JP3088610B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法

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JP3088610B2 JP06143691A JP14369194A JP3088610B2 JP 3088610 B2 JP3088610 B2 JP 3088610B2 JP 06143691 A JP06143691 A JP 06143691A JP 14369194 A JP14369194 A JP 14369194A JP 3088610 B2 JP3088610 B2 JP 3088610B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリプロピレン系樹
脂からなる発泡した多数の細条が互いに融着された、優
れた強度と緩衝性を持つ構造材、緩衝材、包装材等とし
て用いられるポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から押出口に多数の押出孔を設けた
口金を付設して押出機により溶融移送される発泡性熱可
塑性樹脂が口金の多数の押出口から多数の細条として押
出し発泡され、軟化状態のうちに多数の細条を互いに融
着せしめて所定の形状に集束してなる熱可塑性樹脂発泡
体の製造方法は知られている。しかし、結晶性の熱可塑
性樹脂であるポリプロピレン樹脂は従来の多数の押出孔
から押し出す製法では良質の発泡体を安定して得ること
は困難である。すなわちポリプロピレン樹脂は溶融粘度
の温度依存性が敏感であり、その発泡に適した粘度が樹
脂の結晶の生じる温度に接近した狭い温度領域にある。
かような狭い温度領域に樹脂温度、押出機の口金の温度
を制御して押出発泡を行うことはきわめて困難なことで
ある。ましてや押出口に多数の押出孔を設けた口金を付
設して押し出す方法においては部分的に結晶化のおこっ
た押出孔の流れは阻害され、一様な押出が得られないこ
とになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特公昭58−
29729号公報では口金温度を樹脂の融点より高く設
定して樹脂を細条の集合体として押し出し、それに続く
樹脂通路断面積を有する枠型を口金温度より低温に設定
してこの枠型内に細条集合体を通過せしめ、発泡させる
と共に冷却固化し発泡体を得ようとするものである。し
かしながらこの方法によれば、発泡体密度0.08g/
cm3以下の発泡体を得るのは困難である。さらに得ら
れた発泡体の独立気泡率は低く、気泡のほとんどは連続
気泡となった物であるために機械的強度に劣る物であっ
た。その理由として、結晶性樹脂であるポリプロピレン
樹脂は結晶融点を境に融点以上では溶融粘弾性が極めて
低いため、発泡した気泡を保持できずに破泡に至りやす
く、そのために従来の方法によると連続気泡率が低く、
発泡倍率の高いのものを得ることは困難である。
【0004】したがって、ポリプロピレン樹脂をポリス
チレン樹脂のように押出発泡を行うためにはポリプロピ
レン樹脂の押出発泡可能温度領域を広げ、融点以上の温
度域で溶融粘弾性を高くする必要がある。そのためポリ
プロピレン樹脂の分子量を増やすこと、および、他のオ
レフィンとの共重合化が試みられた。これら手段による
樹脂の改質は非発泡性シートの押出加工性、非発泡シー
トの成形品物性の改質には良好な結果を与えたが、押出
発泡に適した溶融粘弾性を得るにはいたらなかった。
【0005】この発明者は研究の結果、押出発泡に適し
たポリプロピレン樹脂はゲルパーミテイションクロマト
グラフィーによって得られる分子量分布によって認識で
きること、および、特定の範囲のゲルパーミテイション
クロマトグラフィー分子量分布のポリプロピレン樹脂は
発泡に適した溶融粘弾性を有するために発泡時に形成さ
れる気泡の破れが少なくなり、連続気泡率が低く、発泡
倍率が高い優れたポリプロピレン系樹脂発泡体が得られ
ることを見いだした。そして、この発明の目的は連続気
泡率が低くなり発泡倍率が高く、機械的強度に優れた又
は緩衝性の良いポリプロピレン発泡体を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
