JP3089674B2 - 反強磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

反強磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッド

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JP3089674B2 JP3983991A JP3983991A JP3089674B2 JP 3089674 B2 JP3089674 B2 JP 3089674B2 JP 3983991 A JP3983991 A JP 3983991A JP 3983991 A JP3983991 A JP 3983991A JP 3089674 B2 JP3089674 B2 JP 3089674B2
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/002Antiferromagnetic thin films, i.e. films exhibiting a Néel transition temperature
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い耐食性を有する反
強磁性膜に関し、特に磁気ディスク装置などで用いられ
る磁気ヘッドにおける磁気抵抗効果素子のバルクハウゼ
ン・ノイズを抑止するために用いられる反強磁性薄膜に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーマロイ(Niを35〜90重量%含
むNi−Fe系高透磁率合金の総称)を用いた磁気抵抗
効果素子のバルクハウゼン・ノイズを抑止するために、
パーマロイ薄膜に反強磁性薄膜を少なくとも一部に接触
させ、反強磁性薄膜からのバイアス磁界によってパーマ
ロイの磁壁移動を抑止する方法が既に提案された(特開
昭62−40610,同63−117309参照)。反
強磁性薄膜用材料としては、Fe−Mn合金が用いられ
る。しかるに、Fe−Mn合金膜を含む磁気抵抗効果素
子の一部は、通常、大気に曝されるため、耐食性に劣る
Fe−Mn合金の腐食が問題となる。Fe−Mn合金の
低い耐食性は、上記方法の実用性を阻害する。そこで、
Fe−Mn系合金の耐食性を改善するために、該合金に
Ti,Rh,またはCr等を添加することが提案された
(特開昭63−273372,特開平1−21389参
照)。しかし、Ti,Rh、またはCrの添加されたF
e−Mn系合金薄膜の耐食性は未だ満足できるものでは
なく、耐食性の更なる改善が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かくて、本発明の主た
る目的は、Fe−Mn系合金の耐食性を、Ti,Rh、
またはCrを含むFe−Mn合金よりも改善し、もって
実用性の高い反強磁性薄膜を提供することである。な
お、本明細書中で、Fe−Mn合金とは、反強磁性材料
として実用される範囲内のものであって、そのFeに対
するMnの原子%比が15/85〜70/30のもの
(Fe−Mn2元合金としては、Mn含有量が15〜7
0原子%のもの)を意味する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点によ
れば、Ir,Ru,Zr,Nb,Ge,V,Co,H
f,PtおよびPdから成る群から選ばれた少なくとも
一つを、第三合金元素Xとして0.1〜20原子%量、
Fe−Mn合金に添加すると、耐食性が向上する。これ
らの元素中でも、とりわけ、IrとRuの添加効果が顕
著である。元素Xは、反強磁性材としてのFe−Mn合
金の特性を概ね劣化させることのない範囲内で添加さ
れ、Fe−Mn合金の耐食性を向上させ得る。元素X
は、Fe−Mn合金中で固溶体として存在し、酸化性雰
囲気中で元素Xを主成分とする強固な酸化膜を形成する
か、または合金自体の特性を変化させることによってF
e−Mn合金の耐食性を向上させる。第三合金元素Xと
しての、推奨されるIr添加量は4〜15原子%であ
り、同じくRu添加量は5.5〜15原子%である。
【0005】本発明の第二の観点によれば、Fe−Mn
−X合金に、更なる添加元素として、Ru,Rh,P
t,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,
W,Ni,Cu,Al,SiおよびGeから成る群から
選ばれた少なくとも一つを添加することによって、その
耐食性がより向上する。
【0006】第三合金元素XがIrである場合について
言えば、Fe−Mn−Ir合金に、第四合金元素群とし
てRu,RhおよびPtから選ばれた少なくとも一つを
添加し、Fe−Mnに対する添加元素の合計量を4〜1
5原子%とすることによって、更に耐食性に優れ、バイ
アス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ることができる。た
だし第四合金元素の総添加量はIrの添加量を越えない
ものとする。また、Fe−Mn−Ir合金に、Ti,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Niおよ
びCuから成る群から選ばれた少なくとも一つを、0.
