JP3086637B2 - アナログ−デジタル変換回路 - Google Patents

アナログ−デジタル変換回路

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JP3086637B2
JP3086637B2 JP07224259A JP22425995A JP3086637B2 JP 3086637 B2 JP3086637 B2 JP 3086637B2 JP 07224259 A JP07224259 A JP 07224259A JP 22425995 A JP22425995 A JP 22425995A JP 3086637 B2 JP3086637 B2 JP 3086637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアナログ−デジタル
変換回路(A/Dコンバータ)に係り、詳しくは、多段
パイプライン(ステップフラッシュ)構成をとるA/D
コンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ信号のデジタル処理技術の
進歩に伴い、ビデオ信号処理用のA/Dコンバータの需
要が大きくなっている。ビデオ信号処理用のA/Dコン
バータには高速変換動作が要求されるため、従来、2ス
テップフラッシュ(2ステップパラレル)方式が広く用
いられていた。
【0003】しかし、変換ビット数の増大に伴い、2ス
テップフラッシュ方式では十分な変換精度が得られなく
なってきた。分解能を表すLSB(Least Significant
Bit)は、式(1)に示すように、アナログ入力信号の
入力電圧範囲(FSR;FullScale Range)とビット数
Nとを用いて表される。
【0004】1LSB=FSR/2N ………(1) 例えば、ビット数が10ビットでFSRが2Vの場合、
式(1)からLSBは2mVとなる。このようにLSB
が小さくなると、2ステップフラッシュ方式A/Dコン
バータを構成する各コンパレータの分解能が限界とな
り、十分な変換精度を得ることが難しくなる。実際問題
として、2ステップフラッシュ方式で9ビット以上を得
ることは現実的でない。
【0005】そこで、各段がA/Dコンバータとデジタ
ル−アナログ変換回路(D/Aコンバータ)と差分アン
プとから成る多段パイプライン構成をとるA/Dコンバ
ータが開発された。
【0006】その動作は、まず、アナログ入力信号に対
して、1段目のA/Dコンバータを用いてA/D変換を
行う。次に、1段目のA/DコンバータのA/D変換結
果を1段目のD/Aコンバータに加え、D/A変換を行
う。続いて、1段目のD/AコンバータのD/A変換結
果とアナログ入力信号とを1段目の差分アンプに加え、
差分を増幅する。その1段目の差分アンプの出力に対し
て、2段目のA/Dコンバータを用いてA/D変換を行
う。次に、2段目のA/DコンバータのA/D変換結果
を2段目のD/Aコンバータに加え、D/A変換を行
う。続いて、2段目のD/AコンバータのD/A変換結
果と1段目の差分アンプの出力とを2段目の差分アンプ
に加え、差分を増幅する。この後は、同様の動作を各段
で順次行う。但し、最後段はA/Dコンバータだけから
構成され、前段の差分アンプの出力をA/D変換する。
例えば、3段パイプライン構成で、1〜3段目のA/D
コンバータのビット数(ビット構成)がそれぞれa,
b,cの場合には、1段目のA/Dコンバータから上位
aビット、2段目のA/Dコンバータから中位bビッ
ト、3段目のA/Dコンバータから下位cビットのデジ
タル出力が得られる。
【0007】ところで、パイプライン動作では、m段目
のA/DコンバータがA/D変換のサンプリングを行っ
ている時、m+1段目のD/AコンバータはD/A変換
を行う。つまり、パイプライン動作では、隣合う各段の
動作が異なり、奇数段と偶数段が別の動作を行う。
【0008】尚、各段において、A/DコンバータとD
/Aコンバータのビット数(ビット構成)nは同じに設
定されている。また、各段のA/Dコンバータは、A/
Dコンバータ全体と区別するため、サブA/Dコンバー
タと呼ばれる。そして、サブA/Dコンバータには、高
