JP3094415U - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JP3094415U JP2002007637U JP2002007637U JP3094415U JP 3094415 U JP3094415 U JP 3094415U JP 2002007637 U JP2002007637 U JP 2002007637U JP 2002007637 U JP2002007637 U JP 2002007637U JP 3094415 U JP3094415 U JP 3094415U
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世明 白鳥
慎哉 櫛田
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有限会社白鳥ナノテクノロジー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度や湿度の影響に左右されない正確な測定
を可能にする。 【解決手段】 板状の水晶振動子121の両面に電極1
22,123を形成し、その表面にリン酸ジルコニウム
を含む感応膜124を形成したガス検出子120を、温
湿度検出子130とともにチャンバ110内に収容し、
ポンプ140により外気を導入する。外気内のアンモニ
アガスが感応膜124に吸着すると、水晶振動子121
の固有振動周波数fがシフトする。発振回路210に接
続された周波数計数回路220により、周波数fを測定
し、濃度値演算回路230により、外気中のアンモニア
濃度Cを求める。チャンバ110内の温度tおよび湿度
hは、温湿度検出子130により測定され、濃度値演算
回路230による演算の際に、温度および湿度の影響を
除外するための補正演算が行われる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はガスセンサに関し、特に、検出対象ガスを吸着する性質をもった感応 膜を利用して、特定のガスの濃度を検出するガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセンサは様々な用途で利用されており、ガスの種類を分析する機能をもっ たセンサや、特定のガスの濃度を正確に測定する機能をもったセンサなど、用途 に応じて様々なタイプのものが使われている。特定のガスの濃度を測定するセン サとしては、当該特定のガスを吸着する性質をもった感応膜を利用したセンサが 知られている。たとえば、下記の特許文献には、正の電荷をもったポリアリルア ミン塩酸塩(PAH)と、負の電荷をもったポリアクリル酸(PAA)とを交互 に積層してなる交互吸着膜を感応膜として用いることにより、タバコの煙の主成 分を検出することができるガスセンサが開示されている。
【特許文献1】 特開2000−275157号公報
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
感応膜を用いたガスセンサにおいて、検出感度を高めるためには、感応膜に吸 着されたガス分子の質量を正確に測定する必要がある。そこで、たとえば、上掲 の特許文献1などでは、水晶振動子の表面に感応膜を形成し、感応膜にガス分子 が吸着すると水晶振動子の固有の振動周波数が変化する現象を利用して、吸着し たガス分子の質量を正確に測定する手法を採っている。
【0004】 しかしながら、このような手法を採用したガスセンサであっても、温度や湿度 が変化した場合には、正確な測定値を得ることができなくなる。すなわち、セン サ周囲の温度が上昇すると、水晶振動子の熱膨張により固有の振動周波数も変化 するので、温度変動により測定値に誤差が生じることになる。また、アンモニア については、温度によって感応膜に対する吸着特性が変化することも明らかにな った。更に、一般的な感応膜は吸水性を有しているので、センサ周囲の湿度が上 昇すると、感応膜に吸収される水分量が増加し、この吸収された水分に溶け込む 性質をもったガスの場合、感応膜への吸着量も増加することになる。したがって 、従来のガスセンサには、温度や湿度の影響により測定誤差が生じるという問題 点があった。
