JP3090777B2 - 多層状食品製造用組成物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状食品生地の製造方法 - Google Patents

多層状食品製造用組成物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状食品生地の製造方法

Info

Publication number
JP3090777B2
JP3090777B2 JP04113117A JP11311792A JP3090777B2 JP 3090777 B2 JP3090777 B2 JP 3090777B2 JP 04113117 A JP04113117 A JP 04113117A JP 11311792 A JP11311792 A JP 11311792A JP 3090777 B2 JP3090777 B2 JP 3090777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dough
producing
weight
composition
food
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04113117A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05284895A (ja
Inventor
耕二 伊東
泰啓 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miyoshi Oil and Fat Co Ltd filed Critical Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP04113117A priority Critical patent/JP3090777B2/ja
Publication of JPH05284895A publication Critical patent/JPH05284895A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3090777B2 publication Critical patent/JP3090777B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層状食品製造用組成
物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状
食品生地の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パイやクロワッサン、デニッシュ等のペ
ストリー(以下、多層状食品と呼ぶ)は、従来、小麦粉
を主体とする多層状食品用生地を延展し、該生地にマー
ガリンやショートニング等の油脂類(ロールイン用油
脂)を塗布し、次いでこの生地を所望の層数となるまで
積層、延展を繰り返し行って得た生地や、上記多層状食
品製造用生地中に油脂類を練込んだ後に必要に応じて積
層、延展を繰り返して得た生地を、所定形状に成形して
熟成し、次いで焼成する方法により製造されている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】上記、従来の多層状食
品は多量の油脂類を用いているため、カロリーが高い食
品であり、肥満の原因となる高カロリー食品の摂取を控
える風潮にある近年、多層状食品の低カロリー化が要望
されている。
【0004】このような要望に応えるために、油脂類に
代わる組成物をロールイン用や練込み用に用いる研究が
種々なされてきたが、これらの油脂類に代わる組成物を
用いた場合、良好な多層状構造の食品を得ることは困難
であり、現在のところ油脂の代替として使用に耐え得る
組成物は開発されていない。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
低カロリー化を実現できる、油脂を含まない多層状食品
製造用組成物を提供することを目的とする。また本発明
はこの多層状食品製造用組成物の製造方法を提供するこ
とを目的とする。更にまた本発明はこの多層状食品製造
用組成物を用いて低カロリーの多層状食品生地を製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の多層状食品
製造用組成物は、デキストリン当量が20以下のマルト
デキストリン15〜35重量%、単糖類及び/又は二糖
類を主体とする糖類20〜55重量%、水10〜65重
量%とを含み、油脂様の可塑性を有することを特徴とす
る。
【0007】また、本発明の多層状食品製造用組成物の