速変換動作が可能な全並列比較(フラッシュ)方式が用
いられる。
【0009】このように、多段パイプライン構成をとれ
ば、各段において、アナログ入力信号または前段の差分
アンプの出力と、その段のデジタル出力のD/A変換結
果との差分が、その段の差分アンプによって増幅され
る。そのため、変換ビット数が増大してLSBが小さく
なっても、A/Dコンバータを構成する各コンパレータ
の分解能を実質的に向上させることが可能になり、十分
な変換精度が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】各段のサブA/Dコン
バータのデジタル出力には、差分アンプのゲインエラー
などの誤差が含まれる。多段パイプライン構成では、そ
のような各段のデジタル出力の誤差が積み重なって全体
のA/D変換精度を大幅に低下させる。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、多段パイプライン構成
をとる高精度なアナログ−デジタル変換回路を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のアナロ
グ−デジタル変換回路は、各段がアナログ−デジタル変
換回路とデジタル−アナログ変換回路と差分アンプとか
ら成る3段以上の多段パイプライン構成をとり、最終段
を除く各段のそれぞれに対応して、その段のデジタル出
力のエラー補正を行うエラー補正回路を備えたものであ
って、最終段より一つ前の段を除く段に対応する前記エ
ラー補正回路は、対応する段のデジタル出力に対し、後
段から入力される冗長使用信号並びに後段に対応するエ
ラー補正回路から入力される桁上げ信号及び桁借り信号
を加減算することにより、対応する段のデジタル出力を
補正するものであって、後段の冗長使用信号並びに前記
桁上げ信号及び桁借り信号が入力される全加算器及び全
減算器と、この全加算器及び全減算器からの信号が入力
される半加算器及び半減算器とを備え、最終段より一つ
前の段に対応する前記エラー補正回路は、対応する段の
デジタル出力に対し、最終段から入力される冗長使用信
号を加減算することにより、対応する段のデジタル出力
を補正するものであって、最終段からの冗長使用信号が
入力される半加算器及び半減算器を備えることをその要
旨とする。
【0013】請求項2に記載のアナログ−デジタル変換
回路は、各段がアナログ−デジタル変換回路とデジタル
−アナログ変換回路と差分アンプとから成る3段以上の
多段パイプライン構成をとり、最終段を除く各段のそれ
ぞれに対応して、その段のデジタル出力のエラー補正を
行うエラー補正回路を設けると共に、初段のエラー補正
回路を除いて、前記各エラー補正回路における前段への
出力部に論理回路を設けたものであって、前記論理回路
は、対応する段から入力される冗長使用信号とその段の
エラー補正回路から入力される桁上げ信号との論理をと
ってその段に対する桁上げ信号及び桁借り信号を出力
し、最終段より一つ前の段を除く段に対応する前記エラ
ー補正回路は、対応する段のデジタル出力に対し、後段
の論理回路から入力される桁上げ信号及び桁借り信号を
加減算することにより、対応する段のデジタル出力を補
正するものであって、前記桁上げ信号及び桁借り信号が
入力される全加算器を備え、最終段より一つ前の段に対
応する前記エラー補正回路は、対応する段のデジタル出
力に対し、最終段から入力される冗長使用信号を加減算
することにより、対応する段のデジタル出力を補正する
ものであって、最終段からの冗長使用信号が入力される
全加算器を備えることをその要旨とする。
【0014】請求項3に記載のアナログ−デジタル変換
回路は、各段がアナログ−デジタル変換回路とデジタル
−アナログ変換回路と差分アンプとから成る3段以上の
多段パイプライン構成をとり、最終段を除く各段のそれ
ぞれに対応して、その段のデジタル出力のエラー補正を
行うエラー補正回路を設けると共に、初段のエラー補正
回路を除いて、前記各エラー補正回路における前段への
出力部に論理回路を設けたものであって、前記論理回路
は、その段のエラー補正回路から入力される桁上げ信号
に対し、その段以降の全ての段が出力する冗長使用信号
