JP3093548U - 磁気記録再生装置および電気機器 - Google Patents

磁気記録再生装置および電気機器

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JP3093548U JP2002006637U JP2002006637U JP3093548U JP 3093548 U JP3093548 U JP 3093548U JP 2002006637 U JP2002006637 U JP 2002006637U JP 2002006637 U JP2002006637 U JP 2002006637U JP 3093548 U JP3093548 U JP 3093548U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構造でコストダウンを図ること
が可能なアイドラ機構を備える磁気記録再生装置および
電気機器を提供する。 【解決手段】 磁気記録再生装置または電気機器として
のビデオデッキは、リールギヤ31aと、中間ギヤ7
と、揺動アーム10と、アイドラギヤ4と、入力ギヤ5
とを備える。揺動アーム10、アイドラギヤ4および入
力ギヤ5からアイドラ機構が構成される。中間ギヤ7
は、リールギヤ31aと間隔を隔てて配置される。揺動
アーム10はリールギヤ31aおよび中間ギヤ7の間に
配置される。揺動アーム10は、中心軸11を中心とし
てリールギヤ31a側と中間ギヤ7側との間を揺動可能
となっている。アイドラギヤ4は揺動アーム10に設置
されている。アイドラギヤ4は、リールギヤ31aおよ
び中間ギヤ7の少なくともいずれか一方と絶えず接触す
る。入力ギヤ5は、中心軸11を中心として回転可能で
あって、アイドラギヤ4と接触する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、磁気記録再生装置および電気機器に関し、より特定的には、簡単 な構造で製造コストを削減可能な磁気記録再生装置および電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気記録再生装置または電気機器の例としてビデオデッキなどの磁気テ ープ装置が知られている。磁気テープ装置では、テープカセットに収容されてい る繰出し側および巻取り側の一対のテープリールを正転または逆転させるための 一対のリールが装備されている。そして、このリールの回転方向を切替えるため にいわゆるアイドラ機構が利用されている。アイドラ機構としては、たとえば、 揺動アームに取付けられたアイドラギヤを、一方のリールに回転を伝達する第1 の位置と他方のリールに回転を伝達する第2の位置との間で揺動変位させる構造 のものが知られている。
【0003】 このようなアイドラ機構では、アイドラギヤを上記第1の位置と第2の位置と の間で揺動させるため、揺動アームに作用する回転トルク(首振りトルク)を発 生させる必要がある。従来、このような首振りトルクを発生させるため、たとえ ばアイドラギヤを揺動アームに押付けるように作用するばねを配置していた。
【0004】 また、このようなばねを用いずに首振りトルクを発生させるものとして、たと えば特許文献1に示したようなアイドラ機構が提案されている。図9は、特許文 献1に開示された従来のアイドラ機構を採用した磁気テープ装置の要部を示した 模式図である。図10は、図9の線分X−Xに沿う部分から見たアイドラ機構を 一部破断して示した拡大側面模式図である。図9および図10を参照して、従来 の磁気テープ装置のアイドラ機構を簡単に説明する。
【0005】 図9および図10に示すように、従来のアイドラ機構は、テープカセットのテ ープリールを回転させるための一対のリール181、182と、このリール18 1、182にそれぞれ同心状に設けられたギヤ183、184と、ギヤ列185 と、アイドラ機構部106とからなる。2つのギヤからなるギヤ列185は、ギ ヤ184とかみあっている。