製造方法は、単糖類及び/又は二糖類を主体とする糖類
を溶解させた水に、デキストリン当量が20以下のマル
トデキストリンを分散させてなる、マルトデキストリン
15〜35重量%、糖類20〜55重量%、水10〜6
5重量%を含む混合物を均質化し、次いで80〜100
℃に加熱してマルトデキストリンを糊化させた後、冷却
することを特徴とする。
【0008】本発明の多層状食品製造用組成物を用いた
多層状食品生地の製造方法は、上記多層状食品製造用組
成物100〜70重量%と、油脂0〜30重量%とから
なるロールイン材を、小麦粉を主体とする多層状食品製
造用生地で包んでシート状生地とした後、該生地を積層
し、延展することを特徴とするものであり、この方法と
しては、所定の大きさに延展した、小麦粉を主体とする
多層状食品製造用生地に前記ロールイン材を塗布した
後、該生地を折り返してロールイン材の塗布面を包み込
み、次いで上記ロールイン材を包み込んだ生地を延展装
置によって延展した後、複数層に積層し、更に該複数層
に積層した生地を前記延展装置によって延展し、または
更に積層、延展を繰り返して所望の折り畳み数とするこ
とを特徴とする
【0009】また本発明の多層状食品生地の製造方法の
他の態様は、前記ロールイン材を、連続的に供給される
帯状の、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地に塗
布した後、該生地の両長辺を折り返して上記ロールイン
材の塗布面を包み込み、次いで該生地を延展装置によっ
て延展した後、積層、延展を繰り返して所望の折り畳み
数とすることを特徴する
【0010】本発明の多層状食品生地の製造方法の更に
他の態様は、環状の隙間を有する生地押出ノズルより、
小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地をチューブ状
に押し出す一方、該生地押出ノズルの内側に同心状に設
けられた環状の隙間を有するロールイン材押出ノズルか
ら、前記ロールイン材をチューブ状に押し出して前記生
地のチューブ内面に上記ロールイン材のチューブを一体
化せしめた複合チューブを形成し、次いで該複合チュー
ブを偏平状に潰して生地とロールイン材との連続の積層
体を形成した後、該積層体を延展装置によって延展し、
次いで積層、延展を行って所望の層数の生地とすること
を特徴とする。
【0011】更に、本発明の多層状食品生地の製造方法
は、多層状食品製造用組成物100〜70重量%と、油
脂0〜30重量%とからなる組成物を、小麦粉を主体と
する多層状食品製造用生地中に練込んだ生地を得、次い
で該生地の積層、延展を行って所望の層数とする方法
や、多層状食品製造用組成物100〜70重量%と、油
脂0〜30重量%とからなる組成物を、小麦粉を主体と
する多層状食品製造用生地で包んで混捏する方法を採用
することもできる。
【0012】本発明の多層状食品製造用組成物を構成す
る、マルトデキストリンはデンプンを酸又は酵素で分解
して生じるデキストリンのうち、重合度3以上の高分子
デキストリンであり、本発明において上記マルトデキス
トリンは、ジャガイモ、トウモロコシ、タピオカ、米等
のデンプンから得られたものが使用できるが、特にコー
ンスターチから得られるものが一般的である。
【0013】マルトデキストリンは、その成分によりデ
キストリン当量(以下、DEと略す。)を基にして分類
されているが、本発明ではDEが20以下のものが使用
できる。DEが20を超えると、二糖類、単糖類が多く
含まれるため水に対する溶解性が高く、得られるロール
イン用組成物は軟らかすぎ、多層状食品製造用として必
要な可塑性を有さない。多層状食品製造用組成物が好ま
しい可塑性を有するためには、使用するマルトデキスト
リンのDEが10以下、特に7以下であることが好まし
い。
【0014】多層状食品製造用組成物中におけるマルト
デキストリンの割合は、15〜35重量%、好ましくは
20〜30重量%である。マルトデキストリンの割合
が、15重量%未満であると組成物が軟らか過ぎ、逆に
35重量%を超えると硬くなり過ぎて可塑性を失い、い
ずれの場合も本発明の目的に適さない。
【0015】本発明において単糖類及び又は二糖類主体
とする糖類としては、単糖類、二糖類や、単糖類及び/
又は二糖類を50%以上含む混合物等が挙げられる。こ
のような糖類としては例えば砂糖、コーンシロップ、ブ
ドウ糖、果糖、麦芽糖、水飴等が挙げられる。これらの
糖類は単独又は2種以上を混合して用いることができ
る。本発明組成物中における糖類の割合は、固形分とし
て20〜55重量%、好ましくは25〜50重量%であ
る。糖類の割合が20重量%未満であると非常に軟らか
く、時には流動性を有するため多層状食品製造用には適
さず、また55重量%を超えると組成物が硬くなり過
ぎ、いずれの場合も本発明の目的を達成し得ない。