1〜2原子%添加することも、耐食性向上のためより有
効である。
【0007】第三合金元素XがRuである場合について
言えば、Fe−Mn−Ru合金に、第四合金元素群とし
てRhおよび/またはPtを添加し、Fe−Mnに対す
る添加元素の合計量を5.5〜15原子%とすることに
よって、Fe−Mn−Ru合金よりも耐食性に優れ、バ
イアス磁界の大きい反強磁性薄膜を得ることができる。
ただし、第四合金元素の総添加量はRuの添加量を越え
ないものとする。Fe−Mn−Ru合金に、Ti,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,C
u,Al,SiおよびGeから成る群から選ばれた少な
くとも一つを0.1〜2原子%添加することも、耐食性
向上のためにより有効である。
【0008】
【作用】かかる耐食性の改善された反強磁性薄膜を、磁
気抵抗効果素子の少なくとも一部に用いることにより、
バルクハウゼン・ノイズのなく、実用的な耐食性を有す
る磁気抵抗効果素子を得ることができる。そして、該磁
気抵抗効果素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に用いる
ことにより、バルクハウゼン・ノイズのない高感度磁気
ヘッドを得ることができる。さらに、磁気ヘッドにおけ
るシールド層あるいは記録磁極を軟磁性膜と反強磁性膜
から成る2層膜とすることによって、ヘッド記録動作し
た後も、シールド層または磁極には再現性よく同じ磁区
構造が実現されるので、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘ
ッド)の出力変動が生ぜず、安定した出力が得られる。
【0009】本発明の他の特徴は、図面を引用いた以下
の実施例の説明によって、より明確になされるだろう。
【0010】
【実施例】
[実施例1] 反強磁性薄膜およびパーマロイ薄膜の作製にはイオンビ
ーム・スパッタリング装置を用いた。スパッタリングは
以下の条件で行った。
【0011】 イオンガス・・・Ar 装置内Arガス圧力・・・2.5×10-2Pa 蒸着用イオンガン加速電圧・・・400V 蒸着用イオンガンイオン電流・・・60mA ターゲット基板間距離・・・127mm 基板にはコーニング社製7059ガラスを用いた。ま
ず、基板上に、膜厚40nmのパーマロイ薄膜を形成
し、その上に、従来例の膜厚50nmのFe−Mn合金
薄膜、Fe−Mn合金にTi,Rh,Crを添加した合
金薄膜、および本発明のFe−Mn−Ir合金薄膜を、
それぞれ形成した複数の試料を用意した。
【0012】形成された薄膜を温度60℃,湿度90%
の環境に7日間放置し、その耐食性を比較した。耐食性
は、耐食性試験前のFe−Mn系合金からパーマロイ薄
膜に印加されるバイアス磁界と、試験後のバイアス磁界
との比によって評価した。この比が1.0の時に、上記
恒温恒湿試験を行なっても、バイアス磁界が変化しない
ことを示す。また、この比が0の時、上記恒温恒湿試験
により、Fe−Mn系合金薄膜が完全に腐食して、バイ
アス磁界が消失したことを示す。
【0013】図1に、添加したIr濃度と試験前後のバ
イアス磁界の比との関係を示す。図中、11はIr添加
による耐食性の変化、12はTi添加による耐食性の変
化、13はRh添加による耐食性の変化、14はCr添
加による耐食性の変化である。この図のように、Ir濃
度が0%、すなわち、Irを添加していないFe−Mn
合金は、耐食性が悪く、恒温恒湿試験によって、バイア
ス磁界は30%程度に減少している。これに対し、Ir
を0.1原子%以上添加すると、耐食性は向上する。ま
た、Irを4原子%以上添加した合金薄膜は、全く腐食
せず、パーマロイに印加されるバイアス磁界の変化がな
い。
【0014】以上の結果から、Fe−Mn合金にIrを
添加した合金は、Irを添加しない合金に比べて、優れ
た耐食性を示すことがわかった。また、第1図のよう
に、特開昭63−273372、特開平1−21381
9に記載の、Ti,Rh,Crを添加した合金よりも、
Irを添加した合金の方が、少ない添加量で耐食性を改
善できる。
【0015】なお、上記のFe−Mn系合金のFeとM
nの組成比は約5:4であるが、Fe−Mn系合金が反
強磁性を示す限り、FeとMnの組成比が変化しても、
上記の添加元素による耐食性の向上は、上記実施例と同
様となる。
【0016】また、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0017】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0018】 [実施例2] 実施例1と同様の方法で、パーマロイ薄膜上にFe−M
n−Ir合金薄膜を重ねた試料を作製した。Fe−Mn
系合金よりパーマロイ薄膜に印加されるバイアス磁界と
添加したIr元素濃度との関係を図2に示す。同図のよ
うに、Fe−Mn合金にIrを添加すると、バイアス磁
界は減少する。Ir濃度を15原子%以下にすると、5
Oe以上のバイアス磁界が得られる。実施例1では、I
rを4原子%以上添加すると良好な耐食性を示すことを
示した。従って、良好な耐食性および5Oe以上のバイ
アス磁界を同時に得るためには、Ir濃度を4〜15原
子%とすることが好ましい。
【0019】また、図2のように、10Oe以上のバイ
アス磁界を得るためには、Ir濃度を11原子%以下に
する必要がある。従って、良好な耐食性および10Oe
以上のバイアス磁界を同時に得るためには、Ir濃度を
4〜11原子%とすることが好ましい。
