JP3092805U - ドア錠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】外シリンダとドアプレート側取付孔との隙間を
介して行う不正解錠を阻止すること、またドアとドア枠
との間から不正解錠部材を侵入させて行うサムターンの
操作による不正解錠を阻止することができるドア錠を提
供すること。 【解決手段】デッドボルトの出入を行う本締錠本体に対
して施錠開錠を行うための外シリンダを具備するドア錠
において、外シリンダの突出側をカバーすると共に、外
シリンダとドアプレート側取付孔との隙間を隠すための
シリンダカバーを設け、当該シリンダカバーは外シリン
ダとの螺合により装着すると共に、シリンダカバーを一
方向にのみ回転可能とする逆回転防止機構を装備してい
ること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この発明は、デッドボルトの出入を行う本締錠本体に対して施錠開錠を行うた めの内外両シリンダを具備するドア錠において、特に、ドア外側からの不正解錠 を防止するためのドア錠に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ドアに装着されるドア錠９１は、例えば、図１１に示すように、デッドボルト Ｂを出入するための本締錠Ａに装着されると共に、キーにより施錠・開錠操作を 行うシリンダが内外のドアプレートにそれぞれ取り付けられている。上記シリン ダは、外シリンダ９２ａと内シリンダ９２ｂとからなり、外シリンダ９２ａは、 キー９３により操作されるものであり、内シリンダ９２ｂは、キーを用いないで 施錠、開錠することができるようにサムターン９４が装着された構造のものが一 般的である。

【０００３】 また、外シリンダ９２ａには、外シリンダ９２ａとドアプレート側取付孔との 間に生ずる空間を塞ぐためのシリンダカバー９５が設けられており、シリンダカ バー９５にはドアプレート側へ密着させるためのバネ９５ａが内装されていて、 シリンダカバー９５がドアプレート側へばね付勢された構成となっている。 さらに、他の従来のドア錠９７としては、図１２に示すように、シリンダカバ ー９８の内側に、シリンダカバー９８を手前にスライドさせて生ずる隙間から工 具等の不正侵入を防止する保護部材９９が、外シリンダ９２ａに装着されたもの が開示されている（特許文献１中、図１参照）。

【０００４】

【特許文献１】 特開２００２−３８７７６号公報（図１）

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上記従来のドア錠９１では、シリンダカバー９５がドアプレー ト側へばね付勢されているだけなので、シリンダカバー９５を手前方向に簡単に スライドさせることができるため、外シリンダ９２ａとドアプレート側取付孔と の間に生じた隙間が露呈され、この隙間を通して不正解錠を行う工具等の侵入（ ピッキング）を防止することができなかった。

【０００６】 この問題に対処するため、上記特許文献１に開示されたようにシリンダカバー ９８の内側に保護部材９９を設けた構成のものが提供されているが、シリンダカ バー９８の移動量が大きい場合には、保護部材９９の外側を通過することができ るため、不正侵入を完全に阻止することができなかった。 また、外シリンダ９２ａとドアプレート側取付孔との隙間がさらに大きい場合 には、本締錠本体Ａが露呈してしまい、上記隙間を通して本締錠本体Ａを直接操 作してデッドボルトＢが不正に解錠されてしまうという問題点があった。

【０００７】 さらに、ドア内側のサムターン９４は、取り外しができないので常に解錠操作 可能になっており、ドア枠との隙間を介して外から侵入させた部材を用いて上記 サムターン９４を回転させることができることになり、不正に解錠される虞があ った。 そこで、この考案は、外シリンダとドアプレート側取付孔との隙間を介して行 う不正解錠を阻止することができ、またドアとドア枠との間から不正解錠部材を 侵入させて行うサムターンの操作による不正解錠を阻止することができるドア錠 を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び考案の効果】

上記目的を達成するため、この考案のドア錠は、デッドボルトの出入を行う本 締錠本体に対して施錠開錠を行うための外シリンダを具備するドア錠において、 外シリンダの突出側をカバーすると共に、外シリンダとドアプレート側取付孔と の隙間を隠すためのシリンダカバーを設け、当該シリンダカバーは外シリンダと の螺合により装着すると共に、シリンダカバーを一方向にのみ回転可能とする逆 回転防止機構を装備していることを特徴としている。

【０００９】 上記構成のドア錠では、シリンダカバーを回転させてドアプレート側へ密着さ せることにより、外シリンダとドアプレート側の取付孔との隙間を隠すことがで きると共に、シリンダカバーをドアプレート側へ密着するように回転させてしま えばその状態から逆回転ができなくなっている。このため、シリンダカバーを回 して戻すことができないので、外シリンダとドアプレート側の取付孔との隙間が 表れることがなく不正解錠される虞を解消することができる。

