JP3090734B2 - 塊状食品の切断装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、玉葱等を切断加工する
に好適な塊状食品の切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複数の刃を適宜間隔を開けて平行に並
べ、これらの刃に玉葱等の塊状の食品を相対的に押圧
し、この食品をスライス状に細断する切断装置が実公昭
３６−２０７５３号等として従来より公知である。とこ
ろで、このような刃は通常先端において薄く、基部にお
いて厚くなるので、隣接する刃の対向面間の距離は先端
部よりも基部のほうが小さくなり、先端部で切断された
食品が刃と刃との間を通過すると、食品の切断面が基部
において刃の対向面に押し潰され、組織が崩れて変質し
易くなるものであった。

【０００３】そこで、円弧状の縦刀身と横刀身とを多数
配列交差して半球状の庖丁となし、庖丁の厚みによる抵
抗を解消するために、各刀身が形成する空透を、内側が
狭く外側に至るに従い次第に広くなし、この庖丁を切台
に嵌着して、押圧面が半球状の切盤で押切るようにして
なる押切庖丁が実公昭３５−２８３４４号に開示されて
いる。 しかし、このものは、刀身を円弧状に形成すると
共に、刀身間の間隔を微妙に調節して放射状に配置して
あるため、刀身の加工及び組み立てが面倒で製造コスト
が高くつくという欠点がある。

【０００４】

【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、切断された
食品が切断刃の間を通過する際に押し潰されることがな
く、切断加工に伴う変質を防ぐことができ、しかも切断
刃の加工及び組み立てが簡単な塊状食品の切断装置を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の塊状食品の切断
装置は、上記課題を解決するために、複数の切断刃が平
行に配設された切断部と、前記切断刃の先端に対向さ
れ、前記切断部に近接離間自在に移動可能な食品押圧体
とより成り、前記切断刃は前記食品押圧体の移動方向に
おいて、中央に位置するものが前記食品押圧体から遠
く、外側に位置するものが近くなるように順次凹状に配
置され、切断刃の基部側面をこれに対向する切断刃の刃
先部側面の傾斜と平行に形成して、隣接する切断刃の対
向面間の距離を食品押圧体の移動方向の全長に亘って一
定としたことを特徴とする構成を有する。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

【０００７】図２及び図３において、１は塊状食品の切
断装置であって、複数の切断刃２を平行に配設した切断
部３と、切断刃２の先端に対向し、切断部３に近接離間
自在に摺動する食品保持装置４と、切断部３及び食品保
持装置４を支持する平面円形の架台５とを備える。

【０００８】食品保持装置４は、架台５の略中央部に切
断刃２の先端に対向するように配置され、中心軸に沿っ
て切断刃２に近接離間自在にピストン運動する食品押圧
体６と、切断刃２の上方周縁部において円周を３等分す
る位置に配置され、玉葱等の塊状の食品９を下方から支
持する食品支持部７とより成る。

【０００９】食品支持部７の内面には円心方向下方に向
けて弾性体からなる抑え部材８がそれぞれ突出され、該
抑え部材８には上方に向けて弾発力が加えられており、
基部を中心に上下に移動可能に支持されている。

【００１０】また、抑え部材８の長さは、図４に示すよ
うに、食品９の大きさによって変え得るようになってい
る。

【００１１】切断部３を構成する切断刃２は全て同じ長
さを有し、図５に示すように、長手方向中央の下端基部
に嵌合切り欠き１０が形成され、図１に示すように、そ
の上部は中央に位置する一枚のみを両刃とし、他の切断
刃２を片刃とし、架台５の両側部に亘って等間隔で平行
に設置されている。

【００１２】また、切断刃２の上部先端は、食品押圧体
６の移動方向において中央に位置するものが食品押圧体
６から最も遠距離となり、側縁に向かうにしたがって食
品押圧体６に近付くように、凹状に配置され、切断刃２
の長手方向中央には切断刃２に交差する上部を両刃にし
た半截刃１１が設けられている。

