JP3094018B1 - Fe−Cu複合粉末の製造方法 - Google Patents
Fe−Cu複合粉末の製造方法Info
- Publication number
- JP3094018B1 JP3094018B1 JP11176210A JP17621099A JP3094018B1 JP 3094018 B1 JP3094018 B1 JP 3094018B1 JP 11176210 A JP11176210 A JP 11176210A JP 17621099 A JP17621099 A JP 17621099A JP 3094018 B1 JP3094018 B1 JP 3094018B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copper
- powder
- content
- particle size
- free
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
【要約】
【課題】 本発明は、遊離銅粉が少なく、被覆銅層の硬
さの上昇を抑えた安価なFe−Cu複合粉末を提供する
こと、およびその製造方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 鉄粉に銅粉と銅酸化物とを混合し、還元
雰囲気中700〜1000℃で熱処理することにより得
られる被覆銅層の硬さがHV(0.5gf)100以下
で、遊離銅含有量(全銅含有量に対する遊離銅量の比率)
が10%以下のFe−Cu複合粉末、および鉄粉に銅含
有率で10〜70mass%となるように銅粉と銅酸化
物とを混合し、還元雰囲気中で700〜1000℃で熱
処理した後、粉砕し、篩別するFe−Cu複合粉末の製
造方法。
さの上昇を抑えた安価なFe−Cu複合粉末を提供する
こと、およびその製造方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 鉄粉に銅粉と銅酸化物とを混合し、還元
雰囲気中700〜1000℃で熱処理することにより得
られる被覆銅層の硬さがHV(0.5gf)100以下
で、遊離銅含有量(全銅含有量に対する遊離銅量の比率)
が10%以下のFe−Cu複合粉末、および鉄粉に銅含
有率で10〜70mass%となるように銅粉と銅酸化
物とを混合し、還元雰囲気中で700〜1000℃で熱
処理した後、粉砕し、篩別するFe−Cu複合粉末の製
造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄粉の表面に銅を
均一に拡散付着させたFe−Cu複合粉末の製造方法に
関するもので、主としてFe−Cu系粉末冶金製品の原
料粉として好適である。
均一に拡散付着させたFe−Cu複合粉末の製造方法に
関するもので、主としてFe−Cu系粉末冶金製品の原
料粉として好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、Fe−Cu系粉末冶金製品、中で
も特にFe−Cu系焼結軸受における銅の偏析防止ある
いは摺動抵抗の低減を目的として、鉄粉の表面に銅を均
一に付着させたFe−Cu系複合粉末の需要が増大しつ
つある。このような形態のFe−Cu複合粉末の製造方
法は従来、湿式法と乾式法の2つが知られている。
も特にFe−Cu系焼結軸受における銅の偏析防止ある
いは摺動抵抗の低減を目的として、鉄粉の表面に銅を均
一に付着させたFe−Cu系複合粉末の需要が増大しつ
つある。このような形態のFe−Cu複合粉末の製造方
法は従来、湿式法と乾式法の2つが知られている。
【0003】特公昭51−29486号に示された湿式
法は、銅イオンを含む溶液中に鉄粉を浸漬し、鉄粉の表
面に電気化学的に銅を析出させる方法で、この方法では
鉄粉の表面を銅で比較的均一に被覆することができる
が、生成したFe−Cu複合粉末の洗浄、乾燥処理を充
分行なわないと得られた粉末が酸化する欠点があり、こ
れを完全に行なうためには製造コストが高くなる。さら
に最近では、廃液処理等の環境対策などにより、さらに
製造コストが高くなる。このため、湿式法によるFe−
Cu複合粉末はあまり実用化されていなかった。一方、
乾式法は鉄粉と銅微粉とを混合し、還元雰囲気中で熱処
理して鉄粉に銅微粉を拡散付着させる方法が古くから知
られいるが、固相拡散によって鉄粉の表面に銅微粉を均
一に付着させることは難しく、特に熱処理ケーキの解砕
および粉砕工程で多量の遊離銅粉が生成するという問題
があった。
法は、銅イオンを含む溶液中に鉄粉を浸漬し、鉄粉の表
面に電気化学的に銅を析出させる方法で、この方法では
鉄粉の表面を銅で比較的均一に被覆することができる
が、生成したFe−Cu複合粉末の洗浄、乾燥処理を充
分行なわないと得られた粉末が酸化する欠点があり、こ
れを完全に行なうためには製造コストが高くなる。さら
に最近では、廃液処理等の環境対策などにより、さらに
製造コストが高くなる。このため、湿式法によるFe−
Cu複合粉末はあまり実用化されていなかった。一方、
乾式法は鉄粉と銅微粉とを混合し、還元雰囲気中で熱処
理して鉄粉に銅微粉を拡散付着させる方法が古くから知
られいるが、固相拡散によって鉄粉の表面に銅微粉を均
一に付着させることは難しく、特に熱処理ケーキの解砕
および粉砕工程で多量の遊離銅粉が生成するという問題
があった。
【0004】これを解決する方法として特公昭59−1
764号、特開平8−92604号に示された鉄粉に酸
化銅の微粉を混合し、これを還元雰囲気中で熱処理する
方法が提案されている。この方法によって遊離銅粉の生
成の問題はほぼ解決されたが、この方法の場合、熱処理