を反映させた信号との論理をとって、前段に対する桁上
げ信号及び桁借り信号を出力し、最終段より一つ前を除
く段に対応する前記エラー補正回路は、対応する段のデ
ジタル出力に対し、前記論理回路から入力される桁上げ
信号及び桁借り信号を加減算することにより、対応する
段のデジタル出力を補正するものであって、前記桁上げ
信号及び桁借り信号が入力される全加算器を備え、最終
段より一つ前の前記エラー補正回路は、対応する段のデ
ジタル出力に対し、最終段から入力される冗長使用信号
を加減算することにより、対応する段のデジタル出力を
補正するものであって、最終段からの冗長使用信号が入
力される全加算器を備えることをその要旨とする。
【0015】請求項4に記載のアナログ−デジタル変換
回路は、請求項4に記載の発明において、前記論理回路
は、その段のエラー補正回路から入力される桁上げ信号
とその段が出力するH側の冗長使用信号とその段の前記
エラー補正回路に含まれる全加算器のY端子に入力され
る信号と同一の信号との論理をとって桁上げ信号を生成
し、その段のエラー補正回路から入力される桁上げ信号
とその段が出力するL側の冗長使用信号とその段の前記
エラー補正回路に含まれる全加算器のY端子に入力され
る信号と同一の信号との論理をとって桁借り信号を生成
することをその要旨とする。
【0016】請求項5に記載のアナログ−デジタル変換
回路は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の発明にお
いて、前記エラー補正回路は、全加算器のみによって加
減算を行うことをその要旨とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を具体化した第1実施形
態を図面に従って説明する。
【0018】図1に、本実施形態の8ビット3段パイプ
ライン構成をとるA/Dコンバータ1のブロック回路を
示す。A/Dコンバータ1は、サンプルホールド回路
2、1段目〜3段目の回路3〜5、ラッチ回路6、出力
回路7から構成される。
【0019】1段目および2段目の回路3,4は、サブ
A/Dコンバータ8、D/Aコンバータ9、差分アンプ
10を備える。3段目(最終段)の回路5はサブA/D
コンバータ8だけを備える。1段目(初段)の回路3は
4ビット構成、2段目および3段目の回路4,5はそれ
ぞれ2ビット構成である。1段目および2段目の回路
3,4において、サブA/Dコンバータ8およびD/A
コンバータ9のビット数(ビット構成)nは同じに設定
されている。また、サブA/Dコンバータ8にはフラッ
シュ方式が用いられる。そして、出力回路7はエラー補
正回路11,12を備える。尚、2段目および3段目の
回路4,5は1ビット以上の冗長ビットを備える。
【0020】次に、A/Dコンバータ1の動作を説明す
る。サンプルホールド回路2は、アナログ入力信号Vin
をサンプリングして一定時間保持する。サンプルホール
ド回路2から出力されたアナログ入力信号Vinは、1段
目の回路3へ転送される。
【0021】1段目の回路3において、サブA/Dコン
バータ8はアナログ入力信号Vinに対してA/D変換を
行う。サブA/Dコンバータ8のA/D変換結果である
上位4ビットのデジタル出力Di(7)〜Di(4)(=27,2
6,25,24 )は、D/Aコンバータ9へ転送されると共
に、3つのラッチ回路6を介して出力回路7へ転送され
る。差分アンプ10は、D/Aコンバータ9のD/A変
換結果とアナログ入力信号Vinとの差分を増幅する。そ
の差分アンプ10の出力は、2段目の回路4へ転送され
る。
【0022】2段目の回路4において、サブA/Dコン
バータ8は1段目の回路3の差分アンプ10の出力に対
してA/D変換を行う。サブA/Dコンバータ8のA/
D変換結果である中位2ビットのデジタル出力Di(3),
Di(2)(=23,22 )は、D/Aコンバータ9へ転送さ
れると共に、2つのラッチ回路6を介して出力回路7へ
転送される。また、サブA/Dコンバータ8は2段目の
冗長使用信号RL(2),RU(2) を生成する。2段目の冗長使
用信号RL(2) はL側の冗長使用信号(または、−1信
号)であり、2段目の冗長使用信号RU(2) はH側の冗長