多数の小孔を穿設した口金から発泡剤を含有したポリプ
ロピレン系樹脂を押出し、樹脂が軟化している間に発泡
した樹脂の細条を集束して互いに融着させ、発泡体を製
造する方法において、ポリプロピレン系樹脂が、ゲルパ
ーミテイションクロマトグラフィーによって得られる、
z平均分子量が少なくとも1.5×106で、かつ分子
量分布カーブが、高分子領域に張り出しがある形状のキ
ャメル型であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂
発泡体の製造方法、及び多数の小孔を穿設した口金から
発泡剤を含有したポリプロピレン系樹脂を押出し、樹脂
が軟化している間に発泡した樹脂の細条を集束して互い
に融着させ、発泡体を製造する方法において、ゲルパー
ミテイションクロマトグラフィーによって得られる、z
平均分子量が少なくとも1.5×106で、かつ分子量
分布カーブが、高分子領域に張り出しがある形状のキャ
メル型であるポリプロピレン系樹脂95〜60重量%
と、ポリエチレン系樹脂5〜40重量%からなることを
特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法、及
び上記発泡体中に存在する空隙が0〜60%であること
を特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法で
ある。
【0007】この発明においてゲルパーミエイションク
ロマトグラフィー(以下GPCという)の測定方法は次
の通りである。 測定装置:Waters社、GPC 150−C型 測定条件:Column KF−80M 2本(SHODEX:昭和電工社製 )) Column Temp . 145℃ Injec. Temp. 145℃ Pump Temp. 60℃ 使用溶剤 o−ジクロロベンゼン(1.0ml /min) Run time 50分 Injec. vol. 400μl
【0008】このGPCによって得られる情報としては
次の通りである。 (1)Mn 数平均分子量:ポリマーの分子数に直接関
係する物性値を測定する事によって求められる最も基本
的な平均分子量で、分子の総数に依存する。 (2)Mw 重量平均分子量:測定される物性値がポリ
マーの重量に直接関係する時に求められる平均分子量で
あって、分子量の2乗平均であり、Mnより高重合度分
子に依存する。 (3)Mz z平均分子量:もっとも高次の平均分子量
で、分子量の3乗平均である。
【0009】この発明の発泡体を得るために有効なポリ
プロピレン系樹脂は、Mzがおよそ1.5×106以上
であり、Mz/Mw比が約3.0以上となる高分子が好
ましい。多分散指数Mw/Mnは、良好な発泡性を与え
るポリプロピレン樹脂と不充分な発泡性しか示さないポ
リプロピレン樹脂とを区別することが出来なかったため
数値の重要性は少ない。また良好な発泡性を与えるポリ
プロピレン樹脂のGPCによる分子量分布曲線はつねに
高分子量領域に張り出しのある形状で、これを図示する
と、図1の曲線Aのように分子量がピークとなるより高
分子側において単調減少カーブを示さず、3つ以上の変
曲点を持つカーブとなり、ラクダの背のような形状を呈
する。これをこの発明ではキャメル型と呼称する。これ
に対し不充分な発泡性しか与えないポリプロピレン樹脂
の分子量分布曲線は、曲線Bのように高分子領域におい
て単調減少カーブとなる、単純一山形形状である。キャ
メル型の分子量分布はポリプロピレン樹脂の多くの部分
は直鎖状であるが、高分子量のある成分が多くの分岐を
持っていることを示している。
【0010】この発明において用いるキャメル型ポリプ
ロピレン樹脂(A)は、USP4916198号明細書
の方法等によって製造され、分岐を有する重合体であ
る。具体的には、直鎖状ポリプロピレン系樹脂に予め過
酸化物、または放射線で処理を行い、分岐を与えること
によつて製造される。上記構造を満たす物であれば、ポ
リプロピレン系樹脂はプロピレンからなるポリプロピレ
ンホモポリマー、またはプロピレンを主体としたα−オ
レフィンとの共重合体からなるエチレン・プロピレン共
重合樹脂であってもよい。コポリマーはエチレン成分を
含むランダム、またはブロック共重合体で、ポリプロピ
レンの脆性改善に用いられる。
