JP3086492U - 回転椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食事時や休息時の姿勢保持に必要な背もたれ
と起立動作補助に必要な肘掛とを有しながら、背もたれ
が台状体の天板縁部に当接することがなく、更には種々
に異なる使用者の体型に対応することができる回転椅子
を提供する。 【解決手段】 基部（５）に背もたれ（７）を水平方向
には回動不能に備えさせ、該基部上には座部（１１）と
肘掛（１３）とを該座部と肘掛とが水平方向に一体的に
回動自在になるように支持させたことを特徴とする回転
椅子。前記座部の後部上方には該座部と一体的に回動す
る腰部支持クッション（１９）を備えさせ、該腰部支持
クッションは該座部の前後方向に位置調節可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、回転椅子に関するものであり、特に背もたれに対し座部と肘掛とが水 平方向に一体的に回動するようにした回転椅子に係るものである。本考案による 回転椅子は例えば台状体の近傍に配設される。

【０００２】 本明細書において「台状体」とは、テーブル、机、載置台、作業台等の台状部 をそなえてなるものをいうものとする。

【０００３】

【従来の技術】

回転椅子としては、座部と肘掛と背もたれとを共通の基部上に水平方向に回動自 在に支持させ、該座部と肘掛と背もたれとが水平方向に常に一体的に回動するよ うにしてなるもの（以下「従来の回転椅子」という。）が従来より知られている 。また、従来の回転椅子における背もたれは前後方向に傾動自在に取り付けられ ているものもある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、上記従来の回転椅子においては次のような問題がある。

【０００５】 （イ）回転椅子を台状体の近傍に配設して使用する場合、回転椅子の背もたれが 台状体の天板下面よりも低くないときには回転椅子を回動させた際に該背もたれ が台状体の天板縁部に当接する。回転椅子の背もたれが台状体の天板縁部に当接 することを防止するためには、従来の回転椅子においては背もたれを台状体の天 板下面よりも低く形成する必要がある。しかるに、背もたれを台状体の天板下面 よりも低く形成したときには、座部の上面から背もたれの上縁までの高さが極め て低くなるため、該回転椅子は姿勢保持機能を充分に発揮し得ないものとなり、 回転椅子の使用者は休息感を得ることができないという問題が生ずる。

【０００６】 （ロ）背もたれが前後方向に傾動不能となっている従来の回転椅子が種々に異な る使用者の体型に対応することができないことはいうまでもないが、背もたれが 前後方向に傾動自在に取り付けられている回転椅子においても、該背もたれは前 後方向に平行移動することができないため該回転椅子が種々に異なる使用者の体 型に対応することができないという問題は残る。

【０００７】 本考案は、従来の回転椅子における上述の如き問題を解決し、食事時や休息時の 姿勢保持に必要な背もたれと起立動作補助に必要な肘掛とを有しながら、背もた れが台状体の天板縁部に当接することがなく、更には種々に異なる使用者の体型 に対応することができる回転椅子を提供しようとしてなされたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は下記の回転椅子を提供するものである。

【０００９】 （１）基部に背もたれを水平方向には回動不能に備えさせ、該基部上には座部と 肘掛とを該座部と肘掛とが水平方向に一体的に回動自在になるように支持させた ことを特徴とする回転椅子（請求項１）。背もたれは水平方向には回動不能であ るが、このことは背もたれが前後方向に傾動自在であることを排除するものでは ない。即ち、背もたれは前後方向に傾動自在であってもよい。

【００１０】 （２）前記座部の後部上方には該座部と一体的に回動する腰部支持クッションを 備えさせ、該腰部支持クッションは該座部の前後方向に位置調節可能である（請 求項２）。

【００１１】

【作用】

[請求項１の回転椅子] 背もたれは基部に対して水平方向には回動不能である。座部と肘掛とは基部に対 し水平方向に一体的に回動自在である。即ち、座部と肘掛とは背もたれに対し水 平方向に一体的に回動自在である。

【００１２】 回転椅子を台状体の近傍に配設する際には、一例として図１に示すように背もた れを台状体に対向させた状態で回転椅子を配設する。使用者が回転椅子に着座す る際には、使用者は座部と肘掛とを水平方向に一体的に回動させることにより座 部の正面側が台状体の側方を向くようになした状態（図２参照）で適宜肘掛と台 状体の天板上面等に手をついて着座し、続いて座部と肘掛とを再び水平方向に回 動させることにより座部の正面側が台状体方向を向くようになす。使用者が回転 椅子から立ち上がる際には、使用者は座部と肘掛とを水平方向に一体的に回動さ せることにより座部の正面側が台状体の側方を向くようになした状態（図２参照 ）で適宜肘掛と台状体の天板上面等に手をついて回転椅子から立ち上がる。従っ て、高齢者、病人、負傷者等といえども、回転椅子に容易に着座し、回転椅子か ら容易に立ち上がることができる。

【００１３】 上記いずれの場合にも、背もたれは水平方向には回動しないため、背もたれが台 状体の天板縁部に当接することはない。従って、肘掛を台状体の天板に当接しな い高さに形成しておけば、座部と肘掛とは円滑に回動する。

【００１４】 座部と肘掛とを回動させる作業は回転椅子の使用者を介助する介助者が行なって も差し支えない。

【００１５】 背もたれは基部に対して水平方向には回動不能である。即ち、座部と肘掛とを基 部に対し水平方向に一体的に回動させたときでも、背もたれは回動しない。換言 すれば、背もたれは台状体の天板縁部に当接しないため、背もたれを台状体の天 板よりも高くしても全く差し支えない。従って、背もたれを台状体の天板よりも 高くすることにより、背もたれに充分な姿勢保持機能を持たせると共に使用者に 好ましい休息感を与えることができる。

