JP3093866B2 - 装軌車両のトラクション制御装置 - Google Patents

装軌車両のトラクション制御装置

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JP3093866B2
JP3093866B2 JP04101348A JP10134892A JP3093866B2 JP 3093866 B2 JP3093866 B2 JP 3093866B2 JP 04101348 A JP04101348 A JP 04101348A JP 10134892 A JP10134892 A JP 10134892A JP 3093866 B2 JP3093866 B2 JP 3093866B2
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D55/00Endless track vehicles
    • B62D55/06Endless track vehicles with tracks without ground wheels
    • B62D55/065Multi-track vehicles, i.e. more than two tracks

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装軌車両のトラクショ
ン制御装置に関し、特に自然災害救援用などに使用され
る4輪トラックフレーム構造の装軌車両が屋外の不整地
を走行する場合に、路面を有効にグリップして走行でき
るように制御するトラクション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる4WD自動車によって凹凸の差
が大きい不整地をスポーツ走行する際、2組ある対角線
上の車輪ペアのうち、いずれか1組の車輪ペアに負荷が
集中してしまうとともに他の1組の車輪ペアが路面にグ
リップできずに空転してスタックしてしまうことがあ
る。この状態は「対角線スタック」と呼ばれており、か
かるスタック状態になるか否かは4WD自動車の運転者
の運転技能に委ねられている。また、ひとたびこの対角
線スタックが発生してしまうと、ウインチを使用するな
どしてスタックから脱出する必要があり、脱出に多大な
時間および手間を要することになっている。
【0003】また、従来より、左右一対の履帯を車体の
前側および後側に設け、これら各履帯のスプロケットを
それぞれ独立して駆動制御することにより走行する4輪
トラックフレーム構造を持つ装軌車両(以下「4クロー
ラ車」という)が例えば特公昭63ー270号により公
知となっている。
【0004】かかる4クローラ車は「4輪」を駆動する
という点では上記4WD自動車と同じであることから上
記対角線スタックは4クローラ車が凹凸差が大きい不整
地を走行する場合にも発生することになる。
【0005】しかし、従来の4クローラ車は、屋内、も
しくは屋外であっても平坦地あるいはせいぜい凹凸差の
小さい路面での遠隔操縦を想定して設計されており、対
角線スタックの発生を想定した設計は何等なされていな
い。
【0006】したがって4クローラ車においても対角線
スタックを未然に防止することができるか否かは、4W
D自動車と同様に運転者(操縦者)の技能に専ら委ねら
れることとなっており、またスタックしてしまった場合
にはウインチ等により脱出を図るしかすべはないことと
なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、4クローラ車
は、主としてレジャー用に使用される4WD自動車に比
較して、緊急を要する自然災害救援用に使用されること
が多い。このため運転技能に委ねられることなくスタッ
クを確実に防止すること、および仮にスタックしたとし
てもスタック脱出に時間と手間がかからないことが要請
される。ここに、車輪式の車両にあっては、各車輪ごと
のサスペンションのストロークを制御することで、路面
から浮き上がった車輪を路面に接地させ有効な駆動力を
得るようにする試みがなされている。
【0008】しかし、4クローラ車はその構造上、4つ
の履帯が旋回自在となっている。このため各車輪がほぼ
均一な大きさであり車体から路面までの距離のばらつき
が小さい4WD車に比較して、同距離のばらつきは非常
に大きい。したがって、サスペンションのストロークを
制御する技術は、機構設計ならびに経済性上の制約から
そのまま採用することはできない。
【0009】また、4WD自動車においては対角線スタ