【0005】 そこで本考案は、温度や湿度の影響に左右されずに正確な測定が可能なガスセ ンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本考案の第1の態様は、水晶振動子と、この水晶振動子の互いに対向す る面に形成された一対の電極と、この一対の電極のうちの少なくとも一方の表面 に形成され検出対象となるガスを吸着する性質をもった感応膜と、を有するガス 検出子と、 周囲の温度および湿度を検出して電気信号として出力する温湿度検出子と、 ガス検出子および温湿度検出子を収容するとともに、外気を導入する導入口お よび導入した外気を排出する排出口を備えたチャンバと、 チャンバに対する外気の導入および排出を行うためのポンプと、 ガス検出子の一対の電極に、所定の周波数をもった交流電力を供給して、水晶 振動子を固有の周波数で振動させる発振回路と、 この発振回路の動作に基づいて固有の周波数を計数する周波数計数回路と、 この周波数計数回路により計数された周波数に基づいて、検出対象となるガス の濃度値を求める演算を行う機能を有する濃度値演算回路と、 によってガスセンサを構成し、濃度値を求める演算の際に、温湿度検出子によ って検出された温度および湿度に基づく補正演算が行われるようにしたものであ る。
【0007】 (2) 本考案の第2の態様は、上述の第1の態様に係るガスセンサにおいて、 温湿度検出子による検出温度をt、検出湿度をhとしたときに、ξ(t,h) =k1・h+k2・h+k3・h+k4・h+k5・t+k6・t+k 7なる式(ただし、k1〜k7は所定の係数)で表される補正関数ξ(t,h) を定義し、 濃度値演算回路が、周波数計数回路により計数された周波数に対して、補正関 数の値を乗じることにより補正演算を行うようにしたものである。
【0008】 (3) 本考案の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係るガスセンサ において、 感応膜として、リン酸ジルコニウムを含む薄膜を用い、この感応膜に対するア ンモニア分子の吸着現象を利用して、アンモニアガスの検出を行うことができる ようにしたものである。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本考案の基本 的な実施形態に係るガスセンサの構成を示すブロック図である(チャンバ110 およびガス検出子120については断面構造図が描かれている)。このガスセン サは、大きく分けて、物理的機能部100と、電気的機能部200とによって構 成されている。
【0010】 ここで、物理的機能部100は、チャンバ110、ガス検出子120、温湿度 検出子130、ポンプ140、なる物理的な構成要素からなる部分である。チャ ンバ110は、この実施形態では、金属製からなる密閉された外囲器をなす構造 体であり、ガス検出子120および温湿度検出子130を内部に収容している。 また、このチャンバ110には、外気を導入する導入口111および導入した外 気を排出する排出口112が備わっている。排出口112にはポンプ140が接 続されており、このポンプ140を動作させることにより、チャンバ110内を 減圧させることができ、結果的に、導入口111から外気をチャンバ110内に 導入することができる。
【0011】 ガス検出子120は、このガスセンサの中枢をなす構成要素であり、図に断面 構造を示すとおり、水晶振動子121、一対の電極122,123、感応膜12 4、によって構成されている。水晶振動子121は、板状の形態をしており、そ の両面にそれぞれ電極122および電極123が形成されている。このように、 水晶振動子121の互いに対向する面に一対の電極122,123を形成してお くと、両電極間に交流電力を供給することにより、水晶振動子121を固有の周 波数で振動させることができる。図示の例では、一方の電極122の表面に、更 に感応膜124が形成されている。この感応膜124は、検出対象となるガスを 吸着する性質をもった膜であれば、どのような膜を用いてもかまわない。
【0012】 ここで述べる実施形態の場合、アンモニアガスを検出するガスセンサであるた め、感応膜124としては、アンモニアガスを吸着する性質をもった膜が用いら れている。具体的には、リン酸ジルコニウムを含む薄膜を感応膜124として用 いており、この感応膜124に対するアンモニア分子の吸着現象を利用して、ア ンモニアガスの検出を行うことになる。検出感度が良好な感応膜124を作成す るため、本願考案者は、層状結晶をなすα−リン酸ジルコニウム水溶液にテトラ ブチルアンモニウムヒドロキシドを加えることにより、個々の層状結晶を溶液中 で剥離状態にし、この溶液を電極122上に滴下してキャストする方法により、 アンモニア分子に対する吸着性能の高い感応膜124を実現した。なお、感応膜 124は、電極122,123の双方の表面に形成してもかまわないが、本願考 案者が行った実験によると、一方の電極側にのみ感応膜124を形成した方がよ り安定した検出動作が可能になった。これは、両電極の表面に感応膜を形成する と、水晶振動子121の内部に機械的な歪みが発生しやすくなるためと考えられ る。