【0020】また、図2のように、15Oe以上のバイ
アス磁界を得るためには、Ir濃度を7.5原子%以下
にする必要がある。従って、良好な耐食性および15O
e以上のバイアス磁界を同時に得るためには、Ir濃度
を4〜7.5原子%とすることが好ましい。
【0021】なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0022】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0023】 [実施例3] 実施例1と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ir合金に第4の元素としてRu,Rh,P
tを添加した合金薄膜を形成した。Ir濃度は、7.5
原子%、Ru,Rh,Pt濃度は3.0原子%とした。
また、比較例として、パーマロイ薄膜上に、Irを1
0.5原子%添加したFe−Mn−Ir合金薄膜を形成
した。
【0024】形成した薄膜を温度60℃,湿度90%の
環境に14日間置き、その耐食性を比較した。耐食性
は、耐食性試験前のFe−Mn系合金よりパーマロイ薄
膜に印加されるバイアス磁界と、試験後のバイアス磁界
との比によって評価した。
【0025】添加元素と試験前後のバイアス磁界の比と
の関係を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示すごとく、Ru,Rh,Ptを添
加することにより、耐食性がさらに向上する。また、R
u,Rh,Ptの添加によるバイアス磁界の減少は、I
r添加の時とほぼ同様であるため、良好な耐食性および
5Oe以上のバイアス磁界を同時に得るためには、Ir
と添加元素の合計の濃度を4〜15原子%とすることが
好ましい。
【0028】また、良好な耐食性および10Oe以上の
バイアス磁界を同時に得るためには、Irと添加元素の
合計の濃度を4〜11原子%とすることが好ましい。ま
た、良好な耐食性および15Oe以上のバイアス磁界を
同時に得るためには、Irと添加元素の合計の濃度を4
〜7.5原子%とすることが好ましい。
【0029】なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0030】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0031】 [実施例4] 実施例1と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ir合金にTi,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,W,Ni,Cuを添加した合金薄膜を
形成した。Ir濃度は、7.5原子%、添加元素濃度は
2原子%とした。
【0032】形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の
環境に14日間放置し、その耐食性を比較した。耐食性
は、耐食性試験前のFe−Mn系合金よりパーマロイ薄
膜に印加されるバイアス磁界と、試験後のバイアス磁界
との比によって評価した。
【0033】添加元素と試験前後のバイアス磁界の比と
の関係を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示すごとく、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Cuを第4の
元素として添加することにより、耐食性がさらに向上す
る。また、これらの添加元素濃度が0.1原子%以上に
おいて、上記添加元素の効果が生じる。また、添加元素
濃度を2原子%より多くしても、添加元素濃度2原子%
の時と耐食性はほぼ同等である。バイアス磁界は、添加
元素量にほぼ比例して減少する。以上の結果より、T
i,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,N
i,Cuの添加量は0.1〜2原子%が好ましい。
【0036】なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0037】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0038】 [実施例5] 実施例1〜4で論じたパーマロイ薄膜上にFe−Mn系
合金薄膜を重ねた試料を用いて、磁気抵抗効果素子を作
製した。磁気抵抗効果素子の印加磁界による出力変化を
調べたところ、バルクハウゼンノイズのない磁気抵抗効
果素子が得られたことが確認された。
【0039】また、上記磁気抵抗効果素子を用いた磁気
ヘッドには、バルクハウゼンノイズによる再生波形の歪
みは見られなかった。
【0040】 [実施例6] 反強磁性薄膜およびパーマロイ薄膜の作製にはイオンビ
ーム・スパッタリング装置を用いた。スパッタリングは
以下の条件で行った。
【0041】イオンガス・・・Ar 装置内Arガス圧力・・・2.5×10-2Pa 蒸着用イオンガン加速電圧・・・400V 蒸着用イオンガンイオン電流・・・60mA ターゲット基板間距離・・・127mm 基板にはコーニング社製7059ガラスを用いた。ま
ず、基板上に膜厚40nmのパーマロイ薄膜を形成し、
その上に、従来例の膜厚50nmのFe−Mn合金薄
膜、Fe−Mn合金にTi,Rh,Crを添加した合金
薄膜、および本発明のFe−Mn−Ru合金薄膜をそれ
ぞれ形成した複数の試料を用意した。Ru,Ti,R
h,Crの添加量はそれぞれ、8.4,12.5,12.