ックが発生しても、通常の4WD自動車はエンジンの動
力がドライブシャフトを介して4つの車輪に分配されて
伝達されるため、空転する車輪があったとしてもエンジ
ンが過負荷となることはない。
【0010】しかし、4クローラ車では、4つの履帯は
それぞれ独立した合計4つのモータで駆動されており、
これらモータは回転数が目標値となるよう制御されてい
る。このため駆動負荷が大きくなると回転数を維持しよ
うとしてトルク発生のための電流が自動的に増大するよ
うに制御される。
【0011】ここに走行駆動用モータの選定にあたって
は経済性ならびに寸法の制約からなるべく容量は節約し
たい要請がある。つまりモータの容量の計算にあたって
は、全体の所用動力を4つの履帯に均等配分することを
前提としたうえでさらに数10%の余裕を持たせてい
る。ところが、「対角線スタック」状態になり、浮き上
がった一組の履帯が地面をグリップできなくなると、車
体の重量はもう一組の履帯のみにかかってしまう。単純
計算でも明かなように、元来は車体重量の4分の1を分
担して走行すべく容量が選定された走行駆動モータが、
車体重量の半分を分担することになる。したがって、定
格の2倍の負荷トルク電流がモータに流れることになり
モータ若しくはモータ電源の過負荷を招来する。このた
めモータ焼損あるいは保護ブレーカ作動によって車両前
進不能の状態となり、時間ロスが発生して緊急事態に迅
速に対応できないことになる。
【0012】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、対角線スタックを未然に、かつ自動的に防止
することにより、緊急を要する事態であってもスタック
による時間ロスなく確実に走行できる装軌車両のトラク
ション制御装置を提供することをその目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明では、
左右一対の履帯が車体の前側および後側に設けられ、各
履帯のスプロケットがそれぞれ独立して駆動制御されて
走行する装軌車両において、前記各履帯のトラックフレ
ームを、旋回軸を介して車体の前後方向に旋回自在に配
設するとともに、前記各履帯にかかる負荷を検出する負
荷検出手段と、前記負荷検出手段の検出結果に基づき車
体前側左および車体後側右における一組の履帯にかかる
負荷の和を演算するとともに、車体前側右および車体後
側左における一組の履帯にかかる負荷の和を演算する演
算手段と、前記演算手段で演算された各和の偏差が所定
値以上となった場合に、前記各組の負荷の和のうち負荷
の和が小さい方の組の履帯にかかる負荷が増大する方向
に当該一組の履帯の旋回軸を駆動制御する駆動制御手段
とを具えている。
【0014】
【作用】かかる構成によれば、各履帯にかかる負荷が検
出され、この検出結果に基づき車体前側左および車体後
側右における一組の履帯の負荷の和が演算されるととも
に、車体前側右および車体後側左における一組の履帯の
負荷の和が演算される。そして演算された各和の偏差が
所定値以上となった場合は、対角線スタックが発生した
場合なので、負荷の小さい一組の履帯にかかる負荷が増
大する方向に当該一組の履帯の旋回軸が駆動制御される
ことで宙に浮いていた一組の履帯が路面に接地して有効
な駆動力が得られるようになる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る装軌車両
のトラクション制御装置の実施例について説明する。
【0016】図4は実施例の装軌車両の側面図、図5は
図4の矢視A方向を示す底面図、図6は図4の矢視B方
向を示す前面図である。
【0017】これら図に示すように装軌車両の車体の4
隅にはそれぞれ独立した駆動源により回転駆動される左
右一対の前側履帯12F、左右一対の後側履帯12Rが
配設されている。ここで前側の履帯12Fについては進
行方向左側の履帯を12FL、進行方向右側の履帯を1
2FRとして両者を区別する。同様に後側の履帯12R
については進行方向左側の履帯を12RL、進行方向右
側の履帯を12RRとして両者を区別する。各履帯12
FL…のトラックフレーム16はそれぞれ駆動用スプロ
ケット20の回転軸と同軸上にある旋回軸14を介して
車体10に配設されており、該旋回軸14を回転中心に
して各履帯12FL…が360°旋回自在となってい
る。ここで、旋回軸14としては、車体前後の履帯12
F、12Rの先端12aが描く最大旋回軌跡CF、CR
同士がオーバーラップしない位置、つまり前後の履帯1
2F、12R同士が互いに干渉しないような位置に配設
