JP3091344B2 - 半導体パッケージ用のセラミック製リッド - Google Patents

半導体パッケージ用のセラミック製リッド

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JP3091344B2 JP05089394A JP8939493A JP3091344B2 JP 3091344 B2 JP3091344 B2 JP 3091344B2 JP 05089394 A JP05089394 A JP 05089394A JP 8939493 A JP8939493 A JP 8939493A JP 3091344 B2 JP3091344 B2 JP 3091344B2
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/161Cap
    • H01L2924/1615Shape
    • H01L2924/16195Flat cap [not enclosing an internal cavity]

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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
  • Casings For Electric Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体パッケージ用の
セラミック製リッドに関し、詳しくは、半導体素子をパ
ッケージ本体の内部に収容した後、その本体に被せては
んだ付けにより接合し、内部に収容した半導体素子を密
封するためのセラミック製のリッド(蓋)に関する。
【従来の技術】
【0002】この種のセラミック製リッド(以下、単に
「リッド」ともいう)としては、特開昭57−1601
47号や特公平3−76784号の公報に開示されてい
る技術が知られている。これらの技術においては、図1
0(A)に示すように、リッド51は、パッケージ本体
52に対面する側の面の周縁に、メタライズ層53を介
してはんだ層54を平坦に形成したものであり、密封
は、同図に示すように、はんだ層54がパッケージ本体
52のメタライズ層55に密着するようにして被せ、そ
の下で、所定の温度に加熱することで溶解し、はんだ付
け(封着)するようにしたものである。ところで、はん
だは、加熱されると固相線温度で溶けはじめて半溶融状
となり、液相線温度を超えると完全に溶解する。したが
って、上記の従来技術における封着は、液相線温度より
幾分高めに設定された温度(以下、「はんだ付け温度」
又は「封着温度」ともいう)条件下で行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合、パッケージ
本体52にセットされたリッド51のはんだ54が固相
線温度を超えて溶けはじめると、そのはんだが同時にシ
ール(密閉材)の作用を果たすために、その段階でパッ
ケージの内部は、ほぼ気密状態となってしまう。そし
て、パッケージはその状態の下で封着温度までさらに加
熱される。
【0004】このために、封着温度においてパッケージ
の内部は、ガスの熱膨張によって相対的に著しい高圧と
なり、半溶融ないし溶融状態のはんだが、外方(パッケ
ージの外側)に押しやられ、量の多少はあるものの外部
に飛散し、図10(B)に示すように、一部56,56
が外側のリード57等に付着してしまうといった問題が
あった。つまり、上記従来のリッド51を使用した場合
には、はんだ付け工程において、外観不良や、絶縁に支
障が生じてパッケージに要求される機能が満たされない
といった重大な欠陥をもつ不良品が発生しがちで、結果
的に製造単価の上昇を招いているといった問題があっ
た。
【0005】この問題の解決策として、図11,12に
示すように、リッド面の周縁のはんだ層64に凹溝6
5,65を設けておき、リッド61がパッケージ本体
(図示しない)に被せられたときに、その内外にガスの
流通が保持されるようにする、といった技術を提案でき
る。こうすれば、はんだが溶けはじめて半溶融状態にな
った段階でも、すぐにはパッケージの内部が密閉されな
いから、膨脹したガスを外部に放出させることができ、
