JP3094259B2 - 防鼠材 - Google Patents

防鼠材

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JP3094259B2
JP3094259B2 JP04280661A JP28066192A JP3094259B2 JP 3094259 B2 JP3094259 B2 JP 3094259B2 JP 04280661 A JP04280661 A JP 04280661A JP 28066192 A JP28066192 A JP 28066192A JP 3094259 B2 JP3094259 B2 JP 3094259B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、電線、ケーブル等の電
気配線や各種資材等を鼠の食害から守る防鼠材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気配線等を鼠の食害から守
る防鼠用テープが市販されている。この防鼠用テープ
は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂のテープ中に鼠忌避剤とし
てシクロヘキシミドを含有させたもので、鼠がこれを一
度かじるとシクロヘキシミドの嫌な味と匂いによって忌
避行動を示し、二度目には匂いだけで忌避するようにな
るテープである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
防鼠用テープは軟質ポリ塩化ビニル樹脂製であるため、
最低でも150℃以上、通常は170〜180℃の高い
温度で溶融成形する必要がある。このように成形温度が
高いと、樹脂中に練り込まれるシクロヘキシミド自体が
熱安定性に劣るため、シクロヘキシミドの大半が熱分解
してテープ中の残存量が大幅に低下する。従って、実用
忌避有効量のシクロヘキシミドを含んだテープを得るた
めには、その熱分解の度合を見込んで予め多量のシクロ
ヘキシミドを原料の軟質ポリ塩化ビニル樹脂に配合しな
ければならず、シクロヘキシミド自体が高価なことも相
まって、経済性の面で不利であった。
【0004】かかる不利を解消するため、本発明者ら
は、軟化溶融温度が低いポリエチレン樹脂にシクロヘキ
シミドを含有させた防鼠材を開発した。この防鼠材は、
従来の防鼠用テープに比べるとシクロヘキシミドの残存
率が遥かに高いため、その配合量を大幅に節約できるも
のであったが、その反面、屋外での使用には適さないと
いう問題があった。即ち、シクロヘキシミドは熱だけで
なく光(特に紫外線)にも弱い化合物であるため、この
防鼠材を屋外で使用すると、比較的短期間のうちにシク
ロヘキシミドが光分解し、鼠忌避効果が低下、消失する
という問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の防鼠材は、上記
問題を解決することを目的としたもので、溶融温度が1
50℃以下のポリエチレン樹脂の基材中に、シクロヘキ
シミドと炭素粉末や酸化チタンなどの遮光性顔料とを含
有せしめたことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明の防鼠材は、基材が150度以下の低い
溶融温度を有するポリエチレン樹脂であるから、ポリ塩
化ビニル樹脂より遥かに低い温度で溶融成形することが
できる。従って、溶融成形時にシクロヘキシミドの熱分
解が抑制され、基材樹脂中での残存率が高くなるので、
シクロヘキシミドの配合量を節約しても、有効量のシク
ロヘキシミドを含んだ防鼠材を得ることができる。
【0007】しかも、本発明の防鼠材は、ポリエチレン
樹脂の基材中に遮光性顔料を含有させてあるため、光が
遮光性顔料で遮られ、基材中のシクロヘキシミドに光が
当たることは少ない。従って、屋外で使用してもシクロ
ヘキシミドの光分解を生じにくいので、長期間にわたっ
て有効量のシクロヘキシミドが基材中に残存し、その忌
避作用によって鼠の食害を防止することができる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0009】図1は本発明の一実施例に係る網状の防鼠
材Aを示す平面図である。図において、1は網状に成形
したポリエチレン樹脂の基材であり、この基材1にはシ
クロヘキシミドと遮光性顔料を均一に含有させてある。
【0010】この網状基材1は、縦糸1aと横糸1bを
各交点で融着して略正方形の網目1c(角目)を形成し
たもので、縦糸1a及び横糸1bの糸径を約0.5〜3