【0016】本発明の多層状食品製造用組成物は、生地
へのロールインや練込み時及びその後の作業に好適な硬
さとするために、必要に応じて増粘剤としてコーンスタ
ーチ、水溶性ガム質等を適宜量添加することができる。
また必要に応じて、フレーバー、着色料、保存料、呈味
料等を適宜添加することもできる。本発明の多層状食品
製造用組成物は、油脂様の可塑性を有する。
【0017】本発明の多層状食品製造用組成物を得るに
は、先ず水に所定割合の糖類を溶解させた後、この糖類
を溶解した水に、所定割合のマルトデキストリン及び必
要に応じてコーンスターチ、ガム質等を添加して均質機
等によって均一に分散させる。均質機としては、コロイ
ドミル、ホモゲナイザー、ホモミキサー等の一般に使用
されている均質機を用いることができる。
【0018】次いで、80〜100℃に加熱してマルト
デキストリンを糊化させる。マルトデキストリンが完全
に糊化するまでの加熱時間は、マルトデキストリンのD
Eや加熱温度等によっても異なるが、通常、80〜10
0℃で10〜60分間である。マルトデキストリンを糊
化させた後、必要に応じて再度均質機等によって均質化
を行い、次いで冷却することにより本発明の多層状食品
製造用組成物を得ることができる。この冷却は、30℃
以下の温度となるまで行うことが好ましい。
【0019】上記加熱にはクッカーを使用することがで
き、このクッカーにはジャケット式のバッチ型クッカ
ー、プレートヒーター式や水蒸気吹き込み式の連続型ク
ッカー等が使用される。上記加熱温度が80℃未満で
は、マルトデキストリンの糊化が不充分となり、その結
果、得られる組成物が軟らか過ぎ、、また100℃を超
える温度に加熱した場合には、マルトデキストリンのゲ
ル強度が低下して、必要な硬さを保持し得なくなる。
【0020】次に、本発明の組成物を用いて多層状食品
生地を製造する方法について述べる。
【0021】本発明の組成物を多層状食品製造用に用い
る場合、そのまま用いることもできるが、必要に応じて
30重量%以下の油脂類を含むものを用いることができ
る(以下、本発明の多層状食品製造用組成物100〜7
0重量%と、油脂0〜30重量%とからなる組成物を、
ロールイン用に用いる場合にはこれを総称してロールイ
ン材と呼び、練込みに用いる場合には練込み材と呼
ぶ。)。この油脂としては、従来からロールイン用、練
込み用として用いられているマーガリン、ショートニン
グ、バター、牛脂、ラード、魚油硬化油、並びに大豆
油、パーム油、ナタネ油等の植物油脂或いはこれらの硬
化油等を用いることができる。上記ロールイン材や練込
み材として、本発明の組成物に対し、30重量%以下の
油脂を含む組成物を用いる場合、これらの組成物は本発
明の組成物を製造した後、これと油脂とを混練して製造
することもできるが、本発明組成物製造時に予め油脂を
添加して製造しても良い。
【0022】本発明の組成物を用いて多層状食品生地を
製造する第1の方法は、ロールイン法によるものであ
り、この方法の第1の態様として、次のものが挙げられ
る。即ち、まず前記ロールイン材を所定の大きさに延展
した、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地に対
し、5〜60重量%塗布した後、該生地を折り返して上
記ロールイン材の塗布面を包み込む。
【0023】次いで上記ロールイン材を包み込んだ生地
の複数枚を配列させ、延展装置によって生地を延展す
る。この延展装置としては、特公昭52−20545号
公報に記載されている如く、それぞれ自由に回転し、且
つ同一の長円軌跡を公転する複数のローラー群と、この
ローラー群の下方に位置し順次速度が速くなるように形
成されたコンベアーとからなる延展装置を用いることが
できる。またその他の延展装置としては特開平2−23
1033号公報、特開平3−43036号公報、特開平
3−61441号公報等に記載されている如く、上流コ
ンベアと下流コンベアを連接して設けて下流コンベアを
上流コンベアよりも速く運行させるとともに、これらの
コンベア面と間隔をおいた上方に、コンベアの走行線に
沿って所定の区間を往復し移動方向にころがるローラー
を設けて行う延展装置を用いることができる。
【0024】上記延展装置によって延展した生地は複数
層に折り畳み、更にこの複数層に折り畳んだ生地の複数
枚を直列に配列させて前記延展装置によって延展し、更
に折り畳み、延展する操作を所望する折り畳み数となる
まで繰り返す。この折り畳み数(折り畳んだロールイン
材の層数)は通常8〜120層程度である。
【0025】このように、生地にロールイン材を挟み込
んだ後、所望の層数となるように折り畳むことによっ
て、目的とする多層状食品用生地が得られる。この生地
は、所定の形状に成形して熟成し、しかる後に焼成する