【0011】この発明によればポリプロピレン系樹脂発
泡体のみにおいても連続気泡率が50%以下、見掛け密
度0.2〜0.01g/cm3の機械的強度に優れた良
好な発泡体を得ることは可能であるが、このポリプロピ
レン系樹脂にポリエチレン系樹脂を混合して用いること
により、ポリプロピレン系樹脂のみの発泡体よりも脆性
が改善され、柔軟性を付与せしめることが可能となり、
さらには低温における脆性の改善もなされる。この発明
に用いられるポリエチレン系樹脂としては、エチレンの
単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、
およびエチレンと官能基に炭素、酸素、水素原子を持つ
非オレフィン単量体との共重合体から、1種以上選ばれ
る樹脂である。。エチレンの単独重合体としては低密度
ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HD
PE)等があげられ、エチレンとα−オレフィンとの共
重合体としては直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)等
で、α−オレフィンとしては1−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、4−メチル1−ペンテン等があげら
れる。エチレンと官能基に炭素、酸素、水素原子を持つ
非オレフィン単量体との共重合体としてはエチレン系ア
イオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エ
チレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アク
リル酸共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共
重合樹脂等があげられる。
【0012】ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹
脂の混合比率はポリプロピレン系樹脂95〜60重量
%、ポリエチレン系樹脂5〜40重量%の範囲が好まし
く、ポリプロピレン系樹脂に対するポリエチレン系樹脂
の割合が、5重量%未満である場合には、ポリプロピレ
ン系樹脂発泡体に柔軟性を付与する効果は少なく、また
ポリエチレン系樹脂が40重量%を超える範囲では発泡
性が落ち、連続気泡率の増加、発泡倍率の低下を招くた
めに良好な発泡体を得るのが困難となる。
【0013】この発明における樹脂の選択以外は通常の
押出発泡の際に用いらる発泡剤、気泡調整剤、結晶核
剤、難燃剤、劣化防止剤、顔料、帯電防止剤、収縮防止
剤が適宜添加される。
【0014】例えば、発泡剤としては、大きく分けて加
熱分解型の固体化合物、揮発型の液体、または気体、不
活性ガス等を、単独で、または混合して使用することが
出来る。具体的に言えば、加熱分解型の固体化合物とし
ては、アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン、等が使用でき、揮発型の液体又は気体と
しては、プロパン、ノルマル−ブタン、イソ−ブタン、
ノルマル−ペンタン、イソ−ペンタン、ネオ−ペンタン
のような飽和脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、シク
ロヘキサンのような飽和脂肪環族炭化水素類、トリクロ
ロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンのよ
うなハロゲン化炭化水素類、ジメチルエーテルのような
エーテル類、アセトンのようなケトン類、メタノール、
エタノールのようなアルコール類、水等を使用すること
が出来る。また、不活性ガスとしては二酸化炭素、窒素
等を使用することが出来る。
【0015】気泡調整剤としては、微粉末タルク、シリ
カ、炭酸水素ナトリウムとクエン酸との混合物を、添加
できる。その他、顔料、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止
剤、などを混合することが出来る。また、押出機として
は、2台の押出機を直列に連結した形式のタンデム押出
機が多く用いられており、この発明でもタンデム押出機
