、表1に詳細に示す。
Figure 2015533851
各マイクロウェーブバイアルを上記CMFと上記溶媒とで満たし、封をした。そして、20〜30分間、表1に記載の温度に保った。その後、各マイクロウェーブバイアルから試料を取り出し、HPLCで分析した。試料はそれぞれ、−5℃、0℃、21℃、30℃、40℃、50℃、65℃、90℃、110℃で保たれ、各温度における上記CMFの飽和濃度は、表1に示されている。
表1において「−a」と示されているものは、利用できるデータがない。テトラデカンとエイコサンとに関しては、特定の温度で凍結した。そのことは表中「−b」で示されている。トルエンと、DCEと、クロロベンゼンとに関しては、30℃以上でCMFが溶解するものと予測され、それらは表中「−c」で示されている。
上記CMFは、DCEと、トルエンと、クロロベンゼンとに対しては低温でも比較的溶解することがわかった。へキシルベンゼン、ペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン(ハードタイプ、ソフトタイプとも)等のアルキルベンゼン溶媒は、低温(例えば、約0℃)ではCMFに対して比較的低い溶解度を示し、温度が上がるにつれてCMFに対して比較的高い溶解度を示した。また、ペンタン、ヘキサン、デカン、テトラデカン、またはエイコサン等の溶媒は、全ての温度で上記CMFに対して比較的低い溶解度を示した。
実施例3
ソフトタイプのドデジルベンゼンを溶媒として用いた果糖のCMFへの変換
攪拌棒付きの容量350mLのガラス製の圧力容器に粒状果糖を25.06g添加した。その後、ソフトタイプのドデシルベンゼンを100mL添加した。そして、さらに12NのHClを50mL添加した。その後、上記圧力容器を密閉し、上記果糖が水相に溶解するまで、混合物を室温で攪拌した。そして、二相の上記混合物を85℃のオイルバスで加熱し、素早く攪拌した。上記混合物を約8分間反応させ、上記オイルバスから取り出した。そして、上昇した温度にて上記圧力容器を開け、CMFが金色に呈色した有機相に溶けたままになるように時折加熱しながら、反応混合物から上記有機相をデカンテーションした(decanted)。回収された上記有機相と、その有機相内の、少量の黒い固体物とを短時間、85℃に加熱し、250mLのフラスコに再度デカンテーションした。粗製の有機相を約90mL回収した(下記表2参照、粗製の有機相、3.95gのCMF)。
上記フラスコ内の上記有機相は、時折攪拌しながら、−5℃の塩水バスに入れた。数分後、二つの相が現れた。上記フラスコの底部の液体相はCMFであった。30分後、0.0071gの固体のCMF(核として)を二相の有機混合物に添加すると、CMFが結晶化した。さらに30分間温度を−5℃に保つと、上記CMFの相が固体になった。その後、上記二相の有機混合物の有機溶媒相をデカンテーションし、遠心分離管に入れ、−95℃に冷却し溶液を固化させた。この間、上記二相の有機混合物から再結晶した固体の上記CMF(表2参照、−5℃での溶液の沈殿固体物、2.15g)を、ジクロロメタンで既知量に希釈し、以下の手順に従ってHPLCで分析した。
デカンテーションされた上記有機相が固化すると、有機相を−5℃で遠心分離し、液体相と固体相とを、液体画分(遠心分離バイアル−液体画分)および固体画分(遠心分離バイアル−固体画分)を提供する液体相のデカンテーションによって分離した。上記液体画分と固体画分を、7℃の冷蔵庫にて一晩保存した。翌朝、上記液体画分と固体画分とをそれぞれジクロロメタンで既知量に希釈し、以下の手順に従ってHPLCで分析した。
本実施例の手順の各工程で回収された固体の上記CMFの量を、以下に記載の表2に示す。
Figure 2015533851
HPLCによるCMFの分析法:部分標本をHPLCにて分析した。以下のHPLC手順を用いた。カラムとして、アジレント・テクノロジー社製シリカカラムRX−Sil(寸法4.6×100mm、粒子径1.8μmのシリカビーズを充填)を用いた。カラムの温度は50℃に維持した。注入量は、1.0μLであった。移動相の成分は80%のヘキサンおよび20%のテトラヒドロフランであり、流速を1.0mL/分とした。検体は、8nmの帯域幅を有する360nmを参照波長として用いて、240nmまたは280nmにて観察されたUVシグナルに基づいて、定量された。保持時間2.2分でピークが観測され、そのピークはフルフラールに対応するものであった。保持時間2.8分でピークが観測され、そのピークはCMFに対応するものであった。
図1は、セルロースとヘミセルロースとから5−(ハロメチル)フルフラールを生成する反応系を示す説明図であり、図中、Xはハロゲンである。 図2は、塩酸(HCl)の存在下でバイオマスから5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)を生成する工程を示す説明図である。

Claims (16)

  1. a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、
    b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、
    c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、5−(ハロメチル)フルフラールを生成するのに適した反応温度で、5−(ハロメチル)フルフラールに変換する工程であって、
    上記反応混合物は、有機相と水相とを有し、上記有機相は、上記有機溶媒の少なくとも一部と、上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む、工程と、
    d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部と上記有機溶媒の少なくとも一部とを上記分離温度で含む、工程と、
