JP3094505B2 - 廃液の膜蒸発濃縮方法及び装置 - Google Patents

廃液の膜蒸発濃縮方法及び装置

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JP3094505B2 JP03120862A JP12086291A JP3094505B2 JP 3094505 B2 JP3094505 B2 JP 3094505B2 JP 03120862 A JP03120862 A JP 03120862A JP 12086291 A JP12086291 A JP 12086291A JP 3094505 B2 JP3094505 B2 JP 3094505B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は廃液処理装置に係り、特
に、宇宙船や原子力発電所など水をリサイクルする施設
に好適な高性能な廃液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】宇宙船や原子力発電所など水をリサイク
ルするため、限られた空間で、廃液から純度の高い水を
得る浄化方法が必要である。このような浄化方法の一つ
として、膜蒸留法(膜蒸発濃縮方法)がある。膜蒸発濃
縮装置は、例えば、特公昭50−45461 号公報に示される
構造がある。また、蒸発濃縮器を組み込んだ廃液処理方
法には、例えば、特開昭61−164195号公報に開示される
方法がある。
【0003】これらの蒸発濃縮装置は、蒸発面に膜を用
いているため、蒸発面積を自由にとれ、装置の小型化が
容易である。また、中温度で蒸気を発生できるので、腐
蝕し難い高分子材料を構造材料として利用することがで
きる。この点から、膜蒸発濃縮装置は、従来の金属材料
で作られた蒸発缶濃縮器に比べて多くの利点をもつ。ま
た、この方法では、数十ないし数百μmの薄い膜を介し
て廃液と浄化水が接触するため、廃水の浄化水へのリー
クが問題となる。そこで、特開平1−322562号公報で
は、リークの問題となる成分をあらかじめ除去する方法
と、リークが拡大する前にアルコールで洗浄して再生す
る方法が提案されている。また、この対策として、特公
昭50−3753号公報では、凝縮水側を加圧して、膜のリー
ク箇所から廃液が流れ出ることを防止する方式が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前の従来技術では、あ
らかじめ有害な成分を除去するために、装置が複雑とな
る問題点があった。また、膜の洗浄再生にアルコールを
使用するため、アルコールの処理装置が新たに必要とな
った。
【0005】一方の後の技術では、発明者らは実験によ
り、十分なリーク対策が得られないという問題があるこ
とがわかった。
【0006】本発明の目的は、廃液のリークを低減でき
て凝縮水の純度を向上でき、処理量の著しい低下を抑制
できる廃液の膜蒸発濃縮方法及び装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴凝縮水側の水圧を10kPa(0.1kg/cm
2)〜500kPa(5kg/cm2範囲に保ち、かつ、
廃液側の水圧よりも高く維持するようにしたことにあ
【0008】
【作用】凝縮水側の水圧を10kPa以上として廃液側
の水圧よりも高く維持することによって廃液のリークを
低減できて凝縮水の導電率を低下させることができる。
これは、廃液のリークを低減できて凝縮水の純度を向上
させることになる。また、凝縮水側の水圧を500kP
a以下とすることによって処理量の著しい低下を抑制す
ることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面を
用いて詳細に述べる。また、一実施例を用いて、リーク
機構の検討内容、及び凝縮水側の水圧を高める操作を見
出すのに至った経緯とその効果について述べる。
【0010】<実施例1> 本発明の好適な実施例の処理装置の系統図を図1に示
す。図2に従来技術でのリーク機構と本発明のリーク防
止機構を示す。ここでは、原子力発電所で発生する廃液
の濃縮に適用した場合の例、すなわち、2〜3%の硫酸
ナトリウムを含む廃廃を約20wt%まで濃縮するもの
について説明する。図1の処理装置は、膜蒸発濃縮器
1、廃液の循環系2,2A、冷却水の循環系3,3Aよ