【００１３】そして、中央の切断刃２以外の切断刃２
は、上端の刃先部分の傾斜面が下方に行くにしたがって
外方に向くように配設されると共に、内側面の下端基部
はその内側に対向する切断刃２の刃先部分の傾斜と平行
に傾斜するよう形成されており、しかも、内側面が軸方
向に沿った傾斜していない部分は、外側の切断刃２が内
側の切断刃２より上方に存在していて、隣接する切断刃
２の対向面間の距離が食品の摺動方向の全長に亘って一
定となっている。

【００１４】また、半截刃１１は、図６に示すように、
その上方先端が側面視で凹状となるように傾斜してお
り、先端部に切断刃２の間隔と等間隔で切り込み１２が
形成されている。

【００１５】切り込み１２は全て同じ深さに形成されて
おり、これらの切り込み１２に切断刃２をそれぞれ嵌め
込むことによって切断刃２が凹状に設置され、切断刃２
の嵌合切り欠き１０に半截刃１１が嵌合されている。

【００１６】次に、この塊状食品の切断装置１の作用に
ついて説明する。

【００１７】先ず、食品９を、図４に示すように、食品
保持装置７の抑え部材８の上に載せ、食品９の上方から
食品押圧体６を中心軸に沿って切断装置３方向に進め
る。

【００１８】すると、抑え部材８の弾発力によって食品
９を下方から支持したまま、食品保持装置７が下方に移
動し、食品９は切断刃２及び半截刃１１の先端に押し付
けられ、さらに食品押圧体６が前進すると、食品９は切
断刃２によって薄くスライスされると共に、半截刃１１
によってスライス片の中央から半截される。

【００１９】この時、隣接する切断刃２の対向面間の距
離は高さ方向の全長に亘って一定なので、スライス片が
切断刃２の下部を通過する際に側方から押圧力を受ける
ことがない。

【００２０】また、食品押圧体６が限界まで前進し、食
品９が切断されると、食品押圧体６は切断部３から遠ざ
かるように後退し、抑え部材８が弾発力によって上方に
移動し、新たに別の食品９が食品押圧体６と抑え部材８
との間に装着され、同様にして切断作業が繰り返され
る。

【００２１】

【発明の効果】本発明の塊状食品の切断装置は、複数の
切断刃を、隣接する切断刃の対向面間の距離が一定とな
るように配設したので、食品押圧体によって切断刃に押
し付けられ、スライスされた食品が切断刃と切断刃との
間を通過する際に、側方から押圧力を受けて押し潰され
ることがなく、切断加工に伴う食品の切断面の組織の変
質を防止することができる。また、同形の切断刃を食品
押圧体の接離方向にずらして平行に並べるだけで、切断
刃間の距離が一定になるため、切断刃の加工及び組み立
てが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る塊状食品の切断装置の切
断部の要部縦断面図

【図２】本発明の実施例を示す塊状食品の切断装置の縦
断面図

【図３】本発明の実施例を示す塊状食品の切断装置の平
面図

【図４】本発明の実施例に係る塊状食品の切断装置の要
部縦断面図

【図５】本発明の実施例に係る切断刃の側面図

【図６】本発明の実施例に係る半截刃の側面図

【符号の説明】

１ 塊状食品の切断装置 ２ 切断刃 ３ 切断部 ４ 食品保持装置 ５ 架台 ６ 食品押圧体 ７ 食品支持部 ８ 抑え部材 ９ 食品 １０ 嵌合切り欠き １１ 半截刃 １２ 切り込み

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の切断刃が平行に配設された切断部
   と、前記切断刃の先端に対向され、前記切断部に近接離
   間自在に移動可能な食品押圧体とより成り、前記切断刃
   は前記食品押圧体の移動方向において、中央に位置する
   ものが前記食品押圧体から遠く、外側に位置するものが
   近くなるように順次凹状に配置され、前記切断刃の基部
   側面をこれに対向する切断刃の刃先部側面の傾斜と平行
   に形成して、隣接する切断刃の対向面間の距離を食品押
   圧体の移動方向の全長に亘って一定としたことを特徴と
   する塊状食品の切断装置。