JP3095416B2 - 光吸収被覆を備える口金付き高圧放電ランプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、口金付き高圧放電ランプであって、 気密的に閉じられ且つイオン化可能な充填剤を含む放
電空間を囲む光透過性のランプ容器であって、該容器に
は電極が、これら電極の間に放電経路を規定するように
相対向して設けられ、該容器が軸並びにシールを備える
第１及び第２の首状部を有するようなランプ容器と、 前記放電空間の周囲において前記ランプ容器を間隙を
もって囲むガラス製筒状の外側包体と、 接点を備え、前記第１の首状部が固定されるランプ口
金と、 各電極に接続され且つ前記第１及び第２の首状部の各
々を介して前記ランプ口金の各接点まで延在する第１及
び第２の電流導体であって、第２の電流導体が前記外側
包体の外部に沿って延在する戻り部を有するような第１
及び第２の電流導体と、を有する口金付き高圧放電ラン
プに関する。

背景技術 上記のような口金付き高圧放電ランプは、ヨーロッパ
特許出願公開第0570068−A1号公報から既知である。

ランプの外側包体は、動作中のランプ容器の温度差を
減じるのに有用である。低減された温度差により、電力
消費を同一にしたままランプの光束を上昇させることが
できる。光束の上昇は、包体がない場合の最大温度に対
応する最大ランプ容器温度においてさえも実現すること
ができる。包体のないランプにより得られるのと同一の
光束を維持しながら、最大温度の低減を実現することも
可能である。上記光束及び最大温度は、外側包体とラン
プ容器との間の間隙の値に依存する。

上記既知のランプは特に車両のヘッドライト用ランプ
として使用するのに適している。このランプの光源、即
ち放電アーク、は高輝度を有し、その際約35ワットの消
費電力が比較的高い発光効率で光に変換される。結果と
して、上記ランプは比較的小さな反射面しか持たないヘ
ッドライトに使用することができ、従って当該ヘッドラ
イトは比較的小さな高さを持つようにすることができ
る。それにも拘わらず、上記ランプを内部に備える車両
の場合、通常の白熱ランプを光源とする場合よりも一層
明るく照明された道路が得られる。しかしながら、口金
付き高圧放電ランプを用いるヘッドライトは漏れ光を放
射し、これが上記光源の高輝度及び高光束により並びに
ヘッドライトの形式に依存してグレアを起こすことがあ
ることが分かった。

上述したような形式の口金付き高圧放電ランプはヨー
ロッパ特許出願公開第0581354−A1号、第0579326−A1号
及び第0579313−A1号からも既知である。

ヨーロッパ特許出願公開第0237647−A1号は車両のヘ
ッドライト用ランプとして使用することができ、ランプ
容器が硬質ガラスの真空筒状外側バルブにより囲まれて
いるような高圧放電ランプを開示している。このバルブ
には全長にわたり且つ半周より約15度少ない周にわたっ
て放射吸収被覆が設けられ、残りの表面領域には赤外線
反射型光透過被覆が設けられている。

180度−15度の周方向角度にわたる上記放射吸収被覆
の目的は、放物状反射器を備えるヘッドライトにおいて
右側交通及び左側交通に対して非対称な光ビームを作る
ことにある。

冒頭で述べたような種類のランプにおいては上記のよ
うな被覆は、外側包体に石英ガラスを用いたとしても、
又赤外線反射被覆がない場合においても、ランプ寿命が
著しく低下し、ランプのルーメン出力が急速に低下し且
つ変形が生じるような高温の原因となることが分かっ
た。

発明の開示 本発明の目的は、冒頭で述べたような種類の口金付き
高圧放電ランプであって、漏れ光の発生が防止されるよ
うなランプを提供することにある。

本発明によれば、上記目的は、前記外側包体は前記第
２の電流導体の前記戻り部から遠くに面する該外側包帯
の側で前記第１の首状部の近傍に位置する領域に光吸収
被覆を有し、前記領域は少なくとも前記電極間の中心領
域における前記外側包体に対する垂線と50度なる角度α
をなす位置から、少なくとも前記垂線と略65度の角度β
をなす位置まで延在し、上記αとβとの頂点が前記ラン
プ容器の前記軸上に在ることを特徴とすることにより達
成される。

遅れ光は、前記第１の首状部の方向に放出され且つラ
ンプ容器材料により偏向され、次いでランプ口金の上側
の周囲に延びる領域において反射器に入射するような放
射により発生されることが判った。この反射器は、第２
の電流導体がランプ容器の下側をランプ口金に向かって
走るようにランプを保持している。