はんだの飛散防止に有効である。
【0006】しかし、単にこうした凹溝65を設けただ
けでは、溶融されて密閉される過程で、凹溝65がはん
だで完全に埋められないために、ボイドとして残り易
く、パッケージの封止(密封)性が劣るといった問題が
あった。この原因は次のようである。すなわち、図1
0,11に示したように、リッドのメタライズされた部
分の外(周)側及び内(周)側にはメニスカスが形成さ
れ、その部位は平坦部よりも相対的にはんだの量が多
い。したがって、はんだが溶け始めると、凹溝65に対
し、はんだが流れ込んでくるのであるが、図13A〜D
に示すように、まず、凹溝65の外側が埋まり始めて閉
ざされ、次いで、内側が埋まって閉ざされるようにはん
だが流動するために、凹溝65の中間部位でガスがはん
だによって囲繞され、逃げ道を失って残存してしまう。
このために、はんだが流れ込めずボイドVとして残るこ
とになる。ボイドVのある部位は、パッケージの内外に
関して相対的にはんだが少ないから、気密保持力が低
く、これが半導体装置の性能を損なう要因となる。
【0007】したがって、この種のリッドにおいては、
はんだの飛散防止もさることながら、ボイドの発生を防
止することが重要である。因みに、大型のパッケージ
は、こうしたことが歩留まりに及ぼす影響が大きいため
に、セラミック製のリッドはあまり使用されず、一般に
は、コバール板に金鍍金を施し、封着材として、Au−
Snプリフォームを溶接して構成した高価なものを使用
せざるをえないといったのが実情であった。本発明は、
リッドのはんだ付け工程における、溶融したはんだの飛
散、及びボイドの発生を防止し得るリッドを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの第1の手段は、半導体を収容したパッケージ本体を
はんだ付けによって密封するためのセラミック製のリッ
ドであって、前記パッケージ本体に対面する側の面の周
縁にはんだ層を一体的に備えてなるものにおいて、前記
リッドが前記パッケージ本体に被せられたときに、パッ
ケージの内外にガスの流通が保持される凹溝を前記はん
だ層に設け、しかもこの凹溝を、その溝断面積が前記リ
ッドの内外の一方の側に向かって漸増するようにしたこ
とにある。この場合、溝断面積を漸増させる態様として
は、凹溝の溝幅又は溝深さを変化させたもの、或いは、
溝幅および溝深さともに変化させたものを挙げることが
できる。また、これらにおいて溝断面積は、リッドの内
側又は外側のいずれを大とすることもできる。
【0009】さらに、第2の手段としては、半導体を収
容したパッケージ本体をはんだ付けによって密封するた
めのセラミック製のリッドであって、前記パッケージ本
体に対面する側の面の周縁にはんだ層を一体的に備えて
なるものにおいて、前記リッドが前記パッケージ本体に
被せられたときに、パッケージの内外にガスの流通が保
持される凹溝を前記はんだ層に設け、しかもこの凹溝
を、その溝断面積が、前記はんだ層の央部からリッドの
内外に向かって漸増するようにしたことにある。また、
この場合においても、溝断面積の漸増させる態様として
は、凹溝の溝幅又は溝深さを変化させたもの、或いは溝
幅および溝深さとも変化させたものを挙げることができ
る。
【0010】
【作用】上記の構成により、本発明に係るリッドを使用
した場合においては、リッドをパッケージ本体に被せ、
リフロー炉内で加熱が進んで固相線温度にいたり、そし
て、はんだが溶けはじめて半溶融状態になった段階にお
いても、はんだ層に設けられた凹溝により、ただちにパ
ッケージの内部が密閉されてしまうことがない。したが
つて、この段階では、ガスが内外に流通する状態にあ
り、内部で膨脹したガスは外部に放出される。つまり、
従来のように、はんだの固相線温度になると同時にパッ
ケージの内部が密閉されてしまうといったことがなく、
内外のガスが流通状態にある温度を、よりはんだの液相
線温度に近付けることができる。したがって、その分、
内部の高圧化が緩和ないし防止される。
【0011】一方、さらに加熱が進み、封着温度の付近
ではんだが完全に溶融すると、それが凹溝に流れ込んで
いく。凹溝に流れ込んでその部位を平坦に埋めていくと
きは、まず、凹溝の溝断面積の小さい部位、すなわち、
