JP2001304945A - 高周波数水晶振動子を用いた超微量質量の検出装置及びその校正方法 - Google Patents
高周波数水晶振動子を用いた超微量質量の検出装置及びその校正方法Info
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- JP2001304945A JP2001304945A JP2000119301A JP2000119301A JP2001304945A JP 2001304945 A JP2001304945 A JP 2001304945A JP 2000119301 A JP2000119301 A JP 2000119301A JP 2000119301 A JP2000119301 A JP 2000119301A JP 2001304945 A JP2001304945 A JP 2001304945A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 重さセンサー、化学センサー、免疫センサ
ー、粘度センサーや膜厚計などの、水晶振動子への微量
質量付着による直列共振点の変化を検出する装置を高精
度とし、また、その検出装置を高精度で校正できる校正
方法を得る。 【構成】 従来の振動子に仕べて、著しく高い基本周波
数を持つ水晶振動子及び同水晶振動子の倍音を用いるこ
とにより検出精度が向上し、超微量質量を検出すること
ができると共に、これをインピーダンスアナライザを用
いて直列共振点の変化を検出することにより、前記のよ
うなものの質量付加に対する共振点変化を厳密に測定す
ることができる。また、水晶振動子にプラズマ重合法を
用いてプラズマ重合膜を所定時間被覆し、被覆されたプ
ラズマ重合膜の質量を検出して、水晶振動子への所定量
の質量付加と検出質量とを比較することによりその検出
装置の厳密な校正を行う。それにより、より高精度の検
出装置が得られる。
ー、粘度センサーや膜厚計などの、水晶振動子への微量
質量付着による直列共振点の変化を検出する装置を高精
度とし、また、その検出装置を高精度で校正できる校正
方法を得る。 【構成】 従来の振動子に仕べて、著しく高い基本周波
数を持つ水晶振動子及び同水晶振動子の倍音を用いるこ
とにより検出精度が向上し、超微量質量を検出すること
ができると共に、これをインピーダンスアナライザを用
いて直列共振点の変化を検出することにより、前記のよ
うなものの質量付加に対する共振点変化を厳密に測定す
ることができる。また、水晶振動子にプラズマ重合法を
用いてプラズマ重合膜を所定時間被覆し、被覆されたプ
ラズマ重合膜の質量を検出して、水晶振動子への所定量
の質量付加と検出質量とを比較することによりその検出
装置の厳密な校正を行う。それにより、より高精度の検
出装置が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超微量の物質質量
を高周波数水晶振動子を用いて検出する装置、及びその
校正方法に関し、特に前記超微量質量を超高感度で検出
することができると共に、このような超微量質量の検出
装置を正確に校正することができるようにした高周波数
水晶振動子を用いた超微量質量の検出装置、及びその校
正方法に関する。
を高周波数水晶振動子を用いて検出する装置、及びその
校正方法に関し、特に前記超微量質量を超高感度で検出
することができると共に、このような超微量質量の検出
装置を正確に校正することができるようにした高周波数
水晶振動子を用いた超微量質量の検出装置、及びその校
正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水晶振動子は安定な発振素子とし
て時計、計測器など多くの機器に使用されてきた。ま
た、化学計測の分野においては、超微量天秤としての特
性を生かしたガスセンサー、免疫センサー、粘度センサ
ー、バイオセンサー、膜厚計等の各種の計測に用られて
いる。
て時計、計測器など多くの機器に使用されてきた。ま
た、化学計測の分野においては、超微量天秤としての特
性を生かしたガスセンサー、免疫センサー、粘度センサ
ー、バイオセンサー、膜厚計等の各種の計測に用られて
いる。
【0003】水晶振動子に用いられる水晶薄片はその両
面に薄膜電極を取り付け、電圧を加えることによって圧
電効果により歪みを生じ、取り除くと元に戻るという性
質をもっている。この性質から、水晶振動子は厚さで決