0,10.0原子%とした。
【0042】形成した薄膜を温度60℃、湿度90%の
環境に置き、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性
試験前のFe−Mn系合金よりパーマロイ薄膜に印加さ
れるバイアス磁界と、試験後のバイアス磁界との比よっ
て評価した。この比が1.0の時に、上記恒温恒湿試験
を行なっても、バイアス磁界が変化しないことを示す。
また、この比が0の時、上記恒温恒湿試験により、Fe
−Mn系合金薄膜が完全に腐食して、バイアス磁界が消
失したことを示す。
【0043】図3に、Fe−Mn合金にTi,Rh,C
rを添加した合金薄膜および本発明のFe−Mn−Ru
合金薄膜の試験前後のバイアス磁界の比と試験時間との
関係を示す。Rhを添加した合金薄膜32(この数字
は、グラフ中に示された引用符号である。以下同様)、
Crを添加した合金薄膜33、Tiを添加した合金薄膜
34に示すように、これらの従来からの合金薄膜に恒温
恒湿試験を行うと、腐食し、バイアス磁界が減少する。
これに対し、本発明のRuを添加した合金薄膜31は、
腐食せず、1000時間を越えても、膜面に変化は現れ
ない。
【0044】図4に、添加したRu濃度と試験前後のバ
イアス磁界の比との関係を示す。この図のように、Ru
濃度が0%、すなわち、Ruを添加していないFe−M
n系合金は、耐食性が悪く、恒温恒湿試験によって、バ
イアス磁界は30%程度に減少している。これに対し、
Ruを0.1原子%以上添加すると、耐食性は向上す
る。また、Ruを5.5原子%以上添加した合金薄膜
は、全く腐食せず、パーマロイに印加させるバイアス磁
界の変化がない。以上の結果から、Fe−Mn系合金に
Ruを添加した合金は、Ruを添加しない合金に比べ
て、優れた耐食性を示すことがわかった。
【0045】また、Fe−Mn合金は酸化しやすいた
め、膜作製後に空気中に放置することにより、膜中に酸
素が拡散する。この場合も、上記の添加元素による耐食
性の向上は、上記実施例と同様となる。
【0046】なお、上記のFe−Mn系合金のFeとM
nの組成比は約5:4であるが、Fe−Mn系合金が反
強磁性を示す限り、FeとMnの組成比が変化しても、
上記の添加元素による耐食性の向上は、上記実施例と同
様となる。
【0047】また、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0048】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0049】 [実施例7] 実施例6と同様の方法で、パーマロイ薄膜上にFe−M
n−Ru合金薄膜を重ねた試料を作製した。Fe−Mn
系合金よりパーマロイ薄膜に印加されるバイアス磁界と
添加したRu元素濃度の関係を図5に示す。同図のよう
に、Fe−Mn合金にRuを添加すると、バイアス磁界
は減少する。Ru濃度を15原子%以下にすると、5O
e以上のバイアス磁界が得られる。実施例6では、Ru
を5.5原子%以上添加すると良好な耐食性を示すこと
を示した。従って、良好な耐食性および5Oe以上のバ
イアス磁界を同時に得るためには、Ru濃度を5.5〜
15原子%とすることが好ましい。
【0050】また、図5のように、10Oe以上のバイ
アス磁界を得るためには、Ru濃度を10.3原子%以
下にする必要がある。従って、良好な耐食性および10
Oe以上のバイアス磁界を同時に得るためには、Ru濃
度を5.5〜10.3原子%とすることが好ましい。
【0051】また、図5のように、15Oe以上のバイ
アス磁界を得るためには、Ru濃度を7.5原子%以下
にする必要がある。従って、良好な耐食性および15O
e以上のバイアス磁界を同時に得るためには、Ru濃度
を5.5〜7.5原子%とすることが好ましい。
【0052】なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0053】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0054】また、Fe−Mn合金は酸化しやすいた
め、膜作製後に空気中に放置することにより、膜中に酸
素が拡散する。この場合も、上記の添加元素による耐食
性の向上は、上記実施例と同様となる。
【0055】 [実施例8] 実施例6と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ru合金にさらにRhまたはPtを添加した
