JP3093873B2 - タイヤ - Google Patents

タイヤ

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JP3093873B2
JP3093873B2 JP04143554A JP14355492A JP3093873B2 JP 3093873 B2 JP3093873 B2 JP 3093873B2 JP 04143554 A JP04143554 A JP 04143554A JP 14355492 A JP14355492 A JP 14355492A JP 3093873 B2 JP3093873 B2 JP 3093873B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用に伴って生じるト
レッドゴムの経時的な硬化を防ぎ、氷上、雪上における
走行性を高めかつその性能を長期に亘り持続させうるタ
イヤに関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤのトレッド面を形成するトレッド
ゴムにあっては、ゴムの経時的な硬化を防ぐためゴム組
成物中に例えば鉱物油等からなるオイル分を通常5〜2
5%含有させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのようなオイ
ル分は、タイヤ走行によるトレッドゴムの昇温により移
行が起こり、又飛散することにより含油率が減少し、そ
の結果、トレッドゴムの硬度が上昇することによって、
制動性能などの走行性能に変化を及ぼすことが知られて
いる。特に氷上、雪上の走行時において、氷雪路面にお
ける制動性能の低下が著しいという問題がある。
【0004】氷雪路面の走行用として、スパイクタイヤ
が存在するが、このタイヤは、舗装路面を走行する際
に、路面を削り取り、粉塵を飛散させるため、その使用
を自制の方向に進みつつある。
【0005】発明者は、前記問題点を解決するため鋭意
研究の結果、ゴム組成物中に、オイル分を貯えることが
でき、かつそのオイル分をゴム基材に滲出させうるよう
な物質を混在させること、又この物体として走行時にお
いて路面に損傷を与えないものを用いることによって、
前記問題点を解決しうることを見出し、本発明を完成さ
せたのである。
【0006】本発明は、トレッドゴムの経時的な硬化を
長期に亘って防止でき、氷雪路面における走行性能の向
上と、その安定を図り、氷雪路走行用のタイヤとしても
好適に採用しうるタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、タイヤのトレ
ッドゴムを、粒子径が30〜200μm、空孔率が30
〜70%の多孔質体の空孔に、前記トレッドゴムの硬化
を防止するオイルを含浸した含油粒体が5容積%以上か
つ20容積%以下の混合率でゴム基材に混合したゴム組
成物を用いて形成してなるタイヤである。
【0008】なおタイヤとしては、自動車用、又は自動
二輪車用などの空気入りタイヤの他、主として産業車両
に採用されるソリッドタイヤであってもよい。
【0009】
【作用】多孔質体の空孔率が30〜70%であることに
より、該多孔質体の空孔に含まれるオイルは、ゴム基材
と混在するオイルに比べて含有率を高くすることが容易
になしうる。従ってタイヤ使用に際して、特に走行によ
るトレッド部の発熱によって、多孔質体の前記空孔に貯
えられたオイルがゴム基材に滲出し、ゴム基材にオイル
を補強する。これによってゴム基材のオイル切れによる
硬度上昇を防止でき、氷上、雪上走行に際して、走行性
能を高め、かつ長期に亘りその走行性能の安定化を図り
うる。
【0010】空孔率が30%未満では、多孔質体に貯え
るオイルの量が不足し所期の目的を達成し得ず、70%
をこえると多孔質体は強度に劣り混合時において破砕す
る危険がある。
【0011】又多孔質体の粒子径が30〜200μmと
している。粒子径を前記範囲とすることによって、タイ
ヤ走行によりトレッド表面は前記多孔質体によってスパ
イク効果を発揮するとともに、該トレッド表面が図3
(A)の状態から図3(B)の状態に摩耗することによ
り、その摩耗とともに多孔質体が剥離し、トレッド表面
に多数の凹部が形成される。氷上走行時においては、氷
面上に形成される水膜をこの凹部によって効果的に集約
し、トレッド表面が路面と直接接地する接地面において
水膜の形成されるのを排除しうるため、氷上グリップ性
及び氷上制動性を著しく向上しうるのである。
【0012】粒子径が30μm未満では前記スパイク効
果が充分でなく、又30μmをこえると走行によるトレ
ッド表面の荒れが大となり、トレッド表面と氷面との接
