JP3086947B2 - アスファルトマットの施工方法 - Google Patents

アスファルトマットの施工方法

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JP3086947B2 JP09150915A JP15091597A JP3086947B2 JP 3086947 B2 JP3086947 B2 JP 3086947B2 JP 09150915 A JP09150915 A JP 09150915A JP 15091597 A JP15091597 A JP 15091597A JP 3086947 B2 JP3086947 B2 JP 3086947B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋構造物等の下
面に配置して、捨石基礎表面との摩擦力を増大させるマ
ット部材に関し、特に、多数枚の小サイズのマット部材
を縦横に配置して摩擦増大用マット部材を構成する際
に、マット部材間の目地を塞いで隙間が生じないように
するアスファルトマットの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】防波堤や岸壁等のような海洋構造物を構
築する際には、海底地盤上に捨石基礎を構築し、前記捨
石基礎の上にアスファルトマットのようなマット部材を
敷設して、その上にケーソン等を設置して海洋構造物を
構成している。前記アスファルトマットのようなマット
部材は、海洋構造物の捨石基礎上での摩擦増大部材とし
て用いる他に、止水部材としての性能を持たせるものも
あり、例えば、特開昭62−27141号公報等に示さ
れるような構造のものが知られている。前記アスファル
トマットは、上下の2つの層に形成されるアスファルト
層の間に、内部補強部材としてのガラスクロスや金網等
を挟むようにして配置し、前記内部補強部材の下面に
は、所定の間隔でワイヤロープを配置して構成してい
る。そして、ワイヤロープの両端部に設けたアイ部(吊
り環部材)をマットの両側端部に突出させて設け、前記
アイ部を吊具の係止部材に係止させて、アスファルトマ
ットの荷役を行う際に使用する。
【0003】前記アスファルトマットは任意の大きさの
ものとして構成することができるものであり、例えば、
海洋構造物等の底面積の大きさに対応させて構成する場
合でも、最大サイズが10m×50mで、厚さが10cm
程度のものとして構成することが可能である。したがっ
て、任意の大きさのマット部材を1枚のものとして構成
することにより、広い面積を覆うことが可能である。ま
た、大サイズの前記マット部材は、専用の吊り枠装置等
を使用することによって、海洋構造物の基礎を覆うよう
にして敷設する場合でも、比較的容易に施工を行うこと
ができる。
【0004】前記アスファルトマットは、大サイズのも
のとして構成するものであることから、敷設現場に近接
した陸上で製造され、クレーン等の荷役装置を用いて吊
り下げた状態で搬送する。ところが、前記マット部材は
非常に重いものであること、および、マット内部に挿入
している1本のワイヤが支持する重量も、非常に大きい
ものである。そして、前記マット部材を吊り枠に支持さ
せて移動させる都度、ワイヤを介してマット部材には大
きな曲げ作用が付与される場合があり、そのマット部材
に平行に配置されている多数本のワイヤに対して不均一
な張力と重量が付与されるという問題がある。また、前
記クレーン等による荷役を繰り返して行う場合には、マ
ット部材にクラックが生じたりする等の不都合が懸念さ
れるために、そのマット部材の取扱いには十分な注意を
払う必要があり、荷役の能率が良くないという課題が残
されている。
【0005】前記アスファルトマットのようなマット部
材は、海底地盤上に構築した捨石基礎の上に敷設して、
海洋構造物を基礎上に安定して保持させるようなものと
して用いる場合が多い。その他に、ケーソン等の構造物
の底面に一体に取付けて、摩擦増大部材として構成し、