合金薄膜を形成した。Ru濃度は、7.5原子%、R
h,Pt濃度は3.0原子%とした。また、比較例とし
て、パーマロイ薄膜上に、Ruを10.5原子%添加し
たFe−Mn−Ru合金薄膜を形成した。形成した薄膜
を温度85℃、湿度90%の環境に1000時間放置
し、その耐食性を比較した。耐食性は、耐食性試験前の
Fe−Mn系合金よりパーマロイ薄膜に印加されるバイ
アス磁界と、試験後のバイアス磁界との比によって評価
した。
【0056】添加元素と試験前後のバイアス磁界の比と
の関係を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】表3に示すごとく、Fe−Mn−Ru合金
にさらにRhまたはPtを添加することにより、耐食性
がさらに向上する。また、RhまたはPtの添加による
バイアス磁界の減少は、Ru添加の時とほぼ同様である
ため、良好な耐食性および5Oe以上のバイアス磁界を
同時に得るためには、Ruと添加元素の合計の濃度を
5.5〜15原子%とすることが好ましい。
【0059】また、良好な耐食性および10Oe以上の
バイアス磁界を同時に得るためには、Ruと添加元素の
合計の濃度を5.5〜10.3原子%とすることが好まし
い。また、良好な耐食性および15Oe以上のバイアス
磁界を同時に得るためには、Ruと添加元素の合計の濃
度を5.5〜7.5原子%とすることが好ましい。
【0060】なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0061】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0062】また、Fe−Mn合金は酸化しやすいた
め、膜作製後に空気中に放置することにより、膜中に酸
素が拡散する。この場合も、上記の添加元素による耐食
性の向上は、上記実施例と同様となる。
【0063】 [実施例9] 実施例6と同様の方法で、パーマロイ合金薄膜上に、F
e−Mn−Ru合金にさらにTi,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Cu,Al,Si,
Geを添加した合金薄膜を形成した。Ru濃度は、7.
5原子%、添加元素濃度は2原子%とした。
【0064】形成した薄膜を温度85℃、湿度90%の
環境に1000時間放置し、その耐食性を比較した。耐
食性は、耐食性試験前のFe−Mn系合金よりパーマロ
イ薄膜に印加されるバイアス磁界と、試験後のバイアス
磁界との比によって評価した。
【0065】添加元素と試験前後のバイアス磁界の比と
の関係を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】表4に示すごとく、Fe−Mn−Ru合金
にさらにTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,W,Ni,Cu,Al,Si,Geからなる群より
選択される少なくとも一の元素を添加することにより、
耐食性がさらに向上する。また、添加元素濃度が0.1
原子%以上において、上記添加元素の効果が生じる。ま
た、添加元素濃度を2原子%より多くしても、添加元素
濃度2原子%の時と耐食性はほぼ同等である。バイアス
磁界は、添加元素量にほぼ比例して減少する。以上の結
果より、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,W,Ni,Cu,Al,Si,Geの添加量は、
0.1〜2原子%が好ましい。
【0068】なお、本実施例では、パーマロイ合金薄膜
の上にFe−Mn系合金薄膜を形成したが、Fe−Mn
系合金が反強磁性を示す限り、パーマロイ合金薄膜形成
の前にFe−Mn系合金薄膜を形成しても、本実施例と
同様の効果がある。
【0069】また、本実施例では、薄膜の形成にイオン
ビームスパッタリング法を用いたが、高周波スパッタリ
ング法、直流スパッタリング法、蒸着法等の他の薄膜形
成法を用いても同様の結果が得られる。
【0070】また、Fe−Mn合金は酸化しやすいた
め、膜作製後に空気中に放置することにより、膜中に酸
素が拡散する。この場合も、上記の添加元素による耐食
性の向上は、上記実施例と同様となる。
【0071】 [実施例10] 実施例6〜9で論じたパーマロイ薄膜上にFe−Mn系
合金を重ねた試料を用いて、磁気抵抗効果素子を作製し
た。磁気抵抗効果素子の印加磁界による出力変化を調べ