【0013】 一方、温湿度検出子130は、周囲の温度および湿度を検出して電気信号とし て出力する素子であり、これをチャンバ110内に収容することにより、チャン バ110内に導入された外気の温度tおよび湿度hを検出し、電気信号として取 り出すことが可能になる。このような機能をもった温湿度検出子130は、種々 のタイプのものが市販されているので、ここでは詳しい説明は省略する。
【0014】 続いて、電気的機能部200の構成を説明する。前述の物理的機能部100で は、主として物理的な現象により検出に必要な操作が行われるのに対して、電気 的機能部200では、電気的な現象により検出に必要な操作が行われる。図示の とおり、この電気的機能部200は、発振回路210、周波数計数回路220、 濃度値演算回路230、ディスプレイ240、プリンタ250によって構成され ている。発振回路210は、電極122,123間に、所定の周波数をもった交 流電力を供給して、水晶振動子121を固有の周波数で振動させる機能をもった 電子回路である。周波数計数回路220は、この発振回路210の動作に基づい て、水晶振動子121が振動している固有の周波数を計数する機能を有する。水 晶振動子121の固有の振動周波数は、その形状、大きさ、質量といった物理的 な条件によって一義的に決まるものであり、発振回路210は、水晶振動子12 1をこの固有の周波数で振動させるような交流を発生させる。周波数計数回路2 20は、この発振回路210が発生させた交流の周波数を計数する機能をもった 回路である。このような機能をもった発振回路210および周波数計数回路22 0も公知の回路であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
【0015】 なお、図1において、発振回路210と電極122,123との間を結ぶ線は 、実際の配線を示しているが、矢印で示した他の線は、各ブロックで示す構成要 素間の情報の流れを示している。
【0016】 周波数計数回路220によって計数された周波数fは、濃度値演算回路230 へと与えられる。この濃度値演算回路230は、実際にはマイクロプロセッサを 組み込んだ回路であり、周波数fに基づいて、検出対象となるガスの濃度値Cを 求める演算を行う機能を有する。こうして求められた濃度値Cは、ディスプレイ 240およびプリンタ250へと与えられ、このガスセンサによる検出結果とし て、画面上に表示されたり、ロール紙上に印字されたりする。なお、ここに示す 実施形態では、ディスプレイ240とプリンタ250との双方を組み込んでいる が、必要に応じていずれか一方のみを組み込むようにしてもよいし、濃度値演算 回路230が出力する濃度値Cを別な機器に取り込んで用いるような利用形態を 採る場合には、ディスプレイ240およびプリンタ250を設けなくてもかまわ ない。
【0017】 前述したように、水晶振動子121の固有の振動周波数は、その形状、大きさ 、質量といった物理的な条件によって一義的に決まるので、感応膜124にガス 分子が吸着すると、固有の振動周波数に変化が生じることになる。この周波数の シフト量は、質量の増減量に対してほぼ線形に変化することが知られている。し たがって、感応膜124に何らガスの吸着が生じていない標準状態において、周 波数計数回路220から出力される周波数fの値を周波数の基準値f0と定めて おけば(ここで述べる実施形態では、f0=10MHz)、検出時に得られる周 波数fの基準値f0に対するシフト量が、感応膜124に吸着したガスの質量( すなわち、チャンバ110内に導入された外気内のガスの濃度)を示すものにな る。濃度値演算回路230は、このような原理に基づいて、周波数fから濃度値 Cを求める演算を行うことになる。