ことにより多層状食品を得ることができる。生地を所定
の形状に成形するには、クロワッサンモルダーやドウシ
ーター等が用いられる。また成形した生地の熟成時間は
35〜40℃で0.5〜2時間程度である。
【0026】多層状食品生地を製造する第2の態様で
は、まず厚み、幅、重量が一定の連続して供給される帯
状生地に延展した、小麦粉を主体とする多層状食品製造
用生地にロールイン材を前記方法と同程度の量を連続的
に塗布した後、該生地の両長辺を折り返して上記ロール
イン材塗布面を包み込む。次いでこの生地を延展した
後、所望の折り畳み数になるまで折り畳み延展を繰り返
す。
【0027】この連続帯状生地の折り畳みには、折り畳
み装置として特許庁公報昭和55年2月20日発行の周
知・慣用技術集37頁のパイラー、同38頁の板状の生
地を重ねるための装置のような手段を用いる。つまり生
地をコンベアーで連続して移送し、移送速度が折り畳み
装置において遅くなるようにして後方から送られてきた
部分を該折り畳み装置位置において停滞している部分に
折り重ねる方法が採用され、生地は少しずつ位置がズレ
ながら折り畳まれる。この折り畳み装置において折り畳
まれる生地の折り畳み数は、折り畳み装置における生地
の送り速度と、折り畳み装置の後方から送られてくる生
地の送り速度との比によって調整することができる。
【0028】上記のようにして所望する折り畳み数に折
り畳んだ生地は、前記したと同様の延展装置によって延
展して目的とする生地を得ることができる。
【0029】多層状食品生地を製造する第3の態様で
は、まず環状の隙間を有する生地押出ノズルより、多層
状食品製造用生地をチューブ状に押し出す一方、該生地
押出ノズルの内側に同心状に設けられた環状の隙間を有
するロールイン材押出ノズルから、ロールイン材をチュ
ーブ状に押し出して、前記生地のチューブ内面に上記ロ
ールイン材のチューブを一体化せしめた複合チューブを
形成する。
【0030】次いで、この複合チューブを偏平状に押し
潰して生地とロールイン材との長尺な積層体を形成し、
該積層体を前記と同様の折り畳み装置によって所望する
折り畳み数に折り畳み、次いで前記と同様の延展装置で
延展することによって目的とする生地を得ることができ
る。
【0031】上記各態様において、多層状食品製造用生
地に対するロールイン材の使用量は、生地100重量部
に対し、5〜60重量部が好ましい。また多層状食品製
造用生地としては、ブレッドフラワー、ケーキフラワー
等の小麦粉に対し、ベーキングパウダー、イーストフー
ド、塩、イースト、卵白、水等を主成分とし、必要に応
じて香料、マーガリン、粉ミルク、ドウ・コンディショ
ナー等や各種ビタミン類を添加して混練したものが好ま
しい。必要によって生地中にマーガリンを添加する場
合、マーガリンの添加量は本発明の組成物を用いる目的
を阻害しない程度の量、通常、生地中に30重量%以下
とすることが好ましい。
【0032】本発明の組成物を用いて多層状食品生地を
製造する第2の方法は、練込み法によるものであり、こ
の方法の第1の態様として、次のものが挙げられる。即
ち、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地中に、上
記練込み材を練込んだ後、生地の積層、延展を必要な積
層数となるまで行う方法である。この方法では練込み材
を小麦粉や水等と一緒に混捏して生地を得る方法と、一
旦、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地を製造し
た後、この生地中に練込み材を練込む方法の2つの方法
が採用できる。
【0033】またこの方法の第2の態様としては、小麦
粉を主体とする多層状食品製造用生地を一旦得た後、こ
の生地で練込み材を包み、次いで軽く混捏し、練込み材
を混捏した後の生地の積層、延展を行わずに多層状食品
用生地を得る方法である。
【0034】上記生地の具体例としては、例えば以下の
ものが挙げられる。
【0035】 デニッシュ用生地の具体例 ・小麦粉(ブレッドフラワー80.0重量%+ ケーキフラワー20.0重量%) 100重量部 ・ベーキングパウダー 0.3重量部 ・イーストフード 1.5重量部 ・食塩 1.6重量部 ・脱脂粉乳 1.6重量部 ・イースト 8.0重量部 ・砂糖 5.2重量部 ・卵白 3.0重量部 ・バニラ香料 0.5重量部 ・オレンジ香料 0.5重量部 ・ドウ・コンディショナー 0.3重量部 ・水 50.0重量部 ・ビタミンB2 0.0013重量部 ・ビタミンB6 0.0013重量部
【0036】 クロワッサン用生地の具体例 ・ブレッドフラワー 100重量部 ・食塩 2.0重量部 ・砂糖 8.0重量部 ・イースト 8.0重量部 ・ドウ・コンディショナー 1.75重量部 ・脱脂粉乳 2.5重量部 ・バターフレーバー 0.25重量部 ・水 50.0重量部
