JP3091917U - 車両の試験用ローラ - Google Patents

車両の試験用ローラ

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JP3091917U JP2002004886U JP2002004886U JP3091917U JP 3091917 U JP3091917 U JP 3091917U JP 2002004886 U JP2002004886 U JP 2002004886U JP 2002004886 U JP2002004886 U JP 2002004886U JP 3091917 U JP3091917 U JP 3091917U
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弘一郎 新川
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株式会社トーキンシステム
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実際の走行時に近い状態で試験を行うことがで
き、正確な試験結果が得られる車両の試験用ローラを提
供する。 【解決手段】空気抵抗が小さい凸部3…を、ローラ本体
2の外周面全体に対して自動車が実際に走行する舗装路
面と略同等又は略酷似する梨地模様に付設する。ブレー
キテスタ5による試験時において、自動車のタイヤAが
乗せられた試験用ローラ1…を回転したとき、従来例の
試験用ローラ8に形成した突条8b…よりも、本考案の
試験用ローラ1に形成した凸部3…の方が段差が小さ
く、凸部3…が受ける空気抵抗が小さいため、回転時に
発生する騒音が低減される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、例えばブレーキやスピード等の試験及び検査に用いられる車両の 試験用ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のブレーキ試験に用いられる試験用ローラとしては、例えば図13 に示すように、側面から見て鋭角な四角断面形状の突条8bを、ローラ本体8a の外周面に沿って軸方向に連続して形成すると共に、その突条8bを、ローラ本 体8aの外周面に沿って円周方向に対して所定間隔に隔てて複数条形成した試験 用ローラ8がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上述の試験用ローラ8は、ローラ本体8aに形成した突条8b…の径 方向に対する突出量を大きくして、自動車のタイヤに対して回転力を効率よく伝 達するが、ブレーキ試験時において、自動車のタイヤが乗せられた試験用ローラ 8を回転すると、タイヤの外周面に対してローラ本体8aの突条8b…が断続的 に接触するため、タイヤと試験用ローラ8との接触により大きな音が発生する。 また、試験用ローラ8の回転速度が速くなるほど、試験時に発生する騒音が大き くなるので、試験場内での話し声が聞えにくく、作業環境が悪いという問題点を 有している。
【0004】 且つ、試験用ローラ8の外周面には、突条8b…を、ローラ本体8aの外周面 に沿って軸方向に連続して形成しているので、自動車が実際に走行する舗装路面 に酷似せず、実際の走行時に発生する制動力と異なることがある。
【0005】 また、試験用ローラ8と接触するタイヤ表面が、ローラ本体8aに形成した突 条8b…の鋭角なエッジにより削られやすく、ブレーキ試験を行うたびに、実際 の制動力と計測値が異なる場合がある。
【0006】 この考案は上記問題に鑑み、ローラ本体の外周面を、車両が実際に走行する舗 装路面と略同等又は略酷似する凹凸面に形成することにより、実際の走行時に近 い状態で試験を行うことができ、正確な試験結果が得られる車両の試験用ローラ の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この考案は、車両の輪体を2本のローラ上に乗せて、該車両の制動試験及び検 査を行う車両の試験用ローラであって、上記ローラ本体の外周面を、上記車両が 実際に走行する舗装路面と略同等又は略酷似する凹凸面に形成した車両の試験用 ローラであることを特徴とする。
【0008】 上述の車両は、例えば自動車や自動二輪、トラック、バス等で構成され、車両 の輪体は、例えばゴムタイヤ、金属や木の単体及び複合した車輪等で構成される 。また、凸部を付設する方法としては、例えば熱間圧延やプレス、切削、薬液に よる溶解等の加工方法を用いることができる。なお、ローラ本体を、例えば略中 空断面形状や略中実断面形状等の断面形状に形成したローラで構成したり、例え ば一端側外周面から他端側外周面に向けて略同径となる形状に形成したローラで 構成することもできる。