マット部材を底面に設けた構造物を、捨石基礎上に安定
する状態で設置できるようにする。前記ケーソンのよう
な構造物の底面にマット部材を配置する場合には、ケー
ソン構築ヤードの床面に、構造物の底面積に対応させた
大きさのマット部材を製造し、その上に構造物を構築す
るような方法を用いている。しかしながら、前述したよ
うな工法を用いる場合には、構造物の構築の前にマット
部材の製造が行われるために、ケーソン製造ヤードでの
工事期間が長くなり、構造物の製造能率が良くないとい
う問題がある。
【0006】そこで、前記大サイズのマットの取扱い性
の問題を解消するために、小サイズのマットを工場で製
造し、構造物製作現場で小サイズのマット部材を敷き詰
めて配置して、大サイズの摩擦増大用マット部材を構成
する工法が提案されている。そして、前記小サイズのマ
ット部材を縦横に多数枚組み合わせて、大サイズのマッ
ト部材を構成することにより、構造物製作現場ではマッ
ト部材の製造の手間を省くことが可能になり、工事期間
を短縮することが可能となる。また、小サイズのマット
部材は必ずしも構造物製作現場で製作する必要はなく、
工場で大量に同一規格のマット部材を製作したものを、
遠隔地にトラック等を用いて輸送することができるため
に、工場で品質の良い小サイズのマット部材を大量に製
造できるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記小サイズのマット
部材を多数枚縦横に配置して摩擦増大用マット部材を構
成する場合に、例えば、従来のアスファルトマットと同
様に、不透水性を持たせることが要求される場合があ
る。そこで、前記不透水性を持たせるためには、図11に
示すように、各マット部材2……の接続部としての目地
部3に流動性の大きなアスファルト合材を充填して、充
填部7を形成することが考えられる。前記充填部7は、
マット部材と同様な素材を高温で溶融させたものを充填
するので施工が容易であり、目地部を塞ぐとともに、マ
ット部材の端部にも接着するので、摩擦増大用マット部
材に止水性を発揮させることが可能である。そして、鉄
製の構造物の底面に配置した場合でも、底面が海水等に
直接接することを阻止でき、構造物の底面が海水により
腐食されることを防止できる。
【0008】ところが、前記アスファルト合材は、熱膨
脹率が大きいものであるために、例えば、220 ℃に加熱
したものを目地部に充満させた後で、20℃の常温にまで
冷却すると体積が約12%減少するために、図12に示すよ
うに充填部7の上部に凹部が形成される。そこで、一度
アスファルト合材を打設して目地部を塞いだ後で、追加
のアスファルト打設作業を行って表面を平らに成形する
ためには2度の手間をかける必要があり、構造物作成現
場での摩擦増大用マット部材の製造作業の工程にも影響
が発生する。また、前記図11、12に示すような充填部を
形成する場合には、目地部の下部にアスファルトを含浸
させた紙8等を配置するとともに、マット部材の下面端
部の隙間からアスファルト合材が流出しないようにする
ために、砂等の目詰め材料9を配置してから、充填部の
施工を行う必要がある。そのために、目地部に充填部7
を形成する作業が、比較的手間を多く必要とするという
問題があり、その目地部の充填のための作業工程を簡素
化することが望まれている。
【0009】本発明の目的は、前述したような小サイズ
のマット部材を組み合わせて、大サイズの摩擦増大用マ
ット部材を構成する場合の問題を解消するもので、マッ
ト部材の接続部の目地部に対して簡易な方法で目地を塞
ぐ工法を適用し、摩擦増大用マット部材の製作工程を簡
素化するとともに、止水性を良好に発揮できる摩擦増大
用マット部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、防波堤や岸壁のような海洋構造物の下面に配
置し、海底に構築した支持基礎部材表面との間での摩擦
を増大させる摩擦増大用マット部材を小サイズのマット
部材により構成し、前記マット部材を構造物のサイズに