使用信号(または、+1信号)である。差分アンプ10
は、D/Aコンバータ9のD/A変換結果とアナログ入
力信号Vinとの差分を増幅する。その差分アンプ10の
出力は、3段目の回路5へ転送される。
【0023】3段目の回路5において、サブA/Dコン
バータ8は2段目の回路4の差分アンプ10の出力に対
してA/D変換を行う。サブA/Dコンバータ8のA/
D変換結果である下位2ビットのデジタル出力Di(1),
Di(0)(=21,20 )は、1つのラッチ回路6を介して
出力回路7へ転送される。また、サブA/Dコンバータ
8は3段目の冗長使用信号RL(3),RU(3) を生成する。3
段目の冗長使用信号RL(3) はL側の冗長使用信号(また
は、−1信号)であり、3段目の冗長使用信号RU(3) は
H側の冗長使用信号(または、+1信号)である。
【0024】1〜3段目の回路3〜5 のデジタル出力
は、各ラッチ回路6を経て同時に出力回路7に到達す
る。すなわち、各ラッチ回路6は各回路3〜5のデジタ
ル出力の同期をとるために設けられている。
【0025】出力回路7において、各エラー補正回路1
1,12はそれぞれ、ラッチ回路6を介して転送されて
くる1,2段目の回路3,4のデジタル出力に対してエ
ラー補正を施す。すなわち、エラー補正回路11は、2
段目の冗長使用信号RL(2),RU(2) と、エラー補正回路1
2の桁上げ信号INC および桁借り信号DEC とに基づい
て、1段目の回路3のデジタル出力Di(7)〜Di(4)にエ
ラー補正を施すことで、デジタル出力Do(7)〜Do(4)を
生成する。また、エラー補正回路12は、3段目の冗長
使用信号RL(3),RU(3) に基づいて、2段目の回路4のデ
ジタル出力Di(3), Di(2)にエラー補正を施すことで、
デジタル出力Do(3), Do(2)を生成する。そして、出力
回路7は、アナログ入力信号Vinの8ビットのデジタル
出力Do(7)〜Do(0)をパラレル出力する。尚、3段目の
回路5のデジタル出力Di(1), Di(0)はエラー補正を施
されることなく、そのままデジタル出力Do(1), Do(0)
として扱われる。
【0026】図2に、各エラー補正回路11,12の構
成を示す。各エラー補正回路11,12は、全加算器
(FA)21、全減算器(FS)22、半加算器(A)
23、半減算器(S)24から構成される。エラー補正
回路11は、エラー補正回路12の桁上げ信号INC およ
び桁借り信号DEC を入力する。尚、端子X,Yには被演
算子が入力され、端子zには桁上げ(キャリ)信号が入
力され、演算結果は端子Sから出力され、桁上げ信号は
端子C,Bから出力される。
【0027】このように、本実施形態によれば、以下の
作用および効果を得ることができる。 (1) 多段パイプライン構成をとることで、各段の回路
3,4において、アナログ入力信号Vinまたは1段目の
回路3の差分アンプ11の出力と、その段の回路3,4
のデジタル出力のD/A変換結果との差分が、差分アン
プ11によって増幅される。そのため、変換ビット数が
増大してLSBが小さくなっても、フラッシュ方式のサ
ブA/Dコンバータ9を構成する各コンパレータの分解
能を実質的に向上させることが可能になり、十分な変換
精度が得られる。
【0028】(2) 各段の回路3〜5のサブA/Dコンバ
ータ8のデジタル出力には、差分アンプ10のゲインエ
ラーなどの誤差が含まれる。しかし、各エラー補正回路
11,12を備えているため、1段目および2段目の回
路4,5のサブA/Dコンバータ8のデジタル出力に含
まれる差分アンプ10のゲインエラーなどの誤差を補正
することができる。その結果、A/Dコンバータ1全体
のA/D変換精度を高めることができる。
【0029】(3) 各エラー補正回路11,12は、2段
目の冗長使用信号RL(2),RU(2) と3段目の冗長使用信号
RL(3),RU(3) とが同時に発生した場合でも、エラー補正
を施すことができる。
【0030】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形
態において、第1実施形態と同じ構成部材については符
号を等しくしてその説明を省略する。