【0009】 つまり、ローラ本体の外周面を、車両が実際に走行する舗装路面と略同等又は 略酷似する凹凸面に形成する。例えば空気抵抗が小さい凸部を、ローラ本体の外 周面全体に対して略均一に付設又は梨地模様に付設する。試験時において、例え ば自動車のタイヤが乗せられた試験用ローラを回転すると、従来例の試験用ロー ラに形成した突条よりも、本考案の試験用ローラに形成した凹凸面の方が段差が 小さく、回転時に発生する騒音が低減される。
【0010】 実施の形態として、上記凹凸面を、上記ローラ本体の回転時に付与される空気 抵抗が小さい凸部を略均一に付設して構成することができる。また、上記凸部を 、上記ローラ本体の外周面に対して略不規則に連続して付設することができる。 また、上記凸部を、異なる形状及び大きさに形成することができる。また、上記 凸部を、上記ローラ本体の外周面に対して梨地模様に付設することができる。ま た、上記凹凸面及び凸部を、上記ローラ本体の外周面に対して熱間圧延加工によ り付設することができる。
【0011】 且つ、従来例の試験用ローラ8に形成される突条8bよりも径方向の突出量が 小さく、回転時に付与される空気抵抗が小さくなるような高さ及び形状のもので あれば、凸部の模様を、例えば略梨地模様や略大理石模様、略千鳥模様等の所望 する模様に設定することができる。また凸部の形状を、例えば略丸形状や略菱形 状、略三角形状、略四角形状、略楕円形状、略多角形状等の所望する模様及び形 状に設定することもできる。
【0012】
【作用及び効果】
この考案によれば、ローラ本体の外周面を、車両が実際に走行する舗装路面と 略同等又は略酷似する凹凸面に形成しているので、試験時において、試験用ロー ラを回転したとき、従来例の試験用ローラに形成した突条よりも、本考案の試験 用ローラに形成した凹凸面の方が段差が小さく、凹凸面が受ける空気抵抗が小さ いため、回転時に発生する騒音を低減することができ、作業環境に適した静音効 果が得られる。且つ、車両の輪体表面に生じる摩耗が少なく、晴天時及び雨天時 時において、実際の走行時に近い状態で試験を行うことができるので、正確な試 験結果が得られる。
【0013】 且つ、突出量が小さい凸部を、ローラ本体の外周面全体に対して熱間圧延加工 により付設するので、例えば亀裂や剥離、破損等が凸部に発生しにくく、重量の 重い車両を試験するのに適した構造的強度が得られるだけでなく、例えばプレス 及び切削等の加工方法を用いるよりも安価に製作することができ、耐久性の向上 及び製造コストの低減を図ることができる。
【0014】
【実施例】
この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0015】 図面は、車両の一例である自動車のブレーキテスタに用いられる車両の試験用 ローラを示し、図1、図2に於いて、この車両の試験用ローラ1は、空気抵抗を 受けにくい高さ及び形状の凸部3…を、略中空断面形状を有するローラ本体2の 外周面全体に対して略均一及び略不規則に連続して梨地模様に付設している。
【0016】 上述の試験用ローラ1を製造する場合、図3、図4に示すように、例えば熱間 圧延機4を構成する一対のロール4a間に送り込まれる鋼板2aを熱間圧延加工 しながら、後述するローラ本体2の外周面と対応する鋼板2aの略表面全体に、 ローラ本体2の回転時に付与される空気抵抗が小さい凸部3…を面方向に対して 所定間隔に隔てて略均一及び略不規則に連続して多数付設する。続いて、熱間加 工済みの鋼板2aをロール状に巻回及び湾曲すると共に、その鋼板2aの湾曲側 対向端部を一体的に溶接及び溶着して、ブレーキテストに適した長さ及び外径を 有する略中空円筒形状のローラ本体2を製造する。
【0017】 つまり、平面から見て異なる形状及び大きさの凸部3…を、略中空断面形状に 形成したローラ本体2の外周面に沿って軸方向及び円周方向に対して所定間隔に 隔てて略均一及び略不規則に連続して付設すると共に、自動車(図示省略)が実 際に走行する舗装路面と略同等又は略酷似する梨地模様に付設している。
【0018】 且つ、ローラ本体2を、例えば一端側外周面から他端側外周面に向けて略同径 となる円筒形状に形成すると共に、後述するブレーキテスタ5のテスタ本体6に 対して動力伝達可能に軸受される軸部2bを、ローラ本体2の両端部軸中心に突 設している。また、上述の凸部3…を、例えば略中実断面形状に形成したローラ 本体2の外周面に付設することもできる。