【００１０】 この考案の請求項２記載のドア錠は、外シリンダの突出側をカバーすると共に 、外シリンダとドアプレート側取付孔との隙間を隠すためのシリンダカバーを設 け、さらに外シリンダと外プレート側取付孔との隙間を覆うストッパーリングを 略円筒状部材にて形成し、略円筒状のドア側を外シリンダに螺合させると共に、 略円筒状の他端を外シリンダとシリンダカバーとの間に延設して、当該ストッパ ーリングを上記シリンダカバーの内側に位置するように設けたことを特徴として いる。

【００１１】 この構成のドア錠によれば、シリンダカバーをスライドさせてドアプレート側 取付孔を露出させようとしても、シリンダカバーの内側にストッパーリングを設 けているので、このストッパーリングが上記取付孔付近を覆っていて、取付孔が 露出することはない。また、ストッパーリングは、シリンダカバーの内側に延設 しているので、シリンダカバーを大きくスライドさせても上記取付孔付近が露出 する虞はない。したがって、この取付孔を通して行われる不正解錠を阻止するこ とができる。

【００１２】 またこの考案の請求項３記載のドア錠は、本締錠本体の一部を覆うための板状 部分を具備するストッパーを外シリンダ側若しくは内シリンダ側に装着している ことを特徴としている。 この構成のドア錠によれば、本締錠本体の一部を覆うための板状部分を具備す るストッパーを外シリンダ側若しくは内シリンダ側に装着しているので、本締錠 本体の一部に対して直接的に操作することによる不正解錠が行なわれるのを阻止 することができる。

【００１３】 さらに、この考案の請求項４記載のドア錠は、内シリンダの施錠開錠を行うキ ーを具備すると共に、当該キーを着脱自在とするためのサムターンを上記キーと 一体に設けたことを特徴としている。 この構成のドア錠によれば、内シリンダの施錠開錠操作が必要ない時には、キ ー付きのサムターンを内シリンダから取り外しておくことができるため、内シリ ンダを利用した不正解錠の虞が無くなる。したがって、ドア枠との隙間を通して 行われる不正解錠を阻止することができる。

【００１４】 また、このサムターンは、請求項５記載のように、略円筒状若しくは角柱状部 材の内側にキーを設けており、略円筒状部材には、当該サムターンを内シリンダ 側に一時係止するためのロック機構を具備する構成のものであっても良い。 この構成の場合には、内シリンダに差し込んだサムターンは一時係止状態とな っているので、ロック機構を解除しない限り外れることはなく脱落によるサムタ ーンの紛失等を防ぐことができる。

【００１５】

【考案の実施の形態】

次いで、この考案の実施の態様を図面を参照して説明する。図１はこの考案の 実施態様を示すドア錠の断面図である。 この考案に係るドア錠１は、ドアＤの外プレートｄに装着して外側から施錠開 錠の操作を行う外シリンダ１０と、ドアＤの内プレートｄに装着して内側から施 錠開錠操作を行う内シリンダ３０とから構成しており、ドアＤ内には、外シリン ダ１０と内シリンダ３０との間にドア枠方向に出入するデッドボルトを具備する 本締錠本体Ａが装着され、外シリンダ１０と内シリンダ３０と本締錠本体Ａの三 者が一体になってドアの錠前を構成している。

【００１６】 外シリンダ１０には、外プレートｄの外側において、シリンダカバー２０を設 けており、外シリンダ１０の突出側をカバーしていると共に、外シリンダ１０と 外プレートｄ側の取付孔との間に生ずる隙間もカバーするようになっている。 シリンダカバー２０は、その内面が外シリンダ１０の外周に形成された外ねじ と螺合する内ねじを形成しており、外シリンダ１０をドアＤに装着した後シリン ダカバー２０をねじ込んで、シリンダカバー２０の端面を外プレートｄ面に当接 させることにより、外プレートｄとの間に隙間ができないように取付けることが できるものであり、ドアＤの厚みが種々異なるものであっても適応性が優れたも のとなっている。

【００１７】 そして、このシリンダカバー２０には、図２および図３に示すように、内ネジ 部分に逆回転防止部材２１を設けている。逆回転防止部材２１は、板バネ状の部 材にて形成しており、一端を内ねじ内方へ露出した状態に装着して外シリンダ１ ０のねじ部に形成された溝部１１に係止可能に構成している。上記逆回転防止部 材２１は、シリンダカバー２０を締め付ける回転方向ｘにはフリーとなっていて 、シリンダカバー２０の締め付け方向の回転には支障がない構成としている。そ して、シリンダカバー２０をねじ込んで外プレートｄにその端面を当接させた後 は、シリンダカバー２０の逆回転を防止するものである。すなわち、シリンダカ バー２０内の逆転防止部材２１の端部が外シリンダ１０の溝部１１に係止され、 シリンダカバー２０の逆回転が不能となり、シリンダカバー２０を逆回転させて 外プレートｄとの間に隙間が生ずるのを防止することができる。

