JP3085462B2 - 透過形スクリーン - Google Patents

透過形スクリーン

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JP3085462B2
JP3085462B2 JP01251577A JP25157789A JP3085462B2 JP 3085462 B2 JP3085462 B2 JP 3085462B2 JP 01251577 A JP01251577 A JP 01251577A JP 25157789 A JP25157789 A JP 25157789A JP 3085462 B2 JP3085462 B2 JP 3085462B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、投写形TVなどに使用される透過形スクリー
ンに関し、特に、全反射を利用して比較的広い範囲に光
拡散をする全反射レンチキュラーレンズを有する透過形
スクリーンに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、この種の透過形スクリーンとして、水平方向の
光拡散性能を向上させるために、出射側に全反射を利用
したレンチキュラーレンズをもつものが知られている。
第5図は、透過形スクリーンの従来例を示した図、第
6図は、同従来例スクリーンに光線の軌跡を付して示し
た図、第7図は、同従来例スクリーンの輝度特性を示し
た図である。
透過形スクリーン2は、出射レンズ面21に、垂直方向
に走行線(円柱状レンズの軸)をもつ円柱状レンチキュ
ラーレンズ22と、その円柱状レンチキュラーレンズ22の
頂点付近に全反射レンチキュラーレンズ23が形成された
形態のレンズ単位が、平行に多数本配置されている。
この全反射レンチキュラーレンズ23は、側面が出射側
に向かって細くなるように傾斜して突出しており、その
内面で入射レンズ面24から入射された光源光を全反射す
ることにより、円柱状レンチキュラーレンズ22よりも、
広い角度に光を拡散させることができる。
なお、透過形スクリーン2の光源側に、光源光を平行
にするフレネルレンズを一体または別体に設けることも
できる。
この透過形スクリーン2には、R(赤色),G(緑
色),B(青色)の3つの投影管31,32,33が、この順に水
平方向に配置された3管式プロジェクタ3を用いて光源
光が投写されることが多い。
〔発明が解決しようとうする課題〕
このような3管式プロジェクタ3では、各投影管31,3
2,33からの投写角度が、θ=約6度〜10度異なるので、
それぞれの投影管31,32,33に対して全反射レンチキュラ
ーレンズ23点対称に構成することができないので、それ
単独では色むらが生じてしまう。
第6図に示した光線のうち、破線は中心に配置される
緑色の投影管32からの0度の光線、一点鎖線は右側に配
置される赤色の投影管31からの投影角度θ(この例では
8度)の光線、二点鎖線は左側に配置される青色の投影
管からの投影角度−θの光線を示している。
このような透過形スクリーン2で色むらが生ずる原因
は、全反射レンチキュラーレンズ23で反射した各色の投
影管から投影された光線が、出光部23aのふもと付近で
平行(第6図のAで示した部分)に出射されて強い光に
感じられるとともに、円柱状レンチキュラーレンズ22か
ら出射される光(第6図のCで示した部分)と色の配列
が逆になる、つまり、Gを中心にRとBの位置が逆転す
る、いわゆる「光のよじれ」が生じているからである。
また、透過形スクリーン2の全反射レンチキュラーレ
ンズ23の単独の輝度特性は、第7図に示すように、中心
に配置された緑色の投影管32からの光源光Gが入射した
ときに、0度軸に対して対称にその0度以外の角度に輝
度(またはゲイン)極大値をもっている。この極大値
は、入射角度の変位に対応してシフトするため、色むら
が発明してしまう。なお、全反射レンチキュラーレンズ
を有しない通常の円柱状レンチキュラーレンズのみの透
過形スクリーンの場合には、輝度特性が単一の極大値を
もつので、もともとカラーバランスは悪くない。
つまり、上述した従来の全反射レンチキュラーレンズ
23を有する透過形スクリーン2では、光源に対する点対
称性が損なわれるため、カラーバランスが悪く、色むら
が発生しやすいという問題点があった。
例えば、特表昭60−501278号「透明な後方投影スクリ
ーン」においては、反射レンズの頂部と側面から光が放
出するように成したスクリーンが記載されているが、こ
のスクリーンの反射レンズは、第6図に示す全反射レン
チキュラーレンズと同じ構成をもっており、前述した色
むらが発生するという問題点を十分に解決したものでは
なかった。
また、そのカラーシフトによるカラーバランスの劣化
を低減するためにレンチキュラーレンズシートの内部に
拡散剤を混入することも考えられるが、拡散剤を多く用
いるとコントラストが低下するうえ、水平拡散の特性を
自由に選べないという問題があった。
本発明の目的は、全反射レンチキュラーレンズを有す
るスクリーンに、多管式光源を用いて投写した場合で
も、カラーシフトによるカラーバランスの劣化の少ない
