JP3094907U - 電磁誘導加熱調理器用調理器具 - Google Patents
電磁誘導加熱調理器用調理器具Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フッ素樹脂加工が可能で、熱伝導性に優れた
アルミニウムと、耐久性があり、磁性体となる鉄を高周
波熱誘導加熱という接合方法を用いて、フッ素樹脂加工
もできる耐久性、熱伝導性に優れた電磁誘導加熱調理器
用調理器具を提供すること。 【解決手段】 両面をアルミメッキした鉄板を、本体3
と最底部本体に使用し、アルミニウム板8をはさみこむ
状態で高周波熱誘導加熱により融着し止着すること。
アルミニウムと、耐久性があり、磁性体となる鉄を高周
波熱誘導加熱という接合方法を用いて、フッ素樹脂加工
もできる耐久性、熱伝導性に優れた電磁誘導加熱調理器
用調理器具を提供すること。 【解決手段】 両面をアルミメッキした鉄板を、本体3
と最底部本体に使用し、アルミニウム板8をはさみこむ
状態で高周波熱誘導加熱により融着し止着すること。
Description
【0001】
本考案は、電磁誘導加熱調理器用調理器具に関するものである。
なお、本明細書において対象とする調理器具には、ソテーパンや中華なべのよ
うに深みのあるもの、或いは反対に浅いつくりの各種パン類や、片手なべや両手
なべなどのように電磁誘導加熱調理器において使用する調理器具全般を含めるも
のとする。
【0002】
一般家庭で用いられる調理器具の多くは本体がアルミニウム製のものである。
アルミニウム製調理器具は加工性・熱伝導性に優れており、またフッ素樹脂加工
が施されたものにあっては調理品が焦げ付きにくいなどの種々の利点がある。ま
た、電磁誘導加熱調理器に使用できる調理器具も多種にわたり製造されている。
【0003】
熱源として電磁誘導加熱調理器を使用して調理を行う場合には、アルミニウム
製調理器具では電磁誘導加熱が出来ない。このため電磁誘導加熱の出来る調理器
具が多種にわたり製造されている。
【0004】
調理器具本体が鉄または磁性材であるフェライト系ステンレスを単体で使用し
た調理器具は電磁調理器に使用できるが、熱分散性が悪い。また、調理器具本体
内面にフッ素樹脂加工をするには、特殊下地処理塗料を使用するか、またはアル
ミニウムなどの金属を溶射する必要がある。
【0005】
また、例えば、アルミニウム製調理器具本体の底部にフェライト系ステンレス
を打ち込むことにより電磁調理器に使用できる調理器具もあるが、底部と磁性金
属との接合強度が弱く、それぞれの金属の熱膨張係数に違いがあることから、加
熱、冷却の温度変化により変形する可能性もあり、耐久性が劣る。
【0006】
また、例えば、アルミニウム製及びステンレス製調理器具本体の底部に高周波
熱誘導により磁性材であるフェライト系ステンレスを直接接合した調理器具は、
比較的容易に製造でき、電磁調理器にも使用ができるが、底部と磁性材との接合
強度(密着度)が弱く、耐久性も劣り、また熱伝導性も劣る。
【0007】
また、例えば、多層鋼の鋼板を調理器具本体に使用した調理器具について、代
表的なものとして、調理器具本体の内面にステンレスを用い中間部にアルミニウ
ムを配し、外面に磁性材であるフェライト系ステンレスを配した三層素材を絞り
加工した鋼板を使用した調理器具がある。この調理器具は電磁調理器にも使用で
き、耐久性及び熱分散性にも優れているが、調理器具本体の内面にフッ素樹脂を
使用するには、やはり調理器具本体の内面に特殊下地塗料を使用するか、アルミ
ニウムなどの金属を溶射する必要がある。
【0008】
本考案は、このような様々な問題を解決する為に、素材または製造方法につい
て検討及び研究を重ねたことによって、熱伝導性に優れ、内面にフッ素樹脂加工
を施すにあたり、特殊な方法を用いずに加工可能なアルミニウムの特性を保ちつ
つ、磁性体を強固に接合でき、耐久性に優れた電磁誘導加熱調理器に使用できる
調理器具を提供することを目的としている。
【0009】
上記目的を達成するために、本考案においては、鉄板の両面に溶融アルミメッ
キ層を有する3層素材となる鋼板で調理器具本体を形成し、この調理器具本体の
底部の外側にアルミニウム板を融着し、さらにアルミニウム板下部に電磁誘導加