中に酸化銅が還元雰囲気によって還元される前に鉄と酸
化銅との間で酸化還元反応が起こり、銅中に多量の鉄が
溶け込むため、銅部の硬さが上昇する問題点がある。こ
のような粉末を用いて例えば焼結軸受を作製した場合、
軸受と軸との間のなじみ性が悪くなり、摺動抵抗が増大
する。また、一般の焼結機械部品を作製する場合には圧
粉成形時の圧縮性の低下を招く。
764号、特開平8−92604号に示された鉄粉に酸
化銅の微粉を混合し、これを還元雰囲気中で熱処理する
方法が提案されている。この方法によって遊離銅粉の生
成の問題はほぼ解決されたが、この方法の場合、熱処理
中に酸化銅が還元雰囲気によって還元される前に鉄と酸
化銅との間で酸化還元反応が起こり、銅中に多量の鉄が
溶け込むため、銅部の硬さが上昇する問題点がある。こ
のような粉末を用いて例えば焼結軸受を作製した場合、
軸受と軸との間のなじみ性が悪くなり、摺動抵抗が増大
する。また、一般の焼結機械部品を作製する場合には圧
粉成形時の圧縮性の低下を招く。
【0005】本発明は、遊離銅粉が少なく、被覆銅層の
硬さの上昇を抑えた安価なFe−Cu複合粉末を提供す
るため、その製造方法を提供することである。
硬さの上昇を抑えた安価なFe−Cu複合粉末を提供す
るため、その製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、比表面積が2
000cm 2 /g以上の銅粉と、酸化銅(Cuo)粉末
又は亜酸化銅(Cu 2 O)粉末もしくはこれらの混合粉
末で且つそれらの平均粒径が10μm以下の銅酸化物と
を、銅粉と銅酸化物の混合比率が銅換算で20〜80:
80〜20(mass比)の範囲となるように、また銅
含有率で10〜70mass%となるように鉄粉に混合
し、これらの混合物を還元雰囲気中で、700〜100
0℃で熱処理した後、粉砕し、篩別することを特徴とす
る、被覆銅層の硬さがHV100以下で、遊離銅含有率
(全銅含有量に対する遊離銅量の比率)が10%以下の
Fe−Cu複合粉末の製造方法である。
000cm 2 /g以上の銅粉と、酸化銅(Cuo)粉末
又は亜酸化銅(Cu 2 O)粉末もしくはこれらの混合粉
末で且つそれらの平均粒径が10μm以下の銅酸化物と
を、銅粉と銅酸化物の混合比率が銅換算で20〜80:
80〜20(mass比)の範囲となるように、また銅
含有率で10〜70mass%となるように鉄粉に混合
し、これらの混合物を還元雰囲気中で、700〜100
0℃で熱処理した後、粉砕し、篩別することを特徴とす
る、被覆銅層の硬さがHV100以下で、遊離銅含有率
(全銅含有量に対する遊離銅量の比率)が10%以下の
Fe−Cu複合粉末の製造方法である。
【0007】本発明者等は各種Fe−Cu複合粉末を用
いて軸受他の焼結部品を作成し検討した結果、被覆銅層
の硬さがHV100以下で、遊離銅含有率(全銅含有量
に対する遊離銅量の比率)が10%以下であれば、軸と
軸受との間のなじみ性が良くなることで、摺動抵抗が少
なくなり、また圧縮成形時の圧縮性も良好であり、銅の
偏析も発生しないことを確認した。
いて軸受他の焼結部品を作成し検討した結果、被覆銅層
の硬さがHV100以下で、遊離銅含有率(全銅含有量
に対する遊離銅量の比率)が10%以下であれば、軸と
軸受との間のなじみ性が良くなることで、摺動抵抗が少
なくなり、また圧縮成形時の圧縮性も良好であり、銅の
偏析も発生しないことを確認した。
【0008】十分に焼鈍された純銅の硬さをマイクロビ
ッカース硬さ計で測定すると、HV(0.5gf)40〜
60程度であるのに対し、従来の鉄粉と酸化銅粉を混合
する方法で作製したFe−Cu複合粉末の被覆銅層のマ
イクロビッカース硬さはHV(0.5gf)130〜14
0程度に達する。このように、硬い被覆銅層を有する複
合粉末は、変形抵抗が上昇し、圧縮性の低下、あるいは
軸受に焼成した場合には軸受と軸とのなじみ性の低下を
引き起こす。
ッカース硬さ計で測定すると、HV(0.5gf)40〜
60程度であるのに対し、従来の鉄粉と酸化銅粉を混合
する方法で作製したFe−Cu複合粉末の被覆銅層のマ
イクロビッカース硬さはHV(0.5gf)130〜14
0程度に達する。このように、硬い被覆銅層を有する複
合粉末は、変形抵抗が上昇し、圧縮性の低下、あるいは
軸受に焼成した場合には軸受と軸とのなじみ性の低下を
引き起こす。
【0009】また、遊離銅含有率が10%を超えるとF
e−Cu複合粉末の一部に銅層が欠落した部分が発生す
るか、もしくはその一部に多量の銅層が付着しているこ
とが考えられ、いずれの場合も軸受等の焼結部品を作製
した場合、なじみ性や摺動抵抗のみでなく、強度もばら
つくことになり、好ましくない。本発明では、このよう
な銅層の固溶強化の原因となる鉄と銅酸化物との間の酸
化還元反応を抑制するために酸化銅粉の一部を銅粉に置
き換えることで、遊離銅含有率(全銅含有量に対する遊
離銅量の比率)を10%以下に抑えつつ、同時に被覆銅
層の硬さをHV(0.5gf)100以下に抑えること
に成功したものである。
e−Cu複合粉末の一部に銅層が欠落した部分が発生す
るか、もしくはその一部に多量の銅層が付着しているこ
とが考えられ、いずれの場合も軸受等の焼結部品を作製
した場合、なじみ性や摺動抵抗のみでなく、強度もばら
つくことになり、好ましくない。本発明では、このよう
な銅層の固溶強化の原因となる鉄と銅酸化物との間の酸
化還元反応を抑制するために酸化銅粉の一部を銅粉に置
き換えることで、遊離銅含有率(全銅含有量に対する遊
離銅量の比率)を10%以下に抑えつつ、同時に被覆銅
層の硬さをHV(0.5gf)100以下に抑えること
に成功したものである。
