JP3094466U - 農業用ハウスにおける農作物の栽培装置 - Google Patents

農業用ハウスにおける農作物の栽培装置

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JP3094466U JP2002007692U JP2002007692U JP3094466U JP 3094466 U JP3094466 U JP 3094466U JP 2002007692 U JP2002007692 U JP 2002007692U JP 2002007692 U JP2002007692 U JP 2002007692U JP 3094466 U JP3094466 U JP 3094466U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌剤や殺虫剤を散布することなく、あるい
は殺菌剤や殺虫剤の量を少なくして、農作物の病害や害
虫の発生を極めて有効に阻止する。 【解決手段】 農作物の栽培装置は、農作物を栽培する
農業用ハウス1内に複数の青色系発光ダイオード5を設
けている。農作物の栽培装置は、青色系発光ダイオード
5で農作物に青色光を照射して、べと病等の病害やダニ
等の害虫の発生を防止している。 【効果】 殺菌剤や殺虫剤を散布することなく、あるい
は殺菌剤や殺虫剤の量を少なくして、べと病等の病害や
ダニ等の害虫の発生を極めて有効に阻止できるので、殺
菌剤や殺虫剤に起因する種々の弊害を解消して、安全で
高品質な農作物を理想的に生産できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、農作物を農業用ハウスで栽培する栽培装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
きゅうりやとまと等の野菜は、一年中市場に出回り、多くの消費者にとってな くてはならない存在となって、その消費量は多大なものとなっている。ただ、き ゅうりやとまとを農業用のハウス内で栽培すると、べと病やモザイク病等の病害 が極めて発生しやすくなる。また、ダニやアブラムシなどの害虫も発生する。病 害や害虫が発生すると、消毒しないかぎりきゅうりやとまとが全滅してしまう。 このため、ハウスのきゅうりやとまとは、頻繁に消毒しながら栽培しているのが 実状である。一般的なきゅうりの栽培においては、多い場合には、たとえば1ヶ 月に2回程度の頻度で、べと病等に対する殺菌剤や害虫に対する殺虫剤を散布し ている。また、くん煙もよく行われている。散布された殺菌剤や殺虫剤はきゅう りの表面に付着するので、出荷する直前の数日間は殺菌剤や殺虫剤の散布が制限 されている。しかしながら、べと病やダニが発生すると殺菌剤や殺虫剤を散布せ ざるを得ない。このため、殺菌剤や殺虫剤が付着されたきゅうりやとまとの出荷 を皆無にするのは極めて難しい。このため、現実に出荷されているきゅうりやと まとは、その表面に相当な殺菌剤や殺虫剤が付着されているのが実状である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
困ったことに、きゅうりやとまとを水で簡単に洗っただけでは、殺菌剤や殺虫 剤を洗い流すのが困難なので、表面の殺菌剤や殺虫剤を完全に除去して食べるの が極めて難しい。さらに、きゅうりやとまとはサラダにして食べる機会が多くあ り、その場合きゅうりやとまとの皮を剥かずに食することが多い。このため、き ゅうりやとまとは、表面の殺菌剤や殺虫剤を完全に除去して食べることが極めて 難しい。にもかかわらず、きゅうりやとまとは、食卓に欠かせない野菜である。 きゅうりやとまとに付着する殺菌剤や殺虫剤は、人間の健康に影響を与える可能 性があると考えられている。このことから、きゅうりやとまとは、表面に付着す る殺菌剤や殺虫剤をいかに極減できるかが極めて大切であり、このことを実現す るための技術が切望されているのが実状である。
【0004】 さらに、殺菌剤や殺虫剤は、べと病やモザイク病等の病害や害虫を駆除する効 果はあるが、ハウス内から流れ出て、環境に悪い影響を与える弊害もある。殺菌 剤や殺虫剤を散布すると、小川に流れ出て、水中の生き物の生態系をも変えてし まうことが心配される。