対応させて、多数枚を縦横に敷き詰めて配置するものに
おいて、目地部を塞ぐ部材を弾性体の両側面に接着剤を
設けた板状パッキング部材で構成し、あらかじめ前記板
状パッキング部材を一方のマット部材の側面に取付け、
前記マット部材に対して隣接するマット部材を押圧して
接続することにより、マット部材間の目地部を塞いだマ
ット部材を配置した後に、各マット部材の目地部の上面
を覆うように粘着テープ部材を接着したこと、または、
目地部に配置する部材を、筒状の弾性体の周囲に接着剤
を設けた円筒状パッキング部材で構成し、前記マット部
材間の目地に円筒状パッキング部材を挿入してマット部
材間の目地を塞いだマット部材を配置した後に、各マッ
ト部材の目地部の上面を覆うように粘着テープ部材を接
着したことを要旨とするものである。
【0011】本発明の請求項1の発明は、前記マット部
材を配置した後に、各マット部材の目地部の上面を覆う
ように粘着テープ部材を接着し、前記粘着テープ部材を
用いてマット部材間の目地を塞ぐことを特徴とする。そ
して、小サイズのマット部材を工場で製造して道路運搬
を行うことができるために、構造物製作現場ではアスフ
ァルトマットを作成する手間と設備を省くことができ、
現場での摩擦増大用マット部材施工期間を短縮すること
もできる。また、マット部材の間の目地部を粘着テープ
部材を貼り付けることにより容易に塞ぎ得て、摩擦増大
用マット部材に止水性を発揮させることができるので、
構造物の底面を保護する作用を良好に発揮させることが
可能になる。また、前記目地部を塞ぐ部材を、弾性体の
両側面に接着剤を設けた板状パッキング部材で構成し、
あらかじめ前記板状パッキング部材を一方のマット部材
の側面に取付け、前記マット部材に対して隣接するマッ
ト部材を押圧して接続することにより、マット部材間の
目地部を塞いだ摩擦増大用マット部材を構成することを
特徴とする。したがって、マット部材を組み合わせて摩
擦増大用マット部材を製造する際に、マット部材の側面
に板状パッキング部材を取付けてから、隣接するマット
部材を組み合わせることにより、目地部を板状パッキン
グ部材により塞ぐ作業を容易に行うことができる。
【0012】さらに、請求項2の発明では、前記作用に
加えて、目地部に配置する部材を、筒状の弾性体の周囲
に接着剤を設けた円筒状パッキング部材で構成し、前記
マット部材間の目地に円筒状パッキング部材を挿入して
マット部材間の目地を塞いだ摩擦増大用マット部材を構
成することを特徴とする。そして、マット部材を多数枚
縦横に配置した後で、目地部の部分に円筒状パッキング
部材を押し込むことにより、隣接するマット部材の間の
隙間を円筒状パッキング部材により塞ぐことが可能であ
り、マット部材を円筒状パッキング部材を介して接続し
た摩擦増大用マット部材を容易に得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の摩擦増大用マット部材作成工法を説明する。図1に
示す例において、摩擦増大用マット部材1は多数枚のマ
ット部材2……を縦横に配置して構成するものであり、
前記摩擦増大用マット部材1の長さLと巾Wとを、その
上に構築する構造物の底面積に合わせて構成する。前記
摩擦増大用マット部材1に配置するマット部材2……
は、巾がW1で長さがL1のものとして構成しており、
前記マット部材2の最大サイズをトラックに積載して道
路を輸送可能なサイズに構成するので、最大巾が2.5 m
以下で、長さが10m以下のものとして構成する。また、
前記マット部材間の目地部3、3aには、後述するよう
に、テープ状の部材を貼り付けることや、弾性体を押圧
して配置することにより、マット部材相互の接続を行っ
て目地を塞いで止水性を発揮させ、摩擦増大用マット部
材の上に構築する構造物の底面を保護する。
【0014】前記目地部を塞ぐために、図2に示すよう
な粘着テープ部材4を用いることができるもので、粘着
テープ部材4としては、不織布のテープ状のものにゴム
アスファルトを含浸させて接着性を持たせたものや、一
般の荷造りに用いられるテープ状の部材を用いることが