【0019】 且つ、凸部3を、図5にも示すように、従来例の試験用ローラ8に形成した突 条8bよりも径方向の突出量が小さく、回転時に付与される空気抵抗が小さくな るような高さ及び形状に形成すると共に、凸部3の周縁部を、従来例の試験用ロ ーラ8に形成した突条8b…の鋭角なエッジよりも滑らかな曲面形状及び大きい 曲率半径に形成している。
【0020】 且つ、凸部3を、例えば略半円形状や略楕円形状、略円弧形状、略扇形状、略 台形状等の何れか特定の断面形状に形成している。実施例では、平面から見て特 異な形状を有する凸部3…を略不規則に連続して配列すると共に、任意の断面形 状を有する凸部3…を複数組み合わせて配列している。
【0021】 図6は、上述の車両の試験用ローラ1が用いられるブレーキテスタ5を示し、 2本の試験用ローラ1を、車両の走行方向B(図中矢印で示す)に対してテスタ 本体6の左右上面に開口した開口部6a…に対して自動車(図示省略)のタイヤ Aが乗せられる前後間隔に隔てて軸受すると共に、左右のタイヤAが乗せられる 左右間隔に隔てて2組配列している。且つ、試験用ローラ1…を、チェーン及び ギャ等の駆動機構を介して、テスタ本体6に内蔵した減速機付きモータ(図示省 略)の駆動力により同一方向に略連動して回転すると共に、制御装置(図示省略 )により駆動及び停止、回転速度を制御する。
【0022】 実施例では、前後列の試験用ローラ1を連動して回転するが、例えば前後列の 何れか一方の試験用ローラ1のみを回転してもよい。
【0023】 図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、車両の試験用ローラ1が 用いられたブレーキテスタ5によるブレーキテスト方法を説明する。
【0024】 先ず、自動車(図示省略)のブレーキテストを行う場合、フロント側又はリヤ 側に取付けられた左右のタイヤAを、ブレーキテスタ5を構成するテスタ本体6 の左右上面に軸受された試験用ローラ1,1上に乗せて、試験用ローラ1…を、 テスタ本体6に内蔵したモータ(図示省略)の駆動力により同一方向に対して略 一定速度で回転させる。
【0025】 次に、試験場の掲示パネルに表示される文字、例えばブレーキペダルを踏む及 び離す等の指示、或いは、試験管の声や手等による指示に従って、ブレーキペダ ルを踏む動作及び離す動作を何回か繰り返すと共に、例えばモータや駆動機構の 反力、モータとローラとの間に配設したトルク計等により制動力を検出して、自 動車の制動力を検査する。また、サイドブレーキを引いて、駐車時のブレーキ試 験やスピードメータの動作試験も行うことができる。
【0026】 且つ、空気抵抗が小さい凸部3…を、ローラ本体2の外周面全体に対して自動 車(図示省略)が実際に走行する舗装路面と略同等又は略酷似する梨地模様に付 設しているので、ブレーキ試験時において、自動車のタイヤAが乗せられた試験 用ローラ1…を回転したとき、従来例の試験用ローラ8に形成した突条8b…よ りも、本考案の試験用ローラ1に形成した凸部3…の方が段差が小さいため、回 転時に発生する騒音が低減される。且つ、凸部3…が受ける空気抵抗が小さくな るので、送風機のような送風音及び空気を切るような音が殆んど発生しない。
【0027】 以上のように、空気抵抗が小さい凸部3…を、ローラ本体2の外周面全体に対 して自動車(図示省略)が実際に走行する舗装路面と略同等又は略酷似する梨地 模様に付設しているので、ブレーキ試験時において、自動車のタイヤAが乗せら れた試験用ローラ1を回転したとき、従来例の試験用ローラ8に形成した突条8 b…よりも、本考案の試験用ローラ1に形成した凸部3…の方が段差が小さく、 凸部3…が受ける空気抵抗が小さくなるため、回転時に発生する騒音を低減する ことができ、作業環境に適した静音効果が得られる。且つ、自動車のタイヤA表 面に生じる摩耗が少なく、晴天時及び雨天時等の試験時において、実際の走行時 に近い状態で試験を行うことができ、正確な試験結果が得られる。
【0028】 且つ、従来例の試験用ローラ8よりも、本考案の試験ローラ1の方が凹凸が小 さいため、タイヤAと試験用ローラ1との接触面が一定し、測定値が回転時に安 定する。且つ、タイヤAと試験用ローラ1との接触面に侵入した水が、凸部3… の隙間に沿ってスムースに排出されるため、水によるスリップの影響が従来例の 試験用ローラ8よりも少なく、正確に測定することができる。
【0029】 且つ、突出量が小さい凸部3…を、ローラ本体2の外周面全体に対して熱間圧 延加工により一体的に付設しているので、例えば亀裂や剥離、破損等が凸部3… に発生しにくく、重量の重い車両を試験するのに適した構造的強度が得られるだ けでなく、例えばプレス及び切削等の加工方法を用いるよりも安価に製作するこ とができ、耐久性の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