たところ、バルクハウゼンノイズのない磁気抵抗効果素
子が得られたことが確認された。
【0072】 [実施例11] 本発明のFe−Mn系合金薄膜を有する磁気抵抗効果素
子を用いた磁気ヘッドを作製した。本実施例では、Ru
を8.4原子%添加したFe−Mn−Ru合金を用いた
場合について述べる。磁気ヘッドの構造を以下に示す。
図6は、記録再生分離型ヘッドの一部分を切断した場合
の斜視図である。磁気抵抗効果素子50をシールド層4
2,43で挾んだ部分が再生ヘッドとして働き、コイル
44を挾む2つの記録磁極45,46の部分が記録ヘッ
ドとして働く。磁気抵抗効果素子50は磁気抵抗効果を
持つ軟磁性膜41、Fe−Mn−Ru反強磁性膜47お
よび導体層49の3層膜からなる。以下にこのヘッドの
作製方法を示す。
【0073】Al23・TiCを主成分とする焼結体を
スライダ用の基体48とした。シールド層42,43、
記録磁極45,46にはスパッタ法で形成したNi−F
e合金、磁気抵抗効果素子の軟磁性膜41には蒸着法に
より成膜したNi−Fe合金を用いた。Fe−Mn系反
強磁性膜47は、イオンビームスパッタリング法で形成
した。各磁性膜の膜厚は、以下のようにした。上下のシ
ールド層42,43は1.0μm、記録磁極45,46
は3.0μm、磁気抵抗効果素子の軟磁性膜41の膜厚
は30nmとした。Fe−Mn系反強磁性膜47の膜厚
は20nmとした。図6に示す45,43,50,42
等の各層間のギャップ充填材としてはスパッタ法で形成
したAl23を用いた。ギャップ層の膜厚は、シールド
層と磁気抵抗効果素子間で0.2μm、記録磁極間では
0.4μmとした。さらに再生ヘッド記録ヘッドの間隔
は約4μmとし、このギャップもAl23で形成した。
コイル44には膜厚3μmのCuを使用した。
【0074】磁気抵抗効果素子をヘッドとして動作させ
るためには、バイアス磁界を印加する手段が必要であ
り、本実施例では、シャントバイアス法を用いた。磁気
抵抗効果素子の上のFe−Mn系反強磁性膜47の上
に、導体層49として膜厚40nmのTi膜を形成し、
これに分流した電流でバイアス磁界を発生させた。
【0075】以上のような磁気ヘッドの作製の重要な点
は、軟磁性膜とFe−Mn系反強磁性膜を交換結合させ
て、軟磁性膜の磁区構造を制御することである。ヘッド
製造プロセス中に、FeMnのネール温度をこえて温度
が上昇する場合があり、軟磁性膜の磁区は所望の構造か
らずれて複雑になる。このまま温度が下がると複雑な磁
区構造が固着されるため、安定した出力を得ることは困
難になる。これを防止するためには、作製プロセスの最
後に、磁場中熱処理を施すことによって所望の磁区構造
にすることが好ましい。本実施例ではトラック幅方向に
約10kOeの磁界を印加しながら、220℃まで温度
をあげた後室温まで戻す熱処理を行なった。
【0076】このヘッドの記録再生特性を測定したとこ
ろ、バルクハウゼンノイズによる再生波形の歪みは見ら
れなかった。また、上記実施例ではMRヘッドのバイア
ス法としてはシャントバイアスの場合を示したが、従来
から知られているソフトバイアス、相互バイアスなど別
のバイアス法を使用しても同様な効果が得られる。さら
に、本実施例では検出用の電極線として、MR膜とシャ
ント膜の積層膜を兼用したが、MR膜およびシャント膜
とは別に電極線を積層することもできる。また、磁気抵
抗効果素子の全面に反強磁膜を形成した場合を示した
が、例えば素子の両端部だけに反強磁膜を設けるなどの
ように部分的に形成しても磁区制御の効果が得られる。
【0077】また、実施例6〜9に記載した、他の本発
明のFe−Mn−X合金を反強磁性膜としても、磁区制
御の効果が得られる。
【0078】 [実施例12] 実施例11と同様の方法で、本発明のFe−Mn−X合
金薄膜を磁気シールド、記録磁極に積層した磁気ヘッド
を作製した。本実施例では、Ruを8.4原子%添加し
たFe−Mn−Ru合金を用いた場合について述べる。
【0079】図7は、記録再生分離型ヘッドの一部分を
切断した場合の斜視図である。本実施例の磁気ヘッド
は、この図のように、磁気抵抗効果膜51、シールド5
2,53、コイル54、記録磁極55,56、Fe−M
n系反強磁性膜57、基体58、導体層59よりなる。
シールド層52,53および記録磁極55,56には、
Fe−Mn系反強磁性膜57を積層した。本実施例によ
り、シールド層や記録磁極を軟磁性膜と反強磁性膜から
なる2層膜とすることによって、ヘッドが記録動作した