上記第1の手段においては、はんだ層におけるリッドの
内側又は外側から、また同第2の手段においては、央部
から、それぞれ埋められる。そして、内部が気密の状態
におかれると、その後は、凹溝に沿う形で、はんだが溝
断面積の大きい側に押し寄せるようにして流れ込んでい
き、その全体を埋める。つまり溶融しているはんだがガ
スを囲繞し難い流れ性状で凹溝を埋める。したがってボ
イドを残すことなく封着される。このように本発明にお
いては、パッケージの内部のガスが従来のように外部に
相対して高圧とはならないために、はんだ付け工程にお
けるはんだの飛散がない上に、ボイドの発生を防止する
ので、それらに起因する前記の不良の発生が防止され
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例について詳
細に説明する。まず、第1の手段を具体化した実施例に
ついて、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。本
例においては、リッド1は、略正方形に形成されたセラ
ミック製の基板2(一辺;約20mm、厚さ;約1m
m)の片面の外寄り周縁面及び側面(見付)に沿って、
環状に、所定のメタライズ層3を設け、その上に、はん
だ層4を形成してある。そして、リッド1の各辺に沿う
はんだ層4のほぼ中央に対して、それを内外に横断する
形で、断面略矩形の凹溝5,5が4か所、切欠様に形成
されている。ただし本例では、その溝断面積がリッド1
の内側Uから外側Sに向かって漸増するように、凹溝5
の溝幅W1、W2を直線的に変化させ、平面的に見て外
側W1を幅広とする台形としている。一方、ここに凹溝
5は、少なくとも、はんだ4の固相線温度の付近での半
融解状態では、埋まらないだけの大きさが必要であり、
かつ封止温度にて、ボイドが残ることなく、埋められる
ことが必要である。本例では、はんだ層4が厚さが15
0μmであり、溝深さDは50〜75μm、溝幅は、外
側W1が5mmで、内側W2が1mmに設定している。
なお、はんだ層4の幅は約1.5mmである。因みに本
例のリッド1は、公知の手段によるプレス成形により9
0%アルミナを焼成したものであって、メタライズ層3
は、Ag−Pdペーストをスクリーン印刷し、その後、
焼成して形成したものである。
【0013】なお、はんだ層4は、溶融はんだ中に基板
2を浸漬し、メタライズ層3上にのみ選択的にはんだの
基層を形成し、その基層の上に、凹溝5,5を設ける形
で、その部位を除いてはんだペーストを数回(2回)ス
クリーン印刷し、これを所定温度に制御されたリフロー
炉内に通し、凹溝形状を保持させたままリフローさせ、
そのまま凝固(固化)させることで凹溝5,5を備えた
はんだ層4としたものである。リフロー温度は、液相線
温度以上で、同温度プラス10℃以下の範囲とされる。
但し、本例で使用したはんだは、その組成がPbが85
wt%,Snが5wt%,Biが7wt%,残部がA
g,Inからなるもので、固相線温度は240℃、液相
線温度は280℃である。
【0014】因みに、リッド1のはんだ層4に凹溝5を
設ける技術としては、上記したものの他に、種々の技術
を挙げられる。例えば、平坦に形成したはんだ層の一部
を、所望とする凹溝の形に次工程で切削(溝)加工又は
プレスすることでも設けることができる。また、ディッ
プ又は印刷で平坦に設けられたはんだ層の上に、ステン
レス又はセラミックの棒をのせてリフローし、その棒を
はんだに食い込ませることでもできるし、これと上下
(天地)を逆にした状態でリフローすることでもでき
る。また、はんだ層の一部をホットナイフで溶解させる
ことでも設けることができるし、凹溝を設ける予定の部
位をマスキングして溶融はんだにディップすることでも
設けることができる。また、リッドの基板の面に凹溝を
付けておき、一定厚さのメタライズ層及びはんだ層を設
けることでも、結果的にはんだ層に凹溝を設けることが
できる。
【0015】さて、次に上記構成の本例リッド1の作用
等について説明する。はんだ層4がパッケージ本体11
に形成されたメタライズ層12に合致するように位置決
め密接した下で、図示しないリフロー炉内で所定の温度
(本例では300℃)に加熱するのであるが、この場