【0005】 本考案は、このような欠点を解決することを目的に開発されたものである。本 考案の重要な目的は、殺菌剤や殺虫剤を散布することなく、あるいは殺菌剤や殺 虫剤の量を少なくして、きゅうりやとまと等の農作物の病害や害虫の発生を極め て有効に阻止できる農業用ハウスにおける農作物の栽培装置を提供することにあ る。また、本考案は、きゅうりやとまと等の野菜類にだけ効果があるものではな く、ハウス内で栽培されるらんなどの花や観葉植物および果樹の栽培にも効果が ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案の農業用ハウスにおける農作物の栽培装置は、農作物を栽培する農業用 ハウス1内に複数の青色系発光ダイオード5を設け、青色系発光ダイオード5で 青色光をハウス内に照射し、農作物に直接あるいは間接的に照射している。
【0007】 青色系発光ダイオード5は、昼夜連続して農作物に青色光を照射することがで きる。さらに、青色系発光ダイオード5は、農業用ハウス1の上部に、所定の間 隔で配設することができる。青色系発光ダイオード5は、多数を直線状に連結し て、農業用ハウス1の上部に配設することができる。さらに、青色系発光ダイオ ード5は、3〜100cm間隔で連結することができる。農作物を栽培する培地 6から青色系発光ダイオード5までの間隔は、50cm〜3mとすることができ る。複数の青色系発光ダイオード5は、パイプ7に入れて連結することができる 。パイプ7は透明とすることができる。青色系発光ダイオード5は、ピーク波長 を400〜500nmとすることができる。
【0008】 さらに、本考案の農業用ハウスにおける農作物の栽培装置は、ハウス内で栽培 される野菜類だけでなく、花や観葉植物および果樹にも適用することができる。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例 は、本考案の技術思想を具体化するための農作物の栽培装置を例示するものであ って、本考案は農作物の栽培装置を下記のものに特定しない。
【0010】 さらに、この明細書は、実用新案登録請求の範囲を理解し易いように、実施例 に示される部材に対応する番号を、「実用新案登録請求の範囲の欄」、および「 課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、実用新 案登録請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してな い。
【0011】 図1に示す栽培装置は、農作物を栽培する閉鎖空間4の農業用ハウス1内に多 数の青色系発光ダイオード5を設けており、この青色系発光ダイオード5で農作 物に青色光を照射するようにしている。農業用ハウス1は、フレーム2の表面に 透明フィルム3を張設して、内部に閉鎖空間4を設けている。透明フィルム3は 、塩化ビニルフィルムである。図の農業用ハウス1は、パイプをアーチ状に湾曲 したフレーム2を一定の間隔に並べて垂直に固定し、その表面に透明フィルム3 を張設している。農業用ハウスは、鉄骨構造として透明フィルムを張設し、ある いは鉄骨にガラスを固定して閉鎖空間を設けることもできる。さらに、図の農業 用ハウス1は、農作物を路地栽培しているが、図2の断面図に示すように、地面 から離して水耕栽培用の培地6を設けることもできる。
【0012】 図の栽培装置は、農業用ハウス1の上部に、多数の青色系発光ダイオード5を 配設している。青色系発光ダイオード5は、所定の間隔で直線状に連結して、農 業用ハウス1の内部に配設している。この栽培装置は、青色系発光ダイオード5 を約10cmの間隔で直線状に並べて連結している。ただし、青色系発光ダイオ ード5の間隔は、3〜100cm、好ましく5〜30cm、さらに好ましくは5 〜20cmとすることができる。青色系発光ダイオード5は、この間隔を狭くし て多数にすると、青色光が農作物を照射する光の強度が強くなる。反対に青色系 発光ダイオード5の間隔を広くすると、青色光が農作物を照射する強度が弱くな る。青色系発光ダイオード5が農作物に青色光を照射するのは、青色光で農作物 を生育させるためでは決してない。青色系発光ダイオード5の青色光でべと病等 の病害やダニ等の害虫の発生を抑制し、あるいはべと病等の病害やダニ等の害虫 の蔓延を阻止するためである。このことを実現する青色光の強度は極めて弱い。 たとえば、青色系発光ダイオード5を定格電力で点灯して、100平方メートル に50〜500個で充分である。青色系発光ダイオード5の発光効率は次第に向 上しているので、発光効率の優れた青色系発光ダイオード5を使用して、その個 数はさらに少なくできる。
