JP3093037U - パラペット用手摺の手摺取付金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラペット用手摺を簡単に組立・分解ができ
るようにした手摺取付金具に関し、手摺柱とパラペット
に取り付ける手摺取付金具を別体としてその組立・分解
のための取り扱いを容易とし、パラペットの厚みが変わ
ったときにおける手摺取付金具の調節の煩わしさを取り
除く。 【解決手段】 内方手摺取付金具２の水平部材2aと外方
手摺取付金具３の水平部材3aの断面形状をほぼ同一形状
として重ね合わせ、内方手摺取付金具２の水平部材2aと
外方手摺取付金具３の水平部材3aの重ね合わせ位置を変
更可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建築現場の建物屋上のパラペットなどに取り付けるパラペット用手 摺を、簡単に組立・分解ができるようにした手摺取付金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

【特許文献１】実用新案登録第３０８３４９３号公報

【特許文献２】実公平４−４６０２５号公報

【０００３】 建築現場の建物屋上のパラペットに取り付けるパラペット用手摺は、実用新案 登録第３０８３４９３号公報に示されるように、手摺柱とパラペットに取り付け る金具が一体となり、その手摺柱に手摺パイプや鎖を取り付けるようにしたもの が知られている。

【０００４】 そのパラペット用手摺は、パイプを素材として構成された水平部と、水平部の 内方端部から上方に設けた垂直部と、水平部の外方端部から下方に設けた略半円 状部からなる手摺柱と、手摺柱の水平部の内方から下方に内方脚を設け、内方脚 の位置はその挟持金具が水平部を挟む位置を変えて調節自在とし、内方脚からネ ジ棒を回すことにより進退する内方圧着板を設け、手摺柱の垂直部には上端近傍 のチェンリングに鎖を取り付け、上方のクランプに手摺パイプを取り付けている 。

【０００５】 また、実公平４−４６０２５号公報に示されるように、建築物の床壁端部の上 向き縁を挟持する下開きコの字形の取付金具と、取付金具に仮設パイプを着脱自 在に挟持する仮設パイプの取付装置も知られている。

【０００６】 この取付金具は、断面Ｌ字形のアングル材により一体に形成され、取付金具の 内方側に締付けボルト、外方側に仮設パイプを取り付けるクランプを固定してい る。なお、仮設パイプに横パイプをクランプにより支持し、横パイプ及び仮設パ イプに防護ネットあるいは防護布を取り付けている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の特許文献１のものでは、手摺柱とパラペットに取り付ける金具が一 体であり嵩が大きく、しかもパイプを素材としているため重く、その組立・分解 のための取り扱いに苦労していた。

【０００８】 また、パラペットの厚みが変わったときに調整する、略半円状部の外方圧着板 と内方脚の間隔を変えるための挟持金具が、水平部を挟むボルトが４本と多く、 挟持金具が挟んでいるのが水平部の丸パイプであり、ボルトを緩めると内方脚が 回ってしまい、間隔の調節が煩わしかった。

【０００９】 また、パラペットの厚みが薄いと手摺パイプがパラペットよりかなり内方に位 置し、手摺柱や手摺パイプが邪魔になり屋上の隅々までの作業がやりずらい。

【００１０】 特許文献２のものでは、取付金具が下開きコの字形に一体に形成され、床壁端 部の上向き縁の巾が変わると締付けボルトだけでは取り付けられない。また、仮 設パイプが床壁端部の上向き縁より外方に位置し、手摺となるべき横パイプが取 付金具より外方に位置し作業者が取付金具につまづく恐れがある。

【００１１】 そこで本考案は、手摺柱とパラペットに取り付ける手摺取付金具を別体として その組立・分解のための取り扱いを容易とし、パラペットの厚みが変わったとき における手摺取付金具の調節の煩わしさを取り除き、かつ常に手摺がパラペット の適切な位置となり作業に支障をきたすことがない、パラペット用手摺の手摺取 付金具を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案のパラペット用手摺の手摺取付金具は、下向きに開口した略コ の字状の手摺取付金具１をパラペット20に取り付け、手摺取付金具１に手摺10， 30，40を取り付けるようにしたパラペット用手摺において、手摺取付金具１はパ ラペット20の内方面21に位置し側面視が略Ｌの字状の内方手摺取付金具２と、パ ラペット20の外方面22に位置し側面視が略Ｌの字状の外方手摺取付金具３とを設 け、内方手摺取付金具２の水平部材2aと外方手摺取付金具３の水平部材3aの断面 形状をほぼ同一形状として重ね合わせ、内方手摺取付金具２の水平部材2aと外方 手摺取付金具３の水平部材3aの重ね合わせ位置を変更可能として内方手摺取付金 具２の垂直部材2bと外方手摺取付金具３の垂直部材3bの内方間隔を調節自在とし たものである。