まる固有の発振周波数で発振する。即ち、水晶振動子の
電極上に物質が吸着すると、厚さが変り発振周波数が変
化する。
面に薄膜電極を取り付け、電圧を加えることによって圧
電効果により歪みを生じ、取り除くと元に戻るという性
質をもっている。この性質から、水晶振動子は厚さで決
まる固有の発振周波数で発振する。即ち、水晶振動子の
電極上に物質が吸着すると、厚さが変り発振周波数が変
化する。
【0004】この発振周波数変化Δfは水晶の厚さの変
化と比例関係にあるが、厚さの変化を質量変化Δmに置
き換えるとサーブレの式と呼ばれる次式が導かれる。
化と比例関係にあるが、厚さの変化を質量変化Δmに置
き換えるとサーブレの式と呼ばれる次式が導かれる。
【数1】 ここでfoは水晶振動子の基本周波数、ρqとμqは水
晶の密度と弾性率、Aは圧電応答している部分の面積で
ある。
晶の密度と弾性率、Aは圧電応答している部分の面積で
ある。
【0005】質量変化Δmは、発振周波数変化Δfとの
関係からfoの2乗に比例するから、質量感度を大きく
するにはfoの大きな水晶振動子の使用が望ましい。し
かし、水晶振動子の基本周波数foがあまり大きいと水
晶薄片が薄くなり壊れやすいため、通常は5〜10MHz
の水晶振動子が用いられる。従来の水晶振動子は加工上
の問題のため基本周波数のものでは30MHzが最大であ
った。これまで溶液中で用いられた水晶振動子の最大周
波数は30MHzであるが、汎用水晶振動子の検出限界を
超える質量測定には至っていない(「最新の分離・精製
・検出法」P441、エヌ・ティー・エス出版、1997年5月2
6日発行参照)。
関係からfoの2乗に比例するから、質量感度を大きく
するにはfoの大きな水晶振動子の使用が望ましい。し
かし、水晶振動子の基本周波数foがあまり大きいと水
晶薄片が薄くなり壊れやすいため、通常は5〜10MHz
の水晶振動子が用いられる。従来の水晶振動子は加工上
の問題のため基本周波数のものでは30MHzが最大であ
った。これまで溶液中で用いられた水晶振動子の最大周
波数は30MHzであるが、汎用水晶振動子の検出限界を
超える質量測定には至っていない(「最新の分離・精製
・検出法」P441、エヌ・ティー・エス出版、1997年5月2
6日発行参照)。
【0006】近年、ダイオキシン類や環境ホルモン等に
よる環境汚染が深刻な社会問題とされており、環境保全
を図るための環境モニタリング用には、pg(10
−12g)からfg(10−15g)の質量を検出対象とした
超徹量の化学物質を定量的に測定する技術が必要とされ
ている。このように超高感度を要求されるに従い、測定
に使用する水晶振動子の発振周波数を上げて高感度化に
対応せざるを得なくなってきている。
よる環境汚染が深刻な社会問題とされており、環境保全
を図るための環境モニタリング用には、pg(10
−12g)からfg(10−15g)の質量を検出対象とした
超徹量の化学物質を定量的に測定する技術が必要とされ
ている。このように超高感度を要求されるに従い、測定
に使用する水晶振動子の発振周波数を上げて高感度化に
対応せざるを得なくなってきている。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の
ものにおいてはその質量感度は1ng/Hzと、求められて
いる感度に比べて極端に低いため、水晶振動子によるダ
イオキシン類や環境ホルモン類等の環境モニタリングは
原理的に困難であった。
ものにおいてはその質量感度は1ng/Hzと、求められて
いる感度に比べて極端に低いため、水晶振動子によるダ
イオキシン類や環境ホルモン類等の環境モニタリングは
原理的に困難であった。
【0008】したがって、本発明は、高周波数水晶振動
子を用いて超微量質量を極めて正確に測定することがで
きる超微量質量の検出装置を提供することを目的とし、
またそのような超微量質量の検出装置を正確に校正する
ことができる校正方法を提供することを目的とする。
子を用いて超微量質量を極めて正確に測定することがで
きる超微量質量の検出装置を提供することを目的とし、
またそのような超微量質量の検出装置を正確に校正する
ことができる校正方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、請求項1に係る発明は、高い基本周波数をも
つ水晶振動子及び同水晶振動子の倍音を用い、同水晶振
動子の基本振動数、及び高次副振動数の直列共振点の変
化をインピーダンスアナライザを用いて検出し、水晶振