透過形スクリーンを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
前記課題を解決するために、請求項(1)の発明は、
投写角度が異なる多管式光源から光源光が投写され、出
射レンズ面に、円柱状レンチキュラーレンズと該円柱状
レンチキュラーレンズの頂点付近に形成された全反射レ
ンチキュラーレンズとから構成されるレンチキュラーレ
ンズを含み、そのレンチキュラーレンズのみの場合の輝
度特性が、前記多管式光源の中心に配置された光源から
の光源光が入射した際に、入射の中心軸に対して略対称
であってその中心軸以外の角度に輝度あるいはゲインの
極大値かつ最大値をもつような透過形スクリーンにおい
て、入射光に屈折角度分布をもたらせるマイクロレンチ
キュラーレンズを入射レンズ面に多数配置したことを特
徴とする透過形スクリーンである。
請求項(2)の発明では、前記マイクロレンチキュラ
ーレンズは、そのピッチが前記全反射レンチキュラーレ
ンズの頂上の幅よりも小さくなるように設定されている
ことを特徴とする請求項(1)に記載の透過形スクリー
ンを提供する。
請求項(3)の発明では、前記マイクロレンチキュラ
ーレンズは、そのマイクロレンチキュラーレンズにより
生ずる屈折角度分布における輝度特性曲線が急激に減少
する角度が、前記多管式光源の各光源の入射角度差に等
しくなるように設定されていることを特徴とする請求項
(1)又は請求項(2)に記載の透過形スクリーンを提
供する。
請求項(4)の発明では、前記全反射レンチキュラー
レンズは、カラーシフト以上の角度に極大値を2つ持つ
ように設定されていることを特徴とする請求項(1)か
ら請求項(3)のいずれか1項に記載の透過形スクリー
ンを提供する。
〔実施例〕
以下、図面等を参照して、実施例につき、本発明を詳
細に説明する。
第1図は、本発明による透過形スクリーンの実施例を
模式的に示した斜視図、第2図は、同実施例スクリーン
のレンズ単位を抜き出して示した図、第3図は、同実施
例スクリーンに光線の軌跡を付して示した図、第4図
は、同実施例スクリーンの輝度特性を示した図である。
透過形スクリーン1は、出射レンズ面11に、垂直方向
に走行線をもつ円柱状レンチキュラーレンズ12と、その
円柱状レンチキュラーレンズ12の頂点付近に全反射レン
チキュラーレンズ13が形成された形態のレンズ単位が、
平行に多数本配置されている。全反射レンチキュラーレ
ンズ13は、側面が出射側に向かって細くなるように傾斜
して突出しており、その内面で入射レンズ面14から入射
された光源光を全反射して、出光部13aから出射する。
入射レンズ面14には、マイクロレンチキュラーレンズ
15が形成されている。このマイクロレンチキュラーレン
ズ15は、入射光に屈折角度分布をもたせるために設けら
れている。
マイクロレンチキュラーレンズ15は、そのマイクロレ
ンチキュラーレンズ15により生ずる屈折角度分布におけ
る輝度特性曲線が、急激に減少する(カットオフとな
る)角度が、多管式投影管の各投影管の入射角度差θに
等しくなるようにしてある。
つまり、第7図で示した従来の透過形スクリーン2の
輝度特性のように、2つあった極大値を予めシフトさせ
て、もとの特性に対して相補的に加えるようにすれば、
第4図に示すように、0度付近でまた非常に平坦な特性
を得ることができる。
また、そのシフトの角度を3管式プロジェクタの入射
角度に対応させ、かつ、出射レンズ面11に設けられた全
反射レンチキュラーレンズ13の全反射を利用した特性
が、カラーシフト以上の角度に極大値を2つ持つように
設定すれば平坦な特性を得ることができる。
そこで、本発明の透過形スクリーン1では、入射レン
ズ面14に対して、出射レンズ面11の特性に影響を与える
形状の周期よりも十分小さい周期、つまり、曲率半径と
ピッチとをもつマイクロレンチキュラーレンズ15を設け
ることにより、予め入射光の角度をシフトした成分を重
畳させている。この結果、上述したような2つの極大値
は相殺される。
このようすは、第3図に示した光線の軌跡から観察す
ることができる。第3図で示した各線(破線,1点鎖線,2
点鎖線)は、第6図で示したのと同様である。第6図で
Aで示した部分のような平行光は、広い範囲に分散され
ている(第3図のAで示した部分)。また、「光のよじ
れ」も観察されない。
また、カラーシフトの角度のついた入射光に対して
も、その2つのピークを相殺することができて、結果と
してカラーバランスのよい全反射レンチキュラーレンズ
13が実現できる。これは、第4図からわかるように、ピ
ーク同士が相殺されて、非常に平坦な特性が得られ、ま
た、その結果として、カラーバランスが大幅に改善され
たことがわかる。
また、水平半値角αHは、従来の透過形スクリーン2
が±27.77度であるのに対して(第7図参照)、本発明
の透過形スクリーン1は、±30.85度となり(第4図参
照)、水平拡散が向上したことがわかる。
このようにして得られた透過形スクリーン1は、従来
の透過形スクリーン3よりも色むらが少なく良好な画像
を得ることができる。したがって、投写形TVなどによっ
て投影された光線を観察者に高品位の画像として提供す
ることができる。
つぎに、製造例を挙げて、本発明をさらに具体的に説
明する。
第2図に示すように、出射レンズ面11の円柱状レンチ
キュラーレンズ12の出光部のピッチはp1=0.8mmであっ
て、全反射レンチキュラーレンズ13の先端から円柱状レ
ンチキュラーレンズ12のふもとまでの厚さがh2=0.5mm
にしてある。
また、円柱状レンチキュラーレンズ12の出光部のベー
スは、横径がR1=0.5mmであり、縦径がR2=0.15mmにし
てある。
全反射レンチキュラーレンズ13の高さがh1=0.24mm
で、ふもとの幅がw2=0.25mmで、頂上の幅がw1=0.1mm
にしてある。全反射レンチキュラーレンズ13の先端は滑
らかにつながるように設定してある。
一方、入射レンズ面14に設けられたマイクロレンチキ
ュラーレンズ15のピッチはp2=0.05mmで、その半径がr2
=0.065mmとなるようにしてある。
以上のようなレンズ形状に対応する成形型を作製し、
アクリルのベース板にUV(紫外線)硬化樹脂を塗布し
て、その成形型をニップしながらそのベース板の両面に
レンズ形状を成形して、上述のような形状の透過形スク
リーン1を得た。
得られた透過形スクリーン1に、3管式プロジェクタ
を用いて画像を投写した結果、水平視野角が広く、か
つ、色むらが少ない画像を観察することができた。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変
形ができる。
例えば、全反射レンチキュラーレンズが円錐状に突出
しているような場合には、マイクロレンチキュラーレン
ズをそれに対応させて、ハエの目レンズのようにすれば
よい。
また、出射レンズ面の形状として、全反射レンチキュ
ラーレンズが円柱状レンチキュラーレンズの両端に角の
ように設けられている場合にも、本発明を適用すること
ができる。
〔発明の効果〕
以上詳しく説明したように、本発明によれば、各光源
からの投写角度の異なる多管式投影光源から全反射レン
チキュラーレンズを有するスクリーン画像を投影した場
合であっても、カラーバランスの劣化が少なく、広い水
平拡散特性をもち、かつ、正面方向からの水平拡散特性
が比較的平坦になる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による透過形スクリーンの実施例を模
式的に示した斜視図、第2図は、同実施例スクリーンの
レンズ単位を抜き出して示した図、第3図は、同実施例
スクリーンに光線の軌跡を付して示した図、第4図は、
同実施例スクリーンの輝度特性を示した図である。 第5図は、透過形スクリーンの従来例を示した図、第6
図は、同従来例スクリーンに光線の軌跡を付して示した
図、第7図は、同従来例スクリーンの輝度特性を示した
図である。 1,2……透過形スクリーン 11,21……出射レンズ面 12,22……円柱状レンチキュラーレンズ 13,23……全反射レンチキュラーレンズ 14,24……入射レンズ面 15……マイクロレンチキュラーレンズ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−84532(JP,A) 特開 昭63−165838(JP,A) 特開 昭59−60431(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投写角度が異なる多管式光源から光源光が
    投与され、 出射レンズ面に、円柱状レンチキュラーレンズと該円柱
    状レンチキュラーレンズの頂点付近に形成された全反射
    レンチキュラーレンズとから構成されるレンチキュラー
    レンズを含み、 そのレンチキュラーレンズのみの場合の輝度特性が、前
    記多管式光源の中心に配置された光源からの光源光が入
    射した際に、入射の中心軸に対して略対称であってその
    中心軸以外の角度に輝度あるいはゲインの極大値かつ最
    大値をもつような透過形スクリーンにおいて、 入射光に屈折角度分布をもたらせるマイクロレンチキュ
    ラーレンズを入射レンズ面に多数配置したこと を特徴とする透過形スクリーン。
  2. 【請求項2】前記マイクロレンチキュラーレンズは、そ
    のピッチが前記全反射レンチキュラーレンズの頂上の幅
    よりも小さくなるように設定されていることを特徴とす
    る請求項(1)に記載の透過形スクリーン。
  3. 【請求項3】前記マイクロレンチキュラーレンズは、そ
    のマイクロレンチキュラーレンズにより生ずる屈折角度
    分布における輝度特性曲線が急激に減少する角度が、前
    記多管式光源の各光源の入射角度差に等しくなるように
    設定されていることを特徴とする請求項(1)又は請求
    項(2)に記載の透過形スクリーン。
  4. 【請求項4】前記全反射レンチキュラーレンズは、カラ
    ーシフト以上の角度に極大値を2つ持つように設定され
    ていることを特徴とする請求項(1)から請求項(3)
    のいずれか1項に記載の透過形スクリーン。
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