JP3094349U - 枕兼用防災頭巾および枕 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この考案は、就寝時に災害が発生した場合
に、枕が防災頭巾となる枕兼用防災頭巾を提供すること
にある。 【解決手段】 内部にクッション材４を収容した袋体３
からなる可撓性を有する長方形状の枕本体２と、の枕本
体の幅方向の一側部からなる後部Ａ長手方向の両端部に
それぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間部で二
つ折りにしたとき互い接続可能な後ひも６と、上記枕本
体の幅方向の他側部からなる前部Ｂ長手方向の両端部に
それぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間部で二
つ折りにしたとき互いに接続可能な前ひも８と、を有す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、就寝の際に枕として利用できるとともに、例えば地震や火事など の災害時に避難する際に頭に被り、ガラス片などの落下物や火炎などから頭部を 保護するための枕兼用防災頭巾に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、地震や火事などの災害時においては、避難時にガラス片などの落下物 や火炎などから頭部を保護するために、防災頭巾が使用されることがある。その ため、防災頭巾は、クッション性及び耐火性を備え、かつ迅速に装着できること が必要とされる。

【０００３】 このような防災頭巾としては、直方体状の緩衝耐火マット材を長手方向中間部 で折曲するとともに、幅方向一側部をそれぞれ折曲部分から長手方向中途部まで 縫い合わせ、幅方向他側部の長手方向両端部側に脱着防止用の首紐を設けた構成 が知られている。

【０００４】 上記構成の防災頭巾を使用する場合、緩衝耐火マット材を折曲部分が利用者の 頭頂部に位置するよう設定するとともに、幅方向他側部側の開放部分から顔面を 露出させ、あごのやや下方で首紐を結ぶことになる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、地震や火事などの災害が夜間に発生した場合には、日中に発生した 場合に比べて被害が格段に大きくなることがある。特に、就寝時に災害が発生し た場合、暗闇の中で避難しなければならず、防災頭巾を保管場所から取り出して 装着するのに時間がかかり過ぎると、避難の遅れ等によってさらに被害が拡大す ることがある。

【０００６】 この考案は、就寝時に災害が発生した場合に、枕が防災頭巾となる枕兼用防災 頭巾および枕を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、内部にクッション材を収容した袋体からなる可撓性を有す る長方形状の枕本体と、この枕本体の幅方向の一側部からなる後部長手方向の両 端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間部で二つ折りにしたとき 互い接続可能な後ひもと、上記枕本体の幅方向の他側部からなる前部長手方向の 両端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間部で二つ折りにしたと き互いに接続可能な前ひもと、を有することを特徴とする枕兼用防災頭巾にある 。

【０００８】 請求項２の考案は、内部にクッション材を収容した袋体からなる可撓性を有す る長方形状の枕本体と、この枕本体の幅方向の一側部からなる後部長手方向の両 端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間部で二つ折りにしたとき 互い接続可能な後ひもと、上記枕本体の幅方向の他側部からなる前部長手方向の 両端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間部で二つ折りにしたと き互いに接続可能な前ひもと、を有し、上記枕本体を長手方向のほぼ中間部で二 つ折りして、上記後ひも同士及び前ひも同士を結び、枕本体の後部を利用者の後 頭部側に、枕本体の前部を利用者の前頭部側にして頭部に被ることができること を特徴とする枕兼用防災頭巾にある。

【０００９】 請求項３の考案は、上記枕本体の長さ寸法及び幅寸法は、防災頭巾として使用 する際に、少なくとも利用者の頭部全体が覆われる大きさに設定されていること を特徴とする請求項１又は請求項２記載の枕兼用防災頭巾にある。

【００１０】 請求項４の考案は、内部にクッション材を収容した袋体からなる可撓性を有す る長方形状の枕本体と、この枕本体の幅方向両端部にそれぞれ設けられた複数の ひもと、を有し、上記枕本体を曲折して枕として使用可能な形状にするとともに 、その状態で上記複数のひも同士を接続することで、その形状を維持させること を特徴とする枕にある。

【００１１】 この考案によれば、就寝時に災害が発生しても、すぐに防災頭巾を被ることが できる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照しながらこの考案の一実施の形態を説明する。