【0018】 しかしながら、既に述べたとおり、チャンバ110内に導入された外気の温度 や湿度が変化した場合には、正確な測定値を得ることができなくなる。たとえば 、チャンバ110内に導入された外気温が上昇すると、水晶振動子121の熱膨 張により、その固有の振動周波数も変化するので、温度変動により測定値に誤差 が生じる。また、感応膜とアンモニアとの間の吸着特性も温度によって変化する 。更に、導入された外気の湿度が上昇すると、感応膜124に吸収される水分量 も増加することになり、この水分にアンモニアガスが溶け込む現象が生じるため 、検出される濃度値Cは実際より大きい値になる。
【0019】 本考案に係るガスセンサの特徴は、温湿度検出子130が検出した温度tおよ び湿度hを用いた補正を行うことにより、上述した測定誤差を低減し、測定精度 を高める点にある。すなわち、濃度値演算回路230は、周波数計数回路220 から出力された周波数fに基づいて濃度値Cを求める演算を行う際に、温湿度検 出子130によって検出された温度tおよび湿度hに基づく補正演算を行う機能 を有している。したがって、濃度値演算回路230から出力される濃度値Cは、 温度tや湿度hの影響を受けない正確な検出値になる。
【0020】 図2は、濃度値演算回路230によって行われる演算の一例を示す式である。 図2(a) は、濃度値演算の大まかな流れを示している。まず、周波数計数回路2 20から出力された周波数f(Hz)に対して、温度tおよび湿度hの影響を排 除するための補正演算が行われ、補正後の周波数F(Hz)が求められる。この 補正演算は、図2(b) に示すように、所定の補正関数ξ(t,h)を用いて、F =f・ξ(t,h)なる乗算を行うことにより実行することができる。
【0021】 続いて、この補正後の周波数F(Hz)に基づいて、感応膜124に吸着した ガス分子の質量M(ng)が演算される。この演算は、前述したように、周波数 のシフト量と吸着分子の質量とがほぼ線形になる関係を利用して行われる。最後 に、このガス分子の質量M(ng)から、導入された外気中の検出対象ガス(こ の例ではアンモニアガス)の濃度値C(ppm)が求められる。これは、チャン バ110の容積や外気の流速といったパラメータを考慮した演算を行えばよい。
【0022】 温度tや湿度hの変化によって、水晶振動子121にどのような物理的な変化 が生じ、また、検出対象ガスの分子の吸着現象にどのような影響が生じるのか、 という事項についての理論的な考察はまだ完全には行われていない。したがって 、温度tや湿度hの影響を相殺する補正を行うための補正関数ξ(t,h)を理 論的に決定することは非常に困難である。そこで、本願考案者は、温度tや湿度 hを様々に変化させながら、図1に示すガスセンサにおける周波数計数回路22 0が出力する周波数fがどのように変わるかを実測し、これら実測値に基づいて 、補正関数ξ(t,h)を決定する手法を採った。図2(c) に、このような手法 で得られた補正関数ξ(t,h)の一例を示す。この例では、ξ(t,h)=k 1・h+k2・h+k3・h+k4・h+k5・t+k6・t+k7な る式で表される補正関数ξ(t,h)が定義されている。ここで、k1〜k7は 所定の係数であり、湿度hに関しては4次式、温度tに関しては2次式となって いる。
【0023】 この図2(c) の式で示される補正関数の物理的な意味についての解析は現時点 ではなされていない。しかしながら、本願考案者が行った実験に関する限りにお いて、このような式を補正関数として用いて補正演算を行うことにより、温度t および湿度hの影響をかなりの精度で補正することが可能になった。
【0024】 図3は、水晶振動子121の固有の振動周波数の温度依存性を示すグラフであ る。温度を30°Cあたりから徐々に下げてゆくと、固有周波数に変動が生じ、 基準周波数からのシフト量が徐々に増加してゆく。その影響は、湿度が高いほど 大きいことがわかる。一方、図4は、水晶振動子121の固有の振動周波数の湿 度依存性を示すグラフである。湿度を基準となる0%から徐々に上げてゆくと、 固有周波数に変動が生じ、周波数のシフト量が徐々に増加してゆく。その影響は 、温度が低いほど大きいことがわかる。
【0025】 この図3,図4に示すグラフは、特定の水晶振動子121と特定の感応膜12 4とを用いて、特定のガス(この例では、アンモニアガス)に関する検出実験を 行った結果であり、水晶振動子121の形状や質量、感応膜124の材質や厚み などが異なれば、当然、これらのグラフも異なっている。しかしながら、同一の ガスセンサを量産する場合には、当該量産タイプのガスセンサについて、所定濃 度のガスを流した状態で、温度tや湿度hを種々に変化させたときの水晶振動子 121の固有周波数の変化を実測し、この実測値に基づいて補正関数ξ(t,h )を決定すればよい。本願考案者が行った実験によれば、個々の係数k1〜k7 の値は個々のセンサごとに異なるものの、多くのケースでは、図2(c) に示す式 で示される補正関数ξ(t,h)をそのまま適用可能である。