動子に付加した質量に対する共振点の変化を測定するこ
とを特徴とする請求項1記載の高周波数水晶振動子を用
いた超微量質量の検出装置としたものである。
するため、請求項1に係る発明は、高い基本周波数をも
つ水晶振動子及び同水晶振動子の倍音を用い、同水晶振
動子の基本振動数、及び高次副振動数の直列共振点の変
化をインピーダンスアナライザを用いて検出し、水晶振
動子に付加した質量に対する共振点の変化を測定するこ
とを特徴とする請求項1記載の高周波数水晶振動子を用
いた超微量質量の検出装置としたものである。
【0010】また、請求項2に係る発明は、水晶振動子
にプラズマ重合膜を所定時間被覆し、被覆されたプラズ
マ重合膜の質量を検出して、前記水晶振動子の所定量の
質量付加と検出質量とを比較することにより校正を行う
ことを特徴とする高周波数水晶振動子を用いた超微量質
量の検出装置の校正方法としたものである。
にプラズマ重合膜を所定時間被覆し、被覆されたプラズ
マ重合膜の質量を検出して、前記水晶振動子の所定量の
質量付加と検出質量とを比較することにより校正を行う
ことを特徴とする高周波数水晶振動子を用いた超微量質
量の検出装置の校正方法としたものである。
【0011】本発明の水晶振動子の質量感度の評価方法
には、ATカット、金電極9MHz水晶振動子より基本周波
数の高いATカット、金電極の水晶振動子50MHz(n=
1)、100MHz(n=3)、100MHz(n=5)を各3
個ずつ、50MHz(表面実装型:SMD)、155MHz(表
面実装型:SMD)を各1個ずつ使用した。各水晶振動子
の電極表面は保存している環境由来の付着物がある場合
があるためそのクリーニングには、プラズマ重合装置を
用いて放電出力:100W、ヘリウム圧力:100Paの
グロー放電条件でヘリウムプラズマによるスパッタを行
い表面処理を施した。
には、ATカット、金電極9MHz水晶振動子より基本周波
数の高いATカット、金電極の水晶振動子50MHz(n=
1)、100MHz(n=3)、100MHz(n=5)を各3
個ずつ、50MHz(表面実装型:SMD)、155MHz(表
面実装型:SMD)を各1個ずつ使用した。各水晶振動子
の電極表面は保存している環境由来の付着物がある場合
があるためそのクリーニングには、プラズマ重合装置を
用いて放電出力:100W、ヘリウム圧力:100Paの
グロー放電条件でヘリウムプラズマによるスパッタを行
い表面処理を施した。
【0012】本発明において、水晶振動子の直列共振点
の変化を測定するには従来公知の共振特性測定装置を用
い、例えば図1に示されるようなインピーダンス測定装
置を使用する。特にインピーダンスアナライザはネット
ワークアナライザ、スペクトラムアナライザ、トラッキ
ングジェネレータに比較してその測定精度が高く、厳密
な共振特性を測定するには最適な機種である。図1に示
すインピーダンスアナライザを用いてスパッタを行った
各水晶振動子の基本波、3倍波、5倍波、7倍波、9倍
波、11倍波の各倍音モード(但し、50MHz(n=1)
は9倍波、50MHz(SMD)、155MHz(SMD)は、3倍
波までの測定である)におけるインピーダンス特性での
位相0度の直列共振点を測定し、共振特性測定によって
得られた値から水晶振動子の等価回路における各素子の
値を算出し、位相、共振点のシミュレーションを行な
い、その波形をプリンタで印刷した。等価回路の各素子
の値をパーソナルコンピュータに入力して水晶振動子の
電気的等価回路についての解析を行った。このプラズマ
スパッタによる表面処理を行った水晶振動子の測定値を
プラズマ重合0分として、以後の測定による共振特性の
変化の基点とした。
の変化を測定するには従来公知の共振特性測定装置を用
い、例えば図1に示されるようなインピーダンス測定装
置を使用する。特にインピーダンスアナライザはネット
ワークアナライザ、スペクトラムアナライザ、トラッキ
ングジェネレータに比較してその測定精度が高く、厳密
な共振特性を測定するには最適な機種である。図1に示
すインピーダンスアナライザを用いてスパッタを行った
各水晶振動子の基本波、3倍波、5倍波、7倍波、9倍
波、11倍波の各倍音モード(但し、50MHz(n=1)
は9倍波、50MHz(SMD)、155MHz(SMD)は、3倍
波までの測定である)におけるインピーダンス特性での
位相0度の直列共振点を測定し、共振特性測定によって
得られた値から水晶振動子の等価回路における各素子の
値を算出し、位相、共振点のシミュレーションを行な
