JP3094333B2 - 温度測定装置を持つ進行波モータ及びその温度測定方法 - Google Patents

温度測定装置を持つ進行波モータ及びその温度測定方法

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JP3094333B2 JP10304678A JP30467898A JP3094333B2 JP 3094333 B2 JP3094333 B2 JP 3094333B2 JP 10304678 A JP10304678 A JP 10304678A JP 30467898 A JP30467898 A JP 30467898A JP 3094333 B2 JP3094333 B2 JP 3094333B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1の上位概
念に記載の電気的に励振可能な圧電セラミツクを持つ固
定子及び固定子と摩擦接触可能な回転子を有する進行波
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】構造、動作態様及び好ましい使用可能性
が公知な進行波モータでは、回転運動を生じるため機械
的振動が利用される。この目的のため固定子が、電気振
動を機械的進行波に変換するのを可能にする圧電素子を
持つている。
【0003】超音波モータとも称される進行波モータ
は、例えば米国特許第4562374号明細書、Yuk
ihiko Ise ″Travelling Wav
e Ultrasonic Motors Offer
High Conversion Efficien
cy ″(JEE,June 1986,PP66−7
0)及びSchadebrodt and Salom
on ″Piezo Travelling Wave
Motor−A New Element in A
ctuation(Control Engineer
ing,May1990,PP10−18)に記載され
ている。
【0004】進行波の励振のため、対称性の理由から圧
電セラミツク環状構造が利用される。この構造は、交互
に正及び負に予備分極される2群の圧電区域に分割さ
れ、これらの圧電区域はλ/4及び3λ/4の間隔で2
つの電極を形成する。両方の群は90°だけ互いに移相
される交流電圧で励振される。公知の進行波モータの駆
動のために駆動回路が用いられ、固定子を有効に駆動す
るため発振器が、固定子の機械共振振動数fに同調さ
れる電気的周波数fを発生する。回転子の回転は、回
転方向とは逆向きに伝搬する進行波により行われる。
【0005】進行波の発生に利用不可能な圧電セラミツ
クの第1の部分範囲には、少なくともλ/4の間隔で2
つの電極が形成され、定在波成分と進行波成分の比又は
振動振幅を検出するため、逆の圧電効果を利用してこれ
らの電極が利用される。
【0006】進行波モータは、例えば移動操作器又はロ
ボツトシステム用継手モジユールとして多様に使用可能
である。特に出力の要求がある使用の場合、高い熱発生
を考慮せねばならない。
【0007】現在進行波モータは、約25%の効率で約
50Wの機械的出力に達する。望まれる使用温度範囲は
−40℃と+80℃との間にある。回転数又はトルクに
関する異なる負荷要求のような付加的境界条件は、モー
タにおける大きくかつ比較的速い温度変化を生じる。モ
ータ温度の上昇と共に、固定子共振振動数fの減少が
観察される。圧電セラミツクの容量も同様に極めて顕著
で再現可能な温度特性を示す。図4からわかるように、
−40℃ないし+800℃の望まれる使用温度範囲にお
いて、圧電セラミツクの容量は−40℃における値に関
して約50%増大する。
【0008】従つて温度変化の検出は、モータの最適駆
動のため、過負荷保護のため、及び圧電セラミツクの剥
落による故障の回避のために、極めて重要である。
【0009】米国特許第5585686号明細書に記載
されている進行波モータでは、加熱素子を介して設定さ
れる所定の固定子温度を監視するために、固定子周辺に
温度センサが取付けられている。温度センサを備えてい
る別の進行波モータが米国特許第5477100号明細
書に記載されている。特開平2−7879号公報に示さ
れている進行波モータは、温度測定装置を持ち、温度セ
ンサ、比較抵抗及びコンデンサが抵抗分圧器を形成して
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、固定
子温度の簡単かつ精確な測定を可能にする進行波モータ
及び測定方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によればこの課題
は、請求項1の特徴を持つ進行波モータ及び請求項8の
特徴を持つ方法によつて解決される。
【0012】進行波の発生にいずれにせよ利用不可能な
圧電セラミツクの部分範囲に測定電極を取付けること
は、場所を節約し、測定すべき対象の所で直接測定の極
めて精確な測定を可能にする。更に付加的に取付けるべ
き特別な温度センサは不要になり、それに関連して振動
する測定対象への温度センサの接触形成という問題も回
避される。
【0013】本発明による方法で求められる温度に関係
する信号は、温度に関係する電圧値として示される。こ
の表示は、進行波モータの制御及び調整のために温度検
出を利用するのを可能にし、従つて過熱保護も実現され
る。
【0014】本発明による進行波モータのそれ以外の有
利な構成及び発展と、本発明による温度測定方法は従属
請求項に示されている。
【0015】本発明の好ましい実施例が図面に示されて