合、リッド1をパッケージ本体11にセットしたもとで
は、はんだ層4とパッケージ本体11のメタライズ層1
2との間(接合面部)には、凹溝5によって、パッケー
ジ内外のガスが流通するトンネル(逃げ道)が形成され
る。これにより、パッケージ内で膨脹するガスは、図1
中に矢印で示すように、この凹溝5を通って外側に出
る。この状態は、液相線温度になる前まで、凹溝5の溝
断面積(ガスの流路面積)が狭小化していくものの保持
されるから、内部の圧力上昇を低く止めることができ
る。同時に、封着温度の付近ではんだが完全に溶融する
と、図3A〜Dに示すように、外側は溝幅W1が広いた
めにすぐには埋められず溝幅W2の狭い内側が閉じるよ
うにして最初に埋められる。内側が閉じられると、内部
が密封されるが、その後は、凹溝5の外方に向かって波
が打ち寄せるような性状で流れ込んでいき、溶融してい
るはんだ4がガスを囲繞することなく全体を埋める。
【0016】かくして、液相線温度を超えると、はんだ
が完全に融解して凹溝5,5が塞がれるが、従来のリッ
ドによる場合のような、内圧の異常上昇やはんだの飛散
を防止し、しかも、ボイドを残すこともない。以後は、
はんだの冷却、凝固後において、所望とする半導体パッ
ケージを得ることができる。本例のリッド1の具体的効
果について、比較例との対比において、表1の試験結果
を参照してさらに詳細に説明する。ただし、はんだの飛
散はいずれの試料においても見られないので、以後、ボ
イドの発生率(状態)の低減効果を中心として説明す
る。また、はんだの組成やはんだ層(厚さ、幅)は、い
ずれも、本例と同じものであるから、以後その説明は省
略し、凹溝の溝断面積に係わる溝幅と溝深さを中心に説
明する。表1は、本例のリッド1と溝幅のみ異なる比較
例と、ボイドの残存状況についてX線撮影にて確認した
結果を示すものである。ただし、凹溝の溝深さDは50
〜75μmである。表1に示す結果の通り、溝幅が一定
(W1=W2)の比較例では、40〜50%のボイドの
発生がみられたのに対し、本例のW1(外側の溝幅)>
W2(内側の溝幅)のものにあっては0%であった。こ
れらのことは、とりもなおさず本発明の効果を実証する
ものである。
【表1】
【0017】また、上記実施例ベースとする溝幅、W1
>W2なるものにおいて、さらにその効果の差異を詳細
に確認するために、W2を1mm(一定)とし、W1を
2〜10mmの範囲で変化させた場合について試験して
みた。ただし、凹溝の溝深さDは50〜75μmであ
る。結果は表2の通りである。この結果から、W2が1
mmのときは、W1は3〜7mmの範囲が好ましいこと
が解る。W1が10mmの場合には、メニスカスが小さ
くなる外観不良の発生が見受けられた。はんだのボリュ
ーム不足によると思われる。
【表2】
【0018】さらに、こうした実施例をベースとする溝
幅、W1>W2なるものにおいて、その効果の差異をさ
らに詳細に確認するために、外側の溝幅をW1を5mm
(一定)とし、W2を0.5〜4mmの範囲で変化させ
た場合について試験してみた。結果は表3の通りであ
る。この結果から、W1が5mmのときは、W2は0.
5〜2mmの範囲が好ましいことが解る。
【表3】 なお、W1>W2なる上記実施例では、溝幅を直線的に
変化させて溝断面積を漸増させた場合を説明したが、図
4A〜Cに示されるように、段階的ないし曲線的に変化
させることもできる。
【0019】さて次に、第1の手段を具体化した別の実
施例として、上記実施例において、図2中、2点鎖線で
示すように、溝幅をW1(外側)<W2(内側)と変化
させて、凹溝の溝断面積をリッドの外側から内側に向か
って漸増させた場合について説明する。ただし、上記実
施例とは内外における溝幅の大小を逆とし、外側から凹
溝を埋めるようにした点が相違するだけであり、基本的
に同じであるから、このもので封止した場合について、
表4を参照して結果のみについて説明する。ただし、表
4は、外側の溝幅W1を1mm(一定)とし、内側の溝
幅W2を2〜5mmの範囲とし、溝幅(溝断面積)をリ
ッドの外側から内側に向かって直線的に変化させた場合
である。ただし、凹溝の溝深さDは50〜75μmであ
る。表4に示す結果の通り、ボイドの発生率は、外側を
幅広とした上記実施例のものよりは劣るものの、表1に