【0037】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。尚、実施例、比較例における配合は全
て重量部である。
【0038】実施例1〜2、比較例1〜2 表1に示す組成に基づき、先ず水に砂糖を溶解させた
後、これにマルトデキストリンまたは粉飴を分散させ、
ホモゲナイザーで均質化し、次いで85℃にて30分間
加熱した後、更にホモゲナイザーで均質化して30℃以
下まで冷却した。実施例1〜2で得られた組成物は油脂
様の可塑性を有していたが、比較例1で得られた組成物
は粘着性のある糊状の液体であった。比較例2で得られ
た組成物は組織が脆く、硬く可塑性に乏しいものであっ
た。
【0039】
【表1】
【0040】実施例3〜4、比較例3〜4 表2に示す配合により、先ず水に砂糖を溶解させた後、
マルトデキストリンを分散させてホモゲナイザーで均質
化し、次いで85℃にて30分間加熱した後、更にホモ
ゲナイザーで均質化して30℃以下まで冷却した。実施
例3、4で得られた組成物は油脂様の良好な可塑性を有
していたが、比較例3で得られた組成物は粘りのある液
体で可塑性を有しておらず、また比較例4で得られた組
成物は組織が脆く硬い可塑性に乏しいものであった。
【0041】
【表2】
【0042】実施例5〜6、比較例5〜6 表3に示す配合により、先ず水に砂糖を溶解させた後、
マルトデキストリンを分散させてホモゲナイザーで均質
化し、次いで95℃にて15分間加熱した後、更にホモ
ゲナイザーで均質化して30℃以下まで冷却した。実施
例5、6で得られた組成物は油脂様の良好な可塑性を有
していたが、比較例5で得られた組成物は軟らかく可塑
性のない組成物であり、また比較例6で得られた組成物
は組織が脆く硬い可塑性に乏しいものであった。
【0043】
【表3】
【0044】実施例7〜8、比較例7〜8 水30重量部に砂糖40重量部を溶解させた後、これに
マルトデキストリン(DE=5)30重量部を分散させ
てホモゲナイザーで均質化し、次いで実施例7は85
℃、実施例8は95℃、比較例7は70℃、比較例8は
110℃にて、実施例7と比較例7は30分間、実施例
8と比較例8は15分間加熱した。加熱終了後、更にホ
モゲナイザーで均質化して30℃以下まで冷却した。実
施例7、8で得られた組成物は油脂様の良好な可塑性を
有していたが、比較例7、8で得られた組成物は軟らか
すぎて可塑性に欠けていた。
【0045】実施例9 前記具体的に示したデニッシュ用生地に対し、実施例
1、3、5で得た組成物を、各々そのままロールイン用
材として、生地100重量部当たり、ロールイン材20
重量部の割合で用いた。デニッシュ用生地Iとロールイ
ン材との積層法としては、生地とロールイン材とを同心
状に設けられた2つの環状ノズルからそれぞれチューブ
状に押し出して生地のチューブの内側にロールイン材の
チューブが一体となった複合チューブを形成し、この複
合チューブを偏平に押し潰した後に折り畳み装置で折り
畳み、次いで延展装置で延展する方法を採用した。尚、
折り畳み数は36に設定した。
【0046】このようにしてロールイン材と積層した生
地をデニッシュ成形機で所定形状に成形した後、1時間
熟成し、次いで焼成してデニッシュを得た。これらのデ
ニッシュはいずれも層空間の一定した均質な層を有し、
外観、触感、食感共に従来のロールイン用油脂を用いた
ものと比較して同等であった。またこれら、実施例1、
3、5の組成物を用いて得た各デニッシュのカロリー
は、それぞれ230kcal/100g、244kcal/100g、2
34kcal/100gで、従来に比較して低カロリーであっ
た。
【0047】比較例9 ロールイン材としてマーガリン(油脂分82重量%含
有)を用いた他は、実施例9と同様にしてデニッシュを
得た。得られたデニッシュは外観、内層状態、触感、食
感全て良好であったが、カロリーは357kcal/100gと
高かった。
【0048】比較例10 ロールイン材として比較例2で得た組成物を用いた他は
実施例9と同様にしてデニッシュの製造を試みたが、延
展作業が困難で、デニッシュとしての製品を得られなか
った。
【0049】実施例10 ロールイン材として、実施例1で得た組成物80重量部
にロールイン用マーガリン20重量部を添加して混練し
たものを用いた他は実施例9と同様にしてデニッシュを
得た。得られたデニッシュは均一な層を有し、外観、触
感、食感共に従来のロールイン用油脂を用いたものと変
わらず、カロリーも250kcal/100gと比較的低カロリ
ーであった。
【0050】実施例11 前記具体的に示したクロワッサン用生地に対し、実施例
2、4、6で得た組成物を、各々そのままロールイン材
として、生地100重量部当たり、ロールイン材27重