【0013】 図1の農業用ハウス1は、上部に1列に青色系発光ダイオード5を配設してお り、図2の農業用ハウス1は、複数列に青色系発光ダイオード5を配設している 。図2に示すように、複数列に青色系発光ダイオード5を配設する栽培装置は、 農作物に種々の方向から青色光を照射できるので、べと病等の病害やダニ等の害 虫をより効果的に阻止できる特長がある。また、農作物を栽培している列の真上 に青色系発光ダイオード5を配設して、効率よく青色光を照射できる特長もある 。
【0014】 青色系発光ダイオード5が効率よく農作物に青色光を照射できるように、青色 系発光ダイオード5から農作物を栽培している培地6までの間隔は、約1.5メ ートルとする。ただし、この間隔は、50cm〜3mとすることもできる。青色 系発光ダイオード5が培地6に接近すると、青色光の強度は強くなるが、ひとつ の青色系発光ダイオード5が照射できる面積が狭くなる。また、農作物の近くに 青色系発光ダイオード5があると、作業の邪魔にもなる。したがって、青色系発 光ダイオード5と培地6の間隔は、能率よく作業ができ、かつ青色系発光ダイオ ード5が広い面積で農作物に青色光を照射できるように、前述の範囲とする。
【0015】 図の栽培装置は、図3に示すように、複数の青色系発光ダイオード5をパイプ 7に入れて直線状に連結している。パイプ7は透明とすることができる。この構 造は、多数の青色系発光ダイオード5を簡単な構造で直線状に連結できる特長が ある。また、透明パイプ7で青色系発光ダイオード5を保護できる特長もある。 さらに、青色系発光ダイオード5に接続しているリード線5Aを絶縁できる特長 もある。透明パイプ7は、プラスチック製、あるいはガラス製である。
【0016】 青色系発光ダイオード5は、ピーク波長を450nmとするものが適している が、ピーク波長を400〜500nmとするものも使用できる。青色系発光ダイ オード5は、ピーク波長を400〜500nmとして、べと病等の病害の発生を 効率よく阻止できる。
【0017】 図4は、青色系発光ダイオード5の点灯回路8を示す回路図である。この図に 示すように、多数の青色系発光ダイオード5は直列に接続され、さらにこれに電 流制限抵抗9を直列に接続して電源回路10に接続される。電源回路10は、入 力される商用電源である交流の100Vを、直列に接続している複数の青色系発 光ダイオード5を点灯できる電圧と電流の直流に変換して出力する。電流制限抵 抗9は、直列に接続している青色系発光ダイオード5に定格電流を流すために接 続している。
【0018】 ひとつの農業用ハウス1に数百個の青色系発光ダイオード5で青色光を照射す る栽培装置は、多数の青色系発光ダイオード5を直列に接続し、さらにこれを並 列に接続して、全体の青色系発光ダイオード5の個数を調整する。青色系発光ダ イオード5の全体の個数は、並列に接続する数で調整できる。
【0019】 ただ、青色系発光ダイオード5は、図5に示すように、多数を並列に接続し、 さらにこれに電流制限抵抗9を直列に接続して電源回路10に接続することもで きる。この電源回路10は、商用電源である交流の100Vを、並列に接続して いる複数の青色系発光ダイオード5を点灯できる電圧と電流の直流に変換して出 力する。さらに、数百個の青色系発光ダイオード5で青色光を照射する栽培装置 は、多数の青色系発光ダイオード5を並列に接続してこれに電流制限抵抗9を直 列に接続したものを、さらに並列に接続して全体の青色系発光ダイオード5の個 数を調整する。並列に接続される青色系発光ダイオード5も、図6に示すように 、透明パイプ7に入れて直線状に連結できる。このように、多数の青色系発光ダ イオード5を並列に接続する構造は、いずれかの青色系発光ダイオード5が断線 等により正常に発光しなくなっても、残りの青色系発光ダイオード5を発光させ て青色光を照射できる。
【0020】 さらに、図4と図5の点灯回路8は、電源回路10にタイマー11を接続して いる。タイマー11は、青色系発光ダイオード5の点灯時間を記憶している。こ のタイマー11は、夜間に青色系発光ダイオード5を点灯する24時間タイマー である。タイマー11を備える栽培装置は、夜間にのみ青色系発光ダイオード5 を点灯するので、電力消費を少なくして経済的にできる特長がある。ただ、青色 系発光ダイオードは極めて長寿命で消費電力も少ないので、昼間に消灯すること なく、24時間連続して昼夜点灯することもできる。この点灯回路はタイマーを 必要とせず、安価にできる。
