JP3087421B2 - 反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリマーの製造方法 - Google Patents

反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリマーの製造方法

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JP3087421B2 JP04046279A JP4627992A JP3087421B2 JP 3087421 B2 JP3087421 B2 JP 3087421B2 JP 04046279 A JP04046279 A JP 04046279A JP 4627992 A JP4627992 A JP 4627992A JP 3087421 B2 JP3087421 B2 JP 3087421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応性ケイ素基含有ノ
ルボルネン系ポリマーの製造方法に関し、さらに詳しく
は、低誘電率、高耐熱性で、かつ、金属及び無機材料等
との接着性が良好であり、特に、絶縁材料として好適な
反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリマーの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子機器の電気絶縁材料と
しては、ポリエチレン、ポリスチレン等の汎用ポリマ
ー、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の耐
熱性有機材料、あるいはセラミックス等の無機材料が用
いられてきた。近年、電気・電子機器の小型化、高集積
化、高性能化、高信頼性が進む中で、耐熱性が高く、か
つ、誘電率の低い電気絶縁材料が求められている。例え
ば、樹脂と基材とが複合されたプリント配線板では、耐
熱化とともに、信号の高速化のために材料の低誘電率化
が求められている。
【0003】このような目的のためには、ポリエチレン
やポリスチレン等の汎用ポリマーは耐熱性が十分でな
い。ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の耐
熱性材料、及び無機材料は、誘電率が比較的高いという
欠点を有している。フッ素樹脂は、低誘電率材料として
多く使用されているが、層間接着力や他材料との接着性
に劣る。
【0004】一方、ノルボルネン系モノマーの開環ポリ
マー、その水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加
型ポリマー、ノルボルネン系モノマーとオレフィンとの
付加型コポリマー等のノルボルネン系ポリマーは、誘電
率が低く、耐熱性も高いことが知られている。しかし、
ノルボルネン系ポリマーは、金属、無機材料等との接着
性に劣るため、例えば、絶縁材料として使用することが
困難であるという実用上の問題点を有している。
【0005】従来、ノルボルネン系ポリマーと、Si
N、ガラス等の無機材料との接着性を改良するために、
反応性ケイ素基を分子中に導入することが試みられてい
る。例えば、極性基を有するノルボルネン誘導体と、反
応性シリル基を有するシクロアルケンを共重合する方法
(特開昭52−52999号、特開平1−294681
号)、あるいはオレフィンを有する反応性ケイ素化合物
をポリマーにグラフトする方法(特開平3−95230
号)などが知られている。
【0006】しかしながら、これらの方法は、前者で
は、反応性ケイ素基と重合触媒が反応して重合阻害やゲ
ル化等を起こしやすく、後者では、グラフト反応条件が
厳しいことから、主鎖または側鎖構造の分解等によるポ
リマー劣化が起こるという製造上の問題を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低誘
電率かつ十分な耐熱性を有し、金属や無機材料等との接
着性が良好なノルボルネン系ポリマーの製造方法を提供
することにある。本発明者らは、上記問題点を解決すべ
く鋭意研究を重ねた結果、誘電率が低くかつ耐熱性が高
いノルボルネン系ポリマーに対して、ケイ素−水素結合
をもつケイ素化合物を用いてヒドロシリル化反応により
反応性ケイ素基を導入すると、誘電率の上昇や耐熱性の
低下をまねくことなく、金属や無機材料との接着性の良
好な反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリマーの得ら
れることを見いだし、その知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン系ポリマ