後もシールド層、磁極には、再現性良く同じ磁区構造が
実現されるので、MRヘッドの出力の変動が生じず、安
定した出力が得られるという結果が得られた。
【0080】また、実施例6〜9に記載した、他の本発
明のFe−Mn−X合金を反強磁性膜としても、上記の
ような磁区制御の効果が得られる。
【0081】なお、反強磁性膜との積層は、シールド
層、記録磁極のどちらか一方でも、上記のような、効果
が得られる。
【0082】 [実施例13] ガラス基板上にFe−47原子%Mn−3原子%Zr合
金をスパッタリングで約50nmの厚さで形成した。こ
れと同じ方法でFe−50原子%Mn合金を比較試料と
して作製し、相対湿度90%、温度60℃の環境下で耐
食性試験をした。
【0083】図8は、上記Fe−MnおよびFe−Mn
−Zr合金を上記環境下に放置したときの電気抵抗の変
化と保持時間との関係で、Fe−Mnの電気抵抗は腐食
による導電層の減少で著しく増大するが、Zrを3原子
%添加したFe−Mn−Zr合金では、電気抵抗の変化
が全くみられない。
【0084】一方、反強磁性体としての特性を評価する
ために、ガラス基板上にNi−18.5原子%Feから
なるパーマロイ膜を50nm真空蒸着し、引きつづき、
Fe−Mnおよび上記のFe−Mn−Zr合金を50n
mスパッタリングした2層膜でのパーマロイに対する反
強磁性体バイアス効果を測定した。図9は上記測定結果
を示し、Fe−Mn−Zrを使用しても、Fe−Mnを
使用した場合に比較して、ほぼ同等の性能を有すること
が明らかになった。
【0085】次にFe−Mnの反強磁性体としての性
能、すなわち第9図で示したバイアス磁界量の減少量を
実用に十分な30%以下に抑えるためのZr添加量の最
大値は8%であった。一方、耐食性向上に必要な最小の
添加量は0.5原子%であった。以上の検討から、Zr
の添加量は0.5〜8原子%の間が適当である。
【0086】 [実施例14] 実施例13と同様にFe−MnにHfを添加した場合に
も耐食性の向上が得られた。
【0087】 [実施例15] 実施例13と同様にFe−MnにNbを添加した場合に
も耐食性の向上が得られた。
【0088】ここで、実施例13〜15の耐食性向上
は、表面に添加物を主成分とする緻密な酸化被膜が形成
されるためである。
【0089】 [実施例16] 実施例13と同様な方法でPtまたはPdを添加した合
金膜を作製して耐食性の検討をした効果、0.5原子%
以上の添加で顕著な耐食性向上を示した。これらは、表
面近傍にPtやPdの高濃度の層が生成するためとみら
れる。
【0090】 [実施例17] 実施例13と同様な方法でGe,V,Coを添加した場
合も0.3%以上の添加量で耐食性向上の効果が見られ
た。
【0091】
【発明の効果】本発明の反強磁性薄膜を、磁気抵抗効果
素子の少なくとも一部に用いることにより、バルクハウ
ゼン・ノイズのなく、実用的な耐食性を有する磁気抵抗
効果素子を得ることができる。そして、該磁気抵抗効果
素子を磁気ヘッドの少なくとも一部に用いることによ
り、バルクハウゼン・ノイズのない高感度磁気ヘッドを
得ることができる。さらに、磁気ヘッドにおけるシール
ド層あるいは記録磁極を軟磁性膜と反強磁性膜から成る
2層膜とすることによって、ヘッド記録動作した後も、
再現性よく同じ磁区構造が実現されるので、MRヘッド
の出力変動が生ぜず、安定した出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明Fe−Mn−Ir合金製反強磁性薄膜お
よび従来の反強磁性薄膜についての各耐食性試験結果を
示すグラフ。
【図2】本発明Fe−Mn−Ir合金製反強磁性薄膜の
Ir濃度とバイアス磁界の変化との関係を示すグラフ。
【図3】本発明Fe−Mn−Ru合金製反強磁性薄膜お
よび従来の反強磁性薄膜についての各耐食性試験結果を
示すグラフ。
【図4】本発明Fe−Mn−Ru合金製反強磁性薄膜の
Ru濃度と耐食性との関係を示すグラフ。
【図5】本発明Fe−Mn−Ru合金製反強磁性薄膜の
Ru濃度とバイアス磁界の変化との関係を示すグラフ。
【図6】本発明Fe−Mn−Ru合金製反強磁性薄膜を
磁気抵抗効果素子に積層した磁気ヘッドの構造を示す
図。
【図7】本発明反強磁性薄膜をシールド層および記録磁
極に積層した磁気ヘッドの構造を示す図。
【図8】本発明のFe−Mn−Zr合金膜およびFe−
Mn合金膜の耐食性を評価するための電気抵抗と放置時
間との関係を示すグラフ。