【0006】 アイドラ機構部106は、入力ギヤ162と、入力ギヤ162の中心軸163 の一方端部と回転可能に接続された揺動アーム164と、この入力ギヤ162と 領域170(図10参照)においてかみあったアイドラギヤ161とを備える。 中心軸163は、揺動アーム164の孔部165に回転自在に嵌合されている。 また、アイドラギヤ161はその中央部に軸受孔167(図10参照)が形成さ れている。アイドラギヤ161の軸受孔167には、揺動アーム164の端部に 突出するように設けられた軸部166(図10参照)が挿入された状態となって いる。アイドラギヤ161は軸部166を中心として回転可能となっている。そ して、入力ギヤ162には鍔部168が一体的に形成されている。鍔部168は 傾斜した側面169を有している。この側面169の内の1ヶ所(具体的には、 入力ギヤ162とアイドラギヤ161とのかみあい個所である領域170の下部 )において、側面169とアイドラギヤ161とは接触している。
【0007】 図9および図10に示したアイドラ機構では、アイドラギヤ161と入力ギヤ 162の鍔部168の側面169とが接触しているため、入力ギヤ162が回転 する際、この接触個所において発生する摩擦抵抗によりアイドラギヤ161を移 動させるための回転トルクが発生する。つまり、入力ギヤ162の回転方向を変 えることにより、リール181をアイドラギヤ161により回転させる状態と、 リール182をアイドラギヤ161により回転させる状態を切替えることができ る(揺動アーム164を中心軸163を中心として揺動変位させることができる )。
【0008】
【特許文献1】 実用新案登録第3086328号公報(第1−2図)
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の磁気テープ装置のアイドラ機構には、以下のような問 題があった。すなわち、上述したアイドラギヤを揺動アームに押付けるように作 用するばねを配置したアイドラ機構では、その構造が複雑であり、また、別部品 としてのばねが必要になるために部品点数も増加する。そのため、磁気テープ装 置の製造コストが増大することになっていた。
【0010】 また、図9および図10に示したアイドラ機構では、ばねなどの別部材は用い ていないが、入力ギヤ162として鍔部168を設けた特殊な形状の入力ギヤ1 62を用いる。そのため、この特殊形状の入力ギヤ162の製造コストが通常の ギヤの製造コストより高くなる場合がある。この結果、磁気テープ装置全体の製 造コストを充分に低減できない可能性がある。
【0011】 この考案は、上述のような課題を解決するために成されたものであり、この考 案の目的は、比較的簡単な構造でコストダウンを図ることが可能なアイドラ機構 を備える磁気記録再生装置および電気機器を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
考案者は、アイドラ機構の構造について研究を重ねた結果、本考案を完成した 。つまり、2つのギヤの間において揺動ギヤを揺動させる場合、2つのギヤの少 なくともいずれか一方に常に揺動ギヤが接触するように、2つのギヤの間隔を決 定するとともに、揺動ギヤを保持する揺動アームの回転中心と同じ位置に中心を 有する駆動ギヤ(揺動ギヤを駆動するためのギヤ)を配置する。そして、この駆 動ギヤの回転方向を、揺動アームを回転させたい方向(移動させたい方向)と同 じとなるように決定する。このようにすれば、特に揺動ギヤや駆動ギヤとして特 殊な形状のギヤを用いることなく、揺動アームを駆動ギヤの回転方向と同じ方向 に移動できることが実験的に確認できた。
【0013】 考案者のこのような知見に基づいて、この考案に従った磁気記録再生装置は、 一対のテープリールを有する磁気テープカセットを用いる磁気記録再生装置であ って、一方および他方リールと、一方および他方リールギヤと、中間ギヤと、揺 動アームと、揺動ギヤと、駆動ギヤとを備える。揺動アームと揺動ギヤと駆動ギ ヤとからアイドラ機構が構成されている。一方リールは、磁気テープカセットの 一方のテープリールを駆動する。他方リールは、磁気テープカセットの他方のテ ープリールを駆動する。一方リールギヤは、一方リールと接続され、一方リール と同じ中心軸を中心に回転可能となっている。他方リールギヤは、他方リールと 接続され、他方リールと同じ中心軸を中心に回転可能となっている。