【0026】 以上、本考案を図示する実施形態に基づいて説明したが、本考案はこの実施形 態に限定されるものではなく、この他にも種々の形態で実施可能である。たとえ ば、図2(a) に示す例では、測定された周波数fに対して補正関数ξ(t,h) を作用させる補正演算を行っているが、補正前の周波数fに基づいて質量Mや濃 度値Cを演算し、この質量Mあるいは濃度値Cに対して何らかの補正関数を作用 させる補正演算を行うようにしてもよい。
【0027】
【考案の効果】
以上のとおり、本考案に係るガスセンサによれば、温湿度検出子によりチャン バ内の温度および湿度を検出し、検出値に基づく補正を行うようにしたため、温 度や湿度の影響に左右されずに正確な測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の基本的な実施形態に係るガスセンサの
構成を示すブロック図である(チャンバ110およびガ
ス検出子120については断面構造図が描かれてい
る)。
【図2】図1に示す濃度値演算回路230によって行わ
れる演算の一例を示す式である。
【図3】水晶振動子121の固有の振動周波数の温度依
存性を示すグラフである。
【図4】水晶振動子121の固有の振動周波数の湿度依
存性を示すグラフである。
【符号の説明】
100…物理的機能部 110…チャンバ 111…導入口 112…排出口 120…ガス検出子 121…水晶振動子 122…電極 123…電極 124…感応膜 130…温湿度検出子 140…ポンプ 200…電気的機能部 210…発振回路 220…周波数計数回路 230…濃度値演算回路 240…ディスプレイ 250…プリンタ C…検出されたガスの濃度値 f…測定された周波数 F…補正された周波数 h…湿度 k1〜k7…係数 M…検出されたガスの質量 t…温度 ξ(t,h)…補正関数

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子と、この水晶振動子の互いに
    対向する面に形成された一対の電極と、この一対の電極
    のうちの少なくとも一方の表面に形成され検出対象とな
    るガスを吸着する性質をもった感応膜と、を有するガス
    検出子と、 周囲の温度および湿度を検出して電気信号として出力す
    る温湿度検出子と、 前記ガス検出子および前記温湿度検出子を収容するとと
    もに、外気を導入する導入口および導入した外気を排出
    する排出口を備えたチャンバと、 前記チャンバに対する外気の導入および排出を行うため
    のポンプと、 前記一対の電極に、所定の周波数をもった交流電力を供
    給して、前記水晶振動子を固有の周波数で振動させる発
    振回路と、 前記発振回路の動作に基づいて前記固有の周波数を計数
    する周波数計数回路と、 前記周波数計数回路により計数された周波数に基づい
    て、検出対象となるガスの濃度値を求める演算を行う機
    能を有する濃度値演算回路と、 を備え、前記演算には、前記温湿度検出子によって検出
    された温度および湿度に基づく補正演算が含まれている
    ことを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガスセンサにおいて、 温湿度検出子による検出温度をt、検出湿度をhとした
    ときに、ξ(t,h)=k1・h+k2・h+k3
    ・h+k4・h+k5・t+k6・t+k7なる式
    (ただし、k1〜k7は所定の係数)で表される補正関
    数ξ(t,h)を定義し、 濃度値演算回路が、周波数計数回路により計数された周
    波数に対して、前記補正関数の値を乗じることにより補
    正演算を行うことを特徴とするガスセンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のガスセンサに
    おいて、 感応膜として、リン酸ジルコニウムを含む薄膜を用い、
    この感応膜に対するアンモニア分子の吸着現象を利用し
    て、アンモニアガスの検出を行う機能をもったガスセン
    サ。
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