JP3086565B2 - 光学ガラス組成物 - Google Patents

光学ガラス組成物

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JP3086565B2 JP05104576A JP10457693A JP3086565B2 JP 3086565 B2 JP3086565 B2 JP 3086565B2 JP 05104576 A JP05104576 A JP 05104576A JP 10457693 A JP10457693 A JP 10457693A JP 3086565 B2 JP3086565 B2 JP 3086565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に光学製品に用いら
れる光学ガラス組成物に係り、特に高屈折率で、低分散
で、そして高耐久性を有することにより、分析機器用の
レンズ、セル、プリズム、光ファイバー等に最適な光学
ガラス組成物に係る。
【0002】
【従来の技術】光学ガラスは主として光学系において、
レンズ・プリズムとして、光学像の伝達に用いられる。
そして、光学像を正確に伝達するために、高度の品質、
即ち、均質性、等方性、無色透明性が要求される。しか
し、光学系の収差には色収差、球面収差、非点収差、像
面湾曲、歪曲などがあり、1枚のレンズでこれらの収差
を無くすことはできないので、これらの収差の程度を減
らすために、複数枚のレンズを組み合わせたり、各種の
屈折率や分散を持つガラスをその光学的な用途によって
使い分けるための開発研究がなされている。
【0003】光学ガラスの種類はヘリウムのd線(λ=
587.6nm)に対する屈折率ndと可視領域におけ
る分散を示すアッベ数νdにより示される。そして、従
来、光学的な用途に使用され得るガラスとして、よく知
られている光学ガラスはその構成成分により、図2に示
すような系列に分類される。
【0004】例えば、屈折率が小さく、アッベ数が大き
いものとしてはフツリン酸塩系ガラスがあり、AlF3
−RF2 −Ba(PO32 、AlF3 −RF2 −MF
3 −Ba(PO32 (Rはアルカリ土類、Mは希土
類)の組成系により構成され、フッ素含有クラウンガラ
スはSiO2 −R´2 O−RO−Al23 −KF(R
´はアルカリ)、フッ素含有フリントガラスはSiO2
−R´2 O−TiO2 −K2 TiF6 、リン酸塩ガラス
はP25 −Al23 −BaO−(M23 )、ホウ
ケイ酸塩ガラスはSiO2 −B23 −Al23 −R
´2 O−RO、クラウンガラスはSiO2 −Al23
−R´2 O−RO、フリントガラスはSiO2 −R´2
O−PbO−(TiO2 )、バリウムクラウンガラスは
SiO2 −B23 −Al23 −BaO−RO、バリ
ウムフリントガラスはSiO2 −B23 −Al23
−BaO−PbO−(TiO2 )、希土類(例えば、L
a)含有ガラスはB23 −(SiO2 )−La23
−RO、そして、屈折率が大きく、アッベ数が小さいも
のとして、TeO2 −WO3 −R´2 Oの組成系により
構成されているテルライトガラスなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のSiO2やB23やAl23等を主成分とする光学
ガラスは、図2でも明らかなように、屈折率を大きくす
るとアッベ数が小さくなり、すなわち、屈折率の波長分
散が大きくなる傾向があり、逆に、屈折率の小さなもの
は、アッベ数が大きく、すなわち屈折率の波長分散が小
さくなるという傾向があった。そこで、各種の波長領域
においてその屈折率の波長分散は小さいことを要求され
る分析機器などの評価用のセル、レンズ、さらには等に
は使いずらいという問題があった。
【0006】さらには、近年開発研究が盛んなSHG
(Second HermonicGeneratio
n)素子に適用する光学ガラスとして、1.7〜1.8
程度の屈折率を有し、かつ屈折率の波長分散が小さいも
のという要求に耐え得る光学ガラスは得られなかった。
【0007】しかも、耐環境性、特に耐湿性に劣ってい
るものが多く、表面にコーティング等の処理をした後
に、使用しなければならないものが多いという問題も有
している。
【0008】そこで、本発明は、低分散および高耐久性
で、さらにはSHG素子への適用に有用な高屈折率の光