り構成されている。この処理装置は、凝縮水が冷却水中
に、直接、取り込まれるものである。膜蒸発濃縮器1
は、疎水性多孔質膜11を設けている。疎水性多孔質膜
11によって分離された廃液が流通する蒸発室12及び
冷却水が流通する冷却室13が、膜蒸発濃縮器1内に形
成される。疎水性多孔質膜11は、ポリテトラフルオロ
エチレン,ポリエチレン,ポリプロピレンなどの疎水性
の材質による多孔質膜で構成される。疎水性多孔質膜1
1は、細孔径が0.05μm 、気孔率が50〜85%、
及び厚さが20〜200μmである。
【0011】循環系2,2Aによって、廃液タンク5,
膜蒸発濃縮器1及び廃液タンク5と廃液を循環させる第
1閉ループが形成される。循環系3,3Aによって、膜
蒸発濃縮器1,冷却水タンク7及び膜蒸発濃縮器1と冷
却水を循環させる第2閉ループが形成される。加熱器4
が廃液タンク5に設けられる。循環系2は循環ポンプ6
を有する。バルブ25が循環系2Aに設けられる。冷却
器8は冷却水タンク7に設置される。循環ポンプ9が循
環系3に設けられる。圧力計22及びバルブ 24が循環
系3Aに設けられる。差圧計23は、一端が循環系2A
に接続され、他端が循環系3Aに接続されている。圧力
計22及び差圧計23の出力は制御器21に入力され
る。バルブ24,25は制御器21の出力により制御さ
れる。
【0012】次に、処理装置を用いて本発明の廃液の処
理方法について説明する。まず、タンク5内に廃液貯蔵
タンク(図示せず)から廃液が受け入れられる。次い
で、タンク7内の冷却水は、冷却器8によって所定の温
度に冷却され、ポンプ9により循環系3を通り、膜蒸発
濃縮器1の冷却室13に供給され、バルブ24,循環系
3Aを通って循環される。タンク5内の廃液は、加熱器
4によって所定の温度に加熱され、ポンプ6により循環
系2を通り、膜蒸発濃縮器1の蒸発室12に供給され、
バルブ25,循環系2Aを通り、循環される。このと
き、バルブ24,25は、圧力計22,差圧計23の値
により制御器21を介して冷却室13の圧力と、蒸発室
12と冷却室13間の差圧が所定値に設定される。
【0013】これらの値について後の従来技術に於ける
リーク挙動と対比しながら図2を用いて詳細に述べる。
蒸発室12の廃液の温度が高いため、廃液の蒸発が起こ
り、発生した蒸気は疎水性多孔質膜内を拡散して冷却室
13で凝縮する。このため、廃液中の硫酸ナトリウムが
膜表面で濃縮され、膜内に硫酸ナトリウムが析出して廃
液が膜内に侵入する。最終的には、膜の反対側の冷却室
13に達して、液の流れる流路ができる(このとき、蒸
発室12の圧力が冷却室13より高い場合には、廃液が
冷却水にリークすることになる)。冷却室13の圧力を
廃液側の圧力よりも高める後の従来技術では、冷却水が
廃液側に流れることになり、リークが防止される。この
効果を確認するため、発明者らは、実験を行なった。そ
の結果、この技術は、リークの抑制効果があるが、十分
では無いことがわかった。その理由は、次のようなもの
である。すなわち、膜内にできた流路では冷却水の流れ
が生じ、この流れによって膜内に析出した硫酸ナトリウ
ムの塩が洗浄され、膜の疎水性が回復する。このため、
冷却水に水中に含まれる空気などによって、気泡となっ
て流路を閉塞する。その結果、洗浄されなかった部分か
ら、硫酸ナトリウムが拡散などによって冷却水中にリー
クする。
【0014】本発明では、圧力と膜の孔径との間に次の
関係が成立することに着目して、圧力を高めて膜の弱い
部分(孔径の大きい部分)に冷却水を侵入させておくこ
とによって、リークを防ぐ。
【0015】P=−4σcosθ/d ここで、Pは疎水性多孔質膜から水が漏れ始める圧力
(耐水圧)、σは水の表面張力、θは膜素材と水と接触
角(疎水性多孔質膜の水に対する濡れ性を表わす)、dは
疎水性多孔質膜の孔径である。この式は、一般には、一
方向から圧力を加えた場合に適用されているが、膜の両
側から圧力を変えた場合にも適用できることがわかっ
た。すなわち、膜内の空隙は空気が満たされているが、
空気は容易に圧縮されたり、水に溶解したりするため、
膜の両側から圧力を掛けた場合、基本的に上記の式に従
うことになる。従って、圧力に見合って、膜に孔径の大
きい部分に侵入する。
【0016】そこで、孔径0.2μm の疎水性多孔質膜
を用いて、冷却水側(冷却室)の圧力を変化させて、処
理量と冷却水の導電率を調べた。ただし、蒸発室と冷却