ーと、ケイ素原子に直結した水素原子と反応性基を有す
るケイ素化合物とをヒドロシリル化反応せしめ、さらに
所望により反応生成物を水素添加することを特徴とする
反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリマーの製造方法
が提供される。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。 (ノルボルネン系ポリマー)本発明で用いるノルボルネ
ン系ポリマーとしては、ノルボルネン系モノマーの開環
ポリマー、ノルボルネン系モノマーとオレフィンの開環
コポリマー、ノルボルネン系モノマーの付加型ポリマ
ー、及びノルボルネン系モノマーとオレフィンの付加型
コポリマーを挙げることができる。
【0010】ノルボルネン系モノマーの開環ポリマー
は、モノマーとして、例えば、ノルボルネン、およびそ
のアルキル及び/またはアルキリデン置換体、例えば、
5−メチル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2
−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−
ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン等、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシ
クロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジ
エン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキ
ル及び/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等
の極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8
a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの
3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3
a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ
−1H−ベンゾインデン、4,11,5,10:6,9
−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9
a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H
−シクロペンタアントラセン;等の1種または2種以上
を使用し、公知の開環重合方法により製造されるポリマ
ーである。
【0011】ノルボルネン系モノマーの付加型ポリマー
は、モノマーとして前記のごときノルボルネン系モノマ
ーの1種または2種以上を付加重合して得られるポリマ
ーである。
【0012】ノルボルネン系モノマーとオレフィンの付
加型コポリマーは、モノマーとして前記のごときノルボ
ルネン系モノマーと、エチレン、プロピレン等のオレフ
ィンを公知の方法により付加共重合して得られるポリマ
ーである。これらのノルボルネン系ポリマーの中でも、
ヒドロシリル化の反応性の面から、ノルボルネン系モノ
マーの開環ポリマーが好ましい。
【0013】これらのノルボルネン系ポリマーは、分子
中に炭素−炭素二重結合を有しており、ケイ素−水素結
合をもつケイ素化合物とヒドロシリル化反応させて、反
応性ケイ素基を付加させることが可能である。
【0014】ノルボルネン系ポリマーの分子量の範囲
は、トルエンを溶剤とするGPC(ゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフィー)分析により測定した数平均
分子量(ポリスチレン換算)で1〜20万が適当であ
る。
【0015】ノルボルネン系ポリマーは、重合体の製造
過程で、α−オレフィンやシクロオレフィンなどの他の
モノマー成分を開環または付加共重合したものであって
も構わない。
【0016】低誘電率化の目的からは、極性基を含まな
いモノマーだけからなる熱可塑性飽和ノルボルネン系ポ
リマーが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲内
で極性モノマーを少量成分として共重合したポリマーで
あってもよい。
【0017】(ケイ素化合物)本発明においては、前記
ノルボルネン系ポリマーの炭素−炭素二重結合と、ケイ
素−水素結合と反応性基をもつケイ素化合物とをヒドロ
シリル化反応させる。本発明で使用するケイ素原子に直