【００１３】 図１と図２に示す枕兼用防災頭巾１は枕本体２を有する。この枕本体２は、例 えば布等からなる可撓性を有する上部布３ａと下部布３ｂとを縫い合わせること により形成される袋体３の内部に、綿などのクッション材４を収容することで、 ほぼ長方形状に形成されている。

【００１４】 図３に示すように、枕本体２の長さ寸法は、この枕本体２を長手方向ほぼ中心 部で折曲し、この折曲部分が頭頂部に位置するようにのせた状態において、長手 方向両端が両肩の高さとほぼ同等となる程度に設定されている。

【００１５】 枕本体２には、クッション材４が袋体３の内部で移動するのを防止するキルテ ィング５が全体にわたって施されている。それによって、枕本体２全体にわたっ てほぼ均一なクッション作用が得られるようになっている。

【００１６】 枕本体２の幅方向の一側部からなる後部Ａには、長手方向両端部側に複数、こ の実施の形態ではそれぞれ２本ずつの後ひも６が所定の間隔で設けられている。 これら後ひも６は、枕本体２の長手方向中心部に対してほぼ対称となるように配 置されており、上記枕本体２を長手方向ほぼ中心部で二つ折りにしたときに、対 応する後ひも６同士が互いに向かい合う。

【００１７】 同様に、枕本体２の幅方向の他側部からなる前部Ｂには、長手方向両端部側に 複数、この実施の形態ではそれぞれ２本ずつの前ひも８が所定の間隔で設けられ ている。これら前ひも８は、枕本体２の長手方向中心部に対してほぼ対称となる ように配置されており、上記枕本体２を長手方向ほぼ中心部で二つ折りしたとき に、対応する前ひも８同士が互いに向かい合う。

【００１８】 後ひも６及び前ひも８は共に可撓性を有する柔軟な布からなり、上部布３ａと 下部布３ｂを縫い合わせる際にその間に挟み込むことで上記枕本体２に縫い付け られている。

【００１９】 次いで、上記構成の枕兼用防災頭巾を防災頭巾として使用する際の作用につい て説明する。

【００２０】 上記枕兼用防災頭巾１は、通常は、就寝時に頭部を支持するための枕として使 用され、就寝時に地震や火事などの災害が発生した場合に、避難時におけるガラ ス片などの落下物や火炎から頭部を保護するための防災頭巾として使用されるこ とになる。

【００２１】 就寝時に地震などの災害が発生した場合、就寝していた利用者は枕兼用防災頭 巾１を長手方向ほぼ中心部で折曲し、長手方向一端部側の半体を他端部側の半体 とを接合させるように二つ折りする。そして、枕本体２の幅方向一側部からなる 後部Ａに設けられた後ひも６同士をそれぞれ結び合わせる。

【００２２】 次いで、枕本体２を頭部に長手方向ほぼ中間部の折曲部分が頭頂部に位置する ように載せ、利用者の顔面側、つまり枕本体２の幅方向の他側部からなる前部Ｂ に設けられた前ひも８同士を結び合わせる。それによって、図３に示すように、 枕本体２は利用者の頭部にしっかりと取り付けられ、非難時に頭部から脱着し難 くなっている。

【００２３】 上記枕兼用防災頭巾１によれば、就寝時に利用する枕にひもを設けることで、 枕本体２に防災頭巾としての機能を持たせている。そのため、就寝時に災害が発 生しても、すぐに防災頭巾を身に付けることができる。

【００２４】 また、クッション材４が袋体３の内部で偏在しないように、枕本体２のほぼ全 体に均一にキルティング５を施している。そのため、災害時に防災頭巾として利 用する際に、クッション材４が頭部付近から移動して、頭部に対する衝撃緩和作 用が低下するのを防止している。

【００２５】 また、枕本体２の長手方向ほぼ中心部で２つ折りして使用するため、長さ寸法 が通常の枕よりも長く設定されている。そのため、枕として使用する際に、寝返 り等によって頭部が枕から落下するのを防止できる。