【００１３】 請求項２の考案のパラペット20用手摺の手摺取付金具１は、内方手摺取付金具 ２の垂直部材2bには圧着ネジ4bを回すことにより進退しパラペット20の内方面21 に圧着する圧着部材４を設け、内方手摺取付金具２の水平部材2aから上方に手摺 受金具2cを設け、手摺受金具2cに手摺10，30，40の手摺柱11，31，41を差し込ん で取り付けるものである。

【００１４】

【考案の実施の形態】

請求項１の考案では、下向きに開口した略コの字状の手摺取付金具１をパラペ ット20に取り付け、手摺取付金具１に手摺10，30，40を取り付けるようにしたか ら、手摺10，30，40と手摺取付金具１は別体となる。

【００１５】 また、手摺取付金具１はパラペット20の内方面21に位置し側面視が略Ｌの字状 の内方手摺取付金具２と、パラペット20の外方面22に位置し側面視が略Ｌの字状 の外方手摺取付金具３とを設け、内方手摺取付金具２の水平部材2aと外方手摺取 付金具３の水平部材3aの断面形状をほぼ同一形状として重ね合わせ、内方手摺取 付金具２の水平部材2aと外方手摺取付金具３の水平部材3aの重ね合わせ位置を変 更可能として内方手摺取付金具２の垂直部材2bと外方手摺取付金具３の垂直部材 3bの内方間隔を調節自在としたから、内方間隔を調節するとき内方手摺取付金具 ２の水平部材2aと外方手摺取付金具３の水平部材3aはパラペット20の厚み方向に のみ互いに相手に沿って移動する。

【００１６】 請求項２の考案では、内方手摺取付金具２の垂直部材2bには圧着ネジ4bを回す ことにより進退しパラペット20の内方面21に圧着する圧着部材４を設けたから、 外方手摺取付金具３の垂直部材3bと圧着部材４でパラペット20を挟んで手摺取付 金具１を固定できる。

【００１７】 また、内方手摺取付金具２の水平部材2aから上方に手摺受金具2cを設け、手摺 受金具2cに手摺10，30，40の手摺柱11，31，41を差し込んで取り付けるから、手 摺10，30，40は外方手摺取付金具３の位置とは無関係にほぼパラペット20の内方 面21上方に位置する。

【００１８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

【００１９】 図１に示すのは、枠組足場の手摺柱11及び上部手摺12と中間手摺13を使用した 手摺10を手摺取付金具１に取り付けた例を示すもので、手摺取付金具１は建物屋 上のパラペット20の内方面21と外方面22を挟んで上部手摺12と中間手摺13のピッ チ毎に取り付けられ、手摺10はパラペット20の内方面21上方に位置する。

【００２０】 手摺取付金具１はその側面視で下向きに開口した略コの字状を成し、その開口 をパラペット20に被せて取り付ける。手摺取付金具１には、パラペット20の内方 面21に位置し側面視が略Ｌの字状の内方手摺取付金具２と、パラペット20の外方 面22に位置し側面視が略Ｌの字状の外方手摺取付金具３とを設ける。

【００２１】 略Ｌの字状の内方手摺取付金具２には、パラペット20の上方に水平に位置する 水平部材2aと、パラペット20の内方面21に垂直に位置する垂直部材2bを設ける。 また、略Ｌの字状の外方手摺取付金具３には、パラペット20の上方に水平に位置 する水平部材3aと、パラペット20の外方面22に垂直に位置する垂直部材3bを設け る。

【００２２】 これら内方手摺取付金具２の水平部材2aと垂直部材2b、及び外方手摺取付金具 ３の水平部材3aと垂直部材3bは鋼板を成形したもので、ともに断面形状を略Ｗの 字状のほぼ同一形状とし、２個の山の頂部を外側としている。