できる。そして、前記粘着テープ部材4を、マット部材
2、2間に形成される目地部3の上面に貼り付けること
により、マット部材を粘着テープ部材により接続し、マ
ット部材間に止水性を発揮させるようにする。したがっ
て、図2に示すような目地部を塞ぐ工法を用いる場合に
は、多数枚のマット部材を縦横に配置した後で、各マッ
ト部材の間の目地部を粘着テープ部材により塞ぐのみ
で、直ちにその上に構造物を製作することが可能であ
り、構造物の製作期間を短縮することができる。
【0015】図3に示す例は、マット部材間の目地部に
対して、板状パッキング部材5により塞ぐ方法を用いる
場合を説明している。この実施例に用いる板状パッキン
グ部材5としては、任意の弾性体を用いることができる
もので、例えば、スポンジゴム等のような独立した気泡
を有する発泡体を用い、マット部材2を組み合わせて摩
擦増大用マット部材を構成する際に、マット部材の側部
に接着剤5aを用いて板状パッキング部材5を貼り付け
ておく。そして、前記板状パッキング部材5の他の側面
に接着剤5bを塗布してから、隣接するマット部材2を
組み合わせるようにして、新たに配置するマット部材を
板状パッキング部材5の接着剤5bの塗布面に押圧する
ことにより、目地部を板状パッキング部材5により塞ぐ
ようにする。また、前記板状パッキング部材5として
は、例えば、弾性体の両面にあらかじめ接着剤成分を設
けたものを工場で製作し、その板状パッキング部材5を
先に配置したマット部材の側面に貼り付けてから、隣接
するマット部材を押圧して配置するような手段を用い、
各マット部材の間の目地部に板状パッキング部材を介在
させるような工法を用いても良い。
【0016】図4に示す例では、多数枚のマット部材2
……を目地部3を介して配置した後で、円筒状パッキン
グ部材6を押し込むようにして挿入する工法を用いる場
合を説明している。前記円筒状パッキング部材6として
は、プラスチックやゴム等の発泡材料を用いて筒状の部
材を構成し、その周囲の面に接着剤成分を塗布したもの
を用いるが、例えば、一般の建築や土木の分野におい
て、壁板部材と構造物本体との間の隙間や、任意の隙間
を塞ぐために使用されている筒状体を用いることも可能
である。そして、前記円筒状パッキング部材6を用いて
目地部を塞ぐ工法を用いる場合には、マット部材を多数
枚配置して摩擦増大用マット部材に合わせたサイズのマ
ットを構成した後で、各目地部に対して円筒状パッキン
グ部材6を押し込むようにして挿入し、接着剤6aを隣
接するマット部材の側面に貼り付けるようにして一体化
させるようにする。
【0017】前記本発明の工法に示す例において、テー
プ状部材の接着面に塗布する接着剤および、板状パッキ
ング部材や円筒状パッキング部材の接着面に塗布する接
着剤の各々は、マット部材のアスファルトに接着可能な
成分を用いて構成するものであり、アスファルトに接着
可能な市販の接着剤を用いることができる。また、前記
板状パッキング部材や円筒状パッキング部材を用いる場
合には、弾性体を製造する工場であらかじめ接着剤を塗
布したものを、剥離紙により保護した状態で入手し、摩
擦増大用マット部材施工現場では剥離紙を取り去って使
用することによって、目地部の充填作業効率を向上させ
ることができる。さらに、前記板状パッキング部材や円
筒状パッキング部材としては、例示したものと同様な作
用と効果を奏するものであれば、他の任意の弾性体を用
いることも可能である。
【0018】
【実施例】前述したような摩擦増大用マット部材1を構
成するためのマット部材2としては、例えば、図5〜7
に示すようなマット単位体10を使用することができる。
前記マット単位体10は、2層に分けて打設するアスファ
ルト合材の層11、11aの間に、内部補強層12を配置して
一体化することは、従来のアスファルトマットの場合と
同様であるが、本実施例においては、マット部材の荷役
と構造物への取付けのために、マット内部に所定の間隔
でボルト取付け金具20を埋設して配置している。そし