【0031】図3に、本実施形態の8ビット3段パイプ
ライン構成をとるA/Dコンバータ31のブロック回路
を示す。A/Dコンバータ31において、第1実施形態
のA/Dコンバータ1と異なるのは、各エラー補正回路
11,12が各エラー補正回路32,33に置き換えら
れ、出力回路7内に論理回路34が設けられている点だ
けである。
【0032】図4に、各エラー補正回路32,33の構
成を示す。各エラー補正回路32,33は全加算器(F
A)21だけから構成される。エラー補正回路33の桁
上げ信号INC1は論理回路34に入力される。
【0033】図5に、論理回路34の構成を示す。論理
回路34は、インバータ35およびNOR36から構成
され、2段目の冗長使用信号RL(2),RU(2) とエラー補正
回路33の桁上げ信号INC1とに基づいて、桁上げ信号IN
C2および桁借り信号DEC を生成する。
【0034】各エラー補正回路32,33はそれぞれ、
ラッチ回路6を介して転送されてくる1,2段目の回路
3,4のデジタル出力に対してエラー補正を施す。すな
わち、エラー補正回路32は、論理回路34の桁上げ信
号INC2および桁借り信号DECに基づいて、1段目の回路
3のデジタル出力Di(7)〜Di(4)にエラー補正を施すこ
とで、デジタル出力Do(7)〜Do(4)を生成する。また、
エラー補正回路33は、3段目の冗長使用信号RL(3),RU
(3) に基づいて、2段目の回路4のデジタル出力Di
(3), Di(2)にエラー補正を施すことで、デジタル出力
Do(3), Do(2)を生成する。
【0035】このように、本実施形態によれば、論理回
路34を備えているため、各エラー補正回路32,33
を全加算器21だけで構成することができる。その結
果、各エラー補正回路32,33の回路規模を小さくす
ることができる。尚、本実施形態において、エラー補正
回路32,33を備えたことによる作用および効果は、
第1実施形態のそれとほぼ同じである。
【0036】(第3実施形態)次に、本発明を具体化し
た第3実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形
態において、第2実施形態と同じ構成部材については符
号を等しくしてその説明を省略する。
【0037】図6に、本実施形態の8ビット3段パイプ
ライン構成をとるA/Dコンバータ41のブロック回路
を示す。A/Dコンバータ41において、第2実施形態
のA/Dコンバータ31と異なるのは、各エラー補正回
路32,33が各エラー補正回路42,43に置き換え
られ、論理回路34が論理回路44に置き換えられてい
る点だけである。
【0038】図7に、各エラー補正回路42,43の構
成を示す。各エラー補正回路42,43は全加算器(F
A)21だけから構成される。エラー補正回路43の桁
上げ信号INC1は論理回路44に入力される。
【0039】図8に、論理回路44の構成を示す。論理
回路44は、インバータ35、NOR36、NAND4
5から構成され、2段目の冗長使用信号RL(2),RU(2) と
3段目の冗長使用信号RL(3) とエラー補正回路33の桁
上げ信号INC1とに基づいて、桁上げ信号INC2および桁借
り信号DEC を生成する。すなわち、論理回路44は、桁
上げ信号INC1と3段目の冗長使用信号RL(3) と2段目の
冗長使用信号RU(2) との論理をとって桁上げ信号INC2を
生成し、桁上げ信号INC1と3段目の冗長使用信号RL(3)
と2段目の冗長使用信号RL(2) との論理をとって桁借り
信号DEC を生成する。
【0040】各エラー補正回路42,43はそれぞれ、
ラッチ回路6を介して転送されてくる1,2段目の回路
3,4のデジタル出力に対してエラー補正を施す。すな
わち、エラー補正回路42は、論理回路44の桁上げ信
号INC2および桁借り信号DECに基づいて、1段目の回路
3のデジタル出力Di(7)〜Di(4)にエラー補正を施すこ
とで、デジタル出力Do(7)〜Do(4)を生成する。また、
エラー補正回路43は、3段目の冗長使用信号RL(3),RU
(3) に基づいて、2段目の回路4のデジタル出力Di
(3), Di(2)にエラー補正を施すことで、デジタル出力
Do(3), Do(2)を生成する。
【0041】このように、本実施形態によれば、以下の
作用および効果を得ることができる。尚、本実施形態に
おいて、エラー補正回路42,43を備えたことによる
作用および効果は、第1実施形態のそれと同じである。 (1) 論理回路44を備えているため、各エラー補正回路
42,43を全加算器21だけで構成することができ
る。その結果、各エラー補正回路42,43の回路規模
を小さくすることができる。
【0042】(2) 論理回路44が3段目の冗長使用信号
RL(3) をも論理に加えているため、正確な桁上げ信号IN
C2および桁借り信号DEC を生成することが可能になり、
いかなる場合においても正確なエラー補正を施すことが
できる。
【0043】尚、上記各実施形態は以下のように変更し
てもよく、その場合でも同様の作用および効果を得るこ
とができる。 (1)4段以上の多段パイプライン構成に適用する。例
えば、4段パイプライン構成の場合には、1段目のデジ
タル出力のエラー補正に際して、2段目のサブA/Dコ
ンバータの生成する冗長使用信号だけでなく、3段目お
よび4段目のサブA/Dコンバータの生成する冗長使用
信号をも含めて論理をとる。また、2段目のデジタル出
力のエラー補正に際して、3段目のサブA/Dコンバー
タの生成する冗長使用信号だけでなく、4段目のサブA
/Dコンバータの生成する冗長使用信号をも含めて論理
をとる。
【0044】(2)サブA/Dコンバータ8をフラッシ
ュ方式以外の方式で具体化する。
【0045】
【発明の効果】 以上詳述したように本発明によれば、多
段パイプライン構成をとる高精度なアナログ−デジタル
変換回路を提供することができる。
【0046】
【0047】
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のブロック回路図。
【図2】第1実施形態の要部回路図。
【図3】第2実施形態のブロック回路図。
【図4】第2実施形態の要部回路図。
【図5】第2実施形態の要部回路図。
【図6】第3実施形態のブロック回路図。
【図7】第3実施形態の要部回路図。
【図8】第3実施形態の要部回路図。
【符号の説明】
3…1段目の回路 4…2段目の回路 5…3段目の回路 6…4段目の回路 7…出力回路 8…サブA/Dコンバータ 9…D/Aコンバータ 10…差分アンプ 11,12,32,33,42,43…エラー補正回路 34,44…論理回路 DEC …桁借り信号 INC1,INC2 …桁上げ信号 RL(2),RU(2) …2段目の冗長使用信号 RL(3),RU(3) …3段目の冗長使用信号 Di(7)〜Di(0), Do(7)〜Do(0)…デジタル出力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−218868(JP,A) 特開 平3−262212(JP,A) 特開 平1−136420(JP,A) 特開 平6−112826(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 1/00 - 1/88

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各段がアナログ−デジタル変換回路とデ
    ジタル−アナログ変換回路と差分アンプとから成る3段
    以上の多段パイプライン構成をとり、最終段を除く各段
    のそれぞれに対応して、その段のデジタル出力のエラー
    補正を行うエラー補正回路を備えたものであって、 最終段より一つ前の段を除く段に対応する前記エラー補
    正回路は、対応する段のデジタル出力に対し、後段から
    入力される冗長使用信号並びに後段に対応するエラー補
    正回路から入力される桁上げ信号及び桁借り信号を加減
    算することにより、対応する段のデジタル出力を補正す
    るものであって、後段の冗長使用信号並びに前記桁上げ
    信号及び桁借り信号が入力される全加算器及び全減算器
    と、この全加算器及び全減算器からの信号が入力される
    半加算器及び半減算器とを備え、 最終段より一つ前の段に対応する前記エラー補正回路
    は、対応する段のデジタル出力に対し、最終段から入力