mmに設定して優れた柔軟性を基材1に付与してある。
そして、網目1cの一辺の長さを約1.5〜10mmに
設定して鼠が通り抜けできないようにしてある。
【0011】網状基材1は上記のような角目1cを有す
るものに限らず、菱目や丸目など種々の網目形状を有す
るものでもよい。また、縦糸1aと横糸1bの太さや間
隔を適宜変えてもよい。
【0012】基材1の原料樹脂としては、150℃以
下、好ましくは125℃以下の温度で溶融成形可能な軟
化溶融温度の低い低密度ポリエチレンの粉末(30〜7
0メッシュ)が使用され、特に融点が100℃前後とな
るようにポリ酢酸ビニルを少量混合したものが好適に使
用される。また、エチレンと少量の酢酸ビニルとの共重
合体の粉末も使用される。粉末の原料樹脂を用いるの
は、シクロヘキシミドと遮光性顔料を樹脂中に均一に混
合させるためである。
【0013】基材1に含有させるシクロヘキシミドは従
来から鼠忌避剤として知られた物質で、樹脂被覆により
マイクロカプセル化したシクロヘキシミド、例えば田辺
製薬株式会社製の商品名「ナラマイシンマイクロカプセ
ルD80」等が好適に使用される。このナラマイシンマ
イクロカプセルD80は、メラミン樹脂でシクロヘキシ
ミドをマイクロカプセル化したもので、シクロヘキシミ
ドを約8重量%含んでいる。従って、このナラマイシン
マイクロカプセルD80を用いる場合は、配合すべきシ
クロヘキシミド量の約12.5倍量を配合する必要があ
る。
【0014】基材1中のシクロヘキシミドの含有量は、
鼠忌避効果の面から0.05重量%以上であることが必
要で、これより少なくなると鼠忌避効果が大幅に低下す
る。しかし、シクロヘキシミドは既述したように溶融成
形時の熱で分解し、更に使用中に光(特に紫外線)が当
たると分解が進行するので、この分解によってシクロヘ
キシミドの含有量が減少しても、なお基材1中に0.0
5重量%以上のシクロヘキシミドが含まれるように、減
少分を見込んでシクロヘキシミドの配合量を決定する必
要がある。本発明の防鼠材は、後述するように溶融成形
後のシクロヘキシミドの残存率が70%以上と高く、ウ
エザオメーターで500時間の暴露試験を行った後でも
残存率が30%以上であるため、原料のポリエチレン樹
脂に対するシクロヘキシミドの配合量を0.17重量%
程度まで少なくすることができ、このように配合量を少
なくしても長期間に亘って0.05重量%以上のシクロ
ヘキシミドを基材1中に含有保持させることができる。
尚、シクロヘキシミドの配合量に上限はないが、あまり
多量に配合しても鼠忌避効果に顕著な差異が見られず、
徒にコストアップを招くだけであるから、多くても1重
量%までとするのが望ましい。
【0015】一方、基材1中に含有させる遮光性顔料
は、シクロヘキシミドへの光照射量を大幅に減少させて
その光分解を抑制する役目を果たすもので、例えば炭素
粉末などの光を吸収する顔料や、酸化チタン粉末などの
光を反射する顔料が好適に使用される。
【0016】この遮光性顔料の粒径については特に限定
されないが、シクロヘキシミドとしてマイクロカプセル
化したものを使用する場合は、そのマイクロカプセルよ
り大きい粒径を有する顔料を使用することが望ましい。
このように粒径の大きい顔料を基材樹脂中に含有させる
と、顔料の粒子相互の隙間にシクロヘキシミドのマイク
ロカプセルが入り込み、該カプセルに光が当りにくくな
るからである。従ってシクロヘキシミドとしてマイクロ
カプセル化した前記のナラマイシンマイクロカプセルD
80(平均粒径60μm以下)を使用する場合は、遮光
性顔料として平均粒径が70〜100μm程度のもの、
なかでも80μm前後のものを選択使用することが望ま
しい。
【0017】また、遮光性顔料の含有量は、基材1のポ
リエチレン樹脂100重量部に対し0.5〜2重量部の
範囲とするのが好ましい。遮光性顔料が0.5重量部よ
り少ない場合は、遮光作用が不十分でシクロヘキシミド
の光分解抑制効果が低下し、逆に2重量部より多い場合
は、基材1の強度が低下して脆弱化するからである。遮
光性顔料の最適な含有量は1重量部前後である。
【0018】尚、上記の遮光性顔料の他に光安定剤や抗
酸化剤(又は酸化防止剤)を少量配合することも勿論可
能である。光安定剤としては、例えば旭電化工業株式会
社製のHALS「LA52」やベンゾフェノン系の「1
413」等が使用される。
【0019】以上のような網状の防鼠材Aは、シクロヘ
キシミドと遮光性顔料を配合混練した原料のポリエチレ
ン樹脂を網成形装置の金型内で加熱溶融し、該金型から
縦糸1aを連続して押出すと共に横糸1bを該金型から
間歇的に押出して縦糸1aと融着一体化することによ
り、効率良く製造される。このときの成形温度(金型温
度)は、原料樹脂が150℃以下の低い溶融温度を有す
るポリエチレン樹脂であるから、高くても150℃、好
ましくは125℃以下に設定することができる。樹脂中
に含まれるシクロヘキシミドは150℃以上の成形温度
では大部分が熱分解し、180℃では残存率がわずか1
0%程度と極めて低くなるが、上記のように150℃以
下で溶融成形すると熱分解が抑制され、後述の表1のデ
ータから判るように、120℃で溶融成形する場合には
約70〜85%のシクロヘキシミドが残存するようにな
る。
【0020】また、シクロヘキシミドは光安定性にも劣
るので、防鼠材を屋外で使用したとき光がシクロヘキシ
ミドに当たると短期間のうちに大部分のシクロヘキシミ
ドが光分解して鼠忌避効果を失うが、上記の網状防鼠材
Aは、遮光性顔料を含有させて光がシクロヘキシミドに
殆ど当たらないようにしているため光分解が抑制され、
後述の表1のデータから判るようにウエザオメーターで
500時間の暴露試験を行った後でもシクロヘキシミド
が30%以上残存する。従って、既述したように原料の
ポリエチレン樹脂にシクロヘキシミドをわずか0.17
重量%程度配合するだけで、長期間に亘って鼠忌避に有
効な0.05重量%以上のシクロヘキシミドを含有保持
する耐候(光)性の良好な防鼠材が得られるので、高価
なシクロヘキシミドの使用量を大幅に節約することが可
能となり、経済的に極めて有利である。
【0021】図2は上記の網状防鼠材Aの一使用例を示
す斜視図で、電線2を鼠の食害から保護する場合を示し
ている。即ち、網状に成形されたポリエチレン製の防鼠
材Aは柔軟性に富むため、図示のように防鼠材Aを電線
2に筒状に巻き付け、その端部を網用ホッチキス等で止
めるだけの簡単な作業によって電線2を鼠の食害から守
ることができるのである。従って、従来のように電線に
防鼠用テープを螺旋状に何回も巻き付けて電線を被覆す
る場合に比べると、作業性が大幅に向上するという利点
がある。。
【0022】また、このような網状防鼠材Aは、食品等
を入れたコンテナや袋など立体的なものでも外側から包
み込むことによって鼠の食害から守ることができ、この
ように包み込んでも、網目1cを通してコンテナや袋の
表面の文字等を読むことができるので不便はなく、しか
も、通気性が良いので内部の食品等に悪影響を及ぼす心
配もない。
【0023】図3は本発明防鼠材の他の実施例を示す斜
視図であって、前記の網状防鼠材Aを筒状に加工したも
のである。このように筒状に加工されていれば、幼木又
は苗木等の保護囲いとして屋外で使用しても長期間にわ
たり鼠忌避効果がある。この場合、縦糸1aを太く(例
えば横糸1bの2〜5倍)して強度をもたせれば、一方
向に強度のある網筒状の防鼠材を得ることができる。ま
た、前記の網状防鼠材Aを袋状や箱状に加工しても良
く、そのような網袋状防鼠材や網箱状防鼠材は長尺物や
コンテナを鼠の食害から保護するのに便利である。この
ように、本発明の防鼠材は平面的なものに限らず、袋
状、筒状、箱状など種々の立体形状に加工されたものを
も包含するものである。
【0024】図4は本発明防鼠材を用いた使用例を示す
説明図であって、防鼠材Aとしては図3に示す網筒状に
加工したものを用いている。また、広い場所で使用する
ときは、切開いて拡張してもよい。防鼠材Aは約2/3
を土中4に埋め込んで、その中にリンゴ等の幼木5を2
本囲まれるようにしてある。鼠は幼木などを好んで食べ
る習性があり、幼木が成長するまでに食害にあう。従っ
て、このようにしておくと、鼠が地上を通る時、或は冬
期に地下20cm前後のところに営巣を築き、この場所
から土中にトンネルを掘って移動していく時に、防鼠材
Aにぶつかり、網を噛じることによって忌避行動を行わ
せて、幼木5の幹や根が食害から防止される。この使用
例では、幼木は何本でもよく、また幼木の列に沿って網
状防鼠材Aを両側に埋めてもよく、幼木の区画を包んで
もよく、さらに幼木の種類も限定されるものではない。
【0025】図5は本発明の更に他の実施例を示す断面
図で、網状ではなくシート状に成形した防鼠材Bを示し
ている。このシート状防鼠材Bは、上下の表面層3a,
3aと中間層3bからなる三層構造のポリエチレン樹脂
のシート状基材3に、前述のシクロヘキシミドと遮光性
顔料を含有させたもので、表面層3a,3aのシクロヘ
キシミド含有量を少なくし、中間層3bのシクロヘキシ
ミド含有量を多くすることによって、基材3全体として
有効量のシクロヘキシミドが含有されるようにしたもの
である。
【0026】このようなシート状防鼠材Bは、光が入射
する表面層3aでシクロヘキシミドの光分解が進行して
も、表面層のシクロヘキシミド含有量が少ないため分解
するシクロヘキシミドは少量であり、一方、光が殆ど透
過しない中間層3bでは、多量に含有されるシクロヘキ
シミドが光分解を殆ど生じないので、全体としてシクロ
ヘキシミドの残存率が向上し、耐候(光)性が更に良く
なるという利点を有する。
【0027】表面層3aの厚さは0.05mm以上とす
ることが望ましく、これだけの厚さがあると、該表面層
3aに含まれる遮光性顔料によって光をほぼ確実に遮断
できるので、中間層3bに多量に含まれるシクロヘキシ
ミドの光分解を激減させることができる。また、中間層
3bの厚さは自由であるが、あまり薄くするとシクロヘ
キシミドの含有量を大幅に増やすことが必要となり、中
間層3bの物性が低下するという不都合を生じるので、
表面層3aの2倍程度の厚さとするのが適当である。
【0028】表面層3aのシクロヘキシミド含有量は、
極端に少なくなると鼠忌避効果の面からあまり好ましく
ないので、少なくとも成形後の含有量が0.05重量%
以上となるように、原料のポリエチレン樹脂に対してシ
クロヘキシミドを約0.07重量%以上、望ましくは
0.1重量%程度配合するのが良い。一方、中間層3b
の原料樹脂に対するシクロヘキシミドの配合量は、中間
層3bの厚さや表面層3aの原料樹脂に対するシクロヘ
キシミドの配合量を考慮して適宜決定すればよく、例え
ば中間層3bの厚さが表面層3aの2倍で、表面層3a
のシクロヘキシミド配合量が0.1重量%である場合に
は、原料樹脂に対してシクロヘキシミドを0.3重量%
程度配合することが望ましい。
【0029】尚、遮光性顔料の含有量は表面層3aも中
間層3bも同じでよいが、表面層3aの含有量を多くし
て遮光性を一層向上させる方が望ましい。
【0030】以上のような三層構造のシート状防鼠材B
は、三層共押出成形機を使用し、シクロヘキシミドの配
合量が多いポリエチレン樹脂の中間層の両面に、シクロ
ヘキシミドの配合量が少ないポリエチレン樹脂の表面層
を共押出して融着一体化することにより、効率よく製造
される。なお、二層構造のシート状防鼠材にして表面層
の遮光性顔料の含有量を多くしても同様の効果を有す
る。
【0031】シート状の防鼠材は、耐候(光)性向上の
観点から上記のような三層構造若しくは二層構造とする
ことが望ましいが、シクロヘキシミド含有量が一様な単
層構造としてもよいことは勿論であり、このような単層
構造のシート状防鼠材としても、その中に含まれる遮光
性顔料によってシクロヘキシミドの光分解が抑制され、
耐候(光)性が従来よりも大幅に向上することは言うま
でもない。
【0032】次に、本発明の具体的な実施例1〜3と比
較例1〜4について説明する。 (実施例1)
【0033】酢酸ビニルを6重量%含むポリエチレン樹
脂粉末(融点100℃)100重量部に、ナラマイシン
マイクロカプセルD80を2.56重量部、カーボンブ
ラック(平均粒径80μm)を1重量部加えて均一に混
合し、シクロヘキシミドの仕込み量が0.2重量%の原
料樹脂混合物を調製した。この原料樹脂混合物を二軸押
出成形機に投入し、溶融成形温度120℃で厚さ1mm
の単層構造のシート状に押出成形して防鼠材を作製し
た。
【0034】このシート状防鼠材について、シクロヘキ
シミドの含有量を測定してその残存率を求め、更に、ウ
エザオメーターで促進暴露試験を行い、経時的にシクロ
ヘキシミドの残存率を求めた。その結果を下記の表1に
示す。 (実施例2)
【0035】実施例1の原料樹脂混合物に光安定剤(H
ALS「LA52」)を0.15重量部追加した以外は
実施例1と同様にして厚さ1mmのシート状防鼠材を作
製した。この防鼠材について実施例1と同様に促進暴露
試験を行い、経時的にシクロヘキシミドの残存率を求め
た。その結果を下記の表1に示す。 (実施例3)
【0036】実施例1の原料樹脂混合物に光安定剤(H
ALS「LA52」)を0.15重量部、抗酸化剤(旭
電化株式会社製のフェノール系抗酸化剤「328」)を
0.2重量部追加した以外は実施例1と同様にして厚さ
1mmのシート状防鼠材を作製した。この防鼠材につい
て実施例1と同様に促進暴露試験を行い、経時的にシク
ロヘキシミドの残存率を求めた。その結果を下記の表1
に示す。 (比較例1)
【0037】酢酸ビニルを6重量%含むポリエチレン樹
脂粉末(融点100℃)100重量部に、ナラマイシン
マイクロカプセルD80を2.56重量部加えて均一に
混合し、シクロヘキシミドの仕込み量が0.2重量%の
原料樹脂混合物を調製した。この原料樹脂混合物を実施
例1と同様に溶融押出成形してシート状防鼠材を作製
し、促進暴露試験を行って経時的にシクロヘキシミドの
残存率を求めた。その結果を下記の表1に示す。 (比較例2)
【0038】比較例1の原料樹脂混合物に光安定剤(H
ALS「LA52」)を0.15重量部追加した以外は
実施例1と同様にしてシート状防鼠材を作製し、促進暴
露試験を行って経時的にシクロヘキシミドの残存率を求
めた。その結果を下記の表1に示す。 (比較例3)
【0039】比較例1の原料樹脂混合物に光安定剤(H
ALS「LA52」)を0.15重量部と抗酸化剤
(「328」)を0.2重量部追加した以外は実施例1
と同様にしてシート状防鼠材を作製し、促進暴露試験を
行って経時的にシクロヘキシミドの残存率を求めた。そ
の結果を下記の表1に示す。 (比較例4)
【0040】溶融成形温度を180℃に変更した以外は
比較例1と同様にしてシート状防鼠材を作製し、シクロ
ヘキシミドの残存率を求めた。その結果を下記の表1に
示す。尚、このシート状防鼠材については、シクロヘキ
シミドの残存率が低いので促進暴露試験を行わなかっ
た。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、180℃の高い
溶融成形温度で押出成形した比較例4の防鼠材は、暴露
前のシクロヘキシミド残存率がわずか10.3%であ
り、配合したシクロヘキシミドの約9割が成形時の熱で
分解しているのに対し、120℃の低い溶融成形温度で
押出成形した実施例1〜3の防鼠材及び比較例1〜3の
防鼠材は、暴露前のシクロヘキシミド残存率が約70〜
85であり、熱分解が大幅に抑制されることが判る。
【0043】また、カーボンブラックを含まない比較例
1〜3の防鼠材は、樹脂安定剤として通常使用されてい
る光安定剤や抗酸化剤を含むにもかかわらず、暴露後1
00時間たつとシクロヘキシミド残存率が約10%まで
低下し、短期間の内にシクロヘキシミドが光分解するの
に対し、カーボンブラックを含む実施例1〜3の防鼠材
は、暴露後500時間経過してもシクロヘキシミド残存
率が30%以上であり、光分解が大幅に抑制されること
が判る。従って、比較例1〜3の防鼠材は暴露後100
時間経過するとシクロヘキシミドの含有量が約0.02
重量%まで減少し、鼠忌避効果を喪失するのに対し、実
施例1〜3の防鼠材は500時間経過後でも0.06重
量%以上のシクロヘキシミドを含有保持し、依然として
満足な鼠忌避効果を持続できることが判る。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の防鼠材は、溶融成形時にシクロヘキシミドの熱分解が
抑制され、更に使用中に光が照射されても遮光性顔料に
よってシクロヘキシミドの光分解が抑制されるため、シ
クロヘキシミドの使用量(原料のポリエチレン樹脂に対
する配合量)を大幅に節約することができ、屋外で長期
間使用しても有効量以上のシクロヘキシミドを保有して
満足な防鼠効果を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防鼠材の一実施例を示す平面図であ
る。
【図2】本発明の防鼠材の一使用例を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の防鼠材の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明の防鼠材の他の使用例を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の防鼠材の更に他の実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1,3 基材 1a 縦糸 1b 横糸 1c 網目 3a 表面層 3b 中間層 A 網状防鼠材 B シート状防鼠材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 43/40 A01N 25/10 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融温度が150℃以下のポリエチレン樹
    脂の基材中に、シクロヘキシミドと炭素粉末や酸化チタ
    ン粉末などの遮光性顔料とを含有せしめて成る防鼠材。
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