量部の割合で用いた。まずクロワッサン用生地を厚さ3
0mm、幅400mm、長さ100mm当たりの重量1140
gの長尺状に延展し、この生地の略中央部にロールイン
材を塗布した後、生地の両長辺から折り返して該折り返
し部によってロールイン材を包み込み、これを延展して
8層に折り畳み、更にこれを延展し再度6層に折り畳ん
で48層とした。次に、前記延展装置によって延展した
後、クロワッサン形成機によってクロワッサン形状に成
形し、1時間熟成した後、焼成してクロワッサンを得
た。
【0051】得られたクロワッサンは、実施例2、4、
6の組成物を用いて得たクロワッサンのいずれも、外
観、内層状態、触感、食感共に従来のロールイン用油脂
を用いたものと変わらず、しかもこれらのクロワッサン
のカロリーは、それぞれ232kcal/100g、249kcal
/100g、253kcal/100gと低カロリーであった。
【0052】比較例11 ロールイン材としてショートニング(油脂分100%)
を用いた他は、実施例11と同様にしてクロワッサンを
得た。得られたクロワッサンは外観、内層状態、触感、
食感全て良好であったが、カロリーは393kcal/100g
と高かった。
【0053】実施例12 ロールイン材として、実施例4で得た組成物80重量部
にロールイン用マーガリン20重量部を添加して混練し
たものを用いた他は実施例11と同様にしてクロワッサ
ンを得た。得られたクロワッサンは外観、内層状態、触
感、食感共に従来のロールイン用油脂を用いたものと変
わらず、カロリーも266kcal/100gと比較的低カロリ
ーであった。
【0054】比較例12 ロールイン材として比較例6で得た組成物を用いた他は
実施例11と同様にしてクロワッサンの製造を試みた
が、生地の延展作業がスムーズに行えず、クロワッサン
としての製品は得られなかった。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明の多層状食品
製造用組成物は、油脂を含まない組成物でありながら、
従来のロールイン用油脂、練込み用油脂の代替として用
いて多層状食品を製造することができ、しかも油脂を含
まないため多層状食品の低カロリー化に貢献できる。ま
た本発明の多層状食品製造用組成物の製造方法によれば
上記多層状食品製造用組成物を確実に製造することがで
きる。
【0056】また本発明の多層状食品生地の製造方法に
よれば、得られた生地を熟成後、焼成することにより、
油脂を含まないか又は少量しか含まないにも拘らず、一
定して均質な層状を呈し、且つ外観、触感、食感共に従
来のロールイン用油脂、練込み用油脂を用いたものに比
しても劣らず、更にローファット又はノンファットで低
カロリーであるという特色を有するダイエットに適した
多層状食品の得られる多層状食品生地を製造することが
できる効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−260830(JP,A) 特開 昭55−114255(JP,A) 特開 昭62−96031(JP,A) 特開 昭52−96769(JP,A) 特開 平2−39843(JP,A) 特開 昭62−104545(JP,A) 特開 平3−187340(JP,A) 特開 昭61−224931(JP,A) 特開 昭56−51948(JP,A) 特開 昭47−23555(JP,A) 特開 平4−258242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/18 - 13/08 B32B 9/02 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デキストリン当量が20以下のマルトデ
    キストリン15〜35重量%、単糖類及び/又は二糖類
    を主体とする糖類20〜55重量%、水10〜65重量
    %とが均質に混練されてなる油脂様の可塑性を有するこ
    とを特徴とする多層状食品製造用組成物。
  2. 【請求項2】 単糖類及び/又は二糖類を主体とする糖
    類を溶解させた水に、デキストリン当量が20以下のマ
    ルトデキストリンを分散させてなる、マルトデキストリ
    ン15〜35重量%、糖類20〜55重量%、水10〜
    65重量%を含む混合物を均質化し、次いで、この混合
    物を80〜100℃に加熱してマルトデキストリンを糊
    化させた後、冷却することを特徴とする多層状食品製造
    用組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多層状食品製造用組成物
    100〜70重量%と、油脂0〜30重量%とからなる
    ロールイン材を、小麦粉を主体とする多層状食品製造用