【００１８】 また、外シリンダ１０と外プレートｄ側の取付孔との間に生ずる隙間を塞ぐ構 成としては、図４にも示すようなストッパーリング２５を設けることができる。 このストッパーリング２５は、略円筒状の形態として筒状の一端を外シリンダ１ ０のねじ部に螺合可能に構成し、他端をシリンダカバー２０の内側に入り込んだ 状態に構成したものである。そして、ストッパーリング２５は、外シリンダ１０ に予め装着してあり、外シリンダ１０をドアに装着後は外シリンダ１０が外れな い限り取り外し不能となっているものである。なお、ねじ部と反対側の周縁はや や外方に湾曲した形状としており、シリンダカバー２０の内端部側から工具等を 侵入させても引っかかり難くしているものである。

【００１９】 したがって、このストッパーリング２５を装着しておくことによって、上記シ リンダカバー２０が無理矢理スライドされた場合であっても、外シリンダ１０と 外プレートｄ側取付孔との間に生ずる隙間を確実に塞いでおくことができ、上記 ストッパーリング２５の逆回転防止機構と合わせた二重構成によって不正解錠を 阻止することができるものである。 次に、内シリンダ３０には、内側から施錠開錠するためのサムターン４０を着 脱自在に設けている。サムターン４０は、図５および図６に示すように、略円筒 状のつまみ４１の内側にキー４２を一体に設けた形態のものであり、使用時はキ ー４２を内シリンダ３０に挿入して施錠・開錠を行うものである。そして、施錠 開錠操作が不要な時には、当該サムターン４０を内シリンダ３０から外して保管 しておくことができるものであり、円筒状の先端部に設けた磁石４３によって鉄 製ドアの内側等に付着させておいたり、円筒状部分に形成した貫通孔を介して吊 り下げるようにしてもよい。このようにサムターン４０を取り外しておくことに より、内シリンダ３０にはキー４２が常時付いていない状態にすることができ、 ドア枠との隙間を介するドア外側からの不正解錠を防止することができる。

【００２０】 このサムターン４０は、内シリンダ３０への装着時に抜けだしを防止するロッ ク機構４５を設けており、自然落下等によるサムターン４０の紛失を防止するこ とができる。ロック機構４５としては、操作部と作動部とを両端に形成した略棒 状部材をシーソー形状に取付けると共に、作動部が内側に突き出すようばね付勢 した構成としている。そして、サムターン４０を内シリンダ３０に装着した状態 では、作動部が内シリンダ３０側に係止状態となるように構成してあり、サムタ ーン４０を外す時には操作部側を押さえて、上記係止状態を解除することにより サムターン４０を外すことができるように構成している。

【００２１】 このドア錠１を取付ける際は、ドアＤの所定位置に装着された本締錠本体Ａに 対し、本締錠本体Ａの両側に外シリンダ１０と内シリンダ３０とを装着する。こ の際外シリンダ１０には予めストッパーリング２５を装着して本締錠本体Ａに固 定する。外シリンダ１０の固定方法としては、デッドボルト側から挿入した固定 ピン等を外シリンダ１０の一部に挿入する構成を採用することにより、ドアが閉 まった状態では上記固定ピンをドア枠側へ抜くことができないようにすることが でき、外シリンダ１０自体の取り外しを防止できる。

【００２２】 そして、外シリンダ１０を固定した後、シリンダカバー２０の先端が外プレー トｄに当接するまでシリンダカバー２０をねじ込むことにより、外シリンダ１０ と外プレートｄとの隙間を完全に塞ぐことができる。シリンダカバー２０は、逆 回転防止部材２１を具備しているので、シリンダカバー２０を一旦セットすると 、シリンダカバー２０を戻すことができず、外プレートｄとの間に隙間が生じな いようになっている。

【００２３】 さらに、上記シリンダカバー２０が無理矢理こじられた場合等であっても、そ の内側にはストッパーリング２５を設けているので、外シリンダ１０と外プレー トｄ側取付孔との隙間から不正解錠を目的とした工具等の侵入を阻止することが できる。 また、内シリンダ３０側には着脱可能なサムターン４０を設けているので、必 要なときに内シリンダ３０に差し込んで施錠・開錠を行うことができ、不要時に は取り外して保管することができるので、ドア枠との隙間から不正解錠を目的と した工具等を侵入させて不正解錠される虞を解消できる。また、このサムターン ４０は、脱落防止のロック構造４５を設けているので、取り外すときにのみロッ クを解除することにより、脱落等によるサムターン４０の紛失等を防止すること ができる。