【0010】本発明の製造方法では、銅粉の混合比率が
銅換算で20mass%までの間で銅部の硬さは急激に
低下し、その後、銅粉の混合比率の増大とともに徐々に
低下する。一方、銅粉の混合比率の増加とともに遊離銅
粉の生成比率が増加するが増加の度合いは銅粉の混合比
率が銅換算で80mass%以下では比較的穏やかであ
るのに対し、80mass%を超えるあたりから急激に
増大する。したがって、銅粉と銅酸化物の混合比率は、
銅換算で20〜80:80〜20(mass比)の範囲
が適当である。
銅換算で20mass%までの間で銅部の硬さは急激に
低下し、その後、銅粉の混合比率の増大とともに徐々に
低下する。一方、銅粉の混合比率の増加とともに遊離銅
粉の生成比率が増加するが増加の度合いは銅粉の混合比
率が銅換算で80mass%以下では比較的穏やかであ
るのに対し、80mass%を超えるあたりから急激に
増大する。したがって、銅粉と銅酸化物の混合比率は、
銅換算で20〜80:80〜20(mass比)の範囲
が適当である。
【0011】熱処理は、還元雰囲気中、700〜100
0℃で行なう。熱処理温度が700℃以下では粉末中の
残留酸素量が増え、また遊離銅粉の生成比率が増大す
る。一方、1000℃を超えると粉末の焼結が進行して
熱処理ケーキの粉砕に多大のエネルギーを要するように
なると同時に、銅中への鉄の溶解度も増加するため粉末
表面の銅部の硬さが増大する。
0℃で行なう。熱処理温度が700℃以下では粉末中の
残留酸素量が増え、また遊離銅粉の生成比率が増大す
る。一方、1000℃を超えると粉末の焼結が進行して
熱処理ケーキの粉砕に多大のエネルギーを要するように
なると同時に、銅中への鉄の溶解度も増加するため粉末
表面の銅部の硬さが増大する。
【0012】銅含有率は、10〜70mass%が適当
で、70mass%以上では遊離銅粉が増大する。一
方、10mass%以下では鉄粉の表面を完全に被覆す
ることができないので好ましくない。
で、70mass%以上では遊離銅粉が増大する。一
方、10mass%以下では鉄粉の表面を完全に被覆す
ることができないので好ましくない。
【0013】また、本発明の製造方法で用いる銅酸化物
に混入する銅粉の粒度は細かい方が好適である。少なく
とも比表面積(BET法)が2000cm2/g以上の微細
な銅粉を用いることが好ましい。2000cm2/g以下
であると遊離銅粉の生成比率が増大する。
に混入する銅粉の粒度は細かい方が好適である。少なく
とも比表面積(BET法)が2000cm2/g以上の微細
な銅粉を用いることが好ましい。2000cm2/g以下
であると遊離銅粉の生成比率が増大する。
【0014】同じく、遊離銅粉を低減させるために本発
明の製造方法で用いる銅酸化物は、酸化銅(CuO)粉末
又は亜酸化銅(Cu2O)粉末、あるいはそれらの混合粉
のいずれでもよい。但し、それらの平均粒径は10μm
以下であることが好ましい。平均粒径が、10μmを超
えると鉄粉との酸化還元反応がスームズに進行せず、遊
離銅粉の生成比率が増大する。
明の製造方法で用いる銅酸化物は、酸化銅(CuO)粉末
又は亜酸化銅(Cu2O)粉末、あるいはそれらの混合粉
のいずれでもよい。但し、それらの平均粒径は10μm
以下であることが好ましい。平均粒径が、10μmを超
えると鉄粉との酸化還元反応がスームズに進行せず、遊
離銅粉の生成比率が増大する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について以
下に記載する。
下に記載する。
【実施例】(実施例1)粒度−150μmの粉末冶金用
還元鉄粉に銅含有量が50mass%になるように平均
粒径3μmの酸化銅(CuO)粉末又は亜酸化銅(Cu
2O)粉末と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅換
算mass比で所定の比率(80:20,50:50,2
0:80)で混合し、水素気流中800℃で30min
熱処理した。続いて、得られた熱処理ケーキをカッター
ミルで粉砕し、さらに高速ハンマーミルで粉砕、篩別に
より−180μmの粒度のFe−Cu複合粉を作製し
た。得られた粉末の銅部のマイクロビッカース硬さ、お
よび自作の磁選機により、遊離銅含有率を測定した結果
を表1に示す。
還元鉄粉に銅含有量が50mass%になるように平均
粒径3μmの酸化銅(CuO)粉末又は亜酸化銅(Cu
2O)粉末と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅換
算mass比で所定の比率(80:20,50:50,2
0:80)で混合し、水素気流中800℃で30min
熱処理した。続いて、得られた熱処理ケーキをカッター
ミルで粉砕し、さらに高速ハンマーミルで粉砕、篩別に
より−180μmの粒度のFe−Cu複合粉を作製し
た。得られた粉末の銅部のマイクロビッカース硬さ、お
よび自作の磁選機により、遊離銅含有率を測定した結果
を表1に示す。
【0016】(実施例2)粒度−150μmの粉末冶金
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%になるように平
均粒径3μmの酸化銅(CuO)粉末又は亜酸化銅(Cu2
O)粉末と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅換
算mass比で50:50の比率で混合し、水素気流中
で所定の温度(700℃,900℃,1000℃)で30
min熱処理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実