【0014】 中間ギヤは、一方リールギヤと他方リールギヤとの間において一方リールギヤ とは間隔を隔てて配置されている。中間ギヤは他方リールギヤを駆動するための ものである。揺動アームは、一方リールギヤと中間ギヤとの間に配置されている 。揺動アームは、揺動中心軸を中心として一方リールギヤ側と中間ギヤ側との間 を揺動可能である。揺動ギヤは、揺動アームに設置され、一方リールギヤおよび 中間ギヤの少なくともいずれか一方と常に接触する。駆動ギヤは揺動中心軸を中 心として回転可能となっている。駆動ギヤは、揺動ギヤと接触するとともに揺動 ギヤを駆動する。
【0015】 揺動ギヤを一方リールギヤに接触させることにより、揺動ギヤおよび一方リー ルギヤを介して一方リールを駆動することができる。この場合、揺動ギヤと駆動 ギヤとの接触部が中間ギヤ側から一方リールギヤ側に向かう方向に移動するよう に、駆動ギヤは回転する。
【0016】 また、揺動ギヤを中間ギヤに接触させて、揺動ギヤ、中間ギヤおよび他方リー ルギヤを介して他方リールを駆動する。この場合、揺動ギヤと駆動ギヤとの接触 部が一方リールギヤ側から中間ギヤ側に向かう方向に移動するように、駆動ギヤ は回転する。
【0017】 このようにすれば、駆動ギヤが回転することにより、駆動ギヤと揺動ギヤとの 接触部における駆動ギヤの回転方向に向けて、揺動ギヤを移動させるための回転 トルクが発生する。そのため、揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部が一方リールギヤ 側に向かうように駆動ギヤを回転させておけば、一方リールギヤに揺動ギヤが接 触した状態を保つことができる。また、同様に揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部が 中間ギヤ側に向かうように駆動ギヤを回転させておけば、中間ギヤに揺動ギヤが 接触した状態を保つことができる。
【0018】 また、揺動ギヤを一方リールギヤ側から中間ギヤ側へ揺動させる場合には、駆 動ギヤを逆方向(揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部が中間ギヤ側に向かう方向)に 回転させれば、駆動ギヤと揺動ギヤとの接触部において、駆動ギヤの回転方向( 中間ギヤの方向)に向けて回転トルクを発生させることができる。このため、揺 動ギヤは一方リールギヤを駆動していた場合とは反対方向に回転するとともに、 揺動アームが一方リールギヤ側から中間ギヤ側へ移動する。
【0019】 そして、揺動ギヤは一方リールギヤおよび中間ギヤの少なくともいずれか一方 と絶えず接触するので、揺動ギヤが一方リールギヤを駆動していた場合と反対方 向に回転しながら中間ギヤ側に移動する場合、揺動ギヤと一方リールギヤとの接 触部では揺動ギヤが一方リールギヤから蹴り出される。また、このときほぼ同時 に、揺動ギヤと中間ギヤとが接触する部分では揺動ギヤが中間ギヤにくいつくこ とになる。そして、揺動ギヤが中間ギヤにくいついた後では、一方リールギヤと 揺動ギヤとが接触していた場合と同様に、駆動ギヤの回転により、駆動ギヤと揺 動ギヤとの接触部における駆動ギヤの回転方向(中間ギヤに向かう方向)に向け て、揺動ギヤおよび揺動アームを押付ける回転トルクを発生させることができる 。したがって、中間ギヤに揺動ギヤを接触させておくことができる。また、中間 ギヤ側から一方リールギヤ側に揺動ギヤを揺動させる場合は、再び駆動ギヤの回 転方向を変えれば、上述した工程と同様に、揺動ギヤを一方リールギヤ側に移動 させることができる。
【0020】 このように、本考案によれば、揺動ギヤを揺動アームに接触させるためのスプ リングなどを用いることなく、また、ギヤの形状などを特殊な形状とすることな く、簡単な構造であって低コストのアイドラ機構を実現できる。
【0021】 また、この考案に従った電気機器は、第1のギヤと、第2のギヤと、揺動アー ムと、揺動ギヤと、駆動ギヤとを備える。揺動アーム、揺動ギヤおよび駆動ギヤ からアイドラ機構が構成される。第2のギヤは、第1のギヤと間隔を隔てて配置 される。揺動アームは第1および第2のギヤの間に配置される。揺動アームは、 揺動中心軸を中心として第1のギヤ側と第2のギヤ側との間を揺動可能となって いる。揺動ギヤは揺動アームに設置されている。揺動ギヤは、第1および第2の ギヤの少なくともいずれか一方と絶えず接触する。駆動ギヤは、揺動中心軸を中 心として回転可能であって、揺動ギヤと接触する。駆動ギヤは揺動ギヤを駆動す る。