【００２４】 図７は、この考案の不正侵入を阻止するストッパーの装着状態を示す断面図で あり、図８はストッパーの斜視図である。 このストッパー５０は、本締錠本体Ａが角柱状でかつ端部が開放した形状のも のに適用可能であり、デッドボルトと反対側の開放部分を塞ぐことができるもの である。このストッパー５０は、円状部分５０ａと板状部分５０ｂとからなり、 円状部分５０ａを内シリンダ３０に挿通した状態で内シリンダ３０を取付けるこ とによって、ストッパー５０が内シリンダ３０に支持されると共に、板状部分５ ０ｂが本締状本体Ａの端部を覆うことができ、不正侵入を目的とする工具等の侵 入を阻止することができる。

【００２５】 図９はストッパーの他の実施の態様を示す斜視図である。 このストッパー６０は、本締状本体Ａの形状や内シリンダ３０の形状によって は、円状部分６０ａや板状部分６０ｂの形状を種々異なる形態に形成することが できる一例を示したものである。このストッパー６０においても板状部分６０ｂ が本締状本体Ａの端部を閉鎖することができ、不正侵入を目的とする工具等の侵 入を阻止することができる。

【００２６】 上記ストッパー６０は、より確実に本締状本体Ａを覆う構成として、図１０に 示すように、板状部分６０ｂに対してフラップ状の小片６０ｃを装着することも できる。 なお、上記ストッパー５０，６０は、内シリンダ３０側に装着して本締状本体 Ａの開放部分を覆うようにすることもできる。 また、サムターン４０は、略円筒状のものを示したが、角柱状のものや断面小 判型形状、その他のつまみ形状を採用することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施態様を示すドア錠の断面図であ
る。

【図２】シリンダカバーの斜視図である。

【図３】上記シリンダカバーの正面図である。

【図４】ストッパーリングの斜視図である。

【図５】サムターンの斜視図である。

【図６】上記サムターンの断面図である。

【図７】この考案の実施形態を示すストッパーの装着状
態の断面図である。

【図８】上記ストッパーの斜視図である。

【図９】さらに他の実施形態を示すストッパーの斜視図
である。

【図１０】他の実施形態を示すストッパーの斜視図であ
る。

【図１１】従来例のドア錠の分解斜視図である。

【図１２】従来例のドア錠の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ドア錠 １０ 外シリンダ ２０ シリンダカバー ２１ 逆転防止部材 ２５ ストッパーリング ３０ 内シリンダ ４０ サムターン ４２ キー ４５ ロック機構 ５０，６０ ストッパー Ａ 本締錠本体 Ｄ ドア ｄ 外プレート ｄ 内プレート

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】デッドボルトの出入を行う本締錠本体に対
   して施錠開錠を行うための外シリンダを具備するドア錠
   において、外シリンダの突出側をカバーすると共に、外
   シリンダとドアプレート側取付孔との隙間を隠すための
   シリンダカバーを設け、当該シリンダカバーは外シリン
   ダとの螺合により装着すると共に、シリンダカバーを一
   方向にのみ回転可能とする逆回転防止機構を装備してい
   ることを特徴とするドア錠。
2. 【請求項２】デッドボルトの出入を行う本締錠本体に対
   して施錠開錠を行うための外シリンダを具備するドア錠
   において、外シリンダの突出側をカバーすると共に、外
   シリンダとドアプレート側取付孔との隙間を隠すための
   シリンダカバーを設け、さらに外シリンダと外プレート
   側取付孔との隙間を覆うストッパーリングを略円筒状部
   材にて形成し、略円筒状のドア側を外シリンダに螺合さ
   せると共に、略円筒状の他端を外シリンダとシリンダカ
   バーとの間に延設して、当該ストッパーリングを上記シ
   リンダカバーの内側に位置するように設けたことを特徴
   とするドア錠。
3. 【請求項３】デッドボルトの出入を行う本締錠本体に対
   して施錠開錠を行うための内外両シリンダを具備するド
   ア錠において、本締錠本体の一部を覆うための板状部分
   を具備するストッパーを外シリンダ側若しくは内シリン
   ダ側に装着していることを特徴とするドア錠。
4. 【請求項４】デッドボルトの出入を行う本締錠本体に対
   して施錠開錠を行うための内シリンダを具備するドア錠
   において、内シリンダの施錠開錠を行うキーを具備する
   と共に、当該キーを着脱自在とするためのサムターンを
   上記キーと一体に設けたことを特徴とするドア錠。
5. 【請求項５】請求項４記載のサムターンは、略円筒状若
   しくは角柱状部材の内側にキーを設けており、略円筒状
   部材には、当該サムターンを内シリンダ側に一時係止す
   るためのロック機構を具備する請求項４記載のドア錠。