【００２３】 この断面形状をほぼ同一形状とした、内方手摺取付金具２の水平部材2aを上と して外方手摺取付金具３の水平部材3aに重ね合わせる。内方手摺取付金具２の水 平部材2aにはパラペット20の厚み方向の長孔2eを設け、外方手摺取付金具３の水 平部材3aの下面にナット3cを溶着固定し、上方から一本のボルト５を長孔2eとナ ット3cに通し、パラペット20の厚みに合わせた位置でボルト５を締め付けて内方 手摺取付金具２と外方手摺取付金具３を固定する。

【００２４】 パラペット20の厚みが変わったときに、内方手摺取付金具２の垂直部材2bと外 方手摺取付金具３の垂直部材3bの内方間隔を調節するには、ボルト５を緩める。

【００２５】 このとき、内方手摺取付金具２の水平部材2aと外方手摺取付金具３の水平部材 3aはその断面形状により、パラペット20の厚み方向にのみ互いに相手に沿って移 動し、重ね合わせ位置を変更可能としている。また、内方手摺取付金具２の水平 部材2aと外方手摺取付金具３の水平部材3aを重ね合わせているから、移動方向に 直交する方向にも回ってしまうことは無い。なお、長孔2eによりその移動距離は 制限され、内方手摺取付金具２と外方手摺取付金具３が離れることは無い。

【００２６】 内方手摺取付金具２の垂直部材2bの外方にナット2dを溶着固定し、ナット2dを 通る圧着部材４を設ける。圧着部材４には、ナット2dにねじ込まれた圧着ネジ4b と、圧着ネジ4bの頭部に固定された垂直部材2bの外方のハンドル4aと、圧着ネジ 4bの反対側端に自由に回転するよう固定され垂直部材2bの内方の圧着板4cを設け る。

【００２７】 圧着板4cは鋼製円盤の内方面にゴムのような弾性体を貼り付けたもので、外方 手摺取付金具３の垂直部材3bの内方面にはゴムのような弾性体である圧着体3dを 貼り付け、パラペット20にはこの弾性体の圧着板4cと圧着体3dが圧着して傷付け ないようにする。

【００２８】 圧着部材４は、ハンドル4aで圧着ネジ4bを回すことにより進退し、締め付ける と圧着板4cがパラペット20の内方面21に、それに連なる垂直部材3bの圧着体3dが パラペット20の外方面22に圧着して固定され、緩めるとパラペット20から離れる 。

【００２９】 内方手摺取付金具２の水平部材2aの垂直部材2b寄りから上方に手摺受金具2cを 設ける。

【００３０】 手摺受金具2cは垂直方向の短い鋼管で、水平部材2aに溶着固定され、手摺受金 具2cに手摺10の手摺柱11を差し込んで取り付ける。手摺受金具2cと手摺柱11の下 端部には水平方向の孔を設け、接続ピンを差し込んで手摺10が手摺取付金具１か ら離れないようにする。

【００３１】 手摺10は枠組足場に用いるものを利用したもので、鋼管で形成された垂直方向 の手摺柱11と、手摺柱11の上端部をつなぐ上部手摺12と中間部をつなぐ中間手摺 13を組立・分解が可能なように連続させている。手摺10は、圧着部材４の締め付 け位置により多少異なるが、パラペット20の厚みによる外方手摺取付金具３の位 置とは無関係に、ほぼパラペット20の内方面21上方に位置する。

【００３２】 次に図８及び図９に、枠組足場の手摺柱11及び上部手摺12と中間手摺13を使用 した手摺10以外の手摺30，40を取り付けた場合を説明する。

【００３３】 図８に示す手摺30は、アルミ管で一体に形成されたもので、手摺受金具2cに差 し込まれ左右一対の手摺柱31と手摺柱31の上端部をつなぐ上部手摺32が倒立Ｕの 字状にアルミ管を曲げて形成され、手摺柱31の中間部をつなぐ中間手摺33が溶着 固定されている。手摺30が一個に手摺取付金具１が二個必要で、手摺30を連続的 に取り付けるには隣り合う手摺30の手摺取付金具１を接近させる必要がある。

【００３４】 次に図９に示す手摺40は、単管パイプを使用したもので、手摺受金具2cに差し 込まれ鋼管で形成された垂直方向の手摺柱41と、手摺柱41の上端部をつなぐ上部 手摺管42と中間部をつなぐ中間手摺管43を、クランプ44により組立・分解が可能 なように連続させている。

【００３５】 以上の実施例では、内方手摺取付金具２の水平部材2aと外方手摺取付金具３の 水平部材3aの断面形状を略Ｗの字状のほぼ同一形状とした例を示したが、コの字 状やＬの字状などの形状としても良い。