    生地で包んでシート状生地とした後、該生地を積層し、
    延展することを特徴とする多層状食品用生地の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の多層状食品生地の製造方
    法において、前記ロールイン材を、所定の大きさに延展
    した、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地に塗布
    した後、該生地を折り返してロールイン材の塗布面を包
    み込み、次いで上記ロールイン材を包み込んだ生地を延
    展装置によって延展した後、複数層に積層し、更に該複
    数層に積層した生地を前記延展装置によって延展し、ま
    たは更に積層、延展を繰り返して所望の折り畳み数とす
    ることを特徴とする多層状食品生地の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の多層状食品生地の製造方
    法において、前記ロールイン材を、連続的に供給される
    帯状の、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地に塗
    布した後、該生地の両長辺を折り返して上記ロールイン
    材の塗布面を包み込み、次いで該生地を延展装置によっ
    て延展した後、積層、延展を繰り返して所望の折り畳み
    数とすることを特徴する多層状食品生地の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の多層状食品生地の製造方
    法において、環状の隙間を有する生地押出ノズルより、
    小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地をチューブ状
    に押し出す一方、該生地押出ノズルの内側に同心状に設
    けられた環状の隙間を有するロールイン材押出ノズルか
    ら、前記ロールイン材をチューブ状に押し出して前記生
    地のチューブ内面に上記ロールイン材のチューブを一体
    化せしめた複合チューブを形成し、次いで該複合チュー
    ブを偏平状に潰して生地とロールイン材との連続の積層
    体を形成した後、該積層体を延展装置によって延展し、
    次いで積層、延展を行って所望の層数の生地とすること
    を特徴とする多層状食品生地の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の多層状食品製造用組成物
    100〜70重量%と、油脂0〜30重量%とからなる
    組成物を、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地中
    に練込んだ生地を得、次いで該生地の積層、延展を行っ
    て所望の層数の生地とすることを特徴とする多層状食品
    生地の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の多層状食品製造用組成物
    100〜70重量%と、油脂0〜30重量%とからなる
    組成物を、小麦粉を主体とする多層状食品製造用生地で
    包んで混捏することを特徴とする多層状食品用生地の製
    造方法。
JP04113117A 1992-04-06 1992-04-06 多層状食品製造用組成物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状食品生地の製造方法 Expired - Lifetime JP3090777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04113117A JP3090777B2 (ja) 1992-04-06 1992-04-06 多層状食品製造用組成物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状食品生地の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04113117A JP3090777B2 (ja) 1992-04-06 1992-04-06 多層状食品製造用組成物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状食品生地の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05284895A JPH05284895A (ja) 1993-11-02
JP3090777B2 true JP3090777B2 (ja) 2000-09-25

Family