施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−180μmの粒度
のFe−Cu複合粉を作製した。得られた粉末の銅部の
マイクロビッカース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定
した結果を表1に示す。
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%になるように平
均粒径3μmの酸化銅(CuO)粉末又は亜酸化銅(Cu2
O)粉末と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅換
算mass比で50:50の比率で混合し、水素気流中
で所定の温度(700℃,900℃,1000℃)で30
min熱処理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実
施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−180μmの粒度
のFe−Cu複合粉を作製した。得られた粉末の銅部の
マイクロビッカース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定
した結果を表1に示す。
【0017】(実施例3)粒度−150μmの粉末冶金
用還元鉄粉に所定銅含有量(20,70)となるように平
均粒径3μmの酸化銅(CuO)粉末又は亜酸化銅(Cu2
O)粉末と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅換
算mass比で50:50の比率で混合し、水素気流中
800℃で30min熱処理した。続いて、得られた熱
処理ケーキを実施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−1
80μm粒度のFe−Cu複合粉を作製した。得られた
粉末の銅部のマイクロビッカース硬さ、ならびに遊離銅
含有率を測定した結果を表1に示す。
用還元鉄粉に所定銅含有量(20,70)となるように平
均粒径3μmの酸化銅(CuO)粉末又は亜酸化銅(Cu2
O)粉末と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅換
算mass比で50:50の比率で混合し、水素気流中
800℃で30min熱処理した。続いて、得られた熱
処理ケーキを実施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−1
80μm粒度のFe−Cu複合粉を作製した。得られた
粉末の銅部のマイクロビッカース硬さ、ならびに遊離銅
含有率を測定した結果を表1に示す。
【0018】
【比較例】(比較例1)粒度−150μmの粉末冶金用
還元鉄粉に銅含有量が50mass%になるように平均
粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)を混合し、水素気流
中800℃で30min熱処理した。続いて、得られた
熱処理ケーキを実施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−
180μmの粒度のFe−Cu複合粉を作製した。得ら
れた粉末の銅部のマイクロビッカース硬さ、ならびに遊
離銅含有率を測定した結果を表1に示す。
還元鉄粉に銅含有量が50mass%になるように平均
粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)を混合し、水素気流
中800℃で30min熱処理した。続いて、得られた
熱処理ケーキを実施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−
180μmの粒度のFe−Cu複合粉を作製した。得ら
れた粉末の銅部のマイクロビッカース硬さ、ならびに遊
離銅含有率を測定した結果を表1に示す。
【0019】(比較例2)粒度−150μmの粉末冶金
用還元鉄粉と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅
換算mass比で50:50に混合し、水素気流中80
0℃で30min熱処理した。続いて、得られた熱処理
ケーキを実施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−180
μmの粒度のFe−Cu複合粉を作製した。得られた粉
末の銅部のマイクロビッカース硬さ、ならびに遊離銅含
有率を測定した結果を表1に示す。
用還元鉄粉と比表面積2700cm2/gの電解銅粉を銅
換算mass比で50:50に混合し、水素気流中80
0℃で30min熱処理した。続いて、得られた熱処理
ケーキを実施例1と同じ方法で粉砕、篩別し、−180
μmの粒度のFe−Cu複合粉を作製した。得られた粉
末の銅部のマイクロビッカース硬さ、ならびに遊離銅含
有率を測定した結果を表1に示す。
【0020】(比較例3)粒度−150μmの粉末冶金
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積270
0cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:50
の比率で混合し、水素気流中600℃で30min熱処
理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と同
じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−Cu