て、前記マット単位体10に配置するボルト取付け金具20
に対して、下部の係止部材を用いてアンカーボルト24を
取付け、前記アンカーボルト24を介して荷役用の吊り枠
に係止して保持させることにより、荷役作業を容易に行
うとともに、構造物にマット部材を取り付ける際にも、
アンカーボルト24を用いて接続させることができるよう
にしている。また、マット単位体10の巾W1と長さL1
は、前記マット部材の場合と同様に、トラック等を用い
て道路輸送が可能なサイズに構成される。
【0019】前記マット単位体10を製造する際には、図
6、7に示すように、マット部材製造面にクラフト紙の
ような離型紙17を敷設し、その上のボルト取付け金具に
対応する位置に防錆シート16を配置して、ボルト取付け
金具20の脚部21を載置する。前記ボルト取付け金具20の
配置間隔L2、W2は、各アンカーボルトがマット部材
の単位面積当りの重量を支持可能な範囲に設定するもの
で、一般的には0.5 〜1mの間隔とする。そして、マッ
ト単位体の下面の層11の厚さにアスファルト合材を打設
して、均一な厚さに敷き均すことにより、ボルト取付け
金具20の下部の部分をアスファルト合材の内部に埋設す
る状態で固定する。次いで、下層11の上に縦横の鉄筋1
4、14aを配置するとともに、必要に応じて帯鉄15を配
置し、その上面にアスファルトを含浸させたガラスクロ
ス13を配置して内部補強層12を構成する。なお、前記内
部補強層に設ける鉄筋14を、ボルト取付け金具20と組み
合わせて配置する場合には、ボルト取付け金具20に付与
される抜き出し方向の力を、鉄筋14を介してマットの広
い範囲に伝達させることができる。
【0020】前記内部補強層12を構築してから、上層11
aのアスファルト合材を打設して、内部補強層12をアス
ファルト層の間に挟んで一体化したマットを作成する
と、マットの上面にはボルト取付け金具20の頂部材22の
みが露出される状態となる。前記ボルト取付け金具20の
頂部材22に設けている挿入孔23には、略L字状に構成す
るアンカーボルト24の下部の係止部材を挿入して、少し
だけ横移動させることにより固定保持させることができ
る。また、前記ガラスクロス13は、任意の形状のもので
構成することができるものであり、挿入孔23に取付ける
ための係止部材としても、2つのナットの間にボルト取
付け金具の頂部材を挟んで固定する方式や、その他の任
意の取付け手段を用いることができる。なお、前記ボル
ト取付け金具20の頂部材23の部分には、アンカーボルト
24を装着する際に必要とされる空間部が残されることに
なるが、その空間部は、前記実施例に示されたような手
段を用いて、マット部材の間の目地部を塞ぐようにして
摩擦増大用マット部材を形成し、各マット部材のボルト
取付け金具にアンカーボルトを取付けた後で、流動性の
大きなアスファルト合材を流し込むことにより、アンカ
ーボルトの固定と空間を塞ぐことが可能となる。
【0021】前記マット単位体10を用いて摩擦増大用マ
ット部材を構成し、その上面にコンクリートケーソンの
ような構造物を構築する際には、図8に示されるように
して行うことができる。前記図8に示される例におい
て、マット単位体10……を摩擦増大用マット部材のサイ
ズに対応させて多数枚配置し、各マット部材の間の目地
部には板状パッキング部材29を配置し、マット部材の上
面に粘着テープ部材28を貼り付けて設けること、また
は、いずれか1つの封止材料を用いて目地部を塞ぐ処理
を施工する。そして、マット単位体の上面に露出してい
るボルト取付け金具の頂部材に対してアンカーボルト24
……を各々取付け、ボルト取付け金具の上部分に対応す
る隙間にアスファルトを充填する処理を行って、平らな
表面に多数のアンカーボルトが突出した摩擦増大用マッ
ト部材を作成する。次に、前記アンカーボルト24……と
組み合わせる状態で、構造物25の底部鉄筋26,26aを配
置して、アンカーボルトの上部材と鉄筋の各々とを結束
して固定する。さらに、前記構造物の下部の鉄筋に対し
て、任意の鉄筋等を接続してから型枠を組み、前記型枠