学ガラス組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、光学
ガラスを構成する組成物として、SiO2を15重量%
以上、PbOを15重量%以上、40重量%以下、B2
3を5重量%以上の割合にて含有し、かつ前記Si
2、PbO、およびB23以外にも、TlまたはTe
の少なくとも一方を含有し、合計含有量が10重量%以
上の割合で含有し、さらにZnOを2重量%以上、Zr
2 を2重量%以上の割合で含有することを特徴とす
る。
【0010】さらに、本願第2の発明は前記第1の発明
の光学ガラス組成物に、さらに、Mg、Ca、およびS
rの酸化物のうち少なくとも1種類の成分を含有するこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】前記記載の第1の発明によれば、高屈折率・低
分散光学ガラス組成物として、網目形成酸化物であるS
iO2を15重量%以上、また網目形成酸化物としての
働きを合わせ持つ中間酸化物であるPbOを15重量%
以上、40重量%以下、B23 を5重量%以上含有す
ることにより、弾性に富み、歪みに強く、ガラスの割れ
欠けが少なくなる。
【0012】そして、比較的低融点の金属であるPb、
Tl、またはTe等の比較的ガラス化が容易な酸化物の
うち少なくとも2種類以上を含むため、比較的低温で加
工が可能となった。
【0013】さらに、Pb、Tlの酸化物は、屈折率を
大きくするのに有効であるが、Pbは同時に屈折率の波
長分散(入射光の波長によって、屈折率が変化すること
をいう。)も大きくしてしまう。そこでPbの添加量を
比較的小量に抑え、BおよびTlの添加量を検討した
所、高屈折率でありながら、低分散な光学ガラスが得ら
れることが分かった。
【0014】また、ZnOを2重量%以上、およびZr
2 を2重量%以上含有することにより、ビッカース硬
度が500以上の高硬度となり、さらにヤング率が60
00〜7000kg/mm2と弾性に富み、歪に強く、
ガラスの割れ欠けが少なくなるとともに、特にZrO 2
の働きにより耐水性が大幅に向上した。
【0015】前記記載の第2の発明によれば、前記記載
の第1の発明の光学ガラス材料にさらにMg、Ca、お
よびSrの酸化物のうち少なくとも1種類を含有するこ
とにより、さらなるビッカース硬度、弾性向上が見られ
ただけでなく、屈折率の微調節に有効であった。
【0016】上記記載の本願の第1から第2の発明に係
る全てのガラス組成物は、無色透明であるため、光学用
途のガラス材料に適しており、幅広い利用分野において
使用することが可能である。その中でも、特にどのよう
な波長の光を透過させても屈折率が変化が少ないことよ
り、分析機器用のレンズ、セル、プリズム、光ファイバ
ー等に最適である。
【0017】
【実施例】本発明の光学ガラス組成物の一実施例につい
て以下に説明する。
【0018】まず、SiO2:26重量%、PbO:3
0重量%、B23:12重量%、Tl23:14重量
%、TeO2:5重量%、ZnO:5重量%、ZrO 2
4重量%およびSrO:4重量%の各原材料を、所定量
づつ採取して配合し、白金ルツボ中、1200℃の温度
で約1時間溶融および混合することにより試料1を作製
した。
【0019】本発明による試料1は、網目形成酸化物で
あるSiO2を26重量%、また網目形成酸化物として
の働きを合わせ持つ中間酸化物であるPbOを30重量
%、B23を12重量%、ZnOを5重量%、およびZ
rO 2 を4重量%、さらに硬度向上に効果の大きなSr
Oを4重量%含んでいるため、組成物の材料全体の約8
0%がガラスの網目構造に寄与している。よって、本実
施例による試料1はビッカース硬度が580と高硬度で
あり、さらにヤング率が6600kg/mm2と弾性に
富み、歪に強く、ガラスの割れ欠けが少ない光学ガラス
組成物であることがわかった。
【0020】ここで、試料1の屈折率の分散を調べた。
図1にその結果を従来の幾つかの光学ガラス組成物のも
のと比較して示す。図1より、試料1の光学ガラス組成
物は、0.4〜1.1μmの波長領域において、屈折率
約1.77〜1.8の領域に分布しており、極めて波長
分散が小さいことが分かった。
【0021】ここで、さらに光学ガラス組成比の検討を
重ねたところ、網目形成酸化物であるSiO2 を15重
量%以上、網目形成酸化物としても働く中間酸化物であ
るPbOを15重量%以上で40重量%以下、B23