示した溝幅が一定(W1=W2)のものとくらべると小
さい。
【表4】
【0020】上記各実施例においては、いずれも凹溝の
溝幅を変化させて、溝断面積をリッドの内外の一方の側
に向かって漸増させたものであるが、本発明において
は、溝幅を一定としたもとで、図5A、Bに示すように
凹溝の溝深さを、外側の溝深さD1と内側の溝深さD2
とをD1>D2としたり、この逆とすることによっても
具体化できるし、さらに図示はしないが、凹溝の溝幅お
よび溝深さを、例えば、溝幅、W1>W2において、溝
深さ、D1>D2、或いはその逆として溝断面積を漸増
させることも例示できる。
【0021】表5は、図5Aにおいて、リッドのはんだ
層に設けた凹溝をその溝幅を1mm(一定)とし、内側
の溝深さD2を50μm(一定)としたもとで、外側の
溝深さD1を、75〜125μmと変化させた場合(D
1>D2)のボイドの発生率を示したものである。同表
に示す通り、ボイドの発生は0〜20%と、比較例より
大幅に低く、その効果が実証されている。なお、この例
においてはんだが凹溝を埋める過程は、溝幅を変化させ
上記実施例の場合と実質的に同じである。
【表5】
【0022】また表6は、リッドのはんだ層に設けた凹
溝をその溝幅を1mm(一定)とし、外側の溝深さD1
を50μm(一定)としたもとで、内側の溝深さD2
を、75〜125μmと変化させた場合(D1<D2)
のボイドの発生率を示したもので、図5Bのものを具体
化したものである。ボイドの発生率は、表5の結果より
は大きいが比較例よりは大幅に低い。
【表6】 なお、この結果からも理解されるが、溝断面積をリッド
の内外の一方の側に向かって漸増させる場合には、外側
のそれが大となるように設定するのが効果が大きい。
【0023】さて次に、第2の手段を具体化した実施例
について、図6ないし図9を参照して詳細に説明する。
ただし、前記した第1の手段と共通する部位には同一の
符号を付す等して適宜その説明を省略する。本例では、
はんだ層4を平面的に見て、凹溝5,5がいわば鼓形と
なるように、その溝幅を、W1(外側)>Wa(中央)
<W2(内側)とし、溶融したはんだが中央からリッド
1の内外に向かって同時に凹溝5を埋めるようにしたも
のである。すなわち、凹溝5の溝断面積を、凹溝5の央
部5aから内外に向かって漸増してなる技術を具体化し
た場合である。しかして、本例のものでパッケージ本体
を封着する場合、はんだ4が完全に溶融すると、図8A
〜Dに示すように、溝幅の狭い中央部位Waが閉じるよ
うにしてまず埋められる。これにより、内部が密封され
るが、その後は、凹溝5の内外側に向かって流れ込んで
いき、そのほぼ全体を埋める。こうして、内圧の異常な
上昇に起因するはんだの飛散を防止しつつ、ボイドを残
すことなく凹溝5を塞ぐ。なお、最狭小部であるWa
は、なるべく、はんだ層の中央に設定するとよい。
【0024】本例のリッドについて、W1、Wa、W2
の数値を適宜変えてその効果(ボイドの発生率)を確認
した。結果は、表7に示すとおりである。ただし、凹溝
の溝深さDは50〜75μmである。本例では、ボイド
の発生率は0〜20%であり、いずれもその効果が大き
いことが実証されている。
【表7】 しかも、これらの場合には、W1>Wa<W2の具体的
数値の関係から明らかなように、同じ漸増の割合で一方
の側にのみ漸増させる場合よりも、溝深さが同じときに
は、凹溝5の空間を大幅に小さくすることができる。し
たがって、凹溝5を埋めるはんだのボリューム不足とな
ることが少なく、その分、凹溝5の埋め残しの発生を減
らすから、高い封止性能が期待される。
【0025】図9は、凹溝5の溝断面積を、凹溝5の央
部5aから内外に向かって漸増してなる手段において、
凹溝5の溝深さを、D1(外側)>Da(中央)<D2
(内側)としたもので、図6,7に示す技術の変形とで
も言うべきものである。この場合にも、溶融したはんだ
が中央から内外に向かって同時に凹溝5を埋めることと
なる。表8は、凹溝の溝幅を1mm(一定)とし、央部
5aの溝深さDaを50μm(一定)としたもとで、外
内の溝深さD1、D2を75〜125μmと変化させた
場合のボイドの発生率を示したものである。同表に示す
通り、ボイドの発生は0〜25%と、比較例より大幅に