の内部にコンクリートを打設して、構造物を作成するこ
とにより、下面に摩擦増大用マット部材を一体化させて
取付けた構造物を製造することができる。
【0022】前記図8の例では、コンクリートケーソン
のような構造物を製作する場合について説明したが、前
記マット単位体により構成する摩擦増大用マット部材
は、下面が鋼板で形成されるハイブリッドケーソンのよ
うな構造物にも適用が可能である。その場合には、ケー
ソンの下面を構成する鉄板に対して、アンカーボルトの
間隔に対応する孔を配置しておき、前記鉄板の上面に突
出させたアンカーボルトに鉄筋等を接続してから、構造
物の下部コンクリートを打設して、アンカーボルトを介
して構造物の底面に摩擦増大用マット部材を固定保持さ
せる。
【0023】前記マット単位体10の他に、本発明におい
ては、図9、10に示すように、一般的なアスファルトマ
ットを小サイズのものとして構成したマット単位体30を
用いて構成することができる。図9、10に示すマット単
位体30は、上下部層31、31aの間に配置する内部補強層
32をガラスクロス33と鉄筋34および、ワイヤ35を組み合
わせて構成し、これらの部材で構成する内部補強層32を
アスファルト層の間に一体化させる。また、ワイヤ35の
端部にアイ部36を突出させて設け、前記アイ部36を吊具
に係止させて荷役に使用する場合には、ワイヤの端部を
マットに保持させるために帯鉄37を一体に設ける。な
お、ワイヤを配置して荷役に使用しない場合には、前記
ワイヤに代えて鉄筋を配置し、マット単位体の側面に突
出物を設けないようにすることが可能であり、マット単
位体の側面にワイヤの端部を設けた場合にも、摩擦増大
用マット部材を作成する際にワイヤの突出端部を切断す
る処理を行うと、目地部の巾を狭くすることができる。
【0024】前記マット単位体30においては、その表面
に突出させるようにして、間隔L2、W2で針金部材38
を配置し、前記針金部材38の基部を鉄筋に結束して固定
する。前記針金部材38はアンカーボルトの場合と同様
に、単位面積当りのマット重量を支持できる強度に対応
させた太さのものを用い、前記針金部材を用いて構造物
に接続して取付けるようにする。また、前記針金部材を
用いて荷役に使用することが可能であり、ワイヤを設け
ないマット部材においては、針金部材を用いて荷役用の
吊具に接続してマット単位体の取扱いを行うことも可能
である。そして、前記マット単位体30を用いて摩擦増大
用マット部材を構成する場合にも、前記図2〜4に示し
たように、隣接するマット単位体間の接続を行い、目地
部を埋めることにより摩擦増大用マット部材の止水性を
発揮することが可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明の摩擦増大用マット部材は、前述
したように、前記マット部材を配置した後に、各マット
部材の目地の部分の上面を覆うように粘着テープ部材を
接着し、前記粘着テープ部材を用いてマット部材間の目
地を塞ぐので、小サイズのマット部材を工場で製造して
道路運搬を行うことができるために、構造物製作現場で
はアスファルトマットを作成する手間と設備を省くこと
ができ、現場での摩擦増大用マット部材施工期間を短縮
することもできる。そして、マット部材の間の目地部を
粘着テープ部材を貼り付けることにより容易に塞ぎ得
て、摩擦増大用マット部材に止水性を発揮させることが
できるので、構造物の底面を保護する作用を良好に発揮
させることが可能になる。また、目地部に板状パッキン
グ部材を配置するので、マット部材を組み合わせて摩擦
増大用マット部材を製造する際に、マット部材の側面に
板状パッキング部材を取付けてから、隣接するマット部
材を組み合わせることにより、目地部を板状パッキング
部材により塞ぐ作業を容易に行うことができる。さら
に、前記マット部材間の目地部に円筒状パッキング部材
を挿入してマット部材間の目地を塞いだ摩擦増大用マッ
ト部材を構成する場合には、マット部材を多数枚縦横に
配置した後で、目地部の部分に円筒状パッキング部材を