ID=14603949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04113117A Expired - Lifetime JP3090777B2 (ja) 1992-04-06 1992-04-06 多層状食品製造用組成物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状食品生地の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3090777B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100316946B1 (ko) * 1999-04-20 2001-12-22 임승택 전분 덱스트린을 함유한 무지방 옐로우 레이어 케익 및 그 제조방법
KR100737823B1 (ko) * 2006-04-26 2007-07-10 조남지 제빵용 유지대체 밀가루 조성물 및 이를 이용한 빵
KR101395263B1 (ko) * 2012-08-31 2014-05-15 주식회사크라운제과 상단 면에 초콜렛 층을 형성하는 다층구조의 케이크 제조 방법 및 조성물
KR101346154B1 (ko) * 2013-10-11 2014-01-02 정윤서 고리형 다층 빵의 제조방법
JP6721386B2 (ja) * 2016-04-06 2020-07-15 株式会社Adeka 製パン練り込み用水性液

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05284895A (ja) 1993-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0311240A2 (en) A method of producing frozen dough
DE60132669T2 (de) Verfahren zur herstellung eines teigproduktes
CN105392371B (zh) 烘焙产品用巧克力类、烘焙产品及其制造法
JP2894946B2 (ja) プレッツェルおよびその製造方法
CA2197040A1 (en) Process for preparing an edible laminated dough and edible lamination dispersion therefor
JP6031231B2 (ja) 焼き菓子類用組成物及び焼き菓子
JP3090777B2 (ja) 多層状食品製造用組成物、その組成物の製造方法及び該組成物を用いた多層状食品生地の製造方法
JP5214536B2 (ja) フラワーペースト類
US6126977A (en) Method of making laminated pizza crust
JP3934667B1 (ja) 米粉を含んだ菓子及びその製造方法
DE2844992C2 (ja)
CN107846907B (zh) 硬饼干及其制造方法
WO2001064039A1 (en) Frozen filled yeast-leavened bread product and a method for making the product
JP2003524426A5 (ja)
EP0975229B1 (en) Method for making reduced fat dough and compositions resulting therefrom
JP2005512581A (ja) コーン
JP3673259B2 (ja) 餅様食品素材の製造方法
JP3546692B2 (ja) 折り込み用油脂組成物
JP2919582B2 (ja) 積層菓子の製造方法
DE69923070T2 (de) Gefrorener kuchenteig mit guten gaereigenschaften
JP2919537B2 (ja) 複合積層生地
JP4318432B2 (ja) 加糖ロールイン油脂組成物
JP4419632B2 (ja) ロールイン用油中水型乳化組成物
JPH0793858B2 (ja) 複層菓子の製造方法
JP4284921B2 (ja) シート状油中水型乳化油脂組成物およびその製造法並びにそれを用いた層状膨化食品

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070721

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080721

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721

Year of fee payment: 12