されている。すなわち、前後履帯12F、12Rの旋回
軸14間距離Lが、両履帯12F、12Rの最大旋回軌
跡CF、CRの半径の和よりも大きくなるように装軌車
両が設計されている(図4参照)。
【0018】さらに車体10の重心Gが旋回軌跡CF、
CRの中間を通るように設計され、履帯12F、12R
の接地位置が常に重心Gの外側となるようにされてい
る。なお、図4において21はアイドラ側のスプロケッ
ト、22は下転輪を示している。以上のように各履帯1
2FL…が旋回自在であるため前後履帯12F、12R
の先端12a、12aをそれぞれ車体10の前方および
後方に伸張させた旋回姿勢をとることにより車両全体と
して最大長が得られ、また先端12a、12aを車体重
心G側に向けた旋回姿勢をとることによる車両全体とし
て最小長が得られる。
【0019】かかる装軌車両の各履帯12FL…の旋回
および走行の駆動機構を図3に示す。なお、4つの履帯
12FL…を駆動する機構は同一機構であるので、図で
は前側左の履帯12FLを駆動する機構のみを代表させ
て示す。
【0020】同図に示すように走行モータ26は履帯1
2FLを回転させるモータであり、モータ26の駆動力
は減速機28、チェーン30を介して駆動用スプロケッ
ト20の回転軸24、駆動用スプロケット20に伝達さ
れる。これによりスプロケット20に歯合した履帯12
FLがトラックフレーム16の外周を周回するよう回転
され、装軌車両が走行する。走行モータ26には該モー
タ26の出力トルクT1 を検出するセンサ45が付設さ
れており、該センサ45で検出されたトルクT1 は後述
する制御装置55に加えられる。なお、このセンサ45
としては履帯12FLにかかる負荷、つまりこの履帯1
2FLと路面との接地状態を検出できるものであればよ
い。たとえばモータ26がDCモータであれば、電機子
電流を検出する実施、またACサーボモータならACサ
ーボアンプの出力信号を検出する実施が可能である。ま
た履帯12FLにかかるトルクをトルクセンサで直接検
出するようにしてもよい。
【0021】一方、旋回軸14は回転軸24を内包する
円筒状の軸であり、旋回軸14には該軸14の旋回角
θ、つまり履帯12Fの旋回角θを検出するエンコーダ
44が付設されている。旋回軸14はトラックフレーム
16に固設されるとともに、車体10に軸受けを介して
回動自在に支承されている。旋回軸14の外周面には歯
車32が回動自在に配設されるとともに、トルクリミッ
タ34が一体に周設されている。トルクリミッタ34は
旋回軸14にかかる負荷が所定値よりも小さいときに歯
車32と接合し、同負荷が所定値以上のときに歯車32
との接合が解除されるよう作用する。
【0022】旋回モータ36は、上記制御装置55によ
り駆動制御され、トラックフレーム16、つまり履帯1
2FLを旋回させる。この際、履帯12FLの旋回角度
が所望の角度となるようにエンコーダ44の検出値をフ
ィードバック量としてフィードバック制御される。モー
タ36の駆動力は減速機38、駆動歯車40、中間歯車
42を介して上記歯車32に伝達される。ここで通常の
場合、モータ36の回転に応じて履帯12FLが旋回さ
れるが、転落等により履帯12FLに外部から強制的に
過大な旋回力が加えられたときにはトルクリミッタ34
と歯車32との接合が解除され、外部の旋回衝撃力が歯
車32〜モータ36間の動力伝達機構に直接に伝達され
ないようにされる。このため動力伝達機構の破損という
事態を回避することができる。また、エンコーダ44は
旋回軸14に設けるようにしているので、旋回衝撃力に
より動力伝達機構と旋回軸14とが遮断された事態にな
ったとしても履帯12FLの旋回角θを検出し得る。か
かる機構に関する詳細は本出願人に係る先願(特願平2
ー210922号)に記載されており、本願の主旨とは
直接関係ないので、これ以上の説明は省略する。
【0023】以上のような駆動機構は4つの履帯12F
L、12FR、12RLおよび12RRごとに独立して
設けられており、単独で走行、旋回が行われる。履帯1
2FRを回転させる走行モータ46には該モータ46の
出力トルクT2 を検出するセンサ47が付設されてお
り、検出トルクT2 が制御装置55に出力される。同様
に履帯12RLを回転させる走行モータ49には該モー
タ49の出力トルクT3を検出するセンサ50が付設さ
れており、検出トルクT3 が制御装置55に出力され
る。同様に履帯12RRを回転させる走行モータ52に
は該モータ52の出力トルクT4 を検出するセンサ53
が付設されており、検出トルクT4 が制御装置55に出