低く、その効果が解る。
【表8】 なお、溝深さ、D1>Da<D2において、溝幅を、W
1>Wa<W2として、央部から内外に複合的に溝断面
積を漸増させても効果がある。なお、これらの場合で
も、溝幅又は溝深さを段階的ないし曲線的に変化させる
こともできる。
【0026】上記の実施例においては、いずれも凹溝の
溝断面を矩形としたが、本発明はこれに限られるもので
なく、例えば円弧状やV字形の断面とするなど、適宜の
溝形とすることができる。リッドがパッケージ本体に被
せられたときに、パッケージの内外にガスの流通が保持
される凹溝であればよい。すなわち、封着過程で、ガス
が通過して外部に放出され、内部の高圧化防止が有効に
保持されればよい。また、凹溝の溝幅や溝深さの大き
さ、すなわち溝断面積、或いは、その漸増の程度(割
合)は、上記した実施例を参照し、かつリッド(パッケ
ージ本体)の種類や大きさ、或いは、はんだの組成など
に応じて適宜に設計される。さらに、いずれも、凹溝
は、リッドの辺(はんだ層)の中央でそれを横断する形
で設けた場合を例示したが、その配置部位は、リッドの
隅角部としてもよいし、その数も適宜に設定すればよ
い。
【0027】なお、本発明においては、パッケージ内部
の高圧化の防止のためには、なるべく凹溝の溝幅や溝深
さを大きくするとよいといえるが、これもリッドの種類
やはんだの組成などに応じて適宜に設計すべき事項であ
る。固相線温度と液相線温度の差が大きい組成のはんだ
の場合には、凹溝をなるべく大きくすると内部の高圧化
の防止に効果的である一方、その温度差の小さい組成の
はんだほど凹溝の高さや幅を小さく設定できる。いずれ
にしても、なるべく液相線温度の近くで、ボイドを残す
ことなく密封するようにそれらを設定する。なお、はん
だ層としては、上記のPb−Sn系のはんだの他、Au
−Sn系の金はんだ(金系低温ろう材)など、リッド
(パッケージ本体)の種類に応じて、適宜のものを使用
できる。
【0028】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
に係るリッドは、パッケージ本体を封着する場合におい
て、凹溝からパッケージ内部のガスを放出させるから内
部の高圧化および溶融したはんだの飛散の発生防止に有
効であるばかりか、凹溝が埋められる過程において、溶
融しているはんだがガスを囲繞し難い性状でその部位に
流れ込むためにボイドの発生の防止に極めて有効であ
る。すなわち、本発明のリッドによれば、パッケージの
外観不良や電気的な絶縁不良の発生が低減されるばかり
でなく、ボイドの発生が少ないために高い封止性能が保
持され、品質の向上および製造コストの低減を図ること
ができる。
【0029】なお、こうした効果により、従来不向きと
されていた大型パッケージのリッドにもセラミック化が
適することとなるために、その製造コストについては、
大幅な低減が期待される。とくに、凹溝の溝断面積をは
んだ層の央部からリッドの内外に向かって漸増し、凹溝
を央部からその内外に向けて埋めるようにした技術にお
いては、リッドの内外の一方に向かって漸増させる場合
に比べ、凹溝の空間を大きく減らすことができるので、
はんだのボリューム不足となることが少なく、したがっ
てその分、凹溝の埋め残しを減らすことができ、高い封
止性能を得ることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体パッケージ用のセラミック
製リッドの第1の手段を具体化した一部破断正面図であ
る。
【図2】図1に示したリッドをはんだ層側から見た平面
図である。
【図3】図1のリッドで封着した場合における凹溝の埋
められる過程を説明する部分平面図である。
【図4】他の実施例を説明する凹溝部分の平面図であ
る。
【図5】凹溝の溝深さを変化させた実施例を説明する凹
溝部分の縦断面図であつて、AはD1>D2とした図、
BはD1<D2とした図である。
【図6】本発明に係る半導体パッケージ用のセラミック
製リッドの第2の手段を具体化した一部破断正面図であ
る。
【図7】図6に示したリッドをはんだ層側から見た平面
図である。
【図8】図6のリッドで封着した場合における凹溝の埋
められる過程を説明する部分平面図である。