を用い、はじめの押出機に樹脂を供給し、押出機先端部
より発泡剤を圧入して発泡性溶融物とし、あとの押出機
中でこの溶融物を発泡適性温度まで冷却し、その後多孔
口金から押し出す様にするのが好ましい。
【0016】押出口に備えられた多数の押出孔を設けた
口金から押し出されて成形された発泡体はその口金の孔
形状、孔の間隔により発泡体中に空隙が形成されうる。
空隙とは発泡体を構成する気泡ではなく、押し出されて
発泡した多数の細条同士の間に存在する空間のことを意
味する。空隙の形成は孔の間隔、孔の径、位置、形状、
数等の変更により、発泡した個々の細条の径、間隔を変
化させることが出来るため、発泡体中に占める空隙の位
置、割合、形状等を任意にコントロールすることが可能
である。この発明によれば、孔の形は丸型、角型、多角
形、スリット、その他形状でも良い。また多孔口金より
押出し発泡した細条の配置が押出流れ方向と平行となせ
ば細条間に発生する空隙は発泡体の長手方向にまっすぐ
平行な空隙が形成される。また特公昭58−9745号
公報に記載の方法により細条を褶曲せしめれば空隙は一
定の間隔を持って発生するか、もしくは不等間隔をもっ
て空隙を発生させることが可能である。
【0017】さらに、発泡体製造時に使用される例えば
揮発型発泡剤は、発泡体中からすばやく空気と置換され
ることが好ましいが、発泡体の厚みが増し、全体として
の容積が増えるほどその置換される期間は長くなる。こ
の発明によって製造される発泡体には空隙が存在するた
めに、発泡体の容積が増えようとも大気にさらされてい
る空隙より発泡剤と空気の置換をすみやかに行うことが
でき、置換に要する期間をかなり短縮することが可能で
ある。
【0018】この発明によって得られる発泡体はその空
隙率が0〜60%であることが好ましく、連続気泡率5
0%以下、見掛け密度0.2〜0.01g/ccの発泡
体であると、優れた強度と緩衝性を有し、構造材、緩衝
材、包装材などとして有効である。
【0019】
【実施例】以下に実施例により詳細に説明する。試験評
価は以下の方法により行った。 1.圧縮強度 発泡体を厚み25mm、幅及び長さを50mmの寸法に
切断し、測定試料とした。この測定試料をJIS−K6
767に準じて発泡体の押出流れ方向、及び厚み方向の
強度を測定試料の25%まで圧縮したときの強度を測定
する。 2.曲げ試験 発泡体を厚み25mm、幅50mm、長さを150mm
の寸法に切断し、測定試料とした。この測定試料をスパ
ン間隔100mmでもってJIS−K6767に準じて
発泡体の押出流れ方向、及び幅方向の曲げ強度を測定し
た。 3.弾性率 圧縮強度、曲げ試験の測定方法と同方法により測定を行
い、圧縮弾性率、曲げ弾性率として得られる。弾性率は
試験材料の弾性限度内において材料が受けた圧縮応力、
曲げ応力を材料に生じたひずみで除した値をいい、この
値が小さいほど一定荷重に対する変形が大きく、当たり
が柔らかく柔軟性が増し、回復弾性度が大きくなる。
【0020】4.連続気泡率 得られた発泡体を厚み、幅、長さに各々25mmに切断
し測定試料とした。この測定試料をASTM D−28
56に準じた空気置換法により、測定試料に占める連通
化した気泡の容積割合を求め、連続気泡率を計算した。
試料の真体積(樹脂部分のみの体積)は水を満たしたメ
スシリンダー中に測定試料を没し水面の上昇した高さよ
り真体積を求めた。従ってこの連続気泡にはストランド
間に存在する空隙は含まれておらず、個々のストランド
のみの真の体積に占める連続気泡率を意味する。 5.空隙率 得られた発泡体を厚み20mm、幅50mm、長さ10
0mmに切断し測定試料とした。これを以下の式に従っ
て空隙率を求めた。 空隙率=(A−B)/A ×100 A:試料の空隙部を含む見かけ上の体積 B:試料の空隙部を含まない樹脂部分のみの真体積
(4.から求める)
【0021】各実施例及び比較例において、用いるポリ
プロピレン系樹脂は、それぞれ表1の物性値をもってい
る。
【表1】
【0022】また、実施例3〜11においては、表2の
ような配合からなる。
【表2】
【0023】又、各実施例によって、製造された発泡体
は、表3の様な物性値をもっている。
【表3】
【0024】
【実施例】
実施例1 キャメル型ポリプロピレン樹脂A(PPホモポリマー,