力される。
【0024】各履帯12FR、12RLおよび12RR
は旋回モータ48、51および54によって旋回され、
これら各旋回モータは制御装置55により駆動制御され
る。なお、装軌車両は図示せぬリモコンにより操縦さ
れ、リモコンで操作、設定された速度になるように各走
行モータ26、46、49および52が駆動制御される
とともに、同リモコンで操作、設定された旋回角度が得
られるように各旋回モータ36、48、51および54
が駆動制御されるが、かかる事項は本願発明に直接関係
なく本出願人の先願(特願平3ー121296号)に係
る事項であるので詳細な説明は省略する。実施例では本
願発明に係る制御(以下これを「トラクション制御」と
いう)のみを行う制御装置55のみを示している。
【0025】制御装置55では図1に示す処理が行われ
る。図2は図1の処理を説明する図であり、装軌車両の
取る得る姿勢「標準姿勢」(図2(a)、(b))、転
落警戒姿勢(図2(c)、(d))および「超堤姿勢」
(図2(e))を示している。
【0026】制御装置55の電源が投入されることによ
り図1に示す処理がスタートされ、まず装軌車両が運転
中であるか否かが判断される(ステップ101)。ここ
でリモコンの非常停止スイッチや運転停止スイッチ等が
操作された場合には直ちに運転終了と判断され、運転状
態が終了する(ステップ101の判断YES)。運転終
了と判断されなければ(ステップ101の判断NO)、
つぎに装軌車両に対する走行指令がオン状態であるか否
かが判断される(ステップ102)。ここで、リモコン
から走行停止指令が出力されており装軌車両が停止して
いる場合には(ステップ102の判断NO)、装軌車両
がたとえ対角線スタック状態に陥っていたとしても各走
行モータが駆動されていないのでスタックによって走行
モータが過負荷となってしまうことがない。したがっ
て、以下のスタックを未然に防止するためのトラクショ
ン制御(ステップ108)を行い、走行モータの過負荷
を防止せんとすることは無意味であるので、かかる処理
を行わずにステップ103に移行される。
【0027】ステップ103では、トラックフレーム1
6の旋回角度を中央値に復帰させる動作が行われる。す
なわち、図2に「中央値」として示すように各履帯12
FL…の旋回角度には、各姿勢に応じて機械的に最も無
理のかからない角度というものがある。そこで車両停止
中であれば、この停止期間中に旋回角度を中央値に復帰
させてやり、負荷のかからない走行の準備をしようとす
るものである。
【0028】一方、リモコンから走行指令が出力されて
おり、装軌車両が走行中であれば(ステップ102の判
断YES)、対角線スタックにより走行モータが過負荷
となってしまう虞があるのでスタックを未然に防止する
トラクション制御を行うべく、つぎのステップ104に
移行される。
【0029】ステップ104では各履帯12FL…の旋
回角度の検出値が入力され(履帯12FLであればたと
えばエンコーダ44の検出値θが入力される)、この検
出値に基づき各トラックフレーム16が旋回中であるか
否かが判断される。ここで仮に各トラックフレーム16
のうちいずれかが旋回中であると判断されれば(ステッ
プ104の判断YES)、装軌車両の姿勢を別の姿勢に
変化させる制御を行っている場合であり、また姿勢が変
化することによりたとえ対角線スタックが発生していて
もこのスタック状態から脱出できることもあるので、以
下のトラクション制御は行わないようにされる。
【0030】一方、各トラックフレーム16すべてにつ
いて旋回中ではないと判断されれば(ステップ104の
判断NO)、装軌車両が同一姿勢を保持しつつ走行して
いる場合であり、そのままでは対角線スタック状態にな
る虞がある。そこでこれを未然に防止すべく、まず各セ
ンサ45、47、50および53の検出トルクT1 、T
2 、T3 およびT4 が入力される(ステップ105)。
ついで、図5に破線で示すように対角線上の2つの履帯
12FL、12RRについて、対応するトルクT1 、T
4 同士が下記(1)式のTaに示すごとく加算される。
同様に他方の対角線上の2つの履帯12FR、12RL
についても、対応するトルクT2 、T3同士が下記
(1)式のTbに示すごとく加算される。これら加算値
Ta、Tbを以下「対角線トルク」という。
【0031】Ta=T1 +T4 Tb=T2 +T3 …(1) (ステップ106) ついで、上記ステップ106で演算された2つの対角線
トルクTa、Tbの比がとられ、下記(2)式を満足す