    される冗長使用信号を加減算することにより、対応する
    段のデジタル出力を補正するものであって、最終段から
    の冗長使用信号が入力される半加算器及び半減算器を備
    えることを特徴としたアナログ−デジタル変換回路。
  2. 【請求項2】 各段がアナログ−デジタル変換回路とデ
    ジタル−アナログ変換回路と差分アンプとから成る3段
    以上の多段パイプライン構成をとり、最終段を除く各段
    のそれぞれに対応して、その段のデジタル出力のエラー
    補正を行うエラー補正回路を設けると共に、初段のエラ
    ー補正回路を除いて、前記各エラー補正回路における前
    段への出力部に論理回路を設けたものであって、 前記論理回路は、対応する段から入力される冗長使用信
    号とその段のエラー補正回路から入力される桁上げ信号
    との論理をとって、前段に対する桁上げ信号及び桁借り
    信号を出力し、 最終段より一つ前の段を除く段に対応する前記エラー補
    正回路は、対応する段のデジタル出力に対し、後段の論
    理回路から入力される桁上げ信号及び桁借り信号を加減
    算することにより、対応する段のデジタル出力を補正す
    るものであって、前記桁上げ信号及び桁借り信号が入力
    される全加算器を備え、 最終段より一つ前の段に対応する前記エラー補正回路
    は、対応する段のデジタ ル出力に対し、最終段から入力
    される冗長使用信号を加減算することにより、対応する
    段のデジタル出力を補正するものであって、最終段から
    の冗長使用信号が入力される全加算器を備えることを特
    徴としたアナログ−デジタル変換回路。
  3. 【請求項3】 各段がアナログ−デジタル変換回路とデ
    ジタル−アナログ変換回路と差分アンプとから成る3段
    以上の多段パイプライン構成をとり、最終段を除く各段
    のそれぞれに対応して、その段のデジタル出力のエラー
    補正を行うエラー補正回路を設けると共に、初段のエラ
    ー補正回路を除いて、前記各エラー補正回路における前
    段への出力部に論理回路を設けたものであって、 前記論理回路は、その段のエラー補正回路から入力され
    る桁上げ信号に対し、その段以降の全ての段が出力する
    冗長使用信号を反映させた信号との論理をとって、前段
    に対する桁上げ信号及び桁借り信号を出力し、 最終段より一つ前を除く段に対応する前記エラー補正回
    路は、対応する段のデジタル出力に対し、前記論理回路
    から入力される桁上げ信号及び桁借り信号を加減算する
    ことにより、対応する段のデジタル出力を補正するもの
    であって、前記桁上げ信号及び桁借り信号が入力される
    全加算器を備え、 最終段より一つ前の前記エラー補正回路は、対応する段
    のデジタル出力に対し、最終段から入力される冗長使用
    信号を加減算することにより、対応する段のデジタル出
    力を補正するものであって、最終段からの冗長使用信号
    が入力される全加算器を備えることを特徴としたアナロ
    グ−デジタル変換回路。
  4. 【請求項4】 前記論理回路は、その段のエラー補正回
    路から入力される桁上げ信号とその段が出力するH側の
    冗長使用信号とその段の前記エラー補正回路に含まれる
    全加算器のY端子に入力される信号と同一の信号との論
    理をとって桁上げ信号を生成し、 その段のエラー補正回路から入力される桁上げ信号とそ
    の段が出力するL側の冗長使用信号とその段の前記エラ
    ー補正回路に含まれる全加算器のY端子に入力される信
    号と同一の信号との論理をとって桁借り信号を生成する
    ことを特徴とした請求項3に記載のアナログ−デジタル
    変換回路。
  5. 【請求項5】 前記エラー補正回路は、全加算器のみに
    よって加減算を行うことを特徴とした請求項2〜4のい
    ずれか1項に記載のアナログ−デジタル変換 回路。
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