【図9】凹溝の深さをD1>Da<D2と変化させた実
施例を説明する凹溝部分の拡大縦断面図である。
【図10】従来のリッドを説明するもので、Aは、リッ
ドをパッケージ本体に被せた状態を示す部分破断面図で
あり、Bは、はんだ付けによりパッケージを封着した後
のはんだの飛散状態を説明する部分破断面図である。
【図11】従来のリッドを改良して、はんだの飛散防止
を可能とした技術を説明する一部破断正面図である。
【図12】図11に示したリッドをはんだ層側から見た
平面図である。
【図13】図11に示したリッドで封着した場合におけ
る凹溝の埋められる過程、およびボイドの発生過程を説
明する部分平面図である。
【符号の説明】
1 リッド 2 リッドのセラミック製基板 3 メタライズ層 4 はんだ層 5 はんだ層の凹溝 11 パッケージ本体 W1 外側の溝幅 Wa 央部の溝幅 W2 内側の溝幅 D1 外側の溝深さ Da 央部の溝深さ D2 内側の溝深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 幸裕 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−109751(JP,A) 特開 平3−116855(JP,A) 実開 昭63−84956(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/02 H01L 23/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体を収容したパッケージ本体をはん
    だ付けによって密封するためのセラミック製のリッドで
    あって、前記パッケージ本体に対面する側の面の周縁に
    はんだ層を一体的に備えてなるものにおいて、前記リッ
    ドが前記パッケージ本体に被せられたときに、パッケー
    ジの内外にガスの流通が保持される凹溝を前記はんだ層
    に設け、しかもこの凹溝は、その溝断面積が前記リッド
    の内外の一方の側に向かって漸増してなることを特徴と
    する、半導体パッケージ用のセラミック製リッド。
  2. 【請求項2】 凹溝の溝幅を変化させて溝断面積を漸増
    させた請求項1記載の半導体パッケージ用のセラミック
    製リッド。
  3. 【請求項3】 凹溝の溝深さを変化させて溝断面積を漸
    増させた請求項1記載の半導体パッケージ用のセラミッ
    ク製リッド。
  4. 【請求項4】 凹溝の溝幅および溝深さを変化させて溝
    断面積を漸増させた請求項1記載の半導体パッケージ用
    のセラミック製リッド。
  5. 【請求項5】 溝断面積がリッドの内側より外側が大き
    い請求項1、2、3又は4記載の半導体パッケージ用の
    セラミック製リッド。
  6. 【請求項6】 溝断面積がリッドの外側より内側が大き
    い請求項1、2、3又は4記載の半導体パッケージ用の
    セラミック製リッド。
  7. 【請求項7】 半導体を収容したパッケージ本体をはん
    だ付けによって密封するためのセラミック製のリッドで
    あって、前記パッケージ本体に対面する側の面の周縁に
    はんだ層を一体的に備えてなるものにおいて、前記リッ
    ドが前記パッケージ本体に被せられたときに、パッケー
    ジの内外にガスの流通が保持される凹溝を前記はんだ層
    に設け、しかもこの凹溝は、その溝断面積が、前記はん
    だ層の央部からリッドの内外に向かって漸増してなるこ
    とを特徴とする、半導体パッケージ用のセラミック製リ
    ッド。
  8. 【請求項8】 凹溝の溝幅を変化させて溝断面積を漸増
    させた請求項7記載の半導体パッケージ用のセラミック
    製リッド。
  9. 【請求項9】 凹溝の溝深さを変化させて溝断面積を漸
    増させた請求項7記載の半導体パッケージ用のセラミッ
    ク製リッド。
  10. 【請求項10】 凹溝の溝幅および溝深さを変化させて
    溝断面積を漸増させた請求項7記載の半導体パッケージ
    用のセラミック製リッド。
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