い、その波形をプリンタで印刷した。等価回路の各素子
の値をパーソナルコンピュータに入力して水晶振動子の
電気的等価回路についての解析を行った。このプラズマ
スパッタによる表面処理を行った水晶振動子の測定値を
プラズマ重合0分として、以後の測定による共振特性の
変化の基点とした。
【0013】プラズマスパッタ後のインピーダンス測定
終了後、これらの水晶振動子に100W、100Paの条
件で1分間のスチレン膜付けを行ない、インピーダンス
アナライザを用いてスチレン膜重量に対する各水晶振動
子のオーバートーン毎の直列共振点の変化の測定を行っ
た(5分までは1分毎、それ以降については5分毎の膜
付けを行い合計120分の膜付けを行った)。プラズマ
重合して、水晶上に付着させる原料モノマーはスチレン
に特に制限されず、プラズマ重合時間に対して重合膜形
成速度が一定で比例していればどのような原料を用いる
ことも可能である。例えば、メタン、エタン、エチレ
ン、アセチレン、テトラクロロエチレン、プロピレン、
アリルアルコール、アリルアミン、アクロレイン、メタ
クロレイン、アクリル酸、ペンタフルオスチレン等の利
用が可能である。プラズマ重合条件も、特に100W、
100Paに制限されるものではなく、原料モノマーに適
した重合条件を用いればよい。
終了後、これらの水晶振動子に100W、100Paの条
件で1分間のスチレン膜付けを行ない、インピーダンス
アナライザを用いてスチレン膜重量に対する各水晶振動
子のオーバートーン毎の直列共振点の変化の測定を行っ
た(5分までは1分毎、それ以降については5分毎の膜
付けを行い合計120分の膜付けを行った)。プラズマ
重合して、水晶上に付着させる原料モノマーはスチレン
に特に制限されず、プラズマ重合時間に対して重合膜形
成速度が一定で比例していればどのような原料を用いる
ことも可能である。例えば、メタン、エタン、エチレ
ン、アセチレン、テトラクロロエチレン、プロピレン、
アリルアルコール、アリルアミン、アクロレイン、メタ
クロレイン、アクリル酸、ペンタフルオスチレン等の利
用が可能である。プラズマ重合条件も、特に100W、
100Paに制限されるものではなく、原料モノマーに適
した重合条件を用いればよい。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、これらの実施例は本発明を理解するため
のものであり、本発明を何ら限定するものではない。
明する。なお、これらの実施例は本発明を理解するため
のものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0015】実施例1 50MHz(n=1)の水晶振動子に対して0〜120分の
膜付けを行い、50MHz(基本波)、150MHz(3倍
波)、250MHz(5倍波)の各重合時間に対する共振
点変化の測定を行なった。図2には重合時間に対する周
波数変化の結果を、図3には膜重量に対する周波数変化
の結果を示す。図3の基本波、3倍波、5倍波で膜重量
に対する周波数変化の比例部分での勾配の逆数より、各
モードでの質量感度を算出し表1に示した。以下の実験
例でも同様に質量感度を算出している。表1にもあるよ
うに基本波モードでは5.144pg/Hz、3倍波モード
では0.893pg/Hz、5倍波モードでは0.755pg/
Hzの質量感度を持つことがわかる。
膜付けを行い、50MHz(基本波)、150MHz(3倍
波)、250MHz(5倍波)の各重合時間に対する共振
点変化の測定を行なった。図2には重合時間に対する周
波数変化の結果を、図3には膜重量に対する周波数変化
の結果を示す。図3の基本波、3倍波、5倍波で膜重量
に対する周波数変化の比例部分での勾配の逆数より、各
モードでの質量感度を算出し表1に示した。以下の実験
例でも同様に質量感度を算出している。表1にもあるよ
うに基本波モードでは5.144pg/Hz、3倍波モード
では0.893pg/Hz、5倍波モードでは0.755pg/
Hzの質量感度を持つことがわかる。
【0016】実施例2 実施例1において50MHz(n=1)の水晶振動子を10
0MHz(n=3)の水晶振動子に変えた以外は実施例1と
同様にして33MHz(基本波)、100/Hz(3倍波)、
167MHz(5倍波)の膜重合時間に対する共振点の変
化の測定を行なった。図4には重合時間に対する周波数
変化の結果を、図5には膜重量に対する周波数変化の結
果を示す。表1にもあるように基本波モードでは19.