前記被覆がない場合に上記反射器に入射する光は該反
射器によって反射される有用な光と混合され、ビームと
なってヘッドライトレンズを介して外部に、略真っ直ぐ
前方に、当該ヘッドライトの遥か前方に投射される。ま
さに、これが上記漏れ光が好ましくない理由である。

前記角度αは、ヘッドライトにより形成されるビーム
の光束に目立った影響を及ぼすことなく、数度小さく、
多分例えば40度に選定することもできる。角度βも、一
層広い製造許容差を有するように大きな値に選定するこ
ともできるが、この角度を広げることは他の点で有効な
効果は殆どない。

本発明による高圧放電ランプの好ましい実施例におい
ては、前記外側包体が前記放電経路の両側部であって第
２の電流導体の戻り部に面する側に帯状の光吸収被覆を
有し、これら帯状被覆が互いに離れて面し略165度の角
度γをなす縁と、相対向し相互に85度〜145度の角度δ
をなす縁とを有し、γとδとの頂点が前記ランプ容器の
軸上に位置する。

上記角度γは、左側交通用又は右側交通用の非対称ビ
ームの角度である。角度δの選択の自由度により、製造
の許容差が得られ、前記帯状部の所望の最小幅及び許容
される最大幅が与えられるが、後者は温度的理由により
超過してはならない。

この実施例は、当該ランプを使用するヘッドライト
が、反射器及びレンズにより発生された光ビームに直線
的な明／暗境界を形成することができるという利点を有
している。これにより、当該ヘッドライトを有する車両
の遥か前方に比較的高い光束を投射することができ、そ
の際、光が水平線より上に向かうのを避けることができ
る。このような光は、向かってくる交通をくらませるか
も知れないからである。前記帯状の被覆がない場合、上
記リスクを回避するために当該ランプを備えるヘッドラ
イトは一層低く向けられねばならず、道路表面は一層短
い距離にわたってしか照明されない。前記帯状被覆を備
えない場合、明／暗境界が非直線的となるのは、ランプ
容器内の対流により放電アークが上方に僅かに湾曲する
という事実の結果である。結果として、反射器及びレン
ズは上記明／暗境界において光源の方形な像ではなく三
日月形の像を、従って非直線的な明／暗境界を、形成す
ることになる。

この実施例の利点は、前記帯状の被覆がランプの寿命
及びランプ寿命中の光度維持に全く又は殆ど影響を与え
ない点にもある。これら帯状被覆の間に放射された光
は、当該ランプを備える車両の前方間近の道路表面を照
明するのに使用することができる。

本発明による口金付き高圧放電ランプにおける工夫
は、放電空間を囲む放電容器が外側包体内に最大で2mm
の周方向間隙を持つような口金付き高圧放電ランプに有
効に適用することができる。この場合、当該ランプは比
較的低い温度で比較的高い発光効率を有する。

外側包体の前記被覆は、ヘッドライトの白熱ランプ用
に用いられる通常の材料、例えばカルボニル鉄及び珪素
の懸濁液を用いて実現することができる、上記被覆は刷
毛、印刷技術、又は例えばインクジェットを用いたスプ
レイを用いて設けることができる。

図面の簡単な説明 本発明による口金付き高圧放電ランプの一実施例を図
面に示すが、この図面において、 第１図は、ランプの側面図を示し、 第２図は、第１図のII−II線に沿う断面図で、ランプ
口金の輪郭と共に示し、 第３図は、第１図のIII−III線に沿う断面図である。

発明を実施するための最良の形態 第１図において、当該口金付き高圧放電ランプは図に
おいては石英ガラスからなる光透過性ランプ容器１を有
し、該容器は気密的に閉じられると共にイオン化可能な
充填剤を含む放電空間２を囲んでいる。該空間内には電
極３、４がこれら電極間に放電経路を規定するように相
対向して配設されている。上記充填剤は、例えば数バー
ルの充填圧で、例えば水銀、ヨウ化ナトリウム又はヨウ
化スカンジウム等の金属ハロゲン化物の混合物、及び例
えばキセノン等の希ガスを含む。当該ランプ容器は軸５
と、シール８を備える第１及び第２の首状部６及び７と
を有する。

筒状の例えば石英ガラス等のガラス製の外側包体10
が、前記放電空間２の周囲に放電容器１を間隙をもって
取り囲み、該ランプ容器１に接続され、例えば空気のよ
うなガスで満たされている。