結した水素原子と反応性基を有するケイ素化合物は、反
応性基として、例えば、加水分解性基あるいはシラノー
ル基を有するものである。
【0018】ポリマー中に導入される反応性ケイ素基の
中で、加水分解性基とは、酸、アルカリ等の存在下また
は非存在下で、水分により加水分解を受け得る加水分解
性基がケイ素原子に結合している基を意味する。加水分
解性基としては、例えば、水素原子、アルコキシ基、ア
シルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド
基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
基などが挙げられる。これらの中では、加水分解性がマ
イルドで取扱いやすいという点から、アルコキシ基が特
に好ましい。加水分解性基は、1個のケイ素原子に1〜
3個の範囲で結合をすることができ、2個以上結合する
場合には、それらは同じであってもよく、異なっていて
もよい。
【0019】ケイ素−加水分解性基結合を形成するケイ
素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個のものまでであるのが好ましい。ケイ素原子
と結合した水素原子と反応性基を有するケイ素化合物と
しては、例えば、下記一般式Iで表される化合物を挙げ
ることができる。 一般式I
【0020】
【化1】
【0021】一般式I中、各記号の意味は、次のとおり
である。
【0022】R1及びR2:炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基、または(R′)3SiO−(R′は、炭素
数1〜20の1価の炭化水素基であり、同じであっても
よく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシ
ロキシ基であり、同じであってもよく、異なっていても
よい。 X:水酸基または加水分解性基であり、2個以上結合す
るときは同じであってもよく、異なっていてもよい。 a:0または1〜3の整数。 b:0または1〜2の整数。 m:0または1〜18の整数。
【0023】一般式Iで示されるケイ素化合物の具体例
としては、例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロ
シラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルシロキシジ
クロロシランなどのハロゲン化シラン類;トリメトキシ
シラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、フェニルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチル−1,
1−ジメトキシテトラシロキサンなどのアルコキシシラ
ン類;メチルジアセトキシシラン、トリメチルシロキシ
メチルアセトキシシランなどのアシロキシシラン類;ビ
ス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シ
クロヘキシルケトキシメート)メチルシラン、ビス(ジ
エチルケトキシメート)トリメチルシロキシシランなど
のケトキシメートシラン類;ジメチルシラン、トリメチ
ルシロキシメチルシラン、1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシ
ロキサンなどの分子中にSi−H結合を2個以上有する
ハイドロシラン類;メチルジ(イソプロペニルオキシ)
シランなどのアルケニルオキシシラン類などが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0024】これらのケイ素化合物のうちでは、ヒドロ
シリル化反応における活性の高いトリクロロシラン、メ
チルジクロロシラン、ジメチルクロロシランなどのクロ
ロシラン類がとくに好ましい。ただし、クロロシラン類
を用いたヒドロシリル化反応により得られたクロロシリ
ル基を有するノルボルネン系ポリマーは、加水分解して
塩化水素ガスあるいは塩酸を生成するので実用上不都合
の生じることがある。そのため、このクロロシリル基の
塩素原子をアルコキシ基、アシルオキシ基、アミノオキ
シ基、アルケニルオキシ基、ヒドロキシル基などに変換
して使用するのが好ましい。これらの中では、アルコキ
シ基が、加水分解性がマイルドで取扱いやすいという点
から、特に好ましい。また、ポリマー中の炭素−炭素二
重結合の反応性が十分に高い場合には、アルコキシシラ
ン類も、ケイ素化合物として好ましく使用できる。
【0025】(ヒドロシリル化反応)ヒドロシリル化反
応は、分子中に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を