を5重量%以上含むことにより、ビッカース硬度が40
0以上の高硬度となり、さらに、ヤング率が6000〜
7000kg/mm2 となることが分かった。即ち、弾
性に富み、歪に強く、ガラスの割れ欠けが少ないものが
得られることがわかった。
【0022】また、比較的低融点の金属であるPb、T
l、およびTeの比較的ガラス化が容易な酸化物をのう
ち、少なくとも2種類以上を含むように構成することに
より、550℃と比較的低温での加工が可能であった。
【0023】そして、ZnOを2重量%以上、かつZr
2 を2重量%以上含有することにより、両材料の相乗
効果が得られ、ビッカース硬度が500程度までのさら
なる高硬度化をはかるとともに、耐水性をも大幅に向上
させることができた。
【0024】ここで、試料1の屈折率とアッベ数の関係
を調べ、図2中に従来の光学ガラス組成物と比較して示
す。試料1に含まれるPb、B、およびTlの酸化物
は、屈折率を大きくするのに有効であるが、Pbは同時
に屈折率の波長分散(入射光の波長によって、屈折率が
変化することをいう。)も大きくしてしまう。そこでP
bの添加量を30重量%と比較的小量に抑え、Bおよび
Tlを添加したことにより、試料1は、nd=1.78
52 と高屈折率でありながら、アッベ数は68と大き
い、即ち、非常に屈折率分散が低いものとなった。
【0025】そして、さらに光学ガラス組成比の検討を
重ねたところ、本発明による光学ガラス組成物は図2中
の黒塗りの領域として示すように、従来のものと比較し
て、屈折率が高く、アッベ数の高い領域に分布する組成
物のものが得られることが分かった。そして、特にここ
で、得られた屈折率1.7〜1.8の領域は、従来のア
ッベ数30〜50のものに比較して、60〜70と非常
に高くなるため、SHG素子用の光学ガラス組成物とし
て用いた場合、特に有用な光学ガラスとなることが分か
った。
【0026】また、上記試料1ではSrの酸化物である
SrOを含み、その含有量の制御により、屈折率の微調
整に有効であることが分かったが、これは他にMg、C
aの酸化物でも同様の結果が得られた。即ち、Mg、C
a、およびSrの酸化物のうち少なくとも1種類を含有
することにより、さらなるビッカース硬度、弾性向上が
得られただけでなく、特に屈折率の小数点以下3〜4桁
目の制御も可能であることがわかった。
【0027】また、本発明により得られた光学ガラス組
成物は広い波長範囲にわたって、無色透明であることも
分かった。
【0028】
【発明の効果】上記記載の本発明によれば、高屈折率・
低分散および高耐久性光学ガラス組成物を得ることがで
きる。そして、高硬度で、弾性に富み、歪に強く、ガラ
スの割れ欠けが少ない光学ガラス組成物であるという効
果も有する。
【0029】また、比較的低温で加工が可能であり、ガ
ラス化も容易であり、耐水性が大幅に向上するという効
果を奏する。さらには、屈折率の小数点以下3〜4桁目
の制御もできるという効果を奏する。
【0030】また、SHG素子用の光学ガラス組成物と
しても有用な屈折率で、かつ波長分散が小さいものがえ
られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により作製した光学ガラス組成物と従来
の幾つかのものとの屈折率分散曲線を比較して示す図で
ある。
【図2】本発明により作製した光学ガラス組成物と従来
の一般的なものとの屈折率とアッベ数の特性比較を示す
図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラスを構成する組成物として、S
    iO2を15重量%以上、PbOを15重量%以上、4
    0重量%以下、B23を5重量%以上の割合にて含有
    し、かつ前記SiO2、PbO、およびB23以外に
    、TlまたはTeの少なくとも一方を含有し、合計含
    有量が10重量%以上の割合で含有し、さらにZnOを
    2重量%以上、ZrO 2 を2重量%以上の割合で含有す
    ることを特徴とする光学ガラス組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学ガラス組成物に、さ
    らに、Mg、Ca、およびSrの酸化物のうち少なくと
    も1種類の成分を含有することを特徴とする光学ガラス
    組成物。
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