【００２６】 なお、上記枕兼用防災頭巾１は、就寝時に災害が発生した場合にだけ防災頭巾 として使用するものではなく、日中に災害が発生した場合にも使用することがで きる。特に、ベッド利用者にとっては、常に枕兼用防災頭巾１がベッド上に載置 されているため、日中に発生した災害においても、すぐに防災頭巾として使用す ることができる。

【００２７】 また、上記枕兼用防災頭巾１を枕として使用する場合、上記以外に種々の形態 が考えられる。

【００２８】 例えば、図４に示すように、枕本体２をロール状に巻き、後部Ａから飛び出し た後ひも６同士、及び前面Ｂ側から飛び出した前ひも８同士を結び合わせて使用 してもよい。この場合、枕本体２を巻く際の締め具合を調整することで、その硬 さ及び高さを調節することができる。

【００２９】 また、図５に示すように、上記枕本体２を幅方向ほぼ中心部で長手方向に沿っ て折曲するとともに、その後部Ａから飛び出した後ひも６と前部Ｂから飛び出し た前ひも８を結び合わせて長枕として使用してもよい。

【００３０】

【考案の効果】

この考案によれば、就寝時に災害が発生しても、すぐに防災頭巾を頭に被るこ とができる。また、枕本体をロール状に巻き、ひも同士を結び合わせたり、枕本 体を幅方向ほぼ中心部で長手方向に沿って折曲してひも同士を結び合わせること により、任意な形状の枕とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施の形態に係る枕兼用防災頭巾
の斜視図。

【図２】防災頭巾として使用した際の枕兼用防災頭巾を
示し、（Ｂ）は正面図、（Ａ）と（Ｃ）は側面図であ
る。

【図３】利用者が防災頭巾として着用した状態の枕兼用
防災頭巾を示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は裏面図であ
る。

【図４】枕兼用防災頭巾を枕として使用する際の第１の
使用形態を示す斜視図。

【図５】枕兼用防災頭巾を枕として使用する際の第２の
使用形態を示す斜視図。

【符号の説明】

１…枕兼用防災頭巾 ２…枕本体 ３…袋体 ４…クッション材 ５…キルティング ６…後ひも ８…前ひも Ａ…後部 Ｂ…前部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にクッション材を収容した袋体から
   なる可撓性を有する長方形状の枕本体と、 この枕本体の幅方向の一側部からなる後部長手方向の両
   端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間
   部で二つ折りにしたとき互い接続可能な後ひもと、 上記枕本体の幅方向の他側部からなる前部長手方向の両
   端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間
   部で二つ折りにしたとき互いに接続可能な前ひもと、 を有することを特徴とする枕兼用防災頭巾。
2. 【請求項２】 内部にクッション材を収容した袋体から
   なる可撓性を有する長方形状の枕本体と、 この枕本体の幅方向の一側部からなる後部長手方向の両
   端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間
   部で二つ折りにしたとき互い接続可能な後ひもと、 上記枕本体の幅方向の他側部からなる前部長手方向の両
   端部にそれぞれ設けられ、上記枕本体を長手方向の中間
   部で二つ折りにしたとき互いに接続可能な前ひもと、 を有し、 上記枕本体を長手方向のほぼ中間部で二つ折りして、上
   記後ひも同士及び前ひも同士を結び、枕本体の後部を利
   用者の後頭部側に、枕本体の前部を利用者の前頭部側に
   して頭部に被ることができることを特徴とする枕兼用防
   災頭巾。
3. 【請求項３】 上記枕本体の長さ寸法及び幅寸法は、防
   災頭巾として使用する際に、少なくとも利用者の頭部全
   体が覆われる大きさに設定されていることを特徴とする
   請求項１又は請求項２記載の枕兼用防災頭巾。
4. 【請求項４】 内部にクッション材を収容した袋体から
   なる可撓性を有する長方形状の枕本体と、 この枕本体の幅方向両端部にそれぞれ設けられた複数の
   ひもと、 を有し、 上記枕本体を曲折して枕として使用可能な形状にすると
   ともに、その状態で上記複数のひも同士を接続すること
   で、その形状を維持させることを特徴とする枕。