る場合、 |Ta|/|Tb|<K、または|Tb|/|Ta|<K …(2) つまり、|Ta|/|Tb|が所定値Kよりも小さい
か、または|Ta|/|Tb|が所定値1/Kよりも大
きい場合には装軌車両が対角線スタックに移行しつつあ
る状態であると判断する(ステップ107の判断N
O)。
【0032】 逆に、|Ta|/|Tb|≧K、かつ|Tb|/|Ta|≧K …(3) つまり、|Ta|/|Tb|が所定値K以上、かつ所定
値1/K以下の場合には対角線スタックに移行しつつあ
る状態ではないと判断される(ステップ107の判断Y
ES)。
【0033】なお、上記所定値Kの値としてはたとえば
0.8である。なお、この所定値Kは装軌車両が現在と
っている姿勢等、各種状態に応じて可変させるようにし
てもよい。なお、ステップ107では対角線トルクT
a、Tbの比を演算することにより判断しているが、比
に限定されることなく対角線トルクTa、Tbの偏差を
求めることができる演算であればよい。
【0034】対角線スタックに移行しつつある状態であ
ると判断されたならば、トラクション制御、つまり対角
線スタックを回避するためのトラックフレーム16の角
度指令の修正が行われる。すなわち、ステップ106の
演算の結果、両対角線トルクTa、Tbのうち対角線ト
ルクが大きい方の対角線上の両履帯につき、現在装軌車
両がとっている姿勢において許容し得る上限値に向けて
旋回がなされる。これと同時に、ステップ106の演算
の結果、両対角線トルクTa、Tbのうち対角線トルク
が小さい方の対角線上の両履帯につき、現在装軌車両が
とっている姿勢において許容し得る下限値に向けて旋回
がなされる(図2参照)。なお、現在、履帯が上限値ま
たは下限値に到達している場合には、それ以上旋回され
ないようになされる。ここで、履帯の旋回方向は、各種
姿勢に応じて異なる。
【0035】すなわち、図2(a)に示す標準姿勢にお
けるトラクション制御の場合、対角線トルクTaが対角
線トルクTbよりも小さいと仮定すると、Taに対応す
る履帯12FL(12RR)において有効なトラクショ
ンを得るべく当該履帯12FL(12RR)が右方向に
回転される。これと同時に負荷が集中している履帯12
RL(12FR)が右方向に回転される(図2(b)の
矢印参照)。
【0036】また、図2(c)に示す転落警戒姿勢の場
合、同一条件において履帯12FL(12RR)は上記
標準姿勢とは逆の左方向に回転される(図2(d)の矢
印参照)。
【0037】また、図2(e)に示す超堤姿勢の場合、
同一条件において矢印Dに示すように履帯12RL(1
2FR)は上記標準姿勢とは逆の左方向に回転される
(なお、履帯12FL(12RR)は矢印Cに示すよう
に右方向に回転される)。
【0038】このように各種姿勢に応じて履帯の回転方
向は異なってくるので、現在の装軌車両の姿勢を現在の
旋回角度θに基づき検出し、この検出結果に応じて回転
方向を決定する。要は、回転(旋回)方向としては、負
荷の小さい方の履帯を負荷が大きくなる方向に、かつ負
荷の大きい方の履帯を負荷が小さくなる方向に旋回させ
るものであればよい。
【0039】なお、接地していない方の履帯を路面に接
地させる方向に旋回させると同時に、接地している方の
履帯を路面から離間させる方向に旋回させているのは各
履帯あたりの旋回角度を少なくすることができ、これに
よって制御の応答速度が向上するからである。
【0040】また、制御の態様としては、対角線トルク
が小さくなった方の両履帯のみを旋回させるだけでもよ
い(ステップ108)。ステップ108に移行されるご
とに一定角度づつ旋回角度が修正される。この角度修正
量は、たとえば一定値0.5度であり、図1のステップ
101〜108の処理が繰り返し実行されるごとにステ
ップ108において角度0.5°づつ旋回角度が修正さ
れ、やがて対角線スタックが回避されることになる。た
だし、現在のトルク比(つまり対角線トルクTa、Tb
の偏差)、現在の姿勢等に応じて上記角度修正量を可変
させる実施も可能である。
【0041】以上のようなトラクション制御がなされる
ことで、装軌車両の対角線スタックが未然に、かつ自動
的に防止され、緊急を要する災害救援作業を迅速かつ確
実に行うことができるようになる。また、走行モータが
過負荷となり車両がストップするような事態も招来しな
い。さらに、自動的に走行モータの負荷バランスが取れ
るので、設計にあたり走行モータの容量の余裕を大きく
とる必要がなくなり、経済的で軽量な設計できるという
付随的な効果も得られる。この結果従来なみの過負荷に