ハイモント社製)100重量部に、気泡調整剤としてク
エン酸と重炭酸ナトリウムの混合物であるハイドロセロ
ールHK(ベーリンガー・インゲルハイム社製)0.2
重量部をあらかじめブレンダーで混合し、その混合物を
口径50mmと65mmの2台を連結したタンデム押出
機に供給する。150〜230℃に調節された第1番目
の押出機に供給された混合物は溶融混練され、押出機の
先端部より発泡剤としてブタンを基材樹脂に対し8.0
重量部の割合で圧入した。その後続く180〜145℃
に調節された第2番目の押出機に混合物が導入され、発
泡に適する温度(約158℃)に樹脂温度を調整し、1
58℃に保たれた口金より押し出した。口金としては口
金の押出面に、直径1.2mmの孔が4.5mmの間隔
をおいて横に33個、13列に開けた物を使用する。ま
た孔は1列毎に間隔の半分の間隔を持ってずらして配置
されているため、3個の孔をみるとそれぞれの孔は正三
角形の頂点となす位置に配置される。口金の各押出孔か
ら押し出された樹脂は発泡した多数本の細条Sとなって
進行しその間に発泡し互いが融着し一体となった図2に
示すように厚み50mm、幅152mm、密度0.05
78g/cm3で、各細条Sの間に平行に貫通する空隙
(空隙率3.8%)をもつ発泡成形体を得た。得られた
発泡体の特性を表3に示す。
【0025】実施例2 Mzが202.4×104のキャメル型ポリプロピレン
樹脂B(PP−PEランダムコポリマー,ハイモント社
製)100重量部に、気泡調整剤としてクエン酸と重炭
酸ナトリウムの混合物であるハイドロセロールHK(ベ
ーリンガー・インゲルハイム社製)0.2重量部をあら
かじめブレンダーで混合し、その混合物を口径50mm
と65mmの2台を連結した押出機に供給する。150
〜230℃に調節された第1番目の押出機に供給された
混合物は溶融混練され、押出機の先端部より発泡剤とし
てブタンを基材樹脂に対し8.0重量部の割合で圧入し
た。その後続く180〜145℃に調節された第2番目
の押出機に混合物が導入され、発泡に適する温度(15
8℃)に樹脂温度を調整し、158℃に保たれた口金よ
り押し出した。口金としては口金の押出面に、直径1.
2mmの孔が4.5mmの間隔をおいて横に33個、1
1列に開けた物を使用する。このうち4個の孔をみると
正方形の頂点をなす位置に配置されている。口金の各押
出孔から押し出された樹脂は多数本の細条Sとなって進
行しその間に発泡し互いが融着し一体となった図3に示
すように厚み50mm、幅152mm、密度0.047
5g/cm3で、各細条Sの間に平行に貫通する空隙
(空隙率13.6%)をもつ発泡成形体を得た。得られ
た発泡体の特性を表3に示す。
【0026】実施例3〜11においては、表2の通り実
施例1のポリプロピレン樹脂Aと各種ポリエチレン系樹
脂とからなるポリプロピレン系樹脂を用いた。 実施例3 キャメル型ポリプロピレン樹脂A(PPホモポリマー,
ハイモント社製)85重量部と高密度ポリエチレン樹脂
であるハイゼックス5305E(三井石油化学製)15
重量部に、気泡調整剤としてクエン酸と重炭酸ナトリウ
ムの混合物であるハイドロセロールHK0.2重量部を
あらかじめブレンダーで混合し、その混合物を、実施例
1と同様に押し出した。得られた発泡体の特性は、表3
に示す通り弾性率が低下して柔軟性の増加したものであ
る。
【0027】実施例4〜11 表2に示す配合比率でもって実施例3と同様に押し出し
た。得られた発泡体の特性は表3に示す通り柔軟性が増
加したものである。
【0028】実施例12 多孔口金を図4に示す口金Mに変更した他は実施例1と
同様に押し出した。口金Mとしては口金Mの押出面に、
直径1.4mmの孔Hが10mmの間隔をおいて横に1
0個、5列に開いており、その孔Hとは千鳥に位置する
場所に直径1.8mmの孔Hが横に9個、4列に開いた
物を使用した。この口金Mより押し出された発泡体は、
小さい孔の細条に引き取り速度をあわせると、孔Hの直
径が大きい方の細条Sは樹脂流量が多くなるために図5
のごとく押出され、細条Sは褶曲した発泡体となり、内
部に大きな空隙をもった物である。得られた発泡体の特
性は、表3に示す通り空隙率が48%と大きく見かけ密
度の小さいものである。
【0029】比較例1 GPCにおいてキャメル型であり、Mz<1.5×10
-6であるポリプロピレン樹脂Cを用いて実施例1と同様
に押し出した。得られた発泡体の密度=0.0733g
/cm3であるが、連続気泡率は64%と大きく、強度
的にも弱くなるなど良好な発泡体は得られなかった。
【0030】比較例2、3 GPCにおいて単純山形となる表1のポリプロピレン樹
脂D、Cを用いて、実施例1と同様に押し出したが、得
られた発泡体は密度0.3g/cm3以上で良好な発泡
体とはいいがたい物であり、さらに発泡適性樹脂温度付
近に樹脂温度を低下させると一部樹脂の結晶化が始まる
ために金口の穴の一部が目詰まりを起こし全体に均一に
押し出すのが困難なものとなった。
【0031】比較例4〜6 表2に示す配合比率で同様に押出を試みたが、樹脂の分
散むらがみられ、発泡体は押出直後においてただちに収
縮が起こるため、発泡倍率は低く、良好な発泡体は得ら
れなかった。
【0032】
【発明の効果】この発明は、以上のとおり構成され、ゲ
ルパーミテイションクロマトグラフィーによって得られ
る、z平均分子量が少なくとも1.5×106で、かつ
分子量分布カーブが、高分子領域にカーブの張り出しが
ある形状のキャメル型であるポリプロピレン系樹脂を用
いるから、各発泡した樹脂の細条は発泡性が良く独立気
泡が多く、高い倍率であって圧縮、曲げ強度に優れた発
泡体を製造することが出来る。また、この発明では、ポ
リプロピレン系樹脂は発泡性が良く独立気泡なので、各
発泡した樹脂の細条は互いに強固に融着し、細条が集束
一体化した発泡体を製造することができる。また、この
発明では、各発泡した樹脂の細条は互いに強固に融着さ
れているので、各発泡した細条は空隙のある部分的な融
着でも一体化した発泡体の形状を保持することができ
る。そして、この空隙は、空隙率にして60%とするこ
とができ、これにより発泡体の見掛け密度をより小さい
ものにすることができる。また、この発明では、ポリプ
ロピレン系樹脂にポリエチレン系樹脂を混合することに
より、発泡体に柔軟性を与えることができ、これは緩衝
性に優れたものである。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】グラフは分子量分布曲線である。
【図2】この発明によって得られた発泡体の斜視図であ
る。
【図3】この発明によって得られる他の発泡体の斜視図
である。
【図4】この発明で使用される多孔口金の一例を示す正
面図である。
【図5】この発明の一実施例を示す押出機の切欠け断面
図である。
【符号の説明】
S 発泡した樹脂の細条 E 空隙 M 口金 H 孔

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の小孔を穿設した口金から発泡剤を
    含有したポリプロピレン系樹脂を押出し、樹脂が軟化し
    ている間に発泡した樹脂の細条を集束して互いに融着さ
    せ、発泡体を製造する方法において、ポリプロピレン系
    樹脂が、ゲルパーミテイションクロマトグラフィーによ
    って得られる、z平均分子量が少なくとも1.5×10
    6で、かつ分子量分布カーブが、高分子領域にカーブの
    張り出しがある形状のキャメル型であることを特徴とす
    るポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ゲルパーミテイションクロマトグラフィ
    ーによって得られる、z平均分子量が少なくとも1.5
    ×106で、かつ分子量分布カーブが、高分子領域にカ
    ーブの張り出しがある形状のキャメル型であるポリプロ
    ピレン系樹脂95〜60重量%と、ポリエチレン系樹脂
    5〜40重量%からなることを特徴とする請求項1のポ
    リプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡体中に存在する空隙が0〜60%で
    あることを特徴とする特許請求項1又は請求項2記載の
    ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
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