押し込むことにより、隣接するマット部材の間の隙間を
円筒状パッキング部材により塞ぐことが可能であり、マ
ット部材を円筒状パッキング部材を介して接続した摩擦
増大用マット部材を容易に得ることができる。したがっ
て、本発明のアスファルトマットの施工方法において
は、小サイズのマット部材を組み合わせる状態で大サイ
ズの摩擦増大用マット部材を構成することができ、構造
物の下面における止水性を良好に発揮し、構造物から摩
擦増大用マット部材が剥離する等の事故が生じることを
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】構造物の下面に配置する摩擦増大用マット部材
の説明図である。
【図2】本発明の第1の部分説明図である。
【図3】本発明の第2の部分説明図である。
【図4】本発明の第3の部分説明図である。
【図5】本発明のマット部材の構成を示す説明図であ
る。
【図6】図5のマット部材の要部を切断した説明図であ
る。
【図7】図5のマット部材の側面図である。
【図8】図5のマット部材を構造物に組み合わせる例の
説明図である。
【図9】本発明のマット部材の別の実施例の説明図であ
る。
【図10】図9のマット部材の側面図である。
【図11】小サイズのマット部材を接続する例の説明図
である。
【図12】アスファルト合材が冷却した状態の説明図で
ある。
【図13】目地部の処理の段階の説明図である。
【符号の説明】
1…摩擦増大用マット部材 2…マット部材 3…目地部 4…粘着テープ
部材 5…板状パッキング部材 6…円筒状パッ
キング部材 7…充填部 10,30…マット
単位体 12,32…内部補強層 13,33…ガラス
クロス 20…ボルト取付け金具 22…頂部材 24…アンカーボルト 24…構造物 26…底部鉄筋 28…粘着テープ
部材 29…パッキング部材 38…針金部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−74264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/12 E02B 3/06 301 E02D 23/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防波堤や岸壁のような海洋構造物の下面
    に配置し、海底に構築した支持基礎部材表面との間での
    摩擦を増大させる摩擦増大用マット部材を小サイズのマ
    ット部材により構成し、 前記マット部材を構造物のサイズに対応させて、多数枚
    を縦横に敷き詰めて配置するものにおいて、 目地部を塞ぐ部材を弾性体の両側面に接着剤を設けた板
    状パッキング部材で構成し、あらかじめ前記板状パッキ
    ング部材を一方のマット部材の側面に取付け、前記マッ
    ト部材に対して隣接するマット部材を押圧して接続する
    ことにより、マット部材間の目地部を塞いだマット部材
    を配置した後に、各マット部材の目地部の上面を覆うよ
    うに粘着テープ部材を接着したことを特徴とするアスフ
    ァルトマットの施工方法。
  2. 【請求項2】 防波堤や岸壁のような海洋構造物の下面
    に配置し、海底に構築した支持基礎部材表面との間での
    摩擦を増大させる摩擦増大用マット部材を小サイズのマ
    ット部材により構成し、 前記マット部材を構造物のサイズに対応させて、多数枚
    を縦横に敷き詰めて配置するものにおいて、 目地部に配置する部材を、筒状の弾性体の周囲に接着剤
    を設けた円筒状パッキング部材で構成し、 前記マット部材間の目地に円筒状パッキング部材を挿入
    してマット部材間の目地を塞いだマット部材を配置した
    後に、各マット部材の目地部の上面を覆うように粘着テ
    ープ部材を接着したことを特徴とするアスファルトマッ
    トの施工方法。
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