【0022】 このようにすれば、駆動ギヤが回転することにより、駆動ギヤと揺動ギヤとの 接触部における駆動ギヤの回転方向に向けて、揺動ギヤを移動させるための力( 回転トルク)が発生する。そのため、揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部が第1のギ ヤ側に向かうように駆動ギヤを回転させておけば、第1のギヤに揺動ギヤが接触 した状態を保つことができる。
【0023】 また、揺動ギヤを第1のギヤ側から第2のギヤ側へ移動(揺動)させる場合に は、単純に駆動ギヤを逆方向(揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部が第2のギヤ側に 向かう方向)に回転させれば、駆動ギヤと揺動ギヤとの接触部において、駆動ギ ヤの回転方向(第2のギヤの方向)に向けて回転トルクを発生させることができ る。このため、揺動ギヤは第1のギヤを駆動していた場合とは反対方向に回転す るとともに、揺動アームが第1のギヤ側から第2のギヤ側へ移動する。また、揺 動ギヤは第1および第2のギヤの少なくともいずれか一方と絶えず接触するので 、揺動ギヤが第1のギヤを駆動していた場合と反対方向に回転しながら第2のギ ヤ側に移動する場合、揺動ギヤと第1のギヤとの接触部では揺動ギヤが第1のギ ヤから蹴り出されるとともに、揺動ギヤと第2のギヤとが接触する部分では揺動 ギヤが第2のギヤにくいつくことになる。そして、揺動ギヤが第2のギヤにくい ついた後(揺動ギヤと第2のギヤとがかみあった後)では、第1のギヤと揺動ギ ヤとが接触していた場合と同様に、駆動ギヤの回転により、駆動ギヤと揺動ギヤ との接触部における駆動ギヤの回転方向(第2のギヤに向かう方向)に向けて、 揺動ギヤを押付ける力(回転トルク)を発生させることができる。したがって、 第2のギヤに揺動ギヤを接触させておくことができる。
【0024】 この結果、揺動ギヤを揺動アームに接触させるためのスプリングなどを用いる ことなく、また、ギヤの形状などを特殊な形状とすることなく、揺動ギヤを第1 および第2のギヤの間で揺動させるアイドラ機構を実現できる。
【0025】 上記電気機器において、揺動ギヤと第1のギヤとを接触させることにより第1 のギヤを駆動する場合、揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部が第2のギヤ側から第1 のギヤ側に向かう方向に移動するように駆動ギヤは回転することが好ましい。ま た、揺動ギヤと第2のギヤとを接触させることにより第2のギヤを駆動する場合 、揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部が第1のギヤ側から第2のギヤ側に向かう方向 に移動するように駆動ギヤが回転することが好ましい。
【0026】 この場合、駆動ギヤの回転により、揺動ギヤと駆動ギヤとの接触部における駆 動ギヤの回転方向に向かうように揺動アームおよび揺動ギヤを押圧するトルクを 発生させることができるので、第1または第2のギヤのそれぞれを駆動する場合 、揺動ギヤを第1または第2のギヤに確実にかみあわせておくことができる。
【0027】 上記磁気記録再生装置または上記電気機器では、揺動アームにおいて、揺動中 心軸が揺動アームの一方端部に配置されていてもよい。揺動ギヤは、揺動アーム において揺動中心軸が配置された一方端部とは反対側に位置する他方端部に回転 可能に配置されていてもよい。
【0028】 このようにすれば、揺動アームの長手方向の中央部などに揺動ギヤを配置する 場合より、揺動アームのサイズを小さくできる。この結果、アイドラ機構をコン パクト化できるので、結果的に磁気記録再生装置または電気機器の小型化を図る ことができる。
【0029】 上記電気機器は、磁気テープカセットの1対のテープリールを回転させるため の一方リールおよび他方リールをさらに備えていてもよい。上記電気機器におい て、第1のギヤは一方リールを駆動するためのものであってもよく、第2のギヤ は他方リールを駆動するためのものであってもよい。
【0030】 このように、磁気テープカセットを駆動するための一対のリール(一方リール および他方リール)における駆動リールの切替え機構として、本考案に従った電 気機器のアイドラ機構を適用すれば、磁気テープカセットを用いる電気機器とし ての磁気テープ装置などの構造の簡略化や製造コストの低減に特に効果的である 。
【0031】
【考案の実施の形態】
以下、図面に基づいて本考案の実施の形態を説明する。なお、以下の図面にお いて同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0032】 図1は、本考案に従ったビデオデッキを示す斜視模式図である。図2は、図1 に示したビデオデッキに内蔵されるリールを駆動するためのアイドラ機構を示す 模式図である。図3は、図2に示したアイドラ機構の特徴を説明するための模式 図である。図4は、図2のIX−IXにおけるアイドラ機構の揺動部の断面模式 図である。図1〜図4を参照して、本考案に従ったビデオデッキを説明する。
【0033】 図1に示すように、本考案に従った磁気記録再生装置または電気機器としての ビデオデッキ1は、その内部に2つのリール2a、2bを備えている。このリー ル2a、2bは、ビデオ挿入口30からビデオデッキ1の内部に挿入された磁気 テープカセットとしてのビデオカセットのテープリールを正転あるいは逆転する ためのものである。
【0034】 図2に示すように、一方リールおよび他方リールとしてのリール2a、2bを 駆動するためのアイドラ機構は、リール2a、2bを駆動するためのモータ28 と、このモータ28によって駆動される駆動ギヤとしての入力ギヤ5と、入力ギ ヤ5によって駆動される揺動ギヤとしてのアイドラギヤ4と、このアイドラギヤ 4による駆動力をリール2bに伝えるための中間ギヤ7、8とを備える。リール 2aには、一方リールギヤとしてのリールギヤ31aが接続されている。リール 2aはリールギヤ31aと連動して回転する。また、リール2bには、他方リー ルギヤとしてのリールギヤ31bが接続されている。リール2bはリールギヤ3 1bと連動して回転する。モータ28によって回転する軸には駆動プーリ25が 接続されている。駆動プーリ25は、モータ28の回転に伴って回転する。また 、入力ギヤ5には入力プーリ27が接続されている。入力ギヤ5は入力プーリ2 7とともに回転する。モータ28に接続された駆動プーリ25と入力プーリ27 とはベルト26により連結されている。
【0035】 図2からもわかるように、入力ギヤ5と隣接するようにアイドラギヤ4が配置 されている。アイドラギヤ4は、図4に示すように、揺動アーム10に形成され た中心軸12に、この中心軸12を中心として回転可能に取付けられている。揺 動アーム10は、入力ギヤ5の中心軸11を中心として矢印9(図2参照)に示 した方向に揺動可能となっている。アイドラギヤ4は入力ギヤ5の回転に伴って 回転する。
【0036】 そして、リール2aを回転させたい場合には、揺動アーム10がリール2a側 に揺動中心軸としての中心軸11を中心として回転した状態となる。この結果、 アイドラギヤ4の歯6と第1のギヤとしてのリールギヤ31a(図2参照)の歯 3とがかみあった状態となる。この状態で、モータ28が回転すると、駆動プー リ25、ベルト26、入力プーリ27、入力ギヤ5、アイドラギヤ4、リールギ ヤ31aを介してリール2aが回転する。
【0037】 また、リール2bを回転させる場合には、後述する揺動アーム10の首振り動 作を行なって、アイドラギヤ4が中心軸11を中心として回転することにより第 2のギヤとしての中間ギヤ7側へと移動する。このため、アイドラギヤ4の歯6 と中間ギヤ7の歯17(図2参照)とがかみあった状態となる。また、このとき アイドラギヤ4とリールギヤ31aとの間には間隙が形成された状態となる。こ の結果、モータ28が回転すると、駆動プーリ25、ベルト26、入力プーリ2 7、入力ギヤ5、アイドラギヤ4、中間ギヤ7、8およびリールギヤ31b(図 2参照)を介してリール2bが回転することになる。
【0038】 また、図3からもわかるように、リールギヤ31aと中間ギヤ7との間の距離 は、アイドラギヤ4の歯6が絶えずかみあい箇所13a、13bの少なくともい ずれか一方においてリールギヤ31aの歯3および中間ギヤ7の歯17のうちの いずれか少なくとも一方とかみあうことが可能なように決定されている。すなわ ち、本考案によるアイドラ機構では、アイドラギヤ4の歯6がリールギヤ31a の歯3および中間ギヤ7の歯17のいずれとも接触しない状態となる場合はない 。そして、図3に示すように、本考案によるアイドラ機構では、アイドラギヤ4 が中心軸11を中心として揺動した場合のほぼ中間点に位置する場合、アイドラ ギヤ4の歯6はリールギヤ31aの歯3および中間ギヤ7の歯17の両方と接触 可能な状態となっている。
【0039】 図1〜図4に示したビデオデッキ1のアイドラ機構においては、入力ギヤ5が 回転することにより、入力ギヤ5とアイドラギヤ4との接触部における入力ギヤ 5の回転方向に向けて、アイドラギヤ4を移動させるための回転トルクが発生す る。そのため、アイドラギヤ4と入力ギヤ5との接触部がリールギヤ31a側に 向かうように入力ギヤ5を回転させておけば、リールギヤ31aにアイドラギヤ 4が接触した状態を保つことができる。
【0040】 また、後述するように、アイドラギヤ4をリールギヤ31a側から中間ギヤ7 側へ揺動させる場合、単純に入力ギヤ5を逆方向(アイドラギヤ4と入力ギヤ5 との接触部が中間ギヤ7側に向かう方向)に回転させれば、入力ギヤ5とアイド ラギヤ4との接触部において、入力ギヤ5の回転方向(中間ギヤ7側に向かう方 向)に向けて回転トルクを発生させることができる。このため、アイドラギヤ4 はリールギヤ31aを駆動していた場合とは反対方向に回転するとともに、揺動 アーム10がリールギヤ31a側から中間ギヤ7側へ回転移動する。また、アイ ドラギヤ4はリールギヤ31aおよび中間ギヤ7の少なくともいずれか一方と常 に接触するので、アイドラギヤ4がリールギヤ31aを駆動していた場合と反対 方向に回転しながらアイドラギヤ4が中間ギヤ7側に移動する場合、アイドラギ ヤ4とリールギヤ31aとの接触部ではアイドラギヤ4がリールギヤ31aから 蹴り出される。また、このとき、アイドラギヤ4と中間ギヤ7とが接触する部分 ではアイドラギヤ4が中間ギヤ7にくいつくことになる。そして、アイドラギヤ 4が中間ギヤ7にくいついて互いの歯6、17(図2参照)がかみ合った後では 、リールギヤ31aとアイドラギヤ4とが接触していた場合と同様に、入力ギヤ 5の回転により、入力ギヤ5とアイドラギヤ4との接触部におけるアイドラギヤ 4の回転方向(中間ギヤ7に向かう方向)に向けて、揺動アーム10およびアイ ドラギヤ4を押付ける力を発生させることができる。したがって、中間ギヤ7に アイドラギヤ4を接触させておくことができる。
【0041】 以上のように、図1〜図4に示した本考案に従ったビデオデッキ1では、アイ ドラギヤ4を揺動アーム10に接触させるために従来使用されていたスプリング などを用いることなくアイドラ機構を実現している。また、本考案に従ったビデ オデッキ1では、アイドラ機構を構成するギヤの形状などを特殊な形状とする必 要も無い。このため、部品点数を削減するとともに、簡単な構造のアイドラ機構 を実現できるので、ビデオデッキ1の製造コストを低減できる。
【0042】 また、図1〜図4に示したビデオデッキ1(図1参照)では、リール2aを駆 動する場合(リールギヤ31aを駆動する場合)、すでに述べたようにアイドラ ギヤ4と入力ギヤ5との接触部が中間ギヤ7側からリールギヤ31a側に向かう 方向に移動するように、入力ギヤ5が回転する。また、リール2bを駆動する場 合(中間ギヤ7を駆動する場合)、アイドラギヤ4と入力ギヤ5との接触部がリ ールギヤ31a側から中間ギヤ7側に向かう方向に移動するように入力ギヤ5が 回転する。この場合、入力ギヤ5の回転により、アイドラギヤ4と入力ギヤ5と の接触部における入力ギヤ5の回転方向に向かうように揺動アーム10およびア イドラギヤ4を押圧するトルクを発生させることができる。そのため、リールギ ヤ31aまたは中間ギヤ7のそれぞれを駆動する場合、アイドラギヤ4をリール ギヤ31aまたは中間ギヤ7に確実にかみあわせておくことができる。
【0043】 また、本考案に従ったビデオデッキ1では、図2に示すように、揺動アーム1 0において、揺動中心軸としての中心軸11が揺動アーム10の一方端部に配置 されている。アイドラギヤ4は、揺動アーム10において中心軸11が配置され た一方端部とは反対側に位置する他方端部に、中心軸12を中心に回転可能に配 置されている。このようにすれば、アイドラギヤ4の中心軸12と入力ギヤ5の 中心軸11との間の距離とほぼ同じ長さの揺動アームを用いてアイドラ機構を実 現できる。この結果、アイドラ機構をコンパクト化できる。
【0044】 次に、図5〜図8を参照して、図2に示したアイドラ機構の首振り動作を具体 的に説明する。
【0045】 図5は、リール2aが回転している状態を示す模式図である。この場合、入力 ギヤ5は矢印14に示す方向に回転している。これに伴い、アイドラギヤ4は矢 印15に示す方向に回転する。そして、このアイドラギヤ4の回転が伝えられた リールギヤ31aおよびリール2aは、矢印16に示した方向に回転している。
【0046】 次に、リール2b(図2参照)を駆動するために、モータ28(図2参照)を 図5に示した場合とは反対方向に回転させる。すると、図6に示すように、入力 ギヤ5は矢印18に示した方向に回転する。このため、アイドラギヤ4は矢印1 9に示した方向に回転する。ここで、図6はアイドラ機構の首振り動作を示す模 式図である。また、このとき入力ギヤ5が矢印18に示した方向に回転すること に伴って、揺動アーム10には矢印20に示した方向に中心軸11を中心として 揺動アーム10を回転させようとする力が作用する。この結果、図7に示すよう に、揺動アーム10は矢印20に示す方向に移動する。なお、図7はアイドラ機 構の首振り動作を説明するための拡大模式図である。
【0047】 このとき、図7に示すように、かみあい箇所13aにおいては、矢印20に示 した方向への揺動アーム10の移動に伴ってアイドラギヤ4の歯6がリールギヤ 31aの歯3から蹴り出されている。一方、ほぼ同じタイミングで、揺動アーム 10の移動に伴いアイドラギヤ4の歯6は中間ギヤ7の歯17とかみあい箇所1 3bにおいてかみあうことになる。
【0048】 その後、図8に示すように、入力ギヤ5が矢印18に示す方向に回転し続ける ことにより、矢印22に示す方向へと揺動アーム10は押付けられた状態となる 。その結果、アイドラギヤ4の矢印19に示した方向の回転に伴って、中間ギヤ 7は矢印21に示した方向に回転する。そして、中間ギヤ8(図2参照)を介し てもう一方のリールギヤ31b(図2参照)およびリール2b(図2参照)が駆 動される。このようにして、アイドラ機構の首振り動作が行なわれる。なお、図 8は、アイドラ機構の首振り動作を示す模式図である。
【0049】 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない と考えられるべきである。本考案の範囲は上記した説明ではなくて実用新案登録 請求の範囲によって示され、実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内 でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0050】
【考案の効果】
このように、本考案によれば、第1および第2のギヤの間を揺動するアイドラ ギヤを、第1および第2のギヤの少なくともいずれか一方と絶えず接触するよう に配置するとともに、アイドラギヤと接触する駆動ギヤを配置することで、駆動 ギヤの回転によりアイドラギヤを揺動させることができる。この結果、従来のよ うにアイドラギヤを揺動アームなどに押付けるためのばねなど特殊な部品を用い る必要がない。このため、本考案によるアイドラ機構を用いた磁気記録再生装置 または電気機器の製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に従ったビデオデッキを示す斜視模式
図である。
【図2】 図1に示したビデオデッキに内蔵されるリー
ルを駆動するためのアイドラ機構を示す模式図である。
【図3】 図2に示したアイドラ機構の特徴を説明する
ための模式図である。
【図4】 図2のIV−IVにおけるアイドラ機構の揺
動部の断面模式図である。
【図5】 リールが回転している状態を示す模式図であ
る。
【図6】 アイドラ機構の首振り動作を示す模式図であ
る。
【図7】 アイドラ機構の首振り動作を説明するための
拡大模式図である。
【図8】 アイドラ機構の首振り動作を示す模式図であ
る。
【図9】 従来のアイドラ機構を採用した磁気テープ装
置の要部を示した模式図である。
【図10】 図9の線分X−Xに沿う部分から見たアイ
ドラ機構を一部破断して示した拡大側面模式図である。
【符号の説明】
1 ビデオデッキ、2a,2b リール、3,6,17
歯、4 アイドラギヤ、5 入力ギヤ、7,8 中間
ギヤ、9,14〜16,18〜22 矢印、10 揺動
アーム、11,12 中心軸、13a,13b かみあ
い箇所、25駆動プーリ、26 ベルト、27 入力プ
ーリ、28 モータ、30 ビデオ挿入口、31a,3
1b リールギヤ。

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のテープリールを有する磁気テープ
    カセットを用いる磁気記録再生装置であって、 前記磁気テープカセットの一方のテープリールを駆動す
    るための一方リールと、 前記磁気テープカセットの他方のテープリールを駆動す
    るための他方リールと、 前記一方リールと接続され、前記一方リールと同じ中心
    軸を中心に回転可能な一方リールギヤと、 前記他方リールと接続され、前記他方リールと同じ中心
    軸を中心に回転可能な他方リールギヤと、 前記一方リールギヤと前記他方リールギヤとの間におい
    て前記一方リールギヤとは間隔を隔てて配置され、前記
    他方リールギヤを駆動するための中間ギヤと、 前記一方リールギヤと前記中間ギヤとの間に配置され、
    揺動中心軸を中心として一方リールギヤ側と前記中間ギ
    ヤ側との間を揺動可能な揺動アームと、 前記揺動アームに設置され、前記一方リールギヤおよび
    前記中間ギヤの少なくともいずれか一方と常に接触する
    揺動ギヤと、 前記揺動中心軸を中心として回転可能であって、前記揺
    動ギヤと接触するとともに前記揺動ギヤを駆動する駆動
    ギヤとを備え、 前記揺動ギヤを前記一方リールギヤに接触させることに
    より、前記揺動ギヤおよび前記一方リールギヤを介して
    前記一方リールを駆動する場合、前記揺動ギヤと前記駆
    動ギヤとの接触部が前記中間ギヤ側から前記一方リール
    ギヤ側に向かう方向に移動するように前記駆動ギヤは回
    転し、 前記揺動ギヤを前記中間ギヤに接触させることにより、
    前記揺動ギヤ、前記中間ギヤおよび前記他方リールギヤ
    を介して前記他方リールを駆動する場合、前記揺動ギヤ
    と前記駆動ギヤとの接触部が前記一方リールギヤ側から
    前記中間ギヤ側に向かう方向に移動するように前記駆動
    ギヤは回転する、磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 第1のギヤと、 前記第1のギヤと間隔を隔てて配置された第2のギヤ
    と、 前記第1および第2のギヤの間に配置され、揺動中心軸
    を中心として前記第1のギヤ側と前記第2のギヤ側との
    間を揺動可能な揺動アームと、 前記揺動アームに設置され、前記第1および第2のギヤ
    の少なくともいずれか一方と常に接触する揺動ギヤと、 前記揺動中心軸を中心として回転可能であって、前記揺
    動ギヤと接触するとともに前記揺動ギヤを駆動する駆動
    ギヤとを備える、電気機器。
  3. 【請求項3】 前記揺動ギヤと前記第1のギヤとを接触
    させることにより前記第1のギヤを駆動する場合、前記
    揺動ギヤと前記駆動ギヤとの接触部が前記第2のギヤ側
    から前記第1のギヤ側に向かう方向に移動するように前
    記駆動ギヤは回転し、 前記揺動ギヤと前記第2のギヤとを接触させることによ
    り前記第2のギヤを駆動する場合、前記揺動ギヤと前記
    駆動ギヤとの接触部が前記第1のギヤ側から前記第2の
    ギヤ側に向かう方向に移動するように前記駆動ギヤは回
    転する、請求項2に記載の電気機器。
  4. 【請求項4】 前記揺動アームにおいて、前記揺動中心
    軸は前記揺動アームの一方端部に配置され、 前記揺動ギヤは、前記揺動アームにおいて前記揺動中心
    軸が配置された一方端部とは反対側に位置する他方端部
    に回転可能に配置されている、請求項2または3に記載
    の電気機器。
  5. 【請求項5】 磁気テープカセットの1対のテープリー
    ルを回転させるための一方リールおよび他方リールをさ
    らに備え、 前記第1のギヤは前記一方リールを駆動するためのもの
    であり、 前記第2のギヤは前記他方リールを駆動するためのもの
    である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電気機
    器。
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