【0021】
【考案の効果】
本考案の農作物の栽培装置は、殺菌剤や殺虫剤を散布することなく、あるいは 殺菌剤や殺虫剤の量を少なくして、農作物に独特のべと病等の病害やダニ等の害 虫の発生を極めて有効に阻止できる特長がある。それは、本考案の農作物の栽培 装置が、農作物を栽培する農業用ハウス内に多数の青色系発光ダイオードを設け ており、青色系発光ダイオードで農作物に青色光を照射してべと病等の病害やダ ニ等の害虫の発生を防止しているからである。このように、本考案の農作物の栽 培装置は、青色系発光ダイオードで青色光を照射してべと病等の病害やダニ等の 害虫の発生を防止するので、殺菌剤や殺虫剤を散布することなく、あるいは殺菌 剤や殺虫剤の量を少なくして農作物を栽培できる。このため、殺菌剤や殺虫剤に 起因する種々の弊害を解消して、安全で高品質な農作物を理想的に生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例にかかる農作物の栽培装置の
斜視図
【図2】本考案の他の実施例にかかる農作物の栽培装置
の断面図
【図3】複数の青色系発光ダイオードを透明パイプに配
設する状態を示す拡大断面図
【図4】青色系発光ダイオードの点灯回路の一例を示す
回路図
【図5】青色系発光ダイオードの点灯回路の他の一例を
示す回路図
【図6】複数の青色系発光ダイオードを透明パイプに配
設する他の一例を示す拡大断面図
【符号の説明】
1…農業用ハウス 2…フレーム 3…透明フィルム 4…閉鎖空間 5…青色系発光ダイオード 5A…リード線 6…培地 7…透明パイプ 8…点灯回路 9…電流制限抵抗 10…電源回路 11…タイマー

Claims (12)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農業用ハウス(1)内に複数の青色系発光
    ダイオード(5)を設け、青色系発光ダイオード(5)で青色
    光を照射し、農作物に直接あるいは間接的に青色光を照
    射するようにしてなる農業用ハウスにおける農作物の栽
    培装置。
  2. 【請求項2】 青色系発光ダイオード(5)が昼夜連続し
    て農業用ハウス(1)内に青色光を照射する請求項1に記
    載される農業用ハウスにおける農作物の栽培装置。
  3. 【請求項3】 農業用ハウス(1)の上部に、青色系発光
    ダイオード(5)を所定の間隔で配設している請求項1に
    記載される農業用ハウスにおける農作物の栽培装置。
  4. 【請求項4】 多数の青色系発光ダイオード(5)を直線
    状に連結して、農業用ハウス(1)の上部に配設している
    請求項1に記載される農業用ハウスにおける農作物の栽
    培装置。
  5. 【請求項5】 青色系発光ダイオード(5)を3〜100
    cm間隔で連結している請求項1に記載される農業用ハ
    ウスにおける農作物の栽培装置。
  6. 【請求項6】 農作物を栽培する培地(6)から青色系発
    光ダイオード(5)までの間隔が50cm〜3mである請
    求項1または5に記載される農業用ハウスにおける農作
    物の栽培装置。
  7. 【請求項7】 複数の青色系発光ダイオード(5)をパイ
    プ(7)に入れて連結している請求項1に記載される農業
    用ハウスにおける農作物の栽培装置。
  8. 【請求項8】 パイプ(7)が透明である請求項1に記載
    される農業用ハウスにおける農作物の栽培装置。
  9. 【請求項9】 青色系発光ダイオード(5)のピーク波長
    が400〜500nmである請求項1に記載される農業
    用ハウスにおける農作物の栽培装置。
  10. 【請求項10】 農作物が野菜である請求項1に記載さ
    れる農業用ハウスにおける農作物の栽培装置。
  11. 【請求項11】 農作物が果実である請求項1に記載さ
    れる農業用ハウスにおける農作物の栽培装置。
  12. 【請求項12】 農作物が花および観葉植物である請求
    項1に記載される農業用ハウスにおける農作物の栽培装
    置。
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