当該ランプは接点21、22を備えるランプ口金20を有
し、該口金内には前記第１の首部６が固定されている。
電極３及び４に各々接続された第１及び第２の電流導体
23及び24が、前記第１及び第２の首状部６及び７を介し
てランプ口金20の接点21及び22まで各々延在している。
上記第２の電流導体24は、前記外側包体10の外部に沿っ
て延在する戻り部25を有している。

外側包体10は、第１の首部６に近い領域で第２の電流
導体24の戻り部25から遠くに面する側に光吸収被覆11を
有している（図２及び図３も参照）。上記領域は、少な
くとも電極３と４との間の中心における外側包体10の垂
線と50度（図では40度）なる角度αをなす位置から、少
なくとも上記垂線と略65度の角度βをなす位置まで延在
する。上記αとβとの頂点はランプ容器１の軸５上に在
る。

図では戻り部25の周囲にセラミック管26が在り、該管
は一端がランプ口金20中に収容され、他端がセラミック
キャップ27に接着剤で固定されている。当該ランプは、
前記ランプ口金上の接続部を介して通電状態にされても
接触に対し電気的に安全である。

外側包体10は、放電経路の両側部で、前記第２の電流
導体24の戻り部25に面する側に帯状の光吸収被覆12及び
13を有している。これらの帯状被覆12及び13は、互いに
離れて面し且つ略165度の角度γをなす縁12′及び13′
と、相対向し85度〜145度の角度δをなす縁12″及び1
3″とを有する。上記γ及びδの角頂点はランプ容器１
の前記軸５上に在る。

上記放電容器１は、外側包体の内側に放電空間２を囲
むように最大で2mm（図では0.35mm）の周方向の間隙を
有している。

当該ランプにおいては、漏れ光は効果的に防止され
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ティエスラー ヴィティッヒ ヘルムー ト ドイツ連邦共和国 デー50733 ケルン スタインベルガーストラッセ 31 (56)参考文献 特開 平11−232903（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−8902（ＪＰ，Ａ) 特許2663308（ＪＰ，Ｂ２) 欧州特許出願公開237647（ＥＰ，Ａ １) 欧州特許出願公開570068（ＥＰ，Ａ １) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01J 61/35 F21M 3/02

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】気密的に閉じられ且つイオン化可能な充填
   剤を含む放電空間を囲む光透過性のランプ容器であっ
   て、該容器には電極が、これら電極の間に放電経路を規
   定するように相対向して設けられ、該容器が軸並びにシ
   ールを備える第１及び第２の首状部を有するようなラン
   プ容器と、 前記放電空間の周囲において前記ランプ容器を間隙をも
   って囲むガラス製筒状の外側包体と、 接点を備え、前記第１の首状部が固定されるランプ口金
   と、 各電極に接続され且つ前記第１及び第２の首状部の各々
   を介して前記ランプ口金の各接点まで延在する第１及び
   第２の電流導体であって、第２の電流導体が前記外側包
   体の外部に沿って延在する戻り部を有するような第１及
   び第２の電流導体と、 を有する口金付き高圧放電ランプであって、 前記外側包体は前記第２の電流導体の前記戻り部から遠
   くに面する該外側包帯の側で前記第１の首状部の近傍に
   位置する領域に光吸収被覆を有し、前記領域は少なくと
   も前記電極間の中心領域における前記外側包体に対する
   垂線と50度なる角度αをなす位置から、少なくとも前記
   垂線と略65度の角度βをなす位置まで延在し、上記αと
   βとの頂点が前記ランプ容器の前記軸上に在ることを特
   徴とする口金付き高圧放電ランプ。
2. 【請求項２】請求項１に記載の口金付き高圧放電ランプ
   であって、前記外側包体は前記放電経路の面側部であっ
   て前記第２の電流導体の前記戻り部に面する側に帯状の
   光吸収被覆を有し、これら帯状被覆は互いに離れて面し
   略165度の角度γをなす縁と、相対向し相互に85度〜145
   度の角度δをなす縁とを有し、上記γとδとの頂点が前
   記ランプ容器の軸上に在ることを特徴とする口金付き高
   圧放電ランプ。
3. 【請求項３】請求項１又は請求項２に記載の口金付き高
   圧放電ランプであって、前記放電空間を囲む前記放電容
   器が前記外側包体の内側に最大で2mmの周方向の間隙を
   有することを特徴とする口金付き高圧放電ランプ。