耐える大容量のモータを使うことで走行に利用できるト
ルクの余裕が生まれ、運転速度を上げたり積載加重を増
やしたりすることも可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、対
角線スタックを未然にかつ自動的に防止することがで
き、緊急を要する事態であってもスタックによる時間ロ
スなく確実に装軌車両が走行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る装軌車両のトラクション制
御装置の実施例における制御手順を例示したフローチャ
ートである。
【図2】図2は実施例の装軌車両がとり得る姿勢を例示
した図で、図1に示すフローチャートを説明する図であ
る。
【図3】図3は実施例の装軌車両の旋回機構および走行
機構を示す図である。
【図4】図4は実施例の装軌車両の側面を示す側面図で
ある。
【図5】図5は図4の矢視A方向を示す底面図である。
【図6】図6は図4の矢視B方向を示す前面図である。
【符号の説明】
10 車体 12F 車体前側の履帯 12R 車体後側の履帯 14 旋回軸 16 トラックフレーム 20 駆動用スプロケット 26 走行モータ 46 走行モータ 49 走行モータ 52 走行モータ 36 旋回モータ 48 旋回モータ 51 旋回モータ 54 旋回モータ 45 センサ 47 センサ 50 センサ 53 センサ 55 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 茂 神奈川県平塚市四ノ宮2597 株式会社 小松製作所 研究部内 (72)発明者 坂本 卓也 神奈川県平塚市四ノ宮2597 株式会社 小松製作所 研究部内 (72)発明者 中村 壮一 神奈川県平塚市四ノ宮2597 株式会社 小松製作所 研究部内 (56)参考文献 特開 平4−92784(JP,A) 特開 平4−349082(JP,A) 特開 昭63−203483(JP,A) 特開 昭62−6817(JP,A) 特開 昭64−60410(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 55/065 B62D 55/075 B62D 11/00 - 11/24 B60K 28/00 - 28/16 B60G 1/00 - 25/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の履帯が車体の前側および
    後側に設けられ、各履帯のスプロケットがそれぞれ独立
    して駆動制御されて走行する装軌車両において、 前記各履帯のトラックフレームを、旋回軸を介して車体
    の前後方向に旋回自在に配設するとともに、 前記各履帯にかかる負荷を検出する負荷検出手段と、 前記負荷検出手段の検出結果に基づき車体前側左および
    車体後側右における一組の履帯にかかる負荷の和を演算
    するとともに、車体前側右および車体後側左における一
    組の履帯にかかる負荷の和を演算する演算手段と、 前記演算手段で演算された各和の偏差が所定値以上とな
    った場合に、前記各組の負荷の和のうち負荷の和が小さ
    い方の組の履帯にかかる負荷が増大する方向に当該一組
    の履帯の旋回軸を駆動制御する駆動制御手段と具えた装
    軌車両のトラクション制御装置。
  2. 【請求項2】 左右一対の履帯が車体の前側および
    後側に設けられ、各履帯のスプロケットがそれぞれ独立
    して駆動制御されて走行する装軌車両において、 前記各履帯のトラックフレームを、旋回軸を介して車体
    の前後方向に旋回自在に配設するとともに、 前記各履帯にかかる負荷を検出する負荷検出手段と、 前記負荷検出手段の検出結果に基づき車体前側左および
    車体後側右における一組の履帯にかかる負荷の和を演算
    するとともに、車体前側右および車体後側左における一
    組の履帯にかかる負荷の和を演算する演算手段と、 前記演算手段で演算された各和の偏差が所定値以上とな
    った場合に、前記各組の負荷の和のうち負荷の和が小さ
    い方の組の履帯にかかる負荷が増大する方向に当該一組
    の履帯の旋回軸を駆動制御すると同時に前記各組の負荷
    の和のうち負荷の大きい方の組の履帯にかかる負荷が減
    少する方向に当該一組の履帯の旋回軸を駆動制御する駆
    動制御手段と具えた装軌車両のトラクション制御装置。
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