    e)多相有機混合物を生成するために、上記工程d)で分離した上記有機相を単離温度まで冷却する工程であって、上記単離温度は上記分離温度よりも低く、
    上記多相有機混合物は少なくとも一つの生成物相と、溶媒相とを上記単離温度で有し、上記少なくとも一つの生成物相の各々は上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部を含み、上記溶媒相は上記有機溶媒の少なくとも一部を含む、工程とを含むことを特徴とする方法。
  2. 上記少なくとも一つの生成物相を上記溶媒相から単離して、5−(ハロメチル)フルフラールを単離する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 上記反応温度は30℃〜300℃であり、
    上記分離温度は30℃〜300℃であり、かつ上記反応温度以下であり、
    上記単離温度は200℃未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. a)5−(ハロメチル)フルフラールと有機溶媒とを供給する工程と、
    b)混合物を形成する温度で、上記5−(ハロメチル)フルフラールと上記有機溶媒とを混合する工程と、
    c)上記5−(ハロメチル)フルフラールを単離する単離温度に上記混合物を冷却する工程とを含み、上記単離温度は上記工程b)での上記温度よりも低いことを特徴とする方法。
  5. 上記有機溶媒は、上記5−(ハロメチル)フルフラールから上記単離温度で固体として分離し、上記方法は、上記5−(ハロメチル)フルフラールを固体である上記有機溶媒から単離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 上記工程b)での上記温度は、30℃〜300℃であることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
  7. a)六炭糖を含む供給原料と、酸性水溶液と、有機溶媒とを供給する工程と、
    b)反応混合物を形成するために、上記供給原料と、上記酸性水溶液と、上記有機溶媒とを混合する工程と、
    c)上記反応混合物中の上記供給原料の少なくとも一部を、5−(ハロメチル)フルフラールを生成するのに適した反応温度で、5−(ハロメチル)フルフラールに変換する工程であって、
    上記反応混合物は有機相と水相とを有し、上記有機相は、上記有機溶媒の少なくとも一部と上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部とを含み、上記水相は上記酸性水溶液の少なくとも一部を含む、工程と、
    d)上記有機相の少なくとも一部を上記反応混合物の上記水相から分離温度で分離する工程であって、上記有機相は上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部と上記有機溶媒の少なくとも一部とを上記分離温度で含む、工程と、
    e)上記工程d)で分離した上記有機相を凍結温度まで冷却する工程であって、分離した上記有機相は上記凍結温度で固体である、工程と、
    f)上記工程e)で固体である上記有機相を単離温度にして、融解する工程であって、固体である上記有機相は上記単離温度で多相有機混合物を形成し、上記多相有機混合物は少なくとも一つの生成物相と、溶媒相とを含み、上記少なくとも一つの生成物相の各々は上記5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部を含み、上記溶媒相は上記有機溶媒の少なくとも一部である、工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 5−(ハロメチル)フルフラールを得るために、上記少なくとも一つの生成物相を上記溶媒相から単離する工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 上記凍結温度は0℃未満であり、
    上記単離温度は0℃〜200℃あって、上記凍結温度よりも高いことを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
  10. 上記有機溶媒は、少なくとも一つのアルキル基と少なくとも一つのフェニル基とを有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 上記有機溶媒は直鎖アルキルベンゼンであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 上記直鎖アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼン、ペンチルベンゼン、へキシルベンゼン、あるいはそれらの組み合わせまたは混合物であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 上記直鎖アルキルベンゼンは、分鎖異性体の混合物を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  14. 上記有機溶媒は、Wibaryl(登録商標)A、Wibaryl B、Wibaryl AB、Wibaryl F、Wibaryl R、CEPSA社製のPetrepar 550−Q、またはこれらの組み合わせあるいは混合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  15. 上記5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 単離された上記5−(ハロメチル)フルフラールは、非晶質または結晶であることを特徴とする請求項2、3、5、6、8〜15のいずれか一項に記載の方法。
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