地面積が減少するため、氷上グリップ性、氷上制動性が
低下することとなる。
【0013】さらにゴム組成物は、前記多孔質体にオイ
ルを含浸させた含有粒体が5容積%以上かつ20容積%
以下の混合率でゴム基材に混合している。5容積%未満
ではオイル量が少なく、硬化を十分に阻止し得ず又スパ
イク効果が不十分となる。逆に20容積%をこえると、
ゴム基材の氷面との接地面積が減少するため、グリップ
性能に劣りかつ耐摩耗性が低下するからである。
【0014】このように本願発明は、前記した各構成が
有機的かつ一体化することによって、ゴム組成物の硬化
を防ぎ、氷上、雪上走行に際して走行性能を高めかつ長
期に亘りその性能の安定化を図りうるのである。
【0015】
【実施例】以下本発明のタイヤが空気入りタイヤである
場合を例にとり、図面に基づき説明する。
【0016】図1、2において空気入りタイヤ1Aは、
トレッドゴム2を多孔質体の空孔にオイルを含浸した含
油粒体3をゴム基材4に混合したゴム組成物5を用いて
形成している。
【0017】又空気入りタイヤ1は、ビードコア12が
通るビード部13と該ビード部13に連なりかつタイヤ
半径方向外向きにのびるサイドウォール部14と、その
上端を継ぎかつトレッド面15Aを形成するトレッド部
15を有し、又トレッド部15からサイドウォール部1
4を通りビード部13のビードコア12の周りを折返す
カーカス16と、前記トレッド部15の内部かつカーカ
ス16の半径方向外側に配されるベルト層17とを具え
る。
【0018】カーカス16は、ナイロン、芳香族ポリア
ミド繊維、レーヨン等の有機繊維からなるカーカスコー
ドをタイヤ赤道Cに対して本実施例では70〜90°の
角度で傾斜させて配列したラジアル又はセミラジアル配
列体からなるカーカスプライからなり、本実施例ではカ
ーカス16は1枚のカーカスプライによって形成され
る。
【0019】ベルト層17は、本実施例では3枚のベル
トプライ17Aからなり、該ベルトプライは、芳香族ポ
リアミド繊維などの高弾性の有機繊維コード又はスチー
ルコードなどからなるベルトコードを互いに交差する向
きに配列し、タガ効果を発揮してトレッド部15を補強
する。
【0020】トレッドゴム2は前記トレッド部15のベ
ルト層17の外側に配され外周面がトレッド面15Aを
形成する。又トレッドゴム2は前記した如く含油粒体3
…をゴム基材に混合したゴム組成物5からなる。
【0021】ゴム基材4は、タイヤのトレッド部に用い
られる通常のゴム組成のものが用いられ、ゴム成分とし
て例えば天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ポリイソプレン、スチレンダラジエン共重合体等ジエン
系ゴムを用いる。又ゴム基材4には、ゴム100重量部
に対して5〜25重量部の鉱物性油からなるオイルを含
浸させている。
【0022】さらに氷雪路面を走行するタイヤにおいて
氷上性能の経時変化は、可塑剤を多量に配合することに
よってアセトン抽出量が22%以上に達したゴム組成の
ものが硬度上昇する傾向にある。このような硬度上昇を
抑制するためにもアセトン抽出量を22%以下とするの
が好ましい。
【0023】含有粒体3は、多数の空孔かつ空孔間が互
いに連通する多孔質体にオイルを含滲している。多孔質
体は、ポーラス状の活性炭、コルク片を破砕することに
よって得られるセルロース物質などの有機系多孔体、又
はポーラスガラス等の有機系多孔体などの粒状とするこ
とによって形成される。
【0024】前記多孔質体はその粒子径を30〜200
μmとし、かつその形状としては球形または長球形など
凹凸の少ない形状であることが好ましい。又多孔質体は
空孔率を30〜70%の範囲に形成され、空孔の孔径は
2×10-9m以上、かつ比表面積は300m2 /g以上
であることが望ましい。ここで空孔率とは、多孔質体と
同じ粒子径からなる中実体の容積に対する空孔の容積の
総和の比をいう。代表的な多孔質体の具体例を表1のA
1、A2、A3、B1、B2に示す。なお表1には参考
迄に本願構成外の例C1、C2を併せて示している。
【0025】
【表1】
【0026】多孔質体の前記空隙にオイルを含滲するこ
とにより、含油粒体3が形成される。このオイルは、ト
レッドゴムの硬化を防止するものであり前記ゴム基材4
に添化したオイルと同種又は同系統のオイルが用いられ
る。
【0027】含油粒体3はゴム基材4に5容量%以上か
つ20容量%以下の混合率で混合することにより、図2
(A)に様式で示すように多数の含油粒体3…が散在す
るゴム組成物5が形成される。
【0028】前記した組成からなるゴム組成物5を用い
て空気入りタイヤ1Aのトレッドゴム2を形成すること