【００３６】 また、内方手摺取付金具２の水平部材2aの長孔2eと外方手摺取付金具３の水平 部材3aのナット3cを通るボルト５で固定する例を示したが、内方手摺取付金具２ の水平部材2aと外方手摺取付金具３の水平部材2aの重ね合わせ位置を変更可能に 固定するものであれば良く、片方に複数の孔を、もう片方に一個の孔を開け、そ の孔にピンを通して固定するようにしても良い。

【００３７】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、下向きに開口した略コの字状の手摺取付金具をパラ ペットに取り付け、手摺取付金具に手摺を取り付けるようにし、手摺と手摺取付 金具は別体となるから、その組立・分解のための取り扱いが容易となり、種々の 手摺が取り付けられる。

【００３８】 また、手摺取付金具はパラペットの内方面に位置し側面視が略Ｌの字状の内方 手摺取付金具と、パラペットの外方面に位置し側面視が略Ｌの字状の外方手摺取 付金具とを設け、内方手摺取付金具の水平部材と外方手摺取付金具の水平部材の 断面形状をほぼ同一形状として重ね合わせ、内方手摺取付金具の水平部材と外方 手摺取付金具の水平部材の重ね合わせ位置を変更可能として内方手摺取付金具の 垂直部材と外方手摺取付金具の垂直部材の内方間隔を調節自在とし、内方間隔を 調節するとき内方手摺取付金具の水平部材と外方手摺取付金具の水平部材はパラ ペットの厚み方向にのみ互いに相手に沿って移動するから、固定手段も簡易とな り、パラペットの厚みが変わったときにおける手摺取付金具の調節の煩わしさを 解消する。

【００３９】 請求項２の考案によれば、内方手摺取付金具の垂直部材には圧着ネジを回すこ とにより進退しパラペットの内方面に圧着する圧着部材を設け、外方手摺取付金 具の垂直部材と圧着部材でパラペットを挟んで手摺取付金具を固定できるから、 手摺取付金具をパラペットに確実に簡単に固定できる。

【００４０】 また、内方手摺取付金具の水平部材から上方に手摺受金具を設け、手摺受金具 に手摺の手摺柱を差し込んで取り付け、手摺は外方手摺取付金具の位置とは無関 係にほぼパラペットの内方面上方に位置するから、作業者が手摺取付金具につま づくことや作業に支障をきたすことが無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】 パラペット用手摺の手摺取付金具の一実施例
を示す側面図である。

【図２】 その正面図である。

【図３】 図１の部分拡大図である。

【図４】 図２の部分拡大図である。

【図５】 図３の平面図である。

【図６】 図３のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図７】 図４のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図８】 別な手摺の実施例を示す正面図である。

【図９】 更に別な手摺の実施例を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 手摺取付金具 ２ 内方手摺取付金具 2a 水平部材 2b 垂直部材 2c 手摺受金具 ３ 外方手摺取付金具 3a 水平部材 3b 垂直部材 ４ 圧着部材 4b 圧着ネジ 10 手摺 11 手摺柱 20 パラペット 21 内方面 22 外方面 30 手摺 31 手摺柱 40 手摺 41 手摺柱

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下向きに開口した略コの字状の手摺取付
   金具をパラペットに取り付け、手摺取付金具に手摺を取
   り付けるようにしたパラペット用手摺において、手摺取
   付金具はパラペットの内方面に位置し側面視が略Ｌの字
   状の内方手摺取付金具と、パラペットの外方面に位置し
   側面視が略Ｌの字状の外方手摺取付金具とを設け、内方
   手摺取付金具の水平部材と外方手摺取付金具の水平部材
   の断面形状をほぼ同一形状として重ね合わせ、内方手摺
   取付金具の水平部材と外方手摺取付金具の水平部材の重
   ね合わせ位置を変更可能として内方手摺取付金具の垂直
   部材と外方手摺取付金具の垂直部材の内方間隔を調節自
   在としたパラペット用手摺の手摺取付金具。
2. 【請求項２】 内方手摺取付金具の垂直部材には圧着ネ
   ジを回すことにより進退しパラペットの内方面に圧着す
   る圧着部材を設け、内方手摺取付金具の水平部材から上
   方に手摺受金具を設け、手摺受金具に手摺の手摺柱を差
   し込んで取り付ける請求項１記載のパラペット用手摺の
   手摺取付金具。