【図9】Fe−Mn−Zr合金のZr添加量と反強磁性
体としての特性(バイアス量)との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
50…磁気抵抗効果素子、41,51…磁気抵抗効果
膜、42,43,52,53…シールド層、44,54
…コイル、45,46,55,56…記録磁極、47,
57…Fe−Mn系反強磁性膜、48,58…基体、4
9,59…導体層。
フロントページの続き (72)発明者 田辺 英男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 清水 昇 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小山 直樹 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−10997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 10/14 C22C 22/00 C22C 38/00 303 C22C 38/04 G11B 5/39

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟磁性膜の磁区を制御するために軟磁性膜
    に隣接して配置される反強磁性薄膜であって、Feに対
    するMnの原子%比が15/85〜70/30であるF
    e−Mn合金に、0.1〜20原子%の、以下の第三合
    金元素Xを加えて成るFe−Mn−X合金で形成されて
    いる反強磁性膜:Ru,Zr,Nb,Ge,V,Co,
    Hf,PtおよびPdから成る群から選ばれた少なくと
    も一つの元素よりなる合金元素X。
  2. 【請求項2】第三合金元素XがRuであり、Fe−Mn
    −Ru合金中のRuの濃度が5.5〜15原子%である
    請求項1に記載の反強磁性膜。
  3. 【請求項3】更なる添加元素として、Rhおよび/また
    はPtが、Ruを含めて5.5〜15原子%になるよう
    に添加され、かつRhおよび/またはPtの添加量はR
    uの添加量を越えないことを特徴とする請求項2に記載
    の反強磁性膜。
  4. 【請求項4】更なる添加元素としてTi,Zr,Hf,
    V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Cu,Al,
    SiおよびGeから成る群から選ばれた少なくとも一つ
    を、0.1〜2原子%添加して成る請求項2に記載の反
    強磁性膜。
  5. 【請求項5】Feに対するMnの原子%比が15/85
    〜70/30であるFe−Mn合金に、Ru,Zr,N
    b,Ge,V,Co,Hf,PtおよびPdから成る群
    から選ばれた一つの元素を、第三合金元素Xとして、
    0.1〜20原子%添加して成る合金で形成された反強
    磁性膜を含む磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】第三合金元素XがRuであり、Fe−Mn
    −Ru合金中のRuの濃度が5.5〜15原子%である
    前記合金で形成された反強磁性膜を含む請求項5に記載
    の磁気抵抗効果素子。
  7. 【請求項7】更なる添加元素として、Rhおよび/また
    はPtが、Ruを含めて5.5〜15原子%になるよう
    に添加され、かつRhおよび/またはPtの添加量がR
    uの添加量を越えない前記合金で形成された反強磁性膜
    を含む請求項6に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 【請求項8】更なる添加元素としてTi,Zr,Hf,
    V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Cu,Al,
    SiおよびGeから成る群から選ばれた少なくとも一つ
    が、0.1〜2原子%添加されて成る前記合金で形成さ
    れた反強磁性膜を含む請求項6に記載の磁気抵抗効果素
    子。
  9. 【請求項9】請求項5ないし8のうちいずれかに記載の
    磁気抵抗効果素子を含む磁気ヘッド。
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