【００１６】 [請求項２の回転椅子] 腰部支持クッションは使用者が食事等の際に前傾姿勢を保持することを容易なら しめる。また、腰部支持クッションは座部の前後方向に位置調節可能であるため 、種々に異なる使用者の体型に対応させることができる。

【００１７】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態を添付図面に従って説明する。 符号１に示すものは天板１ａを備えた台状体、符号３に示すものは該台状体１の 近傍に配設された本考案による回転椅子である。図示の回転椅子３は木製である が、回転椅子３は金属その他の材料により形成しても差し支えない。

【００１８】 回転椅子３における基部５には背もたれ７を水平方向には回動不能に備えさせる 。図示の事例における背もたれ７は基部５と一体的に形成されているが、背もた れ７は基部５と別体のものとし、これを基部５に取り付けるようにしてもよい。 背もたれ７は前面に使用者の背部を支えるクッション９を備えている。

【００１９】 基部５上には座部１１と肘掛１３とを該座部１１と肘掛１３とが水平方向に一体 的に回動自在になるように回動支持手段１５を介して支持させる。図３に示す回 動支持手段１５は多数個のボール１７を内設しており、座部１１と肘掛１３とを 一例として１８０度の角度範囲内で水平方向に回動自在に支持する。図示の事例 における肘掛１３は座部１１に固定されている。

【００２０】 座部１１の後部上方には該座部１１と一体的に回動する腰部支持クッション１９ を備えさせ、該腰部支持クッション１９は該座部１１の前後方向に位置調節可能 である。

【００２１】 腰部支持クッション１９を座部１１の前後方向に位置調節可能となすための手段 の一例について、図４〜図６を参照して説明する。この事例においては、肘掛１ ３を座部１１の後部上方まで延設し、該肘掛１３の後部１３ａには一対のボルト ２１、２１を進退不能且つ回転自在に前方に向けて突設し、腰部支持クッション １９には該ボルト２１、２１に対応するナット２３、２３を埋設し、該ナット２ ３、２３にボルト２１、２１を螺合させ、該ボルト２１、２１を回転させること により腰部支持クッション１９を座部１１の前後方向に位置調節可能となす。腰 部支持クッション１９を前方に位置させる場合には、必要に応じて肘掛１３の後 部１３ａと腰部支持クッション１９との間にスペーサー２５を介在させる。スペ ーサー２５にはボルト２１、２１を挿通させる切り欠き２７、２７を下縁より形 成する。このスペーサー２５の切り欠き２７、２７はボルト２１、２１に対し上 方より外嵌する。スペーサー２５がボルト２１、２１から取り外し自在であるこ とはいうまでもない。

【００２２】 図５に示す腰部支持クッション１９は背面の支持体２９にナット２３、２３を支 持させ、該支持体２９の前側にカバー３１を取り付け、該支持体２９とカバー３ １との間にクッション材３３を配設している。

【００２３】

【考案の効果】

[請求項１の回転椅子] 背もたれは基部に対して水平方向には回動不能であるため、座部と肘掛とを水平 方向に回動させたときに背もたれが台状体の天板縁部に当接することはない。従 って、肘掛を台状体の天板に当接しない高さに形成しておけば、座部と肘掛とは 円滑に回動する。

【００２４】 背もたれは基部に対して水平方向には回動不能であり、台状体の天板縁部に当接 することがないため、背もたれを台状体の天板よりも高くしても全く差し支えな い。従って、背もたれを台状体の天板よりも高くすることにより、背もたれに充 分な姿勢保持機能を持たせると共に使用者に好ましい休息感を与えることができ る。

【００２５】 [請求項２の回転椅子] 腰部支持クッションは使用者が食事等の際に前傾姿勢を保持することを容易なら しめる。また、腰部支持クッションは座部の前後方向に位置調節可能であるため 、種々に異なる使用者の体型に対応させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による回転椅子の使用状態の一例を示す
斜視図である。

【図２】同上回転椅子の使用状態の別の一例を示す斜視
図である。

【図３】同上回転椅子の側面図である。

【図４】同上回転椅子における座部と肘掛とを示す平面
図である。

【図５】腰部支持クッションを座部の前後方向に位置調
節可能となすための手段の一例を示す断面図である。

【図６】同上手段におけるスペーサーとボルトとを示す
正面図である。

【符号の説明】

１ 台状体 １ａ 天板 ３ 回転椅子 ５ 基部 ７ 背もたれ ９ クッション １１ 座部 １３ 肘掛 １３ａ 後部 １５ 回動支持手段 １７ ボール １９ 腰部支持クッション ２１ ボルト ２３ ナット ２５ スペーサー ２７ 切り欠き ２９ 支持体 ３１ カバー ３３ クッション材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 櫻川 智史 静岡県静岡市牧ヶ谷2078 静岡県静岡工業 技術センター内 (72)考案者 鈴木 敬明 静岡県静岡市牧ヶ谷2078 静岡県静岡工業 技術センター内 (72)考案者 易 強 静岡県静岡市牧ヶ谷2078 静岡県静岡工業 技術センター内 (72)考案者 佐藤 公昭 静岡県静岡市山崎１丁目18−14 (72)考案者 曽根 幸男 静岡県藤枝市上当間543−５

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基部に背もたれを水平方向には回動不能
   に備えさせ、該基部上には座部と肘掛とを該座部と肘掛
   とが水平方向に一体的に回動自在になるように支持させ
   たことを特徴とする回転椅子。
2. 【請求項２】 前記座部の後部上方には該座部と一体的
   に回動する腰部支持クッションを備えさせ、該腰部支持
   クッションは該座部の前後方向に位置調節可能であるこ
   とを特徴とする請求項１の回転椅子。