複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビッ
カース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を表
1に示す。
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積270
0cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:50
の比率で混合し、水素気流中600℃で30min熱処
理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と同
じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−Cu
複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビッ
カース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を表
1に示す。
【0021】(比較例4)粒度−150μmの粉末冶金
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積270
0cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:50
の比率で混合し、水素気流中1050℃で30min熱
処理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と
同じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−C
u複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビ
ッカース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を
表1に示す。
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積270
0cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:50
の比率で混合し、水素気流中1050℃で30min熱
処理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と
同じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−C
u複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビ
ッカース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を
表1に示す。
【0022】(比較例5)粒度−150μmの粉末冶金
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積150
0cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:50
の比率で混合し、水素気流中800℃で30min熱処
理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と同
じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−Cu
複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビッ
カース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を表
1に示す。
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径3μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積150
0cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:50
の比率で混合し、水素気流中800℃で30min熱処
理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と同
じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−Cu
複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビッ
カース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を表
1に示す。
【0023】(比較例6)粒度−150μmの粉末冶金
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径18μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積27
00cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:5
0の比率で混合し、水素気流中800℃で30min熱
処理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と
同じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−C
u複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビ
ッカース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を
表1に示す。
用還元鉄粉に銅含有量が50mass%となるように平
均粒径18μmの亜酸化銅粉(Cu2O)と比表面積27
00cm2/gの電解銅粉を銅換算mass比で50:5
0の比率で混合し、水素気流中800℃で30min熱
処理した。続いて、得られた熱処理ケーキを実施例1と
同じ方法で粉砕、篩別し、−180μm粒度のFe−C
u複合粉を作製した。得られた粉末の銅部のマイクロビ
ッカース硬さ、ならびに遊離銅含有率を測定した結果を
表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示した通り、本発明の製造条件で得
られたFe−Cu複合粉は、各比較例で得られるFe−
Cu複合粉に比べ、銅部の硬さ、遊離銅含有率の両方と
もに良好な範囲の数値を示している。これに対し、各比
較例ではそのいずれかが悪い数値を示している。
られたFe−Cu複合粉は、各比較例で得られるFe−
Cu複合粉に比べ、銅部の硬さ、遊離銅含有率の両方と
もに良好な範囲の数値を示している。これに対し、各比
較例ではそのいずれかが悪い数値を示している。
【0026】
【発明の効果】上記、表1より明らかなように、本発明
のFe−Cu複合粉は、遊離銅粉の生成を極力抑えら
れ、同時に銅部の硬さも低いレベルに抑えられているの
で、焼結軸受を作成した場合のなじみが良く、また成形
時の圧縮性も良好である。また、本発明の製造方法は乾
式法によるため非常に安価に提供することができ、産業
上、有用な発明である。さらに本発明のFe−Cu複合
粉を使用することによって、高性能の焼結機械部品、あ
るいは焼結軸受を低コストで製造することができる。
のFe−Cu複合粉は、遊離銅粉の生成を極力抑えら
れ、同時に銅部の硬さも低いレベルに抑えられているの
で、焼結軸受を作成した場合のなじみが良く、また成形
時の圧縮性も良好である。また、本発明の製造方法は乾
式法によるため非常に安価に提供することができ、産業
上、有用な発明である。さらに本発明のFe−Cu複合
粉を使用することによって、高性能の焼結機械部品、あ
るいは焼結軸受を低コストで製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 比表面積が2000cm 2 /g以上の銅
粉と、酸化銅(Cuo)粉末又は亜酸化銅(Cu 2 O)
粉末もしくはこれらの混合粉末で且つそれらの平均粒径
が10μm以下の銅酸化物とを、銅粉と銅酸化物の混合
比率が銅換算で20〜80:80〜20(mass比)
の範囲となるように、また銅含有率で10〜70mas
s%となるように鉄粉に混合し、これらの混合物を還元
雰囲気中で、700〜1000℃で熱処理した後、粉砕
し、篩別することを特徴とする、被覆銅層の硬さがHV
100以下で、遊離銅含有率(全銅含有量に対する遊離
銅量の比率)が10%以下のFe−Cu複合粉末の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11176210A JP3094018B1 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | Fe−Cu複合粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11176210A JP3094018B1 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | Fe−Cu複合粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3094018B1 true JP3094018B1 (ja) | 2000-10-03 |
JP2001003124A JP2001003124A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=16009559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11176210A Expired - Fee Related JP3094018B1 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | Fe−Cu複合粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3094018B1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102794457A (zh) * | 2012-03-21 | 2012-11-28 | 朱湖泽 | 一种青铜包铁复合粉的生产方法 |
RU2736476C2 (ru) * | 2015-08-28 | 2020-11-17 | Баошан Айрон Энд Стил Ко., Лтд. | Горячеоцинкованная алюминизированная стальная полоса с полимерным покрытием, пределом текучести не менее 500 мпа и высокой величиной относительного удлинения и способ ее изготовления |