おり、以下に説明される。
【0016】
【実施例】図1は、固定子上に設けられて電気的に励振
可能な圧電セラミツク1の可能な構成を示している。こ
の圧電セラミツク1は2群の交代する圧電区域に分割さ
れ、これらの圧電区域は異なるように分極されている。
正に分極される圧電区域及び負に分極される圧電区域
は、それぞれ2/13・π又は1/13・λの角度範囲
に設けられている。配置にとつて有利な他の角度範囲は
例えば2/9・π又は2/11・π又は1/9・λ又は
1/11・λである。
【0017】進行波の発生に利用されない圧電セラミツ
ク1の第1の部分範囲4には、モータ状態をセンサ技術
的に検出する2つの電極5,6が設けられている。それ
により例えば振動振幅を求めることができる。電極5,
6は少なくともλ/4又はλ/4の奇数倍の間隔で構成
され、例えば振動振幅の検出に利用される。それぞれ6
対又は5対又は4対の正及び負の予備分極された区域
が、センサ電極5,6の両側に動作電極又は励振系を形
成する。動作電極2,3は、90°だけ互いに移相され
る交流電圧により励振される。
【0018】同様に進行波の発生に利用されない圧電セ
ラミツク1の第2の部分範囲7には、測定電極8が取付
けられている。測定電極8は、進行波の発生に利用不可
能な第2の部分範囲7の部分面積しか占めないか、又は
この第2の部分範囲7の全面積を占めることができる。
測定電極8は、進行波の発生に利用不可能な第2の部分
範囲7の部分面積に対称又は非対称に設けることができ
る。進行波の発生に利用不可能な圧電セラミツク1の第
2の部分範囲7は、圧電区域の一部として同様に分極さ
れることができるが、分極されなくてもよい。
【0019】異なるように分極される隣接区域に対し
て、測定電極8は必ず最小絶縁間隔を守らねばならな
い。
【0020】図2の回路図からわかるように、測定電極
8とコンデンサ9が容量分圧器を形成するように、コン
デンサ9が接続されている。接続されるコンデンサ9
は、電子測定兼評価装置に収容することができる。動作
電極2,3と測定電極8は圧電セラミツク1を介して熱
的に結合されている。圧電セラミツク1の容量は、図3
からわかるように、−40℃ないし+80℃の普通望ま
れる使用温度範囲において、著しく顕著な温度特性を示
す。ここで圧電セラミツクの容量は、−40℃における
値に対して、約50%だけ増大する。この測定結果は、
容量分圧器の構成により容量算定を行い、これにより固
定子温度を求めるのを可能にする。従つて接続されるコ
ンデンサ9として、温度安定性のある容量値を持つコン
デンサが選ばれる。容量算定のために、温度安定性のあ
るコンデンサ9の容量値が所定の温度例えば室温で測定
電極8の対応する容量値と同じ大きさであると有利であ
る。
【0021】温度安定性のあるコンデンサ9と測定電極
8は直列又は並列接続することができる。図2の回路図
では、例えばコンデンサ9と測定電極8は直列接続され
ている。固定子の温度を測定するため容量分圧器は、デ
イジタル発振器により発生される一定の振幅及び周波数
messの交流電圧を印加される。進行波の発生に利
用不可能な圧電セラミツク1の第2の部分範囲7が分極
されていないと、容量分圧器へ交流電圧を印加する際、
任意の周波数fmessの交流電圧を選ぶことができ
る。利用周波数帯の間の周波数を選ぶのが有利である。
進行波の発生に利用不可能な圧電セラミツク1の第2の
部分範囲7が分極されていると、容量分圧器へ交流電圧
を印加する際、特定の第1の部分範囲4の交流電圧を選
ばねばならない。周波数fmessは、進行波モータの
駆動に利用される動作周波数の倍数として生じる2つの
周波数の間の範囲になければならない。
【0022】測定電極8から温度に関係する信号C
(T)が取出され、温度安定性のあるコンデンサ9から
温度安定性のある基準信号Crefが取出される。減算
回路10で両方の信号が互いに比較され、こうして求め
られる温度に関係する信号C(T)が、増幅器12及び
場合によつては付加的になおアナログ−デイジタル変換
器13及びマイクロプロセツサ14の通過後、図4に示
すように、温度に関係する電圧値Umess(T)とし
て表わされる。
【0023】進行波の発生に利用不可能な圧電セラミツ
ク1が分極されていると、測定信号Umessのみを通
す帯域フイルタ11を使用するのがよい。それにより、
モータ運転の際測定電極に現われてモータ駆動の周波数
を持つ外乱電圧を除去することができる。進行波の発生
に利用不可能な圧電セラミツク1の第2の部分範囲7が
分極されていないと、フイルタの複雑さを減少するか、
又は全くなくすことができる。なぜならば、この場合僅
かな外乱しか現われないからである。
【0024】温度に関係する信号を温度に関係する電圧
値Umessとして表わすと、制御のために測定方法の
簡単な利用が可能になる。効果的な過熱保護も、簡単な
遮断機構例えばマイクロプロセツサ14により実現され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】進行波モータ用圧電セラミツクの構成を示す概
略図である。
【図2】温度測定方法の実施のために重要な素子を持つ
回路の概略図である。
【図3】温度に関係する圧電セラミツクの容量の特性曲
線図である。
【図4】温度に関係する電圧値として温度に関係する信
号を示す図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミツク 2,3 交流電圧(動作電極) 4 進行波の発生に利用不可能な第1の部分範囲 5,6 モータ状態の検出電極 7 進行波の発生に利用不可能な第2の部分範囲 8 測定電極 9 コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−17579(JP,A) 特開 平1−198282(JP,A) 特開 平4−17580(JP,A) 特開 平3−285575(JP,A) 実開 昭60−47400(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 進行波モータが、電気的に励振可能な圧
    電セラミツク(1)を持つ固定子と、固定子に摩擦接触
    可能な回転子とを有し、圧電セラミツク(1)が、互い
    に交代しかつ異なるように分極される圧電区域の2つの
    群から成り、両方の群が90°だけ互いに移相される交
    流電圧(2,3)により励振され、進行波の発生に利用
    不可能な圧電セラミツク(1)の第1の部分範囲(4)
    に、モータ状態をセンサ技術的に検出をするため、少な
    くともλ/4の間隔で2つの電極(5,6)が形成され
    ているものにおいて、固定子の温度を測定するため進行
    波の発生に利用不可能な圧電セラミツク(1)の第2の
    部分範囲(7)に測定電極(8)が取付けられ、測定電
    極(8)と温度安定性のあるコンデンサ(99)が容量
    分圧器を形成するように、温度安定性のある容量値を持
    つコンデンサ(9)が接続されていることを特徴とす
    る、進行波モータ。
  2. 【請求項2】 温度安定性のあるコンデンサ(9)と測
    定電極(8)が直列接続されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の進行波モータ。
  3. 【請求項3】 温度安定性のあるコンデンサ(9)と測
    定電極(8)が並列接続されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の進行波モータ。
  4. 【請求項4】 温度安定性のあるコンデンサ(9)の容
    量が、所定の温度において、測定電極(8)の容量と同
    じ大きさであることを特徴とする、請求項1ないし3の
    1つに記載の進行波モータ。
  5. 【請求項5】 測定電極(8)が、進行波の発生に利用
    不可能な第2の部分範囲(7)の部分面積を占めている
    ことを特徴とする、請求項1ないし4の1つに記載の進
    行波モータ。
  6. 【請求項6】 測定電極(8)が、隣接する分極された
    圧電区域に対して最小絶縁間隔をとつて、進行波の発生
    に利用不可能な第2の部分範囲(7)の全面積を占めて
    いることを特徴とする、請求項1ないし4の1つに記載
    の進行波モータ。
  7. 【請求項7】 進行波の発生に利用不可能な圧電セラミ
    ツク(1)の第2の部分範囲(7)が分極されてないこ
    とを特徴とする、請求項1ないし6の1つに記載の進行
    波モータ。
  8. 【請求項8】 進行波モータが、電気的に励振可能な圧
    電セラミツク(1)を持つ固定子と、固定子に摩擦接触
    可能な回転子とを有し、圧電セラミツク(1)が、交互
    に分極される圧電区域の2つの群から成り、両方の群が
    90°だけ互いに移相される交流電圧(2,3)により
    励振され、進行波の発生に利用不可能な圧電セラミツク
    (1)の第1の部分範囲(4)に、振副振幅の検出に利
    用される2つの電極(5,6)が少なくともλ/4の間
    隔で形成され、進行波の発生に利用不可能な圧電セラミ
    ツク(1)の第2の部分範囲(7)に測定電極(8)が
    取付けられ、測定電極(8)と温度安定性のあるコンデ
    ンサ(9)が容量分圧器を形成するように、温度安定性
    のある容量値を持つコンデンサ(9)が接続されてお
    り、この装置の固定子の温度を測定するため、容量分圧
    器に交流電圧を印加し、温度に関係する信号C(T)を
    測定電極(8)から取出し、かつ温度安定性のある基準
    信号Crefを温度安定性のあるコンデンサ(9)から
    取出し、温度に関係する信号C(T)と温度安定性のあ
    る基準信号Crefとを減算回路(10)により比較
    し、こうして求められる温度に関係する信号C(T)
    を、温度に関係する電圧値Umessとして示すことを
    特徴とする、進行波モータの固定子の温度測定方法。
  9. 【請求項9】 進行波の発生に利用不可能な圧電セラミ
    ツク(1)の第2の部分範囲(7)を分極せず、容量分
    圧器に交流電圧を印加する際、任意の周波数の交流電圧
    を選ぶことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 進行波の発生に利用不可能な圧電セラ
    ミツク(1)の第2の部分範囲(7)を分極し、容量分
    圧器に交流電圧を印加する際、進行波モータの駆動に利
    用される周波数の数倍の間にある周波数を持つ交流電圧
    を選ぶことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 温度に関係する信号及び温度安定性の
    ある基準信号の取出し後、取出される信号C(T)及び
    refを帯域フイルタ(11)に通すことを特徴とす
    る、請求項10に記載の方法。
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