熱される磁性体とした鉄板の両面に溶融アルミメッキ層を有する3層素材となる
鋼板を融着し、止着したことを特徴としている。
【0010】
また、前記調理器具本体の内面アルミメッキ層にフッ素樹脂加工を施したもの
を本体に使用することを特徴とする請求項1記載の電磁誘導加熱調理器用調理器
具であることを特徴としている。
【0011】
好適と考える本考案の実施の形態を図面に基づいてその作用効果を示して簡単
に説明する。
【0012】
図1から図3に示す第一実施例は、内側1を調理器具本体内面アルミメッキ層
5、外側2を調理器具本体外面アルミメッキ層7にて本体中間部6となる鉄板の
両面にアルミメッキを施した3層素材で調理器具本体3を形成し、この調理器具
本体3の底部4の外側2にアルミニウム板8の上部9を、アルミニウム板8の底
部10に最底部上部アルミメッキ層12を接するように磁性体である最底部本体
11を高周波熱誘導加熱により融着させ止着した構造としている。
【0013】
調理器具本体3を形成する内側1となる調理器具本体内面アルミメッキ層5及
び外側2となる調理器具本体外面アルミメッキ層7の厚みは10から25μmと
し、調理器具本体3を形成する3層素材の鋼板の板厚を0.8から1.2mmと
することを特徴とするものである。
【0014】
また、前記調理器具本体3の底部4の外側2に高周波熱誘導加熱により融着す
るアルミニウム板8の板厚を0.8から1.2mmとすることを特徴とするもの
である。
【0015】
また、磁性体となる前記最底部本体11を形成する最底部上部アルミメッキ層
12及び最底部下部アルミメッキ層14の厚みは7から25μmとし、最底部本
体11を形成する3層素材の鋼板の板厚を0.4から0.6mmとすることを特
徴とするものである。
【0016】
前記最底部下部アルミメッキ層14の厚みを7から25μmとしたことにより
、電磁誘導加熱調理器で使用するにあたり最底部アルミメッキ層14が障害にな
ることは無く、最底部中間部13が発熱する。
【0017】
従って、底部4に磁性体を設けたため、電磁誘導加熱調理器にも使用でき、ま
たこの接合は高周波熱誘導加熱による融着となるため製作も容易である。
【0018】
しかも本考案は、単に磁性材を調理器具本体3の底部4の外側2に高周波熱誘
導加熱により接合するのではなく、調理器具本体3の底部4の外側2にアルミニ
ウム板8を融着し、さらに最底部に鉄板の両面にアルミメッキ加工を施した鋼板
である最底部本体11を高周波熱誘導加熱により融着する構造である。
【0019】
従って、アルミニウム板8を調理器具本体3の底部4に融着させることにより
、アルミニウムの特性である熱伝導性に優れた特性をもつ、調理器具となる。
【0020】
また、調理器具本体3の底部4の外側2となる調理器具本体外面アルミメッキ
層7とアルミニウム板上部9及び、アルミニウム板下部10と最底部上部アルミ
メッキ層12の高周波熱誘導加熱による融着面は、全てアルミニウムどうしの接
合となる。
【0021】
従って、鉄及びステンレスに比べてアルミニウムの融点が低いことから、一層
接合強度が高く、密着性の極めて高い接合となり、耐久性が向上すると共に熱伝
導性も極めて向上する。
【0022】
図4から図6による第二実施例では、第一実施例の構造に加え、調理器具本体
内面アルミメッキ層5にフッ素樹脂加工をすることによりフッ素樹脂層15を施
した構造としている。
【0023】
また、調理器具本体3の内側1にフッ素樹脂加工をする際には、調理器具本体
内面アルミメッキ層5の厚みを10から25μmとしている。
【0024】
従って、調理器具本体内面アルミメッキ層5の厚みを10μm以上にすること
により、フッ素樹脂加工を行う際の下地処理工程でのブラスト処理による祖面化
作業時に本体中間部6の素材である鉄素地が表面化することがない。フッ素樹脂
加工の塗膜は多孔質のため、水分が透過する。本体中間部6の鉄素地が表面化し
てしまうと、錆びが発生することによりフッ素樹脂加工の塗膜剥離が発生する。
【0025】
従って、アルミニウム製調理器具と同等のフッ素樹脂加工が可能となる。
【0026】
尚、本考案は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成