有するノルボルネン系ポリマーと、ケイ素原子と結合し
た水素原子と反応性基を有するケイ素化合物を触媒の共
存下に反応させることにより行うことができる。ヒドロ
シリル化反応により、ケイ素化合物は、ケイ素−水素結
合の開裂を伴って、ポリマーの炭素−炭素二重結合に付
加し、反応性ケイ素基がポリマー中に導入される。
【0026】ヒドロシリル化反応触媒としては、例え
ば、H2PtCl6・6H2O、Pt/Al23、下記式
のPt/カーボン、
【0027】
【化2】 Ptメタル、RhCl(PPh32、RhCl2、Rh
/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、Al
Cl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、およびTiC
4などが挙げられる。これらヒドロシリル化反応触媒
の中でも、Pt系触媒が賞用される。
【0028】ヒドロシリル化反応は、通常、0〜200
℃、好ましくは20〜180℃の温度範囲で行われ、反
応温度の調節、反応系の粘度の調節など必要に応じて、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの溶剤を用
いてもよい。
【0029】ノルボルネン系ポリマー中への反応性ケイ
素基の導入量は、少なすぎると金属や無機材料等との接
着性が十分でなく、逆に、多すぎると、ゲル分の生成が
起きやすくなり、物性上あるいは貯蔵上好ましくない。
したがって、反応性ケイ素の導入量は、好ましくはケイ
素含量として0.01〜10重量%、特に好ましくは
0.1〜5重量%である。
【0030】(水素添加)反応性ケイ素基を導入したノ
ルボルネン系ポリマー中に、不飽和結合が残留する場合
には、耐酸化性、耐候性等を改善する目的で、該ポリマ
ーを水素添加することができる。
【0031】水添触媒としては、オレフィン化合物の水
素化に際して一般に使用されているものであれば使用可
能であり、例えば、ウィルキンソン錯体、酢酸コバルト
/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナ
ート/トリイソブチルアルミニウム、パラジウム−カー
ボン、ルテニウム−カーボン、ニッケル−けいそう土等
を上げることができる。
【0032】水素化反応は、触媒の種類により均一系ま
たは不均一系で、通常1〜200気圧の水素圧下、0〜
250℃で行われる。水素添加率は、耐熱劣化性、耐光
劣化性などの観点から、80%以上、好ましくは90%
以上である。
【0033】(反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリ
マー)本発明の反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリ
マーは、ポリマー中に少なくとも1つの反応性ケイ素基
を有するものであり、金属や無機材料との接着性に優れ
ている。該ポリマー中の反応性ケイ素基は、ケイ素含量
として0.01〜10重量%の割合で含有されることが
好ましい。また、該ポリマーを絶縁材料として使用する
場合には、誘電率が3.0以下であることが好ましい。
さらに、耐熱性の観点から、ポリマーのガラス転移温度
(Tg)が100℃以上であることが好ましい。
【0034】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明に
ついてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実
施例のみに限定されるものではない。なお、これらの例
において、部及び%は、特に断りのない限り重量基準で
ある。
【0035】[実施例1] (開環重合体の合成)窒素雰囲気下、200リットル反
応器中に、脱水したトルエン90部、トリエチルアルミ
ニウム0.5部、トリエチルアミン1.4部、及び1−
ヘキセン0.08部を入れた。
【0036】温度を20℃に保ちながら、エチルテトラ
シクロドデセン(以下、ETDと略記)30部、及び四
塩化チタン0.17部を1時間にわたって連続的に反応
系に添加し、重合反応を行った。ETDと四塩化チタン
の全量を添加後、1時間反応を行った。
【0037】次いで、イソプロピルアルコール/アンモ
ニア水(0.5部/0.5部)混合溶液を添加して反応
を停止した後、反応生成物を500部のイソプロピルア
ルコール中に注ぎ、凝固した。凝固した重合体を60℃
で10時間、真空乾燥し、開環重合体25.5部を得
た。
【0038】(反応性ケイ素基の導入)得られた開環重
合体をシクロヘキサン200部に溶解し、200リット
ルのオートクレーブ中に白金/カーボン触媒(担持量:
2%)1.0部、及びトリクロロシラン0.7部と共に
仕込み、温度90℃で8時間反応を行った。次いで、エ
タノール3部を添加して、50℃で3時間反応させた。
この際に発生する塩酸は窒素ガスでできるだけ系外に排
出した。
【0039】白金触媒を濾過して除去した後、反応溶液
をエタノール600部中に注ぎ、凝固を行った。得られ
た反応性ケイ素基含有重合体を、60℃で10時間、真
空乾燥した。収量は、24.2部であった。
【0040】(水素添加反応)得られた反応性ケイ素基
含有重合体をシクロヘキサン200部に溶解し、200
リットルのオートクレーブ中にパラジウム/カーボン触
媒(担持量:5%)0.6部を加え、水素圧70kg/
cm2、温度140℃で4時間、水素添加反応を行っ
た。
【0041】(後処理)水素添加触媒を濾過して除去し
た後、反応溶液をイソプロピルアルコール600部中に
注ぎ、凝固を行った。得られた水素添加物を、60℃で
10時間、真空乾燥した後、シクロヘキサンに再溶解し
て10%の溶液とした。イソプロピルアルコール600
部中に注ぎ、再度凝固した。前記と同様にして乾燥・凝
固をもう一度行なった後、各々得られた水素添加物を9
0℃で48時間、真空乾燥し、水素添加物22.6部を
得た。収率は75%であった。
【0042】(ポリマーの特性)得られた反応性ケイ素
基含有ポリマー水素添加物の水素添加率は、1H−NM
Rスペクトル分析によると、90%以上であった。ま
た、トルエンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィ
ー(HLC)分析(東ソー社製、HLC802Lによ
り、TSKgelG5000H−G4000Hをカラム
として、温度38℃、流量1.0ml/分で測定)で分
子量(ポリスチレン換算)を測定した結果、数平均分子
量(Mn)7.0×104、重量平均分子量(Mw)1
7.5×104、分子量分布(Mw/Mn)2.5であ
った。
【0043】DSC分析によりガラス転移温度(Tg)
を測定し、揮発分量の熱重量分析(TGA)により、窒
素雰囲気下、昇温速度10℃/分で30℃から350℃
までの加熱減量として測定したところ、Tgは142
℃、揮発分は0.08%であった。
【0044】NMR法による分析の結果によると、ポリ
マー中のケイ素含量は0.4重量%であった。また、A
STM D−150により測定した誘電率(1MHz、
23℃)は2.5で、ASTM D−257により測定
した体積抵抗率(23℃)は5.6×1016Ωcmであ
り、ASTM D−149により測定した絶縁破壊強さ
(23℃)は33.1kV/mmであった。
【0045】得られたポリマー水素添加物をトルエンに
溶解し、微量のIN塩酸水溶液を加えて一晩撹拌した
後、この溶液を、シリコンウェハ、アルミ板、ガラス板
の各基板上にそれぞれスピンコート法により塗布した。
100℃にて10分間乾燥した後、次の方法によりゴバ
ン目テストを行った。
【0046】即ち、基板表面に形成されたポリマー層の
上から、カッターにより1mm間隔で、縦、横11本の
切れ目を入れて1mm四方のゴバン目を100個作り、
その上にセロハン粘着テープ(積水化学社製、セロテー
プ)を強く押しつけて貼り、しかる後、該粘着テープを
90°方向に剥がして、剥離しなかった目の数を%で表
した。このゴバン目テストの結果、いずれの基板に対し
ても100%で良好な接着性を示した。
【0047】[比較例1]実施例1で得た開環重合体に
対して、反応性ケイ素基を導入することなく、実施例1
と同様の方法で、水素添加反応を行い、後処理を行っ
て、水素添加物25.3部を得た。収率は84%だっ
た。
【0048】得られた重合体(水素添加物)の物性は、
次のとおりであった。 Mn:6.8×104 Mw:17.3×104 Mw/Mn:2.6 Tg:140℃ 揮発分:0.08% 誘電率ε:2.4
【0049】この重合体を実施例1と同様に処理した
後、シリコンウエハ、アルミ板、ガラス板について、そ
れぞれゴバン目テストを行ったところ、いずれも0%で
接着性は不良であった。
【0050】[実施例2]実施例1で、トリクロロシラ
ンを用いるかわりに、ジメチルクロロシラン1.3部を
用い、あとは実施例1と同様にヒドロシリル化反応、水
素添加反応を行うことによって反応性ケイ素基含有ポリ
マー水素添加物23.1部得た。収率は、77%であっ
た。
【0051】得られた重合体(水素添加物)の物性は、
次のとおりであった。 Mn:6.9×104 Mw:17.4×104 Mw/Mn:2.5 Tg:141℃ 揮発分:0.09% 誘電率ε:2.4 ケイ素含量:1.0重量%
【0052】この重合体を実施例1と同様に処理した
後、シリコンウエハ、アルミ板、ガラス板について、そ