RU2739568C2 (ru) * | 2015-08-28 | 2020-12-25 | Баошан Айрон Энд Стил Ко., Лтд. | ГОРЯЧЕОЦИНКОВАННАЯ АЛЮМИНИЗИРОВАННАЯ СТАЛЬНАЯ ПОЛОСА С ПОЛИМЕРНЫМ ПОКРЫТИЕМ, ПРЕДЕЛОМ ТЕКУЧЕСТИ НЕ МЕНЕЕ 600 МПа И ВЫСОКОЙ ВЕЛИЧИНОЙ ОТНОСИТЕЛЬНОГО УДЛИНЕНИЯ И СПОСОБ ЕЕ ИЗГОТОВЛЕНИЯ |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102794449A (zh) * | 2012-03-21 | 2012-11-28 | 朱湖泽 | 一种包铜铁粉的生产方法 |
-
1999
- 1999-06-23 JP JP11176210A patent/JP3094018B1/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102794457A (zh) * | 2012-03-21 | 2012-11-28 | 朱湖泽 | 一种青铜包铁复合粉的生产方法 |
RU2736476C2 (ru) * | 2015-08-28 | 2020-11-17 | Баошан Айрон Энд Стил Ко., Лтд. | Горячеоцинкованная алюминизированная стальная полоса с полимерным покрытием, пределом текучести не менее 500 мпа и высокой величиной относительного удлинения и способ ее изготовления |
RU2739568C2 (ru) * | 2015-08-28 | 2020-12-25 | Баошан Айрон Энд Стил Ко., Лтд. | ГОРЯЧЕОЦИНКОВАННАЯ АЛЮМИНИЗИРОВАННАЯ СТАЛЬНАЯ ПОЛОСА С ПОЛИМЕРНЫМ ПОКРЫТИЕМ, ПРЕДЕЛОМ ТЕКУЧЕСТИ НЕ МЕНЕЕ 600 МПа И ВЫСОКОЙ ВЕЛИЧИНОЙ ОТНОСИТЕЛЬНОГО УДЛИНЕНИЯ И СПОСОБ ЕЕ ИЗГОТОВЛЕНИЯ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001003124A (ja) | 2001-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7566437B2 (en) | Process for manufacture of silver-based composite powders for electrical contact materials and composite powders so produced | |
WO2008059855A1 (fr) | Poudre composite fer/cuivre pour la métallurgie des poudres et son processus de production | |
JP3094018B1 (ja) | Fe−Cu複合粉末の製造方法 | |
CN101950696A (zh) | 一种银氧化锡触头合金材料的制造方法及其所制合金 | |
US4080199A (en) | Lathe cut dental alloy powder | |
CN114192788B (zh) | 一种氧化铝弥散强化铜锡合金粉及其制备方法 | |
Talijan et al. | Processing and properties of silver-metal oxide electrical contact materials | |
JPS6018735B2 (ja) | 電気接点材料 | |
CN109500392B (zh) | 一种改善锭坯烧结性的银氧化锌触头材料的制备方法 | |
JP2544017B2 (ja) | 粉末冶金用銅粉の製造方法 | |
JP4109023B2 (ja) | 鉄系焼結摺動部材の製造方法及び鉄系焼結摺動部材 | |
JP2748667B2 (ja) | Ni合金粉末およびその製造法 | |
JPH0751721B2 (ja) | 焼結用低合金鉄粉末 | |
JPS6148573B2 (ja) | ||
JPS6250445A (ja) | Fe基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材 | |
JP2735936B2 (ja) | 焼結性に優れた分散強化Ni合金粉末およびその製造方法 | |
CN115570139B (zh) | 一种银氧化锡电接触材料的制备方法 | |
JP3796321B2 (ja) | 錫被覆銅粉を用いた焼結材料の製造方法 | |
JPH086121B2 (ja) | 低酸素金属クロム粉末の製造方法 | |
JPS5938301A (ja) | Ag−W焼結接点の製造方法 | |
US4427625A (en) | Silver cadmium oxide electrical contacts | |
JPH04337001A (ja) | 粉末冶金用低合金鋼粉及びその焼結成形体並びに調質成形体 | |
JPH0959727A (ja) | 銀−酸化物系焼結接点材料の製造方法 | |
JPS636601B2 (ja) | ||
JPS6156283B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |