JP3093100B2 - 透過型スクリーン及び背面投写型画像ディスプレイ装置 - Google Patents

透過型スクリーン及び背面投写型画像ディスプレイ装置

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JP3093100B2
JP3093100B2 JP06106383A JP10638394A JP3093100B2 JP 3093100 B2 JP3093100 B2 JP 3093100B2 JP 06106383 A JP06106383 A JP 06106383A JP 10638394 A JP10638394 A JP 10638394A JP 3093100 B2 JP3093100 B2 JP 3093100B2
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lenticular lens
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンチキュラーレンズ
シートとフレネルレンズシートとを組み合わせて構成さ
れる透過型スクリーンと、それを備えた背面投写型画像
ディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小型画像発生源としての投写型ブラウン
管や液晶表示装置などに表示された画像を、投写レンズ
によって拡大し、透過型スクリーンに投写する構成の背
面投写型画像ディスプレイ装置は、近年、画質の向上が
著しく、大画面による迫力ある臨場感を楽しむことがで
きるため、家庭用投写型テレビ、業務用モニターテレビ
などとして普及が進んでいる。
【0003】この背面投写型ディスプレイ装置において
は、投写型ブラウン管(以下、投写管という)を画像発
生源として用いる場合、透過型スクリーン上の輝度を十
分に明るくするために、従来より、一般に、赤、緑、青
の3原色についてそれぞれ投写管と投写レンズを組み合
わせ、透過型スクリーン上で3原色の合成を行う方式を
採用していた。
【0004】図23は、背面投写型画像ディスプレイ装
置における一般的な光学系の配置を示す上面図である。
同図に見られるように、投写管の配置は緑色投写管21
を中心に、左右に青色投写管20、赤色投写管22が横
方向にインライン配置され、透過型スクリーン24上で
映像光を合成している。このとき、青色の映像光の光軸
25及び赤色の映像光の光軸27は、それぞれ、透過型
スクリーン24の法線方向とθ1 の角度を成している。
【0005】この角度θ1 を光線集中角という。また、
青色投写管20及び赤色投写管22に接続される投写レ
ンズ23は、それぞれ、透過型スクリーン24の法線方
向とθ2 の角度を持って配置されることになり、この角
度θ2 をレンズ集中角という。なお、26は緑色の映像
光の光軸である。
【0006】図24は、このような背面投写型画像ディ
スプレイ装置に用いられる従来の透過型スクリーンの要
部を示す斜視図である。同図において、透過型スクリー
ンは2枚構成であり、フレネルレンズシート4とレンチ
キュラーレンズシート7から成る。
【0007】フレネルレンズシート4は、その光入射面
5が平面を成し、その光出射面6がフレネル凸レンズ形
状を成している。このフレネルレンズシート4は、光出
射面6のフレネル凸レンズにより、光入射面5全体に入
射される映像光の光束を、光出射面6全体からほぼ平行
な光束として出射させてレンチキュラーレンズシート7
に入射されるように変換する機能を有しており、透過型
スクリーンの画面全体の明るさの分布を改善できる効果
がある。
【0008】レンチキュラーレンズシート7は、その光
入射面10が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とす
る縦長レンチキュラーレンズを、スクリーン画面水平方
向に連続して複数配列して成る面形状を成し、また、そ
の光出射面が、スクリーン画面垂直方向を長手方向とす
る縦長レンチキュラーレンズ9と、スクリーン画面垂直
方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯8と、を交互に
連続して複数配列した形状を成している。
【0009】なお、光入射面10、光出射面(8,9)
を構成する縦長レンチキュラーレンズの横断面形状は、
それぞれ、ほぼ楕円の形状を成しており、その形状及び
特性については、例えば、特開昭58−59436号公
報に詳しく述べられている。また、レンチキュラーレン
ズシート7の内部には、光拡散材15が混入してあり、
主に画面垂直方向の指向特性を改善する役割を果たして
いる。
【0010】図25は、図24に示すレンチキュラーレ
ンズシート7に、互いにほぼ平行な緑色の光線から成る
光束が入射した場合の光束の軌跡を示す光線追跡図、図
26は、同じく図24に示すレンチキュラーレンズシー
ト7に、互いにほぼ平行な赤色の光線から成る光束が入
射した場合の光束の軌跡を示す光線追跡図である。これ
らの図において、16は緑色光線、17は赤色光線であ
る。
【0011】図25、図26に示すように、光入射面1
0と光出射面(9)の両面に縦長レンチキュラーレンズ
を配置する構成とすることによって、レンチキュラーレ
ンズシート7から出射する光の出射位置を、光出射面
(9)における一定の幅の範囲内に集めることができ
る。そして、光が出射しない位置を黒色の塗料で染色
し、光吸収帯8とすることによって、透過型スクリーン
の外光反射を大幅に低減し、画像のコントラストを改善
することができる。
【0012】さらに、光入射面10と光出射面(9)の
両面に縦長レンチキュラーレンズを配置する構成とする
ことによって、透過型スクリーン24から出射する3原
色の映像光の観視輝度の指向特性を、ある程度同じ傾向
とすることができるため、赤、緑、青の3原色のバラン
スをある程度補正することができる。しかし、厳密に言
えば、3原色の映像光の観視輝度の指向特性は完全には
一致せず、それぞれ違った特性となる。
【0013】この結果、観視者が画像を見る水平方向の
角度によって赤、緑、青の3原色のバランスが変化し、
画像の色が変化して見えてしまう。この現象はカラーシ
フトと呼ばれている。このカラーシフトは、赤色光の輝
度と青色光の輝度のそれぞれの、観視角度0°のときの
輝度を100%としたときの相対値の比の対数で表すも
のとし、次の数1式で評価するものとする。
【0014】
【数1】
【0015】ただし、数1式において、Rはある観視角
度での赤色光の輝度、Bはある観視角度での青色光の輝
度、R0 は観視角度0°での赤色光の輝度、B0 は観視
角度0°での青色光の輝度である。カラーシフトはdB
の単位で表され、0dBに近い方が良い。例えば、赤色
光と青色光の相対輝度の比が1:1の時は0dBであ
り、2:1の時は約3dBである。
【0016】図27は、図23、図24に示す透過型ス
クリーンにおけるスクリーン画面水平方向の光の指向特
性を示す特性図である。なお、同図では、光線集中角θ
1 を9°としており、また、観視輝度は観視角度0°の
輝度を100%としたときの相対値で表してある。
【0017】図27に示すように、従来の透過型スクリ
ーン、すなわち、光入射面10、光出射面(9)を構成
する縦長レンチキュラーレンズの横断面形状が、それぞ
れ、ほぼ楕円の形状を成すようなレンチキュラーレンズ
シート7を有する透過型スクリーンでは、レンチキュラ
ーレンズシート7によるカラーシフトが観視角度35°
で2.3dBとなっている。
【0018】一方、従来においては、レンチキュラーレ
ンズシート7の光入射面10、光出射面(9)を構成す
る縦長レンチキュラーレンズの横断面形状について、例
えば、特開平1−182837号公報に記載されている
ように、光入射面10の縦長レンチキュラーレンズの横
断面形状を、光軸付近より周辺部の方が集光位置が遠く
なるような形状として、カラーシフトを小さくしたり、
光入射面10を構成する縦長レンチキュラーレンズと光
出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9と
の、光軸ずれに対する特性の変化や、光入射面10と光
出射面(9)との面間距離(すなわち、レンチキュラー
レンズシート7の厚み)において生ずる製造誤差に対す
る特性の変化を、いずれも小さく抑えるという技術が提
案されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の背面
投写型画像ディスプレイ装置は、画面サイズが対角36
インチ以上のものに限られていたが、セット(ディスプ
レイ装置)をコンパクト化し、設置に必要なスペースを
狭くすることが一つの目標であった。このため、図23
に示す配置の光学系における光路を反射鏡により折り返
す構成とした上、対角40インチ程度の画面サイズの場
合、投写レンズの投写距離を、従来の800mm程度か
ら、650ないし700mm程度と短く設計することに
より、セット筐体の奥行きの低減を図っているが、それ
が最小でも450mm前後となっていた。
【0020】これに対し、赤、緑、青の各投写管とし
て、従来とほぼ同じ外形寸法を有する投写管を用いる場
合、隣り合う投写管相互間の距離は、構造上、従来と同
様の距離(例えば画面サイズが対角7インチ程度の投写
管の場合、140mm程度)以下とすることは困難であ
るので、光線集中角θ1 、レンズ集中角θ2 は共に大き
くなってしまう。例えば、光線集中角θ1 は、以前では
8〜9°程度であったが、最近では10〜11°程度に
拡大されている。
【0021】一方、セット筐体の奥行きをさらに低減
し、設置スペースを小さくする上で、筐体の奥行きが4
00mm以下という仕様が一つの目安となる。これは、
近年の家具類で奥行きが400mm程度のものがかなり
普及してきたためであり、背面投写型画像ディスプレイ
装置をこのような家具類と並べて設置するときに、すっ
きりした配置をとれるからである。
【0022】この仕様を実現するにあたり、画面サイズ
が対角33インチ以上、画面アスペクト比が16:9で
画面中心の高さが750mm以下、投写レンズの投写距
離が640mm以下というような仕様とするのが、家庭
内の設置性の観点から好ましいと考えられるが、光線集
中角θ1 は上記の場合よりさらに大きくなり、12°前
後となる。
【0023】しかしながら、このような光線集中角
θ1 、レンズ集中角θ2 の大きい背面投写形画像ディス
プレイ装置に対し、上記のような従来の透過型スクリー
ンを用いる場合、以下に述べるような問題が生じる。す
なわち、上記のように、光線集中角θ1 、レンズ集中角
θ2 が大きくなると、レンチキュラーレンズシート7に
入射する赤色及び青色光の光軸のずれが大きくなるの
で、従来の透過型スクリーンでは、カラーシフトが増大
するという問題が生じる。
【0024】また、光線集中角θ1 、レンズ集中角θ2
が大きくなると、レンチキュラーレンズシート7の内部
での赤色光及び青色光の拡がり角も大きくなるので、光
出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9の
幅も広くする必要がある。しかし、光出射面(9)を構
成する縦長レンチキュラーレンズ9の幅を広くすると、
その縦長レンチキュラーレンズ面による外光反射が増加
して、画像のコントラストが低下するという問題が生じ
る。
【0025】しかも、光出射面(9)を構成する縦長レ
ンチキュラーレンズ9の幅を広くすると、それによって
逆に光吸収帯8の幅が狭くなるため、画像のコントラス
トはさらに低下することになる。
【0026】このため、光線集中角θ1 、レンズ集中角
θ2 の大きい背面投写型画像ディスプレイ装置に用いる
透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシートを構成
する際には、カラーシフトの低減を図るとともに、光出
射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9の幅
を必要最小限狭くし、コントラストの低下を防ぐ必要が
ある。
【0027】しかしながら、一方、光出射面(9)を構
成する縦長レンチキュラーレンズ9の幅を余り狭くする
と、光入射面10を構成する縦長レンチキュラーレンズ
に入射した光の一部が光出射面(9)を構成する縦長レ
ンチキュラーレンズ9に到達せず、迷光になってしまう
ことがある。
【0028】このことは、光軸が透過型スクリーンの法
線に対して平行(光線集中角θ1 が0°)である緑の映
像光においてはあまり大きな問題ではないが、光軸が透
過型スクリーン法線に対して11°程度を超える光線集
中角θ1 を持つ赤色及び青色の映像光では大きな問題に
なる。
【0029】一例として、図28に、光入射面を構成す
る縦長レンチキュラーレンズの横断面形状が、光軸付近
より周辺部の方が集光位置が遠くなるような形状を成す
ような、従来技術によるレンチキュラーレンズシート
に、互いにほぼ平行な緑の光線から成る光束が入射する
場合の光束の軌跡を示し、図29に、同じくそのレンチ
キュラーレンズシートに、互いにほぼ平行な赤色の光線
から成る光束が、光線集中角θ1 が12°で入射された
場合の光束の軌跡を示す。
【0030】すなわち、図28に示すように、緑色の映
像光16については迷光が発生しない場合であっても、
図29に示すように、赤色の映像光17についてはその
一部が迷光になってしまうことがある。
【0031】このような迷光は、透過型スクリーンにお
ける内部反射により画像のコントラストやフォーカス特
性を劣化させるため、問題になる。また、光の一部が迷
光になると、光の透過率が低下することになるので、そ
れにより画像が暗くなってしまい、明るい部屋などでそ
の画像を観視する場合にコントラストが低下してしま
う。
【0032】なお、このような迷光は、光出射面(9)
を構成する縦長レンチキュラーレンズ9の幅を広げるこ
とによって低減させることができるが、光出射面(9)
を構成する縦長レンチキュラーレンズ9の幅を広げる
と、前述のように、縦長レンチキュラーレンズ面による
外光反射が増加して、画像のコントラストが低下すると
いう問題が生じる。
【0033】上記の問題のほか、図27に示すように、
従来の透過型スクリーンにおける赤色の映像光と青色の
映像光の指向特性には、それぞれ約40°、−40°よ
り外側の観視角度で急激に観視輝度が低くなる、いわゆ
るカットオフが存在する。図27においては、カットオ
フが起き始める観視角度における相対輝度の大きさは、
赤色、青色でそれぞれ約90%になっている。
【0034】カットオフが存在する場合、カットオフの
起き始める観視角度より外側の観視角度では、そのカッ
トオフにより観視輝度が急激に減少するため、観視者が
画面上の輝度の段差を急激な色の変化として感じること
がある。そのため、カットオフが存在すること自体、カ
ラーシフトが増加することと同様に、問題となる。
【0035】さらに、従来の透過型スクリーンで、光線
集中角θ1 、レンズ集中角θ2 が大きくなると、画面の
色割れが大きくなるという問題がある。色割れとは、画
面中心を境として、左半分と右半分の画面の画像がそれ
ぞれ赤味、青味を帯びる現象である。この現象は、スク
リーン上の画面全面に、全白の試験映像信号によって白
を映出したときに、非常によく視認される。
【0036】以上述べたように、従来の透過型スクリー
ンにおいては、光線集中角θ1 、レンズ集中角θ2 の大
きい背面投写型画像ディスプレイ装置に対して用いる場
合に、カラーシフト、カットオフ、及び色割れの問題を
解決し、かつコントラストを向上させることは困難であ
り、このため、画面サイズが対角40インチ程度の画面
サイズの場合、その奥行きは最小でも450mm前後以
上となっていた。
【0037】そこで、本発明の目的は、上記の従来技術
の問題点を解決し、カラーシフト、カットオフ、及び色
割れをそれぞれ低減させることができるとともに、迷光
をなくし、コントラストを向上させることができる透過
型スクリーン、及びそれを備えた背面投写型画像ディス
プレイ装置を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】 本発明では、上記の目的
を達成するために次の処置を採ることとした。
【0039】即ち、本発明では、上記の目的を達成する
ために、光入射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を
長手方向とする縦長レンチキュラーレンズを、スクリー
ン画面水平方向に連続して複数配列して成る面形状であ
り、光出射面の形状が、スクリーン画面垂直方向を長手
方向とする縦長レンチキュラーレンズと、スクリーン画
面垂直方向を長手方向とする有限幅の光吸収帯と、を交
互にスクリーン画面水平方向に連続して複数配列して成
る面形状であるような、レンチキュラーレンズシートに
おいて、光入射面を構成する縦長レンチキュラーレンズ
の横断面形状(スクリーン画面水平方向の断面形状)
に、以下の条件をもつ高次の非球面形状を採用すること
によって達成される。
【0040】ここで、図30に、縦長レンチキュラーレ
ンズの横断面形状を定義するための座標系を示す。図3
0において、縦長レンチキュラーレンズの光軸方向をZ
軸とし、光が光入射面(レンズ面)から光出射面に向か
う方向を正の方向とする。また、Z軸に垂直な、縦長レ
ンチキュラーレンズの半径方向(横断方向)の軸をX軸
とし、図30において上の方向を正の方向とする。
【0041】更に、Z軸上の或る基準点OからのX軸に
沿った半径方向の距離をx(X軸の正の方向をxの正の
方向とする)とし、X軸からのZ軸方向の距離(光入射
面から光出射面に向かう方向を正の方向とする)をxの
関数Z(x)とする。このとき、縦長レンチキュラーレ
ンズの横断面形状は次の(数2)式で定義される。
【0042】
【数2】
【0043】なお、(数2)式において、x、Z(x)
はそれぞれ単位mmで表すものとする。また、RDは曲
率半径、CCは円錐定数、AD、AE、AF、AGは非
球面係数である。(数2)式では、xの項として、10
次の項までしか示していないが、これに限定されるわけ
ではなく、12次以上の偶数次の項までとしてもよい。
【0044】さて、本発明においては、レンチキュラー
レンズシートにおける光入射面を構成する縦長レンチキ
ュラーレンズの横断面形状として、映像光が入射される
側に凸であり、縦長レンチキュラーレンズの光軸を対称
軸としてほぼ線対称な形状を成し、かつ、縦長レンチキ
ュラーレンズのスクリーン画面水平方向の断面と同一の
面内において、
【0045】縦長レンチキュラーレンズの光軸に対して
スクリーン画面水平方向に8°以上の角度を持ち、前記
光軸の延長線上を横切って前記縦長レンチキュラーレン
ズのレンズ面に入射される、互いにほぼ平行な光線から
成る光束が存在する場合に、その光束に含まれる光線の
うち、縦長レンチキュラーレンズのレンズ面上におけ
る、前記光軸と交わる点(以下、第1の点という)に入
射される光線と、隣接する縦長レンチキュラーレンズと
の境界の近傍の点(以下、第2の点という)に入射され
る光線と、が入射後、互いに、光出射面を構成する縦長
レンチキュラーレンズのレンズ面上のほぼ同じ位置に向
かうとともに、
【0046】光入射面を構成する縦長レンチキュラーレ
ンズのレンズ面上における、前記第1の点と第2の点と
の間の、その他の各点にそれぞれ入射される光線が、全
て、入射後、光出射面を構成する縦長レンチキュラーレ
ンズのレンズ面上の前記位置よりも、光軸側の位置に向
かうような、形状を採用する。
【0047】以下、本発明におけるレンチキュラーレン
ズシートの光入射面を構成する縦長レンチキュラーレン
ズの、上述の横断面形状について、図1を参照してさら
に説明する。
【0048】図1は、本発明におけるレンチキュラーレ
ンズシートの光入射面を構成する縦長レンチキュラーレ
ンズの横断面形状を説明するための説明図である。
【0049】同図を参照する。
【0050】図1に示すように、本発明では、光入射面
10を構成する縦長レンチキュラーレンズのレンズ面上
における、その縦長レンチキュラーレンズの光軸と交わ
る点10aに、光線集中角θ1 を持って赤色光線17が
入射された場合に、その赤色光線17が入射後向かう、
光出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9
のレンズ面上における位置9aと、
【0051】同じく光入射面10を構成する縦長レンチ
キュラーレンズのレンズ面上における、隣接する縦長レ
ンチキュラーレンズとの境界(すなわち、縦長レンチキ
ュラーレンズの有効半径を相対半径1.0と定義する
と、その相対半径が1.0である位置)の近傍の点10
bに、光線集中角θ1 を持って赤色光線17が入射され
た場合に、その赤色光線17が入射後向かう、光出射面
(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9のレンズ
面上における位置9bと、はほぼ同一の位置となる。
【0052】そして、さらに、光入射面10を構成する
縦長レンチキュラーレンズのレンズ面上における、点1
0aから点10bの間に、光線集中角θ1 を持って入射
される全ての赤色光線は、入射後、光出射面(9)を構
成する縦長レンチキュラーレンズ9のレンズ面上におけ
る位置9aよりも内側の位置、すなわち、光軸側の位置
に向かうことになる。
【0053】
【作用】本発明は、迷光の発生及びカラーシフト、カッ
トオフの問題を検討した結果として見出された、主に以
下に述べるような事項に基づいてなされたものである。
【0054】従来の透過型スクリーンにおけるレンチキ
ュラーレンズシートでは、図28に示したように、緑色
の映像光16については、迷光が発生しない場合であっ
ても、図29に示したように、赤色の映像光17につい
ては、その一部が迷光になってしまうことがある。ま
た、従来の透過型スクリーンでは、図27に示したよう
に、主に、赤色の映像光と青色の映像光の指向特性にお
いてカットオフが存在する。よって、迷光の発生及びカ
ラーシフト、カットオフの問題の検討を進める上では、
主に赤色及び青色の映像光についての検討が必要であ
る。
【0055】図1に示すように、光入射面10を構成す
る縦長レンチキュラーレンズのレンズ面上における光軸
と交わる点10aでは、レンズ面の傾きは光軸に垂直で
ある。よって、点10aに入射された赤色光線17は、
光軸に垂直な平板に入射される光線と同様の屈折を受け
て、光出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレン
ズ9のレンズ面上の位置9aに到達する。
【0056】この時の赤色光線17の屈折角は、光軸に
垂直な平板に入射される光線の屈折角と同じとなるの
で、光出射面(9)における光線の到達位置9aは、レ
ンチキュラーレンズシート7の厚さtと同じ厚さを有す
る上記平板に入射される光線の、光出射面における到達
位置とほぼ同じになる。
【0057】よって、到達位置9aは、光入射面10を
構成する縦長レンチキュラーレンズの横断面形状にかか
わらず、ほぼ一定であり、レンチキュラーレンズシート
7を構成する基材の屈折率N、レンチキュラーレンズシ
ート7の厚さt、集中角θのみによって決定される。す
なわち、光軸から到達位置9aまでの距離をhとする
と、hは次の(数3)式のようになる。
【0058】
【数3】
【0059】したがって、光出射面(9)においては、
光入射面10を構成する縦長レンチキュラーレンズの横
断面形状にかかわらず、光線の到達位置9aを確保しな
ければならないので、光出射面(9)を構成する縦長レ
ンチキュラーレンズ9の幅としては、最小限、距離hの
2倍の幅が必要となる。
【0060】また、光入射面10を構成する縦長レンチ
キュラーレンズのレンズ面に入射される、互いに平行な
赤色の光線から成る光束のうち、光軸の延長線上を横切
って、点10aと上記の境界の近傍の点10bとの間に
入射される赤色光束は、従来の透過型スクリーンにおけ
るレンチキュラーレンズシートの場合、例えば、図29
に示したように、光の一部が光出射面(9)を構成する
縦長レンチキュラーレンズ9に到達せず、迷光になって
しまうことがある。しかし、光軸の延長線上を横切らず
に、点10aと他方の境界の近傍の点10cとの間に入
射される赤色光束については、図29に示したように、
全て、光出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレ
ンズ9に到達している。
【0061】よって、光軸の延長線上を横切って、点1
0aと点10bとの間に入射される赤色光束を、全て、
点10aに入射される赤色光線の軌跡よりも内側、また
は同じ位置に屈折させることができれば、赤色または青
色の光の一部が迷光になってしまうことはなくなる。
【0062】しかも、光出射面(9)を構成する縦長レ
ンチキュラーレンズ9の幅は、理論的には上記の(数
3)式にて得られた距離hの2倍の幅で十分ということ
になり、光出射面(9)を構成する縦長レンチキュラー
レンズ9の幅を最小限に抑えることができる。したがっ
て、光吸収帯8の幅を広くとることができ、迷光のな
い、コントラストの良い画像を提供することができる。
【0063】一方、赤色の映像光の指向特性におけるカ
ットオフを少なくするためには、光入射面10を構成す
る縦長レンチキュラーレンズのレンズ面上の、光軸から
離れた周辺部における、隣接する縦長レンチキュラーレ
ンズとの境界の近傍(以下、単に境界の近傍という)
で、レンズによる集光位置を遠くし、入射する光束を広
げることが有効である。
【0064】すなわち、従来の透過型スクリーン、例え
ば、図26に示したように、光入射面10を構成する縦
長レンチキュラーレンズの、横断面形状がほぼ楕円の形
状を成すようなレンチキュラーレンズシートを有する透
過型スクリーンでは、光入射面10を構成する縦長レン
チキュラーレンズの、レンズ面上における境界の近傍の
点10cに入射された赤色光線17は、他方の境界の近
傍の点10bに入射された赤色光線17に比べて、光出
射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9によ
って十分な屈折が与えられない。
【0065】そのため、点10cに入射された赤色光線
17は、光出射面(9)から出射する際、観視角度40
°以上に拡散せず、カットオフが発生する。そこで、光
入射面10を構成する縦長レンチキュラーレンズの、レ
ンズ面上における境界の近傍で、レンズによる集光距離
を長くし、点10cに入射された赤色光線が、光出射面
(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9の、レン
ズ面上における光軸と交わる点近くに到達するように
し、光出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレン
ズ9によって与えられる屈折角を大きくすることが必要
になる。
【0066】しかし、光入射面10を構成する縦長レン
チキュラーレンズの、レンズ面上における境界の近傍
で、レンズによる集光距離を単に長くしただけでは、図
29に示したように、点10bに入射される赤色光線1
7が迷光になってしまうことが多いので、カットオフと
迷光の発生とはトレードオフの関係になる。
【0067】この関係に対して、本発明では、図1に示
すように、光入射面10を構成する縦長レンチキュラー
レンズの、レンズ面上における境界の近傍の点10bに
入射された赤色光線17が、光出射面(9)を構成する
縦長レンチキュラーレンズ9のレンズ面上における、光
吸収帯8との境界の近傍の位置9bに到達されるように
しているので、上記のトレードオフの関係のバランスが
最も良くなる。
【0068】すなわち、点10bに入射された赤色光線
は位置9bに到達するので、光の一部が迷光になること
はない。また、他方の境界の近傍の点10cに入射され
る赤色光線は、光出射面(9)を構成する縦長レンチキ
ュラーレンズ9によって十分な屈折が与えられ、カット
オフの起き始める観視角度が大きくなり、その観視角度
における相対輝度の大きさが小さくなる。
【0069】仮に、点10bに入射された光が上記条件
よりも内側を通ることになると、点10cに入射される
赤色及び青色の光についてのカットオフが大きくなって
しまう。
【0070】以上のような条件を満たす形状に、光入射
面10を構成する縦長レンチキュラーレンズの横断面形
状を、成すことにより、カットオフが目立たず、カラー
シフトが少なく、かつ迷光がなく、光の透過率の高いコ
ントラストの良いレンチキュラーレンズシートが得られ
る。
【0071】なお、光出射面(9)を構成する縦長レン
チキュラーレンズ9の幅については、上記(数3)式に
て得られた距離hの2倍の幅とすることにより、迷光の
発生を抑え、かつ最小限の幅とすることができるが、実
際に実施する際には、レンチキュラーレンズシートの光
軸のずれや厚さの誤差を考慮に入れて、さらにその1.
1倍ないし1.4倍程度に広く取る必要がある。
【0072】しかし、その場合においても、従来の透過
型スクリーンにおけるレンチキュラーレンズシートの光
出射面を構成する縦長レンチキュラーレンズよりも、幅
を狭くすることができ、コントラストが高く、かつカッ
トオフの小さい指向特性の透過型スクリーンを得ること
ができる。
【0073】
【実施例】 以下、本発明の第一の実施例を図2ないし図
6を参照して説明する。
【0074】図2は、本発明の第一の実施例としての透
過型スクリーンにおけるレンチキュラーレンズシート7
に、光線集中角θ1 が12°の、互いにほぼ平行な赤色
の光線から成る光束が入射した場合の、該光束の軌跡を
示す光線追跡図、図3は同じく図2のレンチキュラーレ
ンズシート7に、互いにほぼ平行な緑色の光線から成る
光束が入射した場合の、該光束の軌跡を示す光線追跡図
である。
【0075】また、以下の表1に、図2及び図3に示す
レンチキュラーレンズシート7の横断面形状を、前述の
(数2)式で示す関数により規定する場合の、該関数に
おける定数や係数などの各数値の一例、その他を示し
た。この実施例(設計例)は、光線集中角θ1 が12°
前後の光学系に適する例である。
【0076】
【表1】
【0077】本実施例の透過型スクリーンは、図24に
示した従来の透過型スクリーンと同様に、フレネルレン
ズシート4とレンチキュラーレンズシート7とから構成
される。
【0078】さて図2に示すように、本実施例における
レンチキュラーレンズシート7の光入射面10を構成す
る縦長レンチキュラーレンズの横断面形状は、光線集中
角12°を持って入射された赤色の平行光線から成る光
束のうち、光入射面10を構成する縦長レンチキュラー
レンズのレンズ面上における、その縦長レンチキュラー
レンズの光軸と交わる点10aに入射された光線と、隣
接する縦長レンチキュラーレンズとの境界の近傍の点1
0bに入射された光線と、が光出射面(9)を構成する
縦長レンチキュラーレンズ9のレンズ面上における位置
9aにおいてほぼ交わり、また、点10aと点10bと
の間の、その他の各点に入射された光線が、全て、光出
射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9のレ
ンズ面上における位置9aよりも内側、すなわち、光軸
側に到達するような、形状となっている。
【0079】図4は、上記の表1に示したレンチキュラ
ーレンズシート7の設計例について、光線集中角12°
を持って入射される赤色光の、光入射面10における入
射位置と、光出射面(9)における出射位置と、の関係
を示す特性図であり、横軸には光入射面10における入
射位置xの相対半径r、縦軸には光出射面(9)におけ
る出射位置x′の相対半径r′をとっている。
【0080】ここで、光入射面10における相対半径
r、光出射面(9)における相対半径r′は、光入射面
10と光出射面(9)の有効半径をそれぞれxMAX
x′MAXとしたとき、次の(数4)式で与えられる。
【0081】
【数4】r=x/xMAX
【0082】
【数5】r′=x′/x′MAX
【0083】図4において、r=0、r′=0は、それ
ぞれ、光入射面10、光出射面(9)を構成する縦長レ
ンチキュラーレンズ9の、光軸上の点である。また、上
記の点10aがr=0、点10bがr=r1 、点9aが
r′=r1 ′に対応しており、光入射面10を構成する
縦長レンチキュラーレンズの横断面形状が、上述の本発
明の趣旨の通りの形状となっていることを示している。
【0084】本実施例の透過型スクリーンでは、図2及
び図3に示すように、レンチキュラーレンズシート7に
おいて光の一部が迷光となることがなく、光の利用率の
高いものとなっており、画像の良好なコントラストを得
ることができる。なお、ここで、光拡散材をシート基材
の中に混入することによって、多少の迷光が発生する場
合もあるが、実用上問題にならないレベルである。
【0085】図5は、図2、図3に示すレンチキュラー
レンズシート7の横断面形状等を規定する数値として、
上記の表1に示す数値を用いた場合の、透過型スクリー
ンにおけるスクリーン画面水平方向の光の指向特性を示
す特性図である。なお、図5の指向特性は、光線集中角
θ1 を12°として計算により導き出されたものであ
り、光拡散材の影響は無視してある。
【0086】図5に示すように、スクリーン画面水平方
向の光の指向特性におけるカラーシフトは、観視角度±
35°では1.7dB、観視角度±55°では4.0d
Bになり、光線集中角、レンズ集中角の大きい背面投写
型画像ディスプレイ装置であるにもかかわらず、従来の
レンチキュラーレンズシート7、すなわち、縦長レンチ
キュラーレンズの横断面形状がほぼ楕円の形状を成すよ
うなレンチキュラーレンズシート7よりも、カラーシフ
トが少ない。
【0087】また、カットオフが起き始める観視角度は
約±50°となり、そのときの相対輝度も約50%と小
さいものになっているため、カットオフの目立たない高
品質な画像となる効果がある。
【0088】さて、次の表2に、図2に示すレンチキュ
ラーレンズシート7の横断面形状を、前述の(数2)式
で示す関数により規定する場合の、該関数における定数
や係数などの各数値の他の例を示した。
【0089】
【表2】
【0090】図6は、図2に示すレンチキュラーレンズ
シート7の横断面形状等を規定する数値として表2に示
す数値を使った場合の、透過型スクリーンにおけるスク
リーン画面水平方向の光の指向特性を示す特性図であ
る。なお、図6の指向特性も光線集中角θ1 を12°と
して計算により導き出されたものであり、光拡散材の影
響は無視してある。
【0091】なお、上記の表1、及び表2において、光
出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズの横
断面形状については、楕円形状としてスクリーン画面水
平方向の光の指向特性におけるカラーシフトや画面上の
色むらが少なくなるように最適化した設計例となってい
るが、従来の透過型スクリーンと同様に、円、あるいは
適宜の非球面形状としてもよい。光出射面(9)を構成
する縦長レンチキュラーレンズ9の幅については、光線
集中角θ1 を12°としたとき、前記(数3)式によっ
て与えられる距離hの2倍である2hに対して、2hの
1.1倍ないし1.4倍に設定されている。
【0092】図6からもわかるように、図2に示すレン
チキュラーレンズシート7の横断面形状等を規定する数
値として、上記の表2に示す数値を使った場合でも、カ
ラーシフトが小さく、かつカットオフの小さいスクリー
ン画面水平方向の指向特性を得ることができるととも
に、上記の表1に示した数値を使った場合と同じく、光
線集中角、レンズ集中角の大きい背面投写型画像ディス
プレイ装置に用いる場合でも、光の一部が迷光になるこ
とがなく、コントラストの良い画像を得ることができる
効果がある。
【0093】以上説明したように、本実施例によれば、
カラーシフト、カットオフとコントラストとのバランス
が優れており、より好ましい画像を観視用に供すること
ができる。次に、本発明の第二の実施例を図7ないし図
10を参照して説明する。
【0094】図7は、本発明の第二の実施例としての透
過型スクリーンにおけるレンチキュラーレンズシート7
に、光線集中角θ1 が12°の、互いにほぼ平行な赤色
の光線から成る光束が入射した場合の、該光束の軌跡を
示す光線追跡図である。
【0095】また、以下の表3に、図7に示すレンチキ
ュラーレンズシート7の横断面形状等を、前述の(数
2)式により規定する場合の各数値の一例を示す。この
実施例(設計例)は、光線集中角θ1 が12°前後の光
学系に適する例である。
【0096】
【表3】
【0097】本実施例の透過型スクリーンも、図24に
示した従来の透過型スクリーンと同様に、フレネルレン
ズシート4とレンチキュラーレンズシート7とから構成
されるものである。
【0098】本実施例と、前述の第一の実施例との違い
は、第一の実施例においては、レンチキュラーレンズシ
ート7の光入射面10を構成する縦長レンチキュラーレ
ンズの横断面形状が、「光線集中角12°を持って入射
された赤色の平行光線から成る光束のうち、光入射面1
0を構成する縦長レンチキュラーレンズのレンズ面上に
おける、その縦長レンチキュラーレンズの光軸と交わる
点10aに入射された光線と、隣接する縦長レンチキュ
ラーレンズとの境界の近傍の点10bに入射された光線
と、が光出射面(9)を構成する縦長レンチキュラーレ
ンズ9のレンズ面上における位置9aにおいてほぼ交わ
り、また、点10aと点10bとの間のその他の各点に
入射された光線が、全て、光出射面(9)を構成する縦
長レンチキュラーレンズ9のレンズ面上における位置9
aよりも内側、すなわち、光軸側に到達する」という条
件を満たす形状とされていたのに対し、本実施例では、
光入射面10を構成する縦長レンチキュラーレンズの横
断面形状が、上記の条件に加え、「光入射面10におい
て、有効半径をxMAX としたとき、横断面形状を定義す
る関数Z(x)のxについての2次微分関数Z″(x)
が、x=0において正値の極小値をとり、0<|x|<
MAX となるxにおいて極大値をとる」という条件を満
たす形状とされている点にある。
【0099】図8は、上記の表3に示したレンチキュラ
ーレンズシート7の設計例について、光線集中角12°
を持って入射される赤色光の、光入射面10における入
射位置と、光出射面(9)における出射位置と、の関係
を示す特性図であり、前述の図4と同じく、横軸には光
入射面10における入射位置xの相対半径r、縦軸には
光出射面(9)における出射位置x′の相対半径r′を
とっている。
【0100】図8においても、図4と同じく、上記の点
10aがr=0、点10bがr=r1 、点9aがr′=
1 ′に対応しており、光入射面10を構成する縦長レ
ンチキュラーレンズの横断面形状が、上述の第一の実施
例と同様の条件を満たす形状となっていることを示して
いる。
【0101】図9は、上記の表3に示したレンチキュラ
ーレンズシート7の設計例について、光入射面10を構
成する縦長レンチキュラーレンズの横断面形状を定義す
る関数Z(x)のxについての2次微分関数Z″(x)
を示したものである。ただし、横軸には前記の光入射面
10における入射位置xの相対半径rをとって表示して
ある。
【0102】図9において、2次微分関数Z″(x)
は、x=0において正値の極小値をとり、r=0.8付
近(すなわちx=約0.8xMAX )において極大値をと
り、r=0.95付近で0となり、r=1では負値とな
っている。
【0103】本実施例の透過型スクリーンでは、図7に
示すように、レンチキュラーレンズシート7において光
の一部が迷光となることがなく、光の利用率の高いもの
となっており、画像の良好なコントラストを得ることが
できる。なお、ここで、光拡散材をシート基材の中に混
入することによって、多少の迷光が発生する場合もある
が、実用上問題にならないレベルである。
【0104】図10は、図7に示すレンチキュラーレン
ズシート7の横断面形状等を規定する数値として、上記
の表3に示す数値を用いた場合の、透過型スクリーンに
おけるスクリーン画面水平方向の、光の指向特性を示す
特性図である。なお、図10の指向特性は、光線集中角
θ1 を12°として計算により導き出されたものであ
り、光拡散材の影響は無視してある。
【0105】図10に示すように、スクリーン画面水平
方向の光の指向特性におけるカラーシフトは、観視角度
±35°で1.7dB、観視角度±55°で2.9dB
になり、光線集中角、レンズ集中角の大きい背面投写型
画像ディスプレイ装置であるにもかかわらず、従来のレ
ンチキュラーレンズシート7、すなわち、縦長レンチキ
ュラーレンズの横断面形状がほぼ楕円の形状を成すよう
なレンチキュラーレンズシート7よりも、カラーシフト
が少なく、また、観視角度±55°におけるカラーシフ
トは、前述の第一の実施例の場合に比べても少なくなっ
ている。さらに、第一の実施例と異なり、カットオフが
ないため、極めて高品質な画像となる効果がある。
【0106】なお、上記の表3において、光出射面
(9)を構成する縦長レンチキュラーレンズ9の横断面
形状については、楕円形状としてスクリーン画面水平方
向の光の指向特性におけるカラーシフトや画面上の色む
らが少なくなるように最適化した設計例となっている
が、従来の透過型スクリーンと同様に、円、あるいは適
宜の非球面形状としてもよいことは前述の第一の実施例
の場合と同様である。
【0107】また、光出射面(9)を構成する縦長レン
チキュラーレンズ9の幅については、光線集中角θ1
12°としたとき、前記(数3)式によって与えられる
距離hの2倍である2hに対して、2hの1.1倍ない
し1.4倍に設定されている。
【0108】次に、本発明の第三の実施例を図11を参
照して説明する。図11は、本発明の第三の実施例とし
ての透過型スクリーンの要部を示す斜視図である。本実
施例の透過型スクリーンは、第一の実施例の透過型スク
リーンとほぼ同じ構成であり、第一の実施例の透過型ス
クリーンとの違いは、フレネルレンズシート12の光入
射面13に、スクリーン画面水平方向を長手方向とする
横長レンチキュラーレンズがスクリーン画面垂直方向に
複数配列して形成されている点にある。なお、レンチキ
ュラーレンズシート7の横断面形状は、図2に示した形
状と同じである。
【0109】本実施例においても、第一の実施例と同じ
く、カラーシフトが少なく、カットオフがほとんど目立
たないスクリーン画面水平方向の指向特性が得られる。
また、光の一部が迷光になることがなく、光の透過率の
高いコントラストの良い画像を観視用に供することがで
きる。
【0110】また、本実施例においては、スクリーン画
面垂直方向の光の拡散は、シート基材の中に混入する光
拡散材のほかに、フレネルレンズシート12の光入射面
13に形成された横長レンチキュラーレンズによっても
行われる。そのため、光拡散材の混入量を減少させるこ
とができ、この場合、光拡散材による外光の反射が低減
されるので、さらにコントラストの良い画像を得ること
ができる。
【0111】一方、本実施例において、レンチキュラー
レンズシート7の横断面形状を、図7に示した第二の実
施例のレンチキュラーレンズシート7の横断面形状と同
じにしてもよい。このときは、スクリーン画面水平方向
の光の指向特性において、カラーシフトがさらに少な
く、またカットオフがほとんどなくなるという効果があ
る。
【0112】次に、本発明の第四の実施例を図12を参
照して説明する。図12は、本発明の第四の実施例とし
ての透過型スクリーンの要部を示す斜視図である。本実
施例の透過型スクリーンと第一の実施例の透過型スクリ
ーンとの違いは、本実施例の透過型スクリーンが、フレ
ネルレンズシート4、レンチキュラーレンズシート7
と、第二のレンチキュラーレンズシート1、から成る3
枚構成になっている点にある。なお、レンチキュラーレ
ンズシート7の横断面形状は図2に示した形状と同じで
ある。
【0113】本実施例において、第二のレンチキュラー
レンズシート1は、光入射面2の形状がスクリーン画面
水平方向を長手方向とする横長レンチキュラーレンズを
スクリーン画面垂直方向に連続して複数配列した形状を
成しており、入射された光束をスクリーン画面垂直方向
に拡散させる作用を有する。また、光出射面3の形状は
平面である。
【0114】本実施例においても、第一の実施例と同様
に、カラーシフトが少なく、カットオフがほとんど目立
たないスクリーン画面水平方向の指向特性が得られる。
さらに、光の一部が迷光になることがなく、光の透過率
の高いコントラストの良い画像を観視用に供することが
できる。
【0115】また、スクリーン画面垂直方向について
は、第三の実施例と同じく、光入射面2の横長レンチキ
ュラーレンズによっても光の拡散が行われているため、
光拡散材の混入量を減らすことができ、さらにコントラ
ストの良い画像を得ることができる。
【0116】一方、本実施例において、レンチキュラー
レンズシート7の横断面形状を、図7に示した第二の実
施例のレンチキュラーレンズシート7の横断面形状と同
じにしてもよい。このときは、スクリーン画面水平方向
の光の指向特性において、カラーシフトがさらに少な
く、またカットオフがほとんどなくなるという効果があ
る。
【0117】さて、上記の各実施例において、光拡散材
はレンチキュラーレンズシート7に混入しても混入しな
くてもよい。光拡散材を混入した場合は、混入しない場
合に比較して、カラーシフトが若干改善されたり、透過
型スクリーンを構成する各シート間の光の不要な反射に
よるゴーストが低減されたりするなどの効果があるが、
その一方、画像のコントラストやフォーカス特性が若干
低下するなどのデメリットが生じる。
【0118】上記の光拡散材をレンチキュラーレンズシ
ート7に混入するにあたっては、単にレンチキュラーレ
ンズシート7の内部に光拡散材を均一に混入させるとい
う方法のほか、レンチキュラーレンズシート7の光出射
面(9)の側に光拡散材を偏在させてもよい。このよう
な構成としたときは、光拡散材を均一に混入させた構成
に比較して、スクリーン画面垂直方向の光の指向特性を
拡大するために光拡散材の量を増した場合でも画像のフ
ォーカス特性の低下があまり見られない効果がある。
【0119】なお、光出射面(9)の側に光拡散材を偏
在させた構成のレンチキュラーレンズシート7の具体的
な製造方法としては、特開平3−39944号公報、あ
るいは特開平5−61120号公報に開示されているよ
うな技術による方法がある。
【0120】このうち、特開平5−61120号公報に
は、レンチキュラーレンズシート7の光出射面(9)の
側の、光拡散材を含む層状部分の厚さを、縦長レンチキ
ュラーレンズの光軸付近より周辺部の方において薄くす
る技術が開示されているが、本発明において、上記従来
技術により光拡散材を光出射面(9)の光軸付近にさら
に偏在させた場合は、上記各実施例よりさらにカラーシ
フトが低減するという、上記従来技術において予期され
ていない新たな効果がある。
【0121】この理由について、図13ないし図15を
参照して説明する。図13は、図7に示した前記の本発
明の第二の実施例の透過型スクリーンのレンチキュラー
レンズシート7において、光出射面(9)側に、光拡散
材を含む層状部分としての光拡散材層19を設け、その
層状部分の厚さを、光軸付近より周辺部の方において薄
くした構成の例の横断面形状を示す図である。
【0122】図13において、観視側にスクリーン画面
水平方向に+35°方向、−35°方向に出射する光線
について見ると、+35°方向に進む赤色光線は、前記
の層状部分を通過する距離が約0.24mm、−35°
方向に進む赤色光線は、前記の層状部分を通過する距離
が約0.18mmとなっている。
【0123】同図においては、赤色光線17のみを図示
してあるが、青色光線が、光軸に関して赤色光線とほぼ
対称に存在するため、+35°方向に進む青色光線と、
−35°方向に進む青色光線は、それぞれ、前記の層状
部分を通過する距離が約0.18mm、約0.24mm
となる。
【0124】したがって、+35°方向に進む光線のう
ち赤色光線は、青色光線より、約1.3倍程度に長い距
離を前記の層状部分において通過する。層状部分の通過
距離が長いほど、光拡散材により光が多く拡散されて他
の方向へ進んでしまうため、本来の方向へ進む光はより
少なくなる。
【0125】図14と図15は、このときのスクリーン
画面水平方向の指向特性を比較して示す特性図であり、
図14は、光拡散材がない場合、図15は、前記の光拡
散材層がある場合を示している。図14では、+35°
方向のカラーシフトは1.7dBであるが、図15で
は、+35°方向のカラーシフトは1.3dBに低減さ
れている。
【0126】これは、前記の光拡散材層19によって青
色より赤色のほうがより多く拡散されることから、図1
5においては、図14に比較して、赤色の相対輝度が青
色の相対輝度より大きく低下してしまったことによって
いる。より正確には、上記の+35°方向へ進む光線の
近くの光線も考慮して計算する必要があるが、その場合
でも、概ね上述のような傾向となる。
【0127】次に、上記の各実施例におけるフレネルレ
ンズシートについて説明する。図16は、本発明の第二
の実施例のレンチキュラーレンズシート7に従来のフレ
ネルレンズシート4を組み合わせた構成の透過型スクリ
ーンを用い、スクリーン上の画面全面に、全白の試験映
像信号によって白を映出し、画面正面方向から観視した
ときの、画面中心から水平方向に画面右端及び画面左端
までの相対輝度の分布を、赤、緑、青の色別に示した特
性図である。横軸には画面中心から画面対角隅までの距
離を1としたときの、画面中心から水平方向の相対距離
をとっており、画面右を正の方向、画面左を負の方向と
している。
【0128】図16に示すように、画面右半分では赤、
緑に比較して青の相対輝度が大きく青味を帯びて見え、
また、画面左半分では緑、青に比較して赤の相対輝度が
大きく赤味を帯びて見え、色割れを生じている。
【0129】図17は、上記の透過型スクリーンの、画
面中心から画面対角隅までの距離をRMAX としたとき
の、画像観視側から見て画面中心から水平右方向に相対
距離が0.4RMAX の位置における、赤色、緑色、青色
の主光線の軌跡を示す光線追跡図であり、光拡散材がな
いものとして描いてある。
【0130】図17において、赤色、緑色、青色の主光
線のうち、青色の主光線が、レンチキュラーレンズシー
ト7の光出射面(9)において、最も光軸から遠い点9
pを通過している。このとき、フレネルレンズシート4
の光出射面のフレネル凸レンズからの各色の主光線の出
射方向は、レンチキュラーレンズシートの光軸方向に対
し、赤が約11.0°、緑が約0.1°、青が約13.
5°となっており、上記の点9pの位置は光軸から0.
126mmの距離となっている。
【0131】図18及び図19は、本発明の透過型スク
リーンの、画像観視側から見て画面中心から水平右方向
に距離0.4RMAX の位置における、赤色、緑色、青色
の主光線の軌跡を示す光線追跡図であり、光拡散材がな
いものとして描いてある。
【0132】図18では、フレネル凸レンズからの各色
の主光線の出射方向が、レンチキュラーレンズシートの
光軸方向に対し、赤は11°以下の約10.4°、緑は
約0.5°、青は14°以上の約14.5°となるよう
に構成されている。このとき、図17の場合と同様に、
赤色、緑色、青色の主光線のうち、青色の主光線が、レ
ンチキュラーレンズシート7の光出射面(9)におい
て、最も光軸から遠い点9pを通過しており、その位置
は光軸から0.137mmの距離となっている。
【0133】この場合、図17と比較すると、青色主光
線の通過点9pは光軸からより離れた位置となってお
り、青色光束全体では光出射面の有効半径の外を通り損
失光となる光が増すので、前記の色割れは低減される効
果がある。このとき、レンチキュラーレンズシート7に
光拡散材がある場合には、拡散により青色光束の損失光
がさらに増すので、色割れはさらに低減される。
【0134】図19では、フレネル凸レンズからの各色
の主光線の出射方向が、レンチキュラーレンズシートの
光軸方向に対し、赤は10°以下の約9.5°、緑は約
1.6°、青は15°以上の約15.5°となるように
構成されている。このとき、青色の主光線が、図18と
同様に、レンチキュラーレンズシート7の光出射面
(9)において、最も光軸から遠い点9pを通過してお
り、その位置は光軸から0.147mmの距離となって
いる。
【0135】この場合、青色主光線の通過点9pは、図
18の場合よりさらに光軸から離れた位置となってお
り、青色光束の損失光となる光がさらに増すので、前記
の色割れはより低減される。
【0136】最後に、本発明の透過型スクリーンを備え
た背面投写型画像ディスプレイ装置について説明する。
図20は、本発明による透過型スクリーンを備えた背面
投写型画像ディスプレイ装置の一実施例の、外観を概略
的に示した正面図、図21は図20の背面投写型画像デ
ィスプレイ装置の外観を概略的に示した側面図である。
【0137】図20及び図21において、31は背面投
写型画像ディスプレイ装置であり、37は透過型スクリ
ーンである。本実施例では、背面投写型画像ディスプレ
イ装置31の画面サイズは対角38インチで、そのアス
ペクト比は16:9である。また、背面投写型画像ディ
スプレイ装置31の本体の幅、高さ、奥行きはそれぞ
れ、900mm、990mm、390mmであり、画面
中心高さは725mmに設定されている。
【0138】図22は、図20の背面投写型画像ディス
プレイ装置31内における光学系に関連する部品の位置
関係を、側面から見て概略的に示した断面図である。同
図において32は投写管、33は投写レンズ、34は反
射鏡、38は投写管32と投写レンズ33を結合する結
合器、39は電気回路部、40は筐体、46は投写管3
2に電力及び信号を供給するCPT基板、47、48、
49は、それぞれ、筐体40の一部を成すキャスター、
地板、金網部である。
【0139】本発明の背面投写型画像ディスプレイ装置
では、前述の本発明の透過型スクリーンを用い、その他
の各部品を図22に示すように高密度に配置することに
より、図20及び図21に示したようなコンパクトなセ
ット(背面投写型画像ディスプレイ装置)が実現できる
効果がある。
【0140】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、透過型スクリーンを構成するレンチキュラー
レンズシートにおいて、該シートの光入射面を構成する
縦長レンチキュラーレンズの横断面形状を、特定の形状
とすることによって、そのような透過型スクリーンを、
光線集中角θ1 、レンズ集中角θ2 の大きい背面投写型
画像ディスプレイ装置に用いても、カラーシフト、カッ
トオフ、色割れをそれぞれ低減させることができるとと
もに、迷光を無くし、画像のコントラストを向上させる
ことができる。
【0141】すなわち、光の一部が迷光になることがな
く、光の透過率を、従来のレンチキュラーレンズシート
を用いた透過型スクリーンの場合に比べ大きくすること
ができる。また縦長レンチキュラーレンズの横断面形状
がほぼ楕円の形状を成すような従来のレンチキュラーレ
ンズシートに比較して、カラーシフトが少なく、かつカ
ットオフの小さい指向特性を得ることができる。また、
光の透過率を大きくすることができるため、レンチキュ
ラーレンズシートの基材の中に光拡散材を混入した場合
でも、迷光になる光が少なく、良好なコントラスト特性
を得ることができる。
【0142】また、画面中心からスクリーン画面水平方
向に0.4RMAX の距離の位置において、赤色投写管か
らの主光線と、青色投写管からの主光線の、フレネルレ
ンズシートの光出射面からの出射方向が、それぞれ、レ
ンチキュラーレンズシートの光入射面を構成する縦長レ
ンチキュラーレンズの光軸方向に対して角度θR 、θB
を成すとき、角度θR 、θB のうち、一方の絶対値が1
4°以上、好ましくは15°以上で、かつ、他方の絶対
値が11°以下、好ましくは10°以下となるような構
成のフレネル凸レンズ形状を、フレネルレンズシートに
設けているので、赤色または青色の主光線が、レンチキ
ュラーレンズシートの光出射面を構成する縦長レンチキ
ュラーレンズにおいて、光軸からより離れた位置を通る
ことになり、その色の光束全体では光出射面の有効半径
の外を通り損失光となる光が増し、前記の色割れは低減
される。
【0143】本発明の背面投写型画像ディスプレイ装置
では、前述の本発明の透過型スクリーンを用い、その他
の各部品を高密度に配置することにより、コンパクトな
セットが実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるレンチキュラレンズシート7の
光入射面を構成する縦長レンチキュラーレンズの横断面
形状を示す断面図である。
【図2】本発明の第一の実施例としての透過型スクリー
ンにおけるレンチキュラーレンズシート7に、互いにほ
ぼ平行な赤色光線から成る光束が入射した場合の光束の
軌跡を示す光線追跡図である。
【図3】図2に示すレンチキュラーレンズシート7に、
互いにほぼ平行な緑色光線から成る光束が入射した場合
の光束の軌跡を示す光線追跡図である。
【図4】図2に示すレンチキュラーレンズシート7の横
断面形状等を規定する数値として、表1に示す数値を使
った場合の、レンチキュラーレンズシート7の光入射面
10に入射される赤色光の、光入射面10における入射
位置と、光出射面(9)における出射位置と、の関係を
示す特性図である。
【図5】図2に示すレンチキュラーレンズシート7の横
断面形状等を規定する数値として、表1に示す数値を使
った場合の、透過型スクリーンにおけるスクリーン画面
水平方向の光の指向特性を示す特性図である。
【図6】図2に示すレンチキュラーレンズシート7の横
断面形状等を規定する数値として、表2に示す数値を使
った場合の、透過型スクリーンにおけるスクリーン画面
水平方向の光の指向特性を示す特性図である。
【図7】本発明の第二の実施例としての透過型スクリー
ンにおけるレンチキュラーレンズシート7に、互いにほ
ぼ平行な赤色光線から成る光束が入射した場合の光束の
軌跡を示す光線追跡図である。
【図8】図7に示すレンチキュラーレンズシート7の横
断面形状等を規定する数値として、表3に示す数値を使
った場合の、レンチキュラーレンズシート7の光入射面
10に入射する赤色光の、光入射面10における入射位
置と、光出射面(9)における出射位置との関係を示す
特性図である。
【図9】図7に示すレンチキュラーレンズシート7の横
断面形状等を規定する数値として、表3に示す数値を使
った場合の、光入射面10を構成する縦長レンチキュラ
ーレンズの横断面形状を、定義する関数Z(x)のxに
ついての2次微分関数Z″(x)を示す特性図である。
【図10】図7に示すレンチキュラーレンズシート7の
横断面形状等を規定する数値として、表3に示す数値を
使った場合の、透過型スクリーンにおけるスクリーン画
面水平方向の光の指向特性を示す特性図である。
【図11】本発明の第二の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図12】本発明の第三の実施例としての透過型スクリ
ーンの要部を示す斜視図である。
【図13】図7に示した前記の本発明の第二の実施例の
透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシート7にお
いて、光出射面(9)側に、光拡散材を含む層状部分を
設けたときの、互いにほぼ平行な赤色光線の光束が入射
した場合の光束の軌跡を示す光線追跡図である。
【図14】図13に示すレンチキュラーレンズシート7
を用いた透過型スクリーンにおいて、光拡散材層がない
場合のスクリーン画面水平方向の光の指向特性を示す特
性図である。
【図15】図13に示すレンチキュラーレンズシート7
を用いた透過型スクリーンにおいて、光拡散材層がある
場合のスクリーン画面水平方向の光の指向特性を示す特
性図である。
【図16】本発明の第二の実施例のレンチキュラーレン
ズシート7に、従来のフレネルレンズシート4を組み合
わせた構成の透過型スクリーンに、全白映像を映出した
ときの、画面水平方向の相対輝度の分布を示した特性図
である。
【図17】図16に示した透過型スクリーンの、画像観
視側から見て画面中心から水平右方向に相対距離が0.
4の位置における、赤色、緑色、青色の主光線の軌跡を
示す光線追跡図である。
【図18】本発明の透過型スクリーンの、画像観視側か
ら見て画面中心から水平右方向に前記の相対距離が0.
4の位置における、赤色、緑色、青色の主光線の軌跡を
示す光線追跡図である。
【図19】本発明の透過型スクリーンの、画像観視側か
ら見て画面中心から水平右方向に前記の相対距離が0.
4の位置における、赤色、緑色、青色の主光線の軌跡を
示す光線追跡図である。
【図20】本発明による透過型スクリーンを備えた背面
投写型画像ディスプレイ装置の一実施例の外観を概略的
に示した正面図である。
【図21】図20に示す背面投写型画像ディスプレイ装
置の外観を概略的に示した側面図である。
【図22】図20に示す背面投写型画像ディスプレイ装
置内における光学系に関連する部品の位置関係を、側面
から見て概略的に示した断面図である。
【図23】背面投写型画像ディスプレイ装置における一
般的な光学系の配置を示す上面図である。
【図24】背面投写型画像ディスプレイ装置に用いられ
る従来の透過型スクリーンの要部を示す斜視図である。
【図25】図24に示すレンチキュラーレンズシート7
に、互いにほぼ平行な緑色光線から成る光束が入射した
場合の光束の軌跡を示す光線追跡図である。
【図26】図24に示すレンチキュラーレンズシート7
に、互いにほぼ平行な赤色光線から成る光束が入射した
場合の光束の軌跡を示す光線追跡図である。
【図27】図24に示す透過型スクリーンにおけるスク
リーン画面水平方向の光の指向特性を示す特性図であ
る。
【図28】縦長レンチキュラーレンズの横断面形状が、
光軸付近より周辺部の方が集光位置が遠くなるような形
状を成すような従来のレンチキュラーレンズシートに、
互いにほぼ平行な緑色光線から成る光束が入射した場合
の光束の軌跡を示す光線追跡図である。
【図29】縦長レンチキュラーレンズの横断面形状が、
光軸付近より周辺部の方が集光位置が遠くなるような形
状を成すような従来のレンチキュラーレンズシートに、
互いにほぼ平行な赤色光線から成る光束が入射した場合
の光束の軌跡を示す光線追跡図である。
【図30】縦長レンチキュラーレンズの横断面形状を定
義するための座標系を示す説明図である。
【符号の説明】
1…横長レンチキュラーレンズシート、2,5,10,
13…光入射面、3,6,14…光出射面、4,12…
フレネルレンズシート、7…レンチキュラーレンズシー
ト、8…光吸収帯、9…縦長レンチキュラーレンズ、1
0…光入射面、10a…光入射面を構成する縦長レンチ
キュラーレンズの、レンズ面上におけるその縦長レンチ
キュラーレンズの光軸と交わる点、10b,10c…光
入射面を構成する縦長レンチキュラーレンズのレンズ面
上における隣接する縦長レンチキュラーレンズとの境界
の近傍の点、16…緑色光線、17…赤色光線、18…
迷光、19…光拡散材層、20…青色投写管、21…緑
色投写管、22…赤色投写管、23…投写レンズ、24
…透過型スクリーン、25…青色の映像光の光軸、26
…緑色の映像光の光軸、27…赤色の映像光の光軸、3
1…背面投写型画像ディスプレイ装置、32…投写管、
33…投写レンズ、34…反射鏡、37…透過型スクリ
ーン、38…結合器、39…電気回路部、40…筐体、
46…CPT基板、47…キャスター、48…地板、4
9…金網部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−39944(JP,A) 特開 平5−300454(JP,A) 特開 平5−188476(JP,A) 特開 平3−33838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/62

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともフレネルレンズシートとレン
    チキュラーレンズシートで構成され、赤色、緑色、青色
    の画像を発生する投写管をこの順にインライン状に配置
    して成る映像発生源より入射する映像光を透過して、映
    像観視側に出射する透過型スクリーンであって、 前記レンチキュラーレンズシートの光入射面と光出射面
    の、それぞれの、スクリーン画面水平方向に沿った断面
    形状が、該レンチキュラーレンズの光軸上の位置を基準
    位置として、そこから前記水平方向に沿った距離xの関
    数Z(x)で表される曲線形状とし、かつZ(x)は、
    下記の〔数2〕式で定義され、 (a)該〔数2〕式において、光入射面の円錐定数(C
    C)の絶対値が0.8以上1.0以下、光出射面の円錐
    定数(CC)の絶対値が0.45以上0.85以下、 (b)前記レンチキュラーレンズシートの厚みをt(単
    位はmm)、屈折率をNとしたとき、t×Nが1.3以
    上1.4以下とし、 前記映像発生源を構成する赤色投写管と青色投写管から
    出射される各光束が、前記レンチキュラーレンズシート
    を透過してその光出射面から出射する際、該レンチキュ
    ラーレンズの光軸に対する一方の側において当該出射面
    から赤色光が、他方の側において当該出射面から青色光
    が、それぞれ分離して出射するようにレンチキュラーレ
    ンズの面形状を形成したことを特徴とする透過型スクリ
    ーン。 Z(x)=[(x 2 /RD)/〔1+{1−(1+C
    C)・x 2 /RD 2 1/2 〕]+AD・x 4 +AEx 6
    +AF・x 8 +AG・x 10 … 〔数2〕 但し、x:レンチキュラーレンズの光軸方向をZ軸、Z
    軸に垂直なレンチキュラーレンズの半径方向をX軸とす
    るとき、Z軸上の基準点からのX軸に沿った半径方向の
    距離、RD:曲率半径、CC:円錐定数、AD,AE,
    AF,AG:非球面係数。
  2. 【請求項2】 少なくともフレネルレンズシートとレン
    チキュラーレンズシートで構成され、赤色、緑色、青色
    の画像を発生する投写管をこの順にインライ ン状に配置
    して成る映像発生源より入射する映像光を透過して、映
    像観視側に出射する透過型スクリーンであって、 前記映像発生源を構成する赤色投写管と青色投写管から
    出射される各光束が、前記レンチキュラーレンズシート
    を透過してその光出射面から出射する際、該レンチキュ
    ラーレンズの光軸に対する一方の側において当該出射面
    から赤色光が、他方の側において当該出射面から青色光
    が、それぞれ分離して出射するようにレンチキュラーレ
    ンズの面形状を形成すると共に、前記光出射面のレンズ
    幅を下記の〔数3〕式で与えられる距離hに対して、
    2.2h〜2.8hの幅に形成したことを特徴とする透
    過型スクリーン。 h=t・tan{arcsin(sinθ/N)} …
    〔数3〕 但し、t:レンチキュラーレンズシートの厚さ、θ:光
    線集中角、N:レンチキュラーレンズシートを構成する
    基材の屈折率
  3. 【請求項3】 少なくともフレネルレンズシートとレン
    チキュラーレンズシートで構成され、赤色、緑色、青色
    の画像を発生する投写管をこの順にインライン状に配置
    して成る映像発生源より入射する映像光を透過して、映
    像観視側に出射する透過型スクリーンであって、 前記レンチキュラーレンズシートの光入射面と光出射面
    の、それぞれの、スクリーン画面水平方向に沿った断面
    形状が、該レンチキュラーレンズの光軸上の位置を基準
    位置として、そこから前記水平方向に沿った距離xの関
    数Z(x)で表される曲線形状とし、かつZ(x)は、
    下記の〔数2〕式で定義され、 (a)該〔数2〕式において、光入射面の円錐定数(C
    C)の絶対値が0.8以上1.0以下、光出射面の円錐
    定数(CC)の絶対値が0.45以上0.85以下、 (b)前記レンチキュラーレンズシートの厚みをt(単
    位はmm)、屈折率をNとしたとき、t×Nが1.3以
    上1.4以下とし、 前記映像発生源を構成する赤色投写管と青色投写管から
    出射される各光束が、前記レンチキュラーレンズシート
    を透過してその光出射面から出射する際、該レンチキュ
    ラーレンズの光軸に対する一方の側において当該出射面
    から赤色光が、 他方の側において当該出射面から青色光
    が、それぞれ分離して出射するようにレンチキュラーレ
    ンズの面形状を形成すると共に、前記光出射面のレンズ
    幅を下記の〔数3〕式で与えられる距離hに対して、
    2.2h〜2.8hの幅に形成したことを特徴とする透
    過型スクリーン。 Z(x)=[(x 2 /RD)/〔1+{1−(1+C
    C)・x 2 /RD 2 1/2 〕]+AD・x 4 +AEx 6
    +AF・x 8 +AG・x 10 … 〔数2〕 但し、x:レンチキュラーレンズの光軸方向をZ軸、Z
    軸に垂直なレンチキュラーレンズの半径方向をX軸とす
    るとき、Z軸上の基準点からのX軸に沿った半径方向の
    距離、RD:曲率半径、CC:円錐定数、AD,AE,
    AF,AG:非球面係数 h=t・tan{arcsin(sinθ/N)} …
    〔数3〕 但し、t:レンチキュラーレンズシートの厚さ、θ:光
    線集中角、N:レンチキュラーレンズシートを構成する
    基材の屈折率。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の透過型スク
    リーンを備えたことを特徴とする背面投写型画像ディス
    プレイ装置。
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