538pgMHz、3倍波モードでは4.209pg/Hz、5倍
波モードでは2.053pg/Hzの質量感度を持つことが
わかる。
0MHz(n=3)の水晶振動子に変えた以外は実施例1と
同様にして33MHz(基本波)、100/Hz(3倍波)、
167MHz(5倍波)の膜重合時間に対する共振点の変
化の測定を行なった。図4には重合時間に対する周波数
変化の結果を、図5には膜重量に対する周波数変化の結
果を示す。表1にもあるように基本波モードでは19.
538pgMHz、3倍波モードでは4.209pg/Hz、5倍
波モードでは2.053pg/Hzの質量感度を持つことが
わかる。
【0017】実施例3 実施例1において50MHz(n=1)の水晶振動子を10
0MHz(n=5)の水晶振動子に変えた以外は実施例1と
同様にして20MHz(基本波)、60MHz(3倍波)、1
00MHz(5倍波)の膜重合時間に対する共振点の変化
の測定を行なった。図6には重合時間に対する周波数変
化の結果を、図7には膜重量に対する周波数変化の結果
を示す。表1にもあるように基本波モードでは78.1
52pg/Hz、3倍波モードでは17.744pg/Hz、5倍
波モードでは9.674pg/Hzの質量感度を持つことが
わかる。
0MHz(n=5)の水晶振動子に変えた以外は実施例1と
同様にして20MHz(基本波)、60MHz(3倍波)、1
00MHz(5倍波)の膜重合時間に対する共振点の変化
の測定を行なった。図6には重合時間に対する周波数変
化の結果を、図7には膜重量に対する周波数変化の結果
を示す。表1にもあるように基本波モードでは78.1
52pg/Hz、3倍波モードでは17.744pg/Hz、5倍
波モードでは9.674pg/Hzの質量感度を持つことが
わかる。
【0018】実施例4 実施例1において50MHz(n=1)の水晶振動子を50
MHz(表面実装型素子:SMD)の水晶振動子に変え、0〜
45分の膜付けを行い、50MHz(基本波)、150MHz
(3倍波)の膜重合時間に対する共振点の変化の測定を
行なった。図8には重合時間に対する周波数変化の結果
を、図9には膜重量に対する周波数変化の結果を示す。
表1にもあるように基本波モードでは7.050pg/H
z、3倍波モードでは1.035pg/Hzの質量感度を持つ
ことがわかる。
MHz(表面実装型素子:SMD)の水晶振動子に変え、0〜
45分の膜付けを行い、50MHz(基本波)、150MHz
(3倍波)の膜重合時間に対する共振点の変化の測定を
行なった。図8には重合時間に対する周波数変化の結果
を、図9には膜重量に対する周波数変化の結果を示す。
表1にもあるように基本波モードでは7.050pg/H
z、3倍波モードでは1.035pg/Hzの質量感度を持つ
ことがわかる。
【0019】実施例5 実施例1において50MHz(n=1)の水晶振動子を15
5MHz(SMD)の水晶振動子に変え0〜30分の膜付けを
行い、155MHz(基本波)、465MHz(3倍波)の膜
重合時間に対する共振点の変化の測定を行なった。図1
0には重合時間に関する周波数変化の結果を、図11に
は膜重量に対する周波数変化の結果を示す。表1に示す
ように基本波モードでは0.036pg/Hz、3倍波モー
ドでは0.004pg/Hzの質量感度を持つことが明らか
である。
5MHz(SMD)の水晶振動子に変え0〜30分の膜付けを
行い、155MHz(基本波)、465MHz(3倍波)の膜
重合時間に対する共振点の変化の測定を行なった。図1
0には重合時間に関する周波数変化の結果を、図11に
は膜重量に対する周波数変化の結果を示す。表1に示す
ように基本波モードでは0.036pg/Hz、3倍波モー
ドでは0.004pg/Hzの質量感度を持つことが明らか
である。
【0020】
【発明の効果】本願の請求項1に係る発明は、従来の振
動子に比べて著しく高い基本周波数をもつ水晶振動子及
び同水晶振動子の倍音を用いることにより、超微量質量
の測定感度及び精度を飛躍的に向上することができる。
また、インピーダンスアナライザを用いて直列共振点の
変化を検出することにより、前記のようなものの質量付
加に対する共振点変化を厳密に測定することができる。
また、請求項2に係る発明は、そのような検出装置を正
確に、且つ容易に校正することができる。
動子に比べて著しく高い基本周波数をもつ水晶振動子及
び同水晶振動子の倍音を用いることにより、超微量質量
の測定感度及び精度を飛躍的に向上することができる。
また、インピーダンスアナライザを用いて直列共振点の
変化を検出することにより、前記のようなものの質量付
加に対する共振点変化を厳密に測定することができる。
また、請求項2に係る発明は、そのような検出装置を正
確に、且つ容易に校正することができる。
【0021】このように、本発明は水晶振動子上に付着
した超微量重量の高精度の測定、及び校正ができるよう
になった結果、従来はng(10−9g)の質量しか測定で
きなかった水晶振動子が、pg(10−12g)からfg(10
−15g)の超微量の質量を正確に測定できるようにな
り、従来困難とされていた、水晶振動子による環境ホル
モンやダイオキシン類の簡易センシングが可能となる。
した超微量重量の高精度の測定、及び校正ができるよう
になった結果、従来はng(10−9g)の質量しか測定で
きなかった水晶振動子が、pg(10−12g)からfg(10
−15g)の超微量の質量を正確に測定できるようにな
り、従来困難とされていた、水晶振動子による環境ホル
モンやダイオキシン類の簡易センシングが可能となる。
【図1】本発明において、の直列共振点の変化をインピ
ーダンス測定装置により測定する際のブロック図である
ーダンス測定装置により測定する際のブロック図である
【図2】本発明において、50MHz(n=1)水晶振動子
のプラズマ重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変