れぞれゴバン目テストを行ったところ、いずれも100
%で良好な接着性を示した。
【0053】[実施例3]実施例1で、トリクロロシラ
ンを用いるかわりに、ジメチルエトキシシラン1.5部
を用い、ヒドロシリル化反応後のエタノール処理を行わ
ないことをのぞいて、あとは実施例1と同様にヒドロシ
リル化反応、水素添加反応を行うことによってケイ素基
含有ポリマー水素添加物を23.1部得た。収率は、7
7%であった。得られた重合体の諸物性は、実施例2の
場合とほぼ同じで、かつ、シリコンウェハ、アルミ板、
ガラス板に対してそれぞれ良好な接着性を示した。
【0054】[実施例4]窒素雰囲気下で50リットル
反応器中に、脱水したトルエン200部、単量体として
テトラシクロドデセン25部、ジシクロペンタジエン5
部、及び1−ヘキセン0.05部を入れた。
【0055】温度を20℃に保ち、トリエチルアルミニ
ウム0.5部、トリエチルアミン1.4部、及び四塩化
チタン0.17部を添加し重合を行った。重合反応に伴
う発熱で、触媒の添加後2分で反応系の温度は最高52
℃まで上昇した。その後、反応系の温度はしだいに低下
した。1時間反応させた後、イソプロピルアルコール/
アンモニア水(0.5部:0.5部)混合溶液を添加し
て反応を停止した。反応生成物を1000部のイソプロ
ピルアルコール中に注ぎ、凝固した。実施例1と同様に
して乾燥し、開環重合体10.5部を得た。
【0056】得られた開環重合体をシクロヘキサン10
0部に溶解し、白金/アルミナ触媒(担持量:5%)
0.5部、ジクロロメチルシラン1.6部を加え、実施
例1と同様な反応条件でヒドロシリル化反応を行った。
実施例1と同様に後処理を行って、反応性ケイ素基含有
ポリマー9.5部を得た。
【0057】次いで、このポリマーをシクロヘキサン1
00部に溶解し、パラジウム/カーボン触媒0.9部を
加え、実施例1と同様な反応条件で、水素添加を行っ
た。反応後、実施例1と同様に後処理を行い、水素添加
物9.0部を得た。モノマーからの収率は30%であっ
た。
【0058】得られた重合体(水素添加物)の物性は、
次のとおりであった。 Mn:30.6×104 Mw:122×104 Mw/Mn:4.0 Tg:135℃ 揮発分:0.05% 誘電率ε:2.4 ケイ素含量:2.7重量%
【0059】この重合体を実施例1と同様に処理した
後、シリコンウェハ、アルミ板、ガラス板について、そ
れぞれゴバン目テストを行ったところ、いずれも100
%で良好な接着性を示した。
【0060】[比較例2]実施例4で、開環重合体に対
して反応性ケイ素基を導入することなく、水素添加反応
を行い、後処理を行って水素添加物9.5部を得た。収
率は、32%であった。
【0061】得られた重合体(水素添加物)の物性は、
次のとおりであった。 Mn:30×104 Mw:122×104 Mw/Mn:4.0 Tg:132℃ 揮発分:0.05% 誘電率ε:2.4
【0062】この重合体を実施例1と同様に処理した
後、シリコンウェハ、アルミ板、ガラス板について、そ
れぞれゴバン目テストを行ったところ、いずれも0%で
接着性は不良であった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、ノルボルネン系ポリマ
ーにヒドロシリル化反応によって反応性ケイ素基を導入
することにより、誘電率が低く、耐熱性があり、かつ、
金属や無機材料との接着性に優れた反応性ケイ素基含有
ノルボルネン系ポリマーを提供することができる。該ポ
リマーは、その優れた諸特性を生かして、特に電気絶縁
材料として好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光田 康裕 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社 研究開発セン ター内 (56)参考文献 米国特許4845153(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 32/00 - 32/08 C08F 132/00 - 132/08 C08F 232/00 - 232/08 C08G 61/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素−炭素二重結合を有するノルボルネ
    ン系ポリマーと、ケイ素原子に直結した水素原子と反応
    性基を有するケイ素化合物とをヒドロシリル化反応せし
    め、さらに所望により反応生成物を水素添加することを
    特徴とする反応性ケイ素基含有ノルボルネン系ポリマー
    の製造方法。
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