は適宜設計し得るものである。
【0027】
本考案は上述のように構成したことにより、鉄とアルミニウムという素材を電
磁誘導加熱調理器用調理器具に最適な形で有効利用し、即ち、適宜なアルミメッ
キの膜厚を施した電磁誘導加熱できる磁性体のアルミメッキ鋼板を使用すること
で、熱伝導性の良いアルミニウム板を高周波熱誘導加熱による融着を強固な形で
接合できると共に、調理器具本体内面にフッ素樹脂加工もできる、耐久性、熱伝
導性に優れた画期的な電磁誘導加熱調理器用調理器具となる。
【図1】第一実施例の説明断面図である。
【図2】第一実施例の要部を拡大した説明分解断面図で
ある。
ある。
【図3】第一実施例の要部を拡大した説明断面図であ
る。
る。
【図4】第二実施例の説明断面図である。
【図5】第二実施例の要部を拡大した説明分解断面図で
ある。
ある。
【図6】第二実施例の要部を拡大した説明断面図であ
る。
る。
1 内側
2 外側
3 調理器具本体
4 底部
5 調理器具本体内面アルミメッキ層
6 本体中間部
7 調理器具本体外面アルミメッキ層
8 アルミニウム板
9 アルミニウム板上部
10 アルミニウム板下部
11 最底部本体
12 最底部上部アルミメッキ層
13 最底部中間部
14 最底部下部アルミメッキ層
15 フッ素樹脂層
Claims (2)
- 【請求項1】鉄板の両面に溶融アルミメッキ層を有する
3層素材となる鋼板で調理器具本体を形成し、この調理
器具本体の底部の外側にアルミニウム板を融着し、さら
にアルミニウム板の下部に電磁誘導加熱される磁性体で
ある鉄板の両面に溶融アルミメッキ層を有する3層素材
となる鋼板を融着し、止着したことを特徴とする電磁誘
導加熱調理器用調理器具。 - 【請求項2】前記調理器具本体の内面アルミメッキ層に
フッ素樹脂加工を施したものを本体に使用することを特
徴とする請求項1記載の電磁誘導加熱調理器用調理器
具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002008545U JP3094907U (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 電磁誘導加熱調理器用調理器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002008545U JP3094907U (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 電磁誘導加熱調理器用調理器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3094907U true JP3094907U (ja) | 2003-07-11 |
Family
ID=43248858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002008545U Expired - Fee Related JP3094907U (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 電磁誘導加熱調理器用調理器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3094907U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011200727A (ja) * | 2011-07-19 | 2011-10-13 | Hitachi Appliances Inc | ジャー炊飯器の製造方法 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002008545U patent/JP3094907U/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011200727A (ja) * | 2011-07-19 | 2011-10-13 | Hitachi Appliances Inc | ジャー炊飯器の製造方法 |
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