化を示すグラフである。
のプラズマ重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変
化を示すグラフである。
【図3】同、50MHz(n=1)水晶振動子のプラズマ重
合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフであ
る。
合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフであ
る。
【図4】同、100MHz(n=3)水晶振動子のプラズマ
重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグ
ラフである。
重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグ
ラフである。
【図5】同、100MHz(n=3)水晶振動子のプラズマ
重合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフで
ある。
重合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフで
ある。
【図6】同、100MHz(n=5)水晶振動子のプラズマ
重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグ
ラフである。
重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグ
ラフである。
【図7】同、100MHz(n=5)水晶振動子のプラズマ
重合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフで
ある。
重合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフで
ある。
【図8】同、50MHz(SMD)水晶振動子のプラズマ重合
スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグラフ
である。
スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグラフ
である。
【図9】同、50MHz(SMD)水晶振動子のプラズマ重合
スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフであ
る。
スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフであ
る。
【図10】同、155MHz(SMD)水晶振動子のプラズマ
重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグ
ラフである。
重合スチレン膜の重合時間に対する周波数変化を示すグ
ラフである。
【図11】同、155MHz(SMD)水晶振動子のプラズマ
重合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフで
ある。
重合スチレン膜重量に対する周波数変化を示すグラフで
ある。
【表1】
Claims (2)
- 【請求項1】 高い基本周波数をもつ水晶振動子及び同
水晶振動子の倍音を用い、同水晶振動子の基本振動数、
及び高次副振動数の直列共振点の変化をインピーダンス
アナライザを用いて検出し、水晶振動子に付加した質量
に対する共振点の変化を測定することを特徴とする高周
波数水晶振動子を用いた超微量質量の検出装置。 - 【請求項2】 水晶振動子にプラズマ重合膜を所定時間
被覆し、被覆されたプラズマ重合膜の質量を検出して、
前記水晶振動子への所定量の質量付加と検出質量とを比
較することにより校正を行うことを特徴とする高周波数
水晶振動子を用いた超微量質量の検出装置の校正方法。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP3376417B2 JP3376417B2 (ja) | 2003-02-10 |
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ID=18630305
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EP1519162A1 (en) | 2003-09-25 | 2005-03-30 | Ulvac, Inc. | Measurement method and biosensor apparatus using resonator |
JP2006010650A (ja) * | 2004-06-29 | 2006-01-12 | Ulvac Japan Ltd | 校正ユニット及び分析装置 |
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WO2008038829A1 (fr) * | 2006-09-29 | 2008-04-03 | Nihon Dempa Kogyo Co., Ltd. | Dispositif de détection |
-
2000
- 2000-04-20 JP JP2000119301A patent/JP3376417B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US7874211B2 (en) | 2005-06-30 | 2011-01-25 | Ulvac, Inc. | Measuring method and measuring device using quartz oscillator |
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