【0030】 図7は、表面積の大きい凸部3を、ローラ本体2の外周面全体に付設した試験 用ローラ1の他の例を示し、この凸部3は、従来例の試験用ローラ8に形成した 突条8bよりも径方向の突出量が小さく、回転時に付与される空気抵抗が小さく なるような高さ及び形状に形成しているので、上述の実施例と略同等の作用及び 効果を奏することができる。
【0031】 且つ、従来例の試験用ローラ8に形成した突条8b…よりも径方向の突出量が 小さく、回転時に付与される空気抵抗が小さくなるような高さ及び形状のもので あれば、ローラ本体2に付設される凸部3…を、例えば図8に示す略大理石模様 、図9に示す略丸形状、図10に示す略菱形状、図11に示す略三角形状等の所 望する模様及び形状に設定することができ、前述の実施例と略同等の作用及び効 果を奏することができる。
【0032】 図12は、2本の試験用ローラ1を、車両の走行方向B(図中矢印で示す)に 対してテスタ本体6の前側上面に開口した開口部6a,6aに軸受したブレーキ テスタ5の他の例を示し、凸部3及び突条8bがない無地の支持ローラ7(例え ばパイパンローラ)を、テスタ本体6の後側上面に開口した開口部6a,6aに 軸受して試験するので、前述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することがで きる。また、試験用ローラ1を後側開口部6aに軸受し、支持ローラ7を前側開 口部6aに軸受することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 凸部を梨地模様に付設した車両の試験用ロー
ラを示す斜視図。
【図2】 凸部を付設した試験用ローラを示す側面図。
【図3】 試験用ローラの製造方法を示す側面図。
【図4】 凸部を梨地模様に付設したローラ本体の一部
を示す拡大図。
【図5】 凸部を梨地模様に付設したローラ本体の一部
を示す拡大断面図。
【図6】 前後に試験用ローラを配列したブレーキテス
タを示す斜視図。
【図7】 表面積の大きい凸部を付設した試験用ローラ
を示す斜視図。
【図8】 略大理石模様の凸部を付設した試験用ローラ
を示す斜視図。
【図9】 略丸形状の凸部を付設した試験用ローラを示
す斜視図。
【図10】 略菱形状の凸部を付設した試験用ローラを
示す斜視図。
【図11】 略三角形状の凸部を付設した試験用ローラ
を示す斜視図。
【図12】 前後の何れか一方に試験用ローラを配列し
たブレーキテスタの他の例を示す斜視図。
【図13】 従来例の試験用ローラを示す側面図。
【符号の説明】
A…タイヤ 1…車両の試験用ローラ 2…ローラ本体 2a…鋼板 3…凸部 4…圧延機 4a…ロール 5…ブレーキテスタ

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の輪体を2本のローラ上に乗せて、該
    車両の試験を行う車両の試験用ローラであって、上記ロ
    ーラ本体の外周面を、上記車両が実際に走行する舗装路
    面と略同等又は略酷似する凹凸面に形成した車両の試験
    用ローラ。
  2. 【請求項2】上記凹凸面を、上記ローラ本体の回転時に
    付与される空気抵抗が小さい凸部を略均一に付設して構
    成した請求項1記載の車両の試験用ローラ。
  3. 【請求項3】上記凸部を、上記ローラ本体の外周面に対
    して略不規則に連続して付設した請求項2記載の車両の
    試験用ローラ。
  4. 【請求項4】上記凸部を、異なる形状及び大きさに形成
    した請求項2又は3記載の車両の試験用ローラ。
  5. 【請求項5】上記凸部を、上記ローラ本体の外周面に対
    して梨地模様に付設した請求項2,3又は4記載の車両
    の試験用ローラ。
  6. 【請求項6】上記凹凸面及び凸部を、上記ローラ本体の
    外周面に対して熱間圧延加工により付設した請求項1,
    2,3,4又は5記載の車両の試験用ローラ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012251966A (ja) * 2011-06-07 2012-12-20 Anzen Motor Car Co Ltd ブレーキローラ
JP2015075344A (ja) * 2013-10-07 2015-04-20 株式会社トーキンシステム 車両検査装置の試験ローラ

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