室の圧力差を一定(2kPa)にする。図3にその結果
を示す。冷却水側の圧力を高め、10kPa以上になる
と、冷却水(凝縮水)の導電率が低下し、純度の高い水
が得られる。さらに圧力を高めていくと、処理量が低下
する。これは、実験に用いた孔0.2μm の疎水性多孔
質膜の耐水圧を超えたため、冷却水が廃液側に逆流する
量が無視できなくなったためである。従って、冷却水側
の圧力を10kPa以上で、500kPa(耐水圧)以
下で運転する必要がある。
【0017】上記の条件を満たす冷却水側の圧力20k
Pa、廃液側と冷却水側の差圧2kPaになるように図
1のバルブ24,25の開度を調節して運転した。その
結果を図4に示す。この図から、従来技術では十時間程
度で冷却水の導電率が上昇するが、本発明では、四百時
間運転してもリークは認められなかった。
【0018】本実施例によれば、簡単な操作によって高
純度の処理水が得られる効果を奏する。
【0019】<実施例2>上記実施例では、疎水性多孔
質膜11として平板状の膜一枚を使用した例を示した
が、これを積層した膜,環状の膜,中空糸膜,スパイラ
ル膜でも同様の効果を奏する。また、上記実施例では、
廃液からの蒸発を冷却水中に直接凝縮させたが、特公昭
50−3753号公報にあるように、三室構造とし、凝縮水の
みを直接取り出すこともできる。
【0020】<実施例3>上記実施例では、廃液として
硫酸ナトリウムを含む溶液の例を示したが、界面活性剤
などを含む廃液でも同様の効果を奏するが、リークを抑
制できる時間は短くなる。リークが始まった場合には、
処理を停止し、水洗,乾燥操作をすることで、再びリー
クが防止できることを実験的に確認した。従って、原子
力発電所の廃液処理だけでなく、他の廃液処理にも適用
でき、特に、宇宙水など閉鎖空間での廃液処理に効果を
発揮する。
【0021】<実施例4>上記実施例では、差圧,圧力
の調節をバルブによって行なかっが、循環流量の調節な
どによっても行なっても同様の効果がある。この場合で
も、差圧計と圧力計が必要である。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、廃液のリークを低減で
きて凝縮水の純度を向上でき、処理量の著しい低下を抑
制できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシステムの一実施例の系統図。
【図2】従来技術と本発明のリーク機構の説明図。
【図3】本発明の操作範囲の説明図。
【図4】本発明による効果の説明図。
【符号の説明】
1…蒸発濃縮器、11…疎水性多孔質膜、12…蒸発
室、13…冷却室、21…制御器、22…圧力計、23
…差圧計、24,25…バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 俊雄 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所 エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−197502(JP,A) 特開 昭50−3753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/36 C02F 1/04 WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃液を、蒸発面に疎水性多孔質膜を設けた
    膜蒸発濃縮器によって処理し、前記廃液を濃縮すると共
    に凝縮水を得る処理方法において、凝縮水側の水圧を1
    0kPa以上で500kPa以下の範囲に保ち、前記凝
    縮水側の水圧を廃液側の水圧よりも高く維持することを
    特徴とする廃液の膜蒸発濃縮方法。
  2. 【請求項2】廃液を、蒸発面に疎水性多孔質膜を設けた
    膜蒸発濃縮器によって処理し、前記廃液を濃縮すると共
    に凝縮水を得る処理装置において、疎水性多孔質膜を設
    けた膜蒸発濃縮器、凝縮水側の水圧を10kPa以上で
    500kPa以下の範囲に保つ手段、前記凝縮水側の水
    圧を廃液側の水圧よりも高く維持する手段とを含むこと
    を特徴とする廃液の膜蒸発濃縮装置。
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