によって、空気入りタイヤ1Aは走行により、又経時的
にゴム基材4が含有するオイルが散失する。ゴム基材4
のオイルが減少することによって、含有粒体3空孔に貯
えられたオイルが逐次ゴム基材4に滲出することによ
り、ゴム基材4はオイル切れが生じることなく、従って
トレッドゴムの硬度上昇を抑制でき、氷雪路の走行性能
を長期に亘って安定しうるのである。
【0029】トレッド面15Aの摩耗の進行により、図
2(B)に示す如く、一部の含油粒体3はトレッド面1
5Aに露出し、露出により含有粒体5そのものが接地す
ることとなる。このような含油粒体3の直接接地によっ
て、氷、雪路面走行時には、該含油粒体3が氷面、雪面
をグリップし、グリップ力を高めかつ制動性能を高める
のである。
【0030】さらに一部の含油粒体3は、ゴム基材4か
ら剥離飛散し、トレッド面15Aには含油粒体3の剥離
した跡に凹所7が形設される。空気入りタイヤ1Aが
氷、雪路面を走行する際に、氷上、雪上に存在する水
は、タイヤの接地とともにこの凹所7に集合し、トレッ
ド面15Aの接地面に水膜が生じるのを防止する。これ
により、氷上、雪上走行時において生じがちであった水
膜によるスリップの危険を抑制でき、制動性を高めかつ
操縦の安定性を高めうるのである。
【0031】図3にタイヤがソリッドタイヤ1Bである
他の実施例を示す。ソリッドタイヤ1BはリムJに外嵌
するベースゴム21と該ベースゴムの半径方向外側に中
間層22を介してトレッドゴム2Aを嵌着しており、こ
のトレッドゴム2Aは前記構成に係るゴム組成物5を用
いて形成している。従ってソリッドタイヤ1Bは氷、雪
面上を走行するに際して、走行性を高めかつその性能を
長期に亘り持続させることが出来る。
【0032】
【具体例】タイヤサイズが215SR15である図1に
示す構成を有する空気入りタイヤについて表2に示す仕
様のトレッドゴムを用いて試作する(実施例1〜4)と
ともにその性能をテストした。なお従来の構成によるタ
イヤ(比較例1)及び本願構成外のタイヤ(比較例2〜
5)についても併せてテストを行いその性能を比較し
た。試作に際してゴム基材は実施例、比較例とも同一組
成とし、その組成を表3に示す。
【0033】氷上性能は、試供タイヤを実車に装着する
とともに、該車両を−3℃〜−2℃の氷結路面のテスト
コースにおいて速度40km/hから急制動を加え、停止
するまでの距離の逆数を、該タイヤの新品時の値をそれ
ぞれ100とする指数で表示した。数値が大きいほど良
好であり、110以上が合格値である。テスト結果を表
2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】テストの結果実施例のものは比較例のもの
に比べて氷上性能が向上したことを確認できた。
【0037】
【発明の効果】叙上の如く本発明のタイヤは、トレッド
ゴムを、多孔質体の空孔に、オイルを含浸した含油粘体
がゴム基材に混合したゴム組成物を用いて形成したた
め、タイヤを使用することによって生じるトレッドゴム
の経時的な硬化を防ぎ、氷上、雪上走行性を高めかつそ
の性能を長期に亘り持続させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】(A)、(B)はともに作用を模式で示す部分
断面図である。
【図3】他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
2、2A トレッドゴム 3 含油粒体 4 ゴム基材 5 ゴム組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 1/00 B60C 11/00 C08L 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤのトレッドゴムを、粒子径が30〜
    200μm、空孔率が30〜70%の多孔質体の空孔
    に、前記トレッドゴムの硬化を防止するオイルを含浸し
    た含油粒体が5容積%以上かつ20容積%以下の混合率
    でゴム基材に混合したゴム組成物を用いて形成してなる
    タイヤ。
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JP6617011B2 (ja) * 2015-11-20 2019-12-04 Toyo Tire株式会社 スタッドレスタイヤ用ゴム組成物
JP6929641B2 (ja) * 2016-12-20 2021-09-01 Toyo Tire株式会社 タイヤ用ゴム組成物、タイヤおよびそれらの製造方法

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